説明

包装不良検査方法及び装置

【課題】包装体の欠陥を確実に検出しつつ、良品としてもよい包装体を不良品とする誤検出を低減させること。
【解決手段】製品を包装材で包装した包装体1に対して包装体1を中心とする全方向の全仰角から照明する照明部31と、包装体1を上方から撮像する撮像部32と、撮像部32で撮像されたデータを平滑化処理し、平滑化されたデータを2値化処理し、2値化されたデータにおいて欠陥候補となる影が存在する場合、少なくとも前記影の長さを計測し、計測された長さを用いて前記影が欠陥であるか否かを判定するコンピュータ33と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品を包装材で包装した包装体の包装不良を検査する包装不良検査方法及び装置に関し、特に、誤検出を抑制できる包装不良検査方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製品を包装材(例えば、紙、フィルム、アルミ箔、複合材)で包装(例えば、キャラメル包み、合わせ包み等)した包装体は、大量生産される現場においては、包装機によって包装されている。包装機によって包装すると、包装体の外観において、包装の折込が不適切であったり、包装表面の汚れの付着などの欠陥がまれに発生する。このような欠陥の検査は、作業員の目視で検査されているケースが多いが、近年においては、検査装置を用いて行われるようになってきている。
【0003】
例えば、特許文献1では、包装体に包装された印画紙ロールの側面をリング状ランプで均一に照明してCCDカメラで撮像し、撮像されたデータを、コンピュータで2値化し、包装体の各折り目を座標情報を持ったベクトルデータに変換し、変換されたベクトルデータから各折り目の角度を計測し、予め設定したしきい値と比較することで包装不良の有無を判定する包装不良検出装置が開示されている。また、特許文献2では、方形状物品を包んだ包装紙端部を折り込み接着した状態で、折り込み部分に光を照射し、光を照射した部位をカメラで撮像し、得られた画像から折り目部分での暗い部分と明るい部分の輝度差により折り目線を演算し、予め設定した折り目の基準線とのズレが許容範囲内かどうかを判断する包装紙の折り込み良否判定装置が開示されている。これらの装置は、折り目不良を検出するのには適しているが、汚れ等の欠陥を検出するのには適していない。
【0004】
汚れ等の欠陥を検出する技術として、特許文献3では、粘着層と、該粘着層を被覆し且つ背切りが形成されたセパレータとを備えてなる貼付材に光を照射した状態で該貼付材の画像を撮影する撮像工程と、撮影された画像から欠陥を抽出して良否判定を行う画像処理工程とを備えてなり、前記画像処理工程において、前記背切りの形成された領域および印刷が施された領域を抽出してマスクする欠陥検査方法が開示されている。これにより、背切り及び印刷を欠陥として誤検出しないようにして、汚れ等の欠陥を正確に検出できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−287713号公報
【特許文献2】特開2004−10130号公報
【特許文献3】特開2005−351763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、発明者の知見によれば、固形製品2を包装材3で包装(例えば、キャラメル包み、合わせ包み等)したときに、包装材3の折合せ面において、折り重なった下層側包装材3cの折り目(例えば、b−f間の線分の折り目)の近傍の領域に窪み4(クレータ)が発生したり(図15参照)、折り重なった上層側包装材3bにおいて折り目(例えば、d−f間の線分の折目)の近傍の領域に浮きが発生する(図16参照)、といった傾向がある。このような窪みや浮きは包装過程でごく自然に形成されてしまうものであるから、このような窪みや浮きを有する包装体は良品として取り扱っても差し支えない。
【0007】
ところが、このような窪みや浮きを有する包装体に光を照射した状態で該包装体の画像を撮影し、撮影された画像の画像処理を行っても、窪みや浮きによる影が残ってしまい、当該影が汚れ等の欠陥として誤検出され、不良品と判定されてしまい、歩留まりが低下するといった問題がある。つまり、このような窪みや浮きは折り目の近傍に発生するため、単なる窪みや浮きとは異なり、折り重なった上層側の包装材が下層側の包装材に対して折り目の近傍で影をつくってしまい、当該影が欠陥として誤検出されてしまう。
【0008】
また、折り目付近をマスクしてこのような窪みや浮きによる影を汚れ等の欠陥として誤検出しないようにすることが考えられるが、このような窪みや浮きは常に発生するわけではなく、窪みや浮きが発生したとしても決まった位置に発生するわけではなく、窪みや浮きが生ずる領域の面積も一定ではないので、マスクの位置及び大きさを規定することが困難である。また、折り目付近をマスクすると折り目付近に本物の汚れを見落としてしまう可能性があるので、折り目付近をマスクする手段を適用することは困難である。
【0009】
本発明の主な課題は、包装体の欠陥を確実に検出しつつ、良品としてもよい包装体を不良品とする誤検出を低減させることができる包装不良検査方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の視点においては、製品を包装材で包装した包装体の包装不良を検査する包装不良検査方法であって、前記包装体に対して前記包装体を中心とする全方向の全仰角から照明しながら前記包装体を上方から撮像する第1の工程と、前記第1の工程で撮像されたデータを平滑化処理する第2の工程と、前記第2の工程で平滑化されたデータを2値化処理する第3の工程と、前記第3の工程で2値化されたデータにおいて欠陥候補となる影が存在する場合、少なくとも前記影の長さを計測し、計測された長さを用いて前記影が欠陥であるか否かを判定する第4の工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の前記包装不良検査方法において、前記第4の工程では、前記影の面積を計測し、前記影の所定方向の長さを計測し、前記計測された面積を所定値に補正し、前記計測された長さを、前記所定値を前記補正前の面積で割った値をかけて補正し、前記所定値を前記補正後の長さで割った値を演算し、前記演算された値と閾値とを比較し、前記演算された値が前記閾値以上であれば前記影を欠陥と判定し、前記演算された値が前記閾値未満であれば前記影を欠陥でないと判定することができる。
【0012】
本発明の前記包装不良検査方法において、前記第4の工程では、前記影について、最も長くなる長手方向の長さを計測し、前記長手方向に対して直角方向に最も長くなる箇所の長さを計測し、前記計測された前記長手方向の長さを、前記計測された前記直角方向の長さで割ったアスペクト比を演算し、前記演算されたアスペクト比と閾値とを比較し、前記演算されたアスペクト比が前記閾値以上であれば前記影を欠陥でないと判定し、前記演算されたアスペクト比が前記閾値未満であれば前記影を欠陥と判定することができる。
【0013】
本発明の前記包装不良検査方法において、他の包装体に対して前記他の包装体の側面を外周から照明しながら前記他の包装体を上方から撮像する第5の工程と、前記第5の工程で撮像されたデータを2値化処理する第6の工程と、前記第6の工程で2値化されたデータに基づいて前記他の包装体の各折り目となる各エッジに係る座標データを検出する第7の工程と、前記第7の工程で検出された前記各エッジに係る座標データを用いて前記他の包装体に折込不良があるか否かを判定する第8の工程と、を含み、前記第5乃至第8の工程は、前記第1乃至第4の工程と並行して行われることが好ましい。
【0014】
本発明の前記包装不良検査方法において、前記第8の工程では、前記第7の工程で検出された前記各エッジに係る座標データを用いて、少なくとも前記各エッジの線分位置、交点位置、及び角度が所定の範囲にあるか否かを判定することにより、前記他の包装体に折込不良があるか否かを判定することが好ましい。
【0015】
本発明の第2の視点においては、製品を包装材で包装した包装体の包装不良を検査する包装不良検査装置であって、前記包装体に対して前記包装体を中心とする全方向の全仰角から照明する照明部と、前記包装体を上方から撮像する撮像部と、前記撮像部で撮像されたデータを平滑化処理し、平滑化されたデータを2値化処理し、2値化されたデータにおいて欠陥候補となる影が存在する場合、少なくとも前記影の長さを計測し、計測された長さを用いて前記影が欠陥であるか否かを判定するコンピュータと、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の前記包装不良検査装置において、前記コンピュータは、前記影の面積を計測し、前記影の所定方向の長さを計測し、前記計測された面積を所定値に補正し、前記計測された長さを、前記所定値を前記補正前の面積で割った値をかけて補正し、前記所定値を前記補正後の長さで割った値を演算し、前記演算された値と閾値とを比較し、前記演算された値が前記閾値以上であれば前記影を欠陥と判定し、前記演算された値が前記閾値未満であれば前記影を欠陥でないと判定することができる。
【0017】
本発明の前記包装不良検査装置において、前記コンピュータは、前記影について、最も長くなる長手方向の長さを計測し、前記長手方向に対して直角方向に最も長くなる箇所の長さを計測し、前記計測された前記長手方向の長さを、前記計測された前記直角方向の長さで割ったアスペクト比を演算し、前記演算されたアスペクト比と閾値とを比較し、前記演算されたアスペクト比が前記閾値以上であれば前記影を欠陥でないと判定し、前記演算されたアスペクト比が前記閾値未満であれば前記影を欠陥と判定することができる。
【0018】
本発明の前記包装不良検査装置において、他の包装体に対して前記他の包装体の側面を外周から照明する他の照明部と、前記他の包装体を上方から撮像する他の撮像部と、前記他の撮像部で撮像されたデータを2値化処理し、2値化されたデータに基づいて前記他の包装体の各折り目となる各エッジに係る座標データを検出し、検出された前記各エッジに係る座標データを用いて前記他の包装体に折込不良があるか否かを判定する他のコンピュータと、を備え、前記他のコンピュータによる折込不良の判定動作は、前記コンピュータによる欠陥の判定動作と並行して行われることが好ましい。
【0019】
本発明の前記包装不良検査装置において、前記他のコンピュータは、検出された前記各エッジに係る座標データを用いて、少なくとも前記各エッジの線分位置、交点位置、及び角度が所定の範囲にあるか否かを判定することにより、前記他の包装体に折込不良があるか否かを判定することが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、包装体を全方向の全仰角から照明しながら当該包装体を上方から撮像し、平滑化処理、2値化処理により欠陥を判定することで、図15、図16のような良品としてもよい包装体1(窪み4や浮き5を有するもの)を不良品としてしまう誤検知を低減させることができ、製品の歩留まりを飛躍的に向上させることができる。コンソメキューブ、カレーのルー、羊羹などの食品のような比較的不定形な、形が微妙に変わるものに対して、目視によらず本発明の画像処理で検査することを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例1に係る包装不良検査装置を含む生産ラインの構成を示した模式図である。
【図2】本発明の実施例1に係る包装不良検査装置の構成を示した模式図である。
【図3】本発明の実施例1に係る包装不良検査装置におけるエッジ検査部での検査対象となる包装体の包装不良(折込不良)の例を示した図である。
【図4】本発明の実施例1に係る包装不良検査装置における欠陥検査部での検査対象となる包装体の包装不良(欠陥不良)の例を示した図である。
【図5】本発明の実施例1に係る包装不良検査装置におけるエッジ検査部の回路構成を模式的に示したブロック図である。
【図6】本発明の実施例1に係る包装不良検査装置におけるエッジ検査部で撮像した時の画像である。
【図7】本発明の実施例1に係る包装不良検査装置におけるエッジ検査部における検査項目を説明するための模式図であり、(A)エッジ位置の検査に係る模式図、(B)エッジ長、交点、角度、及び中心線からの距離の検査に係る模式図である。
【図8】本発明の実施例1に係る包装不良検査装置における欠陥検査部の回路構成を模式的に示したブロック図である。
【図9】本発明の実施例1に係る包装不良検査装置における欠陥検査部で撮像した時の画像であり、(A)汚れが付着した不良品の画像、(B)折り目付近に窪みが発生した良品の画像である。
【図10】本発明の実施例1に係る包装不良検査装置における欠陥検査部の形状判定処理を説明するための図である。
【図11】本発明の実施例1に係る包装不良検査装置における搬送ライン部の回路構成を模式的に示したブロック図である。
【図12】本発明の実施例1に係る包装不良検査装置におけるエッジ検査部の動作を模式的に示したフローチャート図である。
【図13】本発明の実施例1に係る包装不良検査装置における欠陥検査部の動作を模式的に示したフローチャート図である。
【図14】本発明の実施例1に係る包装不良検査装置における搬送ライン部の動作を模式的に示したフローチャート図である。
【図15】良品としてもよい包装体において発生する窪みを説明するための図であり、(A)折合せ面の平面図、(B)X−X´間の断面図である。
【図16】良品としてもよい包装体において発生する浮きを説明するための図であり、(A)折合せ面の平面図、(B)Y−Y´間の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態1に係る包装不良検査方法では、製品を包装材で包装した包装体に対して前記包装体を中心とする全方向の全仰角から照明しながら前記包装体を上方から撮像する第1の工程(図13のステップB2)と、前記第1の工程で撮像されたデータを平滑化処理する第2の工程(図13のステップB3)と、前記第2の工程で平滑化されたデータを2値化処理する第3の工程(図13のステップB4)と、前記第3の工程で2値化されたデータにおいて欠陥候補となる影が存在する場合(図13のステップB5のYES)、少なくとも前記影の長さを計測し、計測された長さを用いて前記影が欠陥であるか否かを判定する第4の工程(図13のステップB6)と、を含む。
【0023】
本発明の実施形態2に係る包装不良検査装置では、製品を包装材で包装した包装体(図2の1)に対して前記包装体を中心とする全方向の全仰角から照明する照明部(図2の31)と、前記包装体を上方から撮像する撮像部(図2の32)と、前記撮像部で撮像されたデータを平滑化処理し、平滑化されたデータを2値化処理し、2値化されたデータにおいて欠陥候補となる影が存在する場合、少なくとも前記影の長さを計測し、計測された長さを用いて前記影が欠陥であるか否かを判定するコンピュータ(図2の33)と、を備える。
【実施例1】
【0024】
本発明の実施例1に係る包装不良検査装置について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1に係る包装不良検査装置を含む生産ラインの構成を示した模式図である。図2は、本発明の実施例1に係る包装不良検査装置の構成を示した模式図である。図3は、本発明の実施例1に係る包装不良検査装置におけるエッジ検査部での検査対象となる包装体の包装不良(折込不良)の例を示した図である。図4は、本発明の実施例1に係る包装不良検査装置における欠陥検査部での検査対象となる包装体の包装不良(欠陥不良)の例を示した図である。図5は、本発明の実施例1に係る包装不良検査装置におけるエッジ検査部の回路構成を模式的に示したブロック図である。図6は、本発明の実施例1に係る包装不良検査装置におけるエッジ検査部で撮像した時の画像である。図7は、本発明の実施例1に係る包装不良検査装置におけるエッジ検査部における検査項目を説明するための模式図であり、(A)辺位置の検査に係る模式図、(B)辺長、交点、角度、及び中心線からの距離の検査に係る模式図である。図8は、本発明の実施例1に係る包装不良検査装置における欠陥検査部の回路構成を模式的に示したブロック図である。図9は、本発明の実施例1に係る包装不良検査装置における欠陥検査部で撮像した時の画像であり、(A)汚れが付着した不良品の画像、(B)折り目付近に窪みが発生した良品の画像である。図10は、本発明の実施例1に係る包装不良検査装置における欠陥検査部の形状判定処理を説明するための図である。図11は、本発明の実施例1に係る包装不良検査装置における搬送ライン部の回路構成を模式的に示したブロック図である。
【0025】
図1を参照すると、生産ラインでは、所定形状(例えば、方形状)に形成された固形製品(例えば、コンソメ)が複数の搬送ライン(例えば、包装機10A及び包装不良検査装置12Aよりなる第1搬送ライン、包装機10B及び包装不良検査装置12Bよりなる第2搬送ライン)に供給される。各搬送ラインに供給された固形製品は、包装機10A、10Bに搬送され、包装機10A、10Bにおいて包装材に包装(例えば、キャラメル包み、合わせ包み等)される。包装機10A、10Bにおいて固形製品を包装材で包装した包装体は、包装不良検査装置12A、12Bに向かう各搬送ラインに等間隔に供給され、包装不良検査装置12A、12Bに搬送され、包装不良検査装置12A、12Bにおいて包装体の折込検査及び欠陥検査が行われる。折込検査及び欠陥検査について、第1包装体に対して欠陥検査を行っているときに、並行して当該第1包装体の1つ後の第2包装体に対して折込検査を行う。包装不良検査装置12A、12Bにおける各検査の結果、包装体は、折込不良又は欠陥不良があると判断された場合には不良品として搬送ラインから排出され、折込不良及び欠陥不良がないと判断された場合には良品として合流装置14に向けて搬送される。不良品をラインから排出する場合、不良品の排出は、折込検査及び欠陥検査と並行して行われる。包装不良検査装置12A、12Bから良品として搬送された各包装体は、合流装置14によって1つの搬送ラインに合流され、外箱包装機16に向けて搬送される。外箱包装機16では、複数の包装体が外箱に箱詰めされ、箱詰めされた外箱を包装することになる。包装不良検査装置12A、12Bの構成の詳細は、以下のとおりである。
【0026】
図2を参照すると、包装不良検査装置12(図1の12A、12Bに相当)は、包装体1の包装不良(折込不良及び欠陥不良)の有無を検査する装置である。包装不良検査装置12は、主な構成部として、エッジ検査部20と、欠陥検査部30と、搬送ライン部40と、を有する。
【0027】
ここで、包装不良には、大きく分けて、折込不良及び欠陥不良がある。
【0028】
折込不良は、エッジ検査部20で検査される。折込不良には、例えば、図3の折込不良1〜6のようなものがある。折込不良1は、折合せ面の包装材の一部が皺々になって折り込まれた部分(図の丸で囲んだ部分)を有する不良品である。折込不良2は、側面(折合せ面を上面としたときの側面)の包装材の一部が皺々になって折り込まれた部分(図の丸で囲んだ部分)を有する不良品である。折込不良3は、折合せ面の斜め方向の折り目が非対称で包装材に襞状部分(図の丸で囲んだ部分)を有する不良品である。折込不良4は、山折りされた部分の折り目の一部が凹んだ部分(図の丸で囲んだ部分)を有する不良品である。折込不良5は、包装体の中身の固形製品に潰れ又は欠け部分があり、規定どおりの大きさに折り込めなかった部分(図の点線部分)を有する不良品である。折込不良6は、折り込む前の包装材に対する固形製品の位置がずれる等により包装体の折合せ面の折りが浅くなった部分(図の点線部分)を有する不良品である。
【0029】
欠陥不良は、欠陥検査部30で検査される。欠陥不良には、例えば、図4の欠陥不良1〜7のようなものがある。欠陥不良1は、包装体の包装面に皺(図の丸で囲んだ部分)が発生した不良品である。欠陥不良2は、包装体において包装材の固形製品側に向くべき面が折り返されて外面に露出した部分(図の丸で囲んだ部分)を有する不良品である。欠陥不良3は、包装材に割れ目、破れ等が発生し、中身の固形製品の一部が露出した部分(図の丸で囲んだ部分)を有する不良品である。欠陥不良4は、包装材の一部が欠損する等、固形製品を包みきれず、中身の固形製品の一部が露出した部分(図の丸で囲んだ部分)を有する不良品である。欠陥不良5は、固形製品の欠片、屑等の汚れ(図の丸で囲んだ部分)が包装材の表面に付着した不良品である。欠陥不良6は、包装材の基となるロール材の端部(色(例えば、赤色)が付いた部分;本来使わない部分)を有する包装材で固形製品を包装した不良品である。欠陥不良7は、包装体の側面の角が潰れた部分(図の丸で囲んだ部分)を有する不良品である。
【0030】
図2及び図5を参照すると、エッジ検査部20は、包装体1の折込不良を検査する部分である。エッジ検査部20は、リング照明21と、カメラ22と、エッジ検査用コンピュータ23と、を有する。
【0031】
リング照明21は、少なくとも包装体1の側面を外周から均一に照明するリング状の照明器具である。リング照明21によって包装体1の側面を外周から均一に照明することによって、包装体1の折り目の方向性を問わず、折り目に相当するエッジの輝度を他の部分よりも高くすることができる。リング照明21は、検査位置にある包装体1に対面して配置される。リング照明21は、水平位置に関して、リング照明21の穴の中心を通る軸が包装体1の中心にくるように配置される。リング照明21は、上下位置に関して、包装体1の搬送を妨げないように、できる限り低い位置に配置される。リング照明21は、スタンド等によって支持される。リング照明21の照度は、包装体1の形態に応じて設定されるが、検出されるエッジの途切れがあまり多くならない程度にできる限り低くすることが望ましい。リング照明21には、例えば、リング状の支持体の内周面に複数のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を配設したものを用いることができる。リング照明21の光の色は、包装体1の表面の色に応じてエッジの輝度が他の部分よりも高くなるような色が選択され、例えば、包装体1の表面の色が銀色であれば、赤色(波長:約610〜750nm)とすることができる。リング照明21は、包装体1の表面の色に応じて光の色を切替可能な構成としてもよい。リング照明21は、エッジ検査用コンピュータ23によって制御される。
【0032】
カメラ22は、リング照明21の穴を通して包装体1の上面を撮像する撮像装置である。カメラ22には、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)カメラ(例えば、4倍速、30万画素)を用いることができる。カメラ22は、リング照明21の上方に配置され、スタンド等によって支持される。カメラ22で撮像された撮像データ(例えば、図6の画像を参照)は、エッジ検査用コンピュータ23に向けて出力される。カメラ22は、エッジ検査用コンピュータ23によって制御される。
【0033】
エッジ検査用コンピュータ23は、カメラ22で撮像した包装体1の撮像データに基づいて包装体1の折り目となるエッジを検査するコンピュータである。エッジ検査用コンピュータ23は、カメラ22で撮像した撮像データを画像処理することにより包装体1の折り目となるエッジを検出し、検出されたエッジに基づいて折込不良があるか否かを検査し、検査結果をライン制御用コンピュータ45に通知する。エッジ検査用コンピュータ23は、リング照明21及びカメラ22を制御する。エッジ検査用コンピュータ23は、画像処理用プログラムと、検査用プログラムと、制御用プログラムとに基づいて動作し、各プログラムを実行することで、エッジ検出部23aと、演算部23bと、制御部23cと、が実現される。エッジ検査用コンピュータ23は、画像処理用プログラム、検査用プログラム、及び制御用プログラムをそれぞれ別々の中央演算装置において実行させる構成であってもよく、そうすれば検査処理を高速化(1つの包装体あたり約0.06秒)させることができ、生産ラインを停止させずに設定条件を変更することができる。
【0034】
エッジ検出部23aは、画像処理用プログラムが実行されることで実現される機能部である。エッジ検出部23aは、ライン制御用コンピュータ45から制御部23cを通じて搬送完了通知を受けると、カメラ22で撮像した包装体1の撮像データを2値化し、2値化されたデータに基づいて包装体1の各折り目となる各エッジ(図7の実線に相当)に係る座標データを検出する。2値化では、撮像データの各画素部の輝度と基準輝度(閾値)とを比較し、基準輝度よりも輝度の高い部分を白色、基準輝度よりも低い部分を黒色とする。包装材1の折り目となるエッジは、リング照明21によって他の部分よりも輝度が高くなるように撮像されるため、白色として処理される。座標データの検出では、包装材1の各折り目となる各エッジの端点(図7のa〜hに相当)と、各エッジの線分(図7のa−b間の線分、a−c間の線分、a−e間の線分、b−d間の線分、b−f間の線分、c−d間の線分、c−g間の線分、d−h間の線分、g−h間の線分に相当)と、中心線(図7(B)のe、fを通る一点鎖線Lに相当)と、を検出する。エッジ検出部23aは、検出された座標データを演算部23bに向けて出力する。エッジ検出部23aは、制御部23cによって制御される。
【0035】
演算部23bは、エッジ検出部23aで検出された座標データに基づいて各エッジの線分位置、交点位置、角度、及び中心線からの距離が所定の範囲にあるか検査する。「線分位置の検査」では、座標データにおける線分が設定された複数の検出領域(図7(A)の点線で囲まれた領域;チェッカーともいう)内にあるか否かの検査を行い、全て検出領域内にあれば合格とし、1つでも検出領域内になければ不合格とする。線分位置の検査に係る検出領域は、図7(A)では、1つの線分につき2つ設定されている。「交点位置の検査」では、座標データにおける端点のうち交点(図7(B)のe、f)が設定された複数の検出領域内にあるか否かの検査を行い、全て検出領域内にあれば合格とし、1つでも検出領域内になければ不合格とする。交点位置の検査に係る検出領域は、交点ごとに設定され、図7(B)では2つ設定されている。「角度の検査」では、座標データにおける所定の2つの線分のなす角度(図7(B)では2つの角度)が設定された角度範囲内にあるか否かの検査を行い、全て角度範囲内にあれば合格とし、1つでも角度範囲内になければ不合格とする。図7(B)は、a−b間の線分とa−e間の線分とのなす角度、及び、a−b間の線分とb−f間の線分とのなす角度の2つの角度を検査する例を示している。「中心線からの距離の検査」では、座標データにおける中心線(図7(B)のe、fを通る一点鎖線Lに相当)と所定の線分(図7(B)のg−h間の線分)との距離(間隔)が設定された距離範囲内にあるか否かの検査を行い、距離範囲内にあれば合格とし、距離範囲内になければ不合格とする。演算部23bは、全ての検査で合格した場合には良品と判断し、1つ以上の検査項目で不合格がある場合には不良品と判断する。演算部23bは、良品/不良品の検査結果を制御部23cに向けて出力する。
【0036】
制御部23cは、制御用プログラムが実行されることで実現される機能部である。制御部23cは、リング照明21(光量等)及びカメラ22(焦点等)を制御する。制御部23cは、エッジ検出部23a及び演算部23bを制御する。制御部23cは、エッジ検出部23aにおける基準輝度、並びに、演算部23bにおける検出領域、角度範囲、及び距離範囲を管理する。制御部23cは、管理者によるエッジ検査用コンピュータ23の操作により、エッジ検出部23aにおける基準輝度、並びに、演算部23bにおける検出領域、角度範囲、及び距離範囲の設定を変更することが可能である。制御部23cは、ライン制御用コンピュータ45との情報のやり取りを行う。制御部23cは、演算部23bから良品/不良品の検査結果を受けると、当該検査結果をライン制御用コンピュータ45に送信する。
【0037】
図2及び図8を参照すると、欠陥検査部30は、包装体1の欠陥不良を検査する部分である。なお、欠陥検査部30は、図2では、搬送ライン上においてエッジ検査部20の下流側に配設されているが、エッジ検査部20の上流側に配設されていてもかまわない。欠陥検査部30は、ドーム照明31と、カメラ32と、欠陥検査用コンピュータ33と、を有する。
【0038】
ドーム照明31は、ドーム面(半球面)からその中心(球面の重心)に向けて均一に照明する照明器具である。ドーム照明31は、検査位置に相当するドーム面の中心に配置された包装体1に対して、包装体1を中心とする全方向の全仰角(水平面を基準とする上向きの全ての角度)から均一に照明する。ドーム照明31を用いることで、包装材の表面にエンボス(浮き模様)などの小さな凹凸があっても影の発生を抑えることができる。ドーム照明31は、スタンド等によって支持される。ドーム照明31は、例えば、真上に撮像用の穴を有するドーム状の支持体の内周面に複数のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を配設したもの(直接光型)や、反射面としてドーム面を有する部材のドーム面にLEDの光を反射させるようにしたもの(反射光型)を用いることができる。ドーム照明31の光の色は、汚れ等の欠陥が影となりやすくなるような色や、包装材に印刷された文字、模様等の色が影となりにくい色が選択され、例えば、包装体1内の固形製品がコンソメであれば、コンソメの茶色に対する反対色の青色(波長:約435〜480nm)とすることができる。ドーム照明31は、欠陥の色に応じて光の色を切替可能な構成としてもよい。ドーム照明31は、欠陥検査用コンピュータ33によって制御される。
【0039】
カメラ32は、ドーム照明31の穴を通して包装体1の上面を撮像する撮像装置である。カメラ32には、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)カメラ(例えば、4倍速、30万画素)を用いることができる。カメラ32は、ドーム照明31の穴の上方に配置され、スタンド等によって支持される。カメラ32で撮像された撮像データ(例えば、図9の画像を参照)は、欠陥検査用コンピュータ33に向けて出力される。カメラ32は、欠陥検査用コンピュータ33によって制御される。
【0040】
欠陥検査用コンピュータ33は、カメラ32で撮像した包装体1の撮像データに基づいて包装体1の欠陥を検査するコンピュータである。欠陥検査用コンピュータ33は、カメラ32で撮像した撮像データを画像処理することにより包装体1の欠陥候補となる影を検出し、形状判定処理により検出された影が欠陥であるか否かを検査し、検査結果をライン制御用コンピュータ45に通知する。欠陥検査用コンピュータ33は、ドーム照明31及びカメラ32を制御する。欠陥検査用コンピュータ33は、画像処理用プログラムと、検査用プログラムと、制御用プログラムとに基づいて動作し、各プログラムを実行することで、欠陥検出部33aと、演算部33bと、制御部33cと、が実現される。欠陥検査用コンピュータ33は、画像処理用プログラム、検査用プログラム、及び制御用プログラムをそれぞれ別々の中央演算装置において実行させる構成であってもよく、そうすれば検査処理を高速化(1つの包装体あたり約0.06秒)させることができ、生産ラインを停止させずに設定条件を変更することができる。
【0041】
欠陥検出部33aは、画像処理用プログラムが実行されることで実現される機能部である。欠陥検出部33aは、ライン制御用コンピュータ45から制御部33cを通じて搬送完了通知を受けると、カメラ32で撮像した包装体1の撮像データを平滑化し、平滑化されたデータを2値化し、2値化されたデータにおいて欠陥候補となる影が存在するか否かを判断する。平滑化では、撮像データの画素の輝度を、その周りにある画素の輝度と平均化して輝度の変化を滑らかにする。平滑化において、包装材1の欠陥候補となる影が図15及び図16のような良品の窪み4や浮き5による影の場合、影の領域のうち特に折り目に接していない境界部分で影が顕著に薄くなり、包装材1の欠陥候補となる影が不良品の欠陥の場合、影の領域がほとんど変化がない。2値化では、平滑化されたデータの各画素部の輝度と基準輝度(閾値)とを比較し、基準輝度よりも輝度の高い部分を白色、基準輝度よりも低い部分を黒色とする。2値化において、包装材1の欠陥候補となる影は、ドーム照明31によって他の部分よりも輝度が低くなるように撮像されるため、黒色として処理される。特に、2値化において、包装材1の欠陥候補となる影が図15及び図16のような良品の窪み4や浮き5による影の場合、影の領域のうち特に折り目に接していない境界部分の影が消えて細長い影となり、包装材1の欠陥候補となる影が不良品の欠陥の場合、影の領域が若干小さくなる程度でほとんど変化がない。欠陥検出部33aは、2値化したデータにおいて欠陥候補となる影が存在する場合、2値化したデータを演算部33bに向けて出力する。欠陥検出部33aは、制御部23cによって制御される。
【0042】
演算部33bは、検査用プログラムが実行されることで実現される機能部である。演算部33bは、欠陥検出部33aからの2値化したデータに基づいて、少なくとも欠陥候補となる影の長さ(例えば、最も長くなる方向の長さ)を計測し、計測された長さを用いて欠陥候補となる影が欠陥であるか否かを検査する(形状判定処理)。演算部33bは、欠陥候補となる影が欠陥である場合には不良品と判断し、欠陥候補となる影が欠陥でない場合には良品と判断する。演算部33bは、良品/不良品の検査結果を制御部33cに向けて出力する。形状判定処理では、基本的な考え方として、影の形状が細長い形状であるか否かを判定し、細長い形状であれば非欠陥(図15及び図16のような良品の窪み4や浮き5)とし、細長い形状でなければ欠陥(不良品の汚れ等の欠陥)とする。形状判定処理の例は、以下のとおりである。
【0043】
形状判定処理の第1の例として、図10を参照すると、影の面積(画素数に相当)を計測し、影の所定方向の長さを計測し、計測した面積を「100」に補正し、計測した長さを「100/補正前面積」をかけて補正し、補正後の面積(100)を補正後の長さで割った値を演算し、演算された値と閾値(例えば、15)とを比較し、演算された値が閾値以上であれば不良品の欠陥とし、演算された値が閾値未満であれば図15及び図16のような良品の窪み4や浮き5とする。図10の[不良品の欠陥]の例では補正後の面積が「100」であり、補正後の長さが「5」であるので、補正後の面積(100)を補正後の長さ(5)で割った値は「20」となり閾値(15)以上であるので、不良品の欠陥と判定される。また、図10の[良品の窪み]の例では補正後の面積が「100」であり、補正後の長さが「10」であるので、補正後の面積(100)を補正後の長さ(10)で割った値は「10」となり閾値(15)未満であるので、良品の窪みと判定される。
【0044】
形状判定処理の第2の例として、影について、最も長くなる方向(長手方向)の長さ(長手方向長)を計測し、長手方向に対して直角方向に最も長くなる箇所の長さ(短手方向長)を計測し、計測された長手方向長を短手方向長で割ったアスペクト比を演算し、演算されたアスペクト比と閾値とを比較し、アスペクト比が閾値以上であれば細長い形状なので図15及び図16のような良品の窪み4や浮き5とし、アスペクト比が閾値未満であれば細長い形状でないので不良品の欠陥とする。
【0045】
なお、包装材1の欠陥候補となる影について、ドーム照明31を用いると、小さな凹凸による影が発生しないようにすることができる。しかしながら、ドーム照明31を用いても、図15及び図16のような良品としてもよい折り目の近傍の窪み4や浮き5による影が発生しないようにするのに限界がある。そこで、発明者が研究を重ねたところ、図15及び図16のような窪み4や浮き5による影の大きさは撮像データを平滑化及び2値化することで影が小さくなり、かつ、汚れ等の欠陥による影の大きさは撮像データを平滑化及び2値化してもほとんど変わらないという性質があることを見出した。ところが、撮像データを平滑化及び2値化しても図15及び図16のような窪み4や浮き5による影が完全になくならない。そこで、発明者が研究を重ねたところ、図15及び図16のような窪み4や浮き5による影の形状は折り目に沿って細長い形状(アスペクト比が高い形状)になる傾向があり、かつ、汚れ等の欠陥による影の形状はアスペクト比が低い形状であることを見出した。
【0046】
制御部33cは、制御用プログラムが実行されることで実現される機能部である。制御部33cは、ドーム照明31(光量等)及びカメラ32(焦点等)を制御する。制御部33cは、欠陥検出部33a及び演算部33bを制御する。制御部33cは、欠陥検出部33aにおける基準輝度、並びに、演算部33bにおける判定要素(例えば、アスペクト比)を管理する。制御部33cは、管理者による欠陥検査用コンピュータ33の操作により、欠陥検出部33aにおける基準輝度、並びに、演算部33bにおける判定要素の設定を変更することが可能である。制御部33cは、ライン制御用コンピュータ45との情報のやり取りを行う。制御部33cは、演算部33bから良品/不良品の検査結果を受けると、当該検査結果をライン制御用コンピュータ45に通知する。
【0047】
図2及び図11を参照すると、搬送ライン部40は、包装体1を搬送する部分である。搬送ライン部40は、エッジ検査部20又は欠陥検査部30で包装体1が不良品と判断されたときに、不良品に係る包装体1を排出する機能を有する。搬送ライン部40は、コンベア41と、ガイド部42と、感知センサ43と、排出用エアノズル44と、ライン制御用コンピュータ45と、を有する。
【0048】
コンベア41は、包装体1を搬送する装置である。コンベア41には、例えば、電動型ベルトコンベアを用いることができる。コンベア41の搬送路の両サイドには、コンベア41から包装体1の落下を防止するためのガイド部42が配設されている。ガイド部42は、エッジ検査部20及び欠陥検査部30において照明の妨げとならないように、包装体1の上面よりも低く設定されている。ガイド部42は、排出用エアノズル44がエアを吹き付け可能なエリアの両側には配設されていない。コンベア41は、図2においては、エッジ検査部20、欠陥検査部30、及び、排出用エアノズル44が配設された部分を通じて連続的に搬送する構成となっているが、各部ごとに区分して搬送するようにしてもよい。コンベア41は、ライン制御用コンピュータ45によって制御される。
【0049】
感知センサ43は、コンベア41上の排出用エアノズル44がエアを吹き付け可能なエリアに搬送されてきた包装体1を感知するセンサである。感知センサ43は、搬送ライン上において欠陥検査部30の下流側の領域の上方(側方でも可)に配設されている。感知センサ43は、包装体1を感知するとライン制御用コンピュータ45に向けて感知信号を出力し、包装体1が不良品として排出される等により包装体1を感知できなくなるとライン制御用コンピュータ45に向けて非感知信号を出力する。
【0050】
排出用エアノズル44は、不良品に係る包装体1を搬送ラインから排出するためのエアノズルである。排出用エアノズル44は、搬送ライン上において欠陥検査部30の下流側の領域の側方に配設されている。排出用エアノズル44は、コンベア41の側方からエアを吹き付ける。排出用エアノズル44は、ライン制御用コンピュータ45によって制御される。
【0051】
ライン制御用コンピュータ45は、搬送ラインにおける包装体1の搬送、及び、不良品に係る包装体1の排出を制御するコンピュータである。なお、ライン制御用コンピュータ45は、図11では1台で、搬送制御及び不良品排出制御を行っているが、搬送制御と不良品排出制御とを別々のコンピュータで行うようにしてもよい。ライン制御用コンピュータ45は、コンベア41上で等間隔に配置された包装体1がエッジ検査部20、欠陥検査部30、及び、排出用エアノズル44がエアを吹き付け可能なエリアの順に搬送されるように、コンベア41を間欠的に制御する。ライン制御用コンピュータ45は、排出用エアノズル44がエアを吹き付け可能なエリアに不良品に係る包装体1が搬送されて、感知センサ43で当該包装体1を感知したときに排出用エアノズル44が当該包装体1に対してエアを吹き付け、当該包装体1が排出されると排出用エアノズル44の吹き付けを停止するように制御する。なお、ライン制御用コンピュータ45は、排出用エアノズル44がエアを吹き付け可能なエリアに良品に係る包装体1が搬送された場合、感知センサ43で当該包装体1を感知しても、排出用エアノズル44が当該包装体1に対してエアを吹き付けない。ライン制御用コンピュータ45は、コンベア制御用プログラムと、不良品排出制御用プログラムと、制御用プログラムとに基づいて動作し、各プログラムを実行することで、コンベア制御部45aと、不良品排出制御部45bと、制御部45cと、が実現される。
【0052】
コンベア制御部45aは、コンベア制御用プログラムが実行されることで実現される機能部である。コンベア制御部45aは、コンベア41の最上流で包装体1を供給する包装体供給装置(図示せず)からの供給完了通知、エッジ検査用コンピュータ23及び欠陥検査用コンピュータ33からの各検査結果、及び、不良品排出制御部45bからの通知(不良品排出完了通知/良品非排出通知)を、制御部45cを通じて受けることにより、上流にあった包装体1をエッジ検査部20へ搬送し、並行してエッジ検査部20にあった包装体1を欠陥検査部30へ搬送し、並行して欠陥検査部30にあった包装体1を排出用エアノズル44がエアを吹き付け可能なエリア(不良品排出部)へ搬送するようにコンベア41を制御する。コンベア制御部45aは、エッジ検査部20にあった包装体1の欠陥検査部30への搬送が完了し、かつ、欠陥検査部30にあった包装体1の不良品排出部への搬送が完了すると、制御部45cを通じてエッジ検査用コンピュータ23、欠陥検査用コンピュータ33、不良品排出制御部45b、及び包装体供給装置(図示せず)に対して搬送完了通知を送信する。
【0053】
不良品排出制御部45bは、不良品排出制御用プログラムが実行されることで実現される機能部である。不良品排出制御部45bは、コンベア制御部45aからの搬送完了通知、及び、エッジ検査用コンピュータ23及び欠陥検査用コンピュータ33からの各検査結果を制御部45cを通じて受け、かつ、感知センサ43からの感知信号を受けることにより、検査結果において不良品と判断した結果がある場合には排出用エアノズル44から不良品に係る包装体1にエアを吹き付け、検査結果において不良品と判断した結果がない場合には排出用エアノズル44によるエアの吹き付けを行わないように制御する。不良品排出制御部45bは、排出用エアノズル44から不良品に係る包装体1にエアを吹き付けているときに、搬送ラインから包装体1が排出されて、感知センサ43からの非感知信号を受けることにより、排出用エアノズル44によるエアの吹き付けを停止するように制御し、吹き付け停止後、不良品排出完了通知を、制御部45cを通じてコンベア制御部45aに向けて送信する。不良品排出制御部45bは、検査結果において不良品と判断した結果がない場合には、良品非排出通知を、制御部45cを通じてコンベア制御部45aに向けて送信する。
【0054】
制御部45cは、制御用プログラムが実行されることで実現される機能部である。制御部45cは、コンベア制御部45a及び不良品排出制御部45bを制御する。制御部45cは、コンベア41、感知センサ43、及び排出用ノズル44の制御に関する設定情報を管理する。制御部45cは、管理者によるライン制御用コンピュータ45の操作により、コンベア41、感知センサ43、及び排出用ノズル44の制御に関する設定情報の設定を変更することが可能である。制御部45cは、コンベア制御部45a、不良品排出制御部45b、エッジ検査用コンピュータ23、及び欠陥検査用コンピュータ33との所定の情報のやり取りを仲介する。
【0055】
本発明の実施例1に係る包装不良検査装置の動作について図面を用いて説明する。図12は、本発明の実施例1に係る包装不良検査装置におけるエッジ検査部の動作を模式的に示したフローチャート図である。図13は、本発明の実施例1に係る包装不良検査装置における欠陥検査部の動作を模式的に示したフローチャート図である。図14は、本発明の実施例1に係る包装不良検査装置における搬送ライン部の動作を模式的に示したフローチャート図である。
【0056】
エッジ検査部(図2の20)の動作について図面を用いて説明する。
【0057】
図12を参照すると、まず、エッジ検査用コンピュータ(図2の23)において、折込不良の検査について未検査の包装体(図2の1)がエッジ検査部(図2の20)の検査位置に搬送されたか確認する(ステップA1)。未検査の包装体が検査位置に搬送されていない場合(ステップA1のNO)、ステップA1を繰り返す。なお、包装体の検査位置への搬送は、ライン制御用コンピュータ(図2の45)からの搬送完了通知を受けたか否かにより確認することができる。
【0058】
未検査の包装体が検査位置に搬送された場合(ステップA1のYES)、リング照明(図2の21)により包装体(図2の1)を照明した状態で、カメラ(図2の22)により包装体(図2の1)を撮像する(ステップA2)。
【0059】
ステップA2の後、撮像した画像(撮像データ)から包装体(図2の1)の折り目となるエッジ(図7の実線に相当)を検出するべく、エッジ検査用コンピュータ(図2の23)において、カメラ(図2の22)から取得した画像を2値化し、2値化されたデータに基づいて包装体(図2の1)の各折り目となる各エッジに係る座標データ(端点(図7のa〜hに相当)、各エッジの線分(図7のa−b間の線分、a−c間の線分、a−e間の線分、b−d間の線分、b−f間の線分、c−d間の線分、c−g間の線分、d−h間の線分、g−h間の線分に相当)、中心線(図7(B)のe、fを通る一点鎖線Lに相当))を検出する(ステップA3)。
【0060】
ステップA3の後、検出されたエッジに基づいて包装不良検査を行うべく、エッジ検査用コンピュータ(図2の23)において、検出された各エッジの座標データに基づいて各エッジの線分位置、交点位置、角度、及び中心線からの距離が所定の範囲にあるか検査する(ステップA4)。
【0061】
ステップA4の後、エッジ検査用コンピュータ(図2の23)において、全ての検査項目(各エッジの線分位置、交点位置、角度、及び中心線からの距離)について合格したか否かを確認する(ステップA5)。全ての検査項目について合格していない場合(ステップA5のNO)、ステップA7に進む。
【0062】
全ての検査項目について合格した場合(ステップA5のYES)、エッジ検査用コンピュータ(図2の23)は、ライン制御用コンピュータ(図2の45)に対して、検査した包装体(図2の1)が良品である旨の検査結果を通知し(ステップA6)、ステップA1に戻る。
【0063】
全ての検査項目について合格していない場合(ステップA5のNO)、エッジ検査用コンピュータ(図2の23)は、ライン制御用コンピュータ(図2の45)に対して、検査した包装体(図2の1)が不良品である旨の検査結果を通知し(ステップA7)、ステップA1に戻る。
【0064】
欠陥検査部(図2の30)の動作について図面を用いて説明する。
【0065】
図13を参照すると、まず、欠陥検査用コンピュータ(図2の33)において、欠陥不良の検査について未検査の包装体(図2の1)が欠陥検査部(図2の30)の検査位置に搬送されたか確認する(ステップB1)。未検査の包装体が検査位置に搬送されていない場合(ステップB1のNO)、ステップB1を繰り返す。なお、包装体の検査位置への搬送は、ライン制御用コンピュータ(図2の45)からの搬送完了通知を受けたか否かにより確認することができる。
【0066】
未検査の包装体が検査位置に搬送された場合(ステップB1のYES)、ドーム照明(図2の31)により包装体(図2の1)を照明した状態で、カメラ(図2の32)により包装体(図2の1)を撮像する(ステップB2)。
【0067】
ステップB2の後、欠陥検査用コンピュータ(図2の33)において、カメラ(図2の32)から取得した画像(撮像データ)を平滑化処理する(ステップB3)。
【0068】
ステップB3の後、欠陥検査用コンピュータ(図2の33)において、平滑化された画像を2値化処理する(ステップB4)。
【0069】
ステップB4の後、欠陥検査用コンピュータ(図2の33)において、2値化されたデータにおいて欠陥候補となる影(黒い部分)が存在するか否か判断する(ステップB5)。欠陥候補となる影が存在しない場合(ステップB5のNO)、ステップB7に進む。
【0070】
欠陥候補となる影が存在する場合(ステップB5のYES)、欠陥候補となる影の形状判定処理を行うべく、欠陥検査用コンピュータ(図2の33)において、少なくとも欠陥候補となる影の長さ(例えば、最も長くなる方向の長さ)を計測し、計測された長さを用いて欠陥候補となる影が欠陥であるか否かを判定する(ステップB6)。欠陥候補となる影が欠陥でない場合(ステップB6のNO)、ステップB7に進む。欠陥候補となる影が欠陥である場合(ステップB6のYES)、ステップB8に進む。
【0071】
なお、ステップB6における計測された長さを用いて欠陥候補となる影が欠陥であるか否かを判定する例として、影の最も長くなる方向(長手方向)の長さ(長手方向長)を計測し、長手方向に対して直角方向に最も長くなる箇所の長さ(短手方向長)を計測し、計測された長手方向長を短手方向長で割ったアスペクト比を演算し、演算されたアスペクト比と閾値とを比較し、アスペクト比が閾値以上であれば細長い形状なので図15及び図16のような良品の窪み4や浮き5とし、アスペクト比が閾値未満であれば細長い形状でないので不良品の欠陥とする。
【0072】
欠陥候補となる影が存在しない場合(ステップB5のNO)、又は、欠陥候補となる影が欠陥でない場合(ステップB6のNO)、欠陥検査用コンピュータ(図2の33)において、検査した包装体(図2の1)が良品である旨の検査結果を通知し(ステップB7)、ステップB1に戻る。
【0073】
欠陥候補となる影が欠陥である場会(ステップB6のYES)、欠陥検査用コンピュータ(図2の33)において、検査した包装体(図2の1)が不良品である旨の検査結果を通知し(ステップB8)、ステップB1に戻る。
【0074】
搬送ライン部(図2の40)の動作について説明する。
【0075】
図14を参照すると、まず、ライン制御用コンピュータ(図2の45)において、コンベア(図2の41)の最上流での包装体(図2の1)の供給が完了したか否かを確認する(ステップC1)。包装体の供給が完了していない場合(ステップC1のNO)、ステップC1に戻る。なお、包装体の供給が完了したか否かの確認は、コンベア(図2の41)の最上流で包装体(図2の1)を供給する包装体供給装置(図示せず)からの供給完了通知を受けたか否かにより確認することができる。また、ステップC1ではエッジ検査、欠陥検査、及び不良品排出部の動作が完了しているものとする。
【0076】
包装体の供給が完了している場合(ステップC1のYES)、包装体(図2の1)をワンステップ搬送するべく、コンベア(図2の41)により、上流にあった包装体をエッジ検査部(図2の20)へ搬送し、並行してエッジ検査部(図2の20)にあった包装体を欠陥検査部(図2の30)へ搬送し、並行して欠陥検査部(図2の30)にあった包装体を排出用エアノズル(図2の44)がエアを吹き付け可能なエリア(不良品排出部)へ搬送する(ステップC2)。
【0077】
ステップC2の後、感知センサ(図2の43)で排出用エアノズル(図2の44)の前の不良品排出部にある包装体(図2の1)が感知されると、ライン制御用コンピュータ(図2の45)において、不良品排出部にある包装体(図2の1)が、当該包装体に係る検査結果(エッジ検査部(図2の20)及び欠陥検査部(図2の30)での各検査結果であって既に取得しているもの)において不良品と判断されているか否かを確認する(ステップC3)。不良品と判断されていない場合(ステップC3のNO)、ステップC6に進む。
【0078】
不良品と判断されている場合(ステップC3のYES)、又は、不良品に係る包装体の排出が完了していない場合(ステップC5のNO)、排出用エアノズル(図2の44)からエアを噴出させて、不良品に係る包装体(図2の1)を不良品排出部から排出する(ステップC4)。
【0079】
ステップC4の後、不良品に係る包装体(図2の1)が不良品排出部からの排出が完了したか否かを確認するべく、ライン制御用コンピュータ(図2の45)において、感知センサ(図2の43)で包装体(図2の1)が感知されなくなったか否かを確認する(ステップC5)。不良品に係る包装体の排出が完了していない場合(ステップC5のNO)、ステップC4に戻る。
【0080】
なお、ステップC3〜ステップC5を行っている際、エッジ検査部(図2の20)及び欠陥検査部(図2の30)において各検査が並行して行われる。
【0081】
不良品と判断されていない場合(ステップC3のNO)、又は、不良品に係る包装体の排出が完了した場合(ステップC5のYES)、若しくは、エッジ検査及び欠陥検査が完了していない場合(ステップC6のNO)、ライン制御用コンピュータ(図2の45)において、エッジ検査(現時点におけるエッジ検査部(図2の20)にある包装体のエッジ検査)及び欠陥検査(現時点における欠陥検査部(図2の30)にある包装体の欠陥検査)が完了しているか否かを確認する(ステップC6)。エッジ検査及び欠陥検査が完了していない場合(ステップC6のNO)、ステップC6に戻る。なお、エッジ検査及び欠陥検査が完了しているか否かの確認は、ライン制御用コンピュータ(図2の45)がエッジ検査用コンピュータ23及び欠陥検査用コンピュータ33からの各検査結果を受けているか否かにより確認することができる。
【0082】
エッジ検査及び欠陥検査が完了している場合(ステップC6のYES)、ライン制御用コンピュータ(図2の45)において、エッジ検査用コンピュータ23及び欠陥検査用コンピュータ33からの各検査結果を、包装体に対応させて保持(記憶)し、(ステップC7)、ステップC1に戻る。
【0083】
実施例1によれば、包装体1の折込不良及び欠陥を確実に検知(100%の検知)しつつ、欠陥検査部30において、ドーム照明31を用い、欠陥検査用コンピュータ33において平滑化処理、2値化処理、及び形状判定処理により欠陥検査を行うことで、図15、図16のような良品としてもよい包装体1を不良品としてしまう誤検知を低減させることができ、歩留まりを飛躍的に向上させることができる。
【0084】
なお、本発明の全開示(特許請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施例ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0085】
1 包装体
2 固形製品
3 包装材
3a 折合せ面
3b 上層側包装材
3c 下層側包装材
4 窪み
5 浮き
10A、10B 包装機
12、12A、12B 包装不良検査装置
14 合流装置
16 外箱包装機
20 エッジ検査部
21 リング照明(他の照明部)
22 カメラ(他の撮像部)
23 エッジ検査用コンピュータ(他のコンピュータ)
23a エッジ検出部
23b 演算部
23c 制御部
30 欠陥検査部
31 ドーム照明(照明部)
32 カメラ(撮像部)
33 欠陥検査用コンピュータ(コンピュータ)
33a 欠陥検出部
33b 演算部
33c 制御部
40 搬送ライン部
41 コンベア
42 ガイド部
43 感知センサ
44 排出用エアノズル
45 ライン制御用コンピュータ
45a コンベア制御部
45b 不良品排出制御部
45c 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を包装材で包装した包装体の包装不良を検査する包装不良検査方法であって、
前記包装体に対して前記包装体を中心とする全方向の全仰角から照明しながら前記包装体を上方から撮像する第1の工程と、
前記第1の工程で撮像されたデータを平滑化処理する第2の工程と、
前記第2の工程で平滑化されたデータを2値化処理する第3の工程と、
前記第3の工程で2値化されたデータにおいて欠陥候補となる影が存在する場合、少なくとも前記影の長さを計測し、計測された長さを用いて前記影が欠陥であるか否かを判定する第4の工程と、
を含むことを特徴とする包装不良検査方法。
【請求項2】
前記第4の工程では、前記影の面積を計測し、前記影の所定方向の長さを計測し、前記計測された面積を所定値に補正し、前記計測された長さを、前記所定値を前記補正前の面積で割った値をかけて補正し、前記所定値を前記補正後の長さで割った値を演算し、前記演算された値と閾値とを比較し、前記演算された値が前記閾値以上であれば前記影を欠陥と判定し、前記演算された値が前記閾値未満であれば前記影を欠陥でないと判定することを特徴とする請求項1記載の包装不良検査方法。
【請求項3】
前記第4の工程では、前記影について、最も長くなる長手方向の長さを計測し、前記長手方向に対して直角方向に最も長くなる箇所の長さを計測し、前記計測された前記長手方向の長さを、前記計測された前記直角方向の長さで割ったアスペクト比を演算し、前記演算されたアスペクト比と閾値とを比較し、前記演算されたアスペクト比が前記閾値以上であれば前記影を欠陥でないと判定し、前記演算されたアスペクト比が前記閾値未満であれば前記影を欠陥と判定することを特徴とする請求項1記載の包装不良検査方法。
【請求項4】
他の包装体に対して前記他の包装体の側面を外周から照明しながら前記他の包装体を上方から撮像する第5の工程と、
前記第5の工程で撮像されたデータを2値化処理する第6の工程と、
前記第6の工程で2値化されたデータに基づいて前記他の包装体の各折り目となる各エッジに係る座標データを検出する第7の工程と、
前記第7の工程で検出された前記各エッジに係る座標データを用いて前記他の包装体に折込不良があるか否かを判定する第8の工程と、
を含み、
前記第5乃至第8の工程は、前記第1乃至第4の工程と並行して行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の包装不良検査方法。
【請求項5】
前記第8の工程では、前記第7の工程で検出された前記各エッジに係る座標データを用いて、少なくとも前記各エッジの線分位置、交点位置、及び角度が所定の範囲にあるか否かを判定することにより、前記他の包装体に折込不良があるか否かを判定することを特徴とする請求項4記載の包装不良検査方法。
【請求項6】
製品を包装材で包装した包装体の包装不良を検査する包装不良検査装置であって、
前記包装体に対して前記包装体を中心とする全方向の全仰角から照明する照明部と、
前記包装体を上方から撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像されたデータを平滑化処理し、平滑化されたデータを2値化処理し、2値化されたデータにおいて欠陥候補となる影が存在する場合、少なくとも前記影の長さを計測し、計測された長さを用いて前記影が欠陥であるか否かを判定するコンピュータと、
を備えることを特徴とする包装不良検査装置。
【請求項7】
前記コンピュータは、前記影の面積を計測し、前記影の所定方向の長さを計測し、前記計測された面積を所定値に補正し、前記計測された長さを、前記所定値を前記補正前の面積で割った値をかけて補正し、前記所定値を前記補正後の長さで割った値を演算し、前記演算された値と閾値とを比較し、前記演算された値が前記閾値以上であれば前記影を欠陥と判定し、前記演算された値が前記閾値未満であれば前記影を欠陥でないと判定することを特徴とする請求項6記載の包装不良検査装置。
【請求項8】
前記コンピュータは、前記影について、最も長くなる長手方向の長さを計測し、前記長手方向に対して直角方向に最も長くなる箇所の長さを計測し、前記計測された前記長手方向の長さを、前記計測された前記直角方向の長さで割ったアスペクト比を演算し、前記演算されたアスペクト比と閾値とを比較し、前記演算されたアスペクト比が前記閾値以上であれば前記影を欠陥でないと判定し、前記演算されたアスペクト比が前記閾値未満であれば前記影を欠陥と判定することを特徴とする請求項6記載の包装不良検査装置。
【請求項9】
他の包装体に対して前記他の包装体の側面を外周から照明する他の照明部と、
前記他の包装体を上方から撮像する他の撮像部と、
前記他の撮像部で撮像されたデータを2値化処理し、2値化されたデータに基づいて前記他の包装体の各折り目となる各エッジに係る座標データを検出し、検出された前記各エッジに係る座標データを用いて前記他の包装体に折込不良があるか否かを判定する他のコンピュータと、
を備え、
前記他のコンピュータによる折込不良の判定動作は、前記コンピュータによる欠陥の判定動作と並行して行われることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一に記載の包装不良検査装置。
【請求項10】
前記他のコンピュータは、検出された前記各エッジに係る座標データを用いて、少なくとも前記各エッジの線分位置、交点位置、及び角度が所定の範囲にあるか否かを判定することにより、前記他の包装体に折込不良があるか否かを判定することを特徴とする請求項9記載の包装不良検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−79564(P2011−79564A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−235041(P2009−235041)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】