説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】封止樹脂から放熱面を露出させるために封止樹脂および放熱面の研削や切削を不要とすることができる構造を提供する。
【解決手段】第2ヒートシンク40に凹部43を設け、この凹部43内に第1封止樹脂50を設ける。このように、凹部43に第1封止樹脂50が配置されることにより、凹部43の底面44とは反対側に位置する第2放熱面41が第1封止樹脂50に埋没されることはない。また、第1封止樹脂50の最上面51を第1放熱面11よりも第1端面12側に位置させる。これにより、第1放熱面11が第1封止樹脂50に被覆・埋没されることはない。したがって、第1封止樹脂50から各放熱面11、41を露出させるために第1封止樹脂50および各放熱面11、41を研削もしくは切削する必要がない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両面放熱型の半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、両側ヒートシンク構造を有する半導体装置が、例えば特許文献1で提案されている。具体的に、特許文献1では、第1のヒートシンクと第2のヒートシンクとの間に発熱素子が挟み込まれて封止樹脂により封止され、第1のヒートシンクの放熱面および第2のヒートシンクの放熱面が封止樹脂からそれぞれ露出した構造が提案されている。
【0003】
このように、両ヒートシンクの放熱面を露出させるため、まず、両ヒートシンクで発熱素子を挟み込んだ構造を金型内に設置し、トランスファーモールド法にて樹脂成形を行う。この場合、第1のヒートシンクの放熱面および第2のヒートシンクの放熱面の少なくとも一方を、封止樹脂に埋没させるようにする。
【0004】
そして、封止樹脂に埋没しているヒートシンクの放熱面を、その外側から封止樹脂と共に研削もしくは切削することにより、両ヒートシンクの放熱面を封止樹脂から露出させる。これによると、放熱面の傾きを調整することができるので、両ヒートシンクの放熱面の平行度を所望の値に適切に調整することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−27794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術では、金型を用いたトランスファー成形により、少なくとも一方の放熱面を封止樹脂に埋没させているので、当該放熱面を露出させるために当該放熱面を封止樹脂と共に研削もしくは切削する工程が必要になってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は上記点に鑑み、封止樹脂から放熱面を露出させるために封止樹脂および放熱面の研削や切削を不要とすることができる構造を備えた両面放熱型の半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、一面(21)とこの一面(21)の反対側の他面(22)を有する半導体素子(20)と、第1放熱面(11)とこの第1放熱面(11)の反対側の第1端面(12)とを有し、第1端面(12)が半導体素子(20)の一面(21)側に熱的および電気的に接続された第1ヒートシンク(10)と、第2放熱面(41)と、第2放熱面(41)の反対側の第2端面(42)と、第2端面(42)の一部が第2放熱面(41)側に凹んだ凹部(43)とを有し、凹部(43)の底面(44)が半導体素子(20)の他面(22)側に熱的および電気的に接続された第2ヒートシンク(40)と、凹部(43)に配置され、第1放熱面(11)が露出するように半導体素子(20)、第1ヒートシンク(10)、および第2ヒートシンク(40)を封止した第1封止樹脂(50)と、を備え、第2ヒートシンク(40)は、第1封止樹脂(50)を凹部(43)の内部に保持する容器として機能するようになっていることを特徴とする。
【0009】
これによると、第2ヒートシンク(40)が第1封止樹脂(50)の容器となり、第1封止樹脂(50)は第2ヒートシンク(40)の凹部(43)に配置されるので、凹部(43)の底面(44)とは反対側に位置する第2放熱面(41)が第1封止樹脂(50)に埋没されることはない。したがって、第1封止樹脂(50)から各放熱面(11、41)を露出させるために第1封止樹脂(50)および各放熱面(11、41)を研削もしくは切削する必要がない構造とすることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、半導体素子(20)に電気的に接続された一端部(71)と、外部と電気的に接続される他端部(72)と、一端部(71)と他端部(72)との間が段状に折り曲げられた段差部(73)と、を有する信号端子(70)を備え、信号端子(70)のうちの一端部(71)は、凹部(43)に位置しており、第1封止樹脂(50)は、信号端子(70)のうち凹部(43)に位置する部分を封止していることを特徴とする。
【0011】
これによると、信号端子(70)は段差部(73)を備えているので、信号端子(70)の一端部(71)を凹部(43)内の第1封止樹脂(50)に埋没させることができる。これにより、凹部(43)に位置する半導体素子(20)と信号端子(70)とを電気的に接続することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、第2ヒートシンク(40)は、当該第2ヒートシンク(40)の外部と凹部(43)とが通じるように第2端面(42)の一部が第2放熱面(41)側に凹んだ切り欠け部(45)を有し、信号端子(70)の他端部(72)は、当該他端部(72)の一部が切り欠け部(45)に位置していることにより、第2端面(42)と切り欠け部(45)の底部(46)との間に位置しており、第1封止樹脂(50)の最上面(51)は、切り欠け部(45)の底部(46)よりも凹部(43)の底面(44)側に位置しており、第1放熱面(11)が露出するように、第1封止樹脂(50)の最上面(51)および切り欠け部(45)を封止した第2封止樹脂(52)を備えていることを特徴とする。
【0013】
これによると、信号端子(70)の他端部(72)が第2端面(42)の上に配置されずに切り欠け部(45)に収納されるので、第2端面(42)側の構造を簡略化することができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明によると、第2封止樹脂(52)により、第1ヒートシンク(10)と第2ヒートシンク(40)との絶縁性を確保することができ、第2ヒートシンク(40)と信号端子(70)との絶縁性を確保することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明では、第2ヒートシンク(40)は、当該第2ヒートシンク(40)の外部と凹部(43)とが通じるように第2端面(42)の一部が第2放熱面(41)側に凹んだ切り欠け部(45)を有し、信号端子(70)の他端部(72)は、当該他端部(72)の一部が切り欠け部(45)に位置していることにより、第2端面(42)と切り欠け部(45)の底部(46)との間に位置しており、第2ヒートシンク(40)は、凹部(43)の壁面とは反対側の外壁(47)に切り欠け部(45)を覆うように貼り付けられていると共に信号端子(70)の他端部(72)が貫通している熱収縮材(90)を有し、熱収縮材(90)は、加熱されて熱収縮することにより信号端子(70)の他端部(72)を締め付けることを特徴とする。
【0016】
これによると、切り欠け部(45)を熱収縮材(90)により覆うようになっているから、熱収縮材(90)が切り欠け部(45)と外壁(47)側とを遮断する堤防となる。これにより、切り欠け部(45)から外部に第1封止樹脂(50)が溢れ出ないようにすることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明では、第2封止樹脂(52)は、当該第2封止樹脂(52)の最上面が第1放熱面(11)と同一平面に位置しているか、または、第1放熱面(11)よりも底面(44)側に位置していることを特徴とする。
【0018】
これによると、第2封止樹脂(52)が第1放熱面(11)よりも底面(44)側に位置するので、第2封止樹脂(52)が干渉することなく第1放熱面(11)を冷却器(82)等に接触させることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明では、第2ヒートシンク(40)は、当該第2ヒートシンク(40)の外部と凹部(43)とが通じるように第2端面(42)の一部が第2放熱面(41)側に凹んだ切り欠け部(45)を有し、信号端子(70)の他端部(72)は、当該他端部(72)の一部が切り欠け部(45)に位置していることにより、第2端面(42)と切り欠け部(45)の底部(46)との間に位置しており、第2ヒートシンク(40)は、凹部(43)の壁面とは反対側の外壁(47)に切り欠け部(45)を覆うように貼り付けられていると共に信号端子(70)の他端部(72)が貫通している熱収縮材(90)を有し、熱収縮材(90)は、加熱されて熱収縮することにより信号端子(70)の他端部(72)を締め付けるようになっており、第1封止樹脂(50)は、凹部(43)内および切り欠け部(45)を封止していることを特徴とする。
【0020】
これによると、熱収縮材(90)が切り欠け部(45)の堤防となるので、切り欠け部(45)から第1封止樹脂(50)が溢れることはない。したがって、第1封止樹脂(50)の最上面(51)を切り欠け部(45)の底部(46)よりも第2端面(42)側に位置させることができる。これにより、切り欠け部(45)にも第1封止樹脂(50)を設けた構造とすることができるので、第2ヒートシンク(40)と信号端子(70)との絶縁性を確保することができる。
【0021】
請求項7に記載の発明では、第1封止樹脂(50)は、信号端子(70)の段差部(73)を完全に被覆していることを特徴とする。
【0022】
これによると、信号端子(70)の段差部(73)が全域にわたって第1封止樹脂(50)により被覆されるので、信号端子(70)が確実に固定される。したがって、信号端子(70)の強度を向上させることができる。
【0023】
請求項8に記載の発明では、第1放熱面(11)および第2端面(42)を覆う第1熱伝導絶縁材(84)と、第2放熱面(41)を覆う第2熱伝導絶縁材(85)と、第1熱伝導絶縁材(84)を覆うと共に、第1冷却器(82)が接合される第1導電材(86)と、第2熱伝導絶縁材(85)を覆うと共に、第2冷却器(83)が接合される第2導電材(87)と、を備えていることを特徴とする。
【0024】
これによると、半導体装置が第1冷却器(82)および第2冷却器(83)に挟まれて冷却される場合、各熱伝導絶縁材(84、85)により各冷却器(82、83)との絶縁性を確保することができる。また、各熱伝導絶縁材(84、85)を備えていると共に、これらの上に各導電材(86、87)をそれぞれ備えているので、各冷却器(82、83)と半導体装置との間の熱抵抗を低下させることができる。
【0025】
さらに、第2熱伝導絶縁材(85)の上に第2導電材(87)が設けられているので、第2ヒートシンク(40)と第2導電材(87)との間に電流が流れるか否かの電気的試験を行う構造を得ることができる。つまり、第2ヒートシンク(40)と第2導電材(87)との絶縁性を確認することができる。
【0026】
請求項9に記載の発明では、第1ヒートシンク(10)は、第1放熱面(11)および第1端面(12)に垂直な第1側面(13)と、第1側面(13)に設けられた第1絶縁体(14)と、第1絶縁体(14)の上に設けられていると共に半導体素子(20)と外部とに電気的に接続される端子部(15)と、を有していることを特徴とする。
【0027】
これによると、第1絶縁体(14)を介して端子部(15)を第1ヒートシンク(10)に一体化させているので、段差部(73)のような形状を有する信号端子(70)を用いなくても、凹部(43)に位置する半導体素子(20)と外部とを電気的に接続することができる。
【0028】
請求項10に記載の発明では、第1放熱面(11)は、第2端面(42)と同一平面に位置しているか、または、凹部(43)の底面(44)を基準として第2端面(42)よりも離れて位置していることを特徴とする。
【0029】
これによると、第1放熱面(11)を冷却器(82)等に接触させて放熱することができる。この場合、後述の図17に例示するように凹形状の冷却器(82)を用いることで、第1放熱面(11)および第2端面(42)と冷却器(82)とを熱的に接続できるので、より効率よく冷却を行うことができる。
【0030】
請求項11に記載の発明では、第2端面(42)は、第1放熱面(11)と同一平面に位置しているか、または、凹部(43)の底面(44)を基準として第1放熱面(11)よりも離れて位置していることを特徴とする。
【0031】
これによると、第2端面(42)が第1放熱面(11)と同一平面に位置する場合、第1ヒートシンク(10)と第2ヒートシンク(40)とが同じ面の上に配置された状態で、第1ヒートシンク(10)と第2ヒートシンク(40)との間に半導体素子(20)が接合された構造が得られる。すなわち、第2ヒートシンク(40)の凹部(43)の底面(44)に半導体素子(20)を接合しやすい構造とすることができる。また、第2端面(42)が凹部(43)の底面(44)から第1放熱面(11)よりも離れて位置する場合、後述の図19に例示するように凸形状の冷却器(82)を用いることで、第1放熱面(11)および第2端面(42)と冷却器(82)とを熱的に接続することにより、効率よく冷却を行うことができる。
【0032】
請求項12に記載の発明では、第1封止樹脂(50)は、当該第1封止樹脂(50)の最上面(51)が第1放熱面(11)と同一平面に位置しているか、または、第1放熱面(11)よりも底面(44)側に位置していることを特徴とする。
【0033】
これによると、第1封止樹脂(50)の最上面(51)は第1放熱面(11)と同一平面、または、第1放熱面(11)よりも底面(44)側に位置しているので、第1放熱面(11)が第1封止樹脂(50)に埋没されることはない。また、第1封止樹脂(50)が第1放熱面(11)よりも底面(44)側に位置することで、第1封止樹脂(50)が干渉することなく第1放熱面(11)を冷却器(82)等に接触させることができる。
【0034】
以下説明する請求項13〜26に記載の発明は、半導体装置の製造方法を対象とするものであり、請求項13に記載の発明では、半導体素子(20)として、一面(21)とこの一面(21)の反対側の他面(22)を有するものを用意する工程と、第1ヒートシンク(10)として、第1放熱面(11)とこの第1放熱面(11)の反対側の第1端面(12)とを有するものを用意する工程と、第2ヒートシンク(40)として、第2放熱面(41)と、第2放熱面(41)の反対側の第2端面(42)と、第2端面(42)の一部が第2放熱面(41)側に凹んだ凹部(43)とを有する容器状のものを用意する工程と、半導体素子(20)の一面(21)側に第1ヒートシンク(10)の第1端面(12)を熱的および電気的に接続すると共に、半導体素子(20)の他面(22)側に凹部(43)の底面(44)を熱的および電気的に接続する工程と、第2ヒートシンク(40)を凹部(43)の内部に第1封止樹脂(50)を保持する容器として機能させて、凹部(43)に第1封止樹脂(50)を設けることにより、半導体素子(20)、第1ヒートシンク(10)、および第2ヒートシンク(40)を第1封止樹脂(50)により封止する工程と、を含んでいることを特徴とする。
【0035】
これによると、第2ヒートシンク(40)そのものが第1封止樹脂(50)の成形のための金型となるので、凹部(43)の底面(44)とは反対側に位置する第2放熱面(41)が第1封止樹脂(50)に埋没されることはない。したがって、第1封止樹脂(50)から各放熱面(11、41)を露出させるために第1封止樹脂(50)および各放熱面(11、41)を研削もしくは切削する工程を不要とすることができる。
【0036】
請求項14記載の発明では、熱的および電気的に接続する工程は、一端部(71)と、他端部(72)と、一端部(71)と他端部(72)との間が段状に折り曲げられた段差部(73)と、を有する信号端子(70)を用意する工程と、信号端子(70)の一端部(71)と半導体素子(20)とを電気的に接続する工程と、を含んでおり、第1封止樹脂(50)により封止する工程では、信号端子(70)のうちの一端部(71)を凹部(43)に配置し、第1封止樹脂(50)により信号端子(70)のうち凹部(43)に位置する部分を封止することを特徴とする。
【0037】
これによると、段差部(73)を有する信号端子(70)の一端部(71)を凹部(43)に配置しているので、信号端子(70)の他端部(72)を第1封止樹脂(50)から露出させつつ封止することができる。これにより、半導体素子(20)と外部とを電気的に接続することが可能な構造を得ることができる。
【0038】
請求項15に記載の発明では、第2ヒートシンク(40)を用意する工程では、第2ヒートシンク(40)として、当該第2ヒートシンク(40)の外部と凹部(43)内とが通じるように第2端面(42)の一部が第2放熱面(41)側に凹んだ切り欠け部(45)を有するものを用意し、熱的および電気的に接続する工程では、信号端子(70)の他端部(72)の一部を切り欠け部(45)に位置させることを特徴とする。
【0039】
これによると、切り欠け部(45)に信号端子(70)の他端部(72)を収納できるので、見栄えの良い半導体装置を得ることができる。
【0040】
請求項16に記載の発明では、第1封止樹脂(50)により封止する工程では、第1封止樹脂(50)の最上面(51)が、切り欠け部(45)の底部(46)よりも凹部(43)の底面(44)側に位置するように凹部(43)に第1封止樹脂(50)を設ける。また、第1封止樹脂(50)により封止する工程の後、第1放熱面(11)が露出するように、第1封止樹脂(50)の最上面(51)および切り欠け部(45)を第2封止樹脂(52)により封止することを特徴とする。
【0041】
これによると、第2封止樹脂(52)により、第1ヒートシンク(10)と第2ヒートシンク(40)との絶縁性を確保できると共に第2ヒートシンク(40)と信号端子(70)との絶縁性を確保できる構造を得ることができる。
【0042】
この場合、請求項17に記載の発明のように、熱的および電気的に接続する工程は、貫通孔(91)が設けられた熱収縮材(90)を用意し、この貫通孔(91)に信号端子(70)の他端部(72)を通すと共に熱収縮材(90)を凹部(43)の壁面とは反対側の外壁(47)に切り欠け部(45)を覆うように貼り付ける工程と、熱収縮材(90)を加熱することにより熱収縮材(90)を熱収縮させて貫通孔(91)と信号端子(70)の他端部(72)との間の隙間を無くし、熱収縮させた熱収縮材(90)により信号端子(70)の他端部(72)を締め付ける工程と、を含んでいても良い。
【0043】
これにより、切り欠け部(45)を熱収縮材(90)により覆うようになっているから、熱収縮材(90)が切り欠け部(45)と外壁(47)側とを遮断する堤防となる。このため、切り欠け部(45)から外部に第1封止樹脂(50)が溢れ出ないようにすることができる。
【0044】
請求項18に記載の発明では、第2封止樹脂(52)により封止する工程では、第1放熱面(11)が露出すると共に、凹部(43)内の第2封止樹脂(52)の最上面が第1放熱面(11)と同一平面に位置するか、または、第1放熱面(11)よりも底面(44)側に位置するように、第1封止樹脂(50)の最上面(51)および切り欠け部(45)を第2封止樹脂(52)により封止することを特徴とする。
【0045】
これにより、第2封止樹脂(52)が干渉することなく第1放熱面(11)を冷却器(82)等に接触できるようにすることができる。
【0046】
請求項19に記載の発明では、熱収縮材(90)により信号端子(70)の他端部(72)を締め付ける工程を実行した後に、第1封止樹脂(50)により凹部(43)内および切り欠け部(45)を封止することを特徴とする。
【0047】
これによると、熱収縮材(90)により切り欠け部(45)に堤防を形成しているので、切り欠け部(45)から第1封止樹脂(50)が溢れ出ないようにすることができる。このため、第1封止樹脂(50)の最上面(51)を切り欠け部(45)の底部(46)よりも第2端面(42)側に位置させることができる。また、切り欠け部(45)に位置する信号端子(70)の他端部(72)を第1封止樹脂(50)により封止することができるので、第2ヒートシンク(40)と信号端子(70)との絶縁性を確保した構造を得ることができる。
【0048】
請求項20に記載の発明では、第1封止樹脂(50)により封止する工程では、信号端子(70)の段差部(73)を第1封止樹脂(50)により完全に被覆することを特徴とする。
【0049】
これによると、信号端子(70)の段差部(73)を全域にわたって第1封止樹脂(50)により被覆するので、信号端子(70)を確実に固定することができる。したがって、信号端子(70)の強度を向上させることができる。
【0050】
請求項21に記載の発明では、第1封止樹脂(50)により封止する工程では、第1封止樹脂(50)として粉末状のものを凹部(43)に配置し、粉末状の第1封止樹脂(50)を加熱して硬化させることにより第1封止樹脂(50)を形成することを特徴とする。
【0051】
このように、粉末状の第1封止樹脂(50)を用いて第1封止樹脂(50)を形成することもできる。粉末状の第1封止樹脂(50)は取り扱いが容易であるので、凹部(43)に粉末状の第1封止樹脂(50)を容易に配置することができる。
【0052】
請求項22に記載の発明では、第1封止樹脂(50)により封止する工程では、切り欠け部(45)を介して凹部(43)に第1封止樹脂(50)を流し込むトランスファー成形により第1封止樹脂(50)を形成することを特徴とする。このように、切り欠け部(45)を第1封止樹脂(50)のゲート入口として利用することにより、トランスファー成形によって凹部(43)に第1封止樹脂(50)を形成することもできる。
【0053】
請求項23に記載の発明では、第1封止樹脂(50)により封止する工程では、第2端面(42)と第1放熱面(11)とに緩衝テープ(92)を貼り付けることを特徴とする。これにより、緩衝テープ(92)が第2端面(42)の凹凸や第1放熱面(11)の凹凸を吸収するので、第2端面(42)と第1放熱面(11)との平面度のばらつきを無視することができる。
【0054】
請求項24に記載の発明では、第1放熱面(11)が、第2端面(42)と同一平面に位置するか、または、凹部(43)の底面(44)を基準として第2端面(42)よりも離れて位置するように半導体素子(20)に各ヒートシンク(10、40)を接続することを特徴とする。
【0055】
これによると、第1放熱面(11)が第2端面(42)と同一平面に位置する場合、各ヒートシンク(10、40)を同一平面に配置できるので、各ヒートシンク(10、40)に容易に半導体素子(20)を接続することができる。また、第1放熱面(11)が底面(44)から第2端面(42)よりも離れて位置する場合には、第1放熱面(11)を冷却器(82)等に接触させて放熱させることができる。
【0056】
請求項25に記載の発明では、熱的および電気的に接続する工程では、第2端面(42)が、第1放熱面(11)と同一平面に位置するか、または、凹部(43)の底面(44)を基準として第1放熱面(11)よりも離れて位置するように半導体素子(20)に各ヒートシンク(10、40)を接続することを特徴とする。
【0057】
これにより、第2端面(42)を第1放熱面(11)と同一平面に位置させる場合、第1ヒートシンク(10)と第2ヒートシンク(40)とを同じ面の上に配置した状態で、第1ヒートシンク(10)と第2ヒートシンク(40)との間に半導体素子(20)を接合することができる。また、第2端面(42)を凹部(43)の底面(44)から第1放熱面(11)よりも離して位置させる場合、後述の図19に例示するように凸形状の冷却器(82)を第1放熱面(11)に熱的に接続して冷却できる構造を得ることができる。
【0058】
請求項26に記載の発明では、第1封止樹脂(50)により封止する工程では、第1放熱面(11)が露出すると共に、凹部(43)内の第1封止樹脂(50)の最上面(51)が第1放熱面(11)と同一平面に位置するか、または、第1放熱面(11)よりも底面(44)側に位置するように凹部(43)に第1封止樹脂(50)を設けることを特徴とする。
【0059】
このように、第1封止樹脂(50)の最上面(51)を第1放熱面(11)と同一平面、または、第1放熱面(11)よりも底面(44)側に位置させているので、第1封止樹脂(50)から各放熱面(11、41)を露出させるために第1封止樹脂(50)および各放熱面(11、41)を研削もしくは切削する工程を不要とすることができる。
【0060】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】図1のB矢視図である。
【図4】図1のC矢視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【図6】図5のD矢視図である。
【図7】図5のE矢視図である。
【図8】図5のF矢視図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【図11】図10のG矢視図である。
【図12】図10のH矢視図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【図14】図13のI矢視図である。
【図15】本発明の第6実施形態に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図16】本発明の第7実施形態に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図17】本発明の第8実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【図18】本発明の第9実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【図19】本発明の第10実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【図20】本発明の第11実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【図21】本発明の第12実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【図22】本発明の第13実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0063】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態で示される半導体装置は、例えばハイブリッド車のインバータ制御等に用いられるものである。
【0064】
図1は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。図2は、図1のA矢視図である。また、図3は図1のB矢視図であり、図4は図1のC矢視図である。
【0065】
図1に示されるように、半導体装置は、第1ヒートシンク10、半導体素子20、ブロック体30、第2ヒートシンク40、および第1封止樹脂50を備えて構成されている。
【0066】
このうち、第1ヒートシンク10、半導体素子20、およびブロック体30は積層されている。そして、第1ヒートシンク10と半導体素子20との間、半導体素子20とブロック体30との間、ブロック体30と第2ヒートシンク40との間にはんだ60がそれぞれ介在し、はんだ60が両者をそれぞれ接続している。
【0067】
また、半導体装置のうちの第1ヒートシンク10、ブロック体30、および第2ヒートシンク40は、半導体素子20で発生した熱を半導体装置の外部に放出する役割を果たすものである。これら第1ヒートシンク10、ブロック体30、および第2ヒートシンク2は、例えばプレス加工や切削・研削等により形成される。
【0068】
第1ヒートシンク10および第2ヒートシンク40は、半導体装置の内部で発生した熱を半導体装置の外部に放出するヒートシンクとしての役割と、外部と半導体装置とを電気的に接続するための電極としての役割を果たすものである。これら各ヒートシンク10、40の材質は、少なくとも導電性および熱伝導性に優れた材料であれば良く、Cu、Al、またはそれらの合金系が採用される。
【0069】
そして、第1ヒートシンク10は、第1放熱面11と、この第1放熱面11の反対側の第1端面12とを有している。このうちの第1端面12が半導体素子20に熱的および電気的に接続されている。一方、第2ヒートシンク40は、第2放熱面41と、第2放熱面41の反対側の第2端面42と、第2端面42の一部が第2放熱面41側に凹んだ凹部43とを有する容器状をなしている。つまり、第2ヒートシンク40は底を有する器の形状をなしている。このうちの凹部43の底面44が半導体素子20に熱的および電気的に接続されている。
【0070】
半導体素子20は、IGBT、MOSトランジスタ、ダイオード等が形成された半導体チップであり、半導体素子20の表裏にはんだ付けされる電極が形成されたものである。半導体素子20は、一面21とこの一面21の反対側の他面22を有している。このうちの一面21がはんだ60を介して第1ヒートシンク10の第1端面12に熱的および電気的に接続され、他面22がはんだ60を介してブロック体30に熱的および電気的に接続されている。
【0071】
ブロック体30は、半導体素子20で発生した熱を第2ヒートシンク40に伝達するための金属製のヒートシンクである。このブロック体30ははんだ60を介して第2ヒートシンク40の凹部43の底面44に熱的および電気的に接続されている。
【0072】
そして、図1に示されるように、上記各構成のうちの第1ヒートシンク10、半導体素子20、およびブロック体30がはんだ60を介して積層構造が構成されている。この積層構造が第2ヒートシンク40の凹部43に収納されている。これにより、図2に示されるように、第1ヒートシンク10は凹部43内に位置すると共に、第2ヒートシンク40に囲まれた状態となる。
【0073】
本実施形態では、第2ヒートシンク40の第2端面42は第1ヒートシンク10の第1放熱面11よりも第1端面12側に位置している。これにより、図3および図4に示されるように、第2ヒートシンク40から第1ヒートシンク10の一部が突出した構造となる。
【0074】
また、半導体素子20、第1ヒートシンク10、第2ヒートシンク40と外部とを電気的に接続するべく、半導体装置には、信号端子70と、第1リード80と、第2リード81と、が設けられている。
【0075】
信号端子70は、半導体素子20と外部とを電気的に接続するための端子である。このような半導体素子20は、当該半導体素子20に電気的に接続された一端部71と、外部と電気的に接続される他端部72と、一端部71と他端部72との間が段状に折り曲げられた段差部73と、を有している。
【0076】
このような信号端子70は、一端部71が第2ヒートシンク40の凹部43に位置していると共に、ワイヤ23を介して半導体素子20に接続されている。一方、段差部73により他端部72が一端部71よりも第1放熱面11側に位置している。この他端部72は、図2に示されるように、第2端面42と第1放熱面11との間に位置している。
【0077】
第1リード80は、第1ヒートシンク10と外部とを電気的に接続するための端子である。この第1リード80は信号端子70と同様に段差を有する形状をなしており、一端側が第1ヒートシンク10の第1端面12に接合され、図4に示されるように、他端側が第2端面42と第1放熱面11との間に位置している。
【0078】
第2リード81は、第2ヒートシンク40と外部とを電気的に接続するための端子である。図4に示されるように、第2リード81は第1リード80の隣に配置され、第2ヒートシンク40の第2端面42に接合されている。
【0079】
第1封止樹脂50は、半導体素子20、ブロック体30、第1ヒートシンク10、および第2ヒートシンク40を封止するものである。このような第1封止樹脂50は、第1放熱面11が露出するように第2ヒートシンク40の凹部43に配置されている。すなわち、第2ヒートシンク40の凹部43は第1封止樹脂50の容器として機能している。
【0080】
また、第1封止樹脂50は信号端子70のうち一端部71から段差部73の一部までを封止し、第1リード80の一端側を封止している。これは、信号端子70や第1リード80に段差部分が設けられているので、信号端子70の他端部72や第1リード80の他端側を第2ヒートシンク40の凹部43の外部に配置させつつ、信号端子70の一端部71や第1リード80の一端側を凹部43内の第1封止樹脂50に埋没させることが可能となっている。
【0081】
また、第1封止樹脂50の最上面51は第2端面42よりも底面44側に位置している。上述のように、第1放熱面11は第2端面42よりも第2ヒートシンク40の凹部43の外側に位置しているので、第1封止樹脂50の最上面51は第1放熱面11よりも底面44側に位置していると言える。第1封止樹脂50の材質として、例えばエポキシ系樹脂が採用される。
【0082】
次に、図1〜図4に示される半導体装置の製造方法について説明する。まず、ブロック体30、半導体素子、第1ヒートシンク10、および第2ヒートシンク40をプレス加工等によりそれぞれ用意する。第2ヒートシンク40としては、第2端面42が凹んだ凹部43を有するものを用意する。凹部43は研削や切削、エッチング等の方法により形成することができる。
【0083】
また、信号端子70、第1リード80、および第2リード81を用意する。なお、第1リード80が接合された第1ヒートシンク10を用意しても良いし、第2リード81が接合された第2ヒートシンク40を用意しても良い。
【0084】
続いて、半導体素子20の一面21側に第1ヒートシンク10の第1端面12を熱的および電気的に接続すると共に、半導体素子20の他面22側に第2ヒートシンク40の凹部43の底面44を熱的および電気的に接続する。
【0085】
具体的には、以下のように行う。はじめに、第1ヒートシンク10の第1端面12にはんだ60を介して半導体素子20を接合する。また、当該第1端面12に第1リード80を接合する。そして、第1ヒートシンク10の周囲に信号端子70を配置し、半導体素子20と信号端子70の一端部71とをワイヤ23で繋ぐ。
【0086】
次に、半導体素子20の上にはんだ60を介してブロック体30を接合する。この場合、はんだ60を介して第1ヒートシンク10、半導体素子20、ブロック体30を積層し、リフロー処理により1回で接合を行っても良い。
【0087】
さらに、ブロック体30の上にはんだ60を介して第2ヒートシンク40の凹部43の底面44を載せ、ブロック体30と第2ヒートシンク40とを接合する。本実施形態では、第2端面42が第1放熱面11よりも第1端面12側に位置するように接合を行う。これにより、ブロック体30、半導体素子20、ワイヤ23、信号端子70のうちの一端部71および段差部73、第1リード80の一端側および第1ヒートシンク10の一部が凹部43内に配置される。なお、上記の接合順序は一例であり、各要素をどのように接合しても構わない。
【0088】
この後、第2ヒートシンク40そのものを金型とし、当該第2ヒートシンク40の凹部43にポッティングにより第1封止樹脂50を注入して固める。この場合、第1封止樹脂50は容器としての第2ヒートシンク40に注がれるだけである。すなわち、第2ヒートシンク40そのものを第1封止樹脂50の成形のための金型としているので、凹部43の底面44とは反対側に位置する第2放熱面41を第1封止樹脂50で埋没させてしまうようなことはない。
【0089】
第2ヒートシンク40の凹部43に第1封止樹脂50をポッティングする場合、第1放熱面11が露出すると共に、凹部43内の第1封止樹脂50の最上面51が第1放熱面11よりも底面44側に位置するように凹部43に第1封止樹脂50を設ける。このように、第1封止樹脂50の最上面51を第1放熱面11よりも底面44側に位置させているので、第1放熱面11を第1封止樹脂50で埋没させてしまうようなことはない。
【0090】
また、信号端子70に段差部73を設けているので、一端部71を第1封止樹脂50に埋没させ、他端部72を第1封止樹脂50から露出させることができる。このため、ワイヤ23と一端部71との接合部を第1封止樹脂50により拘束することが可能となる。
【0091】
このように、第2ヒートシンク40を金型として用いると共に、第1封止樹脂50の最上面51が第1放熱面11よりも第1端面12側に位置するように第1封止樹脂50を形成しているので、各放熱面11、41に第1封止樹脂50が付着することはない。したがって、第1封止樹脂50を形成した後に第1封止樹脂50および各放熱面11、41を研削もしくは切削する不要はない。
【0092】
以上説明したように、本実施形態では、第2ヒートシンク40に凹部43を設け、この凹部43内に第1封止樹脂50を設けていることが特徴となっている。すなわち、第2ヒートシンク40が第1封止樹脂50を形成するための金型となると共に第1封止樹脂50の容器として機能する。このため、第2ヒートシンク40の凹部43に第1封止樹脂50が配置されることにより、凹部43の底面44とは反対側に位置する第2放熱面41が第1封止樹脂50に埋没されることはない。
【0093】
また、本実施形態では、第1封止樹脂50の最上面51が第1放熱面11よりも第1端面12側に位置していることが特徴となっている。このため、第1放熱面11が第1封止樹脂50に被覆・埋没されることはない。
【0094】
したがって、第1封止樹脂50から各放熱面11、41を露出させるために第1封止樹脂50および各放熱面11、41を研削もしくは切削する必要がない構造とすることができる。
【0095】
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。図5は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。図6は、図5のD矢視図である。また、図7は図5のE矢視図であり、図8は図5のF矢視図である。
【0096】
図5および図6に示されるように、第2ヒートシンク40は、当該第2ヒートシンク40の凹部43と外部とが通じるように第2端面42の一部が第2放熱面41側に凹んだ切り欠け部45を有している。この切り欠け部45は、信号端子70、第1リード80、および第2リード81が配置された位置に対応してそれぞれ設けられている。
【0097】
なお、第2リード81の高さを第1リード80と合わせるため、第2リード81のうち切り欠け部45に配置される部分の第2リード81の厚さを切り欠け部45の深さと同じになっている。これにより、第2リード81が配置された切り欠け部45は第2リード81によって閉じられるので、当該切り欠け部45を介して第2ヒートシンク40の凹部43の内外が通ずることはない。このような第2リード81の形状は一例であり、他の形状でも構わない。
【0098】
図6に示されるように、本実施形態では、複数の信号端子70に対応する1つの切り欠け部45が第2ヒートシンク40に設けられている。もちろん、信号端子70の1本1本に対応した切り欠け部45が複数設けられていても良い。
【0099】
そして、信号端子70の他端部72の一部が切り欠け部45に位置している。同様に、第1リード80の他端側の一部や第2リード81の他端側が切り欠け部45にそれぞれ位置している。これら他端部72や各リード80、81の他端側は、図7および図8に示されるように、第2端面42と切り欠け部45の底部46との間に位置している。これは、信号端子70の段差部73や第1リード80の段差部分の長さで調整される。
【0100】
一方、第2リード81は第2ヒートシンク40と外部とを電気的に接続するものであるから、図8に示されるように、第2リード81の一端側は切り欠け部45に嵌め込まれて固定されている。
【0101】
本実施形態では、第2端面42と第1放熱面11とは同一平面に位置している。さらに、上記のように、信号端子70の他端部72や各リード80、81の他端側が第2端面42の上に配置されずに切り欠け部45に収納されている。このため、半導体素子20および各ヒートシンク10、40等をはんだ60を介して接合することで、第2ヒートシンク40の凹部43の深さや第2端面42により第1ヒートシンク10の厚さおよび第1放熱面11の傾きを制御することができる。
【0102】
また、図5に示されるように、第1封止樹脂50の最上面51は、切り欠け部45の底部46よりも凹部43の底面44側に位置している。これにより、凹部43から切り欠け部45を介して第1封止樹脂50が溢れ出ないようになっている。さらに、本実施形態では、第1放熱面11が露出するように、第1封止樹脂50の最上面51および切り欠け部45を第2封止樹脂52で封止している。
【0103】
これによると、第1ヒートシンク10と第2ヒートシンク40の凹部43との間に第2封止樹脂52が位置するので、当該第2封止樹脂52により第1ヒートシンク10と第2ヒートシンク40との絶縁性を確保することができる。また、各切り欠け部45にも第2封止樹脂52が配置されるので、当該第2封止樹脂52により第2ヒートシンク40と信号端子70との絶縁性や第2ヒートシンク40と第1リード80との絶縁性を確保することができる。
【0104】
このような第2封止樹脂52は、図6〜図8に示されるように、第2ヒートシンク40のうち凹部43の壁面とは反対側の外壁47にも設けられている。すなわち、外壁47は第2ヒートシンク40の第2端面42と第2放熱面41とに垂直な側面に相当する。なお、第2封止樹脂52は第2ヒートシンク40と他の部材との絶縁性を高めるためのものであり、第2封止樹脂52が外壁47に設けられていなくても良い。このような第2封止樹脂52の材料としては、ポリアミドイミドやポリアミド等が採用される。
【0105】
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。本実施形態では、第2ヒートシンク40を用意する際に、切り欠け部45が形成されたものを用意する。もちろん、第1実施形態に係る第2ヒートシンク40を用意し、接合前に第2ヒートシンク40に切削等により切り欠け部45を形成しても良い。
【0106】
続いて、はんだ60を介して第1ヒートシンク10、半導体素子20、ブロック体30をそれぞれ接合して積層構造を構成する。また、信号端子70および第1リード80を用意し、半導体素子20と信号端子70の一端部71とをワイヤ23で接続し、第1リード80の一端側を第1ヒートシンク10の第1端面12に接合する。
【0107】
この後、上記の積層構造を第2ヒートシンク40の凹部43に収納する。このとき、信号端子70の他端部72の一部や第1リード80の他端側の一部を切り欠け部45にそれぞれ位置させると共に、第2端面42と第1放熱面11とが同一平面に位置するようにブロック体30と凹部43の底面44とをはんだ60で接合する。こうして、半導体素子20に各ヒートシンク10、40を熱的および電気的に接続する。
【0108】
次に、ポッティングにより第2ヒートシンク40の凹部43に第1封止樹脂50を形成する。この場合、第1封止樹脂50の最上面51が、切り欠け部45の底部46よりも凹部43の底面44側に位置するように凹部43に第1封止樹脂50を設ける。これは、凹部43から切り欠け部45を介して第1封止樹脂50が溢れ出ないようにするためである。
【0109】
また、第1封止樹脂50を形成した後、第1放熱面11が露出するように、第1封止樹脂50の最上面51および切り欠け部45を第2封止樹脂52により封止する。すなわち、第2封止樹脂52が第1放熱面11と同一平面もしくは第1放熱面11よりも切り欠け部45の底部46側に位置するように第2封止樹脂52を形成する。また、第2ヒートシンク40の外壁47にも第2封止樹脂52を形成する。なお、第2封止樹脂52を形成する際には、各放熱面11、41をマスクし、ポリアミドイミド等をディップ後、硬化すれば良い。こうして、図5に示された半導体装置が完成する。
【0110】
以上説明したように、本実施形態では、第2ヒートシンク40に切り欠け部45を設け、この切り欠け部45に信号端子70や各リード80、81を配置したことが特徴となっている。これにより、第1ヒートシンク10と第2ヒートシンク40とを同一平面に配置した状態で第1ヒートシンク10と第2ヒートシンク40とに半導体素子20を接続することができる。また、第2端面42側に信号端子70等が突出していないので、半導体装置の見栄えが良くなる。
【0111】
このように、第2端面42と第1放熱面11とを同一平面に配置するということは、第2端面42の高さと第1放熱面11の高さとを異ならせる必要がないため、第2ヒートシンク40の凹部43に積層構造を接合しやすくすることができる。
【0112】
また、第1封止樹脂50の上に、切り欠け部45を埋めるように第2封止樹脂52を設けたことが特徴となっている。これにより、第1ヒートシンク10と第2ヒートシンク40との絶縁性を確保できると共に第2ヒートシンク40と信号端子70との絶縁性を確保することができる。
【0113】
(第3実施形態)
本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について説明する。図9は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。なお、図9では、第2ヒートシンク40の第2端面42の位置を分かりやすくするために、第2ヒートシンク40については切り欠け部45が設けられていない部分の断面を示してある。
【0114】
図9に示されるように、半導体装置を第1、第2冷却器82、83で挟み込むことにより、半導体装置の冷却効果を高めるようにしたものである。
【0115】
このため、半導体装置は、第1放熱面11および第2端面42を覆う第1熱伝導絶縁材84と、第2放熱面41を覆う第2熱伝導絶縁材85と、を備えている。これら各熱伝導絶縁材84、85としては、高熱伝導なフィラーを含有した絶縁シートやセラミックス等が採用される。前者の場合は圧接、後者の場合はCVDまたは溶射などによる成膜により形成される。
【0116】
また、第1熱伝導絶縁材84の上には、当該第1熱伝導絶縁材84を覆うと共に、第1冷却器82が接合される第1導電材86が設けられている。一方、第2熱伝導絶縁材85の上には、当該第2熱伝導絶縁材85を覆うと共に、第2冷却器83が接合される第2導電材87が設けられている。これら各導電材86、87としては、例えばAlやCuのシートが採用される。
【0117】
このような構造の半導体装置は、第2ヒートシンク40の凹部43に第1封止樹脂50を設けた後、第1放熱面11および第2端面42に第1熱伝導絶縁材84を形成する。また、第2放熱面41に第2熱伝導絶縁材85を形成する。そして、各熱伝導絶縁材84、85の表面にマスキングを行い、第1封止樹脂50の上および切り欠け部45に第2封止樹脂52を形成する。
【0118】
この後、各熱伝導絶縁材84、85の上に、圧接または溶射などによる成膜により各導電材86、87を形成することにより半導体装置が完成する。
【0119】
こうして得られた半導体装置において、第1導電材86の上に第1冷却器82を接合し、第2導電材87の上に第2冷却器83を接合することにより、半導体装置を効率良く冷却することができる。
【0120】
各ヒートシンク10、40と各冷却器82、83との絶縁は、各熱伝導絶縁材84、85により確保されている。また、各熱伝導絶縁材84、85や各導電材86、87により半導体装置と各冷却器82、83との間の熱抵抗が低下する。
【0121】
さらに、第2熱伝導絶縁材85の上に設けた第2導電材87と第2ヒートシンク40との間に電流が流れるか否かの電気的試験を行うことができる。これにより、第2ヒートシンク40と第2導電材87との絶縁性を確認することができる。
【0122】
(第4実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態と異なる部分について説明する。図10は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。また、図11は図10のG矢視図であり、図12は図10のH矢視図である。なお、図10では、第2ヒートシンク40の第2端面42の位置を分かりやすくするために、第2ヒートシンク40については切り欠け部45が設けられていない部分の断面を示してある。
【0123】
図10〜図12に示されるように、第2端面42と第1放熱面11とが同一平面に位置している。また、第2ヒートシンク40には信号端子70や各リード80、81に対応した切り欠け部45がそれぞれ設けられ、各切り欠け部45に信号端子70の他端部72の一部や第1リード80の他端側の一部が収納されている。
【0124】
なお、第2リード81については、第2リード81のうち切り欠け部45に配置される部分の第2リード81の厚さが切り欠け部45の深さと同じになっている。これにより、第2リード81が配置された切り欠け部45は第2リード81によって閉じられる。
【0125】
また、図11および図12に示されるように、第2ヒートシンク40は、凹部43の壁面とは反対側の外壁47に熱収縮材90を備えている。図11および図12では、熱収縮材90を斜線の領域で示してある。
【0126】
この熱収縮材90は、切り欠け部45を覆うように外壁47に貼り付けられている。熱収縮材90には信号端子70の断面サイズや第1リード80の断面サイズよりも大きな貫通孔91が予め設けられており、この貫通孔91に信号端子70の他端部72や第1リードの他端側が通されている。そして、熱収縮材90が加熱されて熱収縮したことにより貫通孔91のサイズが小さくなるので、熱収縮材90により信号端子70の他端部72を締め付けた状態となる。
【0127】
本実施形態では、第2ヒートシンク40の凹部43および切り欠け部45に第1封止樹脂50が設けられ、この第1封止樹脂50の最上面51は第2端面42および第1放熱面11と同一平面に位置している。したがって、第1封止樹脂50は、凹部43内および切り欠け部45を封止している。
【0128】
この場合、切り欠け部45を覆うように第2ヒートシンク40の外壁47に熱収縮材90が設けられているので、熱収縮材90が切り欠け部45の堤防となる。このため、第1封止樹脂50の最上面51が切り欠け部45の底部46よりも第2端面42側に位置することになったとしても、当該切り欠け部45から第2ヒートシンク40の外側に第1封止樹脂50が溢れ出ることはない。これにより、第1封止樹脂50により信号端子70と第2ヒートシンク40との絶縁性や第1リード80と第2ヒートシンク40との絶縁性が確保されている。
【0129】
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。上述のように、第1ヒートシンク10、半導体素子20、およびブロック体30の積層構造を形成し、半導体素子20と信号端子70の一端部71とをワイヤで接合する。また、第1ヒートシンク10の第1端面12に第1リード80を接合する。一方、切り欠け部45を設けた第2ヒートシンク40を用意し、第2リード81を接合する。
【0130】
この後、第2ヒートシンク40の凹部43に上記積層構造を収納し、信号端子70の他端部72の一部や第1リード80の他端側の一部を切り欠け部45に収納する。そして、第2端面42と第1放熱面11とが同一平面に位置するように、ブロック体30と凹部43の底面44とをはんだ60で接合する。
【0131】
続いて、貫通孔91が設けられた熱収縮材90を用意する。この貫通孔91に信号端子70の他端部72を通すと共に熱収縮材90を第2ヒートシンク40の凹部43の壁面とは反対側の外壁47に切り欠け部45を覆うように貼り付ける。第1リード80についても同様に、熱収縮材90の貫通孔91に第1リード80の他端側を通し、第2ヒートシンク40の外壁47に貼り付ける。
【0132】
次に、熱収縮材90を加熱することにより熱収縮材90を熱収縮させて貫通孔91と信号端子70の他端部72や第1リード80の他端側との間の隙間を無くし、熱収縮させた熱収縮材90により信号端子70の他端部72を締め付ける。これにより、各切り欠け部45を介する凹部43と外部との繋がりを遮断する。
【0133】
そして、第2ヒートシンク40の凹部43および切り欠け部45に第1封止樹脂50をポッティングにより形成し、凹部43内および切り欠け部45を封止する。こうして、図10に示される半導体装置が完成する。
【0134】
以上説明したように、本実施形態では、切り欠け部45を熱収縮材90により覆うことが特徴となっている。これにより、熱収縮材90が切り欠け部45と外壁47側とを遮断する堤防となるので、切り欠け部45から第1封止樹脂50が溢れ出ないようにすることができる。また、切り欠け部45から外部に第1封止樹脂50が溢れることはないので、第1封止樹脂50の最上面51を切り欠け部45の底部46よりも第2端面42側に位置させることができる。
【0135】
また、切り欠け部45に第1封止樹脂50を設けることができるので、第2ヒートシンク40と信号端子70との絶縁性や第2ヒートシンク40と第1リード80との絶縁性を確保することができる。
【0136】
(第5実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。第1実施形態では、半導体素子20と外部とを電気的に接続するための信号端子70を設けていたが、本実施形態では、第1ヒートシンク10に半導体素子20と外部とを電気的に接続するための端子部を設けたことが特徴となっている。
【0137】
図13は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。また、図14は、図13のI矢視図である。
【0138】
図13に示されるように、第1ヒートシンク10は、第1放熱面11および第1端面12に垂直な第1側面13を備えている。この第1側面13には第1絶縁体14が設けられ、さらに、第1絶縁体14の上には半導体素子20と外部とを電気的に接続するための端子部15が設けられている。これら第1放熱面11、第1絶縁体14、および端子部15は同一平面に位置している。
【0139】
また、第1ヒートシンク10の第1端面12側において、半導体素子20と端子部15とがワイヤ23で接続されている。そして、ワイヤ23と端子部15との接合部やワイヤ23と半導体素子20との接合部は第1封止樹脂50により拘束されている。
【0140】
上記のように、端子部15は第1絶縁体14を介して第1ヒートシンク10に一体化されているので、図14に示されるように、端子部15は第2ヒートシンク40の凹部43の範囲内に位置することとなる。そして、端子部15に外部からワイヤ等が接合されることとなる。
【0141】
以上の構造とすることで、段差部73のような形状を有する信号端子70を用いなくても、端子部15を介して半導体素子20に信号電圧を外部に取り出すことが可能になる。
【0142】
(第6実施形態)
本実施形態では、第1〜第5実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、ポッティングの方法ではなく、粉末状の第1封止樹脂50を加熱して硬化することにより第1封止樹脂50を形成することが特徴となっている。
【0143】
図15は、本実施形態に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。この図に示されるように、各要素をはんだ60で接合した後、第2ヒートシンク40の凹部43に粉末状の第1封止樹脂50を配置する。
【0144】
続いて、同一平面に配置された第2端面42と第1放熱面11とに緩衝テープ92を貼り付ける。この緩衝テープ92に第2端面42の凹凸や第1放熱面11の凹凸を吸収させ、第2端面42と第1放熱面11との平面度のばらつきを無視できるようにするためである。
【0145】
この後、金型100で第2ヒートシンク40と緩衝テープ92とを押さえ付け、粉末状の第1封止樹脂50を加熱して硬化させることにより第1封止樹脂50を形成する。粉末状の第1封止樹脂50は取り扱いが容易である。また、第2ヒートシンク40の凹部43に粉末状の第1封止樹脂50を配置して硬化させるだけであるので、ポッティングのための装置も不要とすることができる。
【0146】
なお、図15では、第2ヒートシンク40を上に描いてあるが、第2ヒートシンク40を粉末状の第1封止樹脂50の容器として用いているので、第2ヒートシンク40に切り欠け部45が設けられていても、粉末の量を調節することにより、切り欠け部45から第1封止樹脂50が溢れ出ないようにすることができる。もちろん、熱収縮材90を用いる場合には、切り欠け部45からの第1封止樹脂50の漏れは問題ない。また、第1封止樹脂50を形成した後に第2封止樹脂52を設けても良い。
【0147】
(第7実施形態)
本実施形態では、第1〜第6実施形態と異なる部分について説明する。上記各実施形態では、ポッティングの方法や粉末状の第1封止樹脂50を硬化させる方法により第1封止樹脂50を形成していたが、本実施形態ではトランスファー成形により第1封止樹脂50を形成することが特徴となっている。
【0148】
図16は、本実施形態に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。第6実施形態と同様に、第2端面42および第1放熱面11に緩衝テープ92を貼り付けたものを用意し、これを金型110に配置する。
【0149】
本実施形態に係る金型110は、トランスファー成形を行うためのものである。図16では金型110を簡略化して描いてあるが、実際には金型110は信号端子70や各リード80、81に第1封止樹脂50が付着しない構造になっている。
【0150】
そして、金型110内に第1封止樹脂50を流し込む。すなわち、第1封止樹脂50のゲート入口として利用することにより、切り欠け部45を介して第2ヒートシンク40の凹部43に第1封止樹脂50を流し込む。これにより、トランスファー成形によって凹部43に第1封止樹脂50を形成することができる。
【0151】
(第8実施形態)
本実施形態では、第1〜第7実施形態と異なる部分について説明する。図17は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。この図に示されるように、第1ヒートシンク10の第1放熱面11は、第2ヒートシンク40の第2端面42よりも外側に位置している。すなわち、第1ヒートシンク10の第1放熱面11は、第2ヒートシンク40の凹部43の底面44を基準として第2ヒートシンク40の第2端面42よりも離れて位置している。つまり、凹部43の底面44を基準として第1放熱面11が第2端面42から突出している。
【0152】
このように第1放熱面11と第2端面42との位置が規定された半導体装置が第1、第2冷却器82、83で挟み込まれている。ここで、各ヒートシンク10、40と各冷却器82、83との絶縁を図るため、半導体装置と各冷却器82、83との間には第1、第2絶縁シート88、89が配置されている。各絶縁シート88、89として、上述のように、熱伝導絶縁材84、85を採用しても良い。
【0153】
第2ヒートシンク40の第2放熱面41は、第2絶縁シート89を第2冷却器83に熱的に接続される。一方、図17に示されるように、第1冷却器82として、半導体装置に対向する面が凹状になった第1冷却器82が用いられる。この場合、第1絶縁シート88は第1冷却器82の凹面に配置され、この第1絶縁シート88を介して、第1ヒートシンク10と第1冷却器82との熱的な接続だけでなく、第2ヒートシンク40の第2端面42と第1冷却器82との熱的な接続も可能となる。このため、凹形状の第1冷却器82を用いることで、より効率良く冷却を行うことができる。
【0154】
(第9実施形態)
本実施形態では、第8実施形態と異なる部分について説明する。図18は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。第9実施形態で説明したように、第1放熱面11は第2端面42から外側に突出しているので、第1放熱面11が最表面に位置することとなる。したがって、図18に示されるように、板状の第1冷却器82と第1ヒートシンク10との熱的な接続を行うこともできる。
【0155】
(第10実施形態)
本実施形態では、第8、第9実施形態と異なる部分について説明する。図19は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。この図に示されるように、第2ヒートシンク40の第2端面42が、第1ヒートシンク10の第1放熱面11よりも外側に位置している。すなわち、第2ヒートシンク40の第2端面42は、凹部43の底面44を基準として、第1ヒートシンク10の第1放熱面11よりも離れて位置している。つまり、第2端面42は、凹部43の底面44を基準として第1放熱面11から突出している。
【0156】
第2ヒートシンク40の第2放熱面41は、第8、第9実施形態で説明したように、第2絶縁シート89を介して第2冷却器83に熱的に接続される。一方、図19に示されるように、第1冷却器82として、半導体装置に対向する面が凸状になった第1冷却器82が用いられる。
【0157】
そして、第1絶縁シート88は第1冷却器82の凸面に配置され、この第1絶縁シート88を介して、第2ヒートシンク40の第2端面42と第1冷却器82との熱的な接続だけでなく、第1ヒートシンク10と第1冷却器82との熱的な接続も可能となる。このため、凸形状の第1冷却器82を用いることで、より効率良く冷却を行うことができる。
【0158】
(第11実施形態)
本実施形態では、第10実施形態と異なる部分について説明する。図20は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。第10実施形態で説明したように、第2端面42は第1放熱面11から外側に突出しているので、第2端面42が最表面に位置することとなる。したがって、図20に示されるように、第1冷却器82として、第1放熱面11の面方向における第1冷却器82のサイズが、第2ヒートシンク40の凹部43の底面44よりも小さく、第1ヒートシンク10の第1放熱面11よりも大きいものを用いる。これにより、板状の第1冷却器82と第1ヒートシンク10との熱的な接続を行うことができる。
【0159】
(第12実施形態)
本実施形態では、第11実施形態と異なる部分について説明する。図21は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。この図に示されるように、第1封止樹脂50は、当該第1封止樹脂50の最上面51が信号端子70の段差部73よりも外側に位置している。すなわち、第1封止樹脂50は、信号端子70の段差部73を完全に被覆している。
【0160】
本実施形態に係る半導体装置では、第2ヒートシンク40に設けられた切り欠け部45は、第1封止樹脂50により封止されている。この場合、例えば、切り欠け部45を塞ぐように第2ヒートシンク40の外壁47(図10、図11参照)に熱収縮材90が設けられており、切り欠け部45から第1封止樹脂50が溢れ出ないようになっている。なお、図21では熱収縮材90を省略している。
【0161】
また、図21に示されるように、第2冷却器83として、第2ヒートシンク40の第2放熱面41よりも大きいものを用いられる。さらに、第8、第9実施形態と同様に、第1ヒートシンク10の第1放熱面11が第2ヒートシンク40の第2端面42よりも外側に位置している。
【0162】
以上のように、第1封止樹脂50により信号端子70の段差部73を全域にわたって被覆しているので、信号端子70を確実に固定することができ、信号端子70の強度を向上させることができる。
【0163】
なお、図21では、第1封止樹脂50の最上面51が第2ヒートシンク40の第2端面42に対して凸形状となっているが、これは第1封止樹脂50の最上面51の形状の一例である。したがって、信号端子70の段差部73が第1封止樹脂50により封止されていれば、第1封止樹脂50の最上面51が凹形状となっていても良い。
【0164】
また、第2ヒートシンク40に設けられた切り欠け部45は第1封止樹脂50により封止されているが、第1封止樹脂50の最上面51が凹部43の壁面に接続されるように第1封止樹脂50を設けることで、切り欠け部45が第1封止樹脂50に封止されていない構造すなわち熱収縮材90を用いない構造であっても良い。
【0165】
(第13実施形態)
本実施形態では、第12実施形態と異なる部分について説明する。図22は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。この図に示されるように、本実施形態に係る半導体装置も、第1封止樹脂50が信号端子70の段差部73を完全に被覆している。
【0166】
本実施形態に係る半導体装置では、第2冷却器83として、第2ヒートシンク40の第2放熱面41と対向する面が当該第2放熱面41と同じサイズのものが用いられる。また、第10、第11実施形態と同様に、第2ヒートシンク40の第2端面42が第1ヒートシンク10の第1放熱面11よりも外側に位置している。
【0167】
このような半導体装置についても、信号端子70の段差部73を全域にわたって第1封止樹脂50で被覆することで、信号端子70を確実に固定でき、ひいては信号端子70の強度を向上させることができる。
【0168】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、半導体装置が信号端子70を有するものについて説明したが、半導体素子20の種類によっては半導体装置に信号端子70が不要な場合もある。例えば、半導体素子20がダイオード素子を含んだものであれば、第1ヒートシンク10と第2ヒートシンク40との間に電流が流れるように構成されれば良いので、このような場合には半導体装置に信号端子70を備えなくても良い。すなわち、上記各実施形態で示された半導体装置の構成は一例を示すものであり、例えばブロック体30が備えられていなくても良い。また、各ヒートシンク10、40の各放熱面11、41を電極面として用いる場合には、各リード80、81を不要とすることもできる。
【0169】
第1、第5実施形態では、第2ヒートシンク40の第2端面42と第1ヒートシンク10の第1放熱面11とが同一平面に位置していないが、同一平面に位置させても良い。一方、第2〜第4、第6、第7実施形態では第2ヒートシンク40の第2端面42と第1ヒートシンク10の第1放熱面11とが同一平面に位置しているが、同一平面に位置させなくても良い。
【0170】
第2実施形態では、第1封止樹脂50の上に第2封止樹脂52を設けていたが、信号端子70の絶縁性を高めるという観点では第2封止樹脂52を設けると良いが、第2封止樹脂52が設けられていなくても良い。
【0171】
第3実施形態において、第2ヒートシンク40の外壁47に熱収縮材90を設けても良い。これにより、切り欠け部45から第2封止樹脂52が溢れ出ないようにすることができる。また、第2ヒートシンク40の外壁47に熱収縮材90を設けて凹部43および切り欠け部45を第1封止樹脂50のみで封止しても良い。さらに、第2ヒートシンク40の外壁47に熱収縮材90を設けずに、第1封止樹脂50の最上面51を切り欠け部45の底部46よりも凹部43の底面44側に位置させて第1封止樹脂50のみで各部を封止した構造にも各熱伝導絶縁材84、85や各導電材86、87を設けることができる。
【0172】
第4実施形態では、第1封止樹脂50のみで第2ヒートシンク40の凹部43を封止していたが、第2ヒートシンク40の外壁47に熱収縮材90を設け、第1封止樹脂50の最上面51を例えば切り欠け部45の底部46よりも凹部43の底面44側に位置させ、この第1封止樹脂50の上に第2封止樹脂52を設けても良い。これにより、切り欠け部45から第2封止樹脂52を溢れさせることなく、第2封止樹脂52により信号端子70を封止することができる。この場合、第2封止樹脂52の最上面を第1放熱面11と同一平面に位置させるか、または、第1放熱面11よりも底面44側に位置させても良い。これにより、第2封止樹脂52が干渉することなく第1放熱面11を第1冷却器82に接触させることができる。
【0173】
第9、第11〜第13実施形態では、信号端子70の他端部72が第2ヒートシンク40の切り欠け部4に配置されている構造について説明した。しかしながら、例えば図1に示されるように、信号端子70の他端部72が第2ヒートシンク40の第2端面42の上部すなわち第2端面42と第1放熱面11との間に位置していても良い。
【0174】
第12、第13実施形態では、信号端子70の段差部73を第1封止樹脂50で完全に覆うことについて説明したが、他の信号端子、例えば第1実施形態等で示された第1リード80と、第2リード81についても同様に段差部分を第1封止樹脂50で完全に覆うこともできる。
【0175】
上記に示された半導体装置の具体的な構造は、単なる一例であり、形状や材質等について適宜変更することができる。また、各実施形態を適宜組み合わせて実施しても良い。
【符号の説明】
【0176】
10 第1ヒートシンク
11 第1放熱面
12 第1端面
20 半導体素子
21 半導体素子の一面
22 半導体素子の他面
40 第2ヒートシンク
41 第2放熱面
42 第2端面
43 凹部
44 凹部の底面
50 第1封止樹脂
51 第1封止樹脂の最上面
70 信号端子
71 信号端子の一端部
72 信号端子の他端部
73 信号端子の段差部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面(21)とこの一面(21)の反対側の他面(22)を有する半導体素子(20)と、
第1放熱面(11)とこの第1放熱面(11)の反対側の第1端面(12)とを有し、前記第1端面(12)が前記半導体素子(20)の一面(21)側に熱的および電気的に接続された第1ヒートシンク(10)と、
第2放熱面(41)と、前記第2放熱面(41)の反対側の第2端面(42)と、前記第2端面(42)の一部が前記第2放熱面(41)側に凹んだ凹部(43)とを有し、前記凹部(43)の底面(44)が前記半導体素子(20)の他面(22)側に熱的および電気的に接続された容器状の第2ヒートシンク(40)と、
前記凹部(43)に配置され、前記第1放熱面(11)が露出するように前記半導体素子(20)、前記第1ヒートシンク(10)、および前記第2ヒートシンク(40)を封止した第1封止樹脂(50)と、を備え、
前記第2ヒートシンク(40)は、前記第1封止樹脂(50)を前記凹部(43)の内部に保持する容器として機能するようになっていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記半導体素子(20)に電気的に接続された一端部(71)と、外部と電気的に接続される他端部(72)と、前記一端部(71)と前記他端部(72)との間が段状に折り曲げられた段差部(73)と、を有する信号端子(70)を備え、
前記信号端子(70)のうちの前記一端部(71)は、前記凹部(43)に位置しており、
前記第1封止樹脂(50)は、前記信号端子(70)のうち前記凹部(43)に位置する部分を封止していることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2ヒートシンク(40)は、当該第2ヒートシンク(40)の外部と前記凹部(43)とが通じるように前記第2端面(42)の一部が前記第2放熱面(41)側に凹んだ切り欠け部(45)を有し、
前記信号端子(70)の他端部(72)は、当該他端部(72)の一部が前記切り欠け部(45)に位置していることにより、前記第2端面(42)と前記切り欠け部(45)の底部(46)との間に位置しており、
前記第1封止樹脂(50)の最上面(51)は、前記切り欠け部(45)の底部(46)よりも前記凹部(43)の底面(44)側に位置しており、
前記第1放熱面(11)が露出するように、前記第1封止樹脂(50)の最上面(51)および前記切り欠け部(45)を封止した第2封止樹脂(52)を備えていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2ヒートシンク(40)は、当該第2ヒートシンク(40)の外部と前記凹部(43)とが通じるように前記第2端面(42)の一部が前記第2放熱面(41)側に凹んだ切り欠け部(45)を有し、
前記信号端子(70)の他端部(72)は、当該他端部(72)の一部が前記切り欠け部(45)に位置していることにより、前記第2端面(42)と前記切り欠け部(45)の底部(46)との間に位置しており、
前記第2ヒートシンク(40)は、前記凹部(43)の壁面とは反対側の外壁(47)に前記切り欠け部(45)を覆うように貼り付けられていると共に前記信号端子(70)の他端部(72)が貫通している熱収縮材(90)を有し、
前記熱収縮材(90)は、加熱されて熱収縮することにより前記信号端子(70)の他端部(72)を締め付けることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2封止樹脂(52)は、当該第2封止樹脂(52)の最上面が前記第1放熱面(11)と同一平面に位置しているか、または、前記第1放熱面(11)よりも前記底面(44)側に位置していることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2ヒートシンク(40)は、当該第2ヒートシンク(40)の外部と前記凹部(43)とが通じるように前記第2端面(42)の一部が前記第2放熱面(41)側に凹んだ切り欠け部(45)を有し、
前記信号端子(70)の他端部(72)は、当該他端部(72)の一部が前記切り欠け部(45)に位置していることにより、前記第2端面(42)と前記切り欠け部(45)の底部(46)との間に位置しており、
前記第2ヒートシンク(40)は、前記凹部(43)の壁面とは反対側の外壁(47)に前記切り欠け部(45)を覆うように貼り付けられていると共に前記信号端子(70)の他端部(72)が貫通している熱収縮材(90)を有し、
前記熱収縮材(90)は、加熱されて熱収縮することにより前記信号端子(70)の他端部(72)を締め付けるようになっており、
前記第1封止樹脂(50)は、前記凹部(43)内および前記切り欠け部(45)を封止していることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1封止樹脂(50)は、前記信号端子(70)の段差部(73)を完全に被覆していることを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1放熱面(11)および前記第2端面(42)を覆う第1熱伝導絶縁材(84)と、
前記第2放熱面(41)を覆う第2熱伝導絶縁材(85)と、
前記第1熱伝導絶縁材(84)を覆うと共に、第1冷却器(82)が接合される第1導電材(86)と、
前記第2熱伝導絶縁材(85)を覆うと共に、第2冷却器(83)が接合される第2導電材(87)と、を備えていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1ヒートシンク(10)は、前記第1放熱面(11)および前記第1端面(12)に垂直な第1側面(13)と、前記第1側面(13)に設けられた第1絶縁体(14)と、前記第1絶縁体(14)の上に設けられていると共に前記半導体素子(20)と外部とに電気的に接続される端子部(15)と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1放熱面(11)は、前記第2端面(42)と同一平面に位置しているか、または、前記凹部(43)の底面(44)を基準として前記第2端面(42)よりも離れて位置していることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第2端面(42)は、前記第1放熱面(11)と同一平面に位置しているか、または、前記凹部(43)の底面(44)を基準として前記第1放熱面(11)よりも離れて位置していることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1封止樹脂(50)は、当該第1封止樹脂(50)の最上面(51)が前記第1放熱面(11)と同一平面に位置しているか、または、前記第1放熱面(11)よりも前記底面(44)側に位置していることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項13】
半導体素子(20)を第1ヒートシンク(10)と第2ヒートシンク(40)とで挟み込み、これら各ヒートシンク(10、40)と前記半導体素子(20)とを熱的および電気的に接続し、前記半導体素子(20)、前記第1ヒートシンク(10)、および前記第2ヒートシンク(40)を第1封止樹脂(50)により封止する半導体装置の製造方法であって、
前記半導体素子(20)として、一面(21)とこの一面(21)の反対側の他面(22)を有するものを用意する工程と、
前記第1ヒートシンク(10)として、第1放熱面(11)とこの第1放熱面(11)の反対側の第1端面(12)とを有するものを用意する工程と、
前記第2ヒートシンク(40)として、第2放熱面(41)と、前記第2放熱面(41)の反対側の第2端面(42)と、前記第2端面(42)の一部が前記第2放熱面(41)側に凹んだ凹部(43)とを有する容器状のものを用意する工程と、
前記半導体素子(20)の一面(21)側に前記第1ヒートシンク(10)の前記第1端面(12)を熱的および電気的に接続すると共に、前記半導体素子(20)の他面(22)側に前記凹部(43)の底面(44)を熱的および電気的に接続する工程と、
前記第2ヒートシンク(40)を前記凹部(43)の内部に前記第1封止樹脂(50)を保持する容器として機能させて、前記凹部(43)に前記第1封止樹脂(50)を設けることにより、前記半導体素子(20)、前記第1ヒートシンク(10)、および前記第2ヒートシンク(40)を前記第1封止樹脂(50)により封止する工程と、を含んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記熱的および電気的に接続する工程は、
一端部(71)と、他端部(72)と、前記一端部(71)と前記他端部(72)との間が段状に折り曲げられた段差部(73)と、を有する信号端子(70)を用意する工程と、
前記信号端子(70)の一端部(71)と前記半導体素子(20)とを電気的に接続する工程と、を含んでおり、
前記第1封止樹脂(50)により封止する工程では、前記信号端子(70)のうちの前記一端部(71)を前記凹部(43)に配置し、前記第1封止樹脂(50)により前記信号端子(70)のうち前記凹部(43)に位置する部分を封止することを特徴とする請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記第2ヒートシンク(40)を用意する工程では、前記第2ヒートシンク(40)として、当該第2ヒートシンク(40)の外部と前記凹部(43)内とが通じるように前記第2端面(42)の一部が前記第2放熱面(41)側に凹んだ切り欠け部(45)を有するものを用意し、
前記熱的および電気的に接続する工程では、前記信号端子(70)の他端部(72)の一部を前記切り欠け部(45)に位置させることを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記第1封止樹脂(50)により封止する工程では、前記第1封止樹脂(50)の最上面(51)が、前記切り欠け部(45)の底部(46)よりも前記凹部(43)の底面(44)側に位置するように前記凹部(43)に前記第1封止樹脂(50)を設け、
前記第1封止樹脂(50)により封止する工程の後、前記第1放熱面(11)が露出するように、前記第1封止樹脂(50)の最上面(51)および前記切り欠け部(45)を第2封止樹脂(52)により封止することを特徴とする請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記熱的および電気的に接続する工程は、
貫通孔(91)が設けられた熱収縮材(90)を用意し、この貫通孔(91)に前記信号端子(70)の他端部(72)を通すと共に前記熱収縮材(90)を前記凹部(43)の壁面とは反対側の外壁(47)に前記切り欠け部(45)を覆うように貼り付ける工程と、
前記熱収縮材(90)を加熱することにより前記熱収縮材(90)を熱収縮させて前記貫通孔(91)と前記信号端子(70)の他端部(72)との間の隙間を無くし、熱収縮させた前記熱収縮材(90)により前記信号端子(70)の他端部(72)を締め付ける工程と、を含んでいることを特徴とする請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記第2封止樹脂(52)により封止する工程では、前記第1放熱面(11)が露出すると共に、前記凹部(43)内の前記第2封止樹脂(52)の最上面が前記第1放熱面(11)と同一平面に位置するか、または、前記第1放熱面(11)よりも前記底面(44)側に位置するように、前記第1封止樹脂(50)の最上面(51)および前記切り欠け部(45)を前記第2封止樹脂(52)により封止することを特徴とする請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記熱収縮材(90)により前記信号端子(70)の他端部(72)を締め付ける工程を実行した後に、前記第1封止樹脂(50)により前記凹部(43)内および前記切り欠け部(45)を封止することを特徴とする請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1封止樹脂(50)により封止する工程では、前記信号端子(70)の段差部(73)を前記第1封止樹脂(50)により完全に被覆することを特徴とする請求項14ないし19のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項21】
前記第1封止樹脂(50)により封止する工程では、前記第1封止樹脂(50)として粉末状のものを前記凹部(43)に配置し、前記粉末状の第1封止樹脂(50)を加熱して硬化させることにより前記第1封止樹脂(50)を形成することを特徴とする請求項13ないし20のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項22】
前記第1封止樹脂(50)により封止する工程では、前記切り欠け部(45)を介して前記凹部(43)に前記第1封止樹脂(50)を流し込むトランスファー成形により前記第1封止樹脂(50)を形成することを特徴とする請求項15ないし19のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項23】
前記第1封止樹脂(50)により封止する工程では、前記第2端面(42)と前記第1放熱面(11)とに緩衝テープ(92)を貼り付けることを特徴とする請求項21または22に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項24】
前記熱的および電気的に接続する工程では、前記第1放熱面(11)が、前記第2端面(42)と同一平面に位置するか、または、前記凹部(43)の底面(44)を基準として前記第2端面(42)よりも離れて位置するように前記半導体素子(20)に前記各ヒートシンク(10、40)を接続することを特徴とする請求項13ないし23のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項25】
前記熱的および電気的に接続する工程では、前記第2端面(42)が、前記第1放熱面(11)と同一平面に位置するか、または、前記凹部(43)の底面(44)を基準として前記第1放熱面(11)よりも離れて位置するように前記半導体素子(20)に前記各ヒートシンク(10、40)を接続することを特徴とする請求項13ないし23のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項26】
前記第1封止樹脂(50)により封止する工程では、前記第1放熱面(11)が露出すると共に、前記凹部(43)内の前記第1封止樹脂(50)の最上面(51)が前記第1放熱面(11)と同一平面に位置するか、または、前記第1放熱面(11)よりも前記底面(44)側に位置するように前記凹部(43)に前記第1封止樹脂(50)を設けることを特徴とする請求項13ないし15、19ないし25のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−227532(P2012−227532A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−131687(P2012−131687)
【出願日】平成24年6月11日(2012.6.11)
【分割の表示】特願2010−22340(P2010−22340)の分割
【原出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】