説明

化粧コンクリートの製造方法

【課題】 化粧コンクリートの製造工程において、コンクリート表面に粗骨材が顕れたり、気泡が残ったりしないようにして、コンクリート表面に繊細な意匠を表現する。
【解決手段】 打設するコンクリート10の下面に型枠20を設置して化粧面40を形成する場合に、構造用軽量コンクリート骨材を用いた軽量コンクリートを使用することにより、粗骨材を型枠20の定盤面まで沈めさせない。あるいは、型枠20の上面にモルタル50を打設し、当該モルタル50の上部に粗骨材を含むコンクリート10を打設することにより、粗骨材を型枠20の定盤面まで沈めさせない。また、打設するコンクリート10の側面に型枠20を設置して化粧面40を形成する場合に、高流動コンクリートを使用することにより、コンクリート10内における気泡の残留を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧コンクリートの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、表面に凹凸模様が形成された型枠のコンクリート接触面に剥離剤又は表面凝結遅延剤を介在させてコンクリートを打設し、所定の養生を行った後に、型枠を取り外して、コンクリート表面を洗い出すことにより、コンクリート表面に凹凸模様を形成する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリート製品の表面に、凹凸模様を形成することにより、意匠性の高いコンクリート製品を製造するための技術が種々提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に記載された技術は、プレハブ住宅の組み立てに使用するコンクリートパネルに関する技術である。すなわち、コンクリートの硬化を抑制する物質を含むインキで絵柄の印刷を施した基材シートを基板上に取り付けて型枠を形成し、この型枠内にコンクリートを打設して、絵柄の印刷に接している部分の硬化を抑制しながらコンクリートを硬化させる。そして、コンクリートが硬化した後に型枠を外して、硬化が抑制された部分をマット面(つや消しの外観を持ったコンクリート面)として形成し、それ以外の部分をグロス面(平滑なコンクリート表面)として形成する技術である。
【0004】
また、特許文献2に記載された技術は、コンクリート製品の表面に、コンクリートの素材感を活かした自然石調の凹凸模様を形成するための技術である。すなわち、表面に凹凸模様転写面が形成された化粧型枠を準備し、凹凸模様転写面に遅延剤層を形成する。そして、凹凸模様転写面を接触面にしてコンクリートを打設し、養生硬化後に化粧型枠を剥離し、得られたコンクリート製品の表面を洗い出して、内部の骨材を露出させる技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−35304号公報
【特許文献2】特開平10−193326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の技術では、コンクリート表面に、図形や写真等のように繊細な表現を形成しようとした場合、種々の問題が発生することがあった。例えば、プレキャストコンクリート板を用いて化粧コンクリートを製造する場合には、その製造工程において、型枠に接するコンクリートの表面を洗い出さなければならない。この際、コンクリートの表面近くに存在する粗骨材が顕れてしまい、コンクリート表面の所々に粗骨材が白く目立つようになり、意匠感を損ねることがあった。
【0007】
また、従来工法のコンクリート壁面に化粧面を形成する場合には、一般的に、密実なコンクリートを打設するためにバイブレータを使用する。この際、剥離剤や表面凝結遅延剤を用いて図形や写真等の絵柄を転写したシートを型枠に設置し、コンクリート打設後に、硬化していない部分を洗い出すことにより、コンクリート表面に絵柄を転写しようとすると、バイブレータがシートに接触し、シートが剥がれるおそれがある。このため、バイブレータを使用することができずに、コンクリート表面に気泡が残留し、コンクリート表面に繊細な意匠を表現することができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、化粧コンクリートの製造工程において、コンクリート表面に粗骨材が顕れたり、気泡が残ったりしないようにして、コンクリート表面に繊細な意匠を表現することが可能な化粧コンクリートの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の化粧コンクリートの製造方法は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明の化粧コンクリートの製造方法は、表面に凹凸模様が形成された型枠のコンクリート接触面に剥離剤又は表面凝結遅延剤を介在させてコンクリートを打設し、所定の養生を行った後に、型枠を取り外して、コンクリート表面を洗い出すことにより、コンクリート表面に模様凹凸模様を形成する技術である。
【0010】
この化粧コンクリートの製造方法において、打設するコンクリートの下面に凹凸模様が形成された型枠を設置して化粧面を形成する場合には、次の2つの方法のうちいずれか一方を用いることができる。第1の方法は、構造用軽量コンクリート骨材を用いた軽量コンクリートを使用すると共に、必要に応じてバイブレータによる締め固めを行うことを特徴とするものである。なお、バイブレータを使用するのは、打設する軽量コンクリートの性状等により、締め固めが必要な場合である。
【0011】
第2の方法は、型枠の上面にモルタルを打設し、当該モルタルの上部に粗骨材を含むコンクリートを打設することを特徴とするものである。
【0012】
また、打設するコンクリートの側面に凹凸模様が形成された型枠を設置して化粧面を形成する場合には、高流動コンクリートを使用することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の化粧コンクリートの製造方法は、上述した方法に加えて、コンクリート打設日を0日とした場合に、2日目以内にコンクリートの表面洗い出しを行うことが好ましい。
【0014】
また、本発明の化粧コンクリートの製造方法は、上述した方法に加えて、打設したコンクリートの圧縮強度が10〜30N/mm2の範囲において、コンクリートの表面洗い出しを行うことが好ましい。さらに、打設したコンクリートの圧縮強度が15〜25N/mm2の範囲において、コンクリートの表面洗い出しを行うことが、より一層好ましい。
【0015】
また、本発明の化粧コンクリートの製造方法は、上述した方法に加えて、打設したコンクリートの表面に対して散水を行うと共にブラシ掛けを行うことによりコンクリート表面の洗い出しを行い、コンクリートの圧縮強度が25N/mm2以上の場合には、必要に応じて高圧洗浄水を使用して、コンクリート表面の洗い出しを行うことが好ましい。なお、コンクリートの圧縮強度が25N/mm2以上の場合に高圧洗浄水を使用するのは、散水及びブラシ掛けだけでは、コンクリート表面に残留する剥離剤又は表面凝結遅延剤を十分に洗浄できない場合である。
【発明の効果】
【0016】
上述した構成からなる化粧コンクリートの製造方法によれば、打設するコンクリートの下面に凹凸模様が形成された型枠を設置して化粧面を形成する場合には、軽量コンクリートを用いたり、型枠の上面にモルタルを打設したりすることにより、粗骨材を型枠定盤(ベッド)面まで沈めることなく、化粧面を製造することができる。また、打設するコンクリートの側面に凹凸模様が形成された型枠を設置して化粧面を形成する場合には、高流動コンクリートを使用することにより、コンクリート内における気泡の残留を抑制することができる。これにより、コンクリート表面に繊細な意匠を表現することが可能となる。
【0017】
また、コンクリート打設日を0日とした場合に、2日目以内にコンクリートの表面洗い出しを行うことにより、洗い出すべきコンクリートは洗い出しに適した硬化度となり、洗い出すべきコンクリート以外の箇所は洗い出しに耐える硬化度となるため、凹凸模様を確実に形成することができる。
【0018】
また、打設したコンクリートの圧縮強度が10〜30N/mm2の範囲において、コンクリートの表面洗い出しを行うことにより、コンクリートの表面に粗骨材が顕れることなく、効率よく洗い出しを行うことができる。すなわち、打設したコンクリートの圧縮強度が10N/mm2未満の場合には、打設したコンクリート全体の硬化度合いが足りず、洗い出すべきコンクリート以外の箇所も洗い出されてしまうため、凹凸模様を確実に形成することができない。
【0019】
一方、打設したコンクリートの圧縮強度が30N/mm2を超える場合には、洗い出すべきコンクリートの硬化が進みすぎてしまい、凹凸模様を確実に形成することができない。さらに、打設したコンクリートの圧縮強度が15〜25N/mm2の範囲でコンクリートの表面洗い出しを行うことにより、さらに一層容易かつ確実に、凹凸模様を形成することができる。
【0020】
また、コンクリートの表面洗い出し工程において、コンクリートの表面に対して散水を行うと共にブラシ掛けを行うが、打設したコンクリートの圧縮強度が25N/mm2以上の場合、すなわち、コンクリートの硬化度合いが高い場合には、必要に応じて高圧洗浄水を使用することにより、コンクリートの硬化度合いに合わせて、適切な方法で、容易かつ確実に凹凸模様を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例1に係る化粧コンクリートの製造方法の説明図。
【図2】本発明の実施例2に係る化粧コンクリートの製造方法の説明図。
【図3】本発明の実施例3に係る化粧コンクリートの製造方法の説明図。
【図4】本発明の実施例4に係る化粧コンクリートの製造方法の説明図。
【図5】本発明の実施例5に係る化粧コンクリートの製造方法の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明に係る化粧コンクリートの製造方法の実施形態を説明する。図1〜図5は、本発明に係る化粧コンクリートの製造方法の実施例を示すものであり、図1〜図3は、コンクリートの打設工程における実施例であり、図4及び図5は、コンクリート表面の洗い出し工程における実施例である。
【0023】
<化粧コンクリートの製造方法の概要>
本発明の実施形態に係る化粧コンクリートの製造方法は、図1〜図5に示すように、コンクリート10の表面に、図形や写真等を表現するための化粧面(凹凸模様)40を形成するための技術に関するものである。この化粧コンクリートの製造方法は、表面に凹凸模様が形成された型枠20がコンクリート10と接触する面に剥離剤又は表面凝結遅延剤30を介在させてコンクリート10を打設し、所定の養生を行った後に、型枠20を取り外して、コンクリート10の表面を洗い出すことにより、コンクリート10の表面に化粧面(凹凸模様)40を形成するようになっている。
【0024】
また、本発明は、打設するコンクリート10の下面に凹凸模様が形成された型枠20を設置して化粧面40を形成する場合、すなわち、プレキャストコンクリート板を製造する場合と、従来工法により打設する壁面等に直接、化粧面40を形成する場合に適用することができる。この場合、型枠20の表面に直接、凹凸面を形成してもよいが、型枠20の表面に図形や写真等が描画されたフィルムを貼り付けることにより凹凸面を形成してもよい。例えば、剥離剤又は表面凝結遅延剤30等をインクとして、スクリーン印刷等の印刷技術を用いてフィルムに図形や写真等を描画する。そして、このフィルムを型枠20の表面に貼り付けることにより、型枠20の表面に図形や写真等からなる凹凸面を形成することができる。
【0025】
<コンクリートの打設工程>
まず初めに、コンクリート10の打設工程について説明する。上述したように、コンクリート10を打設する方法には、プレキャストコンクリート板を製造する場合(実施例1及び実施例2)と、従来工法により打設する壁面等に直接、化粧面40を形成する場合(実施例3)とがある。
【0026】
プレキャストコンクリート板の表面に化粧面40を形成する場合には、プレキャストコンクリート板製造用の型枠において、底面の型枠20として凹凸面が形成された型枠20を使用する。すなわち、打設するコンクリート10の下面に対向する底面の型枠20は、その上面に凹凸面が形成されており、凹凸面の表面には剥離剤又は表面凝結遅延剤30が存在している。この場合には、次の2つの方法(実施例1、実施例2)を選択的に用いることにより、粗骨材を型枠20の定盤(ベッド)面に沈めることなく、化粧面40を製造することができる。
【0027】
<実施例1>
実施例1は、図1に示すように、打設するコンクリート10として、構造用軽量コンクリート骨材を用いた軽量コンクリートを使用する方法である。この際、打設したコンクリート10の性状等に応じて、締め固めが必要な場合には、コンクリート10中にバイブレータを挿入して、締め固めを行う。なお、構造用軽量コンクリート骨材とは、JIS A5002に規定された骨材のことであり、軽量コンクリートとは、この構造用軽量コンクリート骨材を使用したコンクリートのことである。このように、構造用軽量コンクリート骨材を用いた軽量コンクリートを使用することにより、たとえバイブレータを使用して締め固めを行ったとしても、粗骨材が型枠20の定盤(ベッド)面まで沈下することがない。したがって、化粧面40を洗い出しても粗骨材が顕れることがなく、鮮明な凹凸模様を形成することができる。
【0028】
<実施例2>
また、実施例2は、図2に示すように、底面となる型枠20の上面にモルタル50を打設し、当該モルタル50の上部に粗骨材を含むコンクリート10を打設する方法である。このように、底面となる型枠20(凹凸模様を形成した型枠20)の上面にモルタル50を打設することにより、モルタル50に阻まれて粗骨材が型枠20の定盤(ベッド)面まで沈下することがない。したがって、化粧面40を洗い出しても粗骨材が顕れることがなく、鮮明な凹凸模様を形成することができる。
【0029】
<実施例3>
実施例3は、図3に示すように、打設するコンクリート10の側面に型枠20を設置して化粧面40を形成する場合であり、高流動コンクリートを使用することにより、コンクリート10内における気泡の残留を抑制することができる。なお、高流動コンクリートとは、所要スランプフローが50cm以上のコンクリート10のことである。このように、高流動コンクリートを使用することにより、コンクリート10内に気泡が残留せず、鮮明な凹凸模様を形成することができる。
【0030】
<コンクリートの表面洗い出し工程>
次に、コンクリート10の表面洗い出し工程について説明する。本発明では、コンクリート10の表面洗い出し工程において、コンクリート10の表面洗い出し時期を管理し、さらに、コンクリート10の表面洗い出し方法を規定することにより、コンクリート10の表面に繊細な意匠を表現することができる。
【0031】
<コンクリート表面の洗い出し時期の管理>
コンクリート10の表面洗い出し時期の管理には、コンクリート10の打設日からの経過日数を用いて洗い出し時期を管理する方法と、コンクリート10の圧縮強度を用いて洗い出し時期を管理する方法とがある。
【0032】
コンクリート10の打設日からの経過日数を用いて洗い出し時期を管理する方法では、コンクリート10の打設日を0日とした場合に、2日目以内にコンクリート10の表面洗い出しを行う。すなわち、コンクリート10の打設日からの経過日数を用いて洗い出し時期を管理する場合には、打設したコンクリート10の状態(硬化度合い)が、凹凸面を形成すべき表面付近においてコンクリート10を洗い出すことができ、それよりも内部ではコンクリート10が洗い流されない程度の範囲において、コンクリート10の表面洗い出しを行う。
【0033】
コンクリート10の圧縮強度を用いて洗い出し時期を管理する方法では、打設したコンクリート10の圧縮強度σB=10〜30N/mm2の範囲において、コンクリート10の表面洗い出しを行う。この場合、打設したコンクリート10の圧縮強度σB=15〜25N/mm2の範囲において、コンクリート10の表面洗い出しを行うことが好ましい。すなわち、打設したコンクリート10の状態(硬化度合い)が、凹凸面を形成すべき表面付近においてコンクリート10を洗い出すことができ、それよりも内部ではコンクリート10が洗い流されない程度の範囲において、コンクリート10の表面洗い出しを行う。
【0034】
<コンクリート表面の洗い出し方法>
コンクリート10の表面の洗い出し方法では、コンクリート10の圧縮強度に応じて、適切な洗い出し方法を採用する。すなわち、打設したコンクリート10の圧縮強度σBが25N/mm2未満の場合(実施例4)には、散水とブラシ掛けを併用した洗い出しを行い、打設したコンクリート10の圧縮強度σBが25N/mm2以上の場合(実施例5)には、必要に応じて高圧洗浄水を使用することにより、コンクリートの硬化度合いに合わせて、適切な方法で、容易かつ確実に凹凸模様を形成する。
【0035】
<実施例4>
実施例4は、打設したコンクリート10の圧縮強度σBが25N/mm2未満の場合に行う基本的な洗い出し方法であり、図4に示すように、コンクリート表面に対して散水を行うと共に、コンクリート10の表面にブラシ掛けを行うことにより、コンクリート10の表面を洗い出す。散水は、一般的に使用されている水道ホースを用いて、水道水を噴出させることにより行う。また、ブラシ掛けに用いるブラシは、例えば洗車用のブラシを用いることができる。
【0036】
<実施例5>
実施例5は、コンクリート10の圧縮強度σBが25N/mm2以上の場合に行う洗い出し方法であり、散水及びブラシ掛けだけでは、コンクリート10の表面に残留した剥離剤又は表面凝結遅延剤30を十分に除去することができない場合に、必要に応じて高圧洗浄水を使用して、コンクリート10の表面を洗い出す。
【0037】
なお、高圧洗浄水とは、20〜100kgf/cm2程度、一般的には40kgf/cm2程度の高圧水、又は高圧水と圧縮空気の混合体のことであり、電動式やエンジン式等の高圧洗浄水供給装置のノズルから噴出させることができる。高圧洗浄水供給装置は、一般的に市販されている洗車用、床面清掃用、壁面清掃用等の機器を使用することができる。また、ブラシ掛けに用いるブラシは、例えば洗車用のブラシを用いることができる。
【0038】
<剥離剤/表面凝結遅延剤>
本発明で使用する剥離剤又は表面凝結遅延剤30は、一般的に使用されている公知の剥離剤又は表面凝結遅延剤30を使用することができ、特に限定されるものではない。例えば、剥離剤としては、コンクリート10とのアルカリ化学反応により金属セッケン被膜を形成するもの、鉱物脂を主成分とするもの等があり、打設するコンクリート10の性状や形成する凹凸模様等に応じて適宜選択して使用することができる。また、表面凝結遅延剤としては、例えば、紫外線硬化樹脂、アルカリにより加水分解する物質、カルシウムイオンを吸着する物質等があり、打設するコンクリート10の性状や形成する凹凸模様等に応じて適宜選択して使用することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 コンクリート
20 型枠
30 剥離剤又は表面凝結遅延剤
40 化粧面
50 モルタル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に凹凸模様が形成された型枠のコンクリート接触面に剥離剤又は表面凝結遅延剤を介在させてコンクリートを打設し、所定の養生を行った後に、前記型枠を取り外して、前記コンクリート表面を洗い出すことにより、前記コンクリート表面に前記凹凸模様と同様の模様を形成する化粧コンクリート製造方法であって、
打設するコンクリートの下面に前記型枠を設置して化粧面を形成する場合には、構造用軽量コンクリート骨材を用いた軽量コンクリートを使用すると共に、必要に応じてバイブレータによる締め固めを行い、又は、前記型枠の上面にモルタルを打設し、当該モルタルの上部に粗骨材を含むコンクリートを打設し、
打設するコンクリートの側面に前記型枠を設置して化粧面を形成する場合には、高流動コンクリートを使用する、
ことを特徴とする化粧コンクリートの製造方法。
【請求項2】
コンクリート打設日を0日とした場合に、2日目以内にコンクリートの表面洗い出しを行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の化粧コンクリートの製造方法。
【請求項3】
打設した前記コンクリートの圧縮強度が10〜30N/mm2の範囲において、前記コンクリートの表面洗い出しを行い、より好ましくは、打設した前記コンクリートの圧縮強度が15〜25N/mm2の範囲において、前記コンクリートの表面洗い出しを行う、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧コンクリートの製造方法。
【請求項4】
打設した前記コンクリートの表面に対して散水を行うと共にブラシ掛けを行うことにより、前記コンクリート表面の洗い出しを行い、前記コンクリートの圧縮強度が25N/mm2以上の場合には、必要に応じて高圧洗浄水を使用して、前記コンクリート表面の洗い出しを行う、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧コンクリートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−223932(P2012−223932A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91709(P2011−91709)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000201478)前田建設工業株式会社 (358)
【出願人】(000112749)フジミ工研株式会社 (24)
【Fターム(参考)】