説明

化粧用紙収納ケース

【課題】2種類の化粧用紙を収納して便利に使用できる化粧用紙収納ケースを提供すること。
【解決手段】この発明の化粧用紙収納ケースは、1収納部と第2収納部2を有し、第1収納部1と第2収納部2に異種の化粧用紙3,4を収納できるようにした、1枚のシートを折り曲げて構成されたものとしている。シートは、第1上部5、第1底部、第2底部、第2上部8が直列に設けられ、第1底部及び第2底部は各側部にそれぞれ側部フラップを有し、さらに第1上部5及び第2上部8は各外端にそれぞれ外端フラップを有するものとし、これを折り曲げることにより化粧用紙収納ケースを作製することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、顔の皮膚の脂や化粧の除去、化粧料の塗布等の目的で使用される化粧用紙収納するためのケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
脂取り紙のような化粧用紙を収納するケースとしては、特許文献1に記載のような、1枚の紙を折り曲げて作製されたものがある。しかし、従来のこの種のケースは、化粧用紙を収納する部分が1つしかなく、1種類の化粧用紙しか収納することができないものであった。
【0003】
そのため、例えば脂取り紙と紙おしろいのように2種類の化粧用紙を携帯したい場合、2種類の化粧用紙を別々のケースに収納することになるが、その場合、これらのケースをポーチ等に収納すると、所望の化粧用紙を収納したケースを取り出そうとしても、間違って別の化粧用紙を収納したケースを取り出してしまうことが多く、また、余分なスペースをとることにもなり、極めて使い勝手の悪いものであった。
【特許文献1】特開2001−253429号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、この発明は、2種類の化粧用紙を収納して便利に使用できる化粧用紙収納ケースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、この発明は次のような技術的手段を講じている。
【0006】
この発明の化粧用紙収納ケースは、1収納部と第2収納部2を有し、第1収納部1と第2収納部2に異種の化粧用紙3,4を収納できるようにした、1枚のシートを折り曲げて構成されたものとしている。
【0007】
シートは、第1上部5、第1底部6、第2底部7、第2上部8が直列に設けられ、第1底部6及び第2底部7は各側部にそれぞれ側部フラップ60,70を有し、さらに第1上部5及び第2上部8は各外端にそれぞれ外端フラップ51,81を有するものとし、前記各側部フラップ60,70を内側に折り曲げ、第1上部5と第1底部6との間の折り目、及び第2上部8と第2底部7との間の折り目で内側に折り曲げ、そして、前記各外端フラップ51,81を内側に折り曲げて前記折り曲げられた各側部フラップ60,70の内側に差し込むことにより、第1上部5と第1底部6からなる第1収納部1と、第2上部8と第2底部7からなる第2収納部2を有するようにしたものとすることができる。
【0008】
第1上部5及び第2上部8が化粧用紙3,4を取り出すための開口部9,10を有しているとともに、その側部にそれぞれ側部フラップ50,80を有し、これら側部フラップ50,80が内側に折り曲げられて、それぞれ第1底部6及び第2底部7の折り曲げられた各側部フラップ60,70の上に位置し、これら第1上部5及び第2上部8の折り曲げられた各側部フラップ50,80の内側に化粧用紙3,4が保持されるようにしたものとすることもできる。
【0009】
さらに、いずれかの外端フラップ81に仕切り板11を延設したものとすることもできる。
【発明の効果】
【0010】
この発明の化粧用紙収納ケースは、上述のような構成を有しており、2種類の化粧用紙3,4を収納して便利に使用することが可能である。
【0011】
また、シートが、第1上部5、第1底部6、第2底部7、第2上部8が直列に設けられ、第1底部6及び第2底部7は各側部にそれぞれ側部フラップ60,70を有し、さらに第1上部5及び第2上部8は各外端にそれぞれ外端フラップ51,81を有するものとし、前記各側部フラップ60,70を内側に折り曲げ、第1上部5と第1底部6との間の折り目、及び第2上部8と第2底部7との間の折り目で内側に折り曲げ、そして、前記各外端フラップ51,81を内側に折り曲げて前記折り曲げられた各側部フラップ60,70の内側に差し込むことにより、第1上部5と第1底部6からなる第1収納部1と、第2上部8と第2底部7からなる第2収納部2を有するものとすることにより、シートの切断や糊付けを行うことなく、この化粧用紙収納ケースを容易に作製することが可能である。
【0012】
第1上部5及び第2上部8が化粧用紙3,4を取り出すための開口部9,10を有しているとともに、その側部にそれぞれ側部フラップ50,80を有し、これら側部フラップ50,80が内側に折り曲げられて、それぞれ第1底部6及び第2底部7の折り曲げられた各側部フラップ60,70の上に位置するとともに、これら第1上部5及び第2上部8の折り曲げられた各側部フラップ50,80の内側に化粧用紙3,4が保持されるようにすれば、開口部9,10から化粧用紙3,4を取り出せ、さらに、第1上部5及び第2上部8の折り曲げられた各側部フラップ50,80が、第1上部5と第1底部6の折り曲げられた側部フラップ60との間、及び第2上部8と第2底部7の折り曲げられた側部フラップ70との間に生じる隙間を小さくするとともに、第1底部6及び第2底部7の折り曲げられた各側部フラップ60,70の内側に差し込まれた各外端フラップ51,81を引き上げるので、この化粧用紙収納ケースは、第1収納部1と第2収納部2が隙間の少ない、しっかりと組み合わされ安定したものとなる。
【0013】
さらに、いずれかの外端フラップ81に仕切り板11を延設したものとすれば、第1収納部1と第2収納部2の一方に収納した化粧用紙の添加物等が、他方の収納部やそこから露出した化粧用紙にうつることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の好適な実施形態を、図面を参照して説明する。
【0015】
図1はこの発明の実施形態の化粧用紙収納ケースの展開状態の平面図、図2は化粧用紙収納ケースの組み立て途中で第1収納部1を構成している状態の説明図、図3は同組み立て途中で第2収納部2を構成している状態の説明図、図4は完成した化粧用紙収納ケースの斜視図、図5はこの化粧用紙収納ケースの第1収納部1の断面図、図6はこの化粧用紙収納ケースを閉じた状態の斜視図である。
【0016】
この発明の化粧用紙収納ケースは、第1収納部1と第2収納部2を有し、第1収納部1と第2収納部2に異種の化粧用紙3,4を収納できるようにした、1枚のシートを折り曲げて構成されたものとしている。
【0017】
前記シートは板紙であり、適宜の色や模様を付したものとすることができる。シートは、図1に示したように、第1上部5、第1底部6、第2底部7、第2上部8が順に直列に設けられている。これら各部の両側の側部(図1中の上縁部と下縁部)には、それぞれ側部フラップ50,60,70,80が設けられており、さらに第1上部5及び第2上部8の各外端にそれぞれ外端フラップ51,81が設けられている。また、第1底部6の第2底部7側には、比較的幅の小さい連結部61が設けられている。
【0018】
第1上部5、第1底部6、第2底部7、第2上部8、及びこれらの側部フラップ50,60,70,80、連結部61は、図中の線であらわされた折り目で区切られている。
【0019】
第1上部5及び第2上部8には、化粧用紙3,4を取り出すための開口部9,10が設けられている。第1上部5の開口部9は、略エ字状の切れ目90によって形成されており、第2上部8の開口部10は、長方形状の孔として形成されている。なお、両開口部9,10はともに略エ字状の切れ目によって形成されるもの、あるいは長方形状の孔として形成されるものとしてもよく、さらに、形状は図示した態様に限定されない。
【0020】
第2上部8の外端フラップ81には仕切り板11を延設している。仕切り板11は、仕切り板本体部110と折り返し部111とからなる。折り返し部111は前記外端フラップ81に折り目を介して接続した部分であり、前記折り目で折ったときに前記外端フラップ81とちょうど重なり合うように、前記外端フラップ81と対称な形状としている。仕切り板本体部110は、折り返し部111に折り目を介して接続した部分であり、この折り目で折って第1収納部1と第2収納部2間に立った状態、あるいは第1収納部1と第2収納部2のいずれかの側に倒れた状態とすることができるようにしている。なお、仕切り板11は、第1上部5の外端フラップ51に延設してもよい。
【0021】
この化粧用紙収納ケースを組み立てるには、まず、図2、図3に示したように、シートの各側部フラップ50,60,70,80を、それぞれ内側に折り曲げ、次に、第1上部5と第1底部6との間の折り目、及び第2上部8と第2底部7との間の折り目で内側に折り曲げる。そして、前記各外端フラップ51,81を内側に折り曲げて、前記外端フラップ51を第1底部6の前記折り曲げられた側部フラップ60の内側に差し込み、前記外端フラップ81を第2底部7の前記折り曲げられた側部フラップ70の内側に差し込む。このとき、第2上部8の外端フラップ81に延設された仕切り板11の折り返し部111も、前記外端フラップ81とともに差し込む。
【0022】
このようにシートの折り曲げ、差し込みの作業を行うことにより、図4に示したように、第1上部5と第1底部6からなる第1収納部1と、第2上部8と第2底部7からなる第2収納部2を有する化粧用紙収納ケースができる。
【0023】
化粧用紙3,4は、前記第1上部5及び第2上部8の各側部フラップ50,80を内側に折り曲げる際に、これら各側部フラップ50,80の内側に保持されるようにしておけば、化粧用紙収納ケースの完成時に収納された状態となる。
【0024】
また、化粧用紙3,4は、多数枚を単純に積層した状態で収納しても良いが、1枚ずつ二つ折りにし、上下の化粧用紙が互い違いに組み合わさるように積層し、最上段の化粧用紙が開口部9,10から一部露出した状態にして収納することにより、最上段の化粧用紙を引き出すと、次の化粧用紙が開口部9,10から一部露出した状態であらわれるようにすることができる。
【0025】
化粧用紙3,4は、脂取り紙、紙おしろい等であり、その他、パルプ、麻等を原料とする紙でアロエ成分やヒアルロン酸等を添加したり、適宜の色や模様を付したりしたものとすることができる。
【0026】
この化粧用紙収納ケースは、図5に示したように、第1上部5の開口部9の略エ字状の切れ目90によってできた左右の片90a,90bを、化粧用紙3を下から支える保持腕として利用することができる。
【0027】
この実施形態では、第1上部5及び第2上部8の側部フラップ50,80が内側に折り曲げられて、それぞれ第1底部6及び第2底部7の折り曲げられた各側部フラップ60,70の上に位置するため、第1上部5と第1底部6の折り曲げられた側部フラップ60との間、及び第2上部8と第2底部7の折り曲げられた側部フラップ70との間に生じる隙間が小さくなるとともに、第1底部6及び第2底部7の折り曲げられた各側部フラップ60,70の内側に差し込まれた各外端フラップ51,81が引き上げられるので、第1収納部1と第2収納部2が隙間の少ない、しっかりと組み合わされ安定したものとなっている。
【0028】
なお、シートは第1上部5及び第2上部8の各側部フラップ50,80を設けない構成として実施することも可能であり、その場合、化粧用紙3,4は、前記第1底部6及び第2底部7の各側部フラップ60,70を内側に折り曲げる際に、これら各側部フラップ60,70の内側に保持されるようにしておけばよい。
【0029】
また、この化粧用紙収納ケースは、仕切り板11により、第1収納部1と第2収納部2の一方に、紙おしろいのような表面に粉状の添加物等が付着した化粧用紙を収納した場合、この化粧用紙が一部露出しても、前記添加物が、他方の収納部やそこから露出した化粧用紙にうつることが防止され、化粧用紙を無駄にすることがない。
【0030】
さらに、第1上部5には、第1底部6側の位置に略コ字状の切れ目12が形成され、第2上部8には、第2底部7側の位置に線状の切れ目13が形成されており(図1参照)、図6に示したように、この化粧用紙収納ケースを連結部61の両側の折り目で内側に折り曲げ、前記略コ字状の切れ目12の内側の部分を、前記線状の切れ目13に差し込むことにより、閉じてコンパクトにした状態が保持されるようにすることが可能である。
【0031】
なお、この発明は、上述の実施形態の構成に限定されるものではなく、素材、形状、寸法等を適宜変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の実施形態の化粧用紙収納ケースの展開状態の平面図である。
【図2】この発明の実施形態の化粧用紙収納ケースの組み立て途中で、第1収納部を構成している状態の説明図である。
【図3】この発明の実施形態の化粧用紙収納ケースの組み立て途中で、第2収納部を構成している状態の説明図である。
【図4】この発明の実施形態の化粧用紙収納ケースの斜視図である。
【図5】この発明の実施形態の化粧用紙収納ケースの第1収納部の断面図である。
【図6】この発明の実施形態の化粧用紙収納ケースを閉じた状態の斜視図である
【符号の説明】
【0033】
1 第1収納部
2 第2収納部
3,4 化粧用紙
5 第1上部
6 第1底部
7 第2底部
8 第2上部
9,10 開口部
11 仕切り板
50,60,70,80 側部フラップ
51,81 外端フラップ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1収納部(1)と第2収納部(2)を有し、第1収納部(1)と第2収納部(2)に異種の化粧用紙(3)(4)を収納できるようにした、1枚のシートを折り曲げて構成されていることを特徴とする化粧用紙収納ケース。
【請求項2】
シートが、第1上部(5)、第1底部(6)、第2底部(7)、第2上部(8)が直列に設けられ、第1底部(6)及び第2底部(7)は各側部にそれぞれ側部フラップ(60)(70)を有し、さらに第1上部(5)及び第2上部(8)は各外端にそれぞれ外端フラップ(51)(81)を有するものとし、前記各側部フラップ(60)(70)を内側に折り曲げ、第1上部(5)と第1底部(6)との間の折り目、及び第2上部(8)と第2底部(7)との間の折り目で内側に折り曲げ、そして、前記各外端フラップ(51)(81)を内側に折り曲げて前記折り曲げられた各側部フラップ(60)(70)の内側に差し込むことにより、第1上部(5)と第1底部(6)からなる第1収納部(1)と、第2上部(8)と第2底部(7)からなる第2収納部(2)を有するようにしている請求項1記載の化粧用紙収納ケース。
【請求項3】
第1上部(5)及び第2上部(8)が化粧用紙(3)(4)を取り出すための開口部(9)(10)を有しているとともに、その側部にそれぞれ側部フラップ(50)(80)を有し、これら側部フラップ(50)(80)が内側に折り曲げられて、それぞれ第1底部(6)及び第2底部(7)の折り曲げられた各側部フラップ(60)(70)の上に位置し、これら第1上部(5)及び第2上部(8)の折り曲げられた各側部フラップ(50)(80)の内側に化粧用紙(3)(4)が保持されるようにしている請求項2記載の化粧用紙収納ケース。
【請求項4】
いずれかの外端フラップ(81)に仕切り板(11)を延設した請求項2又は3記載の化粧用紙収納ケース。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−217023(P2007−217023A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−40212(P2006−40212)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(301044004)富士紙化学株式会社 (3)
【Fターム(参考)】