包装袋体
【課題】易剥離性を備えたフィルムを用いて、流体とこの流体の作用対象とを区分して封入してなると共に、この流体の流体充填室に対する袋外からの押圧によって作用対象の利用時において初めてこの作用対象に流体を作用させ、しかる後に袋内より作用対象を取り出せるようにした包装袋体を適切に構成する。
【解決手段】一対の第二のヒートシール部6、6間に亘るように形成されて包装袋体Pを、流体充填室4と、第一のヒートシール部5側にあってこの流体充填室4に充填された流体Lの作用対象Mの封入室3とに区分する区分ヒートシール部7を備えている。一対の第二のヒートシール部6、6における流体充填室4に隣接した箇所のシール強度が、第二のヒートシール部6のその余の箇所並びに区分ヒートシール部7及び第一のヒートシール部5のシール強度よりも高くなるように第二のヒートシール部6を形成させている。
【解決手段】一対の第二のヒートシール部6、6間に亘るように形成されて包装袋体Pを、流体充填室4と、第一のヒートシール部5側にあってこの流体充填室4に充填された流体Lの作用対象Mの封入室3とに区分する区分ヒートシール部7を備えている。一対の第二のヒートシール部6、6における流体充填室4に隣接した箇所のシール強度が、第二のヒートシール部6のその余の箇所並びに区分ヒートシール部7及び第一のヒートシール部5のシール強度よりも高くなるように第二のヒートシール部6を形成させている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、三方シール包装又は四方シール包装により連続的に生成されると共に、流体とこの流体の作用対象とを区分して封入してなり、この流体の流体充填室に対する袋外からの押圧によって作用対象の利用時において初めてこの作用対象に流体を作用させ、しかる後に袋内よりかかる作用対象を容易に取り出せるようにした包装袋体に関する。
【背景技術】
【0002】
界面剥離、層間剥離又は凝集破壊可能にヒートシール(熱接合)されるフィルムを用いて製袋充填により連続的に被包装物を封入した包装袋を生成する技術として、特許文献1に示されるものがある。
【0003】
かかる技術によれば、包装袋の両面を離れ出させるように引っ張ることで、この包装袋の一つの辺に沿って形成されたヒートシール部に連続してこのヒートシール部に隣り合う二箇所のヒートシール部を壊して、封入されていた被包装物を容易に取り出すことができる。(いわゆる易剥離性に基づく易開封性)
【0004】
このような包装袋において、その袋内空間を追加のヒートシール部により二室に区分し、その一方の室に流体を、その他方の室にこの流体の作用を受けて有用となる作用対象を封入させると共に、この作用対象の利用段階になって初めてこの作用対象と流体とを袋内で触れあわせ、あるいは混ぜ合わせて作用対象の利用をなせるようにできれば、前記のような易開封性を備えた包装袋の新たな利用分野の開拓につながる。
【特許文献1】特許第3439677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種の易剥離性を備えたフィルムを用いて、流体とこの流体の作用対象とを区分して封入してなると共に、この流体の流体充填室に対する袋外からの押圧によって作用対象の利用時において初めてこの作用対象に流体を作用させ、しかる後に袋内よりかかる作用対象を容易に取り出せるようにした包装袋体を適切に構成できるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、包装袋体を、以下の(1)〜(5)の構成を備えたものとした。
(1)界面剥離、層間剥離又は凝集破壊可能にヒートシールされるシーラント層を有するフィルムを用いて三方シール包装又は四方シール包装によって生成された包装袋体であって、
(2)この包装袋体の一辺との間に非シール部を残すようにしてこの一辺に沿って形成された第一ヒートシール部と、
(3)前記一辺に隣り合う二箇所の辺にそれぞれこの辺に沿って前記第一ヒートシール部に連続するようにして形成された第二のヒートシール部と、
(4)一対の第二のヒートシール部間に亘るように形成されて包装袋体を、流体充填室と、前記第一ヒートシール部側にあってこの流体充填室に充填された流体の作用対象の封入室とに区分する区分ヒートシール部とを備えていると共に、
(5)一対の第二のヒートシール部における少なくとも流体充填室に隣接した箇所のシール強度が、この第二のヒートシール部のその余の箇所並びに区分ヒートシール部及び第一のヒートシール部のシール強度よりも高くなるようにこの第二のヒートシール部を形成させている。
【0007】
かかる構成によれば、第一に、作用対象の利用時において初めてこの作用対象に流体を作用可能とした状態で、この作用対象と流体とを区分ヒートシール部において区分して包装袋体内に封入させておくことができる。第二に、作用対象の利用時においては、先ず、袋外から流体充填室を押圧すると、流体充填室を形作る包装袋体の一面側のフィルムと他面側のフィルムとを離れさせる向きの力が作用される。しかるに、第二のヒートシール部は流体充填室に隣接した箇所を前記のようにシール強度の高い箇所としていることから、かかる力が作用されたときには区分ヒートシール部においてのみ包装袋体の一面側のフィルムと他面側のフィルムとの剥離を生じさせることができる。このように区分ヒートシール部において剥離を生じると前記押圧により流体は封入室に流入し作用対象に接しこれに作用する。この後、非シール部を利用して包装袋体の両面を離れ出させる向きに引っ張り操作することによって前記第一のヒートシール部を壊すと共に、引き続きかかる引っ張り操作をなすことにより壊されたこの第一のヒートシール部に隣り合う二箇所の第二のヒートシール部を前記シール強度の高い箇所に至るまでの範囲でこれに連続して壊して、流体充填室に残った流体の漏れだしなどを生じさせない状態で、流体の作用を受けた作用対象のみを容易に取り出すことができる。
【0008】
かかる包装袋体は、これを構成するフィルムを、摂氏105度〜140度の低温度帯でヒートシールをしたときのシール強度よりも、これよりも高温の高温度帯でヒートシールしたときにそのシール強度を高くするように構成されたものとすると共に、第二のヒートシール部のシール強度の高い箇所を、前記低温度帯での先行ヒートシール後に重複して施される前記高温度帯での後続ヒートシールによって形成させることで、都合良く構成させることができる。
【0009】
また、前記区分シール部を、ジグザグ状をなすように形成させておけば、袋外から前記のように液体充填室を押圧したときに、このジグザグ状をなす区分ヒートシール部における山部の頂部から包装袋体の両面のフィルムが剥がれ易くすることができ、前記押圧により液体充填室と封入室とが速やかに連通するようにすることができる。
【0010】
前記作用対象を、紙や不織布などよりなる吸水性シート状体に対し折りや丸めなどの纏め処理と乾燥圧縮処理とを施して生成されたドライおしぼり体としておけば、区分ヒートシール部を前記のように剥離させて壊すことでドライおしぼり体をこの流体により膨潤させて、このドライおしぼり体をその利用時において初めてこの流体しみこまされたおしぼりとすることができる。このように区分ヒートシール部を壊すまでは、かかる流体は流体充填室にエアを含まない状態で、また必要に応じて高温殺菌した状態で充填封入させておけることから、利用前にかかる流体の腐敗や変質などを生じ難くさせることができ、ドライおしぼり体を化粧水などをしみこませた適切なおしぼりとして利用の用に供させることができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、易剥離性を備えたフィルムを用いて、流体とこの流体の作用対象とを区分して封入してなると共に、この流体の流体充填室に対する袋外からの押圧によって作用対象の利用時において初めてこの作用対象に流体を作用させ、しかる後に袋内よりかかる作用対象を容易に取り出せるようにした包装袋体を、適切に構成させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図1〜図12に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について説明する。
【0013】
なお、ここで図1〜図6はこの発明を適用して構成された包装袋体Pの一例を、図7は他の一例を、それぞれ示している。特に、図3及び図4はかかる包装袋体Pの流体充填室4を押圧した様子を、図5はこの押圧によって区分ヒートシール部7を壊して流体Lにより膨潤されたドライおしぼり体M’を袋外に取り出した様子を、図6はこのように取り出されたドライおしぼり体M’をおしぼりとして使用できるように広げた状態を、それぞれ示している。
【0014】
また、図8はかかる包装袋体Pを生成する包装装置10の一例をその要部を示して、図9はかかる包装装置10を構成する縦シールロール101(a図)、第一の横シールロール102(b図)及び第二の横シールロール103(c図)のみを取り出してこれを表している。
【0015】
また、図10〜図12はかかる包装袋体Pを構成するフィルムFの機能を理解しやすいように、この包装袋体Pに形成されたヒートシール部(後述する第一のヒートシール部5又は第二のヒートシール部6における追加ヒートシール部6bの形成されていない箇所)の一部を破壊させた状態を拡大して示している。
【0016】
この実施の形態にかかる包装袋体Pは、三方シール包装又は四方シール包装により連続的に生成されると共に、流体Lとこの流体Lの作用対象Mとを区分して封入してなり、この流体Lの流体充填室4に対する袋外からの押圧によって作用対象Mの利用時において初めてこの作用対象Mに流体Lを作用させ、しかる後に袋内よりかかる作用対象Mを容易に取り出せるようにしたものである。
【0017】
かかる作用対象Mは、前記三方シール包装又は四方シール包装によって、包装袋体Pの封入室3に封入され、それと共に前記流体Lは流体充填室4に充填される。具体的には、包装袋体Pは、かかる三方シール包装又は四方シール包装において搬送されるフィルムFの搬送方向xに沿って連続して施される第一のヒートシール部5と、この搬送方向xに交叉する向きにこの搬送方向xにおいて間隔を開けて施される第二のヒートシール部6とによりかかるフィルムFから連続的に生成される。この搬送方向xにおいて隣り合う第二のヒートシール部6、6間が一つの包装袋体Pとなる。また、この実施の形態にかかる包装袋体Pは、かかる三方シール包装又は四方シール包装において前記フィルムFの搬送方向xに沿って連続して施される区分ヒートシール部7により袋内を二分されるようになっている。そして、この区分ヒートシール部7を挟んだ一方側の袋内空間が前記封入室3となり、この区分ヒートシール部7を挟んだ他方側の袋内空間が前記流体充填室4となっている。
【0018】
図示の例では、後述するように、一枚のフィルムFをその長さ方向に沿った搬送の途中において二つ折りにし、その折った側Faと反対のフィルム縁部Fbにこの搬送方向xに沿った第一のヒートシール部5を後述の縦シールロール101により形成させると共に、この縦シールロール101によって同時に前記折った側Faと第一のヒートシール部5との間に前記区分ヒートシール部7を形成させている。作用対象Mはこの第一のヒートシール部5と区分ヒートシール部7とによりその形成位置から先において並列された二本の筒状となったフィルムFの一方の筒側に先順位で施された第二のヒートシール部6を底として次順位で第二のヒートシール部6が施されるまでの間に送り込まれ、また、流体Lはかかる二本の筒状となったフィルムFの他方の筒側に先順位で施された第二のヒートシール部6を底として次順位で第二のヒートシール部6が施されるまでの間に送り込まれる。
【0019】
また、かかる包装袋体Pは、界面剥離、層間剥離又は凝集破壊可能にヒートシールされるシーラント層2を有するフィルムFを用いて構成されている。
【0020】
前記界面剥離可能にヒートシールされるフィルムFは、例えば、プラスチックを延伸させて形成されたベースフィルム1の一面に、接着層1aを介して、内側から非延伸のプラスチック層2a、接着フィルム層2b、非延伸のプラスチック層2aの三層よりなるシーラント層2を一体に設けさせることにより形成させることができる。かかるフィルムFによれば、包装袋体Pの一面側のシーラント層2の最上面にある当該シーラント層2を構成するプラスチック層2aと、包装袋体Pの他面側のシーラント層2の最上面にある当該シーラント層2を構成するプラスチック層2aとを強固に融着させ合わせない温度でヒートシールを施して当該包装袋体Pを形成させることにより、包装袋体Pの両面を離れ出す向きに引っ張った際にかかる両面の接触界面2cにおいて前記ヒートシール部Sを壊して当該両面の容易な分離が可能とされる。(図10)
【0021】
また、前記層間剥離可能にヒートシールされるフィルムFは、例えば、プラスチックを延伸させて形成されたベースフィルム1の一面に、接着層1aを介して、内側から非延伸のプラスチック層2a、接着フィルム層2b、非延伸のプラスチック層2aの三層よりなるシーラント層2を一体に設けさせることにより形成させることができる。かかるフィルムFによれば、包装袋体Pの一面側のシーラント層2の最上面にある当該シーラント層2を構成するプラスチック層2aと、包装袋体Pの他面側のシーラント層2の最上面にある当該シーラント層2を構成するプラスチック層2aとを強固に融着させ合わせる温度で前記ヒートシールを施して当該包装袋体Pを形成させることにより、かかる包装袋体Pの両面を離れ出す向きに引っ張った際にいずれか一方の面側のシーラント層2を構成する接着フィルム層2bと非延伸のプラスチック層2aとの層間2dにおいて前記ヒートシール部Sを壊して当該両面の容易な分離が可能とされる。(図11)
【0022】
また、前記凝集破壊可能にヒートシールされるフィルムFは、例えば、プラスチックを延伸させて形成されたベースフィルム1の一面に、接着層2aを介して、アルミニウム箔層2eを設けると共に、このアルミニウム箔層2eの上面に凝集破壊を生じる熱溶着可能な接着剤層2fよりなるシーラント層2を設けさせることにより形成させることができる。かかるフィルムFによれば、包装袋体Pの両面を離れ出す向きに引っ張った際に、前記ヒートシール部Sにおけるシーラント層2を構成する接着剤層2fにおいて凝集破壊を生じさせることができ、かかるヒートシール部Sを壊して当該両面の容易な分離が可能とされる。(図12)
【0023】
また、かかる包装袋体Pの一辺に沿って形成されている第一のヒートシール部5は、この一辺との間に非シール部8を残すようにして形成されている。図示の例では、フィルムFの折った側Faと反対の側において、フィルム縁部Fbとの間に間隔を開けて第一のヒートシール部5を形成させることにより、この非シール部8を形成させるようにしている。また、図示の例では、この一辺において、包装袋体Pの一面側に位置されるフィルムFのフィルム縁部Fbは他面側に位置されるフィルム縁部Fbよりも第一のヒートシール部5との距離を小さくするようにしてあり、両フィルム縁部Fbにズレ9を生じさせている。
【0024】
また、この実施の形態にかかる包装袋体Pにあっては、一対の第二のヒートシール部6、6における少なくとも流体充填室4に隣接した箇所のシール強度が、この第二のヒートシール部6のその余の箇所並びに区分ヒートシール部7及び第一のヒートシール部5のシール強度よりも高くなるようにこの第二のヒートシール部6を形成させている。
【0025】
図示の例では、包装袋体Pは、四辺を備えた略長方形の両面をそれぞれ持つ。この包装袋体Pの一辺との間に前記非シール部8を残してこの一辺に沿うように第一のヒートシール部5が形成されている。この第一のヒートシール部5の形成側の辺に対向する辺が前記フィルムFの折った側Faとなる。第二のヒートシール部6は、第一のヒートシール部5の形成側の辺に隣り合う二辺に沿ってそれぞれ、この第一のヒートシール部5と前記対向する辺とに亘るようにして形成されている。また、区分ヒートシール部7は、第一のヒートシール部5と前記対向する辺との間において、一対の第二のヒートシール部6、6間に亘るようにして形成されている。そして、この区分ヒートシール部7と第一のヒートシール部5との間が前記封入室3となり、この区分ヒートシール部7と前記対向する辺との間が流体充填室4となっている。図示の例で、第二ヒートシール部のうち、前記対向する辺から区分ヒートシール部7を超えてやや封入室3側に入り込んだ位置までが、前記シール強度の高い箇所6aとなっている。
【0026】
これにより、この実施の形態にかかる包装袋体Pは、次の機能を備える。第一に、作用対象Mの利用時において初めてこの作用対象Mに流体Lを作用可能とした状態で、この作用対象Mと流体Lとを区分ヒートシール部7において区分して包装袋体P内に封入させておくことができる。第二に、作用対象Mの利用時においては、先ず、袋外から流体充填室4を押圧すると、流体充填室4を形作る包装袋体Pの一面側のフィルムFと他面側のフィルムFとを離れさせる向きの力が作用される。(図4)しかるに、第二のヒートシール部6は流体充填室4に隣接した箇所を前記のようにシール強度の高い箇所6aとしていることから、かかる力が作用されたときには区分ヒートシール部7においてのみ包装袋体Pの一面側のフィルムFと他面側のフィルムFとの剥離を生じさせることができる。このように区分ヒートシール部7において剥離を生じると前記押圧により流体Lは封入室3に流入し作用対象Mに接しこれに作用する。この後、非シール部8を利用して包装袋体Pの両面を離れ出させる向きに引っ張り操作することによって前記第一のヒートシール部5を壊すと共に、引き続きかかる引っ張り操作をなすことにより壊されたこの第一のヒートシール部5に隣り合う二箇所の第二のヒートシール部6を前記シール強度の高い箇所6aに至るまでの範囲でこれに連続して壊して、流体充填室4に残った流体Lの漏れだしなどを生じさせない状態で、流体Lの作用を受けた作用対象Mのみを容易に取り出すことができる。
【0027】
この実施の形態にあっては、包装袋体Pを構成するフィルムFを、摂氏105度〜140度の低温度帯でヒートシールをしたときのシール強度よりも、これよりも高温の高温度帯でヒートシールしたときにそのシール強度を高くするものとしている。それと共に、第二のヒートシール部6のシール強度の高い箇所6aを、前記低温度帯での先行ヒートシール後に重複して施される前記高温度帯での後続ヒートシールによって形成させている。
【0028】
具体的には、後述の第一の横シールロール102により前記のように筒状となったフィルムFに対し前記低温度帯で第一のヒートシール部5と前記折った側Faとに亘って第二のヒートシール部6を形成させた後に、このように既に形成された第二のヒートシール部6に重ねて後述の第二の横シールロール103によって摂氏150度〜200度の高温度帯で区分ヒートシール部7と折った側Faとに亘って追加ヒートシール部6bを形成させて、第二のヒートシール部6にシール強度の高い箇所6aを備えさせている。
【0029】
第一のヒートシール部5、区分ヒートシール部7および第二のヒートシール部6のシール強度の高い箇所6a以外の箇所のシール強度(ヒートシール強さ、剥離強度)は、易開封性を考慮すると5.4N/15mm〜6.6N/15mmの範囲としておくことが好ましい。第二のヒートシール部6のシール強度の高い箇所6aのこのシール強度はこれより高く、典型的には9.7N/15mm〜11.7N/15mmの範囲としておくことが好ましい。かかるシール強度は、JIS規格番号Z1707に基づく。このシール強度は、上下二枚の平板シーラー間にシーラント層を向き合わせて二枚のフィルムFを、2.0kg/cm2の圧力で1秒間挟み込むんで形成されたヒートシール部を15mm幅の短冊状の試験片とし、この試験片を構成する二枚のフィルムFの剥離が生じたときの力の大きさである。かかる二枚の平板シーラーの下側の平板シーラーは摂氏80度に保ち、上側の平板シーラーの温度を変化させて所定温度毎に試験片を生成させることで、前記条件を満たすフィルムFを選定することが可能とされる。前記低温度帯および高温度帯の範囲がこの種のヒートシールにおいて実用上利用される温度範囲にあると共に、その範囲が一定の幅を持つフィルムFを利用することで、前記の機能を備えた包装袋体Pを安定的に生成させることができる。このようなフィルムFとしては、前記シーラント層を、ポリエチレンを主成分としてこれにエチレン・プロピレンコポリマーとポリブテンを混ぜたもの、又は、ポリエチレンを主成分としてこれにエチレン・プロピレンコポリマーとブテン・α−オレフィンコポリマーを混ぜたものが利用できることが分かった。
【0030】
前記区分ヒートシール部7は、図7に示されるように、直線状の帯状をなすように形成させておくこともできる。
【0031】
図1〜図6に示される例では、かかる区分ヒートシール部7を、ジグザグ状をなすように形成させている。この例では、区分ヒートシール部7は、所定の幅の帯状をなすと共に、流体充填室4側に突き出す山部7aと、封入室3側に突き出す山部7aとを、その連続方向において交互に備えるように形成されている。各山部7aの間には谷部7cが形成されている。これにより、この例にあっては、袋外から前記のように流体充填室4を押圧したときに、このジグザグ状をなす区分ヒートシール部7における山部7aの頂部7bから包装袋体Pの両面のフィルムFが剥がれ易くすることができ、前記押圧により流体充填室4と封入室3とが速やかに連通するようにすることができる。
【0032】
また、図1〜図6に示される例では、第一のヒートシール部5における袋外に面する縁部もジグザグ状をなすように構成されており、非シール部8を利用した包装袋体Pの両面の離れ出し操作にあたってこの第一のヒートシール部5もかかるジグザグの山部5aの頂部5bから剥がれやすくなっている。
【0033】
図8に以上に説明した包装袋体Pを生成する包装装置10の一例の要部を示す。図中、符号101は前記第一のヒートシール部5と区分ヒートシール部7を形成させるための縦シールロールであり、符号102は前記第二のヒートシール部6を形成させるための第一の横シールロールであり、符号103は前記追加ヒートシール部6bを形成させるための第二の横シールロールである。縦シールロール101および第一、第二の横シールロール102、103はそれぞれ一対づつあって、内蔵される図示しない加熱手段により所定の温度に加熱されるようになっていると共に、フィルムFの搬送方向xにその回転軸線を直交させるようにして配置される。フィルムFはロール状に巻き取られた状態で用意され、そこから引き出されて一対の縦シールロール101、101間に先ず送り込まれ、次いで一対の第一の横シールロール102、102間に送り込まれ、さらにこれに続いて一対の第二の横シールロール103、103間に送り込まれる。一対の縦シールロール101、101はそれぞれ、フィルムFを間にして突き合わされる第一のヒートシール部5を形成させる周回フランジ101a(縦シールロール101の回転軸線を巡る向きの外鍔)と、区分ヒートシール部7を形成させる周回フランジ101bとを備えており、これによりフィルムFに前記第一のヒートシール部5と区分ヒートシール部7とが形成される。また、一対の第一の横シールロール102、102にはそれぞれ、その回転軸線に沿った向きに続く突出部102aが形成されており、一方の第一の横シールロール102の突出部102aと他方の第一の横シールロール102の突出部102aがフィルムFを間にして突き合わされるようになっている。これによりフィルムFに前記第二のヒートシール部6が形成される。また、一対の第二の横シールロール103、103にはそれぞれ、その回転軸線に沿った向きに続くと共に、第一の横シールロール102の突出部よりも短い突出部103aが形成されており、一方の第二の横シールロール103の突出部103aと他方の第二の横シールロール103の突出部103aがフィルムFに先行して施された第二のヒートシール部6を間にして突き合わされるようになっている。これによりフィルムFに前記追加ヒートシール部6bが形成される。図中、符号104は引き出されたフィルムFを内側に通してこれを二つ折りにするガイド手段である。また、図中、符号105は前記流体Lの充填管であり、符号106は作用対象Mの充填管である。これら充填管105、106は一対の縦シールロール101、101の間を通じて筒状にされたフィルムF内に吐出口を位置させるように配される。また、図中、符号107は第二の横シールロール103の下方にあって前記カッテイングをなす固定刃107aと回転刃107bとからなるカッティング手段であり、前記のように連続して生成された包装袋体Pは、このカッティング手段107により第二のヒートシール部6の幅内において前記搬送方向xに交叉する向きのカッティングを施すことで、個別の包装袋体Pに切り分けられる。
【0034】
以上に説明した流体Lの作用対象Mは、固体や半固体や粉体の場合のみならず、液体やゲル状体の場合もある。また、以上に説明した流体Lは、流動性を有するものであれば良く、液体のみならずゲル状体などの流動性の低いものであっても良い。
【0035】
以上に説明した流体Lと、この流体Lの作用対象Mとしては、典型的には、次のような組み合わせが想定される。
(1)粉わさび(作用対象M)とそれを練りわさびとするための水(流体L)
(2)粉芥子(作用対象M)とそれを練り芥子とするための水(流体L)
(3)ゼリーとなる粉体(作用対象M)とそれをゼリーとするための溶液(流体L)
(4)化粧用パックとなる粉体(作用対象M)とそれを化粧用パックとするための溶液(流体L)
(5)湿布剤となる粉体(作用対象M)とそれを湿布剤とするための溶液(流体L)
(6)二液硬化タイプの接着剤のA液(作用対象M)とこの接着剤のB液(流体L)
【0036】
図1〜図7は、かかる作用対象Mを、紙や不織布などよりなる吸水性シート状体に対し折りや丸めなどの纏め処理と乾燥圧縮処理とを施して生成されたドライおしぼり体M’とした例を示している。
【0037】
このようにした場合、区分ヒートシール部7を前記のように剥離させて壊すことでドライおしぼり体M’をこの流体Lにより膨潤させて、このドライおしぼり体M’をその利用時において初めてこの流体Lしみこまされたおしぼりとすることができる。このように区分ヒートシール部7を壊すまでは、かかる流体Lは流体充填室4にエアを含まない状態で、また必要に応じて高温殺菌した状態で充填封入させておけることから、利用前にかかる流体Lの腐敗や変質などを生じ難くさせることができ、ドライおしぼり体M’を化粧水などをしみこませた適切なおしぼりとして利用の用に供させることができる。
【0038】
かかるドライおしぼり体M’は、吸水性シート状体を、コンパクトに纏めてなる。図示の例では、かかるドライおしぼり体M’は、円板状のタブレットのような形態に纏められている。すなわち、かかるドライおしぼり体M’は、吸水性シート状体に対し、折りや丸めなどの纏め処理と乾燥圧縮処理とを施して生成されている。吸水性シート状体は、典型的には、展開状態において正方形又は長方形状となるように成形用意される。このように用意された吸水性シート状体を、徐々に小さく折りたたんだり、丸めたり、あるいは、折りたたみ、かつ、丸めこむと共に、加熱などによる乾燥と、圧縮とを施して、前記のようにコンパクトに纏める。かかる吸水性シート状体としては、典型的には、紙や、いわゆる不織紙などと称される厚手の紙、不織布などを用いることができる。織布や編布を用いることも可能である。
【0039】
この図1〜図7に示される例において流体Lを化粧水とすれば、区分ヒートシール部7を前記のように剥離させて壊すことでドライおしぼり体M’をこの化粧水により膨潤させて、このドライおしぼり体M’を化粧水のしみこまされたおしぼりとすることができる。
【0040】
また、この図1〜図7に示される例において流体Lを除菌剤、殺菌剤、防虫剤などの水溶液とすれば、区分ヒートシール部7を前記のように剥離させて壊すことでドライおしぼり体M’をこの水溶液により膨潤させて、このドライおしぼり体M’をこれら水溶液のしみこまされたおしぼりとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】包装袋体Pの側面構成図
【図2】図1におけるA−A線断面図
【図3】包装袋体Pの使用状態を示した斜視構成図
【図4】図3の状態の断面構成図
【図5】作用対象Mを取り出した状態の斜視構成図
【図6】広げられた作用対象Mの斜視構成図
【図7】包装袋体Pの他例の側面構成図
【図8】包装装置の要部斜視構成図
【図9】縦シールロール101の側面構成図(a図)、第一の横シールロール102の側面構成図(b図)及び第二の横シールロール103の側面構成図(c図)
【図10】ヒートシール部(一部破壊状態)の拡大断面構成図
【図11】ヒートシール部(一部破壊状態)の拡大断面構成図
【図12】ヒートシール部(一部破壊状態)の拡大断面構成図
【符号の説明】
【0042】
F フィルム
P 包装袋体
M 作用対象
L 流体
3 封入室
4 流体充填室
5 第一のヒートシール部
6 第二のヒートシール部
7 区分ヒートシール部
8 非シール部
【技術分野】
【0001】
この発明は、三方シール包装又は四方シール包装により連続的に生成されると共に、流体とこの流体の作用対象とを区分して封入してなり、この流体の流体充填室に対する袋外からの押圧によって作用対象の利用時において初めてこの作用対象に流体を作用させ、しかる後に袋内よりかかる作用対象を容易に取り出せるようにした包装袋体に関する。
【背景技術】
【0002】
界面剥離、層間剥離又は凝集破壊可能にヒートシール(熱接合)されるフィルムを用いて製袋充填により連続的に被包装物を封入した包装袋を生成する技術として、特許文献1に示されるものがある。
【0003】
かかる技術によれば、包装袋の両面を離れ出させるように引っ張ることで、この包装袋の一つの辺に沿って形成されたヒートシール部に連続してこのヒートシール部に隣り合う二箇所のヒートシール部を壊して、封入されていた被包装物を容易に取り出すことができる。(いわゆる易剥離性に基づく易開封性)
【0004】
このような包装袋において、その袋内空間を追加のヒートシール部により二室に区分し、その一方の室に流体を、その他方の室にこの流体の作用を受けて有用となる作用対象を封入させると共に、この作用対象の利用段階になって初めてこの作用対象と流体とを袋内で触れあわせ、あるいは混ぜ合わせて作用対象の利用をなせるようにできれば、前記のような易開封性を備えた包装袋の新たな利用分野の開拓につながる。
【特許文献1】特許第3439677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種の易剥離性を備えたフィルムを用いて、流体とこの流体の作用対象とを区分して封入してなると共に、この流体の流体充填室に対する袋外からの押圧によって作用対象の利用時において初めてこの作用対象に流体を作用させ、しかる後に袋内よりかかる作用対象を容易に取り出せるようにした包装袋体を適切に構成できるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、包装袋体を、以下の(1)〜(5)の構成を備えたものとした。
(1)界面剥離、層間剥離又は凝集破壊可能にヒートシールされるシーラント層を有するフィルムを用いて三方シール包装又は四方シール包装によって生成された包装袋体であって、
(2)この包装袋体の一辺との間に非シール部を残すようにしてこの一辺に沿って形成された第一ヒートシール部と、
(3)前記一辺に隣り合う二箇所の辺にそれぞれこの辺に沿って前記第一ヒートシール部に連続するようにして形成された第二のヒートシール部と、
(4)一対の第二のヒートシール部間に亘るように形成されて包装袋体を、流体充填室と、前記第一ヒートシール部側にあってこの流体充填室に充填された流体の作用対象の封入室とに区分する区分ヒートシール部とを備えていると共に、
(5)一対の第二のヒートシール部における少なくとも流体充填室に隣接した箇所のシール強度が、この第二のヒートシール部のその余の箇所並びに区分ヒートシール部及び第一のヒートシール部のシール強度よりも高くなるようにこの第二のヒートシール部を形成させている。
【0007】
かかる構成によれば、第一に、作用対象の利用時において初めてこの作用対象に流体を作用可能とした状態で、この作用対象と流体とを区分ヒートシール部において区分して包装袋体内に封入させておくことができる。第二に、作用対象の利用時においては、先ず、袋外から流体充填室を押圧すると、流体充填室を形作る包装袋体の一面側のフィルムと他面側のフィルムとを離れさせる向きの力が作用される。しかるに、第二のヒートシール部は流体充填室に隣接した箇所を前記のようにシール強度の高い箇所としていることから、かかる力が作用されたときには区分ヒートシール部においてのみ包装袋体の一面側のフィルムと他面側のフィルムとの剥離を生じさせることができる。このように区分ヒートシール部において剥離を生じると前記押圧により流体は封入室に流入し作用対象に接しこれに作用する。この後、非シール部を利用して包装袋体の両面を離れ出させる向きに引っ張り操作することによって前記第一のヒートシール部を壊すと共に、引き続きかかる引っ張り操作をなすことにより壊されたこの第一のヒートシール部に隣り合う二箇所の第二のヒートシール部を前記シール強度の高い箇所に至るまでの範囲でこれに連続して壊して、流体充填室に残った流体の漏れだしなどを生じさせない状態で、流体の作用を受けた作用対象のみを容易に取り出すことができる。
【0008】
かかる包装袋体は、これを構成するフィルムを、摂氏105度〜140度の低温度帯でヒートシールをしたときのシール強度よりも、これよりも高温の高温度帯でヒートシールしたときにそのシール強度を高くするように構成されたものとすると共に、第二のヒートシール部のシール強度の高い箇所を、前記低温度帯での先行ヒートシール後に重複して施される前記高温度帯での後続ヒートシールによって形成させることで、都合良く構成させることができる。
【0009】
また、前記区分シール部を、ジグザグ状をなすように形成させておけば、袋外から前記のように液体充填室を押圧したときに、このジグザグ状をなす区分ヒートシール部における山部の頂部から包装袋体の両面のフィルムが剥がれ易くすることができ、前記押圧により液体充填室と封入室とが速やかに連通するようにすることができる。
【0010】
前記作用対象を、紙や不織布などよりなる吸水性シート状体に対し折りや丸めなどの纏め処理と乾燥圧縮処理とを施して生成されたドライおしぼり体としておけば、区分ヒートシール部を前記のように剥離させて壊すことでドライおしぼり体をこの流体により膨潤させて、このドライおしぼり体をその利用時において初めてこの流体しみこまされたおしぼりとすることができる。このように区分ヒートシール部を壊すまでは、かかる流体は流体充填室にエアを含まない状態で、また必要に応じて高温殺菌した状態で充填封入させておけることから、利用前にかかる流体の腐敗や変質などを生じ難くさせることができ、ドライおしぼり体を化粧水などをしみこませた適切なおしぼりとして利用の用に供させることができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、易剥離性を備えたフィルムを用いて、流体とこの流体の作用対象とを区分して封入してなると共に、この流体の流体充填室に対する袋外からの押圧によって作用対象の利用時において初めてこの作用対象に流体を作用させ、しかる後に袋内よりかかる作用対象を容易に取り出せるようにした包装袋体を、適切に構成させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図1〜図12に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について説明する。
【0013】
なお、ここで図1〜図6はこの発明を適用して構成された包装袋体Pの一例を、図7は他の一例を、それぞれ示している。特に、図3及び図4はかかる包装袋体Pの流体充填室4を押圧した様子を、図5はこの押圧によって区分ヒートシール部7を壊して流体Lにより膨潤されたドライおしぼり体M’を袋外に取り出した様子を、図6はこのように取り出されたドライおしぼり体M’をおしぼりとして使用できるように広げた状態を、それぞれ示している。
【0014】
また、図8はかかる包装袋体Pを生成する包装装置10の一例をその要部を示して、図9はかかる包装装置10を構成する縦シールロール101(a図)、第一の横シールロール102(b図)及び第二の横シールロール103(c図)のみを取り出してこれを表している。
【0015】
また、図10〜図12はかかる包装袋体Pを構成するフィルムFの機能を理解しやすいように、この包装袋体Pに形成されたヒートシール部(後述する第一のヒートシール部5又は第二のヒートシール部6における追加ヒートシール部6bの形成されていない箇所)の一部を破壊させた状態を拡大して示している。
【0016】
この実施の形態にかかる包装袋体Pは、三方シール包装又は四方シール包装により連続的に生成されると共に、流体Lとこの流体Lの作用対象Mとを区分して封入してなり、この流体Lの流体充填室4に対する袋外からの押圧によって作用対象Mの利用時において初めてこの作用対象Mに流体Lを作用させ、しかる後に袋内よりかかる作用対象Mを容易に取り出せるようにしたものである。
【0017】
かかる作用対象Mは、前記三方シール包装又は四方シール包装によって、包装袋体Pの封入室3に封入され、それと共に前記流体Lは流体充填室4に充填される。具体的には、包装袋体Pは、かかる三方シール包装又は四方シール包装において搬送されるフィルムFの搬送方向xに沿って連続して施される第一のヒートシール部5と、この搬送方向xに交叉する向きにこの搬送方向xにおいて間隔を開けて施される第二のヒートシール部6とによりかかるフィルムFから連続的に生成される。この搬送方向xにおいて隣り合う第二のヒートシール部6、6間が一つの包装袋体Pとなる。また、この実施の形態にかかる包装袋体Pは、かかる三方シール包装又は四方シール包装において前記フィルムFの搬送方向xに沿って連続して施される区分ヒートシール部7により袋内を二分されるようになっている。そして、この区分ヒートシール部7を挟んだ一方側の袋内空間が前記封入室3となり、この区分ヒートシール部7を挟んだ他方側の袋内空間が前記流体充填室4となっている。
【0018】
図示の例では、後述するように、一枚のフィルムFをその長さ方向に沿った搬送の途中において二つ折りにし、その折った側Faと反対のフィルム縁部Fbにこの搬送方向xに沿った第一のヒートシール部5を後述の縦シールロール101により形成させると共に、この縦シールロール101によって同時に前記折った側Faと第一のヒートシール部5との間に前記区分ヒートシール部7を形成させている。作用対象Mはこの第一のヒートシール部5と区分ヒートシール部7とによりその形成位置から先において並列された二本の筒状となったフィルムFの一方の筒側に先順位で施された第二のヒートシール部6を底として次順位で第二のヒートシール部6が施されるまでの間に送り込まれ、また、流体Lはかかる二本の筒状となったフィルムFの他方の筒側に先順位で施された第二のヒートシール部6を底として次順位で第二のヒートシール部6が施されるまでの間に送り込まれる。
【0019】
また、かかる包装袋体Pは、界面剥離、層間剥離又は凝集破壊可能にヒートシールされるシーラント層2を有するフィルムFを用いて構成されている。
【0020】
前記界面剥離可能にヒートシールされるフィルムFは、例えば、プラスチックを延伸させて形成されたベースフィルム1の一面に、接着層1aを介して、内側から非延伸のプラスチック層2a、接着フィルム層2b、非延伸のプラスチック層2aの三層よりなるシーラント層2を一体に設けさせることにより形成させることができる。かかるフィルムFによれば、包装袋体Pの一面側のシーラント層2の最上面にある当該シーラント層2を構成するプラスチック層2aと、包装袋体Pの他面側のシーラント層2の最上面にある当該シーラント層2を構成するプラスチック層2aとを強固に融着させ合わせない温度でヒートシールを施して当該包装袋体Pを形成させることにより、包装袋体Pの両面を離れ出す向きに引っ張った際にかかる両面の接触界面2cにおいて前記ヒートシール部Sを壊して当該両面の容易な分離が可能とされる。(図10)
【0021】
また、前記層間剥離可能にヒートシールされるフィルムFは、例えば、プラスチックを延伸させて形成されたベースフィルム1の一面に、接着層1aを介して、内側から非延伸のプラスチック層2a、接着フィルム層2b、非延伸のプラスチック層2aの三層よりなるシーラント層2を一体に設けさせることにより形成させることができる。かかるフィルムFによれば、包装袋体Pの一面側のシーラント層2の最上面にある当該シーラント層2を構成するプラスチック層2aと、包装袋体Pの他面側のシーラント層2の最上面にある当該シーラント層2を構成するプラスチック層2aとを強固に融着させ合わせる温度で前記ヒートシールを施して当該包装袋体Pを形成させることにより、かかる包装袋体Pの両面を離れ出す向きに引っ張った際にいずれか一方の面側のシーラント層2を構成する接着フィルム層2bと非延伸のプラスチック層2aとの層間2dにおいて前記ヒートシール部Sを壊して当該両面の容易な分離が可能とされる。(図11)
【0022】
また、前記凝集破壊可能にヒートシールされるフィルムFは、例えば、プラスチックを延伸させて形成されたベースフィルム1の一面に、接着層2aを介して、アルミニウム箔層2eを設けると共に、このアルミニウム箔層2eの上面に凝集破壊を生じる熱溶着可能な接着剤層2fよりなるシーラント層2を設けさせることにより形成させることができる。かかるフィルムFによれば、包装袋体Pの両面を離れ出す向きに引っ張った際に、前記ヒートシール部Sにおけるシーラント層2を構成する接着剤層2fにおいて凝集破壊を生じさせることができ、かかるヒートシール部Sを壊して当該両面の容易な分離が可能とされる。(図12)
【0023】
また、かかる包装袋体Pの一辺に沿って形成されている第一のヒートシール部5は、この一辺との間に非シール部8を残すようにして形成されている。図示の例では、フィルムFの折った側Faと反対の側において、フィルム縁部Fbとの間に間隔を開けて第一のヒートシール部5を形成させることにより、この非シール部8を形成させるようにしている。また、図示の例では、この一辺において、包装袋体Pの一面側に位置されるフィルムFのフィルム縁部Fbは他面側に位置されるフィルム縁部Fbよりも第一のヒートシール部5との距離を小さくするようにしてあり、両フィルム縁部Fbにズレ9を生じさせている。
【0024】
また、この実施の形態にかかる包装袋体Pにあっては、一対の第二のヒートシール部6、6における少なくとも流体充填室4に隣接した箇所のシール強度が、この第二のヒートシール部6のその余の箇所並びに区分ヒートシール部7及び第一のヒートシール部5のシール強度よりも高くなるようにこの第二のヒートシール部6を形成させている。
【0025】
図示の例では、包装袋体Pは、四辺を備えた略長方形の両面をそれぞれ持つ。この包装袋体Pの一辺との間に前記非シール部8を残してこの一辺に沿うように第一のヒートシール部5が形成されている。この第一のヒートシール部5の形成側の辺に対向する辺が前記フィルムFの折った側Faとなる。第二のヒートシール部6は、第一のヒートシール部5の形成側の辺に隣り合う二辺に沿ってそれぞれ、この第一のヒートシール部5と前記対向する辺とに亘るようにして形成されている。また、区分ヒートシール部7は、第一のヒートシール部5と前記対向する辺との間において、一対の第二のヒートシール部6、6間に亘るようにして形成されている。そして、この区分ヒートシール部7と第一のヒートシール部5との間が前記封入室3となり、この区分ヒートシール部7と前記対向する辺との間が流体充填室4となっている。図示の例で、第二ヒートシール部のうち、前記対向する辺から区分ヒートシール部7を超えてやや封入室3側に入り込んだ位置までが、前記シール強度の高い箇所6aとなっている。
【0026】
これにより、この実施の形態にかかる包装袋体Pは、次の機能を備える。第一に、作用対象Mの利用時において初めてこの作用対象Mに流体Lを作用可能とした状態で、この作用対象Mと流体Lとを区分ヒートシール部7において区分して包装袋体P内に封入させておくことができる。第二に、作用対象Mの利用時においては、先ず、袋外から流体充填室4を押圧すると、流体充填室4を形作る包装袋体Pの一面側のフィルムFと他面側のフィルムFとを離れさせる向きの力が作用される。(図4)しかるに、第二のヒートシール部6は流体充填室4に隣接した箇所を前記のようにシール強度の高い箇所6aとしていることから、かかる力が作用されたときには区分ヒートシール部7においてのみ包装袋体Pの一面側のフィルムFと他面側のフィルムFとの剥離を生じさせることができる。このように区分ヒートシール部7において剥離を生じると前記押圧により流体Lは封入室3に流入し作用対象Mに接しこれに作用する。この後、非シール部8を利用して包装袋体Pの両面を離れ出させる向きに引っ張り操作することによって前記第一のヒートシール部5を壊すと共に、引き続きかかる引っ張り操作をなすことにより壊されたこの第一のヒートシール部5に隣り合う二箇所の第二のヒートシール部6を前記シール強度の高い箇所6aに至るまでの範囲でこれに連続して壊して、流体充填室4に残った流体Lの漏れだしなどを生じさせない状態で、流体Lの作用を受けた作用対象Mのみを容易に取り出すことができる。
【0027】
この実施の形態にあっては、包装袋体Pを構成するフィルムFを、摂氏105度〜140度の低温度帯でヒートシールをしたときのシール強度よりも、これよりも高温の高温度帯でヒートシールしたときにそのシール強度を高くするものとしている。それと共に、第二のヒートシール部6のシール強度の高い箇所6aを、前記低温度帯での先行ヒートシール後に重複して施される前記高温度帯での後続ヒートシールによって形成させている。
【0028】
具体的には、後述の第一の横シールロール102により前記のように筒状となったフィルムFに対し前記低温度帯で第一のヒートシール部5と前記折った側Faとに亘って第二のヒートシール部6を形成させた後に、このように既に形成された第二のヒートシール部6に重ねて後述の第二の横シールロール103によって摂氏150度〜200度の高温度帯で区分ヒートシール部7と折った側Faとに亘って追加ヒートシール部6bを形成させて、第二のヒートシール部6にシール強度の高い箇所6aを備えさせている。
【0029】
第一のヒートシール部5、区分ヒートシール部7および第二のヒートシール部6のシール強度の高い箇所6a以外の箇所のシール強度(ヒートシール強さ、剥離強度)は、易開封性を考慮すると5.4N/15mm〜6.6N/15mmの範囲としておくことが好ましい。第二のヒートシール部6のシール強度の高い箇所6aのこのシール強度はこれより高く、典型的には9.7N/15mm〜11.7N/15mmの範囲としておくことが好ましい。かかるシール強度は、JIS規格番号Z1707に基づく。このシール強度は、上下二枚の平板シーラー間にシーラント層を向き合わせて二枚のフィルムFを、2.0kg/cm2の圧力で1秒間挟み込むんで形成されたヒートシール部を15mm幅の短冊状の試験片とし、この試験片を構成する二枚のフィルムFの剥離が生じたときの力の大きさである。かかる二枚の平板シーラーの下側の平板シーラーは摂氏80度に保ち、上側の平板シーラーの温度を変化させて所定温度毎に試験片を生成させることで、前記条件を満たすフィルムFを選定することが可能とされる。前記低温度帯および高温度帯の範囲がこの種のヒートシールにおいて実用上利用される温度範囲にあると共に、その範囲が一定の幅を持つフィルムFを利用することで、前記の機能を備えた包装袋体Pを安定的に生成させることができる。このようなフィルムFとしては、前記シーラント層を、ポリエチレンを主成分としてこれにエチレン・プロピレンコポリマーとポリブテンを混ぜたもの、又は、ポリエチレンを主成分としてこれにエチレン・プロピレンコポリマーとブテン・α−オレフィンコポリマーを混ぜたものが利用できることが分かった。
【0030】
前記区分ヒートシール部7は、図7に示されるように、直線状の帯状をなすように形成させておくこともできる。
【0031】
図1〜図6に示される例では、かかる区分ヒートシール部7を、ジグザグ状をなすように形成させている。この例では、区分ヒートシール部7は、所定の幅の帯状をなすと共に、流体充填室4側に突き出す山部7aと、封入室3側に突き出す山部7aとを、その連続方向において交互に備えるように形成されている。各山部7aの間には谷部7cが形成されている。これにより、この例にあっては、袋外から前記のように流体充填室4を押圧したときに、このジグザグ状をなす区分ヒートシール部7における山部7aの頂部7bから包装袋体Pの両面のフィルムFが剥がれ易くすることができ、前記押圧により流体充填室4と封入室3とが速やかに連通するようにすることができる。
【0032】
また、図1〜図6に示される例では、第一のヒートシール部5における袋外に面する縁部もジグザグ状をなすように構成されており、非シール部8を利用した包装袋体Pの両面の離れ出し操作にあたってこの第一のヒートシール部5もかかるジグザグの山部5aの頂部5bから剥がれやすくなっている。
【0033】
図8に以上に説明した包装袋体Pを生成する包装装置10の一例の要部を示す。図中、符号101は前記第一のヒートシール部5と区分ヒートシール部7を形成させるための縦シールロールであり、符号102は前記第二のヒートシール部6を形成させるための第一の横シールロールであり、符号103は前記追加ヒートシール部6bを形成させるための第二の横シールロールである。縦シールロール101および第一、第二の横シールロール102、103はそれぞれ一対づつあって、内蔵される図示しない加熱手段により所定の温度に加熱されるようになっていると共に、フィルムFの搬送方向xにその回転軸線を直交させるようにして配置される。フィルムFはロール状に巻き取られた状態で用意され、そこから引き出されて一対の縦シールロール101、101間に先ず送り込まれ、次いで一対の第一の横シールロール102、102間に送り込まれ、さらにこれに続いて一対の第二の横シールロール103、103間に送り込まれる。一対の縦シールロール101、101はそれぞれ、フィルムFを間にして突き合わされる第一のヒートシール部5を形成させる周回フランジ101a(縦シールロール101の回転軸線を巡る向きの外鍔)と、区分ヒートシール部7を形成させる周回フランジ101bとを備えており、これによりフィルムFに前記第一のヒートシール部5と区分ヒートシール部7とが形成される。また、一対の第一の横シールロール102、102にはそれぞれ、その回転軸線に沿った向きに続く突出部102aが形成されており、一方の第一の横シールロール102の突出部102aと他方の第一の横シールロール102の突出部102aがフィルムFを間にして突き合わされるようになっている。これによりフィルムFに前記第二のヒートシール部6が形成される。また、一対の第二の横シールロール103、103にはそれぞれ、その回転軸線に沿った向きに続くと共に、第一の横シールロール102の突出部よりも短い突出部103aが形成されており、一方の第二の横シールロール103の突出部103aと他方の第二の横シールロール103の突出部103aがフィルムFに先行して施された第二のヒートシール部6を間にして突き合わされるようになっている。これによりフィルムFに前記追加ヒートシール部6bが形成される。図中、符号104は引き出されたフィルムFを内側に通してこれを二つ折りにするガイド手段である。また、図中、符号105は前記流体Lの充填管であり、符号106は作用対象Mの充填管である。これら充填管105、106は一対の縦シールロール101、101の間を通じて筒状にされたフィルムF内に吐出口を位置させるように配される。また、図中、符号107は第二の横シールロール103の下方にあって前記カッテイングをなす固定刃107aと回転刃107bとからなるカッティング手段であり、前記のように連続して生成された包装袋体Pは、このカッティング手段107により第二のヒートシール部6の幅内において前記搬送方向xに交叉する向きのカッティングを施すことで、個別の包装袋体Pに切り分けられる。
【0034】
以上に説明した流体Lの作用対象Mは、固体や半固体や粉体の場合のみならず、液体やゲル状体の場合もある。また、以上に説明した流体Lは、流動性を有するものであれば良く、液体のみならずゲル状体などの流動性の低いものであっても良い。
【0035】
以上に説明した流体Lと、この流体Lの作用対象Mとしては、典型的には、次のような組み合わせが想定される。
(1)粉わさび(作用対象M)とそれを練りわさびとするための水(流体L)
(2)粉芥子(作用対象M)とそれを練り芥子とするための水(流体L)
(3)ゼリーとなる粉体(作用対象M)とそれをゼリーとするための溶液(流体L)
(4)化粧用パックとなる粉体(作用対象M)とそれを化粧用パックとするための溶液(流体L)
(5)湿布剤となる粉体(作用対象M)とそれを湿布剤とするための溶液(流体L)
(6)二液硬化タイプの接着剤のA液(作用対象M)とこの接着剤のB液(流体L)
【0036】
図1〜図7は、かかる作用対象Mを、紙や不織布などよりなる吸水性シート状体に対し折りや丸めなどの纏め処理と乾燥圧縮処理とを施して生成されたドライおしぼり体M’とした例を示している。
【0037】
このようにした場合、区分ヒートシール部7を前記のように剥離させて壊すことでドライおしぼり体M’をこの流体Lにより膨潤させて、このドライおしぼり体M’をその利用時において初めてこの流体Lしみこまされたおしぼりとすることができる。このように区分ヒートシール部7を壊すまでは、かかる流体Lは流体充填室4にエアを含まない状態で、また必要に応じて高温殺菌した状態で充填封入させておけることから、利用前にかかる流体Lの腐敗や変質などを生じ難くさせることができ、ドライおしぼり体M’を化粧水などをしみこませた適切なおしぼりとして利用の用に供させることができる。
【0038】
かかるドライおしぼり体M’は、吸水性シート状体を、コンパクトに纏めてなる。図示の例では、かかるドライおしぼり体M’は、円板状のタブレットのような形態に纏められている。すなわち、かかるドライおしぼり体M’は、吸水性シート状体に対し、折りや丸めなどの纏め処理と乾燥圧縮処理とを施して生成されている。吸水性シート状体は、典型的には、展開状態において正方形又は長方形状となるように成形用意される。このように用意された吸水性シート状体を、徐々に小さく折りたたんだり、丸めたり、あるいは、折りたたみ、かつ、丸めこむと共に、加熱などによる乾燥と、圧縮とを施して、前記のようにコンパクトに纏める。かかる吸水性シート状体としては、典型的には、紙や、いわゆる不織紙などと称される厚手の紙、不織布などを用いることができる。織布や編布を用いることも可能である。
【0039】
この図1〜図7に示される例において流体Lを化粧水とすれば、区分ヒートシール部7を前記のように剥離させて壊すことでドライおしぼり体M’をこの化粧水により膨潤させて、このドライおしぼり体M’を化粧水のしみこまされたおしぼりとすることができる。
【0040】
また、この図1〜図7に示される例において流体Lを除菌剤、殺菌剤、防虫剤などの水溶液とすれば、区分ヒートシール部7を前記のように剥離させて壊すことでドライおしぼり体M’をこの水溶液により膨潤させて、このドライおしぼり体M’をこれら水溶液のしみこまされたおしぼりとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】包装袋体Pの側面構成図
【図2】図1におけるA−A線断面図
【図3】包装袋体Pの使用状態を示した斜視構成図
【図4】図3の状態の断面構成図
【図5】作用対象Mを取り出した状態の斜視構成図
【図6】広げられた作用対象Mの斜視構成図
【図7】包装袋体Pの他例の側面構成図
【図8】包装装置の要部斜視構成図
【図9】縦シールロール101の側面構成図(a図)、第一の横シールロール102の側面構成図(b図)及び第二の横シールロール103の側面構成図(c図)
【図10】ヒートシール部(一部破壊状態)の拡大断面構成図
【図11】ヒートシール部(一部破壊状態)の拡大断面構成図
【図12】ヒートシール部(一部破壊状態)の拡大断面構成図
【符号の説明】
【0042】
F フィルム
P 包装袋体
M 作用対象
L 流体
3 封入室
4 流体充填室
5 第一のヒートシール部
6 第二のヒートシール部
7 区分ヒートシール部
8 非シール部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面剥離、層間剥離又は凝集破壊可能にヒートシールされるシーラント層を有するフィルムを用いて三方シール包装又は四方シール包装によって生成された包装袋体であって、
この包装袋体の一辺との間に非シール部を残すようにしてこの一辺に沿って形成された第一ヒートシール部と、
前記一辺に隣り合う二箇所の辺にそれぞれこの辺に沿って前記第一ヒートシール部に連続するようにして形成された第二のヒートシール部と、
一対の第二のヒートシール部間に亘るように形成されて包装袋体を、流体充填室と、前記第一ヒートシール部側にあってこの流体充填室に充填された流体の作用対象の封入室とに区分する区分ヒートシール部とを備えていると共に、
一対の第二のヒートシール部における少なくとも流体充填室に隣接した箇所のシール強度が、この第二のヒートシール部のその余の箇所並びに区分ヒートシール部及び第一のヒートシール部のシール強度よりも高くなるようにこの第二のヒートシール部を形成させていることを特徴とする包装袋体。
【請求項2】
区分シール部が、ジグザグ状をなすように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋体。
【請求項3】
包装袋体を構成するフィルムが、摂氏105度〜140度の低温度帯でヒートシールをしたときのシール強度よりも、これよりも高温の高温度帯でヒートシールしたときにそのシール強度を高くするように構成されていると共に、
第二のヒートシール部のシール強度の高い箇所が、前記低温度帯での先行ヒートシール後に重複して施される前記高温度帯での後続ヒートシールによって形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の包装袋体。
【請求項4】
作用対象を、紙や不織布などよりなる吸水性シート状体に対し折りや丸めなどの纏め処理と乾燥圧縮処理とを施して生成されたドライおしぼり体としていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の包装袋体。
【請求項1】
界面剥離、層間剥離又は凝集破壊可能にヒートシールされるシーラント層を有するフィルムを用いて三方シール包装又は四方シール包装によって生成された包装袋体であって、
この包装袋体の一辺との間に非シール部を残すようにしてこの一辺に沿って形成された第一ヒートシール部と、
前記一辺に隣り合う二箇所の辺にそれぞれこの辺に沿って前記第一ヒートシール部に連続するようにして形成された第二のヒートシール部と、
一対の第二のヒートシール部間に亘るように形成されて包装袋体を、流体充填室と、前記第一ヒートシール部側にあってこの流体充填室に充填された流体の作用対象の封入室とに区分する区分ヒートシール部とを備えていると共に、
一対の第二のヒートシール部における少なくとも流体充填室に隣接した箇所のシール強度が、この第二のヒートシール部のその余の箇所並びに区分ヒートシール部及び第一のヒートシール部のシール強度よりも高くなるようにこの第二のヒートシール部を形成させていることを特徴とする包装袋体。
【請求項2】
区分シール部が、ジグザグ状をなすように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋体。
【請求項3】
包装袋体を構成するフィルムが、摂氏105度〜140度の低温度帯でヒートシールをしたときのシール強度よりも、これよりも高温の高温度帯でヒートシールしたときにそのシール強度を高くするように構成されていると共に、
第二のヒートシール部のシール強度の高い箇所が、前記低温度帯での先行ヒートシール後に重複して施される前記高温度帯での後続ヒートシールによって形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の包装袋体。
【請求項4】
作用対象を、紙や不織布などよりなる吸水性シート状体に対し折りや丸めなどの纏め処理と乾燥圧縮処理とを施して生成されたドライおしぼり体としていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の包装袋体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−143609(P2010−143609A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322185(P2008−322185)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(505322946)株式会社輝 (4)
【出願人】(508329302)株式会社コマック (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(505322946)株式会社輝 (4)
【出願人】(508329302)株式会社コマック (4)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]