動力装置、動力システム、および動力制御方法
【課題】小容量のバッテリを用いつつ、かつ、稼働時間を延ばすことができる動力装置を提供する。
【解決手段】体部位の動作に合わせて可動する可動手段10と、身体部位の第1動作方向への動作時に、可動手段10を第1動作方向へ可動させるように可動手段10に対して動力を出力し、身体部位の第2動作方向への動作時に、可動手段10の第2動作方向への可動で生じる動力を回生するモータ20と、動力の回生によって生じた回生電力を蓄電し、モータ20が可動手段10に対して動力を出力する際に蓄電した回生電力をモータ20に供給するキャパシタ40と、を有する動力装置。
【解決手段】体部位の動作に合わせて可動する可動手段10と、身体部位の第1動作方向への動作時に、可動手段10を第1動作方向へ可動させるように可動手段10に対して動力を出力し、身体部位の第2動作方向への動作時に、可動手段10の第2動作方向への可動で生じる動力を回生するモータ20と、動力の回生によって生じた回生電力を蓄電し、モータ20が可動手段10に対して動力を出力する際に蓄電した回生電力をモータ20に供給するキャパシタ40と、を有する動力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、動力装置、動力システム、および動力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、身体障害者、高齢者、および作業従事者等の動作を補助・代行する動作補助装具や、人間の筋力を増強するロボットスーツなどの動力装置が開発されている(たとえば、非特許文献1参照)。
【0003】
ここで、従来の動力装置は、通常、装置自体の重量の観点から、軽量な小容量のバッテリを搭載している。搭載されるバッテリとしては、たとえば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池が挙げられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】"Robot Watch"、[online]、[平成21年11月24日検索]、インターネット<URL:http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/11/07/1427.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の動力装置に搭載される小容量のバッテリは、稼働時間が短時間(たとえば、1〜3時間)であることから、通常、ユーザは予備のバッテリを持ち歩かなければならず、ユーザにとって大きな負担と手間を要してしまっていた。
【0006】
また、従来の動力装置で用いられるバッテリは、内部抵抗が高くサイクル寿命が短いために、高頻度で一時的に電力を発生するエネルギー源を利用してバッテリを充電することは現実的に困難であった。
【0007】
したがって、従来の小容量のバッテリを用いつつ、かつ、稼働時間を延ばすことができる動力装置、動力システム、および動力制御方法を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示による動力装置は、身体部位の動作に合わせて可動する可動手段と、前記身体部位の第1動作方向への動作時に、前記可動手段を前記第1動作方向へ可動させるように前記可動手段に対して動力を出力し、前記身体部位の第2動作方向への動作時に、前記可動手段の前記第2動作方向への可動で生じる動力を回生するモータと、前記動力の回生によって生じた回生電力を蓄電し、前記モータが前記可動手段に対して動力を出力する際に前記蓄電した回生電力を前記モータに供給するキャパシタと、を有する。
【0009】
また、本開示による動力装置は、前記モータが前記可動手段に対して動力を出力する際に前記モータにバッテリ電力を供給するバッテリをさらに有することができる。
【0010】
さらに、本開示による動力装置は、前記モータが前記可動手段に対して動力を出力する第1モードと、前記可動手段の可動で生じる動力を回生する第2モードとの切換えを制御する制御手段をさらに有することができる。
【0011】
さらに、本開示による動力装置は、前記制御手段が、前記第1モードにおいて、前記キャパシタに前記回生電力が所定値以上に蓄電されている場合、前記バッテリから前記モータへのバッテリ電力の供給を遮断して、前記キャパシタから前記モータに前記回生電力を供給し、前記キャパシタに前記回生電力が所定値以上に蓄電されていない場合、前記バッテリから前記モータに前記バッテリ電力を供給するようにさらに制御することができる。
【0012】
さらに、本開示による動力装置は、前記制御手段が、前記第2モードにおいて、前記キャパシタの電圧値が最大値でない場合、前記回生電圧をキャパシタに供給し、前記キャパシタの電圧値が最大値である場合、前記回生電圧を負荷器に供給するように制御することができる。
【0013】
さらに、本開示による動力装置は、前記制御手段が、可動手段が非可動時であって、前記キャパシタに前記回生電力が蓄電されている場合、前記キャパシタから前記バッテリに前記回生電力を供給することもできる。
【0014】
さらに、本開示による動力装置は、前記身体部位の加速度を計測する加速度センサをさらに有し、前記制御手段が、前記計測した加速度が重力方向と反対方向の成分を含む場合に前記第1モードに切換え、前記計測した加速度が重力方向の成分を含む場合に前記第2モードに切換えて制御することができる。
【0015】
さらに、本開示による動力装置は、前記身体部位の筋電位を測定する筋電計をさらに有し、前記制御手段は、前記第2モードにおいて、前記測定した筋電位に応じて前記モータの回生負荷を制御する。
【0016】
さらに、本開示による動力装置は、前記身体部位の筋電位を測定する筋電計をさらに有し、前記制御手段が、前記測定した筋電位が前記第1動作方向への動作に応じた電位である場合に前記第1モードに切換え、前記測定した筋電位が前記第2動作方向への動作に応じた電位である場合に前記第2モードに切換えて制御することができる。
【0017】
本開示による動力システムは、身体部位の動作方向に合わせて可動する第1可動手段、前記身体部位の動作時に前記第1可動手段の可動で生じる動力を回生するモータ、該動力の回生によって生じた回生電力を前記第1動力装置に送電する送電手段を有する第1動力装置と、身体部位の動作方向に合わせて可動する第2可動手段、前記送電された回生電力を受電する受電手段、および前記身体部位の動作時に前記回生電力が供給され、前記可動手段に対して動力を出力するモータを有する第2動力装置と、を有し、前記第1動力装置または前記第2動力装置は、前記回生電力を蓄電するキャパシタを含む。
【0018】
本開示による動力制御方法は、上記に記載の動力装置を制御する動力制御方法であって、前記身体部位の第1動作方向への動作時に、前記モータが前記キャパシタから回生電力の供給を受けて前記可動手段に対して動力を出力することと、前記身体部位の第2動作方向への動作時に、前記モータが前記可動手段の前記第2動作方向への可動で生じる動力を回生し、前記動力の回生によって生じた回生電力を前記キャパシタに蓄電することと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態の動力装置100の概略構成を示すブロック図である。
【図2a】本実施形態の動力装置100の概略的な外観図を示す。
【図2b】本実施形態の動力装置100の概略的な外観図を示す。
【図2c】本実施形態の動力装置100の概略的な外観図を示す。
【図3】本実施形態の動力装置100の動作モードおよび回生モードそれぞれにおけるキャパシタ容量、バッテリ、キャパシタの関係を表す図である。
【図4a】本実施形態の動力装置100の動力制御方法を概略的に説明するためのモデル回路の一例を示す図である。
【図4b】本実施形態の動力装置100の動力制御方法を概略的に説明するためのモデル回路の一例を示す図である。
【図4c】本実施形態の動力装置100の動力制御方法を概略的に説明するためのモデル回路の一例を示す図である。
【図4d】本実施形態の動力装置100の動力制御方法を概略的に説明するためのモデル回路の一例を示す図である。
【図4e】本実施形態の動力装置100の動力制御方法を概略的に説明するためのモデル回路の一例を示す図である。
【図5a】本実施形態の動力装置100の動力制御方法におけるフローチャートの一例を示す。
【図5b】本実施形態の動力装置100の動力制御方法におけるフローチャートの一例を示す。
【図6】本実施形態の動力装置100の使用例の1つを示す図である。
【図7】本実施形態の動力システム1の概略構成を示すブロック図である。
【図8】本実施形態の動力システム1の概略的な外観図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示を実施するための好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。
【0021】
図1は、本実施形態に係る動力装置100の概略構成を示すブロック図である。また、図2は、本実施形態に係る動力装置100の概略的な外観図を示す。
【0022】
動力装置100は、人間の身体部位に装着して人間の動作をサポートする装置であって、図1に示すように、可動手段10、モータ20、バッテリ30、キャパシタ40、負荷器50、電圧計60、加速度センサ70、およびコントローラ80を含む。なお、動力装置100は、バッテリ30、キャパシタ40、負荷器50、電圧計60、加速度センサ70、およびコントローラ80を格納する格納部110(図2a〜図2c参照)を有することができる。
【0023】
可動手段10は、屈曲動作を行う身体部位(たとえば、腰部、肘部、膝部など)の動作に合わせて可動する。可動手段10は、屈曲動作を行う身体部位を挟んで身体に装着するためのサポート部11、およびサポート部11と一体的に構成され、屈曲動作を行う身体部位付近で回動する回動機構を備えたリンク部12を有する。
【0024】
可動手段10は、たとえば、屈曲動作を行う身体部位として腰部の動作に合わせて可動する場合、図2aに示すように、サポート部が腹部と両足の太腿部とにそれぞれ装着され、身体部位の座る動作、立つ動作に合わせてリンク部12が回動する。また、可動手段10は、腰部の動作に合わせて可動する場合に限られず、他にも、たとえば、図2bに示すように、膝部の動作に合わせて可動する場合や、図2cに示すように、肘部の動作に合わせて可動する場合がある。なお、可動手段10自体の構成および材質は、原則として、従来の動作補助装具やロボットスーツなどの可動手段と同様とすることができるのでここでの詳細な説明は省略する。
【0025】
モータ20は、身体部位の第1動作方向への動作時に、可動手段10を第1動作方向へ可動させるように可動手段10の回動機構に対して動力を出力し、身体部位の第2動作方向への動作時に、可動手段10の第2動作方向への可動で生じる動力を回生する。第1動作方向および第2動作方向については、たとえば、図2aに示すように、可動手段10が屈曲動作を行う身体部位として腰部の動作に合わせて可動する場合、第1動作方向を立つ動作の方向(リンク部が回動機構を中心として開く方向)とし、第2動作方向を座る動作の方向(リンク部が回動機構を中心として閉まる方向)とすることができる。特に、第2動作方向を、位置エネルギーを回収可能な方向に設定することで、効率的に動力を回生することができる。モータ20は、図2a〜2cに示すように、たとえば、可動手段10の回動機構を回動するための動力を供給可能に配される。なお、モータ20自体は、一般的なモータ(たとえば、DCモータ、ブラシレスDCモータなど)を用いることができるので、その詳細な説明は省略する。
【0026】
バッテリ30は、モータ20が可動手段10に対して動力を出力する際にモータ20にバッテリ電力を供給する電源である。なお、バッテリ30は、たとえば、リチウムイオン電池およびニッケル水素電池などの二次電池であってよい。
【0027】
キャパシタ40は、モータ20の動力の回生によって生じた回生電力を蓄電し、モータ20が可動手段10に対して動力を出力する際に蓄電した回生電力をモータ20に供給する電源である。キャパシタ40は、内部抵抗が低く、高頻度で一時的に電力を蓄電可能なキャパシタ、たとえば、電気2重層キャパシタ(ウルトラキャパシタ)を用いる。なお、キャパシタ40は、上記ウルトラキャパシタを用いる場合に限られず、モータの動作の回生によって生じた回生電力を蓄電可能なキャパシタを用いることができる。
【0028】
負荷器50は、モータ20の動力の回生によって生じた回生電力を消費するものであって、たとえば、抵抗器である。負荷器50は、上記回生電力のキャパシタ40への蓄電がFULLになったときに、回生電力が供給される。
【0029】
電圧計60は、キャパシタ40の電圧値を測定する。電圧計60は、測定した電圧値の情報をコントローラ80に送る。なお、電圧計60は、周知の電圧計を用いることができるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0030】
加速度センサ70は、身体部位の動作の加速度を計測する。加速度センサ70は、計測した加速度成分値をコントローラ80に送る。加速度センサ70は、3次元の軸方向(x軸方向、y軸方向、z軸方向)の加速度を計測する3軸加速度センサを用いることができる。ただし、加速度センサ70は、上記3軸加速度センサに限られず、たとえば、1軸加速度センサまたは2軸加速度センサを用いることもできる。なお、加速度センサ70は、一般的な加速度センサを用いることができるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0031】
コントローラ(制御手段)80は、動力装置100全体の制御を行う手段であって、特に、電圧計60からキャパシタの電圧値を、また、加速度センサ70から身体部位の加速度値を取得し、これらに基づいて、モータ20が可動手段10に対して動力を出力する動作モード(第1モード)と、可動手段10の可動によって生じた動力を回生する回生モード(第2モード)との切換えを制御する。なお、コントローラ80は、たとえば、一般的なマイクロチップなどを用いて実現することができる。
【0032】
ここで、本実施形態の動作モードおよび回生モードについて、図3および図4a〜4eを参照しつつ、詳細に説明する。図3は、各モードにおけるキャパシタ電圧値、バッテリ30、キャパシタ40、および負荷器50の対応関係を表す図であり、図4a〜4eは、本実施形態の動力制御方法を説明するための各モードにおけるモデル回路を示す図である。なお、図4a〜4eは、本実施形態の動力制御方法を説明するために必要な回路要素を例示した図であり、当業者に自明な範囲で、他の回路要素を適宜追加することができる。
【0033】
動作モードは、モータ20が可動手段10に対して動力を出力するモードであって、キャパシタ40の電圧値が所定値未満の場合に、バッテリ30からモータ20にバッテリ電力を供給する第1動作モード、およびキャパシタ40の電圧値が所定値以上の場合に、キャパシタ40からモータ20に回生電力を供給する第2動作モードを含む。なお、キャパシタ40の電圧値の所定値とは、たとえば、キャパシタの容量の80%以上電荷が蓄積された時の電圧値とすることができる。ただし、上記所定値は、たとえば、動力装置100の用途等に応じて適宜自由に設定することができる。
【0034】
第1動作モードでは、コントローラ80は、図3および図4aに示すように、バッテリ30からモータ20にバッテリ電力を供給するために、モータ20とバッテリ30とを接続するスイッチSW1,SW2をONとし、キャパシタ40および負荷器50にバッテリ電力が供給されないように、バッテリ30とキャパシタ40および負荷器50とを接続するスイッチSW3,4をOFFとするように切り換える。
【0035】
第2動作モードでは、コントローラ80は、図3および図4bに示すように、キャパシタ40からモータ20に蓄電された回生電力を供給するために、モータ20とキャパシタ40とを接続するスイッチSW1,SW3をONとし、バッテリ30および負荷器50にキャパシタ40で蓄電された回生電力が供給されないように、キャパシタ40とバッテリ30および負荷器50とを接続するスイッチSW2,4をOFFとするように切り換える。
【0036】
回生モードは、可動手段の可動によって生じた動力を回生するモードであって、キャパシタ40のキャパシタ電圧値(容量)が所定値未満の場合に、動力の回生によって生じた回生電力をキャパシタ40に供給する第1回生モード、およびキャパシタ40のキャパシタ電圧値(容量)が所定値以上の場合に、動力の回生によって生じた回生電力を負荷器50に供給する第2回生モードを含む。
【0037】
第1回生モードでは、コントローラ80は、図3および図4cに示すように、モータ20の動力の回生によって生じた回生電力をキャパシタ40に供給するために、モータ20とキャパシタ40とを接続するスイッチSW1,SW3をONとし、バッテリ30および負荷器50に回生電力が供給されないように、モータ20とバッテリ30および負荷器50とを接続するスイッチSW2,4をOFFとするように切り換える。
【0038】
第2回生モードでは、コントローラ80は、図3および図4dに示すように、キャパシタ電圧(キャパシタ容量)がFULLの場合に、モータ20の動力の回生によって生じた回生電力を負荷器50に供給するために、モータ20と負荷器50とを接続するスイッチSW1,SW4をONとし、バッテリ30およびキャパシタ40に回生電力が供給されないように、モータ20とバッテリ30およびキャパシタ40とを接続するスイッチSW2,3をOFFとするように切り換える。
【0039】
なお、上記モード以外で、キャパシタ40に一定以上の回生電力が蓄電されている場合であって、かつ、可動手段が非可動時の場合(すなわち、モータ20が静止している場合)、コントローラ80は、図4eに示すように、キャパシタ40に蓄電された回生電力をバッテリ30に供給するために、バッテリ30とキャパシタ40とを接続するスイッチSW2,3をONとし、キャパシタ40とモータ20および負荷器50とを接続するスイッチSW1,4をOFFとするように切り換えることもできる。キャパシタ40に蓄電された回生電力をバッテリに供給することで、バッテリの稼働期間を延ばすことができる。なお、バッテリ30とキャパシタ40との間に電力変換回路(たとえば、DC−DCコンバータ)を適宜設けることによって、キャパシタ40からバッテリ30への電力供給を調整することもできる。
【0040】
以下、図5a,図5bに示すフローチャートを参照して、動力装置100を用いて実施される本実施形態の動力制御方法を説明する。以下では、動力制御方法の一例として、図6に示すように、動力装置100を取り付ける身体部位を腰部とし(図2a参照)、立つ動作、および座る動作をした場合について説明する。なお、各図のフローチャートで示される各処理は、処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0041】
まず、コントローラ80は、身体部位付近に配される加速度センサ70から身体部位の加速度成分値を取得する(ステップS100)。取得した加速度成分値に重力方向の成分を含んでいる場合(ステップS101:Yes)、コントローラ80は、ステップS102の処理を実行し、一方、取得した加速度成分値に重力方向の成分を含んでいない場合(ステップS101:No)、ステップS107の処理を実行する。ここで、上記の回生モードと動作モードの切り換えは、たとえば、ユーザが立つ動作、座る動作をそれぞれ行った場合の加速度成分値を予め計測しておき、実際に取得した加速度成分値が、予め計測した加速度成分値と所定の範囲内で一致する場合に切り換えるようにすることもできる。この場合、コントローラ80は、重力方向の成分に限られずに、ユーザの動作に反応して切り換えることができる。
【0042】
取得した加速度成分値からユーザが座る動作を行うと判定された場合、コントローラ80は、回生モードに切り換えて、キャパシタ40の電圧を測定する電圧計60からキャパシタ電圧値を取得する(ステップS102)。
【0043】
取得したキャパシタ電圧値が所定値未満の場合(ステップS103:No)、コントローラ80は、回生電力をキャパシタ40に供給するように切り換えて制御する(ステップS104)。たとえば、動力の回生によって生じた回生電力をキャパシタ40に供給するために、モータ20とキャパシタ40とを接続し、バッテリ30および負荷器50に回生電力が供給されないように、モータ20とバッテリ30および負荷器50とを非接続にする。
【0044】
取得したキャパシタ電圧値が所定値以上である場合(ステップS103:Yes)、コントローラ80は、回生電力を負荷器50に供給するように切り換えて制御する(ステップS105)。たとえば、動力の回生によって生じた回生電力を負荷器50に供給するために、モータ20と負荷器50とを接続し、バッテリ30およびキャパシタ40に回生電力が供給されないように、モータ20とバッテリ30およびキャパシタ40とを非接続にする。
【0045】
一方、取得した加速度成分値からユーザが立つ動作を行うと判定された場合、コントローラ80は、動作モードに切り換えて、キャパシタ40の電圧を測定する電圧計60からキャパシタ電圧値を取得する(ステップS106)。
【0046】
取得したキャパシタ電圧値が所定値以上である場合(ステップS107:Yes)、コントローラ80は、キャパシタ40に蓄電された回生電力をモータ20に供給するように切り換えて制御する(ステップS108)。たとえば、キャパシタ40に蓄電された回生電力をモータ20に供給するために、モータ20とキャパシタ40とを接続し、バッテリ30および負荷器50にキャパシタ40で蓄電された回生電力が供給されないように、キャパシタ40とバッテリ30および負荷器50とを非接続にする。
【0047】
ここで、キャパシタ40に蓄電された回生電力をモータ20に供給してキャパシタ40の容量が0になった後、さらにモータ20の動力を出力させるための電力が必要な場合(ステップS109:Yes)、コントローラ80は、バッテリ30からのバッテリ電力をモータ20に供給するように切り換える(ステップS110)。たとえば、バッテリ30からモータ20にバッテリ電力を供給するために、モータ20とバッテリ30とを接続し、キャパシタ40および負荷器50にバッテリ電力が供給されないように、バッテリ30とキャパシタ40および負荷器50とを非接続にする。
【0048】
取得したキャパシタ電圧値が所定値未満である場合(ステップS107:No)、上記ステップS110の処理に移る。
<変形例>
以上のように本開示の好適な実施形態について説明したが、本開示は、以上の実施形態に限定されるべきものではなく、特許請求の範囲に表現された思想および範囲を逸脱することなく、種々の変形、追加、および省略が当業者によって可能である。
【0049】
たとえば、上記実施形態では、1つの動力装置100で、動作モードおよび回生モードを行う場合を説明したが、本開示はこれに限られず、たとえば、回生モードで回生電力を発生させるための第1動力装置と、動作モードで可動手段に動力を出力するための第2動力装置とを分けた動力システムとすることもできる。
【0050】
図7は、本実施形態に係る動力システム1の概略構成を示すブロック図である。動力システム1は、図7に示すように、第1動力装置100Aおよび第2動力装置100Bを含む。第1動力装置100Aは、身体部位の動作方向に合わせて可動する第1可動手段10A、身体部位の動作時に第1可動手段10Aの可動で生じる動力を回生するモータ20A、該動力の回生によって生じた回生電力を第1動力装置に送電する送電手段90Aを有する。第2動力装置100Bは、上記実施形態の動力装置100と同様の構成に加えて、さらに、送電された回生電力を受電する受電手段90Bを有する。なお、第2動力装置100Bのキャパシタ40は、第1動力装置100Aに備えられていてもよいし、第1動力装置100Aおよび第2動力装置100Bの両方ともに備えられていてもよい。
【0051】
本実施形態に係る動力システム1によれば、たとえば、図8に示すように、健常者が第1動力装置100Aを装着し、障害者が第2動力装置100Bを装着することで、健常者の動作に応じて障害者の第2動力装置100Bに電力を供給することができる。この他にも、たとえば、障害者が、足のみに障害を有する場合、健常な手に第1動力装置100Aを装着し、障害のある足に第2動力装置100Bを装着するようことで、健常な手の動作に応じて障害のある足に装着された第2動力装置100Bに電力を供給することができる。
【0052】
また、上記実施形態では、バッテリ30と1つのキャパシタ40とを電源として使用する場合を説明したが、バッテリ30と複数のキャパシタ40とを電源として使用することもできる。たとえば、2つのキャパシタ40を使用する場合、一方のキャパシタは回生電力を蓄積し、他方のキャパシタは蓄積された回生電力をバッテリ30に供給するように交互に切り換える制御を実行することで、継続的に蓄電できる。
【0053】
さらに、上記実施形態では、バッテリ30とキャパシタ40とを電源として併用する場合を説明したが、キャパシタのみを電源として使用することもできる。この場合、たとえば、複数のキャパシタを使用し、それぞれのキャパシタとモータとの接続を制御することによって、モータ20の出力および回生の大きさに対応した動力装置を提供することができる。
【0054】
さらに、上記実施形態では、モータが可動手段に対して動力を出力する第1モードと、モータの動力を回生する第2モードとの切換えを自動的に制御する制御手段を有する場合を説明したが、本開示の動力装置100は、これに限られず、たとえば、ユーザによって手動で第1モードおよび第2モードを切り換えるスイッチなどの切換手段を設けることもできる。
【0055】
さらに、上記実施形態では、キャパシタ40に回生電力が所定値以上に蓄電されている場合、バッテリ30からモータ20へのバッテリ電力の供給を遮断して、キャパシタ40からモータ20に回生電力を供給する場合を例にとって説明したが、本開示の動力装置100はこれに限られず、必要に応じて、キャパシタ40からモータ20に回生電力を供給する構成とすることもできる。たとえば、動力装置100が瞬間的に高出力となる場合に、キャパシタ40の蓄電された回生電力をモータ20に供給するような構成とすることができる。
【0056】
さらに、上記実施形態では、加速度センサ70を用いて説明したが、本開示の動力装置100はこれに限られず、たとえば、身体部位の筋電位を測定する筋電計(筋電位センサ)を用いることができる。この場合、コントローラ80は、測定した筋電位が第1動作方向への動作に応じた電位である場合に第1モードに切換え、測定した筋電位が第2動作方向への動作に応じた電位である場合に第2モードに切換えて制御する。よって、ユーザの動作に合わせた制御が可能となり、ユーザにとって違和感なく動力装置100を使用することができる。また、加速度センサや筋電計など動力装置100またはユーザに取り付けるセンサ以外にも、たとえば、外部センサを用いることもできる。外部センサとしては、たとえば、ユーザの動作を撮像して解析する撮像手段がある。
【0057】
さらに、上記実施形態では、回生モードにおけるモータの回生負荷については言及していないが、たとえば、対象となる身体部位の動作に応じてモータの回生負荷を制御することもできる。具体例として、ユーザがゆっくりと座る動作を行う場合、身体を支えるためにユーザの両太腿等の筋力を必要とするが、この筋力を必要としないようにモータの回生負荷を制御する。すなわち、回生負荷は、回生モード時に、ユーザの座る動作方向に対して逆方向への力として働くため、回生負荷が小さすぎると、身体を支える筋力を必要としてしまい、一方、回生負荷が大きすぎると、回生負荷に逆らって座らなければならないため、そのための筋力を逆に必要としてしまう。したがって、回生モード時に、筋力を必要としないような回生負荷に調整制御する。回生負荷の制御は、たとえば、対象となる身体部位の筋電位を測定する筋電計を用いて、筋電位が生じないように(筋力を必要としないように)モータの回生負荷を制御することができる。
【符号の説明】
【0058】
10 動力装置、
11 サポート部、
12 リンク部、
20 モータ、
30 バッテリ、
40 キャパシタ、
50 負荷器、
60 電圧計、
70 加速度センサ、
80 コントローラ。
【技術分野】
【0001】
本開示は、動力装置、動力システム、および動力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、身体障害者、高齢者、および作業従事者等の動作を補助・代行する動作補助装具や、人間の筋力を増強するロボットスーツなどの動力装置が開発されている(たとえば、非特許文献1参照)。
【0003】
ここで、従来の動力装置は、通常、装置自体の重量の観点から、軽量な小容量のバッテリを搭載している。搭載されるバッテリとしては、たとえば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池が挙げられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】"Robot Watch"、[online]、[平成21年11月24日検索]、インターネット<URL:http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/11/07/1427.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の動力装置に搭載される小容量のバッテリは、稼働時間が短時間(たとえば、1〜3時間)であることから、通常、ユーザは予備のバッテリを持ち歩かなければならず、ユーザにとって大きな負担と手間を要してしまっていた。
【0006】
また、従来の動力装置で用いられるバッテリは、内部抵抗が高くサイクル寿命が短いために、高頻度で一時的に電力を発生するエネルギー源を利用してバッテリを充電することは現実的に困難であった。
【0007】
したがって、従来の小容量のバッテリを用いつつ、かつ、稼働時間を延ばすことができる動力装置、動力システム、および動力制御方法を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示による動力装置は、身体部位の動作に合わせて可動する可動手段と、前記身体部位の第1動作方向への動作時に、前記可動手段を前記第1動作方向へ可動させるように前記可動手段に対して動力を出力し、前記身体部位の第2動作方向への動作時に、前記可動手段の前記第2動作方向への可動で生じる動力を回生するモータと、前記動力の回生によって生じた回生電力を蓄電し、前記モータが前記可動手段に対して動力を出力する際に前記蓄電した回生電力を前記モータに供給するキャパシタと、を有する。
【0009】
また、本開示による動力装置は、前記モータが前記可動手段に対して動力を出力する際に前記モータにバッテリ電力を供給するバッテリをさらに有することができる。
【0010】
さらに、本開示による動力装置は、前記モータが前記可動手段に対して動力を出力する第1モードと、前記可動手段の可動で生じる動力を回生する第2モードとの切換えを制御する制御手段をさらに有することができる。
【0011】
さらに、本開示による動力装置は、前記制御手段が、前記第1モードにおいて、前記キャパシタに前記回生電力が所定値以上に蓄電されている場合、前記バッテリから前記モータへのバッテリ電力の供給を遮断して、前記キャパシタから前記モータに前記回生電力を供給し、前記キャパシタに前記回生電力が所定値以上に蓄電されていない場合、前記バッテリから前記モータに前記バッテリ電力を供給するようにさらに制御することができる。
【0012】
さらに、本開示による動力装置は、前記制御手段が、前記第2モードにおいて、前記キャパシタの電圧値が最大値でない場合、前記回生電圧をキャパシタに供給し、前記キャパシタの電圧値が最大値である場合、前記回生電圧を負荷器に供給するように制御することができる。
【0013】
さらに、本開示による動力装置は、前記制御手段が、可動手段が非可動時であって、前記キャパシタに前記回生電力が蓄電されている場合、前記キャパシタから前記バッテリに前記回生電力を供給することもできる。
【0014】
さらに、本開示による動力装置は、前記身体部位の加速度を計測する加速度センサをさらに有し、前記制御手段が、前記計測した加速度が重力方向と反対方向の成分を含む場合に前記第1モードに切換え、前記計測した加速度が重力方向の成分を含む場合に前記第2モードに切換えて制御することができる。
【0015】
さらに、本開示による動力装置は、前記身体部位の筋電位を測定する筋電計をさらに有し、前記制御手段は、前記第2モードにおいて、前記測定した筋電位に応じて前記モータの回生負荷を制御する。
【0016】
さらに、本開示による動力装置は、前記身体部位の筋電位を測定する筋電計をさらに有し、前記制御手段が、前記測定した筋電位が前記第1動作方向への動作に応じた電位である場合に前記第1モードに切換え、前記測定した筋電位が前記第2動作方向への動作に応じた電位である場合に前記第2モードに切換えて制御することができる。
【0017】
本開示による動力システムは、身体部位の動作方向に合わせて可動する第1可動手段、前記身体部位の動作時に前記第1可動手段の可動で生じる動力を回生するモータ、該動力の回生によって生じた回生電力を前記第1動力装置に送電する送電手段を有する第1動力装置と、身体部位の動作方向に合わせて可動する第2可動手段、前記送電された回生電力を受電する受電手段、および前記身体部位の動作時に前記回生電力が供給され、前記可動手段に対して動力を出力するモータを有する第2動力装置と、を有し、前記第1動力装置または前記第2動力装置は、前記回生電力を蓄電するキャパシタを含む。
【0018】
本開示による動力制御方法は、上記に記載の動力装置を制御する動力制御方法であって、前記身体部位の第1動作方向への動作時に、前記モータが前記キャパシタから回生電力の供給を受けて前記可動手段に対して動力を出力することと、前記身体部位の第2動作方向への動作時に、前記モータが前記可動手段の前記第2動作方向への可動で生じる動力を回生し、前記動力の回生によって生じた回生電力を前記キャパシタに蓄電することと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態の動力装置100の概略構成を示すブロック図である。
【図2a】本実施形態の動力装置100の概略的な外観図を示す。
【図2b】本実施形態の動力装置100の概略的な外観図を示す。
【図2c】本実施形態の動力装置100の概略的な外観図を示す。
【図3】本実施形態の動力装置100の動作モードおよび回生モードそれぞれにおけるキャパシタ容量、バッテリ、キャパシタの関係を表す図である。
【図4a】本実施形態の動力装置100の動力制御方法を概略的に説明するためのモデル回路の一例を示す図である。
【図4b】本実施形態の動力装置100の動力制御方法を概略的に説明するためのモデル回路の一例を示す図である。
【図4c】本実施形態の動力装置100の動力制御方法を概略的に説明するためのモデル回路の一例を示す図である。
【図4d】本実施形態の動力装置100の動力制御方法を概略的に説明するためのモデル回路の一例を示す図である。
【図4e】本実施形態の動力装置100の動力制御方法を概略的に説明するためのモデル回路の一例を示す図である。
【図5a】本実施形態の動力装置100の動力制御方法におけるフローチャートの一例を示す。
【図5b】本実施形態の動力装置100の動力制御方法におけるフローチャートの一例を示す。
【図6】本実施形態の動力装置100の使用例の1つを示す図である。
【図7】本実施形態の動力システム1の概略構成を示すブロック図である。
【図8】本実施形態の動力システム1の概略的な外観図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示を実施するための好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。
【0021】
図1は、本実施形態に係る動力装置100の概略構成を示すブロック図である。また、図2は、本実施形態に係る動力装置100の概略的な外観図を示す。
【0022】
動力装置100は、人間の身体部位に装着して人間の動作をサポートする装置であって、図1に示すように、可動手段10、モータ20、バッテリ30、キャパシタ40、負荷器50、電圧計60、加速度センサ70、およびコントローラ80を含む。なお、動力装置100は、バッテリ30、キャパシタ40、負荷器50、電圧計60、加速度センサ70、およびコントローラ80を格納する格納部110(図2a〜図2c参照)を有することができる。
【0023】
可動手段10は、屈曲動作を行う身体部位(たとえば、腰部、肘部、膝部など)の動作に合わせて可動する。可動手段10は、屈曲動作を行う身体部位を挟んで身体に装着するためのサポート部11、およびサポート部11と一体的に構成され、屈曲動作を行う身体部位付近で回動する回動機構を備えたリンク部12を有する。
【0024】
可動手段10は、たとえば、屈曲動作を行う身体部位として腰部の動作に合わせて可動する場合、図2aに示すように、サポート部が腹部と両足の太腿部とにそれぞれ装着され、身体部位の座る動作、立つ動作に合わせてリンク部12が回動する。また、可動手段10は、腰部の動作に合わせて可動する場合に限られず、他にも、たとえば、図2bに示すように、膝部の動作に合わせて可動する場合や、図2cに示すように、肘部の動作に合わせて可動する場合がある。なお、可動手段10自体の構成および材質は、原則として、従来の動作補助装具やロボットスーツなどの可動手段と同様とすることができるのでここでの詳細な説明は省略する。
【0025】
モータ20は、身体部位の第1動作方向への動作時に、可動手段10を第1動作方向へ可動させるように可動手段10の回動機構に対して動力を出力し、身体部位の第2動作方向への動作時に、可動手段10の第2動作方向への可動で生じる動力を回生する。第1動作方向および第2動作方向については、たとえば、図2aに示すように、可動手段10が屈曲動作を行う身体部位として腰部の動作に合わせて可動する場合、第1動作方向を立つ動作の方向(リンク部が回動機構を中心として開く方向)とし、第2動作方向を座る動作の方向(リンク部が回動機構を中心として閉まる方向)とすることができる。特に、第2動作方向を、位置エネルギーを回収可能な方向に設定することで、効率的に動力を回生することができる。モータ20は、図2a〜2cに示すように、たとえば、可動手段10の回動機構を回動するための動力を供給可能に配される。なお、モータ20自体は、一般的なモータ(たとえば、DCモータ、ブラシレスDCモータなど)を用いることができるので、その詳細な説明は省略する。
【0026】
バッテリ30は、モータ20が可動手段10に対して動力を出力する際にモータ20にバッテリ電力を供給する電源である。なお、バッテリ30は、たとえば、リチウムイオン電池およびニッケル水素電池などの二次電池であってよい。
【0027】
キャパシタ40は、モータ20の動力の回生によって生じた回生電力を蓄電し、モータ20が可動手段10に対して動力を出力する際に蓄電した回生電力をモータ20に供給する電源である。キャパシタ40は、内部抵抗が低く、高頻度で一時的に電力を蓄電可能なキャパシタ、たとえば、電気2重層キャパシタ(ウルトラキャパシタ)を用いる。なお、キャパシタ40は、上記ウルトラキャパシタを用いる場合に限られず、モータの動作の回生によって生じた回生電力を蓄電可能なキャパシタを用いることができる。
【0028】
負荷器50は、モータ20の動力の回生によって生じた回生電力を消費するものであって、たとえば、抵抗器である。負荷器50は、上記回生電力のキャパシタ40への蓄電がFULLになったときに、回生電力が供給される。
【0029】
電圧計60は、キャパシタ40の電圧値を測定する。電圧計60は、測定した電圧値の情報をコントローラ80に送る。なお、電圧計60は、周知の電圧計を用いることができるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0030】
加速度センサ70は、身体部位の動作の加速度を計測する。加速度センサ70は、計測した加速度成分値をコントローラ80に送る。加速度センサ70は、3次元の軸方向(x軸方向、y軸方向、z軸方向)の加速度を計測する3軸加速度センサを用いることができる。ただし、加速度センサ70は、上記3軸加速度センサに限られず、たとえば、1軸加速度センサまたは2軸加速度センサを用いることもできる。なお、加速度センサ70は、一般的な加速度センサを用いることができるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0031】
コントローラ(制御手段)80は、動力装置100全体の制御を行う手段であって、特に、電圧計60からキャパシタの電圧値を、また、加速度センサ70から身体部位の加速度値を取得し、これらに基づいて、モータ20が可動手段10に対して動力を出力する動作モード(第1モード)と、可動手段10の可動によって生じた動力を回生する回生モード(第2モード)との切換えを制御する。なお、コントローラ80は、たとえば、一般的なマイクロチップなどを用いて実現することができる。
【0032】
ここで、本実施形態の動作モードおよび回生モードについて、図3および図4a〜4eを参照しつつ、詳細に説明する。図3は、各モードにおけるキャパシタ電圧値、バッテリ30、キャパシタ40、および負荷器50の対応関係を表す図であり、図4a〜4eは、本実施形態の動力制御方法を説明するための各モードにおけるモデル回路を示す図である。なお、図4a〜4eは、本実施形態の動力制御方法を説明するために必要な回路要素を例示した図であり、当業者に自明な範囲で、他の回路要素を適宜追加することができる。
【0033】
動作モードは、モータ20が可動手段10に対して動力を出力するモードであって、キャパシタ40の電圧値が所定値未満の場合に、バッテリ30からモータ20にバッテリ電力を供給する第1動作モード、およびキャパシタ40の電圧値が所定値以上の場合に、キャパシタ40からモータ20に回生電力を供給する第2動作モードを含む。なお、キャパシタ40の電圧値の所定値とは、たとえば、キャパシタの容量の80%以上電荷が蓄積された時の電圧値とすることができる。ただし、上記所定値は、たとえば、動力装置100の用途等に応じて適宜自由に設定することができる。
【0034】
第1動作モードでは、コントローラ80は、図3および図4aに示すように、バッテリ30からモータ20にバッテリ電力を供給するために、モータ20とバッテリ30とを接続するスイッチSW1,SW2をONとし、キャパシタ40および負荷器50にバッテリ電力が供給されないように、バッテリ30とキャパシタ40および負荷器50とを接続するスイッチSW3,4をOFFとするように切り換える。
【0035】
第2動作モードでは、コントローラ80は、図3および図4bに示すように、キャパシタ40からモータ20に蓄電された回生電力を供給するために、モータ20とキャパシタ40とを接続するスイッチSW1,SW3をONとし、バッテリ30および負荷器50にキャパシタ40で蓄電された回生電力が供給されないように、キャパシタ40とバッテリ30および負荷器50とを接続するスイッチSW2,4をOFFとするように切り換える。
【0036】
回生モードは、可動手段の可動によって生じた動力を回生するモードであって、キャパシタ40のキャパシタ電圧値(容量)が所定値未満の場合に、動力の回生によって生じた回生電力をキャパシタ40に供給する第1回生モード、およびキャパシタ40のキャパシタ電圧値(容量)が所定値以上の場合に、動力の回生によって生じた回生電力を負荷器50に供給する第2回生モードを含む。
【0037】
第1回生モードでは、コントローラ80は、図3および図4cに示すように、モータ20の動力の回生によって生じた回生電力をキャパシタ40に供給するために、モータ20とキャパシタ40とを接続するスイッチSW1,SW3をONとし、バッテリ30および負荷器50に回生電力が供給されないように、モータ20とバッテリ30および負荷器50とを接続するスイッチSW2,4をOFFとするように切り換える。
【0038】
第2回生モードでは、コントローラ80は、図3および図4dに示すように、キャパシタ電圧(キャパシタ容量)がFULLの場合に、モータ20の動力の回生によって生じた回生電力を負荷器50に供給するために、モータ20と負荷器50とを接続するスイッチSW1,SW4をONとし、バッテリ30およびキャパシタ40に回生電力が供給されないように、モータ20とバッテリ30およびキャパシタ40とを接続するスイッチSW2,3をOFFとするように切り換える。
【0039】
なお、上記モード以外で、キャパシタ40に一定以上の回生電力が蓄電されている場合であって、かつ、可動手段が非可動時の場合(すなわち、モータ20が静止している場合)、コントローラ80は、図4eに示すように、キャパシタ40に蓄電された回生電力をバッテリ30に供給するために、バッテリ30とキャパシタ40とを接続するスイッチSW2,3をONとし、キャパシタ40とモータ20および負荷器50とを接続するスイッチSW1,4をOFFとするように切り換えることもできる。キャパシタ40に蓄電された回生電力をバッテリに供給することで、バッテリの稼働期間を延ばすことができる。なお、バッテリ30とキャパシタ40との間に電力変換回路(たとえば、DC−DCコンバータ)を適宜設けることによって、キャパシタ40からバッテリ30への電力供給を調整することもできる。
【0040】
以下、図5a,図5bに示すフローチャートを参照して、動力装置100を用いて実施される本実施形態の動力制御方法を説明する。以下では、動力制御方法の一例として、図6に示すように、動力装置100を取り付ける身体部位を腰部とし(図2a参照)、立つ動作、および座る動作をした場合について説明する。なお、各図のフローチャートで示される各処理は、処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0041】
まず、コントローラ80は、身体部位付近に配される加速度センサ70から身体部位の加速度成分値を取得する(ステップS100)。取得した加速度成分値に重力方向の成分を含んでいる場合(ステップS101:Yes)、コントローラ80は、ステップS102の処理を実行し、一方、取得した加速度成分値に重力方向の成分を含んでいない場合(ステップS101:No)、ステップS107の処理を実行する。ここで、上記の回生モードと動作モードの切り換えは、たとえば、ユーザが立つ動作、座る動作をそれぞれ行った場合の加速度成分値を予め計測しておき、実際に取得した加速度成分値が、予め計測した加速度成分値と所定の範囲内で一致する場合に切り換えるようにすることもできる。この場合、コントローラ80は、重力方向の成分に限られずに、ユーザの動作に反応して切り換えることができる。
【0042】
取得した加速度成分値からユーザが座る動作を行うと判定された場合、コントローラ80は、回生モードに切り換えて、キャパシタ40の電圧を測定する電圧計60からキャパシタ電圧値を取得する(ステップS102)。
【0043】
取得したキャパシタ電圧値が所定値未満の場合(ステップS103:No)、コントローラ80は、回生電力をキャパシタ40に供給するように切り換えて制御する(ステップS104)。たとえば、動力の回生によって生じた回生電力をキャパシタ40に供給するために、モータ20とキャパシタ40とを接続し、バッテリ30および負荷器50に回生電力が供給されないように、モータ20とバッテリ30および負荷器50とを非接続にする。
【0044】
取得したキャパシタ電圧値が所定値以上である場合(ステップS103:Yes)、コントローラ80は、回生電力を負荷器50に供給するように切り換えて制御する(ステップS105)。たとえば、動力の回生によって生じた回生電力を負荷器50に供給するために、モータ20と負荷器50とを接続し、バッテリ30およびキャパシタ40に回生電力が供給されないように、モータ20とバッテリ30およびキャパシタ40とを非接続にする。
【0045】
一方、取得した加速度成分値からユーザが立つ動作を行うと判定された場合、コントローラ80は、動作モードに切り換えて、キャパシタ40の電圧を測定する電圧計60からキャパシタ電圧値を取得する(ステップS106)。
【0046】
取得したキャパシタ電圧値が所定値以上である場合(ステップS107:Yes)、コントローラ80は、キャパシタ40に蓄電された回生電力をモータ20に供給するように切り換えて制御する(ステップS108)。たとえば、キャパシタ40に蓄電された回生電力をモータ20に供給するために、モータ20とキャパシタ40とを接続し、バッテリ30および負荷器50にキャパシタ40で蓄電された回生電力が供給されないように、キャパシタ40とバッテリ30および負荷器50とを非接続にする。
【0047】
ここで、キャパシタ40に蓄電された回生電力をモータ20に供給してキャパシタ40の容量が0になった後、さらにモータ20の動力を出力させるための電力が必要な場合(ステップS109:Yes)、コントローラ80は、バッテリ30からのバッテリ電力をモータ20に供給するように切り換える(ステップS110)。たとえば、バッテリ30からモータ20にバッテリ電力を供給するために、モータ20とバッテリ30とを接続し、キャパシタ40および負荷器50にバッテリ電力が供給されないように、バッテリ30とキャパシタ40および負荷器50とを非接続にする。
【0048】
取得したキャパシタ電圧値が所定値未満である場合(ステップS107:No)、上記ステップS110の処理に移る。
<変形例>
以上のように本開示の好適な実施形態について説明したが、本開示は、以上の実施形態に限定されるべきものではなく、特許請求の範囲に表現された思想および範囲を逸脱することなく、種々の変形、追加、および省略が当業者によって可能である。
【0049】
たとえば、上記実施形態では、1つの動力装置100で、動作モードおよび回生モードを行う場合を説明したが、本開示はこれに限られず、たとえば、回生モードで回生電力を発生させるための第1動力装置と、動作モードで可動手段に動力を出力するための第2動力装置とを分けた動力システムとすることもできる。
【0050】
図7は、本実施形態に係る動力システム1の概略構成を示すブロック図である。動力システム1は、図7に示すように、第1動力装置100Aおよび第2動力装置100Bを含む。第1動力装置100Aは、身体部位の動作方向に合わせて可動する第1可動手段10A、身体部位の動作時に第1可動手段10Aの可動で生じる動力を回生するモータ20A、該動力の回生によって生じた回生電力を第1動力装置に送電する送電手段90Aを有する。第2動力装置100Bは、上記実施形態の動力装置100と同様の構成に加えて、さらに、送電された回生電力を受電する受電手段90Bを有する。なお、第2動力装置100Bのキャパシタ40は、第1動力装置100Aに備えられていてもよいし、第1動力装置100Aおよび第2動力装置100Bの両方ともに備えられていてもよい。
【0051】
本実施形態に係る動力システム1によれば、たとえば、図8に示すように、健常者が第1動力装置100Aを装着し、障害者が第2動力装置100Bを装着することで、健常者の動作に応じて障害者の第2動力装置100Bに電力を供給することができる。この他にも、たとえば、障害者が、足のみに障害を有する場合、健常な手に第1動力装置100Aを装着し、障害のある足に第2動力装置100Bを装着するようことで、健常な手の動作に応じて障害のある足に装着された第2動力装置100Bに電力を供給することができる。
【0052】
また、上記実施形態では、バッテリ30と1つのキャパシタ40とを電源として使用する場合を説明したが、バッテリ30と複数のキャパシタ40とを電源として使用することもできる。たとえば、2つのキャパシタ40を使用する場合、一方のキャパシタは回生電力を蓄積し、他方のキャパシタは蓄積された回生電力をバッテリ30に供給するように交互に切り換える制御を実行することで、継続的に蓄電できる。
【0053】
さらに、上記実施形態では、バッテリ30とキャパシタ40とを電源として併用する場合を説明したが、キャパシタのみを電源として使用することもできる。この場合、たとえば、複数のキャパシタを使用し、それぞれのキャパシタとモータとの接続を制御することによって、モータ20の出力および回生の大きさに対応した動力装置を提供することができる。
【0054】
さらに、上記実施形態では、モータが可動手段に対して動力を出力する第1モードと、モータの動力を回生する第2モードとの切換えを自動的に制御する制御手段を有する場合を説明したが、本開示の動力装置100は、これに限られず、たとえば、ユーザによって手動で第1モードおよび第2モードを切り換えるスイッチなどの切換手段を設けることもできる。
【0055】
さらに、上記実施形態では、キャパシタ40に回生電力が所定値以上に蓄電されている場合、バッテリ30からモータ20へのバッテリ電力の供給を遮断して、キャパシタ40からモータ20に回生電力を供給する場合を例にとって説明したが、本開示の動力装置100はこれに限られず、必要に応じて、キャパシタ40からモータ20に回生電力を供給する構成とすることもできる。たとえば、動力装置100が瞬間的に高出力となる場合に、キャパシタ40の蓄電された回生電力をモータ20に供給するような構成とすることができる。
【0056】
さらに、上記実施形態では、加速度センサ70を用いて説明したが、本開示の動力装置100はこれに限られず、たとえば、身体部位の筋電位を測定する筋電計(筋電位センサ)を用いることができる。この場合、コントローラ80は、測定した筋電位が第1動作方向への動作に応じた電位である場合に第1モードに切換え、測定した筋電位が第2動作方向への動作に応じた電位である場合に第2モードに切換えて制御する。よって、ユーザの動作に合わせた制御が可能となり、ユーザにとって違和感なく動力装置100を使用することができる。また、加速度センサや筋電計など動力装置100またはユーザに取り付けるセンサ以外にも、たとえば、外部センサを用いることもできる。外部センサとしては、たとえば、ユーザの動作を撮像して解析する撮像手段がある。
【0057】
さらに、上記実施形態では、回生モードにおけるモータの回生負荷については言及していないが、たとえば、対象となる身体部位の動作に応じてモータの回生負荷を制御することもできる。具体例として、ユーザがゆっくりと座る動作を行う場合、身体を支えるためにユーザの両太腿等の筋力を必要とするが、この筋力を必要としないようにモータの回生負荷を制御する。すなわち、回生負荷は、回生モード時に、ユーザの座る動作方向に対して逆方向への力として働くため、回生負荷が小さすぎると、身体を支える筋力を必要としてしまい、一方、回生負荷が大きすぎると、回生負荷に逆らって座らなければならないため、そのための筋力を逆に必要としてしまう。したがって、回生モード時に、筋力を必要としないような回生負荷に調整制御する。回生負荷の制御は、たとえば、対象となる身体部位の筋電位を測定する筋電計を用いて、筋電位が生じないように(筋力を必要としないように)モータの回生負荷を制御することができる。
【符号の説明】
【0058】
10 動力装置、
11 サポート部、
12 リンク部、
20 モータ、
30 バッテリ、
40 キャパシタ、
50 負荷器、
60 電圧計、
70 加速度センサ、
80 コントローラ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体部位の動作に合わせて可動する可動手段と、
前記身体部位の第1動作方向への動作時に、前記可動手段を前記第1動作方向へ可動させるように前記可動手段に対して動力を出力し、前記身体部位の第2動作方向への動作時に、前記可動手段の前記第2動作方向への可動で生じる動力を回生するモータと、
前記動力の回生によって生じた回生電力を蓄電し、前記モータが前記可動手段に対して動力を出力する際に前記蓄電した回生電力を前記モータに供給するキャパシタと、
前記モータが前記可動手段に対して動力を出力する際に前記モータにバッテリ電力を供給するバッテリと、
前記モータが前記可動手段に対して動力を出力する第1モードと、前記モータの動力を回生する第2モードとの切換えを制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記第1モードにおいて、前記キャパシタに前記回生電力が所定値以上に蓄電されている場合、前記バッテリから前記モータへのバッテリ電力の供給を遮断して、前記キャパシタから前記モータに前記回生電力を供給し、前記キャパシタに前記回生電力が所定値以上に蓄電されていない場合、前記バッテリから前記モータに前記バッテリ電力を供給するようにさらに制御する動力装置。
【請求項2】
身体部位の動作に合わせて可動する可動手段と、
前記身体部位の第1動作方向への動作時に、前記可動手段を前記第1動作方向へ可動させるように前記可動手段に対して動力を出力し、前記身体部位の第2動作方向への動作時に、前記可動手段の前記第2動作方向への可動で生じる動力を回生するモータと、
前記動力の回生によって生じた回生電力を蓄電し、前記モータが前記可動手段に対して動力を出力する際に前記蓄電した回生電力を前記モータに供給するキャパシタと、
を有する動力装置。
【請求項3】
前記モータが前記可動手段に対して動力を出力する際に前記モータにバッテリ電力を供給するバッテリをさらに有する、請求項2に記載の動力装置。
【請求項4】
前記モータが前記可動手段に対して動力を出力する第1モードと、前記可動手段の可動で生じる動力を回生する第2モードとの切換えを制御する制御手段をさらに有する、請求項3に記載の動力装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記第1モードにおいて、前記キャパシタに前記回生電力が所定値以上に蓄電されている場合、前記キャパシタから前記モータに前記回生電力を供給し、
前記キャパシタに前記回生電力が所定値以上に蓄電されていない場合、前記バッテリから前記モータに前記バッテリ電力を供給するようにさらに制御する、請求項4に記載の動力装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記第2モードにおいて、前記キャパシタの電圧値が最大値でない場合、前記回生電圧をキャパシタに供給し、
前記キャパシタの電圧値が最大値である場合、前記回生電圧を負荷器に供給するように制御する、請求項4に記載の動力装置。
【請求項7】
前記制御手段は、可動手段が非可動時であって、前記キャパシタに前記回生電力が蓄電されている場合、前記キャパシタから前記バッテリに前記回生電力を供給する、請求項4に記載の動力装置。
【請求項8】
前記身体部位の動作の加速度を計測する加速度センサをさらに有し、
前記制御手段は、前記計測した加速度が重力方向と反対方向の成分を含む場合に前記第1モードに切換え、前記計測した加速度が重力方向の成分を含む場合に前記第2モードに切換えて制御する、請求項4に記載の動力装置。
【請求項9】
前記身体部位の筋電位を測定する筋電計をさらに有し、
前記制御手段は、前記第2モードにおいて、前記測定した筋電位に応じて前記モータの回生負荷を制御する、請求項4に記載の動力装置。
【請求項10】
前記身体部位の筋電位を測定する筋電計をさらに有し、
前記制御手段は、前記測定した筋電位が前記第1動作方向への動作に応じた電位である場合に前記第1モードに切換え、前記測定した筋電位が前記第2動作方向への動作に応じた電位である場合に前記第2モードに切換えて制御する、請求項4に記載の動力装置。
【請求項11】
身体部位の動作方向に合わせて可動する第1可動手段、前記身体部位の動作時に前記第1可動手段の可動で生じる動力を回生するモータ、該動力の回生によって生じた回生電力を前記第1動力装置に送電する送電手段を有する第1動力装置と、
身体部位の動作方向に合わせて可動する第2可動手段、前記送電された回生電力を受電する受電手段、および前記身体部位の動作時に前記回生電力が供給され、前記可動手段に対して動力を出力するモータを有する第2動力装置と、を有し、
前記第1動力装置または前記第2動力装置は、前記回生電力を蓄電するキャパシタを含む動力システム。
【請求項12】
請求項1に記載の動力装置を制御する動力制御方法であって、
前記身体部位の第1動作方向への動作時に、前記モータが前記キャパシタから回生電力の供給を受けて前記可動手段に対して動力を出力することと、
前記身体部位の第2動作方向への動作時に、前記モータが前記可動手段の前記第2動作方向への可動で生じる動力を回生し、前記動力の回生によって生じた回生電力を前記キャパシタに蓄電することと、
を有する動力制御方法。
【請求項1】
身体部位の動作に合わせて可動する可動手段と、
前記身体部位の第1動作方向への動作時に、前記可動手段を前記第1動作方向へ可動させるように前記可動手段に対して動力を出力し、前記身体部位の第2動作方向への動作時に、前記可動手段の前記第2動作方向への可動で生じる動力を回生するモータと、
前記動力の回生によって生じた回生電力を蓄電し、前記モータが前記可動手段に対して動力を出力する際に前記蓄電した回生電力を前記モータに供給するキャパシタと、
前記モータが前記可動手段に対して動力を出力する際に前記モータにバッテリ電力を供給するバッテリと、
前記モータが前記可動手段に対して動力を出力する第1モードと、前記モータの動力を回生する第2モードとの切換えを制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記第1モードにおいて、前記キャパシタに前記回生電力が所定値以上に蓄電されている場合、前記バッテリから前記モータへのバッテリ電力の供給を遮断して、前記キャパシタから前記モータに前記回生電力を供給し、前記キャパシタに前記回生電力が所定値以上に蓄電されていない場合、前記バッテリから前記モータに前記バッテリ電力を供給するようにさらに制御する動力装置。
【請求項2】
身体部位の動作に合わせて可動する可動手段と、
前記身体部位の第1動作方向への動作時に、前記可動手段を前記第1動作方向へ可動させるように前記可動手段に対して動力を出力し、前記身体部位の第2動作方向への動作時に、前記可動手段の前記第2動作方向への可動で生じる動力を回生するモータと、
前記動力の回生によって生じた回生電力を蓄電し、前記モータが前記可動手段に対して動力を出力する際に前記蓄電した回生電力を前記モータに供給するキャパシタと、
を有する動力装置。
【請求項3】
前記モータが前記可動手段に対して動力を出力する際に前記モータにバッテリ電力を供給するバッテリをさらに有する、請求項2に記載の動力装置。
【請求項4】
前記モータが前記可動手段に対して動力を出力する第1モードと、前記可動手段の可動で生じる動力を回生する第2モードとの切換えを制御する制御手段をさらに有する、請求項3に記載の動力装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記第1モードにおいて、前記キャパシタに前記回生電力が所定値以上に蓄電されている場合、前記キャパシタから前記モータに前記回生電力を供給し、
前記キャパシタに前記回生電力が所定値以上に蓄電されていない場合、前記バッテリから前記モータに前記バッテリ電力を供給するようにさらに制御する、請求項4に記載の動力装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記第2モードにおいて、前記キャパシタの電圧値が最大値でない場合、前記回生電圧をキャパシタに供給し、
前記キャパシタの電圧値が最大値である場合、前記回生電圧を負荷器に供給するように制御する、請求項4に記載の動力装置。
【請求項7】
前記制御手段は、可動手段が非可動時であって、前記キャパシタに前記回生電力が蓄電されている場合、前記キャパシタから前記バッテリに前記回生電力を供給する、請求項4に記載の動力装置。
【請求項8】
前記身体部位の動作の加速度を計測する加速度センサをさらに有し、
前記制御手段は、前記計測した加速度が重力方向と反対方向の成分を含む場合に前記第1モードに切換え、前記計測した加速度が重力方向の成分を含む場合に前記第2モードに切換えて制御する、請求項4に記載の動力装置。
【請求項9】
前記身体部位の筋電位を測定する筋電計をさらに有し、
前記制御手段は、前記第2モードにおいて、前記測定した筋電位に応じて前記モータの回生負荷を制御する、請求項4に記載の動力装置。
【請求項10】
前記身体部位の筋電位を測定する筋電計をさらに有し、
前記制御手段は、前記測定した筋電位が前記第1動作方向への動作に応じた電位である場合に前記第1モードに切換え、前記測定した筋電位が前記第2動作方向への動作に応じた電位である場合に前記第2モードに切換えて制御する、請求項4に記載の動力装置。
【請求項11】
身体部位の動作方向に合わせて可動する第1可動手段、前記身体部位の動作時に前記第1可動手段の可動で生じる動力を回生するモータ、該動力の回生によって生じた回生電力を前記第1動力装置に送電する送電手段を有する第1動力装置と、
身体部位の動作方向に合わせて可動する第2可動手段、前記送電された回生電力を受電する受電手段、および前記身体部位の動作時に前記回生電力が供給され、前記可動手段に対して動力を出力するモータを有する第2動力装置と、を有し、
前記第1動力装置または前記第2動力装置は、前記回生電力を蓄電するキャパシタを含む動力システム。
【請求項12】
請求項1に記載の動力装置を制御する動力制御方法であって、
前記身体部位の第1動作方向への動作時に、前記モータが前記キャパシタから回生電力の供給を受けて前記可動手段に対して動力を出力することと、
前記身体部位の第2動作方向への動作時に、前記モータが前記可動手段の前記第2動作方向への可動で生じる動力を回生し、前記動力の回生によって生じた回生電力を前記キャパシタに蓄電することと、
を有する動力制御方法。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2011−120832(P2011−120832A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283043(P2009−283043)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【特許番号】特許第4589447号(P4589447)
【特許公報発行日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(509348786)エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー (117)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【特許番号】特許第4589447号(P4589447)
【特許公報発行日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(509348786)エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー (117)
【Fターム(参考)】
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