説明

効率的および局所的なシューズの生産方法

効率的なシューズ製造に関する方法およびシステムであって、シューズ製造に要する特殊な人的労力を削減する一方、高度に自動化された製造設備にしばしば付随する高コストおよび特別のメンテナンスの必要性を回避することができる、方法およびシステムを提供する。本発明によるシステムおよび方法を用いて、ワークフローの重複を用い、それによって製造設備の物理的設置面積を削減する、1つのシューズ製造設備で複数モデルのカスタマイズシューズを生産することができる。付加的に、本発明の実施形態は、効率的にシューズを生産する方法およびシステムを提供し、特定の地理的場所の要請を満たし、それによって他の場所で生産したシューズを持ち込む必要性を排除することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、名称「効率的および局所的なシューズ生産方法(Method for Efficient and Localized Production of Shoes)」として、2008年9月26日に出願した米国仮特許出願第61/194,496の恩典を請求する。
【0002】
シューズ生産は過去100年間にわたって、機械化の進歩にも関わらず、あまり変化のない労働集約的なプロセスである。
【背景技術】
【0003】
つまり、今日の大抵のシューズ製造工程は非常に多くの手動入力を要する。例えば、一人の労働者がシューズの上側部分を切断、成形、アライン、および縫い合わせしなければならない。
このプロセスは多数の機械を利用するが、非常に多くの人手の介入を依然として要し、このことは2つの異なる上側部分間に変化を生じずるおそれがある。その後、このシューズの上側部分は別の労働者に渡され、刺繍または他の装飾を加えられるが、これはまた非常に多くの人手の介入を要する。これら高いレベルの人手の介入は、完成したシューズ製品に、不要な変化を生じてしまう。さらに、シューズ作成中に要する多量の人的労力は、多くの顧客が容認できる価格で注文カスタムシューズを生産する能力を制限してきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本概要は、以下の説明でさらに詳細に記載する概念の選択を、簡略化した形式で選択的に導入する。本概要は、特許請求の範囲の主要な特徴または不可欠な特徴を識別することを意図しておらず、また特許請求の範囲を決定することを目的とすることも意図していない。本発明は、この技術分野においていくつかの実用的な応用を提供し、本明細書に記載する特定タイプのシューズの生産方法に限定しないこととする。
【0005】
本発明は、効率的なシューズ製造方法およびシステムに関し、この方法およびシステムは、高度に機械化された製造設備に頻繁に付随する高コストおよび特別なメンテナンスを回避しながら、一足のシューズを製造するために要する特殊な人的労力を削減する。本発明によるシステムおよび方法を用いて、一つのシューズ製造設備で、複数モデルのカスタムシューズを生産することができる。例えば、ある顧客が特定モデルのシューズを注文しても、次の顧客が別モデルのシューズを注文することができ、しかも双方のシューズのモデルは互いに重複するワークフローを利用することによって同一設備で製造することができる。
【0006】
本発明の内容は、法律の要件を満たすために本明細書に詳細に記載する。しかし、記載自体は本特許の範囲を制限することを意図していない。むしろ、発明者は、請求内容が他の方法でも実施されることを期待しており、他の現在または将来の技術と同時に、異なるステップまたは本書類に記載するものと同様のステップの組み合わせを含むものとする。さらに、用語「ステップ」は、本明細書において、採用する方法の異なる要素を暗示するよう用い、個々のステップの順番が明確に記載されない限りおよびされるときを除いて、この用語は本明細書において様々なステップ間の特定の順番を暗示するものと解釈してはならない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例は、地理的な位置の要求を満たすシューズを効率的に生産する方法を提供する。例として、これに限定しないが、シューズの効率的生産の生産設備は特定のモジュールに分割し、このモジュールは、刺繍またはミッドソール生産のような、分散配置作業に関連する、またはシューズ作成プロセスの1つ以上の態様に関連する特性を有する、エリアを意味するものとする。ある実施例においては、1つ以上のモジュールを、個々の作業者の労働環境が最適化されるよう設計し、作業者および作業者のモジュール内の機械間における相互作用が、労働者の健康維持に貢献するよう、人間工学的に設計するものとする。各モジュールは「モジュール」と称する。シューズ部品がモジュールを経て移動するとき、シューズの全製造におけるステップを備える、異なるプロセスおよび変更があり得る。
【0008】
シューズ製品であって、完成シューズまたは部分的に完成したシューズまたは完成シューズの部品とするシューズ製品は、カスタマイズ注文を受けた後のみに生産することができる。カスタマイズ注文は、任意の消費者用に生産した1つ以上のシューズに関連するカスタムシューズパラメータを含むものとする。さらに、各シューズはカスタムメードとし、各シューズは各顧客の要求(例えば、男性サイズ9、青色、硬度中レベルの左足を、男性サイズ9.5、赤色、硬度高レベルの右足とペアにすることができる)に従って様々な特徴を有するものとする。
【0009】
一旦顧客が1つ以上のシューズを発注すると、注文は生産システムを通じて監視して、各注文に特有の特徴を1人以上の作業者に通知するようにする。ある方法においては、カスタマイズ注文は1枚以上の用紙で1人以上の作業者に提示するものとする。各用紙は適切な作業者に伝達して、作業者が変更しているシューズおよび/またはシューズ部品に何の変更を施すか、作業者に知らせるようにする。その後、作業者は、好適な色のような、所望の特徴を、モジュール化した生産設備内の材料供給源から選択する、または作業者はコンピュータシステム上の一連のプログラム選択肢から所望のデザインおよび/または模様を選択するものとする。後者の方法においては、作業者は、材料上への印刷および/または刺繍および/またはエッチングに使用可能な所定デザインセットを検索し、さらにコンピュータをプログラムして材料上にデザインを印刷および/または刺繍および/またはエッチングするようにする。別の方法においては、操作者は、1つ以上のシューズ部品についての特注デザインとして顧客によって供されたデザインまたはプログラムを入力する。
【0010】
別の実施例においては、作業者は、シューズ部品製造設備において、作業者がアクセス可能なデータベース上に保存した顧客情報を有することによって、シューズ部品製造設備を通じてカスタマイズ注文に関連する情報にアクセスすることができるものとする。作業者は、シューズ部品製造設備における1つ以上のモジュールにおいてまたはその近傍で、コンピュータインタフェースを介してカスタマイズ注文情報にアクセスすることができるものとする。作業者は、1つ以上のバーコードを介して顧客に関する情報にもアクセスすることができるものとする。ある方法においては、バーコードは、1つ以上のシューズのカスタマイズ注文生産に必要な情報の全てを含むデータベースから、カスタマイズ注文情報にアクセスできるものとする。バーコードを用いて、1つ以上のシューズ部品に関する全情報にアクセスすることができる、またはこれを用いて1つ以上のシューズ部品に関する特定情報にアクセスすることができるものとする。
【0011】
例えば、作業者はプロセスに沿って各ソフトウェアアクセスポイントで1つのバーコードをスキャンするものとする。別の実施形態においては、バーコードは各特徴的態様および/またはシューズ部品に関連させる。例えば、バーコードは、シューズ部品の背景に付けるよう所望する色と関連させることができる。別の実施形態においては、バーコードは、上側部分(アッパー)に反映させるよう所望する部品および/またはデザインに関連させることができる。さらに別の実施例においては、バーコードはマーケットプレイスからの部品選択に関連させるものとする。例えば、1バーコードは男性用ランニングシューズサイズ9を表示し、一方、別のバーコードは女性用バスケットボールシューズサイズ7を表示するものとする。別の実施形態においては、バーコードの利用は、カスタマイズ注文の特徴を供給する数コードの利用に関連させる、または置き換えるものとする。例えば、バーコードが損傷する場合またはバーコードリーダが単純に動かない場合、作業者は数コードを入力して、1つ以上のシューズの注文に関連する特徴的な顧客情報を反映するものとする。
【0012】
1つ以上のシューズ部品を生産する3つの開始点は、アウトソール生産、ミッドソール生産、および上側部分(アッパー)生産とする。アウトソールおよび/またはミッドソール生産は顧客が注文する前に開始する。アウトソールおよび/またはミッドソールは、カスタマイズ注文を1つ以上のシューズの生産のために受け取った後に、必要に応じて生産することもできる。
本発明は添付図面を参照しながら以下に詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例による、カスタムシューズ部品の製造における、シューズ部品製造設備の説明図である。
【図2】本発明の実施例による、単一製造設備における、複数モデルのカスタムシューズを効率的に製造する方法のフローチャートである。
【図3】本発明の実施例による、アウトソール/ミッドソールモジュールにおけるランニングシューズのアウトソール製造ワークフローのフローチャートである。
【図4】本発明の実施例による、アウトソール/ミッドソールモジュールにおけるランニングシューズのミッドソール製造ワークフローのフローチャートである。
【図5】本発明の実施例による、プライミング(下塗り)および接着モジュールにおけるランニングシューズのワークフローのフローチャートである。
【図6】本発明の実施例による、ランニングシューズ上において、アウトソールおよびミッドソールをミッドソール-アウトソールとして結合するためのワークフローのフローチャートである。
【図7】本発明の実施例による、ランニングシューズの上側部分をカスタマイズするためのワークフローのフローチャートである。
【図8】本発明の実施例による、ランニングシューズの上側部分を組み立てるためのワークフローのフローチャートである。
【図9】本発明の実施例による、ランニングシューズのための耐久性および品質管理のワークフローのフローチャートである。
【図10】本発明の実施例による、アウトソール/ミッドソールモジュールにおける、バスケットボールシューズのためのアウトソール製造ワークフローのフローチャートである。
【図11】本発明の実施例による、アウトソール/ミッドソールモジュールにおける、バスケットボールシューズのためのミッドソール製造ワークフローのフローチャートである。
【図12】本発明の実施例による、プライミング(下塗り)および接着モジュールにおけるバスケットボールシューズのためのワークフローのフローチャートである。
【図13】本発明の実施例による、バスケットボールシューズにおいて、アウトソールおよびミッドソールをミッドソール-アウトソールとして結合するためのワークフローのフローチャートである。
【図14】本発明の実施例による、バスケットボールシューズの上側部分をカスタマイズするためのワークフローのフローチャートである。
【図15】本発明の実施例による、バスケットボールシューズの上側部分を組み立てるためのワークフローのフローチャートである。
【図16】本発明の実施例による、バスケットボールシューズのための耐久性および品質管理のワークフローのフローチャートである。
【図17】本発明の実施例による、アウトソール/ミッドソールモジュールにおける、スケートシューズのためのアウトソール製造ワークフローのフローチャートである。
【図18】本発明の実施例による、アウトソール/ミッドソールモジュールにおける、スケートシューズのためのミッドソール製造ワークフローのフローチャートである。
【図19】本発明の実施例による、プライミング(下塗り)および接着モジュールにおけるスケートボールシューズのためのワークフローのフローチャートである。
【図20】本発明の実施例による、スケートシューズ上において、アウトソールおよびミッドソールをミッドソール-アウトソールとして結合するためのワークフローのフローチャートである。
【図21】本発明の実施例による、スケートシューズの上側部分をカスタマイズするためのワークフローのフローチャートである。
【図22】本発明の実施例による、スケートシューズの上側部分を組み立てるためのワークフローのフローチャートである。
【図23】本発明の実施例による、スケートシューズのための耐久性および品質管理のワークフローのフローチャートである。
【図24】本発明の実施例による、カスタムシューズ部品製造のためのシューズ部品製造設備のワークフロー説明図である。
【図25】本発明の実施例による、シューズ生産に用いるモジュール構成のブロック図である。
【図26】本発明の実施例による、シューズ部品を生産および組み立てるためのシステムブロック図である。
【図27】本発明の実施例による、プロセスを通じて製造するシューズのワークフローのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
通常の図面、特に最初は図1、を参照すると、本発明の実施形態に適した典型的操作環境は、通常はシューズ部品製造設備100として図示および表記する。しかし、シューズ部品製造設備100は適切な製造環境の一例であって、本発明の利用または機能の範囲の限定を示唆することは意図しない。また、シューズ部品製造設備100は、図示した部品の1つまたはその組み合わせに関して順守または要求するものと解釈することは意図しない。
【0015】
図1は、モジュールに関連する作業者が実行するプロセスで組織した、6個のシューズ製造モジュールのフロア配置を示す。図1に示した6個のモジュールは、アウトソールおよびミッドソールモジュール;ミッドソール、アウトソール、上側部分(アッパー)のプライム(上塗り)および接着モジュール;最終組み立ておよびストックフィットモジュール;上側部分カスタマイズモジュール;上側部分形成および縫製モジュール;および靴型合わせ、再靴型合わせ、品質制御および包装モジュールを備えるものとする。図1の説明図につき、シューズ部品製造設備100中の各モジュールのエリアを説明する。
【0016】
アウトソールおよびミッドソールモジュールは、ファイロンビスケット(phylon biscuit)を生産するために用いる予形成(プリフォーム)射出成形機102を備える。このアウトソールおよびミッドソールモジュールは、ミッドソールを形成に利用するためのファイロンビスケットを保管するミッドソールマーケットプレイス108も備える。アウトソールおよびミッドソールモジュールは、特にキングステッド社製急速開放プレス機(Kingstead Quick Open Press)とする、プレス機106も備え、これを用いて右指向シューズ、左指向シューズ、または中立指向シューズとしてファイロンビスケットを特徴付けるものとする。アウトソールおよびミッドソールモジュールはマイクロ波熱源も備え、ファイロンビスケットを予加熱する。アウトソールおよびミッドソールモジュールは安定化オーブン110も備え、これを用いてミッドソールを安定化させまたミッドソール体積を縮小することもできる。アウトソールおよびミッドソールモジュールは洗浄/乾燥テーブル112も備える。アウトソールおよびミッドソールモジュールは、他のミッドソールマーケットプレイス104も備える。アウトソールおよびミッドソールモジュールは、アウトソールを生産するために用いるゴム射出成形機116も備える。アウトソールおよびミッドソールモジュールは、アルカリまたは酸洗浄でアウトソールを洗浄するために用いる洗浄/乾燥エリア114も備える。アウトソールおよびミッドソールモジュールはアウトソールマーケットプレイス118も備える。
【0017】
ミッドソール、アウトソール、上側部分プライム(上塗り)および接着モジュールは、ミッドソールマーケットプレイス104およびアウトソールマーケットプレイス118を有することができる。ミッドソール、アウトソール、上側部分プライムおよび接着モジュールはプライムおよび接着エリア120も備える。別の実施例においては、プライムおよび接着エリアは2つ分断したエリアとする。ミッドソール、アウトソール、上側部分プライムおよび接着モジュールは、シューズ部品製造設備100におけるシューズ部品および/またはシューズ製品の製造における、1つ以上のプロセスに関連する化学薬品を格納する化学薬品保管エリア158も備えるものとする。ミッドソール、アウトソール、上側部分プライムおよび接着モジュールは、赤外線(IR)オーブン122も備える。別の方法においては、ミッドソール、アウトソール、上側部分プライムおよび接着モジュールは標準的なオーブンも備え、このオーブン内で、1つ以上のシューズ製品は、接着剤を活性化させるような、製造プロセスを経るものとする。
【0018】
最終組み立ておよびストックフィットモジュールはIRオーブン122を備える。最終組み立ておよびストックフィットモジュールはミッドソールおよびアウトソールを一緒に合わせるために用いるブラダープレス機(bladder press)124も備える。最終組み立ておよびストックフィットモジュールは標準的なプレス機126も備える。最終組み立ておよびストックフィットモジュールは、ミッドソール-アウトソールシューズ製品の接着を設けるために用いる冷却装置128も備える。
【0019】
上側部分カスタマイズモジュールはエコ溶媒プリンタ132およびプリントデスク134並びに昇華型染料プリンタ136を備える。上側部分カスタマイズモジュールは、上側部分カスタマイズで用いる材料を修正するために用いるカスタム型抜き機138、および、シューズ部品製造設備100における1つ以上のシューズ部品および/または1つ以上シューズ製品の製造における1つ以上の製造プロセスに関連するツールを備えるツーリング(tooling)エリア160、とを備える。上側部分カスタマイズモジュールは、上側部分カスタマイズで用いる材料をエッチングするために用いるレーザー140およびレーザー/刺繍デスク146も備える。上側部分カスタマイズモジュールは昇華型染料プレス142も備える。上側部分カスタマイズモジュールは左側刺繍機械162も備えるおよび右側刺繍機械164も備えるものとする。上側部分カスタマイズモジュールは、 シューズ部品製造設備100中の1つ以上のシューズ部品および/または1つ以上シューズ製品の製造における1つ以上のプロセスに関するツールを備えるツーリングエリア166も備える。上側部分カスタマイズモジュールは、高周波(RF:radio frequency)ウェルダ(Welder)148も備え、このRFウェルダ148は、シューズ生産プロセスにおいてシューズ部品を一時的に保管するために用いるRF中継エリアを備えることができる。
【0020】
上側部分形成および縫製モジュールは、RFウェルダ148を備え、このRFウェルダ148はシューズ製品を生産または修正するプロセスにおいてシューズ部品を一時的に保管するために用いるRF中継エリアを備えるものとする。上側部分形成および縫製モジュールはマーケットプレイス150も備え、このマーケットプレイス150を用いてシューズまたはシューズ製品の生産を完成させるために必要であるカスタマイズ可能なパーツを一時的に保管し、また容易に入手可能とする。上側部分形成および縫製モジュールは材料保管庫168も備え、この材料保管庫168は、シューズ部品製造設備100におけるシューズ部品およびまたはシューズ製品の製造における1つ以上のプロセスに関連する材料および/またはシューズ部品を備蓄する。上側部分形成および縫製モジュールは、最終トリミング型抜き機144およびウィングアーム中継エリア130も備える。上側部分形成および縫製モジュールはマーケット型抜き機170、加熱プレス機172、冷却ラック174、切断プレス機176、ヒール形成機178、後縫製180およびシュトローベル(strobel)縫製182も備えるものとする。
【0021】
靴型合わせ、再靴型合わせ、品質管理および包装モジュールは、スィングアーム中継エリア130を備える。靴型合わせ、再靴型合わせ、品質管理および包装モジュールは、靴型合わせエリア152、最終品質管理154、靴型合わせおよび包装156並びに材料保管184も備えるものとする。
【0022】
図1の説明図につき、シューズ製造設備100の1つ以上のモジュールを経る1個のシューズ生産を説明する。本明細書に記載するこのおよび他の構成は、例示としてのみ説明することを理解されたい。他の構成および要素(例えば、機械、プロセス、方法、その他)は議論したものに加えて、またはそれらの代わりに用いることができ、いくつかの要素は完全に割愛することができるものとする。さらに、本明細書に記載する多くの要素は、分離型または分散型の構成要素または他の構成要素と併せて、および任意の適切な組み合わせおよび配置で、実装することができる機能的実体である。
【0023】
ある実施形態においては、アウトソール生産における第1ステップは、ゴム射出成形機102を利用する。異なるサイズおよび/または形状の成形型を用いて、様々なシューズサイズおよびスタイル用に様々なアウトソールを生産する。様々な種類および/または色のゴムも用いて、異なる機能および/または美的特性を有するアウトソールを生産することができる。例えば、(点線のような)表示マークを用いて、アウトソールの生産において、設計者(例えば、刺繍を施す人または機械的特色を加える人、または接着剤または別の形式の付着剤を用いて、1つ以上のシューズ部品に織物および装飾品を付加する人)をガイドする。別の場合においては、シューズ部品の異なる色は、1つ以上のシューズ部品に鮮黄色のような容易に見える色を添加してシューズ着用者をより目立たせるような、機能的要素を有する。他には、より滑りやすい、異なるゴムをシューズ部品に沿って配置し、泥または他の外部要素がシューズ着用者の1つ以上のシューズに付着してしまう程度を少なくする。
【0024】
ゴム射出成形機102の作業者は、アウトソールの各サイズ、スタイル、色、その他の数値を決定して、初期的にアウトソールマーケットプレイス118で要求されるアウトソール表示に基づいて形成する。例えば、表示は、そのマーケットプレイスの予想販売(使用)量のプリセット範囲を含む。アウトソールの数を、特定サイズ、スタイル、色、等の減っていく在庫の表示レシート上にも記載する。プリセット範囲の販売(使用)量は、1日または他の期間、例えば1週間または1ヶ月または1シーズンで計画する。ゴム射出成形機102の作業者は、代替的または付加的に、アウトソールマーケットプレイス118に残存しているサイズのアウトソールの量に基づいて、どのサイズのアウトソールを形成するかを決定する。アウトソールマーケットプレイス118は多数の一時保管方法を備え、各一時保管方法は特定スタイル、サイズ、色、機能特性、等に対応させる。例えば、一時保管方法は、サイズ9の新しく形成したアウトソールを先着順サービス待ち行列に配置するステップを備える。別の実施形態においては、一時保管方法は、操作者が、各新しく形成したアウトソールを、そのアウトソールの1つ以上の特性に関連する倉庫中に配置する(例えば男性用サイズ9のアウトソールはある倉庫に、男性用サイズ5のアウトソールは別の倉庫に入れる)ステップで構成する。さらに別の実施形態においては、一時保管方法は、全ての新しく形成したアウトソールを倉庫内に配置し、さらにその後、例えば異なるサイズのアウトソール間で見た目の違いまたは異なるサイズの凹凸加工表示に基づいてアウトソールを選択することによって、作業者が必要時に倉庫から適切サイズのアウトソールを取り出すことができるようにするステップ、とを備えるものとする。
【0025】
例えば目視検査のような、アウトソールマーケットプレイス118に残存している低品質のあるサイズのアウトソールを見つけ出した上で、その後作業者がそのサイズのアウトソールを製造することを決定する。アウトソールは、注文に対して直接反応して生産することもでき、またスタイル、サイズ、色、機能特性等、を注文で指定して形成することもできる。
【0026】
アウトソールが作業者によってゴム射出成形機102から取り出した後、これは洗浄/乾燥エリア114中に配置する。洗浄/乾燥エリア114は、シューズを洗浄して、ゴムからいかなる残滓をも除去する、1つ以上の洗浄ステップを備えることができる。例えば、ゴム残滓は、硬化プロセス中に用いる油およびステアリン酸によって生じる。別の実施形態においては、硬化プロセスは、硬化プロセス中にステアリン酸の使用を廃止する、および/または硬化プロセス中に用いる油量を削減することによって、洗浄/乾燥エリア114の必要性を排除することができる。この硬化プロセスは、硬化プロセス中に生じるゴム残滓を減少または除去することができ、また、1つ以上の洗浄ステップの必要性を減少または排除することができる。このようにして、アウトソールをゴム射出成形機116内で形成した直後にプライミング(下塗り)できるようになる。
【0027】
洗浄が必要な場合は、洗浄後、アウトソールを乾燥する。例えば、アウトソールは洗浄/乾燥エリア114で乾燥する。別の実施形態においては、アウトソールは、十分に加熱した、十分に除湿したエリアに配置することによって乾燥する(例えば1つ以上のシューズを窓に隣接配置して乾燥する)。作業者は洗浄/乾燥エリア114から乾燥したアウトソールを取り出し、これをアウトソールマーケットプレイス118内に配置して利用可能にする。
【0028】
アウトソールマーケットプレイス118およびミッドソールマーケットプレイス104は、1つ以上の一時保管方法で構成し、ミッドソールは倉庫内に保管し、倉庫はこの倉庫内に保管する部品のサイズ、スタイル、色または他の特性に従って配列することができる。アウトソールマーケットプレイス118およびミッドソールマーケットプレイス104は、カスタマイズ注文を予測した表示レシートに基づいて生産した、アウトソールおよびミッドソールを保管することができる。アウトソールマーケットプレイス118およびミッドソールマーケットプレイス104は、特定のカスタマイズ注文の受注に基づいて生産したアウトソールおよびミッドソールも含む。他の実施形態においては、カスタマイズ注文のレシートに基づいて生産したアウトソールおよび/またはミッドソールは、アウトソールマーケットプレイス118および/またはミッドソールマーケットプレイス104を回避して、直接次の生産ステップに移動する。さらに別の実施形態もあり得ることは当業者には明らかであろう。
【0029】
ミッドソールの生産は顧客が注文する前に開始する。ミッドソールは、1つ以上のシューズのカスタマイズ注文のレシートに基づいて必要に応じて生産することもできる。さらに、ミッドソールは、ミッドソールマーケットプレイス104に残存するミッドソールの品質および特徴を調節する、表示レシートの結果として生産することができる。
【0030】
ミッドソール生産を開始するために、前もって計量した量の未加工、未処理EVAペレットをおよそ100℃に加熱したプリフォーム射出成形機102の成形型内に注入する。成形型の温度は、EVAペレットが溶融して成形型の形状に一致するようになる十分な高温にするが、EVAの膨張剤が活性化するほど高温にはしないものとする。生産は射出ファイロンビスケット、これ以降「ビスケット」呼称する、とし、このビスケットはミッドソールを形成する膨張剤を活性化させる前に保存する。異なる量のEVAペレットは、異なるシューズサイズ、スタイル、ミッドソール部分の密度および/または硬度と関連する。さらに、射出ファイロンビスケットプロセスで用いる基材のポリマーは、シューズのミッドソールが要する最終硬度特性に基づいて、異なる。シューズの各セットは、各シューズのミッドソールで構成する様々な体積およびサイズの1つ以上のビスケットを含む。ミッドソールにおける1つ以上のビスケットの硬度は、シューズの横方向および/または縦方向に変化するようカスタマイズすることができる。このような特徴は、例えば、シューズの使用者、例えばランナーにおける軽度の回内運動を防止し、または単純に快適さを改善することができる。
【0031】
ビスケットを形成した後、ビスケットを取り出し、ビスケットマーケットプレイス108中に収納する。ビスケットマーケットプレイス108から、ビスケットは必要に応じて取り出すことができる。顧客が1つ以上のシューズを注文するとき、例えば、作業者は、顧客の注文に従った1つ以上のビスケットを取り出す。別の方法においては、作業者は、マーケットプレイスから1つ以上のビスケットを取り出し、1つ以上のビスケットをマイクロ波放射源に被曝させる装置内に配置する。例えば、1つ以上のビスケットはマジックシェフ(Magic Chef)MCB780Wの1.2キロワットマイクロ波装置中に収納し、65秒間高パワーでマイクロ波放射に被曝させる。
【0032】
次に、作業者は各ビスケットをプレス機106中に投入し、このプレス機106は左足シューズ用および右足シューズ用または双方の組み合わせ用とすることができる。作業者は、左足シューズ用または右足シューズ用のプレス機106を装填する、およびプレス106を用いて各ビスケットを「左」または「右」として設定する。その後、作業者は各ビスケットをプレス機106から取り出す。プレス機106は1つのビスケットのみ保持することに限定せず、いつでも複数のビスケットを保持できるものとすることができる。さらに、ビスケットのプレスはプレス機106内の各ビスケットと同期させる必要はなく、むしろ、いつでも複数のビスケットの装填およびプレスおよび取り出しを有するよう設計することができる。またさらなる実施例においては、モジュールの操作者はプレス機106を使用するステップを回避して、シューズ製品を「左」または「右」指向に指定する、および単純に、旋盤または大ばさみまたは1つ以上の刃物を用いてビスケットを手作業で成形することができる。操作者は、各ビスケットを中間、無指向性プレス機106に入れる前に、別の種類の機械を用いて、各ビスケットを「左」または「右」指向に指定することもできる。作業者はビスケットを中立指定に保持することもでき、各シューズ部分が左足シューズおよび/または右足シューズに利用するよう相互交換可能とすることができる。
【0033】
プレス機106がビスケットを収容した後、ビスケットを加熱してビスケットが溶融するに十分な温度およそ172℃に上昇する。この温度はビスケット内の膨張剤を活性化する十分な温度である。この膨張剤はポリマー鎖を劣化させ、ビスケットの体積を約200%増大させてプレス機の形状に一致させる、膨張プロセスを開始する。これと同時に、膨張剤よりも遅い反応速度で機能するビスケット内の硬化剤は、ポリマー鎖の架橋を開始して強化ビスケットの形状を保持することができる。
【0034】
肥大したビスケット形成後、作業者は、プレス機106から肥大したミッドソールを取り出し、この肥大ミッドソールを安定化オーブン110内に装填する。安定化オーブン110に入れる際、肥大ミッドソールはおよそ75℃である。別の実施形態においては、肥大ミッドソールは、温度75℃以上または以下の安定化オーブン110に入れる。ある実施形態においては、肥大ミッドソールは、プレス機106内で得られる最高温度とし、さらに安定化オーブン110内に同一温度で搬送するものとする。安定化オーブン110内における安定化プロセスは、3つ以上の冷却段階で構成し、この冷却段階において温度をおよそ75℃からおよそ45℃まで減少させる。別の実施形態においては、安定化オーブン110内における安定化プロセスは、冷却溶媒として水およびまたは空気の利用を通じる多数のステップにわたって実行する。さらに別の実施形態においては、追加の溶媒および/または化学溶液を用いて、安定化オーブン110の安定化プロセスにおける冷却プロセスを促進することができる。安定化プロセスは肥大ミッドソールの体積をおよそ20%縮小して、安定化プロセスから得られるミッドソールを初期のビスケット体積のおよそ160%とすることができる。別の実施形態においては、安定化プロセスを改良して、肥大ミッドソールの体積に見られる変化率を増加または減少させるようにする。別の方法においては、任意の形態とした安定化方法を用いて1つ以上の肥大ビスケットを安定化させ、この方法は所望温度で水または他の溶液中に浸漬するステップを含むものとする。別の実施形態においては、肥大ビスケットは所望温度でエアロゾル溶液または曝気の利用を通じて安定化させる。
【0035】
肥大ミッドソールの体積を変化させる別の方法は、手作業でミッドソールを変更する、例えば旋盤または1つ以上の切削工具の使用または第2成形型の使用によって、手作業でミッドソールを変更することができ、第2成形型に収納して、肥大ミッドソールは、圧力を用いて体積を収縮させるまたは圧力を用いて肥大ミッドソールから所望形状にプレスし、その後切削するおよび/または不要な過剰材料を切り落とすことによって、体積を減少させることができる。
【0036】
次に、作業者は、安定化オーブン110からビスケットを取り出すおよびビスケットを洗浄/乾燥テーブル112に装填し、超音波浴を用いて1つ以上のミッドソールを洗浄することができる。洗浄/乾燥テーブル112は1つ以上の洗浄段階を用いてミッドソールを洗浄するものとする。別の実施形態においては、肥大ビスケットの安定化は洗浄/乾燥テーブル112と組み合わせる。別の実施形態においては、ビスケットは安定化オーブンから取り出し、ついで別のタイプの洗浄機および/または溶媒および/または洗浄液中に装填する。別の実施形態においては、安定化オーブン110から取り出した各ビスケットを1人以上の作業者によって手磨きするものとする。
【0037】
次に、作業者は洗浄/乾燥テーブル112からビスケットを取り出すおよびこのビスケットを乾燥オーブン中に装填する。別の実施形態においては、ビスケットは、ビスケットから所望量の水分を蒸発させるために十分高温にさらして、洗浄/乾燥テーブル112から取り出す。ミッドソールの乾燥は、ミッドソールを取り出して空気乾燥することによって行う。次に、作業者は乾燥オーブンからビスケットを取り出し、またビスケットをマーケットプレイスに装填する。
【0038】
この実施形態におけるこの時点で、ミッドソールマーケットプレイス104およびアウトソールマーケットプレイス118は、上述の一連の異なるタイプのアウトソールおよび1つ以上のミッドソールで構成する。顧客が1つ以上のシューズを注文するとき、顧客の注文と関連するアウトソールおよび1つ以上のミッドソールは、アウトソールマーケットプレイス118およびミッドソールマーケットプレイス104からそれぞれ、入手可能ならば、取り出す。顧客注文の1つ以上ミッドソールまたはアウトソールがミッドソールマーケットプレイス104またはアウトソールマーケットプレイス118においてそれぞれ入手可能でない場合、必要な部品は注文ベースで形成することができるものとする。
【0039】
アウトソールおよび1つ以上のミッドソールをアウトソールマーケットプレイス118またはミッドソールマーケットプレイス104からそれぞれ取り出した後、それらはエリア120でUV活性化プライマー(primer)でプライミングする。プライマー(下塗り剤)は活性化後24時間以内に1つ以上のミッドソール上に配置する。代替的実施形態においては、プライマーは、アウトソールマーケットプレイス118またはミッドソールマーケットプレイス104それぞれに入れる前に、各アウトソールおよびミッドソール上に配置することができる。
【0040】
アウトソールおよび1つ以上のミッドソールをプライミングした後、各部品は赤外線(IR)オーブン122内に収納する。オーブン内に入れた後、温度はおよそ55℃に上昇させる。十分に高温で、プライマーを活性化させる。その後、各部品は赤外線オーブンから取り出し、接着剤をプライムおよび接着エリア120で塗布する。その後、各部品は赤外線オーブン122内に装填し、接着剤を活性化する約55℃に加熱する。その後、各部品は赤外線オーブン122から取り出す。代替的実施形態においては、各部品はプライムおよび接着エリア120で塗布し、さらにその後標準的オーブン内に装填して加熱する。この標準的オーブンは、接着剤が活性化する温度に、加熱するものとする。例えば、アウトソールおよび1つ以上のミッドソールは、一緒にプレスする。例えば、アウトソールおよび1つ以上のミッドソールは、ブラダープレス機124および標準的プレス機126を使用して、手作業で貼り合わせる。別の実施形態においては、アウトソールおよびミッドソールは、アウトソールおよび1つ以上のミッドソールを貼り合わせるよう機能するプレス整列機内に装填する。
【0041】
アウトソールをそれに関連のミッドソールと一緒にプレスした後、アウトソール-ミッドソールを冷却装置128中に配置する。冷却装置128はアウトソール-ミッドソールの温度を約0℃まで下降させ、これにより接着剤を硬化することができる。代替方法においては、アウトソール-ミッドソールを、接着剤が接着する温度に減少させるのに必要な十分な時間にわたり、冷却して硬化させることができる。次に、アウトソール-ミッドソールをスウィングアームポスト130における中継エリアに移送する。
【0042】
ある実施例においては、顧客が1つ以上のシューズを注文したとき、上側部分の生産を開始する。顧客が1つ以上のシューズを注文した後、作業者は合成材(例えば、合成革、ポリエステル、またはメッシュ等)のピースをエコ溶媒プリンタ132上に装填する。合成材は白色とし、これによって、顧客が、合成材を顧客注文に関する1つ以上の所望美的要素とともに印刷するよう要求することができる。代替的に、合成材は、染色して、1つ以上のシューズの顧客注文をカスタマイズすることができる。別の方法においては、作業者は天然材(例えば木綿または天然革)をエコ溶媒プリンタ132上に装填する。別の方法においては、合成材の所望の色はエコ溶媒プリンタ132中に装填する。所望色の合成材を装填することによって、合成材を染色するステップを削減または省略することができる。
【0043】
その後、作業者はエコ溶媒プリンタ132および昇華型染料プリンタ136に、顧客注文のパラメータをエコ溶媒プリンタ132上に刷り込みおよび/または染色および/またはマーキングする合成材を、装填する。その後、エコ溶媒プリンタ132は昇華型染料プリンタ136に向けて印刷する。次に、エコ溶媒プリンタ132が印刷する。次に、エコ溶媒プリンタ132は、合成材料の元のピースからカスタム化合成材を切り抜く。別の方法においては、カスタム化合成材は、大ばさみまたは刃物ブレードの使用またはプレス機の使用によって切断することができる。
【0044】
カスタム化合成材を切断後、作業者はカスタム化合成材をレーザー140内に装填する。その後、作業者は顧客が指定した仕様を入力し、また適用可能であれば、レーザーエッチング作業を開始する。
【0045】
次に、作業者はカスタム化した合成材を取り出す、およびこれを昇華型染料プレス機142中に装填する。この昇華型染料プレス機142を用いて、ナイキのスウッシュ(Nike swoosh)のような、デザインを刷り込むことができる。作業者は、昇華型染料プレス機142からレーザー切断した上側部分を取り出す、および上側部分を刺繍機械146中に装填する。その後、作業者は刺繍機械146を始動させ、所望の組の色を用いた所望のデザインを刺繍することによって上側部分をカスタマイズする。その後、作業者は刺繍機械146からカスタマイズした上側部分を取り出す、およびこれを高周波ウェルダ148に送給する。
【0046】
該プロセスのこの時点において、上側部分およびアウトソール-ミッドソールは作業者が回収する。作業者は、マーケットプレイス150から残存シューズ部品キットも回収する。ある実施形態においては、残存シューズ部品は「キット」で構成し、作業者は、例えば、男性用サイズ9のランニングシューズに必要な残存部品を回収する。別の実施形態においては、1人以上の作業者はキット部品のマーケットプレイスから1つ以上の残存シューズ部品を回収することができる。シューズ部品を収集した後、作業者は高周波ウェルダ148を利用して部品を結合する。
【0047】
上側部分部分を組み立てた後、作業者は最終トリミング型抜き機144を用いて1つ以上の最終切れ込みを入れて、上側部分の形状を規定する。別の実施形態においては、上側部分は、作業者が視覚的判断およびまたは専門知識を用いて、どこをおよび/またはどの角度でおよび/またはどれくらい切断するかを見定めて、切断する。その後、スウィングアーム130により上側部分をアウトソール-ミッドソールに縫い付ける。別の実施形態においては、上側部分は、視覚的判断およびまたは専門知識を用いて、どこをおよび/またはどの角度でおよび/またはどれくらい切断するかを見定めて、縫製する。その後、この部分組み立て品を靴型合わせエリア152に移送する。
【0048】
図2に、上述の設備のような、単独の製造設備で複数モデルのカスタムシューズを効率的に製造する方法200を示す。本発明によれば、第1顧客は第1モデルのシューズに対する注文およびこの顧客注文に固有の1つ以上カスタマイズパラメータを発注する。第2顧客は第2モデルのシューズに対する注文およびこの顧客注文に固有の1つ以上カスタマイズパラメータを発注する。本発明によるシステムおよび方法を利用することによって、第1および第2の顧客のシューズ双方は、手頃なコストおよび手頃な時間内で、同一設備内で効率的に製造することができる。本発明によるシステムおよび方法を利用することによって、複数モデルのシューズ生産が可能な製造設備の物理的設置面積も削減することができる。
【0049】
再度のことながら、本明細書に記載した本および他の構成およびワークフローは例示としてのみ示すことを理解されたい。他の構成および要素(例えば、プロセス、方法、その他)も、図示および説明したものに加えてまたはその代わりに用いることができ、いくつかの要素は完全に割愛することができるものとする。
【0050】
ステップ205において、シューズモデルの選択肢を顧客に提示する。ステップ205で提示されるシューズモデル選択肢は、例えば、ランニングシューズモデル、バスケットボールシューズモデル、およびスケートシューズモデルを含むものとする。もちろん、他のシューズモデル、競技用および非競技用の双方は、代替的または付加的に、ステップ205に提示される使用可能シューズモデル選択肢に含めることができる。ステップ205は随意的に、例えば、ネットワークに接続したまたは接続していないシューズ製造設備で現地生産することができる、全ての使用可能なシューズモデル選択肢を備えることができる。付加的に、シューズモデル選択肢は、ネットワークに接続しているまたは接続していないシューズ製造設備で現地生産することができないシューズモデルとともに、ネットワークに接続しているまたは接続していないシューズ製造設備で現地生産することができるシューズモデルを備えることができる。特定シューズモデルが随意的に、ネットワークに接続したまたは接続していない製造設備で現地生産できるかどうかの表示も、随意的に提示することができるものとする。ステップ205は、例えば、入手可能なシューズモデル選択肢を記載している情報を、各特定モデルの局所的製造利用可能性表示とともに、顧客に対して、グラフィックユーザインタフェースを用いてコンピュータ上に提示するステップを含むことができる。
【0051】
ステップ210において、顧客のシューズモデル選択を受け取る。例えば、ステップ210は、グラフィックユーザインタフェース内から提示されたシューズモデルのユーザ選択を受け取るステップを備える。顧客は、例えば、バスケットボールシューズモデルに関するチェック欄を選択して、自分がバスケットボールシューズの注文を所望していることを示す。
【0052】
ステップ215において、選択シューズモデルの機能選択肢を顧客に提示することができる。ステップ205と同様に、ステップ215を、例えば、コンピュータ上で操作するグラフィックユーザインタフェース内で、実行することができる。機能選択肢はシューズサイズのようなパラメータを含むものとする。ステップ215で選択する他の種類の選択肢は、アウトソール硬度選択肢、支持部選択肢、動作制御選択肢、アウトソール生地選択肢、アウトソール材料選択肢、およびこれらと同様のものを含むものとする。ステップ215は必ずしもステップ205およびステップ210の後に提示する必要はなく、多くの場合、使用可能な機能選択肢は選択したシューズモデルに依存することを、理解されたい。例えば、足の動作制御に関連する機能選択肢は、ランニングシューズと関係し、従って、顧客がランニングシューズモデルを選択した後に顧客の選択に使用可能にすることができる、一方、動作制御選択肢はバスケットボールシューズに関係せず、従って、バスケットボールシューズモデル用に使用可能にする必要はない。付加的に、ステップ205と同様に、各機能選択肢に特有の現地製造情報を表示することができる。例えば、ある機能選択肢はネットワークに接続したまたは接続していない製造設備で現地生産したシューズに使用可能であるが、一方、他の機能選択肢は非局所的な製造設備でのみ使用可能とする。当業者であれば、1つ以上の特定モデルタイプのシューズに比較的固有である、任意数の他タイプの機能選択肢もあることは容易に認識できるであろう。
【0053】
ステップ220において、顧客の機能選択肢選択を受け取る。ステップ210と同様に、ステップ220は、例えば、コンピュータ上で実行するグラフィックユーザインタフェース内で実行する。例えば、ステップ220は、グラフィックユーザインタフェース内で、ミッドソール硬度のような、特定の機能選択肢のユーザ選択を受け取るステップを含む。例えば、顧客は、ミッドソール硬度の表示に関するチェック欄を選択して、ミッドソールを特定の硬度とするシューズのミッドソールを所望していることを表示する。
【0054】
ステップ225において、選択シューズモデルの美的選択肢および/または機能選択肢を顧客に提示する。ステップ225は、ステップ205およびステップ215と同様に、コンピュータ上でグラフィックユーザインタフェースを用いて実行することができる。ステップ225で提示する美的選択肢は、少なくとも部分的に、顧客が選択したモデル選択肢および/または顧客が選択した機能選択肢に依存する。しかし、美的選択肢はモデルおよび/または機能選択肢から完全にまたは部分的に独立して存在することができ、この場合、ステップ225はステップ205および/または215の前にまたはと同時に実行することができる。例えば、シューズ色に関する選択肢はシューズモデルまたは機能選択肢に依存しないものとする。その反対に、特定機能素子の色に関する選択肢は、例えば、機能素子は、シューズモデル選択の一部または機能選択肢のどちらとして選択したかに必ず依存するものとする。また、ステップ205と同様に、各美的選択肢に特有の現地製造情報を表示することができる。例えば、ある美的選択肢はネットワークに接続したまたは接続していない製造設備で現地製造したシューズ用に使用可能とするが、一方、他の美的選択肢は非局所的製造設備にのみ使用可能とする。
【0055】
ステップ230において、美的選択肢選択は顧客から受け取るものとする。ステップ230は、例えば、選択した各美的選択肢に適したチェック欄をクリックすることによって、例えば、コンピュータ上でグラフィックユーザインタフェース内のポインティング・デバイスを用いる顧客選択を受け取ることによって、実行することができる。
【0056】
ステップ235において、顧客の現地製造選択肢を提示する。ステップ205と同様に、ステップ235は、例えば、コンピュータ上のグラフィックユーザインタフェース内で実行することができる。ステップ235で提示した現地製造選択肢は、例えば、ネットワークに接続したまたは接続していない製造設備で現地製造するための選択肢、特定の局所的または非局所的設備で製造するための選択肢、または製造場所に好みを示さない選択肢、とを備えるものとする。本ステップで提示する選択肢は、ステップ210におけるシューズモデルの顧客選択、ステップ220における機能シューズ選択肢の顧客選択、および/またはステップ230における美的選択肢の顧客選択に影響を受けることを理解されたい。例えば、顧客がネットワークに接続しているまたは接続していない製造設備で現地製造できないステップ210のシューズモデルを選択する場合、ステップ215はこのような製造選択肢をユーザに提示しない。また、例として、顧客が、特定製造場所においてシューズを組み込むことができないステップ220中の機能選択肢および/またはステップ230中の美的選択肢を選択する場合、このような製造場所はステップ235における製造選択肢リストに含まれていないものとする。ステップ235は、例えば、選択肢のリストをユーザに提示するステップであって、この選択肢は、特定の選択機能および美的選択肢を有する特定モデルのシューズを製造することができる全ての場所を含むものとする、ステップを含む。
【0057】
ステップ240において、顧客の場所製造選択を受け取る。ステップ210と同様に、ステップ240は、例えば、コンピュータ上で操作するグラフィックユーザインタフェース内で実行することができる。例えば、ステップ240は、グラフィックユーザインタフェース内から提示した製造設備のユーザ選択を受け取るステップを備える。例えば、顧客は局所的製造設備に関するチェック欄を選択して、シューズをネットワークに接続しているまたは接続していない製造設備で現地生産することを所望していることを表示する。
【0058】
ステップ245において、選択シューズモデル用の受け取り選択肢を顧客に提示する。例えば、ステップ245は、ユーザに選択肢リストを提示するステップであって、注文を受けた店舗でシューズを受け取る選択肢、ネットワークに接続しているまたは接続していない製造設備からシューズを受け取る選択肢、異なる場所の店舗にシューズを配達させる選択肢、および顧客の住居にシューズを配達させる選択肢、とを備えるステップとする。当業者は、本ステップで提示した選択肢は、ステップ240中の顧客の製造場所選択を反映するよう調整することができることを理解できるであろう。例えば、ステップ240においてユーザが注文に現地製造を選択する場合、ステップ245は、ユーザに対して、店舗またはネットワークに接続しているまたは近場の製造設備からシューズを受け取る選択肢を提示するものとする。一方、例えば、顧客がステップ240において現地製造できないシューズを選択する場合、ステップ245で提示する選択肢は最寄りの製造設備でシューズを受け取る選択肢を含まないものとする。
【0059】
ステップ250において、顧客の受け取り選択を受け取る。ステップ210と同様に、ステップ250は、例えば、コンピュータ上で操作するグラフィックユーザインタフェース内で実行することができる。ステップ250は、例えば、グラフィックユーザインタフェース内から受け取り選択肢のユーザ選択を受け取るステップを備える。例えば、顧客はドロップダウンリストから選択して、自分のシューズが注文をした店舗で受け取ることを所望していることを表示する。代替的に、ステップ250は、ユーザが自分の注文を自分の住居に配達することを所望する表示を受け取るステップを備える。別の実施形態においては、ステップ250は、ユーザが自分の注文を受け取り用の別の店舗地に配達することを所望する表示を受け取るステップを備えるものとする。
【0060】
ステップ255において、ワークフローは、ステップ240でユーザが指定した設備中で開始し、顧客が選択したシューズモデル選択肢に従ってアウトソールを組み立てるものとする。ワークフローは、顧客が選択した機能選択肢、および/または美的選択肢も組み込むものとする。例えば、ステップ210において、顧客がバスケットボールシューズモデルを選択した場合、バスケットボールシューズのワークフローを、アウトソール製造区域で開始する。特定のバスケットボールシューズのための具体的なバスケットボールシューズのワークフローはある程度変化させることができ、顧客の特定の機能および/または美的選択肢が最終バスケットボールシューズ中に組み込まれるものの、ワークフローは依然バスケットボールシューズのワークフローと見なす(スケートシューズのワークフローとは対照的に)ことができるようにすることを理解されたい。代替的に、顧客がランニングシューズモデルをステップ210で選択した場合、例えば、ランニングシューズのワークフローはランニングシューズモデルに従ってアウトソールの組み立てを開始するものとする。
【0061】
いくつかのシューズモデルはいくつかの部品製造区域で一定量の重複を示すように、ステップ255は必ずしも、各シューズモデルの異なるワークフローを組み込む必要がないことを最初に理解されたい。例えば、スケートシューズ用アウトソールのワークフローは、バスケットボーシューズ用アウトソールのワークフローと十分に類似とすることができ、バスケットボール用およびスケート用シューズ双方のアウトソールの生産に、ただ1つのアウトソールワークフローのみを要するようにする。しかし、これは必ずしも、これらのシューズの各部品がワークフローを同様に共有できることを意味していない、つまり、バスケットボール用アウトソールのワークフローはスケートシューズ用アウトソールのワークフローを網羅して、双方のシューズモデルに共通する1アウトソールのワークフローを使用することができるようにするが、一方、例えば、各シューズ用ワークフローはそれぞれのミッドソール生産に著しく分岐して、別々のミッドソールワークフローを維持する必要がある。異なるシューズモデルワークフローはこのようにして重複度合いを変化させることによって様々な部品製造区域で実行することができる。これらのワークフローの重複、分岐および収束によって、1製造設備における複数モデルのシューズの効率的生産を可能とし、同時にその製造設備の物理的設置面積を削減することができる。
【0062】
ステップ255は必ずしも特定顧客による特定の選択で開始する必要がないことを最後に理解されたい。例えば、様々な特徴を有するアウトソールの在庫を所定レベルに維持することができる。3つの異なる色のアウトソールは、例えば、設備で使用可能なシューズの各3つの異なるモデル用にそれぞれ使用可能なサイズで形成することができる。その後、アウトソールは顧客注文に基づいて在庫から用いる。いつ所定モデル、サイズ、および色のアウトソールが在庫で品薄になり始めても、操作者はそのモデルのワークフローを開始して、それらのパラメータを満たす追加のアウトソールを組み立てることができる。このようにして、ステップ255は、顧客が選択したシューズモデル、機能選択肢、および/または美的選択肢に応じた方法で実行するが、一方、それら顧客の選択によって直接開始する必要はないものとする。さらに、例えば在庫システムを用いて通常使用するアウトソールのワークフローを開始する、およびあまり通常使用しないアウトソールをそれらを要求する注文のみに応じて生産するワークフローを開始する、ことによって、ステップ255は異なる種類のアウトソール用のための異なる方法で実行する。
【0063】
ステップ260において、ミッドソール生産用のワークフローをそのシューズモデルに従って開始する、つまり、機能および/または美的選択肢も顧客が選択した選択肢に従って組み込むものとする。第1に、ステップ255と同様に、各シューズモデルは必ずしもそれ独自の特定ワークフローを有さず、別のシューズモデルとワークフローを共有することに留意されたい。第2に、ステップ255と同様に、特定シューズモデル用ワークフローはある程度変化させて、シューズモデルに組み込むようユーザが選択した機能および/または美的カスタマイズを可能とすることができる。第3に、またステップ255と同様に、ステップ260は特定顧客による所定シューズ注文に応じて開始する必要はなく、その代わりに在庫システムを随意的に利用して、所望の特徴と有するミッドソールを生産するためのワークフローを開始することができる。最後に、ステップ255と同様に、例えば、在庫システムを用いて通常使用するミッドソール用のワークフローを開始する、およびあまり通常使用しないミッドソールをそれらを要求する注文のみに応じて生産するワークフローを開始する、ことによって、ミッドソール生産ワークフローを開始するステップは、異なる種類のミッドソールには異なる方法で実行する。
【0064】
ステップ265において、ワークフローを開始して、選択したシューズモデルに従ってアウトソールおよびミッドソールを貼り合わせる準備をする、またこのシューズモデルには顧客が所望する機能選択肢および美的選択肢も組み込むものとする。ステップ265は、例えば、アウトソールマーケットプレイスから顧客注文に適した1つ以上のアウトソールを取り出すステップ、ミッドソールマーケットプレイスから顧客注文に適した1つ以上のミッドソールを取り出すステップ、取り出したミッドソールおよびアウトソールの端縁を削るステップ、取り出したミッドソールおよびアウトソールを赤外線オーブン中に入れるステップ、取り出したミッドソールおよびアウトソールをプライミングするステップ、および取り出したミッドソールおよびアウトソールを赤外線オーブン中に再度入れるステップ、を含む。ステップ255および260と同様に、各シューズモデルは必ずしもステップ265でそれ独自の特有ワークフローを有する必要はなく、他のシューズモデルとワークフローを共有できることに留意されたい。また、ステップ255および260と同様に、特定シューズモデル用ワークフローはある程度変化させて、シューズモデルに組み込むようユーザが選択した機能および/または美的カスタマイズを可能とすることができる。
【0065】
ステップ255および260で利用するものを含む、任意のおよび/または全ての区間における任意のおよび/または全てのワークフローは、好適には、完成に同程度の時間をかけ、完成部品を同時に完成することを可能とする。例えば、ステップ255および260からのワークフローは同時に到着する部品を生産し、それらがステップ265において、必要な部品の到着を待つステップ265のワークフローの開始を遅延する必要なく準備することができるようにする。
【0066】
例えば、顧客がバスケットボールシューズモデルを選択した場合、ステップ255はバスケットボールシューズワークフローを開始するステップであって、該ステップは
(1)ゴムアウトソールを射出成形するステップであって、機械的作業時間でおよそ220秒間および人的作業時間でおよそ15秒間かけるステップ、
(2)フラッシュ(flash)部分(はみ出し部分)を除去してアウトソールを最終アウトソールマーケットプレイス中に中継するステップであって、人的作業時間でおよそ5秒間かけるステップ、
(3)最終マーケットプレイスからアウトソールを取り出すステップであって、人的作業時間でおよそ5秒間かけるステップ、
(4)アウトソールをアルカリ洗浄するステップであって、機械的作業時間でおよそ50秒間かけるステップ、
(5)アウトソールを酸洗浄するステップであって、機械的作業時間でおよそ50秒間かけるステップ、
(6)アウトソールを乾燥させるステップであって、機械的作業時間でおよそ90秒間かけるステップ、
(7)アウトソールを乾燥オーブンから取り出すステップであって、人的作業時間でおよそ2秒間かけるステップ、および
(8)アウトソールをアウトソールマーケットプレイス中に中継するステップであって、人的作業時間でおよそ3秒間かけるステップ、
を含むものとする。つまり、この実施形態におけるバスケットボールシューズアウトソール生産ワークフローは、およそ350秒間かかる。この実施形態においてはこのような状況であるが、好適には、ステップ260で利用するワークフローは、同様におよそ350秒間かけて、部品が同時に到着してステップ265が過度の遅延なく進行するようにすることができる。
【0067】
さらに、任意のワークフローは空間的にだけでなく時間的にも別のワークフローと重複させることができることに留意されたい。例えば、ステップ260におけるバスケットボールミッドソール生産ワークフローは、
(1)ビスケットを射出成形するステップであって、機械作業時間におよそ30秒間かけるステップ、
(2)ビスケットをビスケットマーケットプレイス中に入れるステップであって、人的作業時間でおよそ10秒間かけるステップ、
(3)ビスケットを加熱プレスするステップであって、機械的作業時間でおよそ420秒間および人的作業時間でおよそ20秒間かけるステップ、
(4)ビスケットを安定化オーブン中に装填するステップであって、人的作業時間でおよそ5秒間かけるステップ、
(5)ビスケットを加熱してミッドソールを生産するステップであって、機械的作業時間でおよそ3600秒間かけるステップ、
(6)ビスケットを安定化オーブンから取り出すステップであって、人的作業時間でおよそ5秒間かけるステップ、
(7)ミッドソールを水洗浄するステップであって、機械的作業時間でおよそ600秒間かけるステップ、
(8)ミッドソールを乾燥してこれをミッドソール中継マーケットプレイスに中継するステップであって、機械的作業時間におよそ300秒間および人的作業時間におよそ5秒間かけるステップ、
(9)ミッドソールをミッドソール中継マーケットプレイスから取り出すステップであって、人的作業時間におよそ2秒間かけるステップ、および
(10)組み立てのためにミッドソールを中継するステップであって、人的作業時間におよそ3秒間かけるステップ、
を含むものとする。
【0068】
時間的重複なくこの実施例のワークフローを利用すると、およそ5000秒毎にミッドソールを1つ生産することができる。しかし、例えばステップ(5)はこの実施形態でおよそ3600秒間かかるが、安定化は、複数のミッドソールを一度で安定化プロセスにかけることができるユニットを備える、装填安定化オーブンによって実行することができる。従って、例えば、第1バスケットボールミッドソールのワークフローを開始し、またステップ(1),(2),(3)および(4)を第1ビスケットに対して実行することができる。ステップ(5)において、第1ビスケットは安定化オーブン内におよそ3600秒間保持して第1ミッドソールにする必要がある。この間、この第1ビスケットは安定化オーブン内にあるが、バスケットボールまたはその他のシューズ用に、第2ミッドソールワークフローを、例えば、この特定ワークフローのステップ(1)から開始し、さらに、例えばこの特定ワークフロー、すなわち第2ビスケットを安定化オーブン内に装填する特定ワークフローにおけるステップに進行させることができる。この実施形態においてこの時点で、2つの個別ワークフローを進行させ、それぞれ安定化ステップまで進行させ、また同時に安定化ステップを行うようにする。従って、異なるモデルのシューズであろうとなかろうと、2つ以上の異なるビスケットを、いつでも安定化の異なる段階において安定化オーブン内に投入することができる。任意数のワークフローは、進行の段階を変化させて開始し、またこのような方法で重複させることができる。第1ワークフローの安定化ステップ(5)を完了する時点で、第1ミッドソールを安定化オーブンから取り出し、また開始した第1バスケットボールミッドソールワークフローをステップ(6)で再開することができる。
【0069】
時間的に重複するワークフローの別の実施形態においては、上述のバスケットボールミッドソールワークフローの実施形態を再度参照して、ステップ(5)で第1ビスケットを安定化オーブン中に装填した後、第2ワークフローを開始してバスケットボールシューズアウトソールを生産することができる。この第2ワークフローを完了し、また第3バスケットボールアウトソールワークフローを開始および完了することができる。当業者であれば、上述の実施形態からの第1ミッドソールワークフローはステップ(5)に維持しつつ、任意数のワークフローを開始できることは理解できるであろう。いつでも、最初の実施形態のミッドソールワークフローをステップ(6)で再開して第1ミッドソールを完成させることができる。
【0070】
これらワークフローは当業者には明白なように有利な方法で重複させることができることに留意されたい。この実施形態においては、各ワークフローは重複するよう調整して、新しいミッドソールが、このまたは他のシューズ部品製造区域において他のシューズ部品を生産するためにかかる時間と同程度の時間で現出するようにする。これによって有利に、例えば、様々な部品が同時に到着して結合したワークフローを経るようにすることができる。本実施形態において、例えば、時間的に重複しているワークフローの利用を通じて、1つのミッドソールはおよそ350秒毎に生産して、ステップ255で用いる実施例からアウトソールワークフローを実行するためにかかる時間と一致させる。これら2つのワークフローは同程度の時間をかけて、結合する2つの部品を過度の遅延なく結合ワークフローを利用して生産することができる。当業者には明白なように、時間的に重複するワークフローの使用は、例えば、ステップ255および260のような、ワクーフローを使用する任意のステップに適用することができることに留意されたい。
【0071】
ステップ270において、特定シューズモデル用の上側部分の1つ以上のカスタマイズワークフローは、シューズモデルに従って開始する、また、このシューズモデルには、顧客が選択した機能選択肢、および/または美的選択肢を組み込むことができる。ステップ255,260,および265と同様に、各シューズモデルは必ずしもそれ独自の特定ワークフローを有さず、ワークフローを別のシューズモデルと共有することができることに、再度留意されたい。また、ステップ255,260,および265と同様に、特定シューズモデル用ワークフローをある程度変化させて、シューズモデル中に組み込むようユーザが選択した機能および/または美的カスタマイズを可能とする。ステップ255,260,および265と同様に、ステップ270は顧客による特定の注文に関係なく実行することができるが、実際は、シューズ上側部分に施すカスタマイズによって、ステップ270を特定の顧客注文に応じて実行するようになる可能性が高い。例えば、ステップ270はワークフローを開始して、赤色を有するランニングシューズ用の上側部分を組み立てる。同様に、ステップ270はワークフローを開始して、バスケットボールシューズまたはスケートシューズのような、他タイプのシューズモデルの上側部分を組み立てる、また、これらのワークフローはさらに、付加的アンクルサポート、サイド通気孔、および他の同様な機能選択肢のような、様々な機能特徴を、特定の色、刺繍パターン、徽章等、様々な美的選択肢とともに、組み込むことができる。
【0072】
別の実施例においては、ステップ270は、バスケットボールシューズ上側部分カスタマイズのワークフローを開始するステップであって、このステップは、
(1)エコ溶媒カスタマイズを印刷するステップであって、機械的作業時間でおよそ120秒間および人的作業時間でおよそ30秒間かけるステップ、
(2)つま革の裏地およびつま革のクオーターを切断するステップであって、人的作業時間でおよそ30秒間かけるステップ、
(3)レーザーカスタマイズステップであって、機械的作業時間でおよそ120秒間および人的作業時間でおよそ30秒間かけるステップ、
(4)刺繍カスタマイズステップであって、機械的作業時間でおよそ120秒間および人的作業時間でおよそ30秒間かけるステップ、
(5)部品を搬送して加熱プレスするステップであって、人的作業時間でおよそ5秒間かけるステップ、および
(6)マーケットプレイスを検査し、また必要な場合はパーツを切断するステップであって、人的作業時間でおよそ6秒間かけるステップ、
とを備える。つまり、この実施形態におけるバスケットボールワークフローはおよそ491秒間かかる。このプロセスは、ステップ255,260,および265と同様に、ワークフローの時間的重複の程度を変化させることによって、上側部分は、異なるワークフローに利用するこのまたは他の区画中で他の部品を生産するための時間と同程度のより短い時間で、生産できるようにする、ことに留意されたい。例えば、時間的に重複するワークフローを利用して、どのモデルタイプの、カスタマイズ上側部分でも、およそ350秒毎に生産できるようにする。
【0073】
別の実施形態として、およびワークフローが空間的にどのように重複するかさらに示すために、ステップ270は、顧客のモデル選択入力受信に応じて、ランニングシューズ上側部分カスタマイズワークフローを開始するステップを備えるものとする。このワークフローは、例えば、
(1)エコ溶媒カスタマイズを印刷するステップであって、機械的作業時間でおよそ120秒間および人的作業時間でおよそ30秒間かけるステップ、
(2)つま革の裏地およびつま革のクオーターを切断するステップであって、人的作業時間でおよそ30秒間かけるステップ、
(3)昇華型染料カスタマイズを印刷するステップであって、機械的作業時間でおよそ120秒間および人的作業時間でおよそ20秒間かけるステップ、
(4)昇華型染料カスタマイズをプレスするステップであって、機械的作業時間でおよそ12秒間および人的作業時間でおよそ10秒間かけるステップ
(5)レーザーカスタマイズステップであって、機械的作業時間でおよそ120秒間および人的作業時間でおよそ30秒間かけるステップ、
(6)刺繍カスタマイズステップであって、機械的作業時間でおよそ120秒間および人的作業時間でおよそ30秒間かけるステップ、
(7)部品を高周波ウェルダマーケットプレイスに移送して加熱プレスするステップであって、人的作業時間でおよそ5秒間かけるステップ、および
(8)高周波ウェルダマーケットプレイスを検査し、また必要な場合はパーツを切断するステップであって、人的作業時間でおよそ6秒間かけるステップ、とを備えるものとする。つまり、この実施形態においては、カスタマイズランニングシューズ上側部分はおよそ613秒間で組み立てることができる。このプロセスは、ワークフローで利用する前のステップと同様に、ワークフローの時間的重複の程度を変化させることによって、ランニングシューズ上側部分は、異なるワークフローに利用するこのまたは他の区画中で他の部品を生産するための時間と同程度のより短い時間で、生産できるようになる、ことに留意されたい。例えば、時間的に重複するワークフローを利用して、どのモデルタイプの、カスタマイズランニングシューズ上側部分でも、およそ350秒毎に生産できるようにする。これらの実施形態において、このランニングシューズ上側部分のカスタマイズワークフローは、上に例として示したバスケットボールシューズカスタマイズワークフローに携わる、同様の機械、技術、および作業エリアと、どのように重複させるかは、当業者には明らかであろう。
【0074】
ステップ275においては、特定シューズモデル用の上側部分をさらに製造するための1つ以上のワークフローは、そのシューズモデルに従って開始することができ、また、顧客が選択した機能選択肢、および/または美的選択肢を組み込むものとする。ステップ255,260,265,および270と同様に、各シューズモデルは必ずしもそれ自体に固有のワークフローを有さず、ワークフローを別のシューズモデルと共有することができることを、再度留意されたい。また、ステップ255,260,265,および270と同様に、特定シューズモデル用ワークフローはある程度変化させて、シューズモデルに組み込むようユーザが選択した機能および/または美的カスタマイズを可能とする。ステップ255,260,265,および270と同様に、ステップ275は顧客による特定の注文に関係なく実行することができるが、実際は、シューズ上側部分に施すカスタマイズによって、ステップ275を特定の顧客注文、または、より具体的には、ステップ270で生産した上側部分部分、に応じて実行するようになる可能性が高い。例えば、ステップ275はワークフローを開始して、ユーザ選択に従ってランニングシューズ用上側部分を縫製し、この上側部分はステップ270でユーザ選択に従って生産およびカスタマイズすることができる。
【0075】
ある実施形態においては、ステップ275は、バスケットボールシューズ上側部分形成および縫製ワークフローを開始するステップを備え、このワークフローは
(1)マーケットプレイスから部品を収集するステップであって、人的作業時間でおよそ15秒間かけるステップ、
(2)上側部分部分を組み立てるステップであって、機械的作業時間でおよそ20秒間および人的作業時間でおよそ30秒間かけるステップ、
(3)加熱プレスを活性化させるステップであって、機械的作業時間でおよそ10秒間および人的作業時間でおよそ2秒間かけるステップ、
(4)部品を冷却ラック中に装填するステップであって、機械的作業時間でおよそ60秒間および人的作業時間でおよそ1秒間かけるステップ
(5)最終トリミングを切断するステップであって、人的作業時間でおよそ15秒間かけるステップ、
(6)かかと形成ステップであって、機械的作業時間でおよそ180秒間および人的作業時間でおよそ20秒間かけるステップ、
(7)後縫製ステップであって、人的作業時間でおよそ30秒間かけるステップ、
(8)シュトローベル縫製ステップであって、人的作業時間でおよそ40秒間かけるステップ、および
(9)上側部分を靴型合わせ工程に移送するステップであって、人的作業時間でおよそ5秒間かけるステップ、
とを備えるものとする。つまり、この実施形態におけるバスケットボール上側部分形成および縫製ワークフローはおよそ428秒間かかる。上述の実施形態におけるプロセスは、ステップ255,260,265,および270と同様に、ワークフローの時間的重複の程度を変化させることによって、上側部分は、異なるワークフローに利用するこのまたは他の区域中で他の部品を生産するための時間と同程度のより短い時間で、生産できるようにする、ことに留意されたい。例えば、ステップ(6)において、機械はかかと縫製するまで待機するが、作業者は同一または別モデルのシューズ用に別のワークフローを開始することができる。例えば、作業者がこの第2ワークフローでステップ(6)に達するとき、第1上側部分はステップ(6)を完了し、その後作業者は第2上側部分にステップ(6)を実行することができ、機械が第2上側部分にステップ(6)を継続している間も、第1上側部分にステップ(7),(8),および(9)を継続することができるものとする。当業者には明白なように、所与のワークフローのこれらのステップまたは他のステップのいずれも有利に重複させることができる。
【0076】
別の実施例として、およびワークフローが空間的にどのように重複するかさらに示すために、ステップ275は、ランニングシューズ上側部分高周波溶接および縫製ワークフローを開始するステップを備えるものとする。このワークフローは、例えば、
(1)高周波溶接マーケットプレイスから部品を収集するステップであって、人的作業時間でおよそ15秒間かけるステップ、
(2)上側部分部分を組み立てるステップであって、機械的作業時間でおよそ20秒間および人的作業時間でおよそ30秒間かけるステップ、
(3)高周波溶接サイクルを活性化させるステップであって、機械的作業時間でおよそ10秒間および人的作業時間でおよそ10秒間かけるステップ、
(4)最終トリミングを切断するステップであって、人的作業時間でおよそ15秒間かけるステップ、
(5)上側部分を靴底に縫い付けるステップであって、人的作業時間でおよそ60秒間かけるステップ、および
(6)最終品質管理エリアに移送するステップであって、人的作業時間でおよそ5秒間かけるステップ、
とを備えるものとする。この実施形態のワークフローはおよそ145秒間かかる。このプロセスは、ワークフローで用いる前のステップと同様に、ワークフローの時間的重複の程度を変化させることによって、上側部分は、異なるワークフローに利用するこのまたは他の区域中で他の部品を生産するための時間と同程度のより短い時間で、生産できるようにする、ことに留意されたい。例えば、時間的に重複するワークフローを利用して、任意のモデルタイプの、カスタマイズランニングシューズ上側部分を、およそ350秒間毎に生産することができる。これらの実施形態において、このランニングシューズ上側部分の高周波溶接および縫製ワークフローは上に例として示したバスケットボールシューズ形成および縫製ワークフローに携わる、同様の機械、技術、および作業エリアと、どのように重複させるかは、当業者には明白であろう。
【0077】
ステップ280においては、ワークフローを開始し、アウトソール、ミッドソール、および上側部分を一緒に貼り合わせて、選択シューズモデルに従って選択シューズモデルを形成することができ、また顧客が所望の機能選択肢および美的選択肢も組み込むことができる。ステップ280は、例えば、適切なアウトソール、適切なミッドソール、および特別にカスタマイズした上側部分を適合させて、顧客が注文した通りのシューズを形成するステップを含む。ステップ255,260,265,270,および275と同様に、各シューズモデルはステップ280に必ずしもそれ自体に固有のワークフローを有さず、ワークフローは他のシューズモデルと共有することができることに留意されたい。また、ステップ255,260,265,270,および275と同様に、特定シューズモデル用ワークフローはある程度変化させて、シューズモデルに組み込むようユーザが選択した機能および/または美的カスタマイズを可能とする。
【0078】
別の実施形態においては、ステップ280は
(1)接着剤をステップ275で生産した上側部分、ステップ260で生産したミッドソール、およびステップ255で生産したアウトソールに塗布するステップであって、人的作業時間でおよそ75秒間かけるステップ、
(2)部品をオーブン中に入れるステップであって、機械的作業時間でおよそ120秒間かけるステップ、
(3)部品を手作業で組み合わせるステップであって、人的作業時間でおよそ75秒間かけるステップ、
(4)部品をプレスするステップであって、機械的作業時間でおよそ30秒間および人的作業時間でおよそ10秒間かけるステップ、および
(5)部品を冷却するステップであって、機械的作業時間でおよそ60秒間および人的作業時間でおよそ5秒間かけるステップ、
とを備えるものとする。つまり、この実施形態のワークフローはおよそ460秒間かかる。当業者には既知のように、この実施形態で用いる他のステップと同様に、多数のワークフローを時間的に重複させて、ステップ280を完了させるためにかかる時間を削減することができる。
【0079】
ステップ285において、ワークフローを開始して、カスタマイズ結合シューズ部品を品質管理する、靴ひもを通す、および靴型合わせするものとし、また、顧客が所望する機能選択肢および美的選択肢も組み込むことができる。ステップ255,260,265,270,275,および280と同様に、各シューズモデルは必ずしもそれ自体に固有のワークフローをステップ280に有さず、ワークフローを他のシューズモデルと共有することができることに留意されたい。またステップ255,260,265,270,275,および280と同様に、特定シューズモデル用のワークフローはある程度変化させて、シューズモデル中に組み込むようユーザが選択した機能および/または美的カスタマイズを可能にできる。
【0080】
ある実施形態においては、ステップ285は
(1)結合シューズ部品を品質管理検査および靴型合わせするステップであって、機械的作業時間でおよそ90秒間および人的作業時間でおよそ90秒間かけるステップ、
(2)結合シューズ部品を品質管理検査および再靴型合わせするステップであって、人的作業時間でおよそ30秒間かけるステップ、
(3)結合シューズ部品に靴ひもを通すステップであって、人的作業時間でおよそ60秒間かけるステップ、および
(4)シューズを包装するステップであって、基本的に時間がかからないステップ、
とを備えるものとする。つまり、この実施形態におけるワークフローはおよそ270秒間かかる。当業者には既知のように、この実施形態におけるワークフローを用いる他のステップと同様に、多数のワークフローを時間的に重複させて、ステップ285を完了させるためにかかる時間を変化させることができる。
【0081】
ステップ290において、カスタマイズシューズは、ステップ245から顧客が選択した受け取り選択肢に従って、顧客に配送する。ステップ290は、さらに顧客による検査および承認、支払い、その他を含む。ステップ290は方法200における他のステップの全てまたは一部を実行する場所から地理的に遠隔の場所で実行することができるが、方法200の所望の特性は顧客注文に対してシューズの局所的な製造を可能とすることを理解されたい。このような局所製造は、遠隔地製造よりも局所のニーズおよび好みを反映させることができる、および在庫および発送コストを削減することができる。従って、ステップ290は、方法200の残りのステップのように、実際は同一の大きな設備において、地理的に近郊で実行するものとする。
【0082】
次に図3につき説明すると、ランニングシューズ用アウトソール形成の例示的方法を、全体的に、参照符号300で示す。ステップ305において、ゴムアウトソールを射出成形プロセスにより射出成形形成する。例示的な射出成形ゴムプロセスにおいては、ゴムはアウトソールを形作る成形型内に射出する。別の方法においては、アウトソールはゴム塊から彫り出すおよび/または切り出す。ステップ310において、アウトソールを硬化させる。別の方法においては、アウトソールはステアリン酸および油を用いて硬化させる。この組み合わせはゴムのブルーミング(blooming)を生じ、アウトソールに望ましくないゴム残滓を生じてしまう。
【0083】
ステップ315において、フラッシュ(はみ出し)部分をアウトソールから除去する。アウトソールのフラッシュを除去する1つの方法は、不要な過剰ゴムを切断および/または除去および/または切り取るステップを含む。フラッシュ除去の別の方法は、ゴムアウトソールを手で拭い取るまたは手で摘み取るものとする。ステップ320において、アウトソールはアウトソール予洗浄マーケットプレイスに中継する。代替方法においては、マーケットプレイス内に入れるアウトソールの個数および特徴(例えば、サイズ、形状、色、その他)は、需要予測を基準にすることができる。ステップ325において、注文を受け取る。注文を受け取るための例示的な方法は、注文を手作業で受け取るステップを含む。さらに別の方法においては、注文はウェブインタフェースを通じて注文の詳細をアップロードすることによって受け取ることができる。代替案においては、ステップ305〜320は注文を受け取るまで実行しないものとする。この代替案においては、予測したマーケットプレイス需要を受けてではなく、アウトソールは必要に応じて生産する。ステップ330において、アウトソールはアウトソール予洗浄マーケットプレイスから取り出す。
【0084】
ステップ335においてアウトソールを洗浄する。ある方法においては、アウトソールはアルカリ溶液を用いて洗浄する。別の方法においては、アウトソールは、フラッシュをアウトソールから除去するステップ315から、アウトソールを洗浄するステップ335へ直接進むものとする。ステップ340でアウトソールを洗浄する。ある方法では、アウトソールは酸溶液を用いて洗浄する。洗浄ステップ335および/または340は、ステップ310の硬化プロセスで生じた過剰ゴム残滓を除去する手段とする。別の方法においては、硬化プロセスはステアリン酸を用いずに実行し、それによって生成ゴム残滓を減少または少なくする。この方法では、洗浄ステップ335および/または340は、時間および/または材料を削減、または排除することができる。ステップ345において、アウトソールはオーブン内で乾燥させる。別の実施形態では、アウトソールは、アウトソールを所望の乾燥度に所望期間内で乾燥させる熱を生成することがきる方法を用いて、乾燥させるものとする。ステップ350において、アウトソールはオーブンから取り出す。別の方法においては、アウトソールは、アウトソール成形型から水分を除去するために用いた別の加熱装置から取り出す。ステップ355において、アウトソールはアウトソール中継マーケットプレイスに中継する。別の方法においては、硬化プロセス315から生成するゴム過剰分が少ししかまたは全くない場合、アウトソールは硬化プロセス315から、アウトソール中継マーケットプレイス355に中継するよう、直接進むものとする。別の方法においては、ゴム残滓が最小である場合、アウトソールは、硬化プロセス315から、アウトソールを布のような材料を用いて拭って過剰ゴムを除去する洗浄ステップ335へ直接進むものとする。前者の実施形態においては、アウトソールは、硬化プロセス315から洗浄ステップ335に直接進むか、または硬化プロセス315からアウトソールマーケットプレイス330から取り出す前にアウトソールマーケットプレイス320に進むか、のどちらかとする。アウトソール生産の前に注文を受け取るとき(例えばアウトソールを必要に応じて生産するとき)、アウトソールは、アウトソールマーケットプレイス320〜330で消費する時間をスキップすることができる。
【0085】
図4を参照すると、ランニングシューズ用ミッドソール形成の例示的な方法を、全体的に、参照符号400で示す。ステップ402において、所定体積のEVAペレットを射出成形型内に装填する。代替案においては、ステップ402で注入するポリマー種の選択は、得られるミッドソールの顧客注文に関連した所望の硬度に相関させることができる。EVAペレットは同一条件で同一成形型内において処理することができる、つまり、より長いポリマー鎖を用いるEVAペレットの導入することによって、より短いポリマー鎖を導入したEVAペレットと比較して硬度を増加させることができ、それはより長いポリマー鎖は同一の反応条件下でより短いポリマー鎖と同程度に分解することができないからである。ステップ404において、射出成形型は100℃に加熱して、所定体積のEVAペレットをビスケットの形態として形成する。別の実施形態においては、EVAペレットは、ビスケットの形成中にEVAペレットを形成するために十分熱いが、ファイロン内の膨張剤を活性化させるほど十分でない熱さの温度まで加熱する。さらに別の実施形態においては、成形型の反応条件を変化させて、所与のポリマーが分解し、それによって様々な異なる硬度が得られる程度に影響を与えることができる。ステップ406においては、その後、ビスケットは射出成形型から取り出す。ステップ410においては、その後、ビスケットはビスケットマーケットプレイス中に中継する。ステップ415においては、注文を受け取る。注文を受け取るための例示的方法は、注文を手作業で受け取るステップを含む。さらに別の方法においては、注文は、ウェブインタフェースを通して注文の詳細をアップロードすることによって受け取ることができる。
【0086】
ステップ420において、ビスケットはビスケットマーケットプレイスから取り出す。ステップ430において、その後ビスケット加熱プレス機中に装填する。別の方法において、例えばビスケット形成前に注文を受け取るとき、ビスケットは射出成形型406から取り出すステップから加熱プレス機430中に装填するステップに直接進むものとする。別の方法においては、右用加熱プレス機および左用加熱プレス機を、右足シューズビスケットおよび左足シューズビスケット用に、それぞれ設ける。さらに別の方法においては、右用加熱プレス機および左用加熱プレス機は、同時に稼働させることができる。ステップ434においては、ビスケットは172℃に加熱する。別の実施形態においては、ビスケットは、膨張剤を活性化するために十分に高い温度まで加熱する。ステップ438において、ビスケットは加熱プレス機から取り出す。ステップ440においては、ビスケットは安定化オーブン内に装填する。安定化オーブン内で、ビスケットは、このビスケットがミッドソールとして所望のサイズとすることができる低温まで冷却する。ステップ444において、ビスケットは空気式の安定化オーブン内に入れ、温度は75℃まで低下させる。空気を安定化オーブン中のビスケットに通過させるプロセスは、1つ以上の空気ナイフ遠心送風機を使用することで実行する。ステップ448〜452においては、ビスケットは3段階にわたって温度を低下させるものとする。ステップ448において、ビスケットの温度は75℃から65℃に低下させる。ステップ452において、ビスケット温度は65℃から55℃に低下させる。ステップ454において、ビスケット温度は55℃から45℃に低下させる。別の方法においては、冷却段階448〜452は3つ以上のステージで実行する。別の代替方法においては、ビスケット温度を75℃に低下させるステップ444の段階は、より高いまたはより低い温度に調節することができる。別の方法においては、1つ以上のビスケットは、温度が90℃から45℃まで及ぶ、一連の水浴槽を用いて、安定化させる。ビスケット温度は90℃から75℃に、その後75℃から45℃に低下させ、各浴槽内の時間は均等に配分する。
【0087】
ステップ458において、ミッドソールは安定化オーブンから取り出す。ステップ460において、ミッドソールを1つ以上の超音波浴槽中に装填する。超音波浴槽中のステップ464において、ミッドソールを洗浄する。別の方法においては、ステップ458は省略する、およびミッドソールはこれが2重安定化オーブン超音波浴槽装置中に依然ある間に洗浄することができる。ステップ468においては、ミッドソールは超音波浴槽から取り出す。ステップ470において、ミッドソールは1つ以上の乾燥オーブン中に装填する。ステップ474においてミッドソールを乾燥する。ステップ478において、ミッドソールを1つ以上の乾燥オーブンから取り出す。ステップ480において、ミッドソールはミッドソール中継マーケットプレイスに装填する。
【0088】
次に図5につき説明すると、ランニングシューズ上にプライマーおよび接着剤を塗布する例示的な方法は、全体的に、参照符号500で示す。ステップ504において、顧客注文を受け取る。顧客注文は、サイズまたはスタイルまたは色のような、1つ以上の所望ランニングシューズに関連した特徴の仕様を含むものとする。ステップ506において、顧客注文で決定された特徴に適合するアウトソールは、アウトソール中継マーケットプレイスから取り出す。ステップ508において、顧客注文で決定された特徴に適合するミッドソールをミッドソール中継マーケットプレイスから取り出す。ステップ510において、ミッドソールおよびアウトソールをプライミング(下塗り)する。ステップ520において、プライミングしたミッドソールおよびプライミングしたアウトソールは赤外(以降「IR」)オーブン中に入れる。ステップ530において、ミッドソールおよびアウトソールはIRオーブンから取り出す。ステップ540において、接着剤をミッドソールおよびアウトソールに塗布する。ステップ550において、ミッドソールおよびアウトソールをIRオーブン中に入れる。
【0089】
次に図6につき説明すると、アウトソールおよびミッドソールを結合してランニングシューズ上のミッドソール-アウトソールとする例示的な方法は、全体的に、参照符号600で示す。ステップ610において、アウトソールおよびミッドソールはIRオーブンから取り出す。ステップ620において、アウトソールおよびミッドソールは貼り合わせてミッドソール-アウトソールを形成する。ステップ630において、ミッドソール-アウトソールはストックフィット(stockfit)プレス機内に装填する。ステップ634において、ミッドソール-アウトソールを加熱する。熱によって、接着剤はミッドソール-アウトソール部品をより永続的に結合できる。ステップ638において、ミッドソール-アウトソールはストックフィットプレス機から取り出す。ステップ640において、ミッドソール-アウトソールを冷却装置内に装填する。冷却装置によりミッドソール-アウトソールをおよそ0℃まで冷却し、接着剤を固化させることができる。別の方法においては、ミッドソール-アウトソールは1つ以上の温度エリア中に入れるものとし、このエリア中でミッドソール-アウトソールはより長期間にわたって放置して冷却する。別の方法においては、ステップ644で、ミッドソール-アウトソールの温度を低下させる。別の方法において、プレス機を停止させ、ミッドソール-アウトソールはプレス機内に放置し熱が消散するまで冷却する。さらに別の方法においては、プレス機は加熱コンポーネントおよび冷却コンポーネントの双方に接続し、ミッドソール-アウトソールのような、シューズ製品が1カ所で加熱および冷却できるようにする。その際、デュアル式加熱および冷却プレス機を有することによって、空間的余裕を節約できる、および、シューズ製品の部品を、それらが加熱プレス機と冷却装置との間で移動する期間中にずれを生ずるまたは剥落する危険性を排除することもできる。ステップ648において、ミッドソール-アウトソールは冷却装置から取り出す。ステップ650において、ミッドソール-アウトソールはスウィングアームポスト中継エリアに移送する。
【0090】
図7につき説明すると、ランニングシューズ用上側部分をカスタマイズするための例示的な方法を、全体的に、参照符号700で示す。ステップ702において、注文を受け取る。注文を受け取るための例示的な方法は、注文を手作業で受け取るステップを含む。さらに別の方法においては、注文は、ウェブインターフェースを通じて注文の詳細をアップロードすることによって受け取る。ステップ704において、上側部分の注文に関連する材料(例えば、合成皮革またはメッシュまたはポリエステル、その他)をエコ溶媒プリンタ中に装填する。ステップ706において、エコ溶媒プリンタおよび昇華型染料プリンタに、所望の色のような、注文に関連する材料を装填する。ステップ708において、昇華型染料プリンタを用いて、上側部分に用いる所望材料に所望デザインおよび/または模様を印刷する。ステップ710において、エコ溶媒プリンタを用いて、上側部分に用いる所望材料に所望デザインおよび/または模様を印刷する。ステップ715において、カスタマイズ合成材を、注文を特徴付ける仕様に従って、所望の合成材から切り出す。ステップ720において、カスタマイズ合成材をレーザー装置内に装填する。ステップ724において、レーザー装置には、注文に関連するデザインの仕様をロードする。ステップ728において、レーザーはカスタマイズ合成材上にカスタマイズデザインをエッチングする。
【0091】
ステップ730において、昇華型染料プレス機に装填する。ステップ735において、カスタマイズ合成材をレーザー装置から取り出す。ステップ740において、右用刺繍機にカスタマイズ合成材を装填する。ステップ742において、左用刺繍機に、カスタマイズ合成材を装填する。ステップ744において、刺繍機に注文に関連する設計仕様をロードする。ステップ746において、左用および右用部品は、左用刺繍機および右用刺繍機を用いて、それぞれ刺繍する。ステップ750において、左用部品および右用部品は刺繍機から取り出す。ステップ760において、カスタマイズ部品は高周波(以降「RF」)溶接中継エリアに送給する。
【0092】
上記で開示したいくつかの装飾技術は、各シューズモデルに適用可能とせず、それゆえ上記で開示したいくつかのステップは省略することができる。例えば、全てのシューズモデルが刺繍またはレーザーエッチングを要さないものとする。さらに、上側部分の異なる部品は、異なるステップを通じ、異なる注文において、および異なる時点で進行させることができる。
【0093】
図8をにつき説明すると、ランニングシューズ用上側部分を組み立てるための例示的な方法は、全体的に、参照符号800で示す。ステップ805において、上側部分用のカスタマイズ部品をRF溶接中継エリアから取り出す。ステップ810において、部品一式を顧客注文に関連する必要部品を備えるマーケットプレイスから取り出す。ステップ820において、上側部分はカスタマイズ部品から組み立てる。ステップ825において、RF溶接サイクルを動作させ、カスタマイズ部品で形成した組み立て上側部分を結合させる。ステップ830において、最終トリミングを上側部分に対して切断し、上側部分の最終形状を決定する。ステップ840において、ミッドソール-アウトソールをスウィングアーム中継エリアから取り出す。ステップ850において、上側部分をミッドソール-アウトソールに縫い付ける。
【0094】
図9につき説明すると、ランニングシューズ用の靴型合わせおよび品質管理のための例示的な方法は、栓体的に、参照符号900で示す。ステップ910において、シューズ部品はスウィングアームエリアから取り出す。ステップ920において、品質管理検査を実行して上側部分を靴型合わせする。ステップ930において、品質管理検査を靴型合わせ済みの上側部分に実行し、その後上側部分を再靴型合わせする。ステップ940において、品質管理検査を実行し、また上側部分に靴ひもを通す。ステップ950において、品質管理検査を実行し、またシューズを包装する。
【0095】
次に図10につき説明すると、バスケットボールシューズ用アウトソールを形成するための例示的な方法は、全体的に、参照符号1000で示す。ステップ1005において、射出成形ゴムアウトソールは射出成形プロセスを用いて形成する。例示的な射出成形ゴムプロセスにおいては、アウトソールを形成する成形型内にゴムを射出する。別の方法においては、アウトソールはゴム塊から彫刻するおよび/または切り出す。ステップ1010において、アウトソールは硬化させる。ある代替案においては、アウトソールはステアリン酸および油を用いて硬化させる。この組み合わせはゴムのブルーミング(blooming)を生じ、アウトソールに望ましくないゴム残滓をもたらしてしまう。
【0096】
ステップ1015において、フラッシュ部分(はみ出し部分)をアウトソールから除去する。アウトソールのフラッシュを除去する1つの方法は、不要な過剰ゴムを切断および/または除去および/または切り取るステップを含む。フラッシュ除去の別の方法は、ゴムアウトソールを手で拭い取るまたは手で摘み取るものとする。ステップ1020において、アウトソールはアウトソール予洗浄マーケットプレイスに中継する。代替方法においては、マーケットプレイス内に入れるアウトソールの個数および特徴(例えば、サイズ、形状、色、その他)は、需要予測を基準にすることができる。ステップ1025において、注文を受け取る。注文を受け取るための例示的方法は、注文を手作業で受け取るステップを含む。さらに別の方法においては、注文はウェブインタフェースを通じて注文の詳細をアップロードすることによって受け取ることができる。代替案においては、ステップ1005〜1020は注文を受け取るまで実行しないものとする。この代替案においては、予測したマーケットプレイス需要を受けてではなく、アウトソールは必要に応じて生産する。ステップ1030において、アウトソールはアウトソール予洗浄マーケットプレイスから取り出す。
【0097】
ステップ1035においてアウトソールを洗浄する。ある方法においては、アウトソールはアルカリ溶液を用いて洗浄する。別の方法においては、アウトソールは、フラッシュをアウトソールから除去するステップ1015から、アウトソールを洗浄するステップ1035へ直接進むものとする。ステップ1040でアウトソールを洗浄する。ある方法では、アウトソールは酸性溶液を用いて洗浄する。洗浄ステップ1035および/または1040は、ステップ1010の硬化プロセスで形成された過剰ゴム残滓を除去する手段とする。別の方法においては、硬化プロセスはステアリン酸を用いずに実行し、それによって生成ゴム残滓を減少または少なくする。この方法では、洗浄ステップ1035および/または1040は、時間および/または材料を削減、または排除することができる。ステップ1045において、アウトソールはオーブン内で乾燥させる。別の方法では、アウトソールは、アウトソールを所望の乾燥度に所望期間内で乾燥させる熱を生成することがきる方法を用いて、乾燥させるものとする。ステップ1050において、アウトソールはオーブンから取り出す。別の方法においては、アウトソールは、アウトソール成形型から水分を除去するために用いた別の加熱装置から取り出す。ステップ1055において、アウトソールはアウトソール中継マーケットプレイスに中継する。別の方法においては、硬化プロセス1015から生成するゴム過剰分が少ししかまたは全くない場合、アウトソールは硬化プロセス1015から、アウトソール中継マーケットプレイス1055に中継するよう、直接進むものとする。別の方法においては、ゴム残滓が最小である場合、アウトソールは、硬化プロセス1015から、アウトソールを布のような材料を用いて拭って過剰ゴムを除去する洗浄ステップ1035へ直接進むものとする。前者の実施形態においては、アウトソールは、硬化プロセス1015から洗浄ステップ1035に直接進むか、または硬化プロセス1015からアウトソールマーケットプレイス1030から取り出す前にアウトソールマーケットプレイス1020に進むかの、どちらかとする。アウトソール生産の前に注文を受け取るとき(例えばアウトソールを必要に応じて生産するとき)、アウトソールは、アウトソールマーケットプレイス1020〜1030で消費する時間をスキップすることができる。
【0098】
図11につき説明すると、バスケットボールシューズ用ミッドソール形成の例示的な方法は、全体的に、参照符号1100で示す。ステップ1102において、所定体積のEVAペレットを射出成形型内に装填する。代替案においては、ステップ1102で注入するポリマータイプの選択は、得られるミッドソールの顧客注文に関連した所望の硬度に相関させることができる。EVAペレットは同一条件で同一成形型内において処理することができる、つまり、より長いポリマー鎖を用いるEVAペレットの導入することによって、より短いポリマー鎖を導入したEVAペレットと比較して硬度を増加させることができ、それはより長いポリマー鎖は同一の反応条件下でより短いポリマー鎖と同程度に分解することができないからである。ステップ1104において、射出成形型は100℃に加熱して、所定体積のEVAペレットをビスケットの形態として形成する。別の実施形態においては、EVAペレットは、ビスケットの形成中にEVAペレットを形成するために十分熱いが、ファイロン内の膨張剤を活性化させるためには十分でない熱さの温度まで加熱する。さらに別の実施形態においては、成形型の反応条件を変化させて、所与のポリマーが分解し、それによって様々な異なる硬度が得られる程度に影響を与えることができる。ステップ1106において、その後、ビスケットを射出成形型から取り出す。ステップ1110において、その後、ビスケットをビスケットマーケットプレイスに中継する。ステップ1115において、注文を受け取る。注文を受け取るための例示的な方法は、注文を手作業で受け取るステップを含む。さらに別の方法においては、注文は、ウェブインタフェースを通して注文の詳細をアップロードすることによって受け取ることができる。
【0099】
ステップ1120において、ビスケットをビスケットマーケットプレイスから取り出す。ステップ1130において、その後ビスケットを加熱プレス機内に装填する。別の方法において、例えばビスケット形成前に注文を受け取るとき、ビスケットは射出成形型1106から取り出すステップから加熱プレス機1130内に装填するステップに直接進むものとする。別の方法においては、右用加熱プレス機および左用加熱プレス機を、右足シューズビスケットおよび左足シューズビスケット用に、それぞれ設ける。さらに別の方法においては、右用加熱プレス機および左用加熱プレス機を、同時に稼働させることができる。ステップ1134においては、ビスケットは172℃に加熱する。別の実施形態においては、ビスケットは、膨張剤を活性化するために十分に高い温度まで加熱する。ステップ1138において、ビスケットを加熱プレス機から取り出す。ステップ1140においては、ビスケットは安定化オーブン中に装填する。安定化オーブン中において、ビスケットを、このビスケットがミッドソールとして所望のサイズとなる低温まで冷却する。ステップ1144において、ビスケットは空気式の安定化オーブン内に入れ、温度は75℃まで低下させる。空気を安定化オーブン中のビスケットに通過させるプロセスは、1つ以上の空気ナイフ遠心送風機を使用することで実行する。ステップ1148〜1152においては、ビスケットは3段階にわたって温度を低下させるものとする。ステップ1148において、ビスケットの温度は75℃から65℃に低下させる。ステップ1152において、ビスケット温度は65℃から55℃に低下させる。ステップ1154において、ビスケット温度は55℃から45℃に低下させる。別の方法においては、冷却段階1148〜1152は3つ以上のステージで実行する。別の方法においては、ビスケット温度を75℃に低下させるステップ1144の段階は、より高いまたはより低い温度に調節することができる。
【0100】
ステップ1158において、ミッドソールは安定化オーブンから取り出す。ステップ1160において、ミッドソールは1つ以上の超音波浴槽内に装填する。超音波浴槽内のステップ1164において、ミッドソールを洗浄する。代替方法においては、ステップ1158は省略する、およびミッドソールはこれが2重安定化オーブン超音波浴槽装置内に依然として存在している間に洗浄することができる。ステップ1168においては、ミッドソールは超音波浴槽から取り出す。ステップ1170において、ミッドソールは1つ以上の乾燥オーブン内に装填する。ステップ1174においてミッドソールを乾燥する。ステップ1178において、ミッドソールを1つ以上の乾燥オーブンから取り出す。ステップ1180において、ミッドソールはミッドソール中継マーケットプレイスに装填する。
【0101】
次に図12につき説明すると、バスケットボールシューズ上にプライマーおよび接着剤を塗布する例示的な方法は、全体的に、参照符号1200で示す。ステップ1204において、顧客注文を受け取る。顧客注文は、サイズまたはスタイルまたは色のような、1つ以上の所望バスケットボールシューズに関連する特徴の仕様を含むものとする。ステップ1206において、顧客注文で決定された特徴に適合するアウトソールを、アウトソール中継マーケットプレイスから取り出す。ステップ1208において、顧客注文で決定された特徴に適合するミッドソールをミッドソール中継マーケットプレイスから取り出す。ステップ1210において、ミッドソールおよびアウトソールをプライミングする。ステップ1220において、プライミングしたミッドソールおよびプライミングしたアウトソールはIRオーブン内に入れる。ステップ1230において、ミッドソールおよびアウトソールはIRオーブンから取り出す。ステップ1240において、接着剤はミッドソールおよびアウトソールに塗布する。ステップ1250において、ミッドソールおよびアウトソールはIRオーブン内に入れる。
【0102】
次に図13につき説明すると、アウトソールおよびミッドソールを結合してバスケットボールシューズ上のミッドソール-アウトソールとする例示的な方法は、全体的に、参照符号1300で示す。ステップ1310において、アウトソールおよびミッドソールをIRオーブンから取り出す。ステップ1320において、アウトソールおよびミッドソールを貼り合わせてミッドソール-アウトソールを形成する。ステップ1330において、ミッドソール-アウトソールはストックフィット(stockfit)プレス機内に装填する。ステップ1334において、ミッドソール-アウトソールを加熱する。熱によって、接着剤はミッドソール-アウトソール部品をより永続的に結合できる。ステップ1338において、ミッドソール-アウトソールをストックフィットプレス機から取り出す。ステップ1340において、ミッドソール-アウトソールは冷却装置内に装填する。冷却装置を用いてミッドソール-アウトソールをおよそ0℃まで冷却し、接着剤を固化させることができる。別の方法においては、ミッドソール-アウトソールは1つ以上の温度エリア中に入れるものとし、このエリア中でミッドソール-アウトソールはより長期間にわたって放置して冷却する。別の方法においては、ステップ1344で、ミッドソール-アウトソールの温度を低下させる。別の方法において、プレス機を停止させ、ミッドソール-アウトソールはプレス機内に放置し熱が消散するまで冷却する。さらに別の方法においては、プレス機は加熱コンポーネントおよび冷却コンポーネントの双方に接続して、ミッドソール-アウトソールのような、シューズ製品を1カ所で加熱および冷却できるようにする。その際、デュアル式加熱および冷却プレス機を有することによって、空間的余裕を節約できる、および、シューズ製品の部品を、加熱プレス機と冷却装置との間で移動する期間中にずれを生ずるまたは剥落する危険性を排除することもできる。ステップ1348において、ミッドソール-アウトソールは冷却装置から取り出す。ステップ1350において、ミッドソール-アウトソールはスウィングアームポスト中継エリアに移送する。
【0103】
図14につき説明すると、バスケットボールシューズ用上側部分をカスタマイズするための例示的な方法は、全体的に、参照符号1400で示す。ステップ1402において、注文を受け取る。注文を受け取るための例示的な方法は、注文を手作業で受け取るステップを含む。さらに別の方法においては、注文は、ウェブインターフェースを通じて注文の詳細をアップロードすることによって受け取る。ステップ1404において、上側部分の注文に関連する材料(例えば、合成皮革またはメッシュまたはポリエステル、その他)をエコ溶媒プリンタ内に装填する。ステップ1406において、エコ溶媒プリンタおよび昇華型染料プリンタに、所望の色のような、注文に関連する材料を装填する。ステップ1408において、昇華型染料プリンタを用いて、上側部分に用いる所望材料に所望デザインおよび/または模様を印刷する。ステップ1410において、エコ溶媒プリンタを用いて、上側部分に用いる所望材料に所望デザインおよび/または模様を印刷する。ステップ1415において、カスタマイズ合成材は、注文を特徴付ける仕様に従って、所望材料から切り出す。ステップ1420において、カスタマイズ合成材はレーザー装置内に装填する。ステップ1424において、レーザーに、注文に関連するデザインの仕様をロードする。ステップ1428において、レーザーはカスタマイズ合成材上にカスタマイズデザインをエッチングする。
【0104】
ステップ1430において、昇華型染料プレス機に装填する。ステップ1435において、カスタマイズ合成材をレーザーから取り出す。ステップ1440において、右用刺繍機にカスタマイズ合成材を装填する。ステップ1442において、左用刺繍機に、カスタマイズ合成材を装填する。ステップ1444において、刺繍機に注文に関連する設計仕様を装填する。ステップ1446において、左用および右用部品は、左用刺繍機および右用刺繍機を用いて、それぞれ刺繍する。ステップ1450において、左用部品および右用部品を刺繍機から取り出す。ステップ1460において、カスタマイズ部品を加熱プレス機マーケットプレイスに移送する。ステップ1470において、上側部分を過剰材料のために検査して、必要であれば切断する。
【0105】
上記で開示したいくつかの装飾技術は、各シューズモデルに適用可能とせず、それゆえ上記で開示したいくつかのステップは省略することができる。例えば、全てのシューズモデルが刺繍またはレーザーエッチングを要さないものとする。さらに、上側部分の異なる部品は、異なるステップを通じ、異なる注文において、および異なる時点で進行させることができる。
【0106】
図15につき説明すると、バスケットボールシューズ用上側部分を形成および縫製するための例示的な方法は、全体的に、参照符号1500で示す。ステップ1505において、上側部分用のカスタマイズ部品を加熱プレス機マーケットプレイスから取り出す。ステップ1510において、部品一式を顧客注文に関連する必要部品を備えるマーケットプレイスから取り出す。ステップ1520において、上側部分はカスタマイズ部品から組み立てる。ステップ1530において、組み立て上側部分部品は加熱プレス機に装填する。ステップ1534において、加熱プレス機を動作させ、組み立て上側部分部品を加熱する。到達温度は、部品の結合に用いる接着剤が活性化するために十分高温とする。ステップ1538において、部品を加熱プレス機から取り出す。ステップ1540において、部品は冷却ラックに配置する。ステップ1548において、部品を冷却ラックから取り出す。ステップ1550において、かかとを縫製によって形成する。代替案において、かかとは別の結合方法で形成する。ステップ1560において、部品は後縫製する。ステップ1570において、部品をシュトローベル縫製する。ステップ1580において、部品は靴型合わせエリアに移送する。
【0107】
図16につき説明すると、バスケットボールシューズ用の靴型合わせおよび品質管理のための例示的な方法は、全体的に、参照符号1600で示する。ステップ1610において、シューズ部品は靴型合わせエリアから取り出す。ステップ1620において、品質管理検査を実行して上側部分を靴型合わせする。ステップ1630において、品質管理検査を靴型合わせ済みの上側部分に実行し、その後上側部分を再靴型合わせする。ステップ1640において、品質管理検査を実行し、また上側部分に靴ひもを通す。ステップ1650において、品質管理検査を実行し、またシューズを包装する。
【0108】
次に図17につき説明すると、スケートシューズ用アウトソールを形成するための例示的な方法は、全体的に、参照符号1700で示す。ステップ1705において、射出成形ゴムアウトソールを射出成形プロセスで形成する。例示的な射出成形ゴムプロセスにおいては、アウトソールを形成する成形型内にゴムを射出する。別の方法においては、アウトソールをゴム塊から彫刻するおよび/または切り出す。ステップ1710において、アウトソールを硬化させる。ある代替案においては、アウトソールをステアリン酸および油を用いて硬化させる。この組み合わせはゴムのブルーミング(blooming)を生じ、アウトソールに望ましくないゴム残滓をもたらしてしまう。
【0109】
ステップ1715において、フラッシュをアウトソールから除去する。アウトソールのフラッシュを除去する1つの方法は、不要な過剰ゴムを切断および/または除去および/または切り取るステップを含む。フラッシュ除去の別の方法は、ゴムアウトソールを手で拭い取るまたは手で摘み取るものとする。ステップ1720において、アウトソールはアウトソール予洗浄マーケットプレイスに中継する。代替方法においては、マーケットプレイスに入れるアウトソールの個数および特徴(例えば、サイズ、形状、色、その他)は、需要予測を基準にすることができる。ステップ1725において、注文を受け取る。注文を受け取るための例示的な方法は、注文を手作業で受け取るステップを含む。さらに別の方法においては、注文はウェブインタフェースを通じて注文の詳細をアップロードすることによって受け取ることができる。代替案においては、ステップ1705〜1720は注文を受け取るまで実行しないものとする。この代替案においては、予測したマーケットプレイス需要を受けてではなく、アウトソールは必要に応じて生産する。ステップ1730において、アウトソールはアウトソール予洗浄マーケットプレイスから取り出す。
【0110】
ステップ1735においてアウトソールを洗浄する。ある方法においては、アウトソールはアルカリ溶液を用いて洗浄する。別の方法においては、アウトソールは、フラッシュをアウトソールから除去するステップ1015から、アウトソールを洗浄するステップ1735へ直接進むものとする。ステップ1740でアウトソールは洗浄する。ある方法では、アウトソールは酸溶液を用いて洗浄する。洗浄ステップ1735および/または1740は、ステップ1710の硬化プロセスで形成された過剰ゴム残滓を除去する手段とする。別の方法においては、硬化プロセスはステアリン酸を用いずに実行し、それによって生成ゴム残滓を減少または少なくするようにする。この方法では、洗浄ステップ1735および/または1740は、時間および/または材料を削減、または排除することができる。ステップ1745において、アウトソールはオーブン内で乾燥させる。別の方法では、アウトソールは、アウトソールを所望の乾燥度に所望期間内で乾燥させる熱を生成することができる方法により、乾燥させるものとする。ステップ1750において、アウトソールはオーブンから取り出す。別の方法においては、アウトソールは、アウトソール成形型から水分を除去するために用いた別の加熱装置から取り出す。ステップ1755において、アウトソールをアウトソール中継マーケットプレイスに中継する。別の方法においては、硬化プロセス1715から生成するゴム過剰分が少ししかまたは全くない場合、アウトソールは硬化プロセス1715から、アウトソール中継マーケットプレイス1755に中継するよう、直接進むものとする。別の方法においては、ゴム残滓が最小である場合、アウトソールは、硬化プロセス1715から、アウトソールを布のような材料を用いて拭って過剰ゴムを除去する洗浄ステップ1735へ直接進むものとする。前者の実施形態においては、アウトソールは、硬化プロセス1715から洗浄ステップ1735に直接進むか、または硬化プロセス1715からアウトソールマーケットプレイス1730から取り出す前にアウトソールマーケットプレイス1720に進むかの、どちらかとする。アウトソール生産の前に注文を受け取るとき(例えばアウトソールを必要に応じて生産するとき)、アウトソールは、アウトソールマーケットプレイス1720〜1730で消費する時間をスキップすることができる。
【0111】
図18を参照すると、スケートシューズ用ミッドソール形成の例示的な方法は、全体的に、参照符号1800で示す。ステップ1802において、所定体積のEVAペレットを射出成形型内に装填する。代替案においては、ステップ1802で注入するポリマータイプの選択は、得られるミッドソールの顧客注文に関連した所望の硬度に相関させることができる。EVAペレットは同一条件で同一鋳型中で処理することができる、つまり、より長いポリマー鎖を用いるEVAペレットの導入することによって、より短いポリマー鎖を導入したEVAペレットと比較して硬度を増加させることができ、それはより長いポリマー鎖は同一の反応条件下でより短いポリマー鎖と同程度に分解することができないからである。ステップ1804において、射出成形型は170℃に加熱して、所定体積のEVAペレットをビスケットの形態として形成する。別の実施形態においては、EVAペレットは、EVAペレットは、ビスケットを形成するために十分熱いが、ファイロン内の膨張剤を活性化させるためには十分でない熱さの温度まで加熱する。さらに別の実施形態においては、成形型の反応条件を変化させて、所与のポリマーが分解し、それによって様々な異なる硬度が得られる程度に影響を与えることができる。ステップ1806において、その後、ビスケットは射出成形型から取り出す。ステップ1810において、その後、ビスケットをビスケットマーケットプレイスに中継する。ステップ1815において、注文を受け取る。注文を受け取るための例示的な方法は、注文を手作業で受け取るステップを含む。さらに別の方法においては、注文は、ウェブインタフェースを通して注文の詳細をアップロードすることによって受け取ることができる。
【0112】
ステップ1820において、ビスケットをビスケットマーケットプレイスから取り出す。ステップ1830において、その後ビスケット加熱プレス機内に装填する。別の方法において、例えばビスケット形成前に注文を受け取るとき、ビスケットは射出成形型1806から取り出すステップから加熱プレス機1830内に装填するステップに直接進むものとする。別の方法においては、右用加熱プレス機および左用加熱プレス機を、右足シューズビスケットおよび左足シューズビスケット用に、それぞれ設ける。さらに別の方法においては、右用加熱プレス機および左用加熱プレス機は、同時に稼働させることができる。ステップ1834において、その後ビスケットを172℃に加熱する。別の実施例においては、ビスケットは、膨張剤を活性化するために十分に高い温度まで加熱する。ステップ1838において、ビスケットを加熱プレス機から取り出す。ステップ1840において、ビスケットを安定化オーブン内に装填する。安定化オーブン内において、ビスケットは、このビスケットがミッドソールとして所望のサイズとすることができる低温まで冷却する。ステップ1844において、ビスケットは温度75℃まで低下させる。ステップ1848〜1852においては、ビスケットを3段階にわたって温度を低下させるものとする。ステップ1848において、ビスケットの温度を75℃から65℃に低下させる。ステップ1852において、ビスケット温度を65℃から55℃に低下させる。ステップ1854において、ビスケット温度を55℃から45℃に低下させる。別の方法においては、冷却段階1848〜1852は3つ以上のステージで実行する。別の方法においては、ビスケット温度を75℃に低下させるステップ1844の段階は、より高いまたはより低い温度に調節することができる。
【0113】
ステップ1858において、ミッドソールを安定化オーブンから取り出す。ステップ1860において、ミッドソールは1つ以上の超音波浴槽内に装填する。超音波浴槽内でステップ1864において、ミッドソールを洗浄する。代替方法においては、ステップ1858は省略する、およびミッドソールはこれが2重安定化オーブン超音波浴槽装置内に依然として存在している間に洗浄することができる。ステップ1868においては、ミッドソールを超音波浴槽から取り出す。ステップ1870において、ミッドソールを1つ以上の乾燥オーブン内に装填する。ステップ1874においてミッドソールを乾燥する。ステップ1878において、ミッドソールを1つ以上の乾燥オーブンから取り出す。ステップ1880において、ミッドソールはミッドソール中継マーケットプレイスに装填する。
【0114】
次に図19につき説明すると、スケートシューズにプライマーおよび接着剤を塗布する例示的な方法は、全体的に、参照符号1900で示す。ステップ1904において、顧客注文を受け取る。顧客注文は、サイズまたはスタイルまたは色のような、1つ以上の所望バスケットボールシューズに関連する特徴の仕様を含むものとする。ステップ1906において、顧客注文で決定された特徴に適合するアウトソールは、アウトソール中継マーケットプレイスから取り出す。ステップ1908において、顧客注文で決定された特徴に適合するミッドソールをミッドソール中継マーケットプレイスから取り出す。ステップ1910において、ミッドソールおよびアウトソールをプライミングする。ステップ1920において、プライミングしたミッドソールおよびプライミングしたアウトソールをIRオーブン中に入れる。ステップ1930において、ミッドソールおよびアウトソールはIRオーブンから取り出す。ステップ1940において、接着剤をミッドソールおよびアウトソールに塗布する。ステップ1950において、ミッドソールおよびアウトソールをIRオーブン内に入れる。
【0115】
次に図20につき説明すると、アウトソールおよびミッドソールを結合してスケートシューズにおけるミッドソール-アウトソールとする例示的な方法は、全体的に、参照符号2000で示す。ステップ2010において、アウトソールおよびミッドソールをIRオーブンから取り出す。ステップ2020において、アウトソールおよびミッドソールを貼り合わせてミッドソール-アウトソールを形成する。ステップ2030において、ミッドソール-アウトソールをストックフィット(stockfit)プレス機に装填する。ステップ2034において、ミッドソール-アウトソールを加熱する。熱によって、接着剤はミッドソール-アウトソール部品をより永続的に結合できる。ステップ2038において、ミッドソール-アウトソールをストックフィットプレス機から取り出す。ステップ2040において、ミッドソール-アウトソールは冷却装置内に装填する。冷却装置によりミッドソール-アウトソールをおよそ0℃まで冷却し、接着剤を固化させることができる。別の方法においては、ミッドソール-アウトソールは1つ以上の温度エリア内に入れるものとし、このエリア内でミッドソール-アウトソールをより長期間にわたって放置して冷却する。別の方法においては、ステップ2044で、ミッドソール-アウトソールの温度を低下させる。別の方法において、プレス機を停止させ、ミッドソール-アウトソールをプレス機内に放置し熱が消散するまで冷却する。さらに別の方法においては、プレス機は加熱コンポーネントおよび冷却コンポーネントの双方に接続し、ミッドソール-アウトソールのような、シューズ製品が1カ所で加熱および冷却できるようにする。その際、デュアル式加熱および冷却プレス機を設けることによって、空間的余裕を節約できる、および、シューズ製品の部品を、それらが加熱プレス機と冷却装置との間で移動する期間中にずれを生ずるまたは剥落する危険性を排除することもできる。ステップ2048において、ミッドソール-アウトソールは冷却装置から取り出す。ステップ2050において、ミッドソール-アウトソールはスウィングアームポスト中継エリアに移送する。
【0116】
図21につき説明すると、スケートシューズ用上側部分をカスタマイズするための例示的な方法は、全体的に、参照符号2100で示す。ステップ2102において、注文を受け取る。注文を受け取るための例示的な方法は、注文を手作業で受け取るステップを含む。さらに別の方法においては、注文は、ウェブインターフェースを通じて注文の詳細をアップロードすることによって受け取る。ステップ2104において、上側部分の注文に関連する材料(例えば、合成皮革またはメッシュまたはポリエステル、その他)をエコ溶媒プリンタ内に装填する。ステップ2106において、エコ溶媒プリンタおよび昇華型染料プリンタに、所望の色のような、注文に関連する材料を装填する。ステップ2108において、昇華型染料プリンタを用いて、上側部分に用いる所望材料に所望デザインおよび/または模様を印刷する。ステップ2110において、エコ溶媒プリンタを用いて、上側部分に用いる所望材料に所望デザインおよび/または模様を印刷する。ステップ2115において、カスタマイズ合成材を、注文を特徴付ける仕様に従って、所望材料から切り出す。ステップ2120において、カスタマイズ合成材はレーザー装置内に装填する。ステップ2124において、レーザー装置に、注文に関連するデザインの仕様をロードする。ステップ2128において、レーザーはカスタマイズ合成材上にカスタマイズデザインをエッチングする。
【0117】
ステップ2130において、昇華型染料プレス機に装填する。ステップ2135において、カスタマイズ合成材をレーザー装置から取り出す。ステップ2140において、右用刺繍機にカスタマイズ合成材を装填する。ステップ2142において、左用刺繍機に、カスタマイズ合成材を装填する。ステップ2144において、刺繍機に注文に関連する設計仕様をロードする。ステップ2146において、左用および右用部品は、左用刺繍機および右用刺繍機を用いて、それぞれ刺繍する。ステップ2150において、左用部品および右用部品は刺繍機から取り出す。ステップ2160において、カスタマイズ部品を加熱プレス機マーケットプレイスに移送する。ステップ2170において、上側部分を過剰材料のために検査して、必要であれば切断する。
【0118】
上記で開示したいくつかの装飾技術は、各シューズモデルに適用可能とせず、それゆえ上記で開示したいくつかのステップは省略することができる。例えば、全てのシューズモデルが刺繍またはレーザーエッチングを要さないものとする。さらに、上側部分の異なる部品は、異なるステップを通じ、異なる注文において、および異なる時点で進行させることができる。
【0119】
図22につき説明すると、スケートシューズ用上側部分を形成および縫製するための例示的な方法は、全体的に、参照符号2200で示す。ステップ2205において、上側部分用のカスタマイズ部品を加熱プレス機マーケットプレイスから取り出す。ステップ2210において、部品一式を顧客注文に関連する必要部品を備えるマーケットプレイスから取り出す。ステップ2220において、上側部分をカスタマイズ部品から組み立てる。ステップ2230において、組み立て上側部分部品を加熱プレス機内に装填する。ステップ2234において、加熱プレス機を動作させ、組み立て上側部分部品を加熱する。到達温度は、部品の結合に用いる接着剤が活性化するために十分高温とする。ステップ2238において、部品を加熱プレス機から取り出す。ステップ2240において、部品を冷却ラックに配置する。ステップ2248において、部品を冷却ラックから取り出す。ステップ2250において、かかとを縫製によって形成する。代替案において、かかとは別の結合方法で形成する。ステップ2260において、部品を後縫製する。ステップ2270において、部品をシュトローベル縫製する。ステップ2280において、部品を靴型合わせエリアに移送する。
【0120】
図23につき説明すると、スケートシューズ用の靴型合わせおよび品質管理のための例示的な方法は、全体的に、参照符号2300で示す。ステップ2310において、シューズ部品を靴型合わせエリアから取り出す。ステップ2320において、品質管理検査を実行して上側部分を靴型合わせする。ステップ2330において、品質管理検査を靴型合わせ済みの上側部分に実行し、その後上側部分を再靴型合わせする。ステップ2340において、品質管理検査を実行し、また上側部分に靴ひもを通す。ステップ2350において、品質管理検査を実行し、またシューズを包装する。
【0121】
次に図24につき説明すると、カスタムシューズ部品製造のためのシューズ部品製造設備のワークフローブロック図2400は、本発明の実施形態に従って示す。ワークフローブロック図2400は工場フロアの物理的構成を表すが、汎用のワークフロー方法とも見なすことができる。多数のモジュールを用いて、本発明によるシューズを効率的に製造することができる。各モジュールは、それぞれ少なくとも1人の作業者2401によって操作する。これらのモジュールは可変とするが、図24の実施形態のように、切断およびキット化モジュール2402、カスタマイズモジュール2404、形成および縫製モジュール2406、ミッドソールおよびアウトソール製造モジュール2410、およびストックフィットおよび組み立てモジュール2408、とを備えることができる。
【0122】
切断およびキット化モジュール2402は上側部分原材料の在庫分からシューズ上側部分部品を切り出す。少なくとも1つの上側部分原材料はカスタマイズ可能な中間品とする。その後、切断したシューズ上側部分材料をキットとして組み合わせる。実施例においては、このキットは全シューズ上側部分を形成するために必要な上側部分要素の全てを備える。その後、キットを一時的に保管する。
【0123】
まず、切断およびキット化モジュール2402において、シューズ上側部分の製造に要する部品を切り出す、および、シューズの組み立ておよびカスタマイズに用いることができるキットとして中継する部品を準備する。切断およびキット化モジュール2402で用いる材料は材料倉庫2413に保管する。シューズ部品を形成するために用いる原材料は、原材料に熱溶解(ホットメルト)ラミネーションを塗布するまたはしない業者が供給する。ラミネーション処理は、シューズ部品の組み立てを目的とし、ラミネーションによりシューズ部品を接着する。または、シューズ部品用の材料が、業者から供給されるような熱溶解ラミネーションをまだ有さない場合、熱溶解ラミネーションを原材料に塗布する。ある実施形態においては、倉庫2413から取り出した原材料は、熱溶解ラミネーションプレス機2412で材料に塗布した熱溶解ラミネーションを有するものとする。しかし、業者から供給された材料が既に熱溶解ラミネーションを塗布されている場合、熱溶解ラミネーションプレス機2412はブロック図2400では不要となる。
【0124】
材料を材料倉庫2413から取り出した後、部品切断機2414を用いて、材料をシューズ部品に変更する。部品切断機2414は、自動切断機であって、刃、レーザー、および/または任意の他の切断方法またはツールを利用して、シューズ上側部分を1つ以上の製造用部品に組み立てるために用いる生地を切断する自動切断機を備える。部品切断機2414で用いるような、自動切断機で用いるとき、生地は、吸引、留め具、その他を用いる場所に保持する。シューズ上側部分の製造で用いる材料は中間品とし、この中間品は、印刷、染色、刺繍、その他を通して容易にカスタマイズすることができるものとする。切断部品は部品マーケットプレイス2416中に保管する。切断部品をマーケットプレイス中に保管した後、切断部品をキットとして組み合わせる。ある実施形態においては、キットは上側部分部品であって、シューズ片方用上側部分またはシューズ一足用上側部分を組み立てるために必要な上側部分部品を備える。ある実施形態においては、倉庫2413およびマーケットプレイス2416は垂直式回転コンベヤを備える。製造するシューズデザインに基づいて、上側部分部品のキットを利用して1サイズのシューズまたは任意の多数サイズのシューズを組み立てることができる。例えば、いくつかのシューズデザインにおいては、1つのキットを用いて、男性用サイズ8,9,または10を有するシューズを製造および組み立てることができる。
【0125】
上側部分キットは、シューズ注文が処理されるとき必要に応じて、マーケットプレイス2416に保管した切断部品から供給する。その後、切断およびキット化モジュール2402は、必要タイプの上側部分材料を切断およびキット化することによって、マーケットプレイス2416の特定部品の不足に対応することができる。
【0126】
キットを部品マーケットプレイス2416から選択した後、キットはカスタマイズモジュール2404でカスタマイズする。代替実施例においては、カスタマイズモジュール2404は、切断およびキット化モジュール2402から、一時的に保管したキットを取り出す。その後カスタマイズモジュール2404は、キットのシューズ上側部分部品を重ねて、平坦フレーム組立体に複数層として載置する。その後カスタマイズモジュール2404は、シューズ上側部分部品に装飾を施すことによって、シューズ上側部分部品の少なくとも一部分をカスタマイズする。
【0127】
実施形態においては、カスタマイズモジュール2404は、複数の離散ステーションを備えるが、1つのシューズ上側部分は必ずしもカスタマイズモジュール2404の各ステーションで進行させる必要はない。例えば、キットをデスク2418に移送した後、作業者2401のような、作業者は、カスタマイズ注文に関する印刷用ファイルをアップロードする。印刷用ファイルは、顧客入力受信機2422において、顧客によって入力された注文カスタマイズに関連させる。実施形態においては、印刷ファイルをエコ溶媒プリンタ2420および/または昇華型染料デジタルプリンタステーションに送る。実施形態においては、エコ溶媒プリンタ2420を用いてキットからシューズ上側部分に適用する画像を印刷する。さらに、昇華型染料デジタルプリンタステーション2422により、デザインおよび/または画像をシューズ上側部分上に昇華する。
【0128】
上側部分カスタマイズは、ラミネーション加熱プレス機2424も利用して、デザイン(意匠)をシューズ上側部分部品上にラミネートする。同様に、2424で印刷する昇華型染料パターンは昇華型染料加熱プレス機2426を用いて塗布する。付加的に、カスタマイズトリミング作業をステーション2428で実行し、ステーション2428は第1トリミング型抜き機を用いて、上側部分カスタマイズで用いる材料を変更することができる。さらに、カスタマイズ切断および/またはエッチングのような、レーザーカスタマイズはレーザーカスタマイズステーション2430で実行する。付加的に、多数の刺繍ステーション2432を用いて刺繍カスタマイズをシューズ上側部分に適用する。実施形態においては、シューズ部品は、一旦それらを刺繍機内に装填してから、刺繍するものとする。1つ以上のシューズ部品の刺繍後、シューズ部品は刺繍機から取り出す。実施形態においては、図24に示したように4つの刺繍ステーション2432を利用すると好適であるが、刺繍ステーションの数は1つ以上とすることができる。デスク2434も、シューズ上側部分のカスタマイズに用いることができる。
【0129】
上側部分のカスタマイズ後、形成および縫製モジュール2406は上側部分を形成する。形成および縫製モジュール2406はカスタマイズシューズ上側部分部品を受け取る。カスタマズシューズ上側部分部品は平坦フレーム上に配置し、この部品を所定位置に保持する。フレームは、ソリッドステート(SS : solid state)RFプレス機2436中に装填して、シューズ上側部分の部品にRF溶接を施す。付加的におよび/または代替的に、平坦フレームは加熱プレス機2438中に装填する。加熱プレス機2438を用いて、熱活性化部品から上側部分を形成する。プレス機2436および/またはプレス機2438どちらを用いようと、プレス機を用いてシューズ上側部分の部品を結合する。一旦、シューズ部品をプレス機2436および/またはプレス機2438で結合させると、結合シューズ部品はシャトルカッター2440を用いて切断する。シャトルカッター2440は結合シューズ部品から過剰材料を除去する。シャトルカッター2440が過剰材料を除去した後、結合シューズ部品を平坦フレームから取り出す。さらに、所望の縫製を実行して縫製ステーションで上側部分を形成することができ、このステーションは例えば、平坦縫製ステーション2442、ジグザグ縫製ステーション2444、後縫製ステーション2448、および襞縫製 ステーション2454とし、これら全てシューズ部品をシューズ上側部分の形で縫製するために用いるものとする。付加的に、熱溶解噴霧器2446を用い、シューズ部品を他のシューズ部品および/またはシューズ上側部分に貼り付けて、シューズ上側部分を形成している際に、部品を所定位置に保持することができる。
【0130】
つま先形成コンポーネント2450を用いて上側部分のつま先を形成する。かかと形成コンポーネント2452を用いて、上側部分のかかとを形成する。シュトローベル縫製コンポーネント2456を用いて、靴型合わせ(ラスティング)のために、シュトローベルをシューズ上側部分に貼り付ける。つま先調整コンポーネント2458を用いて、靴型合わせの一部として、シューズ上側部分および/またはシューズ部品を調整する。例えば、つま先調整コンポーネント2458において、シューズ上側部分および/またはシューズ部品は蒸気にさらして、シューズ部品を柔らかくする。さらに、靴型合わせコンポーネント2460を、ミッドソールおよび/またはアウトソールを貼り付ける前に、シューズ上側部分を靴型合わせするためにシュトローベルを取り付けた後、使用する。このようにして、モジュール2406はカスタマイズシューズ上側部分部品を3次元シューズ上側部分として形成する。さらに、モジュール2406は、形成したシューズ上側部分にシュトローベルを貼り付ける。付加的に、モジュール2406は形成したシューズ上側部分およびシュトローベルを靴型合わせする。
【0131】
ミッドソールおよびアウトソールコンポーネント2410は、シューズ組み立て用の靴型合わせ済み上側部分と同時に使用するために、シューズミッドソールおよびシューズアウトソールを製造する。ミッドソールおよびアウトソールは、様々な方法でおよび様々な材料から形成することができる。ミッドソールはファイロン材料から形成し、アウトソールはラテックスゴムから形成することができる。ミッドソールおよびアウトソールモジュール2410に用いる実行可能なシステムおよびプロセスは、本明細書の他の部分に記載している。ミッドソールおよび/またはアウトソールは、マーケットプレイスシステムを用いてストックフィットおよび組み立てモジュール2408に供給する、または注文ごとに供給する。
【0132】
ストックフィットおよび組み立てモジュール2408は、靴型合わせし、また形成したシューズを形成および縫製モジュール2406から受け取る。付加的に、モジュール2408はシューズミッドソールおよびシューズアウトソールをミッドソールおよびアウトソールモジュール2410から受け取る。その後、モジュール2408はシューズミッドソール、シューズアウトソール、および、靴型合わせし、また形成したシューズ上側部分ならびにシュトローベルを組み立ててシューズとする。
【0133】
実施形態においては、ミッドソール、アウトソール、および/または靴型合わせしたシューズ上側部分は通気テーブル2462で受け取るものとする。通気テーブル2462において、接着剤はミッドソールの底部側およびアウトソールの頂部側に塗布する。その後、ミッドソール-アウトソールの組み合わせは、IRオーブン2462のようなIRオーブン内に入れる。シューズミッドソールおよびシューズアウトソールにおける接着剤は、IRオーブン2462内で活性化する。その後、シューズミッドソールおよびシューズアウトソールはブラダープレス機ステーション2466にセットし、ここでミッドソールおよびアウトソールを押し合わせてシール部を形成する。実施形態においては、ブロックプレス機2468を用いて、ミッドソールおよびアウトソールを押し合わせてシール部を形成する。
【0134】
ミッドソールおよびアウトソールを押し合わせた後、ミッドソール-アウトソールはバイトマーク付け機2470に移送して接着剤用のマークを付ける。特に、ミッドソール-アウトソールは、ミッドソール-アウトソールに配置するシューズ上側部分を有し、必要な接着剤被覆率の程度を決定する。その後、ミッドソール-アウトソールおよびシューズ上側部分に通気テーブル2472において接着剤を塗布する。接着剤をバイトラインに従ってシューズ上側部分およびミッドソール-アウトソールに塗布した後、シューズ上側部分およびミッドソール-アウトソールはIRオーブン2474中に入れる。IRオーブン2474において、シューズ上側部分およびミッドソール-アウトソールに塗布した接着剤を活性化させる。その後、シューズ上側部分およびミッドソール-アウトソールはブロックプレス機2468で押し合わせる。一旦、シューズ上側部分およびミッドソール-アウトソールを押し合わせることによってシューズを形成すると、シューズは冷却装置2476にセットする。シューズをセットした後、シューズを再靴型合わせステーション2478において再靴型合わせする。さらに、シューズはテーブル2480において品質管理検査および包装する。
【0135】
次に図25につき説明すると、本発明によるシューズ生産に利用するモジュール構成のブロック図2500を示す。図25の実施形態に示したように、シューズは、1つの切断およびキット化モジュール2530および1つのアウトソールおよびミッドソールモジュール2540を用い、2つのモジュールで連結して、カスタマイズ、形成および貼り合わせ、ならびにストックフィットおよび組み立てを実行することによって、製造する。カスタマイズ、形成および貼り合わせ、およびストックフィットおよび組み立ての作業は第1セクション2510および/または第2セクション2520で実行する。第1セクション2510は、第1カスタマイズモジュール2512、第1形成および貼り合わせモジュール2514、ならびに第1ストックフィットおよび組み立てモジュール2516を備える。第1カスタマイズモジュール2512は、切断およびキット化モジュール2530からシューズ上側部分用の完成キットを受け取る。カスタマイズモジュール2512がシューズ上側部分に必要なカスタマイズを実行した後、カスタマイズモジュール2512はカスタマイズシューズ上側部分を第1形成および貼り合わせモジュール2514に引き渡す。第1形成および貼り合わせモジュール2514は、シューズ上側部分を形成し、その後形成したシューズ上側部分を第1ストックフィットおよび組み立てモジュール2516に引き渡す。第1ストックフィットおよび組み立てモジュール2516は、形成シューズ上側部分を第1形成および貼り合わせモジュール2514から受け取り、さらにアウトソールおよびミッドソールモジュール2540からアウトソールおよびミッドソールを受け取る。第1ストックフィットおよび組み立てモジュール2516はシューズを組み立てて完成させ、その後、完成したシューズを完成製品列2518に引き渡す。
【0136】
同様に、第2セクション2520は、第2カスタマイズモジュール2522、第2形成および貼り合わせモジュール2524、ならびに第2ストックフィットおよび組み立てモジュール2526を備える。第2カスタマイズモジュール2522は、切断およびキット化モジュール2530からシューズ上側部分製造用のキットを受け取る。その後、第2カスタマイズモジュール2522はシューズ上側部分に必要なカスタマイズを実行する。第2カスタマイズモジュールはさらにその後、カスタマイズしたシューズ上側部分を第2形成および貼り合わせモジュール2524に引き渡し、所望のシューズ上側部分を形成する。その後、第2形成および貼り合わせモジュール2524は形成シューズ上側部分を第2ストックフィットおよび組み立てモジュール2526に引き渡す。第2ストックフィットおよび組み立てモジュール2526は、形成シューズ上側部分を第2形成および貼り合わせモジュール2524から受け取り、さらにアウトソールおよびミッドソールをアウトソールおよびミッドソールモジュール2540から受け取る。ストックフィットおよび組み立てモジュール2526は、完成したシューズを完成製品列2528に引き渡す。完成製品列2518および完成製品列2528は、1つの完成製品列に結合して、さらに顧客が片方または一足のカスタマイズシューズを受け取る地点を表示するものとする。図25に示した全モジュールは、1つの立地に並設することができる。しかし、第1セクション2510および第1完成製品列2518は、第2セクション2520および第2完成製品列2528から、切断およびキット化モジュール2530から、および/またはアウトソールおよびミッドソールモジュール2540から、離して設置する。同様に、第2セクション2520および第2完成製品列は、第1セクション2510および第1完成製品列2518から、切断およびキット化モジュール2530から、およびアウトソールおよびミッドソールモジュール2540から、離して設置する。カスタマイズ、形成および貼り合わせ、ならびにストックフィットおよび組み立て用の2つ以上のモジュールに、1つの切断およびキット化モジュール2530および/または1つのアウトソールおよびミッドソールモジュール2540を使用することは、有利にも、一連のモジュールのシューズ生産率
を最大化させることができる。
【0137】
図26は、本発明の実施形態による、シューズ部品を生産および組み立てるためのシスム2600を示す。システム2600は、顧客入力の受信機2640を備える。受信機2640は、例えば、顧客のシューズカスタマイズに関する、顧客入力を受け取る。例えば、顧客は赤色シューズの注文を受信機2640に入力する。システム2600はさらに、シューズ部品を保管するマーケットプレイス2610を備える。実施例においては、マーケットプレイス2610は第1シューズ部品用の一時保管所として設ける。第1シューズ部品は第1モジュール2620で生産する。第1モジュール2620は、第1シューズ部品を生産するためにマーケットプレイス2610から表示2612を受信することに基づいて、少なくとも1つの第1シューズ部品を生産する第1シューズ部品製造モジュールを備える。マーケットプレイス2610内に保管した第1シューズ部品の閾量が、所定閾量以下に減少したとき、表示2612はマーケットプレイス2610から第1モジュール2620に送信する。実施形態においては、1つ以上の第1シューズ部品はシューズ上側部分部品、ミッドソール、および/またはアウトソールを備える。
【0138】
システム2600は第2モジュール2630も備え、第2モジュール2630は、顧客入力受信機2640からの顧客入力2642の受信に応じて、1つ以上の第2シューズ部品を生産する。実施例においては、カスタマイズ部品は第2モジュール2630によって生産し、第2シューズ部品は、マーケットプレイス2610から第2モジュール2630へ供給したシューズ部品を変更することによって生産する。マーケットプレイス2610から第2モジュール2630に供給したシューズ部品は、第1モジュール2620で生産した第1シューズ部品を備える。
【0139】
1つ以上の第1部品および1つ以上の第2部品を生産した後、1つ以上の第1部品および1つ以上の第2部品は第3モジュール2650で組み立てる。1つ以上の第1部品2614をマーケットプレイス2610から第3モジュール2650に移送する。付加的におよび/または代替的に、1つ以上の第1部品2624は第1モジュール2620から第3モジュール2650に移送する。さらに、1つ以上の第2部品2632を第2モジュール2630から第3モジュール2650に移送する。1つ以上の第1部品および1つ以上の第2部品を第3モジュール2650で組み立てた後、1つ以上の完成シューズ2652は完成製品列2660に移送する。
【0140】
図27はプロセスを通じるシューズ製造のワークフローのフローチャート2700を示す。このプロセスは、切断およびキット化モジュール2710、カスタマイズモジュール2720、形成モジュール2730、アウトソールおよびミッドソールモジュール2740、およびストックフィットおよび組み立てモジュール2750のような、シューズ製造モジュール内で実行するステップを備える。切断およびキット化モジュール2710中で、多層シューズ上側部分に要する複数の原材料は、ステップ2712で供給する。さらに、ステップ2714でモジュール2710における原材料を多層シューズ上側部分の部品として切り出す。付加的に、モジュール2710において、1つの多層シューズ上側部分を形成するために必要な部品をステップ2716のキットに入れる。
【0141】
カスタマイズモジュール2720において、ステップ2722でキットを受け取る。やはりカスタマイズモジュール2720におけるステップ2724で、シューズ上側部分部品を多層に組み立てる。この多層は平坦フレーム上で整列させる。さらに、ステップ2426において、多層上側部分部品は、少なくとも1つの多層シューズ上側部分部品に装飾を施すことによってカスタマイズする。カスタマイズモジュール2420で行うステップ2426のカスタマイズは、多層シューズ上側部分部品が平坦フレーム上にある間に、実行する。
【0142】
形成モジュール2730中で、多層シューズ上側部分部品がフレーム上にある間、ステップ2732において多層上側部分部品は結合して1つの一体化シューズ上側部分を形成する。ステップ2734において、過剰上側部分材料はシューズ上側部分から切断する。さらに、ステップ2736において、結合シューズ上側部分はフレームから取り出す。その後、形成シューズ上側部分は、ステップ2738において3次元シューズ上側部分として形成する。形成モジュール2730において、ステップ2739でシュトローベルを形成シューズ上側部分へ縫い付ける。
【0143】
アウトソールおよびミッドソールモジュール2740において、ステップ2742でシューズミッドソールを形成する。さらに、アウトソールおよびミッドソールモジュール2740において、ステップ2744でシューズアウトソールを形成する。ストックフィットおよび組み立てモジュール2750において、ステップ2752でシューズミッドソールをシューズ上側部分に取り付ける。ストックフィットおよび組み立てモジュール2750において、ステップ2754でシューズアウトソールをシューズ上側部分に取り付ける。
【0144】
本発明は特定の実施例に関連して記載してきたが、それらはあらゆる点で限定ではなく例示を意図している。代替実施例は当業者には明白であり、本発明がその範囲から逸脱せずに関連するものとする。当業者には理解できるように、異なるモデルのシューズは、例えば、異なる特定プロセス、材料、またはモジュールを利用することができ、さらに本発明の請求の範囲内に収めることができる。
【0145】
上述の説明から、本発明は、システムおよび方法に備える他の利点とともに、上記全ての目的および目標を達成するよううまく適合していることを理解されたい。ある特徴および副次的結合は有用であり、他の特徴および副次的結合を参照することをせずに用いることができることを理解されたい。これは特許請求の範囲で目論むことができ、さらにその範囲内とすることもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シューズ部品を生産および組み立てるためのシステムにおいて、該システムは
顧客入力を受け取るための受信モジュールと、
第1シューズ部品の少なくとも1つの一時保管所をなすマーケットプレイスと、
前記第1シューズ部品の内容を一時的に保管し、また前記マーケットプレイスの前記少なくとも1つの一時保管所で前記第1シューズ部品が所定閾量以下に減少した際に、この減少事由を前記マーケットプレイスからの表示を受信することに基づいて、少なくとも1つの第1シューズ部品を生産する、および、第1シューズ部品製造モジュールと、
前記顧客入力の受信に基づいて1つ以上の第2シューズ部品を生産する、第2シューズ部品製造モジュールと、および
前記1つ以上の前記第1シューズ部品および前記1つ以上の前記第2シューズ部品とを組み立ててシューズ製品を生産する、第3部品製造モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記1つ以上の第1シューズ部品は、前記第1シューズ部品を前記一時保管所から取り出した後に、処理することを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記第1シューズ部品製造モジュールはアウトソールを生産することを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記第1シューズ部品製造モジュールはミッドソールを製造することを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記第2シューズ部品製造モジュールはカスタマイズ上側部分シューズ部品を生産することを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記カスタマイズシューズ部品は、前記第1シューズ部品に結合する前に処理することを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記カスタマイズシューズ部品は2つ以上の互いに結合したカスタマイズシューズ部品で構成することを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記第2シューズ製造モジュールは多数のカスタマイズサブモジュールを備えることを特徴とするシステム。
【請求項9】
複合カスタマイズシューズ部品のモジュール化生産用の処理設備において、該処理設備は、
上側部分原材料の在庫からシューズ上側部分部品を切断し、前記上側部分原材料の少なくとも1つはカスタマイズ可能な中間品とし、その後前記切断シューズ上側部分材料のキットであってシューズ上側部分全体を形成するために必要な前記上側部分素子の全てを備えるキットとして切り出し、さらに前記キットを一時的に保管するものとする、該切断およびキット化モジュールと、
前記切断およびキット化モジュールから一時保管キットを取り出し、前記キットの前記シューズ上側部分部品を平坦なフレーム付き組立体内に複数層として積層させ、さらに前記シューズ上側部分部品に装飾を施すことによって前記シューズ上側部分部品の少なくとも1部分をカスタマイズする、カスタマイズモジュールと、
前記カスタマイズシューズ上側部分部品を受け取り、前記カスタマイズシューズ上側部分部品を3次元シューズ上側部分として形成し、シュトローベルを前記形成シューズ上側部分に貼り付け、さらに前記形成シューズ上側部分およびシュトローベルを靴型合わせする、形成および縫製モジュールと、
シューズミッドソールおよびシューズアウトソールを製造する、ミッドソールおよびアウトソール製造モジュールと、および
ストックフィットおよび組み立てモジュールであって、前記靴型合わせし、また形成したシューズ上側部分ならびにシュトローベルを前記形成および縫製モジュールから受け取り、前記シューズミッドソールおよびシューズアウトソールを前記ミッドソールおよびアウトソールモジュールから受け取り、さらに前記シューズミッドソール、前記シューズアウトソール、ならびに前記靴型合わせし、また形成したシューズ上側部分およびシュトローベルをシューズに組み立てる、ストックフィットおよび組み立てモジュールと、
を備える処理設備。
【請求項10】
請求項9に記載の処理設備において、前記切断およびキット化モジュールは、前記上側部分原材料を保持する材料保管コンポーネント、部品切断機、および組み立て後に前記キットを保持するマーケットプレイスを有する構成としたことを特徴とする処理設備。
【請求項11】
請求項9に記載の処理設備において、前記カスタマイズモジュールは、熱溶解ラミネーションプレス機、エコ溶媒プリンタ、デジタル昇華型染料プリンタステーション、および刺繍ステーションを有する構成としたことを特徴とする、処理設備。
【請求項12】
請求項9に記載の処理設備において、前記形成および縫製モジュールは、前記シューズ上側部分の前記層を結合する高周波プレス機、過剰上側部分材料から前記結合シューズ上側部分を切り出す切断プレス機、前記シューズ上側部分の前記つま先を形成するつま先形成コンポーネント、前記シューズ上側部分の前記かかとを形成するかかと形成コンポーネント、およびシュトローベルを前記形成シューズ上側部分に縫い付けるシュトローベル縫製コンポーネント、を有する構成としたことを特徴とする、処理設備。
【請求項13】
請求項9の処理設備において、前記形成および縫製モジュールは、前記シューズ上側部分の前記層を結合する加熱プレス機、過剰上側部分材料から前記結合シューズ上側部分を切り出す切断プレス機、前記シューズ上側部分の前記つま先を形成するつま先形成コンポーネント、前記シューズ上側部分の前記かかとを形成するかかと形成コンポーネント、およびシュトローベルを前記形成シューズ上側部分に縫い付けるシュトローベル縫製コンポーネント、を有する構成としたことを特徴とする、処理設備。
【請求項14】
請求項9に記載の処理設備において、前記ストックフィットおよび組み立てモジュールは、少なくとも1つの接着剤を塗布して、前記シューズアウトソール、前記シューズミッドソール、ならびに前記型取りおよび形成シューズ上側部分およびシュトローベルを組み立て、シューズとすることを特徴とする、処理設備。
【請求項15】
請求項14に記載の処理設備において、前記ストックフィットおよび組み立てモジュールはさらに、少なくとも1つの接着剤を前記型取りおよび形成シューズ上側部分およびシュトローベルと前記シューズミッドソール間に塗布し、さらに少なくとも1つの接着剤を前記シューズミッドソールおよび前記シューズアウトソール間に塗布した後に、前記シューズアウトソール、前記シューズミッドソール、ならびに前記型取りおよび形成シューズ上側部分およびシュトローベルに、圧力を印加するプレス機、を有する構成としたことを特徴とする、処理設備。
【請求項16】
プロセスを通して製造したシューズにおいて、前記プロセスの前記ステップは、
切断およびキット化モジュール内で、多層シューズ上側部分に要する複数の原材料を供給し、前記原材料を前記多層シューズ上側部分の前記部品として切り出し、また多層シューズ上側部分を形成するために必要な前記部品をキットとして組み入れるステップと、
カスタマイズモジュール内で、前記キットを受け取り、前記シューズ上側部分部品を平坦なフレーム上で多層状に組み立て、また、前記多層シューズ上側部分が前記平坦なフレームに存在している間に、装飾を前記多層シューズ上側部分部品の少なくとも1層に施すことによって、前記多層上側部分部品をカスタマイズするステップと、
形成モジュール内で、前記多層シューズ上側部分部品が前記フレームに存在している間に、前記多層上側部分部品を結合して、1つの一体化したシューズ上側部分を形成し、過剰上側部分材料から前記シューズ上側部分を切り出すことによって、前記フレームから前記結合シューズ上側部分を取り出し、結合したシューズ上側部分を3次元シューズ上側部分として形成し、またシュトローベルを前記形成したシューズ上側部分に縫い付けるステップと、
アウトソールおよびミッドソールモジュール内で、シューズミッドソールを形成し、またシューズアウトソールを形成するステップと、および
ストックフィットおよび組み立てモジュール内で、前記シューズミッドソールを前記シューズ上側部分に取り付け、また前記シューズアウトソールを前記シューズ上側部分に取り付けて完成シューズを形成するステップと、
を備える、該プロセスを経て製造したシューズ。
【請求項17】
請求項16に記載のシューズにおいて、前記結合上側部分は、プレス機を用いて前記過剰上側部分材料から切り出すことを特徴とするシューズ。
【請求項18】
請求項16に記載のシューズにおいて、シューズ上側部分部品の前記キットは、それぞれ、所定サイズを有するシューズ用のシューズ上側部分を形成するために必要な前記部品を備えることを特徴とするシューズ。
【請求項19】
請求項16に記載のシューズにおいて、前記多層上側部分部品は加熱プレス機によって結合することを特徴とするシューズ。
【請求項20】
請求項16に記載のシューズにおいて、前記多層上側部分部品は高周波溶接によって結合することを特徴とするシューズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2012−504068(P2012−504068A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529323(P2011−529323)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/058628
【国際公開番号】WO2010/037035
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)
【Fターム(参考)】