説明

半導体ウェハの移し替え治具

【課題】溝付きケースに入っているウェハを一括して効率的に取り出すことができる治具を提供する。
【解決手段】一部が開口する略U字形断面の半円筒形状の側面と、半円筒形状の軸方向に端面とを有し、ウェハの外周に対し、U字形断面の開口部の平行に対向する内側端縁部で接触する半導体ウェハの移し替え治具。この治具のU字形断面の開口部を下にして、ウェハを複数枚収納して水平に載置された溝付きケースに重ね、両者を上下反転して複数枚のウェハを溝付きケースから前記治具に移し替え、ウェハをU字形断面の開口部の平行に対向する内側端縁部で保持した後、前記治具を起こして前記治具内部に保持した複数枚のウェハを隙間無く積層させ、積層した状態のウェハからウェハを1枚ごとあるいは積層状態のままで任意の枚数ごと取り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハの各製造過程において、ケースに収納された複数のウェハの一括取り出しと移し替えを行う治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウェハの各製造過程において用いられているウェハの収納ケースの内部には多数の平行な溝があり、各溝ごとにウェハが1枚ずつ収められている(例えば、図1(b)参照)。収納ケースからウェハを取り出し、別の容器に移し替えする際に、従来は1枚ずつバキュームピンセットや金属ピンセットを用いた手作業にてウェハを容器から抜き取っていた。しかし、手作業では、効率が上がらないばかりか、ハンドリング作業によるミス(ウェハ表裏の反転、ウェハの並び順間違え、ウェハの損傷)も発生した。
【0003】
かかる従来の移し替え作業を効率化するため、特許文献1には、6.35mmの収納ピッチで運搬ケースに収納された25枚の半導体ウェハを、半分の3.175mmの収納ピッチの容器本体内に移し替え、収納して移送、保管するウェハ容器が開示されている。特許文献1では、まず運搬ケースに収納された25枚の約半数を3.175mmピッチの容器の収納溝に1溝置きに移し替えした後、残る約半数を3.175mmピッチの容器の収納溝の空いている溝に移し替えることで、ウェハを運搬ケースから収納ピッチが半分の容器に移し替えて収納している。
【0004】
しかし、特許文献1の発明では、移し替え作業が2段階となるばかりでなく、移し替え後もウェハは溝に収まるので、ここから1枚ずつ取り出すには、従来と同様の手作業を行う必要があり、収納ピッチが半分になっている分だけ、取り出し作業はより困難となるといった不具合を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−318248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、従来技術の上記不具合を解消し、ウェハを収納する溝付きケースに入っているウェハをハンドリング作業によるミスなく一括して効率的に取り出すことができる治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、ウェハを溝付きケースから移し替える治具であって、一部が開口する略U字形断面の半円筒形状の側面と、半円筒形状の軸方向に端面とを有し、ウェハの外周に対し、U字形断面の開口部の平行に対向する内側端縁部で接触することを特徴とする半導体ウェハの移し替え治具である。
【0008】
請求項2の発明は、前記対向する内側端縁部間の距離をウェハの直径よりも小さくした半導体ウェハの移し替え治具である。
【0009】
請求項3の発明は、前記対向する内側端縁部間の距離をウェハの直径の90.0〜99.8%とした半導体ウェハの移し替え治具である。
【0010】
請求項4の発明は、U字形断面の内底部にウェハのオリエンテーションフラットに対応するフラット面を形成した半導体ウェハの移し替え治具である。
【0011】
請求項5の発明は、溝付きケースの開口部に対して半導体ウェハの移し替え治具の開口部を一致させて重ねる位置決め部を開口部に有する半導体ウェハの移し替え治具である。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の半導体ウェハの移し替え治具の使用方法であって、ウェハを複数枚収納して水平に載置された溝付きケースに、前記半導体ウェハの移し替え治具のU字形断面の開口部を下にして、半導体ウェハの移し替え治具を溝付きケースに重ね、両者を上下反転して複数枚のウェハを溝付きケースから半導体ウェハの移し替え治具に移し替え、ウェハをU字形断面の開口部の平行に対向する内側端縁部で保持した後、半導体ウェハの移し替え治具を起こして前記治具内部に保持した複数枚のウェハを隙間無く積層させ、積層した状態のウェハからウェハを1枚ごとあるいは積層状態のままで任意の枚数ごと取り出すことを特徴とする半導体ウェハの移し替え治具の使用方法である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明の半導体ウェハの移し替え治具は、溝を持たず、略円筒を軸方向に2分した形状としたので、軸方向に広い開口を有し、移し替え時のウェハの半径方向移動距離が極めて短く、ウェハへの衝撃が少なく、ウェハの破損を防止できる。移し替え後のウェハは溝に拘束されずに直接積層された状態となるので、ウェハの収納密度が高く、最もコンパクトに収納することができる。また、収納したウェハは任意の枚数で容易に治具の開口部から取り出すことができる。さらに半導体ウェハの移し替え治具の軸方向長さを長く取ることにより、複数の溝付きケースに収容されたウェハを一つの半導体ウェハの移し替え治具で同時に受け取ることができる。
【0014】
請求項2及び請求項3の発明では、前記移し替え治具のU字形断面の開口部の平行に対向する内側端縁部間の距離、すなわち、ウェハの外周と前記移し替え治具との接触点の2点間距離は、ウェハの直径よりも小さく、具体的にはウェハの直径の90.0〜99.8%に設定されるので、半導体ウェハの移し替え治具は、ウェハと対向する内側端縁部とによる楔効果によってウェハを適度な力で挟み持つことができる。
【0015】
請求項4の発明では、前記移し替え治具のU字形断面の内底部にウェハのオリエンテーションフラット対応するフラット面を形成したので、フラット面がウェハの回転を妨げてウェハの向きを維持できるとともに、移し替え時に向きの間違っているウェハがあったときには、向きの間違っているウェハが向きの正常なウェハよりも治具の開口部から飛び出すので、向きの間違っているウェハの発見が容易となる。
【0016】
請求項5の発明では、溝付きケースの開口部に対して半導体ウェハの移し替え治具の開口部を一致させて重ねる位置決め部を設けたので、両者を速やかに移し替え作業可能な一体状態とすることができ、また移し替え作業時に両者の開口部がずれることも防止でき、移し替え作業の効率化を図ることができる。
【0017】
本発明の半導体ウェハの移し替え治具の使用方法は、溝付きケースと半導体ウェハの移し替え治具の軸が水平な状態で両者を上下反転して移し替えが行われるので、ウェハは半径方向にわずかな距離を転動して移動するため、移動による衝撃が少なくウェハが破損しにくい。その後、半導体ウェハの移し替え治具を起こすことで移し替えられたウェハは半導体ウェハの移し替え治具の軸方向に移動し、隙間無く積層されるので、無駄な動きや衝撃が無く、ウェハの品質を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)本発明の半導体ウェハの移し替え治具の斜視図である。(b)溝付きケースの斜視図である。
【図2】本発明の半導体ウェハの移し替え治具の断面図である。(a)当前記治具の側面断面図であり、(b)のB−B矢視断面図である。(b)当前記治具の正面断面図であり、(a)のA−A矢視断面図である。
【図3】本発明による半導体ウェハの移し替え工程を示す側面断面図である。(a)溝付きケースに半導体ウェハの移し替え治具を被せた状態を示す。(b)溝付きケースと半導体ウェハの移し替え治具を一体として横転させた状態を示す。(c)溝付きケースと半導体ウェハの移し替え治具を上下逆にし、溝付きケース内のウェハを半導体ウェハの移し替え治具に移し替えた状態を示す。
【図4】本発明の半導体ウェハの移し替え治具を起こす過程を示す正面断面図である。(a)半導体ウェハの移し替え治具を水平から45°起こした状態を示す。(b)半導体ウェハの移し替え治具を水平から85°起こした状態を示す。
【図5】本発明の他の実施例を示す側面断面図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
半導体ウェハは単結晶インゴットをワイヤソーなどでスライスした後、研磨工程や焼鈍工程など多くの工程を経て半導体素子となる。スライスされたウェハがこれらの工程間を搬送される場合、多くは前述の溝付きケースに収められた状態で搬送され、各工程に供給されるが、ウェハを溝付きケースから一括して取り出し、積層して供給したほうが好ましい場合もある(例えば、アニール工程)。このような場合に、溝付きケースに収納されたウェハを一括して取り出す方法を検討した結果、得られたのが本発明の半導体ウェハの移し替え治具およびその使用方法である。
【0020】
本発明の治具を図1及び図2によって具体的に説明する。図1(a)は本発明の半導体ウェハの移し替え治具1の斜視図であり、ウェハ2を保持した状態を示している。図1(b)は溝付きケース3の斜視図であり、ウェハ2が溝4に収納された状態を示している。また、図2(a)は前記治具1の側面断面を示し、図2(b)は同治具1の正面断面を示す。半導体ウェハの移し替え治具1は、溝付きケース3から受け取った複数のウェハ2を、一時的に立設して保持する。
【0021】
半導体ウェハの移し替え治具1は、略U字形断面の半円筒形状の側面1aと、半円筒形状の軸方向に端面1bとを有し、その略U字形断面の開口部の平行に対向する内側端縁部1cでウェハ2の外周2aと2点Pで接するように、対向する内側端縁部1c間の距離(接触点Pの2点間距離)をウェハ2の直径より小さめに設定してある。もし、上記の距離がウェハ2の直径より大きい場合、ウェハ2は半導体ウェハの移し替え治具1の内底部に接触してしまい、この場合、図2に示す水平状態では、特にウェハ2の立設状態を維持しづらく、ウェハ2が倒れてしまう。そこで、本発明の開口部の対向する内側端縁部1c間の距離は、ウェハ2をその重心がある直径近くで支え、かつ、特に半導体ウェハの移し替え治具1が水平状態のときは、ウェハ2の自重が接触点Pで楔作用を生じ、ウェハ2の配列ピッチを溝を持たないにもかかわらず維持することができる寸法としている。2点Pを軸としてウェハが回転しようとすれば、半導体ウェハの移し替え治具1の端面(蓋)1b内側に接触するか、隣接するウェハ2に接触して、回転は抑制される。なお、平行に対向する内側端縁部1c間の距離は、具体的にはウェハの直径の90.0〜99.8%である。
【0022】
図3は本発明による半導体ウェハの移し替え工程を示す側面断面図である。まず、図3(a)は、複数のウェハ2を溝4に収納し、水平に置かれた溝付きケース3の開口部に、空の半導体ウェハの移し替え治具1をU字形断面の開口部を下向きとして被せ、二つを一体とした状態を示す。この一体化により、両者の内部空間は、ウェハ2の移動を許容する状態となる。図3(b)は、一体とした溝付きケース3と半導体ウェハの移し替え治具1とを右回りに90°回転させた状態を示す。このとき溝付きケース3から半導体ウェハの移し替え治具1にウェハ2が転動して移動する。図3(c)は、さらに溝付きケース3と半導体ウェハの移し替え治具1を右回りに90°回転させ、図3(a)に示す初期の状態に対し、上下逆となった状態を示す。このときウェハ2は、完全に半導体ウェハの移し替え治具1に自重を移し、空となった溝付きケース3は、取り去られる。この状態で半導体ウェハの移し替え治具1は、図1(a)及び図2に示す状態であり、ウェハ2はその外周2aの2点Pにて半導体ウェハの移し替え治具1の略U字形断面の開口部の平行に対向する内側端縁部1cと接し、自重を支持される。この後、半導体ウェハの移し替え治具1は水平状態から起こされ、ウェハ2は積層状態となる。
【0023】
図4は本発明の半導体ウェハの移し替え治具1を図2に示す状態から起こす過程を示す正面断面図である。図4(a)は、半導体ウェハの移し替え治具1を水平から45°起こした状態を示す。ウェハ2は、半導体ウェハの移し替え治具1が水平状態のときは、溝付きケース3の溝4のピッチで半導体ウェハの移し替え治具1に移され、保持されるが、これを45°起こした状態では、ウェハ2は重力の作用により、その外周2aの2点Pにて半導体ウェハの移し替え治具1の対向する内側端縁部1cと接しながら、下方に移動し、ウェハ間のピッチが狭まる。図4(b)は、さらに半導体ウェハの移し替え治具1を起こし、水平から85°とした状態を示す。この状態では、ウェハ2はその外周2aの2点Pにて半導体ウェハの移し替え治具1の略U字形断面の対向する内側端縁部1cとなお接しているものの、ウェハ2に働く重力の作用の増大にともなう接触圧力の低下による摩擦力減少で、ウェハ2はさらに下方に移動し、ウェハ間の隙間がなくなり、密着する。そして、複数枚のウェハ2は、移し替え治具1の端面1bの内面に積層した状態となる。
【0024】
半導体ウェハの移し替え治具1が水平の状態では、ウェハ2は一定ピッチを維持して安定して保持されるので、ウェハ間に隙間が多く、ウェハ2を半導体ウェハの移し替え治具1から1枚づつ取り出す作業も、従来技術のごとくウェハ2が溝付きケースの溝に入った状態よりは容易であるものの、十分とはいえない。そこで、半導体ウェハの移し替え治具1を起こすことにより、ウェハ2と半導体ウェハの移し替え治具1との接触点Pにおける摩擦力を低減し、ウェハ2をゆるやかに落下させることによって、ウェハ同士を積層することとした。以下に、本発明の一実施例を説明するが、本発明の範囲が実施例によって限定されるものではない。
【実施例1】
【0025】
本発明の一実施例として、溝付きケース(寸法:奥行142mm、幅94mm、高さ83mm、溝ピッチ4.8mm)に収納されたウェハ(寸法:直径76.2mm、厚さ0.5mm)25枚を本発明の半導体ウェハの移し替え治具1としての半筒状の移し替え治具(外形寸法:奥行100mm、幅87mm、高さ45mm、収納部寸法:奥行90mm、幅(対向する内側端縁部1c間の距離)76mm、深さ39mm、材質:硬質塩化ビニル製)へ移し替えた。
【0026】
1ケースにつきウェハ25枚入りの溝付きケース4つからウェハを別のケースへ移し替える作業において、従来のハンドリングにて移し替えを行なう場合は、移し替えに1ケースで35秒、空のケースを移動し新たなケースの準備に5秒を費やしており、これを4回繰り返すと35秒+5秒+35秒+5秒+35秒+5秒+35秒=155秒の作業時間がかかっていた。これを本発明としての半筒状の移し替え治具を用いて行なうと、溝付きケースから半筒状の移し替え治具への移し替えに7秒、空のケースを移動し新たなケース準備に5秒を費やし、これを4回繰り返すと、7秒+5秒+7秒+5秒+7秒+5秒+7秒=43秒となり、従来の方法より1/3以下の時間にて作業を終えることができた。また、半筒状の移し替え治具によるウェハの保持も良好であった。なお、半筒状の移し替え治具の材質は、本実施例で用いたある程度の弾性をもつ樹脂等の他、金属で作製してもよい。以上の結果を表1に示す。
【0027】
【表1】

【実施例2】
【0028】
本発明の別の実施態様として、溝付きケースから本発明の治具へウェハが移動する際、ウェハの移動距離をほぼゼロに近くにすることも可能である。具体的には、図5(a)に示すごとく、本発明の治具1の断面形状を扇型とし、ウェハの収納部の深さを浅くしたものを用いる。この扇型状の半導体ウェハの移し替え治具1を用いれば、移し替え治具1を溝付きケース3に被せたときに、溝付きケース3に入っているウェハ2の外周2aと移し替え治具1の内側端縁部1cとを密着寸前の状態とすることができ、移し替え治具1と溝付きケース3とを上下反転した際に、ウェハ2の移動距離をほぼゼロで移し替えが可能である。
【実施例3】
【0029】
図5(b)は、半導体ウェハの移し替え治具1のU字形断面の内底部にウェハ2のオリエンテーションフラット5に対応するフラット板6を設けた例を示している。このように、移し替え治具1の底部にフラット面を形成すれば、フラット面がウェハの回転を妨げてウェハの向きを維持できるとともに、移し替え時に向きの間違っているウェハがあったときには、向きの間違っているウェハが向きの正常なウェハよりも治具の開口部から飛び出すので、向きの間違っているウェハの発見が容易となる。なお、オリエンテーションフラットとは、ウェハの結晶方位を判別するための切欠きである。
【実施例4】
【0030】
図6(a)及び図6(b)に示す例は、溝付きケース3の開口部に対して半導体ウェハの移し替え治具1の開口部を一致させて重ねるための位置決め部7を半導体ウェハの移し替え治具1の開口部に設けるとともに、転がり防止用の平面部8を半導体ウェハの移し替え治具1の側面1aに設けたものである。位置決め部7を溝付きケース3に形成されている位置決め溝9に嵌め込むことにより、溝付きケース3と前記移し替え治具1とは、ウェハ2が溝付きケース3の溝4から前記移し替え治具1の内部へ移動し得る状態で位置決めされ、一体化される。この例では、半導体ウェハの移し替え治具1の位置決め部7は、溝付きケース3に形成されている位置決め溝9に嵌め込まれるが、一方を位置決めピン、他方を位置決め穴としてもよい。また、半導体ウェハの移し替え治具1又は溝付きケース3の一方を他方にインロー式で嵌め込むものであってもよい。
【0031】
以上で説明した実施例では、半導体ウェハの移し替え治具1は、略U字形断面を有しているが、断面形状は、一部が開口し、開口部の対向する内側端縁部によってウェハ2をその重心がある直径近くの2点で挟んで保持しうる形状であればよい。例えば、断面形状を一辺が開口した矩形や台形とし、その開口部の平行に対向する内側端縁部によってウェハ2をその直径近くの2点で挟んで保持するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 半導体ウェハの移し替え治具
1a 側面
1b 端面
1c 内側端縁部
2 ウェハ
2a 外周
3 溝付きケース
4 溝
5 オリエンテーションフラット
6 フラット板
7 位置決め部
8 平面部
9 位置決め溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハを溝付きケースから移し替える治具であって、一部が開口する略U字形断面の半円筒形状の側面と、半円筒形状の軸方向に端面とを有し、ウェハの外周に対し、U字形断面の開口部の平行に対向する内側端縁部で接触することを特徴とする半導体ウェハの移し替え治具。
【請求項2】
前記対向する内側端縁部間の距離は、ウェハの直径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェハの移し替え治具。
【請求項3】
前記対向する内側端縁部間の距離は、ウェハの直径の90.0〜99.8%であることを特徴とする請求項2に記載の半導体ウェハの移し替え治具。
【請求項4】
前記U字形断面の内底部にウェハのオリエンテーションフラットに対応するフラット面を形成したことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の半導体ウェハの移し替え治具。
【請求項5】
溝付きケースの開口部に対して半導体ウェハの移し替え治具の開口部を一致させて重ねる位置決め部を開口部に有することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の半導体ウェハの移し替え治具。
【請求項6】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の半導体ウェハの移し替え治具の使用方法であって、ウェハを複数枚収納して水平に載置された溝付きケースに、前記半導体ウェハの移し替え治具のU字形断面の開口部を下にして、半導体ウェハの移し替え治具を溝付きケースに重ね、両者を上下反転して複数枚のウェハを溝付きケースから半導体ウェハの移し替え治具に移し替え、ウェハをU字形断面の開口部の平行に対向する内側端縁部で保持した後、半導体ウェハの移し替え治具を起こして前記治具内部に保持した複数枚のウェハを隙間無く積層させ、積層した状態のウェハからウェハを1枚ごとあるいは積層状態のままで任意の枚数ごと取り出すことを特徴とする半導体ウェハの移し替え治具の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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