説明

動画コンテンツ編成装置

【課題】視聴者情報等を考慮して複数の動画コンテンツの編成を自動的に行う。
【解決手段】動画コンテンツの編成を行う動画コンテンツ編成装置において、動画コンテンツの属性情報と視聴者属性情報を保持し、配信対象となる視聴者に関する項目情報と、配信時期に関する項目情報と、各項目情報の優先度とを含むコンセプトシートをジャンル毎に保持し、動画コンテンツの属性情報及び視聴者属性情報に基づき、視聴者から受信したジャンル特定情報に対応するコンセプトシートの各項目情報の内容に適合する動画コンテンツを選択し、選択された各動画コンテンツに対して前記項目情報の優先度に基づき優先度を付け、動画コンテンツを配信する順番を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して広告動画等のコンテンツをクライアント端末に配信する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、インターネット等のネットワークに接続されたパソコンやテレビ等の端末を用いることにより、様々な動画を視聴することが可能である。このようなネットワークを介した動画配信サービスでは放送型サービスも提供されている。従来の放送型サービスにおいては一般に番組編成者が日単位にどのような動画を放送するかを決定している。
【0003】
しかし、動画コンテンツが多量に存在する場合、番組編成者が多量の動画コンテンツの中から放送すべき動画を選択し、日々の放送内容の編成を行うのは現実的ではない。
【0004】
また、従来の放送型サービスにおいて視聴者は製作者側によって作成された番組編成に従い一方的に視聴するだけであり、視聴者の趣味嗜好等が反映されず、視聴者は自分の興味のある番組を視聴できるとは限らないという問題があった。また、VODサービス等においては視聴者がいつでも見たい時に見たい番組を選択し視聴することが可能だが、動画コンテンツ数が膨大になった場合においては番組の選択に手間がかかるという問題がある。
【0005】
なお、広告コンテンツ配信に関連する従来技術として例えば特許文献1に開示されている技術がある。
【特許文献1】特開2003−284041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、多種、多量の動画コンテンツの中から視聴者情報等の要素を考慮して配信すべき複数の動画コンテンツを選択し、これら複数の動画コンテンツの編成を自動的に行うことを可能とした動画編成技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は、視聴者に配信する番組を構成する動画コンテンツの編成を行う動画コンテンツ編成装置であって、動画コンテンツ毎に動画コンテンツの属性情報を格納する動画コンテンツ属性情報格納手段と、視聴者毎に視聴者の属性情報を格納する視聴者属性情報格納手段と、特定のジャンルに対応する動画コンテンツを選択するためのキーワードと、当該ジャンルに対応する動画コンテンツを配信する対象となる視聴者に関する項目情報と、当該ジャンルに対応する動画コンテンツを配信する時期に関する項目情報と、各項目情報の優先度とを含むコンセプトシートをジャンル毎に格納するコンセプトシート格納手段と、視聴者の端末から視聴者IDと前記ジャンルを特定するジャンル特定情報とを受信する受信手段と、前記ジャンル特定情報に対応するコンセプトシートを前記コンセプトシート格納手段から取得するコンセプトシート取得手段と、前記コンセプトシート取得手段により取得されたコンセプトシートに記述されたキーワードに対応する動画コンテンツの属性情報を前記動画コンテンツ属性情報格納手段から取得し、前記視聴者IDに対応する視聴者属性情報を前記視聴者属性情報格納手段から取得する属性情報取得手段と、前記属性情報取得手段により取得された動画コンテンツの属性情報と視聴者属性情報とに基づき、前記コンセプトシートにおける各項目情報の内容に適合する動画コンテンツを選択するコンテンツ選択手段と、前記コンテンツ選択手段により選択された各動画コンテンツに対して前記項目情報の優先度に基づき優先度を付けることにより、選択された動画コンテンツを配信する順番を決定する番組編成手段とを備えることを特徴とする動画コンテンツ編成装置により解決される。
【0008】
前記番組編成手段は、選択された各動画コンテンツに対して、当該動画コンテンツと前記項目情報との適合度合いに応じて点数を付け、前記優先度に応じて当該点数に所定の値を乗算することにより得られた点数に基づき前記優先度を決定するよう構成できる。また、前記動画コンテンツ編成装置は商品毎に商品の属性情報を格納した商品属性情報格納手段を更に備え、前記コンセプトシートは動画コンテンツが扱う商品に関する項目情報を更に含むこととしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、予め作成したコンセプトシート、動画コンテンツの属性情報、視聴者属性情報等を使用することにより、コンテンツ提供者側は適切な視聴者に適切な動画を編成の手間を省いて配信することが可能となる。また、視聴者側はジャンル名等を入力するだけで知らず知らずのうちに自分にとって興味のある動画を視聴することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態における動画配信システムについて説明する。なお、本発明の技術はどのような動画コンテンツに対しても適用することができるが、本実施の形態では本発明を広告動画に適用した場合について説明する。
【0011】
(基本構成)
図1に本発明の実施の形態における動画配信システムの構成を示す。図1に示すように、本発明の実施の形態における動画配信システムは、番組編成を行う番組編成サーバ1、広告動画を配信する動画配信サーバ2、及び視聴者側のクライアント端末3を備えており、これらがインターネット4を介して接続されている。
【0012】
動画配信サーバ2は、番組編成サーバ1で編成された複数の広告動画コンテンツからなる番組を各クライアント端末に配信する機能を有している。クライアント端末3は例えばPC(パーソナルコンピュータ)であり、動画配信サーバ2から配信される番組をインターネットを介して受信し、出力する機能等を有している。なお、クライアント端末3、動画配信サーバ2は既存の技術を用いて実現できる。以下、番組編成サーバ1の構成について詳細に説明する。
【0013】
図1に示す通り、番組編成サーバ1は、コンセプトシート作成機能部11、キーワード受付機能部12、オープニングムービー選択機能部13、コンセプトシート検索機能部14、属性データ取得機能部15、コンテンツ選択機能部16、番組編成機能部17、外部通信機能部18、データベース格納部19を有している。
【0014】
コンセプトシート作成機能部11はコンセプトシート作成時におけるユーザ認証、コンセプトシート作成用GUIをクライアント端末に提供する機能、コンセプトシート入力受付、登録を行う機能を有している。このコンセプトシートのデータに基づき自動的に番組編成が行われるが、詳細については後述する。
【0015】
キーワード受付機能部12は視聴者によりクライアント端末3に入力されたキーワードをネットワークを介して受け付ける機能を有している。オープニングムービー選択機能部13は入力されたキーワードに対応したオープニングムービーの選択を行う機能を有している。コンセプトシート検索機能部14は入力されたキーワードに対応したコンセプトシートの検索を行う機能を有している。属性データ取得機能部15は各データベースに存在する属性データを取得する機能を有している。
【0016】
また、コンテンツ選択機能部16は取得した属性データとコンセプトシートのデータを元に番組の要素となる広告動画コンテンツを選択する機能を有している。番組編成機能部17は選択された複数の広告動画コンテンツに対して優先度を決定し、複数の広告動画コンテンツを配信する順番を決定する機能を有している。外部通信機能部18はインターネット等のネットワークを介して外部との通信を行うための機能を有している。
【0017】
また、データベース格納部19は広告動画データベース191、商品データベース192、及び視聴者データベース193を格納している。
【0018】
広告動画データベース191には広告動画コンテンツの実体とともに各広告動画コンテンツの属性(メタデータとも呼ぶ)を示す広告動画属性テーブルが格納されている。図2に広告動画属性テーブルの項目の一例を示す。主な項目について以下説明する。
【0019】
「広告動画ID」は広告動画もしくはコンセプトシートを一意に定義する識別子である。「ジャンル・カテゴリ」は当該広告動画コンテンツのジャンルであり、複数のジャンルを対応付けることが可能である。また、「キーワード」は検索時に検索対象となるキーワードであり、これも複数記述することが可能である。「商品ID」は広告動画内に表示される商品に関する識別子である。
【0020】
「映像詳細」は広告動画の映像の構成やトータルの雰囲気を示すものであり、この項目の値を参照することにより、番組編成時にコンセプトや構成の統一を図ることが可能となる。例えば「映像内容」は“ストーリ性あり”、“商品映像のみ”等であり、「映像内容」を考慮した広告動画選択時に使用される。
【0021】
「推奨ターゲット層」は当該広告動画を配信するターゲットとして推奨できる層を規定するものである。例えば「年齢層」は「〜○歳」「○歳台」「○歳〜」等として指定する。また、「居住地域」は都道府県のみではなく、各エリア(関東、関西)などによる指定も可能である。
【0022】
「放送推奨時間」は当該広告動画の放送に適した時間、日時を指定するものである。また、「推奨」ではなく、設定した値以外の時期については放送しないといった設定も可能である。「○月、○日」は「○月〜○月」「○月○日〜○月○日」等として指定する。また、「○時〜○時」は放送に適した時間帯を設定するものであり、具体的な時間指定以外に、AM、PM、深夜などといった指定も可能である。
【0023】
「映像再生ルール」は広告主との契約による放送回数等を設定するものである。例えば「契約形態」には○回/日放送必須等と指定する。「視聴状況」は、例えば日、週、月単位での視聴率(選択率)であり、随時更新される。話題の広告動画を優先的に放送する場合や、広告動画の放送状況を確認する場合に使用することができる。
【0024】
商品データベース192には商品の属性を示す商品属性テーブルが格納されている。図3に商品属性テーブルの項目の一例を示す。商品属性テーブルにおける「販売状況」の「購入層」には当該商品を購入したユーザの属性が履歴として記録される。
【0025】
また、視聴者データベース193には視聴者の属性を示す視聴者属性テーブルが格納されている。図4に視聴者属性テーブルの項目の一例を示す。視聴者属性テーブルの項目の主なものについて以下説明する。
【0026】
「視聴者ID」は視聴者を一意に識別する識別子である。「視聴者情報」は視聴者個人の情報を設定するものであり、各項目の内容は例えば視聴者が登録時に入力する。「購入履歴」は当該視聴者が購入した商品の情報であり、購入済み商品に関連する商品等を優先的に紹介する場合等に使用することが可能である。「視聴履歴」は当該視聴者が視聴した広告動画の履歴であり、随時更新される。このデータを用いることにより、一度見た広告を見せる、見せないの設定が可能となる。また「視聴状態」により、広告映像の視聴状況の統計を取ることが可能となる。「視聴状態」は広告動画を「最後まで視聴した」、「映像のスキップを行った」等を設定可能であり、この値により視聴者の趣味嗜好の把握を行える。また該当する広告動画の人気調査などへの利用が可能となる。「購入履歴」の「選択ジャンル」は当該視聴者が選択したジャンルの履歴であり、この値により事前に登録された興味のあるジャンルとは別に趣味嗜好の推測を行うことが可能となる。なお、視聴履歴はクライアント端末からの視聴に関する命令等を監視することにより取得可能であり、購入履歴は、例えば、商品購入サイトから取得可能である。
【0027】
図1の構成において、番組編成サーバ1で編成された番組が動画配信サーバ2に送られてクライアント端末3に配信される。なお、番組編成サーバ1と動画配信サーバ2とを一体として構成してもよい。また、番組編成サーバ1がコンテンツの実体を保持せず、動画配信サーバ2がコンテンツの実体を保持し、番組編成サーバ1が編成結果のみを動画配信サーバ2に送り、動画配信サーバ2が当該編成結果に基づきコンテンツの配信を行うこととしてもよい。
【0028】
番組編成サーバ1はCPUや記憶装置を有する一般的なコンピュータを用いて実現することが可能である。番組編成サーバ1における各機能部は番組編成サーバ1にインストールされるプログラムにより実現される。当該プログラムはメモリ等の記録媒体に格納して流通させることもできるし、サーバからネットワークを介してダウンロードする形態で流通させることも可能である。
(番組編成サーバ1の処理フロー)
次に、番組編成サーバ1による処理のフローについて説明する。番組編成サーバ1による処理では、まずコンセプトシート作成機能部11によりコンセプトシートが作成される(ステップ1)。そして、そのコンセプトシートを利用して番組の編成が行われる(ステップ2)。以下、上記の各ステップの処理をより詳細に説明する。
【0029】
[コンセプトシートの作成について]
コンセプトシートはジャンル毎に作成される。コンセプトシートが作成されるジャンルは例えば図5に示すように階層的な構成とすることができる。図5に示すジャンル毎にコンセプトシートが作成される。
【0030】
コンセプトシートに記述された内容と、広告動画属性データ、商品属性データ、及び視聴者属性データとに基づき広告動画の選択が行われる。なお、コンセプトシートについても番組の1要素となることがあり得るためコンセプトシート自身にも広告動画と同様の属性データを付与する。また、作成されたコンセプトシートのデータは広告動画データベース191に格納されるが、広告動画DB191以外の格納手段に格納することとしてもよい。コンセプトシートの作成のフローを図6に示す。
【0031】
コンセプトシートを作成するユーザの端末が番組編成サーバ1にアクセスすると、番組編成サーバ1はユーザ認証を行う(ステップ101)。ここでは、番組編成サーバ1はコンセプトシートを作成する権限のあるユーザを予め登録しておき、アクセスしたユーザが登録したユーザに含まれるかどうかをチェックする。続いて、番組編成サーバ1はコンセプトシート作成GUIをユーザの端末に表示し(ステップ102)、ユーザにより入力されてたコンセプトシート内の各項目の入力を受け付ける(ステップ103)。そして、入力されたデータをコンセプトシートとして広告動画データベース191に格納する(ステップ104)。図7にコンセプトシートのデータの一例を示す。コンセプトシート作成のためのGUIについては後に説明する。
【0032】
[番組編成処理の流れ]
図8に番組編成のための処理フローを示す。まず、キーワード受付機能部12がクライアント端末から視聴者IDと、キーワードとしてのジャンル名を受け付ける(ステップ201)。続いて、オープニングムービー選択機能部13が、入力されたジャンルに適合するジャンル・カテゴリの広告動画をオープニングムービーとして広告動画データベース191から選択し(ステップ202)、オープニングムービーの配信を動画配信サーバ2を介して当該クライアント端末に対して行う(ステップ203)。
【0033】
オープニングムービーを配信することにより、編成時に多少の待ち時間があったとしても、視聴者はストレスを感じることがなくなる。なお、視聴者が入力したジャンルに該当する広告動画の他、サービス運営者側で実施中のキャンペーンの情報の広告動画、視聴者の居住地域、年齢等に適合した広告動画を配信することとしてもよい。
【0034】
そして、コンセプトシート検索機能部14が入力されたジャンルに適合するコンセプトシートを取得する(ステップ204)。
【0035】
この後、属性データ取得機能部15とコンテンツ選択機能部16によりコンセプトシートに基づく広告動画コンテンツの選択、絞込みが行われ、選択された広告動画コンテンツに基づき番組編成機能部17が番組の編成を行う。これらの処理を図9〜図13を参照して詳細に説明する。
【0036】
まず、図9のステップ205において、属性データ取得機能部15が広告動画属性テーブルから、コンセプトシートの「検索キーワード」に指定されているキーワードを持つ広告動画のIDを取得する。図9の右欄に示すように、例えばコンセプトシートの「検索キーワード」に指定されているキーワードが「車」と「自動車」であれば、「車」もしくは「自動車」のキーワードを持つ広告動画のIDを取得する。
【0037】
続いて、属性データ取得機能部15は視聴者データベース193から、アクセスしている視聴者の視聴者IDに対応する視聴者属性データを取得する(ステップ206)。右欄に示すように例えば視聴者属性として「20歳」、「男性」を含むデータが取得される。そして、コンテンツ選択機能部16が視聴者属性データに含まれる「視聴者情報」と各広告動画の属性データの「推奨ターゲット層」の各項目とに基づき、コンセプトシートの「対象視聴者」で指定されている内容に従い、対象外となる広告動画を除外する(ステップ207)。右欄に示すように、コンセプトシートの「対象視聴者」において対象年齢に合わないコンテンツを除外する旨が指定されていた場合、「推奨ターゲット層」における対象年齢層が30代以上のコンテンツ等は除外される。
【0038】
次に、図10のステップにおいて、コンテンツ選択機能部16は、現在月日時刻と広告動画属性データの「放送推奨時間」の各項目とを比較し、コンセプトシートの「対象視聴時期」で指定されている内容に従い、対象外となる広告動画を除外する。例えば、コンセプトシートの「対象視聴時期」に対象時間に合わないコンテンツを除外する旨の指定がなされていた場合、現在日時に適合しない広告動画を除外する。
【0039】
続いて、コンテンツ選択機能部16は広告動画属性データの「映像詳細」とコンセプトシートの「映像詳細」で指定されている内容とを比較し、対象外となる広告動画を除外する(ステップ209)。右欄に示されているように、例えば、コンセプトシートに「実写」以外は選択しない旨の指定がなされている場合、「映像タイプ」がアニメーションの広告動画等は除外される。
【0040】
その後、図11のステップ210において、属性データ取得機能部15は商品データベース192から、各広告動画の「商品ID」に対応する商品属性データを取得する。そして、コンテンツ選択機能部16は商品属性データの「データ詳細」「販売状況」とコンセプトシートの「商品情報」で指定されている内容を比較し、対象外となる商品属性データに対応する広告動画を除外する(ステップ211)。例えばコンセプトシートに発売日から1年以上経過した商品を扱う広告動画を除外する旨の指定がなされている場合、そのような広告動画は除外される。
【0041】
次に、図12のステップ212において、コンテンツ選択機能部16は視聴者属性データの「視聴履歴」と広告動画属性データの「広告動画ID」を比較し、コンセプトシートの「視聴者情報」で指定されている内容に従い、対象外となる広告動画を除外する。右欄に示すように、例えばコンセプトシートに、最後まで視聴済みの広告動画を除外する旨の指定がなされていた場合、「視聴履歴」に基づきそのような広告動画を除外する。
【0042】
そして、コンテンツ選択機能部16は広告動画属性データの「視聴状況」とコンセプトシートの「視聴率情報」で指定されている内容を比較し、対象外となる広告動画を除外する(ステップ213)。更に、広告動画属性データの「映像再生ルール」とコンセプトシートの「契約形態詳細」で指定されている内容を比較し、対象外となる広告動画を除外する(ステップ214)。右欄ではこれらはコンセプトシートで考慮しないものとされているので、本例ではここでの絞り込みは発生しない。
【0043】
続いて図13のステップ215において、番組編成機能部17がコンセプトシートで「考慮する」が設定されている各分類項目(対象視聴者、対象視聴時期等)について、広告動画に対する評価を実施する。例えば、コンセプトシート内の「対象視聴時期」が「考慮する」であり、広告属性の「放送推奨時間」が秋、11月である場合において、現在が11月であれば、当該分類項目に関する当該広告動画の評価値は高くなる。
【0044】
そして、番組編成機能部17がステップ215で得られた評価に対し、コンセプトシートで設定されている「分類項目の優先度」に従い重みを掛け合わせる(ステップ216)。例えば、コンセプトシートにおいて「対象視聴時期」の「分類項目の優先度」が「高」であればステップ215で付けられた当該分類項目の評価の値に予め定めた値が掛けられる。
【0045】
続いて番組編成機能部17は広告動画毎に各分類項目での評価を合算し、評価の点数が上位の広告動画から放送優先度を決定する(ステップ217)。つまり、点数が大きいほど優先度が高くなる。優先度が高いほど先に配信される。
【0046】
なお、コンセプトシートの「最大映像数」「最大映像時間」を超える場合は以降の広告動画は放送しないこととしている(ステップ218)。このようにして当該視聴者に対して放送される広告動画とそれらを放送する順番が決定され、その順番に従って広告動画が配信される。
【0047】
(コンセプトシート作成GUIについて)
コンセプトシート作成GUIの一例を図14〜図20に示す。図14〜図20は、コンセントシートを作成するユーザの端末に表示される画面例を表し、図14〜図20が順次表示されるものとする。これらの画面からデータが入力されることにより例えば図7に示したデータが作成される。主な項目は図中に説明を記載したが、編成に関する重要な点を以下に説明する。
【0048】
図15において、例えば「対象視聴者」の「性別」の項目では「対象を優先」が選択されている。これにより、広告動画属性の「推奨ターゲット層」の「性別」で指定されている性別が、視聴者の性別と一致している広告動画は、優先度に従って加点される。また、視聴者の性別と一致していない広告動画は加点されない(ただし選択対象としては残される)。例えば、優先度:「高」が設定された場合に、視聴者の性別が男性で、「推奨ターゲット層」の「性別」に「男性」が指定されている広告動画では、1×3=3点が加点される。また、視聴者の性別が女性で、「推奨ターゲット層」の「性別」に「男性」が指定されている広告動画には加点はされないが選択対象としては残る。また、「対象外は選択しない」が選択された場合、一致しなければ選択されない。一致すれば優先度に基づく加点が行われる。
【0049】
図20の画面で入力されたデータにより最終的な編成のための評価が行われる。つまり、まず、選択された各広告動画について、分類項目内「考慮する」が選択された各項目(例えば図15の「対象視聴者」内の「性別」、「年齢層」、「居住地域」)について加点が行われる。各項目が適合した場合のポイントを1ポイントとし、優先度「高」の項目は1P × 3 = 3Pとなり、優先度「中」の項目は1P × 2 = 2Pとなり、優先度「低」の項目は1P×1 = 1Pとなる。
【0050】
そして、それぞれの分類項目内で合計点を算出し、分類項目優先度を参照し、分類項目優先度「高」の項目は例えば分類項目内の各項目の合計×5とし、分類項目優先度「中」の項目は分類項目内の各項目の合計×3とし、分類項目優先度「低」の項目は分類項目内の各項目の合計×1とする。最終的に全てのポイントを合計し、ポイントの高いものから放送の優先度を高くすることとなる。
【0051】
なお、本実施の形態ではコンセプトシートをユーザからのデータ入力に基づき作成する例を示したが、視聴者から入力されたキーワード、視聴者ID等に基づき自動的にコンセプトシートを作成することも可能である。この場合、視聴者の属性情報、購入履歴、視聴履歴等から考慮すべき分類項目とその内容を決定する。例えば、視聴者が男性であって、男性を対象とする動画コンテンツが多く視聴されていた場合には、「対象視聴者」の「性別」を「考慮する」とし、優先度を「高」とする。
【0052】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態における動画配信システムの構成図である。
【図2】広告動画属性テーブルの項目例を示す図である。
【図3】商品属性テーブルの項目例を示す図である。
【図4】視聴者属性テーブルの項目例を示す図である。
【図5】ジャンルの構成例を示す図である。
【図6】コンセプトシートの作成のフローチャートである。
【図7】コンセプトシートのデータ例を示す図である。
【図8】番組編成のための処理フローチャート(ステップ201〜204)である。
【図9】番組編成のための処理フローチャート(ステップ205〜207)である。
【図10】番組編成のための処理フローチャート(ステップ208〜209)である。
【図11】番組編成のための処理フローチャート(ステップ210〜211)である。
【図12】番組編成のための処理フローチャート(ステップ212〜214)である。
【図13】番組編成のための処理フローチャート(ステップ215〜218)である。
【図14】コンセプトシート作成GUI画面例(その1)である。
【図15】コンセプトシート作成GUI画面例(その2)である。
【図16】コンセプトシート作成GUI画面例(その3)である。
【図17】コンセプトシート作成GUI画面例(その4)である。
【図18】コンセプトシート作成GUI画面例(その5)である。
【図19】コンセプトシート作成GUI画面例(その6)である。
【図20】コンセプトシート作成GUI画面例(その7)である。
【符号の説明】
【0054】
1 番組編成サーバ
2 動画配信サーバ
3 クライアント端末
4 インターネット
11 コンセプトシート作成機能部
12 キーワード受付機能部
13 オープニングムービー選択機能部
14 コンセプトシート検索機能部
15 属性データ取得機能部
16 コンテンツ選択機能部
17 番組編成機能部
18 外部通信機能部
19 データベース格納部
191 広告動画データベース
192 商品データベース
193 視聴者データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視聴者に配信する番組を構成する動画コンテンツの編成を行う動画コンテンツ編成装置であって、
動画コンテンツ毎に動画コンテンツの属性情報を格納する動画コンテンツ属性情報格納手段と、
視聴者毎に視聴者の属性情報を格納する視聴者属性情報格納手段と、
特定のジャンルに対応する動画コンテンツを選択するためのキーワードと、当該ジャンルに対応する動画コンテンツを配信する対象となる視聴者に関する項目情報と、当該ジャンルに対応する動画コンテンツを配信する時期に関する項目情報と、各項目情報の優先度とを含むコンセプトシートをジャンル毎に格納するコンセプトシート格納手段と、
視聴者の端末から視聴者IDと前記ジャンルを特定するジャンル特定情報とを受信する受信手段と、
前記ジャンル特定情報に対応するコンセプトシートを前記コンセプトシート格納手段から取得するコンセプトシート取得手段と、
前記コンセプトシート取得手段により取得されたコンセプトシートに記述されたキーワードに対応する動画コンテンツの属性情報を前記動画コンテンツ属性情報格納手段から取得し、前記視聴者IDに対応する視聴者属性情報を前記視聴者属性情報格納手段から取得する属性情報取得手段と、
前記属性情報取得手段により取得された動画コンテンツの属性情報と視聴者属性情報とに基づき、前記コンセプトシートにおける各項目情報の内容に適合する動画コンテンツを選択するコンテンツ選択手段と、
前記コンテンツ選択手段により選択された各動画コンテンツに対して前記項目情報の優先度を用いて優先度を付けることにより、選択された動画コンテンツを配信する順番を決定する番組編成手段と
を備えることを特徴とする動画コンテンツ編成装置。
【請求項2】
前記番組編成手段は、選択された各動画コンテンツに対して、当該動画コンテンツと前記項目情報との適合度合いに応じて点数を付け、前記優先度に応じて当該点数に所定の値を乗算することにより得られた点数に基づき前記優先度を決定することを特徴とする請求項1に記載の動画コンテンツ編成装置。
【請求項3】
前記動画コンテンツ編成装置は商品毎に商品の属性情報を格納した商品属性情報格納手段を更に備え、前記コンセプトシートは動画コンテンツが扱う商品に関する項目情報を更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の動画コンテンツ編成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−201741(P2007−201741A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−16990(P2006−16990)
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【出願人】(000102717)エヌ・ティ・ティ・ソフトウェア株式会社 (43)
【出願人】(500040964)エヌ・ティ・ティ番号情報株式会社 (4)
【Fターム(参考)】