説明

半導体カラー調節可能広帯域光源及びフルカラーマイクロディスプレイ

光源装置の利用及び製造に使用可能な方法及びシステムが提供される。第一の発光ダイオードは第一の波長を有する光を発し、第二の発光ダイオードは第二の波長を有する光を発する。第一の発光ダイオードは、その第一の発光ダイオードの頂部に向かう方向に入射光を反射する傾斜ファセットを備え得る。第二の発光ダイオードは、その第二の発光ダイオードの頂部に向かう方向に入射光を反射する傾斜ファセットを備え得る。第一の分布ブラッグ反射器が第一の発光ダイオードの頂部と第二の発光ダイオードの底部との間に配置されて、第一の発光ダイオードからの光を通過させ且つ第二の発光ダイオードからの光を反射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2008年10月3日出願の米国仮出願第61/102760号の優先権を主張し、その内容全体は参照として本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、発光ダイオード(LED)デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
LEDは光電子デバイスであり、注入された電子及び正孔が放射的に再結合することによって発光する。特定の光電子デバイスにおける活性材料のバンドギャップに応じて、LEDは、紫外線から赤外線までの多様な波長範囲で発光することができる。しかしながら、最も関心のある光の波長は可視光領域である。可視光スペクトル(典型的には略400nm(紫色)から略700nm(赤色))で発光するLEDは、人間の眼に見えるので、照明目的に有用である。可視光波長で発光するために、III族及びV族元素(つまり周期表の三列目と五列目)のガリウム(Ga)、インジウム(In)及び窒素(N)が用いられることが多い。これらの材料は、周期表の他の列の不純物でドープされることが多く、電気的に活性になり、伝導状態から価電子状態への電子の再結合によって発光する。
【0004】
上述のデバイスは、(In,Ga)N材料グループのものであると称される。この材料系から製造されるLEDが利用されてきている。LEDは典型的に、単一のスペクトルピーク及び狭い線幅(例えば略30nm)で発光する単色光源を含む。(In,Ga)N材料系を用いて製造されるLEDは、その材料系におけるインジウム配合を変更することによって、略380nm(近紫外線)から略540nm(つまり緑色)の範囲の単色光を発することができる。こうした単色性を備えたLEDは、単一の色のみが必要とされる光インジケータ等の応用において有用である。
【0005】
一方、白色光は、広帯域の多色光であり、単一のLEDで直に発生させることはできない。しかしながら、LEDを、多数の離散的又は連続的な波長で発光させることができれば、結果としてのスペクトルが多色となり、そのようなLEDからの放出が白色に見える。このことは、白色光が照明目的に理想的であることが多いので、有用となり得る。照明光源としてのLEDは、照明効率、寿命及びスペクトル純度に関して、白熱ランプや蛍光灯等の従来の照明技術に優っている。
【0006】
広帯域LED光源の従来の製造方法は大きく分けてある。第一の方法は、色の下方変換に蛍光体を用いる。蛍光発光材料は、特定波長の放射に晒された際に発光する材料であり、発光ダイオード(LED)における色の変換用に従来から用いられている。デバイスが高エネルギー光子を放出して、蛍光体がそれを吸収して、低エネルギーの異なる色の光子を再放出する。
【0007】
このような蛍光体は、短波長の光子を吸収し、長波長の光子を再放出する。白色発光用に、緑色及び赤色の発光蛍光体が使用可能である。どのような形態の色の変換であってもエネルギー損失を含むことが観測される。緑色蛍光体が最大90%の量子効率を有する一方で、赤色蛍光体の量子効率は典型的に40%程度に制限される。これは、低い壁コンセント効率を意味する。
【0008】
このような色の下方変換法において、460nm(青色)で発光するInGaN LED等の短波長単色LEDを、励起光源として使用することができる。このような光を用いて、緑色及び赤色等の長波長で発光する蛍光体における発光を励起することができる。結果としての光は、可視光スペクトルの異なる部分の成分で構成されていて、広帯域光であるとされる。蛍光体粒子は小さくて(例えばナノメートルスケール)裸眼では識別不能なので、異なる色の割合が正しいものであれば、放出される光は白色に見える。この白色光の発生方式は蛍光灯におけるものと同様である。
【0009】
しかしながら、蛍光体には多くの欠点があり、限られた寿命、ストークス波のエネルギー損失、低い信頼性、低い発光効率等が挙げられる。
【0010】
広帯域LED光源の他の製造方法は、離散的な複数のLEDチップを単一のパッケージ上に搭載することである。これは、マルチチップLEDと称されることが多くて、光の原色(つまり青色、緑色及び赤色)で発光するLEDが単一のパッケージ上に搭載されている。しかしながら、白色光の発光はこの方法を用いたのでは達成することができない。各LEDチップは典型的に100マイクロメートルを超える寸法のものであり、LEDチップの離隔も同じオーダのものである。結果として、LEDの強度が大幅に低下してしまうような非常に離れた場所に置かない限りは、色が均一化されず、裸眼の眼にも離散的な色に見えてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0227144号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0047742号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/0145174号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0291207号明細書
【特許文献5】米国特許第6882379号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2005/0277270号明細書
【特許文献7】中国特許出願公開第1231519号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来技術の欠点を解決するため、本発明は、半導体カラー調節可能広帯域光源及びフルカラーマイクロディスプレイ並びにそれらの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第一の態様によると、本発明は、第一の波長を有する光を発するための第一の発光ダイオードであって、その第一の発光ダイオードの頂部に向かう方向に入射光を反射する傾斜ファセットを備えた第一の発光ダイオードと; 第二の波長を有する光を発するための第二の発光ダイオードであって、第一の発光ダイオードの頂部上に配置されていて、その第二の発光ダイオードの頂部に向かう方向に入射光を反射する傾斜ファセットを備えた第二の発光ダイオードと; 第一の発光ダイオードの頂部と第二の発光ダイオードの底部との間に配置されて第一の発光ダイオードからの光を通過させ且つ第二の発光ダイオードからの光を反射する第一の分布ブラッグ反射器とを備えた光源装置を提供する。
【0014】
第二の態様によると、本発明は、単色マイクロディスプレイの積層体を備えた光電子デバイスであって、その単色マイクロディスプレイの積層体が、第一の波長を有する光を発する第一のマイクロディスプレイと; 第一の波長と異なる第二の波長を有する光を発する少なくとも一つの第二のマイクロディスプレイと; 第一のマイクロディスプレイと少なくとも一つの第二のマイクロディスプレイとの間に配置されて第一のマイクロディスプレイからの光を通過させ且つ少なくとも一つの第二のマイクロディスプレイからの光を反射する分布ブラッグ反射器とを備えた、光電子デバイスを提供する。
【0015】
第三の態様によると、本発明は、傾斜ファセットを備えてダイシングされたチップを形成するためのレーザ微細機械加工に基づいた電子デバイス及び光電子デバイスのウェーハダイシング方法であって、複数の製造済デバイスを上面に備えた加工済ウェーハを提供するステップと; ウェーハダイシング用にウェーハ表面にレーザビームを向けるステップと; レーザビームをレーザミラーから反射するステップであって、垂直軸からの或る傾斜角で加工済ウェーハに入射し、入射ビームが、半導体、金属又は絶縁体を除去することによって入射点にトレンチを形成するステップと; レーザビームが加工済ウェーハ上のデバイス周囲にトレンチを形成するように加工済ウェーハを並進移動させるステップとを備えたウェーハダイシング方法を提供する。
【0016】
特に断らない限り図面全体にわたって同様の参照符号が同様の箇所に付されている添付図面を参照して、非限定的且つ非排他的な態様について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明によるLED積層体を示す。
【図2】本発明による赤色LEDデバイス、緑色LEDデバイス、青色LEDデバイスに選択的に電力供給することによって生成可能な異なる色の光の例を示す。
【図3】本発明による赤色LEDデバイス、緑色LEDデバイス、青色LEDデバイス内を光ビームが伝播することができる多様な角度を示す。
【図4】本発明による三層LED積層体の概略図を示す。
【図5】本発明による組み立てられた三層LED積層体の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。
【図6】本発明による第一の分布ブラッグ反射器(DBR)及び第二のDBRの層の屈折率スペクトルを示す。
【図7】本発明によるLED積層体からの単色の青色発光及び対応するスペクトルを示す。
【図8】本発明による青色及び赤色の発光を混合することによるLED積層体からの多色のピンク色発光及び対応するスペクトルを示す。
【図9】本発明によるLED積層体によって放出される多様な範囲の色及び対応するスペクトルを示す。
【図10】本発明による赤色、緑色及び青色の三つのマイクロディスプレイの概略図を示す。
【図11】本発明による製造された青色の単色マイクロディスプレイの顕微鏡写真を示す。
【図12】本発明による組み立てられた積層マイクロディスプレイの概略的な斜視図を示す。
【図13】本発明による組み立てられた積層マイクロディスプレイの概略的な上面図を示す。
【図14】本発明による複数の主要な構成要素(高出力紫外線(UV)レーザ、ビームエキスパンダ、レーザラインミラー、フォーカシングレンズ、広帯域UVミラー、ウェーハ、XYZ並進移動システムを含む)を含み得るレーザ微細機械加工システムを示す。
【図15】本発明によるLED積層体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発光ダイオード(LED)積層体を備えた固体光源の利用及び製造に使用可能な例示的な方法及びシステムをいくつか説明する。また、その製造方法も提供する。このような固体光源は、光の離散的な原色(例えば赤色、青色、緑色)、又は白色光を含む混合色を発光することができる。このようなLED積層体は、緑色LEDの上に積層された青色LEDからなり得て、次に、その緑色LEDが赤色LEDの上に積層され得る。このような積層方法は、最適な色の混合を保証し得る。三つのLEDデバイスは独立的に制御可能である。三つすべてが照明されると、光学的に混合された出力が白色光をもたらし得る。単色光を、LED積層体の単一のLEDデバイスのみをオンにすることによって得ることができる。他の色は、二つ又は三つのLEDデバイスを同時にオンにして、適切なバイアス電圧を調整することによって調節可能である。
【0019】
デバイスの離散的な青色LED、緑色LED、赤色LEDは、個別に駆動可能であり、多様な色成分の強度を変更することができる。しかしながら、色は混合されず、カラー調節可能なデバイスは構成されない。真のカラー調節可能デバイスは現状では市場に出回っていない。
【0020】
近年、半導体ベースの放出型マイクロディスプレイが、LED材料を用いて実現されてきている。しかしながら、LEDウェーハの単色性によって、こうしたマイクロディスプレイは単一の色のみにおいて発光可能である。フルカラーマイクロディスプレイは三色画素を用いて実現可能ではあるが、いくつかの欠点が存在し得る。このような欠点としては、(1)上述のような蛍光体に関連するすべての欠点、(2)マイクロメートルスケールで個々の画素を蛍光体でコーティングすることの複雑性、(3)駆動回路の複雑性が挙げられる。
【0021】
本願で検討されるような積層LEDの設計は、白色光を生成するために色の変換を利用しない。積層体の各LEDデバイスは、透光性の透明材料を含み得る。正しいLED積層順序(つまり、青色LEDデバイスが緑色LEDデバイスの上で、赤色LEDデバイスが底)を採用することによって、放出される光が、その上のデバイスを最小の吸収損失で透過することができる。LEDデバイスが互いに積層されていることによって、三つのLEDデバイスからの光子が全て同一のウィンドウから(つまり一番上の青色LEDデバイスを通して)放出されて、出力される色が光学的に良く混合される。分布ブラッグ反射器(DBR)をLEDデバイス間に挿入することによって、誘電体ミラーの波長選択的な反射性により、光が放出ウィンドウに向かう方向に放出されることを保証できる。
【0022】
各LEDデバイスは、微細機械加工された傾斜ファセットを含み得て、そのファセットは、金属ミラーでコーティングされて、LEDファセットからの単色光の漏れを防止する。また、このようにすると、蛍光体を用いた色の変換に関係する問題(限られた寿命、ストークス波のエネルギー損失、低い信頼性、低い照明効率等)を排除することもできる。このような従来の白色光LEDデバイスの不利な点を回避することによって、LEDの可能性が完全に引き出されて、高い量子効率、長寿命、高い安定性を提供することができる。
【0023】
また、同様の積層方法を用いてフルカラーマイクロディスプレイに拡張することができる。例えば、三つの単色マイクロディスプレイを互いによく整列させて積層させることによって、フルカラーマイクロディスプレイが実現される。青色マイクロディスプレイは緑色マイクロディスプレイの上に積層され得て、次に、その緑色マイクロディスプレイは赤色マイクロディスプレイの上に積層され得る。三つのマイクロディスプレイは同一の設計及び寸法を有し得て、互いに積層されると、個々の画素が互いに重畳する(例えば、これを“画素積層体”と称する)。従って、各画素は、互いに積層された三つのLEDデバイスからなるデバイスを効果的に備え得る。三つのLEDデバイスの強度を制御することによって、画素の出力色を制御することができる。このようにして、フルカラー放出型のマイクロディスプレイがあらゆる画素寸法及び解像度において達成可能となる。
【0024】
図1は、本発明によるLED積層体100を示す。このようなLED積層体は、赤色LEDデバイス105、緑色LEDデバイス110、及び青色LEDデバイス115からなり得る。赤色LEDデバイス105は、650nm程度の範囲の波長を有する光を発し、緑色LEDデバイス110は、510nm程度の範囲の波長を有する光を発し、青色LEDデバイス115は、475nm程度の範囲の波長を有する光を発し得る。LED積層体100は、赤色LEDデバイス105の頂部と緑色LEDデバイス110の底部との間に配置された第一の分布ブラッグ反射器(DBR)120を含み得る。第二のDBR125は、緑色LEDデバイス110の頂部と青色LEDデバイス115の底部との間に配置され得る。DBRは、下方のLEDからの光を通過させ、且つ上方に配置されたLEDからの光を反射させ得る。例えば、緑色LEDデバイス110からの光はDBR125を通過し得るが、青色LEDデバイス115を介して下方に反射されてDBR125の頂面に向かう光は、青色LEDデバイス115の頂面130に向かう方向に反射され得る。
【0025】
図2は、本発明による赤色LEDデバイス105、緑色LEDデバイス110及び青色LEDデバイス115に選択的に電力供給することによって生成可能な異なる色の光の例を示す。本例では、赤色光ビーム200は、赤色LED105によって放出されて、DBR120、緑色LED110、DBR125、青色LED115、そして青色LEDデバイス115の頂面130を介して上方に伝播し得る。緑色LEDデバイス110は、DBR125、青色LED115、そして青色LEDデバイス115の頂面130を介して上方に伝播する緑色光ビーム205を放出し得る。また、緑色LEDデバイスは、初めDBR120に向かう方向に伝播する第二の緑色光ビーム210も生成し得る。しかしながら、DBR120が、DBR125、青色LED115、そして青色LEDデバイス115の頂面130を介する方向に第二の緑色光ビーム210を反射し得る。
【0026】
青色LEDデバイス115は、その青色LEDデバイス115の頂面130を介して上方に伝播する青色光ビーム215を放出し得る。青色LEDデバイス115は、初めDBR125に向かう方向に伝播する第二の青色光ビーム220も生成し得る。しかしながら、DBR125が、青色LEDデバイス115の頂面130を介する方向に第二の光ビーム220を反射し得る。
【0027】
赤色LEDデバイス105、緑色LEDデバイス110、及び青色LEDデバイス115は、共通アノード230を共有し、それら自体のカソードを介して選択的に電極供給され得る。例えば、青色LED115が第一のカソード235を利用し、緑色LEDデバイス110が第二のカソード240を利用し、赤色LEDデバイス105が第三のカソード245を利用し得る。
【0028】
図3は、本発明による赤色LEDデバイス105、緑色LEDデバイス110、青色LEDデバイス115内を光ビームが伝播し得る多様な角度を示す。本例では、赤色LEDデバイス105、緑色LEDデバイス110、青色LEDデバイス115のそれぞれの傾斜ファセット又は壁がミラー材料でコーティングされ得て、光ビームがLEDデバイスの側部から逃げずに青色LEDデバイス115の頂面130を介して上方に向かうことが保証される。本例では、赤色LEDデバイス105が第一のミラー表面300を含み、緑色LEDデバイス110が第二のミラー表面305を含み、青色LEDデバイス115が第三のミラー表面310を含む。いずれのミラー表面も、アルミニウムや銀等の金属でコーティングされ得る。
【0029】
図4は本発明による三層LED積層体の概略図を示す。図示されるように、第一のLEDデバイス400は、第二のLEDデバイス405及び第三のLEDデバイス410の両方の下方に配置されている。図1に対して、第一のLEDデバイス400は赤色LEDデバイス105に対応し、第二のLEDデバイス405は緑色LEDデバイス110に対応し、第三のLEDデバイス410は青色LEDデバイス115に対応し得る。
【0030】
図5は、本発明による組み立てられた三層LED積層体の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。図示されるように、三層LED積層体は、第二のLEDデバイス505及び第三のLEDデバイス510の両方の下方に配置されている第一のLEDデバイス500を含み得る。
【0031】
図6は、本発明による第一のDBR層(例えば図1のDBR120)及び第二のDBR層(例えば図1のDBR125)の層の反射率スペクトルを示す。図示されるように、DBR120の反射率スペクトルは550nm近傍に位置するピークを有し、DBR125の反射率ピークは470nm近傍に位置するピークを有する。
【0032】
図7は、本発明によるLED積層体からの単色の青色発光700及び対応するスペクトル705を示す。図示されるように、スペクトルは、475nm程度に位置するピークパワー分布を有する。
【0033】
図8は、本発明による青色発光及び赤色発光を混合することによるLED積層体からの多色のピンク色発光800及び対応するスペクトル805を示す。図示されるように、スペクトルは、475nm及び650nm程度に位置するピークパワー分布を有する。
【0034】
図9は、本発明によるLED積層体によって放出される多様な範囲の色及び対応するスペクトルを示す。図示されるように、多様な色の光が放出可能であり、それらの色は、多様なピークパワー分布で構成され得る。放出される多様な色としては、例(a)のターコイズ、例(b)のネイビーブルー、例(c)のダークパープル、例(d)のライトパープル、例(e)のイエロー、例(f)のマルーン、例(g)のブラックが挙げられる。
【0035】
図10は、本発明による赤色、緑色、青色の三つのマイクロディスプレイの概略図を示す。図示されるように、赤色マイクロディスプレイ1000は、緑色マイクロディスプレイ1005の下方に配置され、その緑色マイクロディスプレイ1005は青色マイクロディスプレイ1010の下方に配置され得る。
【0036】
図11は、本発明による製造された青色の単色マイクロディスプレイの顕微鏡写真1100を示す。図12は、本発明による組み立てられた積層マイクロディスプレイの概略的な斜視図を示す。図示されるように、赤色マイクロディスプレイ1200が緑色マイクロディスプレイ1205の下に配置され得て、その緑色マイクロディスプレイ1205が青色マイクロディスプレイ1210の下に配置され得る。図13は、本発明による組み立てられた積層マイクロディスプレイ1300の概略的な上面図を示す。
【0037】
本願で説明されるような積層LEDを含むデバイスの実現は、従来の蛍光体でコーティングされた白色LEDに関連する欠点を排除し又は実質的に減じて、LEDの可能性を完全に引き出して固体照明を実現する。第一に、蛍光体等の色の変換剤が必要でなくなることは、無損失の白色光生成を意味する。第二に、従来の白色光LEDの寿命は、蛍光体等の色の変換剤の寿命によって制限されていた。しかしながら、蛍光体の使用を避けることによって、白色LEDの寿命が単純にLED積層体内の個々のLEDの寿命となるが、LEDが長寿命で極めて信頼できるものであることは周知である。
【0038】
第三に、限られた寿命、ストークス波のエネルギー損失、低い信頼性、低い照明効率等の色の変換剤に関係する全ての他の欠点が排除され得る。第四に、下方のデバイスによる光の吸収の問題が、二つのLEDの間へ分布ブラッグ反射器(DBR)(例えば図1のDBR120、125)を挿入して、上方のLEDからの光は反射して、下方のLEDからの光を透過させることによって解消される。第五に、放出の均一性に影響するデバイスのファセットからの光漏れの可能性の問題が、ミラーコーティングされた傾斜ファセットの導入によって解消されて、横方向に伝播する光が、デバイスの頂面からの発光のために反射されて方向転換される。最後に、積層のトポグラフィによって、光学的な色の混合が保証されて、均一な多色発光が提供される。
【0039】
緑色LED、青色LED及び赤色LEDは、フォトリソグラフィ、乾式エッチング及び金属堆積を含む標準的なLED加工手順を用いて製造可能である。緑色LED及び青色LEDは、透明なサファイア基板上にMOCVDによってエピタキシャル成長させたInGaN材料を備えたLEDウェーハを用いて製造可能である。一続きの多重量子井戸をLED構造内に埋め込んで、所望の放出波長が得られる(バンドギャップを調整することによって)。赤色LEDは、不透明なGaAs基板上にMOCVDによってエピタキシャル成長させたAlInGaP材料を備えたLEDウェーハを用いて製造可能である。
【0040】
緑色又は青色LEDは、まずフォトリソグラフィを用いてLEDのメサ領域を画定することによって製造可能である。フォトレジスト層がLEDウェーハ上にスピンコーティングされて、マスクアライナ上の所定のパターンを備えたフォトマスクを介して紫外線に露光され得る。露光されたサンプルをフォトレジスト現像剤内で現像し得る。所望のパターンがサンプル上に転写される。次に、メサ構造を、Cl及びBClガスでの誘導結合プラズマ(ICP)乾式エッチングを用いて形成し得る。次に、GaN材料を、典型的には500nm/分の速度でエッチングする。
【0041】
他のフォトリソグラフィステップで、LEDの活性領域を画定し得る。ウェーハを、同じICP法を用いて再び乾式エッチングして、後続のn型コンタクト用にn型GaN領域の一部を露出し得る。電流拡散領域をフォトリソグラフィによって画定し得る。5nmのAu及び5nmのNiを備えた電流拡散層を、電子ビーム蒸着によって堆積させる。そして、金属層をアセトン中でリフトオフして、金属二重層が電流拡散領域内に残るようにする。この層はデバイスに対するp型コンタクトとして作用し得る。
【0042】
n型及びp型コンタクトパッド領域を、フォトリソグラフィによって画定し得る。Ti/Al金属二重層をそれぞれ厚さ20nm/200nmで電子ビーム蒸着によって堆積させ得る。金属層をアセトン中でリフトオフして、金属が、コンタクトパッド領域のみに残り、n型、p型コンタクトパッドとして作用するようにする。ウェーハのサファイア面を略100マイクロメートルに薄化して放熱を改善し、また、研磨してサファイア基板を介する光の透過を増強する。
【0043】
赤色LEDを、頂部LED面にAuのp型コンタクトを堆積し、底部GaAs面上にAuのn型コンタクトを堆積させることによって製造する。GaNベースのLEDとは異なり、GaAsが導電体であるので、垂直電流伝導が可能である。
【0044】
必要であれば、DBRをLEDウェーハの頂部に形成し得る。DBRは波長選択ミラーを備え得る。波長選択ミラーは、反射バンド内の特定の波長の光を反射し、反射バンド内の他の波長の光を透過して、屈折率の異なる誘電体が交互になった対を備える。DBRの特性は、設計パラメータに依存して、誘電体の選択やその厚さの選択が挙げられる。
【0045】
赤緑青(RGB)積層体の場合、DBR層を、緑色LEDウェーハ及び赤色LEDウェーハの頂部に形成し得る。緑色LEDの頂部のDBRは、その上の青色LEDからの青色光を反射する一方、緑色及び赤色LEDからの緑色光、赤色光を通過させ得る。赤色LEDの頂部のDBRは、その上の緑色LEDからの緑色光を反射する一方、赤色LEDからの赤色光を通過させ得る。
【0046】
ウェーハは、カスタマイズされたレーザ微細機械加工システムを用いてダイシングされ得る。個々のLEDチップが所望の寸法の傾斜ファセットを備えて得られる。
【0047】
図14は、高出力紫外線(UV)レーザ1405、ビームエキスパンダ1410、レーザラインミラー1415、フォーカシングUV対物レンズ1420、広帯域UVチルティングミラー1425、ウェーハ1430、XY並進移動ステージ1435等の複数の主要な構成要素を含み得るレーザ微細機械加工システム1400を示す。ウェーハ1430は、XY並進移動ステージ1435によって移動され得て、合焦されたレーザビームがウェーハ1430上に照射される。
【0048】
従来のレーザ微細機械加工では、フォーカシングレンズはレーザビームを小型スポットに合焦して、その小型スポットがウェーハ上に入射して、ウェーハが垂直方向で微細機械加工される。しかしながら、本願の一実施形態では、広帯域UVミラーがフォーカシングレンズとウェーハとの間に挿入される。ミラーは傾斜角で配置されるが、その目的は、合焦されたビームが任意の傾斜角でウェーハ上に入射できるようにビームをミラーから反射することである。角度はミラーを回転することによって調整可能である。結果として、ダイシングされたデバイスチップが、任意の傾斜角で角度付けされたファセットを有することができる。
【0049】
LED積層体の組み立てを、熱伝導性で且つ電気伝導性の銀エポキシを用いて赤色LEDをTO缶パッケージにチップ結合することから始め得る。緑色LEDを、赤色LEDの頂部のp型結合バッドを露出させながらUV接着剤(例えばNorland63)の層を適用することによって、赤色LEDの上に取り付ける。デバイスを整列させると、その組み立て体をUV照射で硬化させ得る。
【0050】
青色LEDを組み立て体の上に取り付けるが、下方のデバイスの結合パッドが露出されることを保証しておく。ここでも、UV接着剤をLEDチップ間に使用可能である。LED積層体の位置を、UV照射下での露光によって、固定し得る。
【0051】
LED積層体を反転させて、金属ミラー(典型的にはアルミニウムや銀を用いる)を、電子ビーム蒸着やスパッタリングでコーティングさせる。金属ミラーは、積層体のチップの傾斜ファセット上にコーティングされる。このようなミラーは、ファセットを介する光の伝播を防止できる。
【0052】
三つ全てのチップからの発光は、頂部の青色LEDを介して放出され得る。頂部の青色LEDが緑色及び赤色の光に対して透明であるので、これが可能となる。このことは光の吸収則に従う。下向きの発光、つまり下方のLEDに向かう光の伝播は、DBR層の存在によって防止され得る。結果として、光学損失が最小化される。側部のファセットからの発光も、ミラーコーティングされた傾斜ファセットによって防止されて、横方向に伝播する光を上方に反射させる。
【0053】
赤色LEDのp型パッド、緑色LED及び青色LEDのp型パッド及びn型パッドを含む、チップに対する電気接続を設けるためには、五本のワイヤ結合が必要となり得る。赤色LEDのn型パッドは、導電性銀接着剤を用いて接続され得る。このようなn型パッドは相互接続されて共通アノードを形成し得る。最後に、4端子デバイスが、一つの共通アノードと、それぞれ赤色LED、緑色LED、青色LED用の三つのカソードを含んで得られる。
【0054】
単一のカソードにバイアス電圧を印加することによって、単一のデバイスがオンになり、積層体全体が単色光を発する。一つよりも多いカソードにバイアス電圧を印加することによって、多色光を発することができる。放出の色は、個々のカソードを調整することによって、調節可能である。赤色、緑色、青色の成分(例えば強度、量)を正しく調整することによって、白色光の発光を達成することができる。
【0055】
これは白色光生成の無損失な方法であり、重畳する複数の単色デバイスからのスペクトル成分の足し合わせによるものである。
【0056】
単色の放出型マイクロ発光ダイオードの二次元アレイを積層させて、フルカラーの二次元マイクロディスプレイを形成し得る。単色の2次元マイクロディスプレイは、青色LEDウェーハ、緑色LEDウェーハ及び赤色LEDウェーハを用いて製造可能である。LEDアレイはモノリシックLEDアレイであり得る。
【0057】
xyアレイの設計は、マトリクスアドレシング法に基づいたものであり得る。アレイは、アレイの基底をなすx本の列を含み、y個のマイクロLED素子(マイクロメートルの寸法のもの)が各列に沿って均等に配置されている。
【0058】
従って、一つの列上のデバイスは、共通n型領域を共有し、共通n型電極を共有する。各マイクロLEDの頂部のp型領域は、列に沿って走る金属線によって相互接続され得る。従って、コンタクトパッドの総数は、(x+y)個になり、各画素がその個々の電極を有する場合の(x×y)個よりもはるかに少ない。
【0059】
列及びマクロLED画素は、誘導結合プラズマ(ICP)エッチングによって形成される。加工条件は、垂直に対して30°から45°の傾斜を有する側壁を備えたメサ構造をエッチングするように調整される。nドープ領域及びpドープ領域の分離のために40nmのSiO層を電子ビーム蒸着によって堆積可能である。
【0060】
次に、各画素の頂部平面が、コンタクト形成のためにリフトオフプロセスを用いて露出される。Ti/Al(20nm/200nm)及びNi/Au(30nm/30nm)を、n型オームコンタクト、p型オームコンタクトとして電子ビーム蒸着を用いたリフトオフによって堆積し得る。コンタクトは、窒素雰囲気で5分間、550℃の急速熱アニーリング(RTA)に晒され得る。このような金属相互接続が、マイクロLED画素の側壁を覆って、光が頂面を介してのみ放出されることを保証することができる。
【0061】
フルカラーマイクロディスプレイを、緑色マイクロディスプレイの上に青色マイクロディスプレイを積層して、次に赤色LEDディスプレイの上に積層することによって、組み立て得る。赤色マイクロディスプレイ、緑色マイクロディスプレイ及び青色マイクロディスプレイを、それらの画素が整列可能であるがそれらの結合バッドが異なる位置に存在するように設計し得る。
【0062】
赤色マイクロディスプレイを適切なセラミックパッケージにチップ結合し得る。緑色マイクロディスプレイを、赤色マイクロディスプレイの結合パッドを露出させながらUV接着剤(Norland63)の層を適用することによって、赤色マイクロディスプレイの上に取り付け得る。個々の画素が整列されると、そのアセンブリをUV照射で硬化させ得る。
【0063】
青色マイクロディスプレイをアセンブリの上に取り付けるが、下方のデバイスの結合パッドを露出できることを保証しておく。ここでも、UV接着剤をLEDチップ間に用いることができる。
【0064】
LED積層体の位置を、UV放射下での露光によって、固定し得る。結合パッドはワイヤ結合によってパッケージに接続され得る。デバイス全体を、動作用の適切な外部マトリクスドライバに接続し得る。画素は、可視光スペクトルの色を発するように制御可能である。
【0065】
図15は、他の実施形態によるLED積層体を示す。図15を参照すると、光は、積層デバイスを介して均一に放出される。上述の三つのLEDデバイスを積層させたLEDの設計と同様に、赤色LED1505が底部に形成されて、青色LED1510が頂部に積層される。図15に示されるような実施形態では、中間の緑色LEDデバイスが省略される。代わりに、緑色光の発生は、青色LED1510上に配置された緑色蛍光マイクロスフェアを用いて達成される。他の実施形態では、蛍光体や量子ドットを用いて、励起可能な緑色波長を提供することができる。三つの積層LEDの代わりに二つの積層LEDを用いることによって、組み立てが簡単になり、放熱が改善可能である。更に、頂部ワイヤ結合の数を5本から3本へと減らすことができる。従って、ハイブリッドデバイスが、組み立て簡単なものになり、より良いヒートシンク性能を有して、頂部ワイヤ結合の減少によってパッケージングの簡単なものになり得る。いくらかのエネルギー損失が生じ得るが、緑色蛍光マイクロスフェアの下方の青色LEDは、緑色蛍光発光を効率的に励起して、エネルギー損失を最小化する。
【0066】
また、同様の方法を用いて、フルカラーマイクロディスプレイへと拡張し得る。例えば二つの単色マイクロディスプレイを互いに良く整列させて積層させて、有色の蛍光マイクロスフェアをマイクロディスプレイの上に配置し得る。青色マイクロディスプレイが赤色マイクロディスプレイの上に積層されて、緑色蛍光マイクロスフェアが青色マイクロディスプレイの上に設けられ得る。青色マイクロディスプレイを赤色マイクロディスプレイの上に積層させる前に、緑色蛍光マイクロスフェアを、青色マイクロディスプレイの上に設け得る。二つのマイクロディスプレイは、同一の設計及び寸法を有し得て、互いに積層されると、個々の画素が互いに重畳する。
【0067】
一実施形態によると、赤色LED及び青色LEDを適切な加工で製造し得る。またDBRをLEDウェーハの頂面に形成し得る。一実施形態では、DBR1520を赤色LED1505の頂面に形成して、その上の青色LED1510からの青色光を反射する一方、赤色LED1505からの赤色光を通過させる。また、他の実施形態では、DBR1530を青色LED1510の頂面に形成して、緑色蛍光マイクロスフェアからの緑色光を反射する。
【0068】
ハイブリッドLED積層体の組み立ては、赤色LEDの頂部のp型結合パッドを露出させながら例えばUV接着剤の層を用いて青色LEDを選択された赤色LEDの上に取り付けることから始め得る。LEDが傾斜ファセットを含む実施形態では、赤色LED/青色LED積層体が反転されて、金属ミラーを積層体のチップの傾斜ファセット上にコーティング可能である。緑色蛍光マイクロスフェアを、青色LEDの頂面に均一にコーティング可能である。
【0069】
使用可能な蛍光マイクロスフェアの例として、Duke Scientific Corporation及びMerck Estaporから入手可能なマイクロスフェアが挙げられる。これらの蛍光マイクロスフェアは典型的には脱イオン(DI)水中に懸濁されていて、その寸法は直径数十ナノメートルから数十マイクロメートルの範囲である。球形で寸法の均一なマイクロスフェアを提供することができる。
【0070】
青色LEDの表面上にマイクロスフェアを均一にコーティングするため、マイクロスフェアの懸濁液を、ドロッパ、シリンジ、又はピペットを用いて青色LED上に分配する。
【0071】
マイクロスフェアを、スピナを用いたスピンコーティングによって青色LED上に均一に分散させ得る。このプロセスには、1〜5rpmの回転速度が使用可能である。また、マイクロスフェアはチルティングによっても分散可能である。例えば、マイクロスフェア懸濁液をLEDチップ上に適用した後に、デバイスを垂直に対して略45度の角度に傾斜させる。
【0072】
マイクロスフェア層の厚さは、いくつかの単一層であるように制御可能である。これは、蛍光体と比較して蛍光マイクロスフェアの寸法が大きい(直径数百ナノメートルからマイクロメートル)ためである。薄いマイクロスフェアコーティング(例えば数層の単一層しかない)を達成することによって、マイクロスフェアが六角形配列へと自己組織化する。これは、ナノ粒子の自己組織化秩序アレイとなる。
【0073】
SiO等の誘電体層を電子ビーム蒸着を用いてコーティングすることによって、蛍光マイクロスフェアの位置を固定して保護することができる。更に、エポキシ型の封止材をマイクロスフェアでコーティングされたチップに適用して、外部環境からハイブリッドLED積層体を保護することができる。
【0074】
マイクロスフェアコーティングの他の方法は、マイクロスフェアを封止材と予め混合しておくことである。マイクロスフェア懸濁液をテストチューブに入れて加熱し、水分(DI水)を除去する。封止材をテストチューブに入れる。テストチューブをシェイカに置いて均一に混合する。その混合物を、ドロッパ、シリンジ又はピペットを用いてLED積層体に適用することができる。
【0075】
一態様では、異なる放出波長の異なる色のマイクロスフェアを割合を変えて混合して、“白色度”の異なる(つまり色温度の異なる)白色光を得ることができる。
【0076】
本願では、特定の例示的な方法について、多様な方法及びシステムを用いて説明し示してきたが、本発明の対象から逸脱せずに、多様な他の変更がなされ得て、また、等価物に置換され得ることを当業者は理解されたい。更に、本願で説明される主要な概念から逸脱せずに、本発明の対象の教示に対して、多くの変更が特定の状況に適合するようになされ得る。従って、本発明の対象は、開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の対象は、特許請求の範囲及びその等価物内に存する全ての実施形態を含むものである。
【符号の説明】
【0077】
105 赤色LEDデバイス
110 緑色LEDデバイス
115 青色LEDデバイス
120 第一のDBR
125 第二のDBR
130 青色LEDデバイスの頂面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の波長を有する光を発するための第一の発光ダイオードであって、該第一の発光ダイオードの頂部に向かう方向に入射光を反射する傾斜ファセットを備えた第一の発光ダイオードと、
第二の波長を有する光を発するための第二の発光ダイオードであって、前記第一の発光ダイオードの頂面上に配置され、該第二の発光ダイオードの頂部に向かう方向に入射光を反射する傾斜ファセットを備えた第二の発光ダイオードと、
前記第一の発光ダイオードの頂部と前記第二の発光ダイオードの底部との間に配置され、前記第一の発光ダイオードからの光を通過させ且つ前記第二の発光ダイオードからの光を反射する第一の分布ブラッグ反射器とを備えた光源装置。
【請求項2】
前記第一の発光ダイオード及び前記第二の発光ダイオードの少なくとも一方が実質的にモノリシックである、請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記第一の波長が前記第二の波長よりも長い、請求項1に記載の光源装置。
【請求項4】
第三の波長を有する光を発するための第三の発光ダイオードであって、前記第二の発光ダイオードの頂部上に配置され、該第三の発光ダイオードの頂部に向かう方向に入射光を反射する傾斜ファセットを備えた第三の発光ダイオードを更に備えた請求項1に記載の光源装置。
【請求項5】
前記第二の発光ダイオードの頂部と前記第三の発光ダイオードの底部との間に配置され、前記第二の発光ダイオードからの光を通過させ且つ前記第三の発光ダイオードからの光を反射する第二の分布ブラッグ反射器を更に備えた請求項4に記載の光源装置。
【請求項6】
前記第一の発光ダイオード、前記第二の発光ダイオード及び前記第三の発光ダイオードが実質的に同一の設計及び発光領域を有し、前記第一の発光ダイオード、前記第二の発光ダイオード及び前記第三の発光ダイオードが、異なるバンドギャップの異なる半導体で形成されている、請求項4に記載の光源装置。
【請求項7】
前記第一の発光ダイオードから発せられる光が、バンドギャップによる損失が実質的に無く、前記第二の発光ダイオード及び前記第三の発光ダイオードを通過する、請求項4に記載の光源装置。
【請求項8】
前記第一の発光ダイオードが赤色光を発し、前記第二の発光ダイオードが緑色光を発し、前記第三の発光ダイオードが青色光を発する、請求項4に記載の光源装置。
【請求項9】
前記第一の発光ダイオードのみをオンにすることで赤色光を発し、前記第二の発光ダイオードのみをオンにすることで緑色光を発し、前記第三の発光ダイオードのみをオンにすることで青色光を発する請求項8に記載の光源装置。
【請求項10】
前記第一の発光ダイオードからの赤色光、前記第二の発光ダイオードからの緑色光、及び前記第三の発光ダイオードからの青色光を同時に発して、多色光を生成する請求項8に記載の光源装置。
【請求項11】
前記多色光が白色光を有する、請求項10に記載の光源装置。
【請求項12】
前記白色光が色の変換無しで生成される、請求項11に記載の光源装置。
【請求項13】
前記光源装置の光出力が、赤色光、青色光及び緑色光の強度又は量を変更することによって、調節可能である、請求項10に記載の光源装置。
【請求項14】
各LEDの傾斜ファセット上のミラーコーティングであって、金属層を備え、前記第一、第二及び第三の発光ダイオードの傾斜ファセットから光を反射して光漏れを抑制するミラーコーティングを更に備えた請求項4に記載の光源装置。
【請求項15】
前記第一の発光ダイオード又は前記第二の発光ダイオードからの光によって励起されると第三の波長を有する光を発する蛍光マイクロスフェア層を前記第二の発光ダイオード上に更に備えた請求項1に記載の光源装置。
【請求項16】
前記第一の発光ダイオードが赤色光を発し、前記第二の発光ダイオードが青色光を発し、前記蛍光マイクロスフェア層が緑色光を発する、請求項15に記載の光源装置。
【請求項17】
前記第一の発光ダイオードからの赤色光及び前記第二の発光ダイオードからの青色光を同時に発して、前記蛍光マイクロスフェア層を介して多色光を生成する請求項16に記載の光源装置。
【請求項18】
単色マイクロディスプレイの積層体を備えた光電子デバイスであって、該単色マイクロディスプレイの積層体が、
第一の波長を有する光を発する第一のマイクロディスプレイと、
前記第一の波長とは異なる第二の波長を有する光を発する少なくとも一つの第二のマイクロディスプレイと、
前記第一のマイクロディスプレイと前記少なくとも一つの第二のマイクロディスプレイとの間に配置されて、前記第一のマイクロディスプレイからの光を通過させ且つ前記少なくとも一つの第二のマイクロディスプレイからの光を反射する分布ブラッグ反射器とを備えた、光電子デバイス。
【請求項19】
前記第一のマイクロディスプレイ及び前記少なくとも一つの第二のマイクロディスプレイが、赤色マイクロディスプレイの上に積層された緑色マイクロディスプレイと、該緑色マイクロディスプレイの上に積層された青色マイクロディスプレイとを備える、請求項18に記載の光電子デバイス。
【請求項20】
前記緑色マイクロディスプレイ、前記青色マイクロディスプレイ及び前記赤色マイクロディスプレイが実質的に同一の設計及び寸法を有する、請求項19に記載の光電子デバイス。
【請求項21】
前記緑色マイクロディスプレイ、前記青色マイクロディスプレイ及び前記赤色マイクロディスプレイが、発せられる色に対応したバンドギャップを備えた異なる半導体で形成されている、請求項20に記載の光電子デバイス。
【請求項22】
各単色マイクロディスプレイが少なくとも一つの画素を備え、該画素が、マトリクスアドレシング可能なマイクロメートルスケールの発光ダイオードの二次元アレイを備える、請求項19に記載の光電子デバイス。
【請求項23】
前記緑色マイクロディスプレイ、前記青色マイクロディスプレイ及び前記赤色マイクロディスプレイのそれぞれの各画素が、互いに積層されて画素積層体を形成している、請求項22に記載の光電子デバイス。
【請求項24】
前記画素積層体の構成要素が個別に制御可能であり、異なる発光強度が得られる、請求項23に記載の光電子デバイス。
【請求項25】
前記画素積層体の発光ダイオードからの発光が光学的に混合される、請求項23に記載の光電子デバイス。
【請求項26】
前記画素積層体が、発光ダイオード積層体の二次元アレイとして配置されていて、該発光ダイオード積層体の少なくとも一つが色の調整可能なものである、請求項23に記載の光電子デバイス。
【請求項27】
前記第二のマイクロディスプレイが前記第一のマイクロディスプレイの上に積層されていて、前記第二のマイクロディスプレイの上に少なくとも一層の蛍光マイクロスフェア層を更に備えた請求項18に記載の光電子デバイス。
【請求項28】
前記第一のマイクロディスプレイが赤色マイクロディスプレイであり、前記第二のマイクロディスプレイが青色マイクロディスプレイであり、前記少なくとも一層の蛍光マイクロスフェア層が緑色蛍光マイクロスフェアを備える、請求項27に記載の光電子デバイス。
【請求項29】
傾斜ファセットを備えたダイシングされたチップを形成するためのレーザ微細機械加工に基づいた電子デバイス及び光電子デバイスのウェーハダイシング方法であって、
複数の製造されたデバイスを上面に備えた加工済ウェーハを提供するステップと、
ウェーハダイシング用にレーザビームをウェーハ表面に向けるステップと、
前記レーザビームをレーザミラーから反射して、前記レーザビームが垂直軸からの傾斜角で前記加工済ウェーハに入射して、入射ビームが、半導体、金属又は絶縁体の除去によって入射点にトレンチを形成するステップと、
前記レーザビームが前記加工済ウェーハ上のデバイスの周囲にトレンチを形成するように前記加工済ウェーハを並進移動させるステップとを備えたウェーハダイシング方法。
【請求項30】
前記傾斜角が垂直軸から略0度〜略89度の範囲である、請求項29に記載のウェーハダイシング方法。
【請求項31】
前記加工済ウェーハが、該加工済ウェーハ上にレーザ微細機械加工されたスクライブレーンが存在されることによって開裂される、請求項29に記載のウェーハダイシング方法。
【請求項32】
アブレーション又は吸収の少なくとも一方によって、前記加工済ウェーハから半導体、金属又は絶縁体を除去するステップを更に備えた請求項29に記載のウェーハダイシング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2012−504856(P2012−504856A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529436(P2011−529436)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【国際出願番号】PCT/CN2009/001113
【国際公開番号】WO2010/037274
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(509027397)ヴァーシテック・リミテッド (3)
【Fターム(参考)】