説明

包装装置

【課題】箱材の種類等に関らず位置決め精度を確保し、位置決め精度の低下を防止する。
【解決手段】包装装置100は、板状の箱材10を箱形状に成形しながら箱材10によって物品20を包装する。包装装置100は、搬送方向に箱材を搬送する搬送機構60と、搬送機構60の第1側方から物品20を押すことにより搬送機構60によって搬送されている箱材10の内面上に物品20を充填する充填機構70と、充填機構70によって箱材10の内面上に物品20が充填される領域かつ搬送機構60の第2側方に配置されていて、箱材10をガイドするガイド部材90とを備える。ガイド部材90は、充填機構70が箱材10の内面上に物品20を充填する際に箱材10の外側フラップ2の端部が当接されるガイド面を有し、外側フラップ2の端部が該ガイド面に当接されることによって箱材10が位置決めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装装置に係り、特に、板状の箱材を箱形状に成形しながら該箱材によって物品を包装する包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
板状の箱材(カートン材)を箱形状に成形しながら該箱材によってビール入り缶等の物品を包装する包装装置(例えば、ケーサーとも呼ばれる)が知られている。板状の箱材を箱形状に成形する際は、成形途中の箱材で包まれるように物品を配列し、該箱材の内側フラップに糊を吹き付けた後に外側フラップを折り曲げて内側フラップに押しつける。これにより外側フラップが内側フラップに糊付けされる。このような箱材の成形時に、搬送方向に直交する方向における箱材の位置決めが重要であり、この位置決めの精度が不十分であると、箱材の成形不良が発生しうる。
【0003】
包装装置に関する文献としては、特許文献1がある。しかしながら、特許文献1には、箱材の位置決めに関する開示はない。
【特許文献1】特開平2005−138864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1は、一般的な包装装置の部分的な構成を示す断面図である。包装装置は、所定の搬送方向に箱材10を搬送する搬送機構60と、搬送機構60の第1側方から物品20を押すことにより搬送機構60によって搬送されている箱材10の上に物品20を充填する充填機構70と、搬送機構60の第1側方に配置されたレール62と、搬送機構60の第2側方に配置されたレール64と、充填機構70によって箱材10の内面の上に物品20が充填される領域かつ搬送機構60の第2側方に配置されて箱材10をガイドするガイド機構80とを備えている。
【0005】
ガイド機構80は、2本のガイド棒からなっている。ガイド機構80が存在することによって、箱材10は、搬送機構60による搬送に伴って、箱材10の罫線(折り曲げ用の線)で、本来の折り曲げ方向(箱状にする際に折り曲げる方向)とは逆方向に折り曲げられる。この際に、箱材10の罫線は、レール64が罫線に一致するように折り曲げられる。
【0006】
図1に示すような構成を有する包装装置では、箱材10のメーカー等が変更されることなどによって箱材10の種類(仕様或いは特性)が変更されると、箱材10の強度や罫線の強度が変化したり、罫線の構造が変化したりして、箱材10の位置決め精度が低下しうる。また、このような構成を有する包装装置が長期間にわたって使用されると、レール64が磨耗し、箱材10を正しく位置決めすることが困難になる。そのために、箱材10の成形不良が生じうる。
【0007】
本発明は、上記のような課題認識を基礎としてなされたものであり、例えば、箱材の種類等に関らず必要な位置決め精度を確保すること、および/または、位置決め精度の低下を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る包装装置は、板状の箱材を箱形状に成形しながら該箱材によって物品を包装するように構成され、搬送方向に箱材を搬送する搬送機構と、前記搬送機構の第1側方から物品を押すことにより前記搬送機構によって搬送されている箱材の内面上に該物品を充填する充填機構と、前記充填機構によって箱材の内面上に物品が充填される領域かつ前記搬送機構の第2側方に配置されていて、箱材をガイドするガイド部材とを備える。前記ガイド部材は、前記充填機構が箱材の内面上に物品を充填する際に該箱材の外側フラップの端部が当接されるガイド面を有し、該外側フラップの端部が前記ガイド面に当接されることによって該箱材が位置決めされる。
【0009】
本発明の好適な実施形態によれば、前記包装装置は、前記ガイド部材の位置を調整する位置調整機構を更に備えうる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、例えば、箱材の種類等に関らず必要な位置決め精度を確保すること、および/または、位置決め精度の低下を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良と思われる実施形態を説明する。
【0012】
図2は、本発明の好適な実施形態の包装装置の構成を模式的に示す図である。本発明の好適な実施形態の包装装置100は、板状の箱材(カートン材)10を折り曲げて箱形状に成形しながら、例えばビール缶或いは飲料缶等の物品20を包装する。図2に示す例では、物品20は、ビール缶或いは飲料缶等の缶製品であり、例えば、4×6本からなる集合体が箱材10によって包装されうる。なお、いわゆるマルチパック製品では、典型的には、2×3本を単位としてそれぞれ包装された4個のマルチパックからなる集合体が箱材10によって包装されうる。
【0013】
物品20の包装において、板状態で積み重ねられた複数の箱材10からなる箱材群10Sから1枚ずつ箱材10が取り出されて、例えば、A領域において、胴部(本体部)の2辺を折り曲げて搬送機構(コンベア)60の搬送路の上に載置される。以後、箱材10は、搬送機構60によって搬送方向に搬送されながら処理される。
【0014】
次いで、B領域において、ガイド部材90側の内側フラップ1が約90度折り曲げられ、充填機構70によって箱材10の内面上に物品20が充填され、その後に更に、充填機構70側の内側フラップ2も約90度折り曲げられる。
【0015】
図3は、図2のB領域における包装装置の模式的な断面図である。充填機構70は、搬送機構60の第1側方(−y方向側)から搬送機構60の搬送路に向けて物品20を押すことにより、搬送機構60によって搬送されている箱材10の内面上に物品20を充填する。ガイド部材90は、充填機構70によって箱材10の内面上に物品20が充填される領域(B領域)かつ搬送機構60の第2側方(+y方向側)に配置されていて、箱材10をガイドする。ガイド部材90は、充填機構70が箱材10の内面上に物品20を充填する際に、物品20と箱材10との摩擦力によって箱材10の外側フラップ2の端部が当接されるガイド面90gを有し、外側フラップ2の端部がガイド面90gに当接されることによって箱材10が位置決めされる。
【0016】
このような位置決め機構によれば、レール64の磨耗に伴って位置決め精度が低下する問題が解消される。ここで、ガイド部材90のガイド面90gも磨耗しうるが、ガイド面90gは、それに対して箱材10の外側フラップ2の端部が当接されることによって箱材10を位置決めするという単純な位置決め手段である。よって、ガイド面90gが磨耗した場合には、その磨耗の分だけガイド部材90を単純に移動させればよい。この目的で、包装装置は、ガイド部材90の位置を調整する位置調整機構95を備えることが好ましい。
【0017】
B領域を通過した箱材10は、次いで、C領域において、折り曲げられた内側フラップ1の外側表面の適所に糊が提供される。糊は、例えば、糊噴射ノズル30から内側フラップ1の適所に吹き付けられる。
【0018】
次いで、D領域、E領域を含むフラップ折曲領域40rにおいて、箱材10は、胴部(本体部)の残りの1辺が約90度折り曲げられて四角形の筒状にされるとともに、4つの外側フラップ2が鉛直方向に折り曲げられる。
【0019】
次いで、物品を包装した箱材10は、フラップ押圧領域50rを通して更に下流側に搬送される。この際に、箱材10は、外側フラップ2が内側フラップ1に押圧されながら外側フラップ2が内側フラップ1に確実に糊付けされて完全な箱になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】一般的な包装装置の部分的な構成を示す断面図である。
【図2】本発明の好適な実施形態の包装装置の構成を模式的に示す図である。
【図3】図2のB領域における包装装置の模式的な断面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 内側フラップ
2 外側フラップ
10 箱材
10S 箱材群
20 物品
30 糊噴射ノズル
40r フラップ折曲領域
50r フラップ押圧領域
60 搬送機構
62、64 レール
70 充填機構
80 ガイド機構
90 ガイド部材
90g ガイド面
95 位置調整機構
100 包装装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の箱材を箱形状に成形しながら該箱材によって物品を包装する包装装置であって、
搬送方向に箱材を搬送する搬送機構と、
前記搬送機構の第1側方から物品を押すことにより前記搬送機構によって搬送されている箱材の内面上に該物品を充填する充填機構と、
前記充填機構によって箱材の内面上に物品が充填される領域かつ前記搬送機構の第2側方に配置されていて、箱材をガイドするガイド部材とを備え、
前記ガイド部材は、前記充填機構が箱材の内面上に物品を充填する際に該箱材の外側フラップの端部が当接されるガイド面を有し、該外側フラップの端部が前記ガイド面に当接されることによって該箱材が位置決めされる、
ことを特徴とする包装装置。
【請求項2】
前記ガイド部材の位置を調整する位置調整機構を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−57065(P2009−57065A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−224583(P2007−224583)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【Fターム(参考)】