説明

化粧用エッジ材

【課題】板状の基材の側面に容易に貼付することができる化粧用エッジ材を提供することである。
【解決手段】透明エッジ材5の一面に紫外線硬化塗料を塗布して紫外線硬化塗料膜4を形成する。この紫外線硬化塗料膜4を基材1の側面3に密着させる。そして、透明エッジ材5を介して紫外線7を紫外線硬化塗料膜4に照射する。その結果、紫外線硬化塗料膜4は硬化すると共に、接着剤の役割もはたし、基材1の側面3に対して透明エッジ材5を接着固定する。紫外線硬化塗料膜4は、化粧効果を奏する膜であり、紫外線硬化塗料膜4による化粧と、基材1の化粧面2の化粧とが円滑に連続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状の基材の表面又は裏面の化粧と連続するように、基材の側面に貼付される化粧用エッジ材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
板状の基材の表面又は裏面に化粧板を設置し、基材の意匠的効果を向上させる発明が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−7908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図2は表面又は裏面に化粧面51を有する基材50の側面52に、従来の化粧用透明エッジ材56を貼付する直前の状態を仮想的に示した分解斜視図である。まず、透明エッジ材55の一面に化粧用の塗料を塗布して塗料膜54を形成する。この塗料膜54が形成された透明エッジ材55を基材50の側面52に貼付するため、塗料膜54に接着剤53を塗布する。すなわち、透明エッジ材55、塗料膜54、及び接着剤53によって化粧用エッジ材56が構成される。そして、この接着剤53によって透明エッジ材55が基材50の側面52に貼着される。
【0005】
ところで、図2に示すように基材50の側面52に化粧用エッジ材56を貼着する際、塗料膜54の上から接着剤53を均一に塗布する必要がある。しかし塗料膜54の上から接着剤53を均一に塗布するのは困難であり、接着剤の塗布に斑が生じ易い。その結果、化粧用エッジ材56を基材50の側面52に貼付して化粧効果を良好に発揮するのは困難になる。
【0006】
そこで本発明は、板状の基材の側面に容易に貼着することができる化粧用エッジ材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、板状の基材の側面に貼着する化粧用エッジ材であって、前記化粧用エッジ材は、透明なエッジ材に化粧効果を奏する紫外線硬化塗料が塗布されたものであり、前記基材の側面と、透明なエッジ材の間に紫外線硬化塗料の塗布部が配置された状態で、透明なエッジ材を通して紫外線硬化塗料の塗布部に紫外線を透過可能であることを特徴とする化粧用エッジ材である。
【0008】
請求項1の発明の化粧用エッジ材は、透明なエッジ材に化粧効果を奏する紫外線硬化塗料が塗布されたものであるので、紫外線を照射すると紫外線硬化塗料は硬化する。そして、この紫外線硬化塗料の塗布部が、基材の側面と透明なエッジ材の間に配置された状態で、透明なエッジ材を通して紫外線硬化塗料の塗布部に紫外線を透過可能であるので、基材の側面と透明なエッジ材とが、硬化する紫外線硬化塗料によって一体固着される。すなわち、別に接着剤を用いることなく紫外線硬化塗料が接着剤の役割も兼ね備え、基材に化粧用エッジ材を貼着することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の化粧用エッジ材は、化粧効果を奏する紫外線硬化塗料によって、基材の側面に対して接着剤なしで貼付することができる。すなわち、接着剤を塗布する作業が不要であり、容易に基材の側面に化粧用エッジ材を貼着して化粧効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)は本発明による化粧用エッジ材を基材の側面に貼付する直前の状態を仮想的に示した分解斜視図であり、(b)は(a)の化粧用エッジ材を基材に貼付した状態の斜視図である。
【図2】化粧面を有する板状の基材の側面に、従来の化粧用の透明エッジ材を貼付する直前の状態を仮想的に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の化粧用エッジ材の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明は、実施形態の理解を容易にするためのものであり、これによって、本発明が制限して理解されるべきではない。
【0012】
図1に示すように、基材1は表面側又は裏面側に化粧面2を有している。この基材1の側面3に化粧用エッジ材6を貼付する。まず、透明エッジ材5(例えば、ABS樹脂材等)の一面に紫外線硬化塗料を塗布し、紫外線硬化塗料膜4を形成する。図1(a)では、紫外線硬化塗料膜4を独立した部材のように描写しているが、実際には透明エッジ材5の一面に紫外線硬化塗料を噴霧して付着させたり、はけ等の塗布具で塗布することによって、塗料膜4を形成する。すなわち、紫外線硬化塗料膜4は、透明エッジ材5と一体である。
【0013】
そして、この透明エッジ材5の紫外線硬化塗料膜4側を基材1の側面3に密着させる。さらに図示しない紫外線照射器(紫外線ランプ)で紫外線7を照射する。図1(b)に示す紫外線7は透明エッジ材5を透過し、紫外線硬化塗料膜4に到達する。その結果、紫外線硬化塗料膜4は硬化し、基材1の側面3と透明エッジ材5とが強固に接着される。そして、紫外線硬化塗料膜4が硬化した後に、必要に応じて透明エッジ材5を面取り加工(エッジ処理)する。
【0014】
本発明の化粧用エッジ材6では、接着剤を使用することなく基材1の側面3と透明エッジ材5とを接着することができる。図2に示す従来例のように、接着剤53を使用すると、接着剤53と塗料膜54は硬化するまでは流動可能であるので、化粧用エッジ材56を良好に仕上げるのは困難であった。
【0015】
しかし、本発明を実施することにより、このような不具合は解消され、良好な化粧効果を奏する化粧用エッジ材6を基材1の側面3に容易に貼付することができる。その結果、基材1の化粧面2の化粧と、化粧用エッジ材6の化粧とが良好に連続する。
【符号の説明】
【0016】
1 基材
2 基材の化粧面
3 基材の側面
4 紫外線硬化塗料膜
5 透明エッジ材
6 化粧用エッジ材
7 紫外線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の基材の側面に貼着する化粧用エッジ材であって、
前記化粧用エッジ材は、透明なエッジ材に化粧効果を奏する紫外線硬化塗料が塗布されたことを特徴とする化粧用エッジ材。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−68031(P2013−68031A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208424(P2011−208424)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】