説明

医療用具収納箱および医療用具セット

【課題】第1の医療用具が第2の医療用具からの荷重で押し潰されるのを確実に防止することができる医療用具収納箱および医療用具セットを提供すること。
【解決手段】医療用具収納箱2は、上蓋33a〜33dを有し、内部空間34内の下側の部分に第1の医療用具が収納される第1の箱体3と、内部空間34内の第1の医療用具よりも上側の部分に収納され、その収納状態で第2の医療用具を支持する第2の箱体4と備えている。第2の箱体4は、収納状態で上蓋33a〜33dのうちの上蓋33a、33b、33dに係合する係合片43b、43dを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用具収納箱、および、それを備える医療用具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
医療用具には、例えばチューブや当該チューブに連結された人工肺を有する体外循環装置がある。このような体外循環装置は、未使用状態では、可撓性を有するバッグに包装され、さらにその包装状態で箱体に収納されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来、体外循環装置が収納された箱体には、さらに他の医療用具(例えば体外循環装置とともに使用される医療用具)が収納される場合があった。この場合、体外循環装置上に直にトレイを設置し、当該トレイ上に前記他の医療用具を載置することが行われていた。しかしながら、このような載置方法では、前記他の医療用具からの荷重がトレイを介して体外循環装置に掛かり、その結果、体外循環装置のチューブに凹みなどの不本意な変形が生じたり、人工肺が破損したりするおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−148881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、第1の医療用具が第2の医療用具からの荷重で押し潰されるのを確実に防止することができる医療用具収納箱および医療用具セットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記(1)〜(9)の本発明により達成される。
(1) 底板と、該底板の縁部から立設した側壁と、該側壁の上部に設けられた少なくとも1枚の上蓋とを有し、前記底板と前記側壁と前記上蓋とで囲まれた内部空間内の前記底板側の部分に、第1の医療用具が収納される第1の箱体と、
前記内部空間内の前記第1の医療用具よりも上側の部分に収納され、その収納状態で第2の医療用具を支持する第2の箱体とを備え、
前記第2の箱体は、前記収納状態で前記上蓋に係合する少なくとも1枚の係合片を有することを特徴とする医療用具収納箱。
【0007】
(2) 前記第1の箱体は、前記上蓋を複数枚有し、該複数枚の上蓋が互いに重なり合うように折り畳まれるものであり、
前記係合片は、前記互いに重なり合う複数枚の上蓋の間で挟持される上記(1)に記載の医療用具収納箱。
【0008】
(3) 前記第1の箱体は、前記互いに重なり合う複数枚の上蓋のうちの下側に位置する上蓋に、前記第1の箱体を搬送するときに把持される把持部を有し、
前記把持部を把持して持ち上げた際に、前記互いに重なり合う複数枚の上蓋の前記係合片に対する挟持力が増加する上記(2)に記載の医療用具収納箱。
【0009】
(4) 前記第2の箱体は、底板と、該底板の縁部から立設した側壁とを有し、該側壁の上部に折り曲げ可能に前記係合片が設けられたものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の医療用具収納箱。
【0010】
(5) 前記係合片は、前記折り曲げられた状態で前記上蓋に係合する上記(4)に記載の医療用具収納箱。
【0011】
(6) 前記第2の箱体は、平面視で四角形をなすものであり、
前記係合片は、前記四角形の、少なくとも対向する2つの辺にそれぞれ配置されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の医療用具収納箱。
【0012】
(7) 前記第1の医療用具に装着され、前記係合片が前記上蓋に係合するまでの間、前記第2の箱体をその下側から支持する台座をさらに備える上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の医療用具収納箱。
【0013】
(8) 前記第1の医療用具および前記第2の医療用具は、それぞれ、可撓性を有する袋状の包材に包装されており、その包装された状態で前記内部空間内に収納される上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の医療用具収納箱。
【0014】
(9) 上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の医療用具収納箱と、
前記第1の箱体に収納される第1の医療用具と、
前記第2の箱体に支持される第2の医療用具とを備えることを特徴とする医療用具セット。
【0015】
また、本発明の医療用具収納箱では、前記第2の箱体は、前記係合片が前記上蓋に係合することにより、前記第2の医療用具からの荷重が前記第1の医療用具に掛かるのを防止または抑制する機能を有するのが好ましい。
【0016】
また、本発明の医療用具収納箱では、前記第1の医療用具および前記第2の医療用具は、それぞれ、可撓性を有するチューブを備えるのが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、第2の箱体は、第2の医療用具を支持するものであるため、第2の医療用具の荷重を受ける。この荷重は、第2の箱体の下方に位置する第1の医療用具に伝わりそうであるが、係合片を介して、当該係合片に係合する第1の箱体の上蓋に伝わることとなる。このような本発明によれば、前記荷重が第1の医療用具に掛かるのを確実に防止または抑制することができ、よって、第1の医療用具が総荷重で押し潰されるのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の医療用具セットの組立順序を示す斜視図である。
【図2】本発明の医療用具セットの組立順序を示す斜視図である。
【図3】本発明の医療用具セットの組立順序を示す斜視図である。
【図4】本発明の医療用具セットの組立順序を示す斜視図である。
【図5】本発明の医療用具セットの組立順序を示す斜視図である。
【図6】本発明の医療用具セットの組立順序を示す斜視図である。
【図7】図6中のA−A線断面図である。
【図8】第1の医療用具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の医療用具収納箱および医療用具セットを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図6は、それぞれ、本発明の医療用具セットの組立順序を示す斜視図、図7は、図6中のA−A線断面図、図8は、第1の医療用具を示す斜視図である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図8中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。また、図4〜図6は、それぞれ、部分断面斜視図であり、その断面には、ハッチングが施されている。
【0020】
図1〜図7に示すように、医療用具セット1は、第1の医療用具100と、第2の医療用具200a、200b、200cと、第1の医療用具100と第2の医療用具200a〜200cとを収納する医療用具収納箱(以下単に「収納箱」と言う)2とを備えている。
【0021】
第1の医療用具100と、第2の医療用具200a〜200cとは、互いに接続されて、体外循環回路を構成するものである。
【0022】
図1〜図3、図8に示すように、第1の医療用具100は、静脈リザーバ(貯血槽)102と、人工肺104と、動脈フィルタ105と、これらを接続する可撓性を有する複数本のチューブ108と、保持具とを有する。
【0023】
保持具は、静脈リザーバ102を保持するリザーバ保持具110と、人工肺104を保持する人工肺保持具111と、動脈フィルタ105を保持するフィルタ保持具112とを有し、リザーバ保持具110の下部に人工肺保持具111が連結され、リザーバ保持具110の側部にフィルタ保持具112が連結されている。
【0024】
そして、リザーバ保持具110に保持された静脈リザーバ102と、人工肺保持具111に保持された人工肺104とが、遠心ポンプ101を介して、複数本のチューブ108のうちの1本のチューブである第1チューブ108aにて接続されている。また、フィルタ保持具112に保持された動脈フィルタ105と、人工肺104とが、複数本のチューブ108のうちの1本のチューブである第2チューブ108bにて接続されている。
【0025】
静脈リザーバ102には、患者からの脱血チューブを接続し得る脱血チューブ接続部106が設けられている。また、動脈フィルタ105には、送血チューブを接続し得る送血チューブ接続部107が設けられている。また、脱血チューブ接続部106および送血チューブ接続部107に、脱血チューブおよび送血チューブが予め接続されていてもよい。
【0026】
このようにして第1の医療用具100が構成されている。また、第1の医療用具100は、図8に示すような起立した状態で使用されるものであるが、収納箱2に収納される際には傾倒した(寝かせた)状態で収納される。また、第1の医療用具100は、収納箱2に収納される際には、各チューブ108がそれぞれループ状に巻回されている(図1〜図3参照)。
【0027】
図3、図4に示すように、第2の医療用具200a〜200cは、それぞれ、可撓性を有するチューブ201を1本または複数本有している。そして、各チューブ201は、それぞれ、収納箱2に収納される際には、ループ状に巻回されている。
【0028】
なお、第2の医療用具200a〜200cは、それぞれ、チューブ201の他に、サッカー(汎用吸引チップ)、ヘモコンセントレータ等の医療用具、または、それらが接続されたチューブを有するものであってもよい。
【0029】
図1、図2に示すように、第1の医療用具100は、未使用状態では、袋状をなす包材300a、すなわち、袋体に包装されて(収納されて)いる。そして、第1の医療用具100は、包材300aに包装された包装状態で収納箱2(内部空間34内)に収納される。
【0030】
また、図3、図4に示すように、第2の医療用具200a〜200cも、それぞれ、未使用状態では、袋状をなす包材300bに包装されている。そして、第2の医療用具200a〜200cは、それぞれ、包材300bに包装された包装状態で収納箱2に収納される。
【0031】
包材300aと包材300bとは、大きさが異なること以外は、ほぼ同じ構成であるため、以下、包材300aについて代表的に説明する。
【0032】
包材300aは、可撓性を有し、第1の医療用具100を収納した際、当該第1の医療用具100の外形形状にならって変形することができる。これにより、第1の医療用具100を容易に収納することができる。
【0033】
この包材300aは、例えばその全表面積の10%以上が滅菌ガス透過性かつ菌不透過性を有する材料で構成されているのが好ましい。滅菌ガス透過性かつ菌不透過性を有する部分(以下、この部分を「ガス透過領域301」と言う)の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン等の合成樹脂材料からなる不織布等が挙げられる。
【0034】
また、包材300aのガス透過領域301を除く部分(以下、この部分を「透明領域302」という)は、実質的に透明になっており、包材300aの内部の視認性が確保されている。これにより、包材300a内の第1の医療用具100を視認することができる。透明領域302の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)等が挙げられる。
【0035】
このような包材300aを用いることにより、包材300aに第1の医療用具100を収納した状態で第1の医療用具100を包材300aごとエチレンオキサイドガス(EOG)滅菌することができ、さらに、その滅菌状態を維持することができる。
【0036】
図2〜図7に示すように、収納箱2は、外箱である第1の箱体3と、内箱である第2の箱体(トレイ)4と、台座5および6とを備えている。第1の箱体3、第2の箱体4、台座5および6は、それぞれ、段ボールシートを適宜切断し、組み立てることにより箱状等の所定の形状に形成されたものである。
【0037】
第1の箱体3は、第1の医療用具100、第2の医療用具200a〜200c、第2の箱体4、台座5および6を一括して収納するものである。図4〜図7に示すように、この第1の箱体3は、平面視で長方形をなす底板(第1の底板)31と、底板31の4つの辺(縁部)からそれぞれ立設した板状の側壁(第1の側壁)32a、32b、32c、32dとを有している。
【0038】
また、第1の箱体3は、側壁32aの上端(上部)に設けられた板状の上蓋33aと、側壁32bの上端に設けられた板状の上蓋33bと、側壁32cの上端に設けられた板状の上蓋33cと、側壁32dの上端に設けられた板状の上蓋33dとを有している。上蓋33aは、側壁32aとの境界部に形成された折り曲げ部331で側壁32aに対し折り曲げることができる。これと同様に、上蓋33bは、側壁32bに対し折り曲げることができ、上蓋33cは、側壁32cに対し折り曲げることができ、上蓋33dは、側壁32dに対し折り曲げることができる。このような折り曲げにより、上蓋33a〜33dをそれぞれ第1の箱体3の内側に向かって順に折り畳むことができる。このとき、上蓋33a〜33dのうちの上蓋33aが最も下側に位置し(図5、図7参照)、次いで、上蓋33a上に上蓋33b、33dが並んで重なり(図6、図7参照)、最後に、上蓋33b、33d上に上蓋33cが重なる(図7参照)。なお、折り畳まれた上蓋33a、33b、33dは、後述する収納状態の第2の箱体4の係合片43b、43cと係合する係合用上蓋となる。
【0039】
そして、第1の箱体3では、底板31と、側壁32a〜32dと、折り畳まれた上蓋33a〜33dとで囲まれた内部空間34が画成される。内部空間34は、その底板31側(下側)の部分が、第1の医療用具100、台座5および6が収納される第1の空間341となり、残り(上側)の部分が、第2の医療用具200a〜200c、第2の箱体4が収納される第2の空間342となる(図7参照)。
【0040】
第1の箱体3は、当該第1の箱体3を搬送するときに把持される把持部材(把持部)35を有している。把持部材35は、可撓性を有する帯状の部材で構成され、その両端部がそれぞれ上蓋33aの中央部に係合している。なお、把持部材35の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)等のような熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0041】
また、上蓋33b、33dには、それぞれ、内側に折り畳まれた状態で把持部材35と干渉するのを防止する逃げ部としての切欠き332が形成されている(図6参照)。
【0042】
第2の箱体4は、第1の箱体3の内部空間34の第2の空間342に収納された収納状態で、第2の医療用具200a〜200cを支持するものである。図3〜図7に示すように、この第2の箱体4は、平面視で長方形(四角形)をなす底板(第2の底板)41と、底板41の4つの辺(縁部)からそれぞれ立設した板状の側壁(第2の側壁)42a、42b、42c、42dとを有している。
【0043】
また、第2の箱体4は、側壁42a〜42dのうちの底板41の長手方向に(長辺に沿って)対向する側壁42bの上端(上部)と側壁42dの上端(上部)とにそれぞれ設けられた係合片(フラップ)43bと係合片(フラップ)43dとを有している。前述したように、係合片43b、43cは、第1の箱体3の上蓋33a、33b、33dに係合する部分である。
【0044】
係合片43bは、側壁42bとの境界部に形成された折り曲げ部431で側壁42bに対し折り曲げることができる。これにより、係合片43bを第2の箱体4の内側に向かって折り畳む(折り曲げる)ことができる。そして、図7に示すように、折り畳まれた状態の係合片43bは、上蓋33aに確実に係合することができる。また、係合片43bは、上蓋33aと重なり合う上蓋33bとの間で挟持されている。これにより、係合片43bは、折り畳まれた状態が確実に維持され、よって、不本意に外側に向かって展開するのが防止される。
【0045】
一方、係合片43dも、側壁42dとの境界部に形成された折り曲げ部431で側壁42dに対し折り曲げることができる。これにより、係合片43dを第2の箱体4の内側に向かって折り畳むことができる。そして、折り畳まれた状態の係合片43dも、上蓋33aに確実に係合することができる。また、係合片43dは、上蓋33aと重なり合う上蓋33dとの間で挟持されている。これにより、係合片43dは、内側に折り畳まれた状態が確実に維持され、よって、不本意に外側に向かって展開するのが防止される。
【0046】
ところで、図7に示すように、第2の箱体4は、第2の医療用具200a〜200cを支持するものであるため、第2の医療用具200aからの荷重と、第2の医療用具200bからの荷重と、第2の医療用具200cからの荷重との総和である総荷重Fを受ける。この総荷重Fは、第2の箱体4の直下に位置する第1の医療用具100に、台座5、6を介して伝わりそうであるが、係合片43b、43dを介して、当該係合片43b、43dに係合する上蓋33aに伝わることとなる。これにより、総荷重Fが第1の医療用具100に掛かるのを確実に防止(または抑制する)ことができ、よって、第1の医療用具100が総荷重Fで押し潰されるのを確実に防止することができる。以下これを「潰れ防止機能」と言う。
【0047】
第1の医療用具100は、チューブ108や人工肺104等を有しており、例えば、チューブ108が総荷重Fで不本意に変形して閉塞し続いた状態となったり、人工肺104が総荷重Fで破損したりするのが、潰れ防止機能によって確実に防止される。これにより、第1の医療用具100は、使用される際に好ましい状態が収納箱2内でも維持される。
【0048】
なお、図3、図4、図7に示すように、折り畳まれた係合片43bと、折り畳まれた係合片43dとの間には、間隙44が形成される。そして、間隙44を介して第2の医療用具200a〜200cを重ねて、第2の箱体4の内側に収納することができる。これら収納された第2の医療用具200a〜200cは、第2の箱体4で支持されることとなる。
【0049】
また、前述したように、係合片43bと係合片43dとは、底板41の長手方向に対向して配置されている。これにより、係合片43bと係合片43dとの距離をできる限り大きく確保することができ、よって、第1の箱体3内で第2の箱体4が安定して収納される。
【0050】
また、把持部材35を把持して収納箱2を上方に向かって持ち上げた際に、その持ち上げた分だけ上蓋33aも上方に向かって持ち上がる。このとき、上蓋33aの上蓋33bとの間で係合片43bを挟持する挟持力Fが増加するとともに、上蓋33aの上蓋33dとの間で係合片43dを挟持する挟持力Fも増加する(図7参照)。これにより、係合片43b、43dは、それぞれ、内側に折り畳まれた状態がより確実に維持され、よって、不本意に外側に向かって展開するのが確実に防止される。なお、各挟持力F、Fの増加は、収納箱2を複数積み重ねることによっても可能である。
【0051】
台座5と台座6とは、少なくとも係合片43b、43dが上蓋33aに係合するまでの間、第2の箱体4をその下側から支持し合うものである。これにより、係合片43b、43dと上蓋33aとを係合する係合操作を容易かつ迅速に行なうことができる。
【0052】
台座5は、第1の医療用具100に包材300a上から装着して用いられ、台座6は、第1の医療用具100の台座5と異なる位置に包材300a上から装着して用いられる。また、台座5と台座6とは、離間して配置される。
【0053】
台座5は、天板51と、天板51の下面側に設けられた装着部52とを有している。天板51は、第2の箱体4の下面に当接して、当該第2の箱体4を支持することができる部分である。装着部52は、第1の医療用具100の装着される部分(被装着部)の外形形状に対応した形状をなし、当該被装着部にはめ込むことができる。これにより、台座5を第1の医療用具100に確実に装着することができる。
【0054】
台座6は、天板61と、天板61の下面側に設けられた装着部62とを有している。天板61は、その大きさが天板51の大きさと異なっており、第2の箱体4の下面に当接して、当該第2の箱体4を支持することができる部分である。装着部62は、第1の医療用具100の装着される部分(被装着部)の外形形状に対応した形状をなし、当該被装着部にはめ込むことができる。これにより、台座6を第1の医療用具100に確実に装着することができる。
【0055】
次に、医療用具セット1の組立方法の一例について、図1〜図6を参照しつつ説明する。
【0056】
[1] まず、図1に示すように、包材300aに収納された第1の医療用具100を用意する。また、この他に、包材300bに収納された第2の医療用具200a〜200cと、収納箱2とを用意する。なお、収納箱2は、第1の箱体3と第2の箱体4と台座5と台座6とが組み立てられておらず、分解した状態となっている。
【0057】
[2] 次に、第1の医療用具100を第1の箱体3内に収納し、その後、台座5、6を第1の医療用具100の所定の箇所に相違着する。その後、第2の箱体4を台座5、6上に載置する(図3、図4参照)。このとき、第2の箱体4には、予め第2の医療用具200a〜200cが収納されていてもよいし、未だ第2の医療用具200a〜200が収納されていなくてもよい。後者の場合には、第2の箱体4を台座5、6上に載置した後に、第2の医療用具200a〜200cを収納することができる。
【0058】
また、図4に示すように、第1の箱体3は、予め上蓋33a〜33dがそれぞれ外側に向かって展開した状態となっている。これにより、第1の医療用具100や第2の箱体4を収納する作業を迅速に行なうことができる。
【0059】
[3] 次に、図5に示すように、第2の箱体4の係合片43bを矢印I方向に向かって一旦展開し、係合片43dを矢印I’方向に向かって一旦展開する。次に、第1の箱体3の上蓋33aを矢印II方向に向かって折り畳む。次に、係合片43bを矢印III方向に向かって折り畳み、係合片43dを矢印III’方向に向かって折り畳む。これにより、係合片43b、43dが上蓋33aに係合可能な状態となる。
【0060】
[4] 次に、図6に示すように、第1の箱体3の上蓋33bを矢印IV方向に向かって折り畳み、上蓋33dを矢印IV’方向に向かって折り畳む。次に、上蓋33cを矢印V方向に向かって折り畳む。次に、例えば粘着テープを用いて、上蓋33cを側壁32aに対し固定する。これにより、前述したように、第2の箱体4の係合片43b、43dがそれぞれ折り畳まれた状態が維持されて、第1の箱体3の上蓋33aに確実に係合する。この係合により、前記潰れ防止機能が発揮され、よって、第1の医療用具100が総荷重Fで押し潰されるが確実に防止されることとなる。
【0061】
以上、本発明の医療用具収納箱および医療用具セットを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、医療用具収納箱および医療用具セットを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0062】
また、第2の箱体での係合片の設置数は、前記実施形態では2枚であったが、これに限定されず、1枚または3枚以上であってもよい。
【0063】
また、第2の箱体は、前記実施形態では1段であったが、これに限定されず、複数段重ねられていてもよい。
【0064】
また、第1の医療用具と第2の医療用具とは、それぞれ、前記実施形態では体外循環回路を構成するものであったが、これに限定されず、例えば、廃棄用袋、添付文書、取扱説明書、体外循環装置以外の医療用具であってもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 医療用具セット
2 医療用具収納箱(収納箱)
3 第1の箱体
31 底板(第1の底板)
32a、32b、32c、32d 側壁(第1の側壁)
33a、33b、33c、33d 上蓋
331 折り曲げ部
332 切欠き
34 内部空間
341 第1の空間
342 第2の空間
35 把持部材(把持部)
4 第2の箱体(トレイ)
41 底板(第2の底板)
42a、42b、42c、42d 側壁(第2の側壁)
43b、43d 係合片(フラップ)
431 折り曲げ部
44 間隙
5 台座
51 天板
52 装着部
6 台座
61 天板
62 装着部
100 第1の医療用具
101 遠心ポンプ
102 静脈リザーバ(貯血槽)
104 人工肺
105 動脈フィルタ
106 脱血チューブ接続部
107 送血チューブ接続部
108 チューブ
108a 第1チューブ
108b 第2チューブ
110 リザーバ保持具
111 人工肺保持具
112 フィルタ保持具
200a、200b、200c 第2の医療用具
201 チューブ
300a、300b 包材
301 ガス透過領域
302 透明領域
総荷重
、F 挟持力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板と、該底板の縁部から立設した側壁と、該側壁の上部に設けられた少なくとも1枚の上蓋とを有し、前記底板と前記側壁と前記上蓋とで囲まれた内部空間内の前記底板側の部分に、第1の医療用具が収納される第1の箱体と、
前記内部空間内の前記第1の医療用具よりも上側の部分に収納され、その収納状態で第2の医療用具を支持する第2の箱体とを備え、
前記第2の箱体は、前記収納状態で前記上蓋に係合する少なくとも1枚の係合片を有することを特徴とする医療用具収納箱。
【請求項2】
前記第1の箱体は、前記上蓋を複数枚有し、該複数枚の上蓋が互いに重なり合うように折り畳まれるものであり、
前記係合片は、前記互いに重なり合う複数枚の上蓋の間で挟持される請求項1に記載の医療用具収納箱。
【請求項3】
前記第1の箱体は、前記互いに重なり合う複数枚の上蓋のうちの下側に位置する上蓋に、前記第1の箱体を搬送するときに把持される把持部を有し、
前記把持部を把持して持ち上げた際に、前記互いに重なり合う複数枚の上蓋の前記係合片に対する挟持力が増加する請求項2に記載の医療用具収納箱。
【請求項4】
前記第2の箱体は、底板と、該底板の縁部から立設した側壁とを有し、該側壁の上部に折り曲げ可能に前記係合片が設けられたものである請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用具収納箱。
【請求項5】
前記係合片は、前記折り曲げられた状態で前記上蓋に係合する請求項4に記載の医療用具収納箱。
【請求項6】
前記第2の箱体は、平面視で四角形をなすものであり、
前記係合片は、前記四角形の、少なくとも対向する2つの辺にそれぞれ配置されている請求項1ないし5のいずれかに記載の医療用具収納箱。
【請求項7】
前記第1の医療用具に装着され、前記係合片が前記上蓋に係合するまでの間、前記第2の箱体をその下側から支持する台座をさらに備える請求項1ないし6のいずれかに記載の医療用具収納箱。
【請求項8】
前記第1の医療用具および前記第2の医療用具は、それぞれ、可撓性を有する袋状の包材に包装されており、その包装された状態で前記内部空間内に収納される請求項1ないし7のいずれかに記載の医療用具収納箱。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の医療用具収納箱と、
前記第1の箱体に収納される第1の医療用具と、
前記第2の箱体に支持される第2の医療用具とを備えることを特徴とする医療用具セット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−39159(P2013−39159A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176323(P2011−176323)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】