説明

印刷装置、テープ印刷装置及び印刷装置の制御方法

【課題】電池使用時の消費電力を低減することが可能な印刷装置、テープ印刷装置及び印刷装置の制御方法を提供する。
【解決手段】印刷モード選択メニューMmで省エネ印刷モード(「省エネ印刷(白文字)」又は「省エネ印刷(淡文字)」)が選択されると、CPUは、省エネ印刷を実行する。省エネ印刷とは、装飾指定キーによる文字装飾の指定の有無及びその装飾内容に拘わらず、入力された文字に対して、選択された項目に応じた特定の装飾処理を施して行う印刷である。具体的には、「省エネ印刷(白文字)」が選択された場合には、CPUは、入力されているすべての文字を白文字で印刷し、「省エネ印刷(淡文字)」が選択された場合には、入力されたすべての文字を淡文字で印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のドットで構成されるキャラクターを印刷する印刷装置、テープ印刷装置及び印刷装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電源として電池を使用可能な印刷装置が種々提案されている。このような印刷装置においては、印刷媒体に印刷を行っている途中に電池が切れてしまうと、印刷が継続できなくなり、印刷媒体が無駄になってしまうことになる。このため、一般的な印刷装置では、電池の残量が僅かになると、新たな印刷を開始しないようになっている。また、特許文献1には、印刷の途中で電池の残量が僅かになった場合に、特定の区切りまで印刷した後で印刷動作を停止する印刷装置(文書処理装置)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−205527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような印刷装置では、電池切れによる印刷媒体の無駄を防ぐことが可能になるものの、予備の電池や他の電源(例えば、商用電源)がない状況下では、印刷装置を継続して利用することができなくなってしまう。このため、電池切れまでにできるだけ多くの印刷が可能な印刷装置、即ち消費電力の小さな印刷装置が望まれている。また、消費電力が小さくなれば、電池を使用しない構成の印刷装置であっても、環境への負荷を抑制したり、ランニングコストを低減させたりすることが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係る印刷装置は、複数のドットで構成されるキャラクターを印刷媒体に印刷する印刷装置であって、電力を供給する電源部と、通常の印刷を行う第1の印刷モード、及び前記第1の印刷モードよりも少ないドットで前記キャラクターを形成して印刷する第2の印刷モードを含む複数の印刷モードの中から1つを選択させる印刷モード選択部と、前記電源部から前記電力の供給を受けて、前記印刷モード選択部で選択された印刷モードで前記キャラクターを印刷する印刷部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この印刷装置によれば、印刷モードとして第2の印刷モードを選択すると、通常よりも少ないドットでキャラクターが形成されるため、印刷時の消費電力を低減することが可能となる。また、印刷モードを選択可能な構成であるため、用途や緊急性等に応じて適切な印刷モードで印刷を行うことが可能となる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に係る印刷装置において、前記電源部は、電源として電池を使用するようにしてもよい。
【0009】
この印刷装置によれば、電源部が電池を電源としているため、印刷モードとして第2の印刷モードを選択すれば、電池の消耗が低減され、電池切れに至るまでに多くの印刷を行うことが可能となる。
【0010】
[適用例3]上記適用例に係る印刷装置において、前記電源部は、電池と商用電源の双方を電源として使用可能であり、前記印刷部は、前記電源部が電源として前記電池を使用している場合にのみ、前記第2の印刷モードで印刷を行うようにしてもよい。
【0011】
この印刷装置によれば、電池を電源として使用する場合には、第2の印刷モードで印刷がなされるため、電池切れに至るまでに多くの印刷を行うことが可能となる。一方、商用電源を使用する場合には、第1の印刷モードで印刷がなされるため、所望の印刷結果を得ることが可能となる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に係る印刷装置において、前記電池の残量を検出する電池残量検出部をさらに備え、前記印刷部は、前記電池の残量が所定量以下になったことを前記電池残量検出部が検出した場合に、前記第2の印刷モードで印刷を行うようにしてもよい。
【0013】
この印刷装置によれば、電池の残量が所定量以下になった場合には、第2の印刷モードで印刷がなされるため、電池切れに至るまでに多くの印刷を行うことが可能となる。一方、電池の残量が所定量以下ではない場合には、第1の印刷モードで印刷がなされるため、所望の印刷結果を得ることが可能となる。
【0014】
[適用例5]上記適用例に係る印刷装置において、前記電池の残量を検出する電池残量検出部と、前記第1の印刷モードで常に印刷する第1設定、前記第2の印刷モードで常に印刷する第2設定、及び前記電池の残量が所定量以下になったことを前記電池残量検出部が検出した場合に、前記第1の印刷モードから前記第2の印刷モードに切り替える第3設定、のいずれかに設定する設定部と、をさらに備えるようにしてもよい。
【0015】
この印刷装置によれば、第1の印刷モードで印刷するのか、電池の残量に拘らずに第2の印刷モードで印刷するのか、或いは電池の残量に応じて第1の印刷モードと第2の印刷モードを切り替えるのかを、ユーザーのニーズに合わせて設定することができるため、利便性がよい。
【0016】
[適用例6]上記適用例に係る印刷装置において、前記印刷部は、前記第2の印刷モードが選択された場合に、前記キャラクターの輪郭のみに前記ドットを形成するようにしてもよい。
【0017】
この印刷装置によれば、第2の印刷モードが選択された場合でも、キャラクターの輪郭にはドットが形成されているため、ドットを均質に間引くだけの場合に比べて、視認性を向上させることができる。
【0018】
[適用例7]本適用例に係るテープ印刷装置は、複数のドットで構成されるキャラクターをテープに印刷するテープ印刷装置であって、前記キャラクターを入力する入力部と、電力を供給する電源部と、通常の印刷を行う第1の印刷モード、及び前記第1の印刷モードよりも少ないドットで前記キャラクターを形成して印刷する第2の印刷モードを含む複数の印刷モードの中から1つを選択させる印刷モード選択部と、前記電源部から前記電力の供給を受けて、前記印刷モード選択部で選択された印刷モードで前記キャラクターを印刷する印刷部と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
このテープ印刷装置によれば、印刷モードとして第2の印刷モードを選択すると、通常よりも少ないドットでキャラクターが形成されるため、印刷時の消費電力を低減することが可能となる。また、印刷モードを選択可能な構成であるため、用途や緊急性等に応じて適切な印刷モードで印刷を行うことが可能となる。
【0020】
[適用例8]本適用例に係る印刷装置の制御方法は、複数のドットで構成されるキャラクターを印刷媒体に印刷する印刷装置の制御方法であって、通常の印刷を行う第1の印刷モードと、前記第1の印刷モードよりも少ないドットで前記キャラクターを形成して印刷する第2の印刷モードとを含む複数の印刷モードの中から1つを選択させる印刷モード選択ステップと、前記印刷モード選択ステップで選択された印刷モードで前記キャラクターを印刷する印刷ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0021】
この印刷装置の制御方法によれば、印刷モード選択ステップで第2の印刷モードを選択すると、通常よりも少ないドットでキャラクターが形成されるため、印刷時の消費電力を低減することが可能となる。また、印刷モードを選択可能な構成であるため、用途や緊急性等に応じて適切な印刷モードで印刷を行うことが可能となる。
【0022】
また、上述した印刷装置、テープ印刷装置及び印刷装置の制御方法が、印刷装置又はテープ印刷装置に備えられたコンピューターを用いて構築されている場合には、上記形態及び上記適用例は、その機能を実現するためのプログラム、或いは当該プログラムを前記コンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体等の態様で構成することも可能である。記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコード等の符号が印刷された印刷物、印刷装置又はテープ印刷装置の内部記憶装置(RAMやROM等のメモリー)、及び外部記憶装置等、前記コンピューターが読み取り可能な種々の媒体を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】テープ印刷装置を示す斜視図。
【図2】テープ印刷装置を示す斜視図。
【図3】テープ印刷装置の回路構成を示すブロック図。
【図4】(a)〜(d)は、文字装飾を説明するための説明図。
【図5】表示部を示す平面図。
【図6】第1実施形態の印刷処理を説明するためのフローチャート。
【図7】(a)〜(c)は、印刷処理を説明するための説明図であり、印刷がなされたラベル(テープ)を示す図。
【図8】第1実施形態の印刷処理を説明するための説明図であり、印刷処理時の表示部を示す平面図。
【図9】第2実施形態における印刷モードの設定を説明するための説明図。
【図10】第2実施形態の印刷処理を説明するためのフローチャート。
【図11】変形例に係る文字装飾を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、印刷装置の一例として、入力された文字等をテープに印刷するテープ印刷装置について図面を参照して説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1及び図2は、第1実施形態のテープ印刷装置を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、テープ印刷装置1は、本体が筐体10に収容された構成を有しており、筐体10の上面手前側には、入力部としてのキーボード11が備えられている。キーボード11は、文字や記号等のキャラクター(以降、単に「文字」とも呼ぶ。)を入力するための多数の文字キー11aや、テープ印刷装置1に対して各種動作を指示するための複数の制御キーを有している。文字キー11aは、JIS(Japanese Industrial Standard)配列に基づいたフルキー構成であり、キー数の増加を抑制するためのシフトキー11bを備える等、パーソナルコンピューターやワードプロセッサー等のキーボードと同様の構成になっている。また、制御キーには、電源のオンとオフとを切り替えるための電源キー11c、入力した文字等を確定させるための決定キー11d、カーソルの移動等に用いられるカーソルキー(上下左右の4方向に対応する4つのキー)11e、文字のサイズを指定するための文字サイズ指定キー11f、文字の装飾(強調、斜体、影文字、白文字、淡文字等)を指定するための装飾指定キー11g、各種環境設定を行うための環境設定キー11h、印刷を実行させるための印刷キー11i等が含まれる。なお、本実施形態では、各制御キーに個別のキーを割り当てているが、シフトキー11b等と組み合わせることにより、1つのキーに複数の制御キーを割り当てるようにしてもよい。
【0026】
筐体10の上面奥側には、液晶表示装置等からなる表示部12が備えられている。表示部12は、マトリクス状に配列された多数の画素で画像を形成するものであり、キーボード11から入力された文字の表示や、メニュー画像やメッセージ画像の表示等に用いられる。
【0027】
筐体10の上面奥側には、表示部12に隣接して、テープカートリッジ2を装着するための凹部13が形成されている。凹部13の開口部上には、開閉蓋14が開閉可能に備えられており、開閉蓋14を開放状態にすることによって、テープカートリッジ2を着脱することが可能となる。また、開閉蓋14には、透光性を有する確認窓14aが備えられており、凹部13にテープカートリッジ2が装着されているか否かを外部から視認可能になっている。凹部13の底面には、凸状のサーマルヘッド15や、搬送機構16(図3参照)を構成する回転軸16a,16bが設けられており、凹部13にテープカートリッジ2を装着すると、テープカートリッジ2に設けられた孔状のヘッド嵌合部21にサーマルヘッド15が嵌合するとともに、孔状の被駆動部22a,22bに回転軸16a,16bがそれぞれ係合する。
【0028】
テープカートリッジ2には、カートリッジケース20の内部に、ともに帯状のテープTとインクリボンRとが内蔵されている。テープTは、テープ印刷装置1の印刷媒体であり、PET(ポリエチレンテレフタレート)或いは紙材等からなる基材の裏面に接着剤層が形成され、それが剥離紙によって覆われた構成になっている。テープ印刷装置1は、テープTの幅や素材(基材の材質)、色等が異なる複数種類のテープカートリッジ2に対応可能であり、ユーザーは、用途や好みに応じたテープカートリッジ2を使用することができる。なお、テープカートリッジ2の裏面には、内蔵するテープTの幅を識別可能な複数の孔(図示せず)が設けられており、テープ印刷装置1は、凹部13の底面に備えられたマイクロスイッチ等の識別センサー19(図3参照)によって、装着されたテープカートリッジ2のテープ幅を識別することができる。つまり、識別センサー19は、テープ幅識別部として機能する。
【0029】
テープカートリッジ2を凹部13に装着すると、テープTの表面は、ヘッド嵌合部21において、インクリボンRを介してサーマルヘッド15と対向する。サーマルヘッド15には、テープTの長手方向(搬送方向)と直交する方向に1列に配列された多数の発熱素子(図示せず)が形成されており、各発熱素子を選択的に発熱させることにより、インクリボンRのインクがテープTの表面に転写(熱転写)される。つまり、テープTの表面には、発熱した発熱素子に対応する位置にドットが形成される。ここで、回転軸16a,16bを回転駆動すると、テープTとインクリボンRは搬送されて、テープTはカートリッジケース20の外部に排出され、インクリボンRはカートリッジケース20の内部で巻き取られる。そして、テープTとインクリボンRとを少しずつ搬送しながら上記の熱転写を繰り返すことにより、複数のドットで構成される画像(キャラクターを含む)がテープTの表面に印刷される。
【0030】
筐体10の側面には、凹部13と筐体10の外部とを連通するスリット17が設けられており、カートリッジケース20から排出された印刷済みのテープTは、スリット17を通って筐体10の外部に向けて所定量だけ搬送される。筐体10の内部には、スリット17を横断するテープTを切断するためのカッターユニット18が配設されており、テープTの印刷済みの部位は、このカッターユニット18によって切り離され、テープ片(ラベル)としてスリット17の開口部(テープ排出口)から排出される。
【0031】
なお、テープTに形成されるドットの色はインクリボンRのインク色に依存し、ドットが形成されない部位の色はテープT自体の色となるが、本実施形態では、テープTは白色で、インクリボンRのインク色は黒色であるものとし、ドットが形成される部位の色を「黒」、ドットが形成されない部位の色を「白」とも表現する。
【0032】
図3は、テープ印刷装置1の回路構成を示すブロック図である。また、図4(a)〜(d)は、文字装飾を説明するための説明図であり、図5は、表示部12を示す平面図である。
図3に示すように、テープ印刷装置1は、上述したキーボード11、表示部12、サーマルヘッド15、回転軸16a,16b(図2参照)を含む搬送機構16、カッターユニット18、識別センサー19の他に、テープ印刷装置1の動作を統括制御する制御部30と、表示部12に画像を表示させる表示駆動部41と、サーマルヘッド15を発熱駆動するヘッド駆動部42と、搬送機構16を駆動する搬送駆動部43と、カッターユニット18を駆動するカッター駆動部44と、電源部50とを備えている。
【0033】
制御部30は、コンピューターとして機能するものであり、互いにバス30aを介して接続されたCPU(Central Processing Unit)31、RAM(Random Access Memory)32、ROM(Read Only Memory)33、CGROM(キャラクタージェネレーターROM)34、入力インターフェイス(I/F)35、出力インターフェイス(I/F)36等を含んでいる。
【0034】
CPU31は、ROM33に記憶されている制御プログラムに従って動作し、テープ印刷装置1の各種動作を司る。RAM32は、揮発性の記憶装置で構成された記憶部であり、CPU31の各種処理結果や、キーボード11から入力された文字の文字コード、表示部12に表示させる画像の画像データ等を一時的に記憶する。
【0035】
ROM33及びCGROM34は、マスクROMやフラッシュメモリー等の不揮発性の記憶装置で構成された記憶部であり、ROM33には、上述した制御プログラムや各種データ等が記憶されている。
【0036】
CGROM34には、テープ印刷装置1で印刷可能な文字のフォントデータが記憶されている。フォントデータは、サーマルヘッド15で文字を印刷したり、表示部12に文字を表示したりする際に用いられるビットマップ形式のデータであり、サーマルヘッド15の発熱素子及び表示部12の画素に対応する多数のドットで文字を表している。CGROM34には、複数の文字サイズ別に、多数の文字のフォントデータが文字コードに対応付けられて記憶されている。CPU31は、文字コードと文字サイズとを指定することにより対応するフォントデータをCGROM34から取得し、このフォントデータを用いて表示用及び印刷用の画像データを形成する。なお、フォントデータとしては、種々の文字サイズに対応させやすいアウトライン形式のフォントデータを用いるようにしてもよい。
【0037】
また、ROM33には、印刷すべき文字を装飾(修飾)するための文字修飾プログラム33aが記憶されている。文字修飾プログラム33aは、CGROM34から取得したフォントデータを加工して、指定された装飾が施された新たなフォントデータを生成するためのプログラムであり、装飾指定キー11gによって文字の装飾が指定された場合には、CPU31は、この文字修飾プログラム33aに従って、印刷すべき文字に装飾処理を施す。なお、装飾の指定がなされていない場合には、CGROM34から取得したフォントデータがそのまま印刷に用いられる。
【0038】
例えば、図4に示すように、文字装飾として「強調」が指定された場合には、文字修飾プログラム33aは、CGROM34から取得したフォントデータ(図4(a)参照)を、様々な方向に少しずつずらした状態で複数回重ね合わせ、それぞれの論理和をとることにより、装飾していない通常の文字よりも線が太い文字のフォントデータ(図4(b)参照)を生成する。また、文字装飾として「白文字」が指定された場合には、文字修飾プログラム33aは、「強調」と同様の加工を行って得られるフォントデータに対して、CGROM34から取得したフォントデータを白黒反転させて重ね合わせ、これらの論理積をとることにより、白色の文字の周囲が黒く縁取られたフォントデータ、即ち文字の輪郭のみにドットが形成されるフォントデータ(図4(c)参照)を生成する。また、文字装飾として「淡文字」が指定された場合には、文字修飾プログラム33aは、CGROM34から取得したフォントデータに対して、文字を構成するドットを均質に間引く処理を行って、通常の文字よりも淡い文字のフォントデータ(図4(d)参照)を生成する。
【0039】
図3に戻って、入力インターフェイス35には、キーボード11及び識別センサー19等が接続されている。ユーザーによりキーボード11が操作(押下)されると、キーボード11は、操作されたキーに対応するキー情報を、入力インターフェイス35を介してCPU31に出力する。また、識別センサー19は、装着されたテープカートリッジ2のテープ幅に応じた識別情報を、入力インターフェイス35を介してCPU31に出力する。
【0040】
出力インターフェイス36には、表示駆動部41、ヘッド駆動部42、搬送駆動部43、及びカッター駆動部44が接続されており、これらは、CPU31の制御に基づいて、表示部12、サーマルヘッド15、搬送機構16、及びカッターユニット18をそれぞれ駆動する。
【0041】
電源部50は、電池51又は商用電源(交流電源)52を電源として、テープ印刷装置1の各部に電力を供給する。電源部50には、電池51を接続(装着)するための電池端子(図示せず)と、商用電源52を直流電源に変換するACアダプター53を接続するための電源端子(図示せず)とが設けられており、電池51及びACアダプター53の少なくとも一方が接続される。本実施形態では、電池51として、単三型の乾電池を使用可能になっており、図示は省略しているが、筐体10の裏面には、6つの乾電池を直列に接続した状態で収容可能な電池収容部が設けられている。なお、電池51は、乾電池等の一次電池に限られず、二次電池であってもよいし、燃料電池等、他の態様の電池を採用してもよい。
【0042】
電源部50には、電源端子へのACアダプター53の接続の有無を検知する電源検知部54が備えられており、電源検知部54がACアダプター53の接続を検知した場合には、電源部50は、電池51の装着の有無に拘わらず、商用電源52を電源として電力の供給を行う。一方、ACアダプター53が接続されていないことを電源検知部54が検知した場合には、電源部50は、電池51を電源として電力を供給する。電源検知部54の検知結果は、入力インターフェイス35を介してCPU31にも出力されるようになっており、CPU31は、この検知結果に応じた制御を行うことができる。
【0043】
また、電源部50には、電池51の電圧(直列接続された6つの乾電池の両端の電圧)等に基づいて電池51の残量を検出する電池残量検出部55が備えられており、その検出結果も入力インターフェイス35を介してCPU31に出力される。そして、CPU31は、電池残量検出部55の検出結果に基づいて、電池51の残量が所定量以下になったことを検知すると、表示部12に警告メッセージを表示する等して、ユーザーに電池51の交換や充電を促す。
【0044】
上記のように構成されたテープ印刷装置1において、ユーザーにより電源キー11cが操作されると、テープ印刷装置1は、電池51又は商用電源52を電源として動作を開始し、文字キー11aによる文字入力や、制御キーによる各種指示が可能な状態となる。ここで、ユーザーにより文字キー11aが操作され、文字が入力されると、CPU31は、キーボード11から入力されるキー情報に基づいて、入力された文字の文字コードを特定する。そして、CPU31は、この文字コードに対応するフォントデータをCGROM34から取得し、このフォントデータを用いて表示用の画像データを形成する。CPU31がこの画像データを表示駆動部41に供給すると、入力された文字が表示部12に表示される。そして、図5に示すように、ユーザーが文字の入力を複数回繰り返せば、表示部12には、複数の文字からなる文字列が表示される。
【0045】
文字(文字列)が入力された後、ユーザーにより印刷キー11iが操作されると、テープ印刷装置1は、印刷処理を実行する。ここで、本実施形態のテープ印刷装置1は、電源として電池51が使用されている場合と、商用電源52が使用されている場合とでは、印刷処理において異なる動作を行うようになっている。具体的には、電源として商用電源52が使用されている場合には、テープ印刷装置1は、印刷キー11iが操作されるとすぐに印刷を開始するのに対し、電池51が使用されている場合には、印刷の開始に先立って、ユーザーに印刷モードを選択させる。印刷モードには、電源として商用電源52が使用されている場合と同じ印刷(通常の印刷)を行う通常印刷モードと、通常印刷モードよりも低い消費電力で印刷が可能な省エネ印刷モードとがあり、ユーザーは、いずれの印刷モードで印刷を行うかを選択することができる。
【0046】
図6は、印刷処理を説明するためのフローチャートである。また、図7(a)〜(c)及び図8は、印刷処理を説明するための説明図であり、図7(a)〜(c)は、印刷がなされたラベルL(テープT)を示す図、図8は、印刷処理時の表示部12を示す平面図である。ユーザーが文字の入力を終えて印刷キー11iを操作すると、CPU31は、図6に示すフローに従って動作する。
【0047】
図6に示すように、ステップS101では、CPU31は、電源検知部54の検知結果に基づいて、使用している電源が電池51であるか商用電源52であるかを判断する。そして、電源が商用電源52である場合にはステップS102に移行し、電池である場合にはステップS103に移行する。
【0048】
使用している電源が商用電源52であってステップS102に移行した場合には、CPU31は、通常の印刷を実行して、フローを終了する。即ち、CPU31は、入力された文字に対応するフォントデータをCGROM34から取得し、指定された装飾処理を必要に応じて行って印刷用の画像データを形成する。そして、CPU31は、この画像データに基づいて、ヘッド駆動部42及び搬送駆動部43にそれぞれサーマルヘッド15及び搬送機構16を駆動させ、画像データに応じた画像をテープTに印刷させる。その後、CPU31が、カッター駆動部44にカッターユニット18を駆動させると、テープTは切断され、ラベルLが完成する(図7(a)参照)。
【0049】
一方、使用している電源が電池51であってステップS103に移行した場合には、CPU31は、表示駆動部41に指示をして印刷モード選択メニューMm(図8参照)を表示部12に表示させ、ユーザーに印刷モードを選択させる。印刷モード選択メニューMmには、通常印刷モードに対応する項目「通常印刷」と、省エネ印刷モードに対応する2つの項目「省エネ印刷(白文字)」及び「省エネ印刷(淡文字)」の合計3項目が縦に並んで表示されている。そして、このうちの1項目(図8の例では「通常印刷」)は、濃淡が反転したネガ表示になっており、この項目が選択された状態であることを示している。ユーザーは、上下方向に対応するカーソルキー11eを操作することによって他の項目を選択することが可能であり、所望の項目を選択した後に決定キー11dを操作すると、項目(印刷モード)の選択が確定する。
【0050】
ステップS104では、CPU31は、決定キー11dが操作されたか否か、即ち印刷モードの選択が確定したか否かを判断する。そして、決定キー11dが操作されて印刷モードの選択が確定した場合にはステップS105に移行し、確定していない場合には本ステップを繰り返す。
【0051】
印刷モードの選択が確定してステップS105に移行すると、CPU31は、選択された印刷モードが省エネ印刷モード(「省エネ印刷(白文字)」又は「省エネ印刷(淡文字)」)であるか否かを判断する。そして、選択された印刷モードが省エネ印刷モードの場合には、ステップS106に移行する。一方、通常印刷モードが選択された場合には、ステップS102に移行して通常の印刷を実行し、フローを終了する。
【0052】
省エネ印刷モードが選択されてステップS106に移行した場合には、CPU31は、省エネ印刷を実行して、フローを終了する。ここで、省エネ印刷とは、装飾指定キー11gによる文字装飾の指定の有無及びその装飾内容に拘わらず、入力された文字に対して、選択された項目(「省エネ印刷(白文字)」又は「省エネ印刷(淡文字)」)に応じた特定の装飾処理を施して行う印刷である。具体的には、「省エネ印刷(白文字)」が選択された場合には、CPU31は、入力されているすべての文字を白文字で印刷し(図7(b)参照)、「省エネ印刷(淡文字)」が選択された場合には、入力されたすべての文字を淡文字で印刷する(図7(c)参照)。その後、CPU31が、カッター駆動部44にカッターユニット18を駆動させると、テープTは切断され、ラベルLが完成する。
【0053】
ここで、白文字や淡文字は、通常の文字(装飾していない文字)や、強調した文字に比べて、少ないドットで文字が構成されている。つまり、文字を印刷する際に発熱すべき発熱素子の数が少なくて済むことから、通常の文字等を印刷する場合に比べて印刷時の消費電力を低減することが可能となる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態のテープ印刷装置1によれば、電源として電池51を使用する場合に、印刷モードとして省エネ印刷モードを選択すると、通常よりも少ないドットで文字が形成されるため、印刷時の消費電力を低減することが可能となり、電池切れに至るまでに多くの印刷を行うことが可能となる。また、ユーザーが印刷モードを選択できる構成であるため、用途や緊急性等に応じて適切な印刷モードで印刷を行うことが可能となる。一方、電源として商用電源52を使用する場合には、常に通常モードで印刷がなされるため、所望の印刷結果を得ることが可能となる。
【0055】
なお、本実施形態では、CPU31の制御に基づいてテープTに印刷を行うヘッド駆動部42、搬送駆動部43、サーマルヘッド15、及び搬送機構16が、印刷部に相当する。また、通常印刷モードが第1の印刷モードに相当し、省エネ印刷モードが第2の印刷モードに相当する。また、表示部12に印刷モード選択メニューMmを表示させて、ユーザーに印刷モードを選択させる際の制御部30が印刷モード選択部に相当する。
【0056】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態のテープ印刷装置について、図面を参照して説明する。
第1実施形態では、印刷を実行するための印刷キー11iが操作された後で、ユーザーに印刷モードを選択させるようにしているが、本実施形態のテープ印刷装置1は、所定のキー操作を行うことによって事前に(印刷キー11iを操作する前に)印刷モードを選択できるようになっており、印刷キー11iが操作された際には、事前に選択された印刷モードが読み出され、この印刷モードに基づいて印刷が行われる。また、本実施形態のテープ印刷装置1は、電池51の残量が僅かになった場合、即ち電池残量検出部55によって検出された電池51の残量が所定量以下になった場合にのみ省エネ印刷を行うことも可能になっている。上記以外の構成については、第1実施形態と同一である。なお、本実施形態では、電源として電池51を用いた場合についてのみ説明する。
【0057】
図9は、本実施形態における印刷モードの設定を説明するための説明図である。
本実施形態において、キーボード11の環境設定キー11hが操作されると、CPU31は、表示駆動部41に指示をして環境設定メニュー(図示せず)を表示部12に表示させる。この環境設定メニューには、複数の設定項目名が並んで表示されており、ユーザーは、その中から「印刷モード設定」の項目を選択することにより、印刷モードの設定を行うことができる。
【0058】
ユーザーがカーソルキー11eで「印刷モード設定」を選択し、決定キー11dでそれを確定させると、CPU31は、表示駆動部41に指示をして、第1の印刷モード選択メニュー(図示せず)を表示部12に表示させる。第1の印刷モード選択メニューは、「省エネ印刷なし」及び「省エネ印刷あり」の2つの選択候補を有している。「省エネ印刷なし」は、省エネ印刷モードを利用しないように設定するものである。つまり、「省エネ印刷なし」が選択された場合には、テープ印刷装置1の印刷モードは、通常印刷モードに設定される。
【0059】
一方、「省エネ印刷あり」が選択された場合には、CPU31は、表示駆動部41に指示をして、第2の印刷モード選択メニュー(図示せず)を表示部12に表示させる。第2の印刷モード選択メニューは、省エネ印刷モードに関する設定を行うものであり、「第1省エネ設定」と「第2省エネ設定」との2つの選択候補を有している。そして、「第1省エネ設定」が選択された場合には、CPU31は、テープ印刷装置1の印刷モードを省エネ印刷モードに設定する。つまり、「第1省エネ設定」が選択された場合は、CPU31は、全ての印刷に対して省エネ印刷を実施する。本実施形態では、印刷対象となる全ての文字を白文字で印刷する。
【0060】
また、「第2省エネ設定」が選択された場合には、CPU31は、印刷実行時における電池51の残量に基づいて、印刷モードを「通常印刷モード」及び「省エネ印刷モード」のいずれかに切り替える。具体的には、印刷キー11iが操作された時点の電池51の電圧が規定電圧(所定電圧)を越えている場合は「通常印刷モード」で動作し、電池51の電圧が規定電圧以下である場合には、印刷モードを「省エネ印刷モード」に切り替えて動作する。
【0061】
このように、本実施形態では、環境設定メニューの「印刷モード設定」において、「省エネ印刷なし」、「第1省エネ設定」、及び「第2省エネ設定」の3つの設定の中からいずれか1つを選択することができる。そして、「省エネ印刷なし」を選択した場合には、常に通常印刷を行う設定(以降、「第1設定」とも呼ぶ。)となり、「第1省エネ設定」を選択した場合には、電池51の電圧に拘らず常に省エネ印刷を行う設定(以降、「第2設定」とも呼ぶ。)となり、「第2省エネ設定」を選択した場合には、電池51の電圧に応じて通常印刷と省エネ印刷とを切り替える設定(以降、「第3設定」とも呼ぶ。)となる。つまり、これら3つの設定の中から、ユーザーのニーズに合った選択をすることができるため、利便性がよい。CPU31は、環境設定メニューでユーザーに選択された設定をROM33に記憶する。
【0062】
なお、「第2省エネ設定」が選択されて省エネ印刷モードになった場合には、テープ印刷装置1の電源をオフにするか、電池51を交換するまで省エネ印刷モードが継続される。また、上記の電池電圧の規定電圧としては、電池51の電圧降下の度合いが急激になるポイントよりも、手前のポイントの電圧を採用することが好ましい。例えば、本実施形態のように、単三型の乾電池を6本直列に接続し、その両端の電圧を検出する構成の場合には、規定電圧を7.0V程度に設定することが好ましい。
【0063】
次に、本実施形態のテープ印刷装置1における印刷処理について説明する。なお、ここでは、印刷モードの切り替え基準となる規定電圧を7.0Vとする。また、印刷対象となる文字列は、通常の文字で入力されるものとする。
【0064】
図10は、本実施形態の印刷処理を説明するためのフローチャートである。
まず、ユーザーにより所望の文字列が入力され(ステップS201)、さらに印刷キー11iが押下されて当該文字列の印刷が指示されると(ステップS202)、CPU31は、ROM33を参照して、設定されている印刷モード、即ち環境設定メニューの「印刷モード設定」の設定内容を確認する(ステップS203)。
【0065】
ここで、「印刷モード設定」で第1設定(省エネ印刷なし)に設定されている場合(ステップS204)には、CPU31は、印刷モードを通常印刷モードに切り替え、印刷対象となる文字列を通常印刷したラベルLを作成する(ステップS205,例えば、図7(a)参照)。また、「印刷モード設定」で第2設定(第1エネ設定)に設定されている場合(ステップS206)には、CPU31は、印刷モードを「省エネ印刷モード」に切り替え、印刷対象となる文字列の全ての文字を白文字で印刷したラベルLを作成する(ステップS207,例えば、図7(b)参照)。
【0066】
一方、「印刷モード設定」で第3設定(第2省エネ設定)に設定されている場合(ステップS208)には、CPU31は、電池残量検出部55により、電池の残量(電池電圧)を検出する(ステップS209)。そして、CPU31は、検出した電池電圧と、規定電圧とを比較する。比較の結果、検出した電池電圧が7.0Vを越えている場合(電池電圧>7.0Vの場合,ステップS210;No)、CPU31は、印刷モードを通常印刷モードに切り替え、印刷対象となる文字列を通常印刷したラベルLを作成する(ステップS211,例えば、図7(a)参照)。
【0067】
一方、比較の結果、検出した電池電圧が7.0V以下の場合(電池電圧≦7.0V,ステップS210;Yes)、CPU31は、印刷モードを省エネ印刷モードに切り替え、印刷対象となる文字列の全ての文字を白文字で印刷したラベルLを作成する(ステップS212,例えば、図7(b)参照)。このように、電池電圧が規定電圧以下になった場合に自動的に省エネ印刷モードに切り替わるため、電池51の長寿命化を図ることができ、限られた電池容量でより多くの印刷を行うことが可能となる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態のテープ印刷装置1によれば、第1実施形態の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
【0069】
(1)本実施形態のテープ印刷装置1によれば、「印刷モード設定」で第3設定(第2省エネ設定)に設定されていると、電池電圧が規定電圧以下になった場合、即ち電池51の残量が所定量以下になった場合に、省エネ印刷モードで印刷がなされるため、電池切れに至るまでに多くの印刷を行うことが可能となる。一方、電池の残量が所定量以下ではない場合には、通常印刷モードで印刷がなされるため、所望の印刷結果を得ることが可能となる。
【0070】
(2)本実施形態のテープ印刷装置1よれば、通常印刷モードで印刷するのか、電池51の残量に拘らずに省エネ印刷モードで印刷するのか、或いは電池51の残量に応じて通常印刷モードと省エネ印刷モードとを切り替えるのかを、ユーザーのニーズに合わせて設定することができるため、利便性がよい。
【0071】
(3)本実施形態のテープ印刷装置1によれば、省エネ印刷モードが選択された場合に白文字で印刷するようにしている。つまり、文字の輪郭のみにドットが形成されているため、ドットを均等に間引くだけの場合に比べて、視認性を向上させることができる。
【0072】
なお、本実施形態では、表示部12に、第1の印刷モード選択メニュー及び第2の印刷モード選択メニューを表示させて、第1設定、第2設定及び第3設定のいずれかを選択させる際の制御部30が設定部に相当する。また、本実施形態では、環境設定キー11hが操作された際に表示される環境設定メニューで印刷モードの設定を行っているが、これに限るものではない。例えば、印刷モードを設定するための印刷モード設定キーを新たに設けて設定を行うようにしてもよいし、既存のキーと、シフトキー11bとの組み合わせにより、印刷モードを設定するようにしてもよい。
【0073】
(変形例)
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0074】
上記実施形態では、省エネ印刷を行う際に、白文字又は淡文字を選択できるようになっているが、文字を構成するドットが通常よりも少なくなれば、他の装飾を施すようにしてもよい。例えば、白文字に影が付された影文字(図11(a)参照)や、縁取りが付された淡文字(図11(b)参照)等を用いてもよい。また、ユーザーの好み等に応じて淡文字の濃度(ドットの密度)を選択できるようにしてもよい。
【0075】
上記実施形態では、CGROM34から取得したフォントデータを加工して、白文字や淡文字等のフォントデータを生成するようにしているが、白文字や淡文字等のフォントデータを予めCGROM34に記憶させておき、CGROM34から直接取得できるようにしてもよい。
【0076】
上記実施形態において、文字の装飾(白文字又は淡文字)による消費電力の低減は、文字のサイズが大きい場合ほど効果が大きく、文字のサイズが小さい場合には大きな効果は得られにくい。このため、文字サイズが所定値以上の場合にのみ省エネ印刷を行うようにしてもよい。同様に、テープ幅が狭いテープTを利用する場合には、印刷可能な文字サイズが必然的に制限されるため、識別センサー19によって識別されたテープTの幅が所定値以上である場合にのみ省エネ印刷を行うようにしてもよい。
【0077】
上記実施形態において、電池51を電源として使用する場合の通常印刷モードでは、商用電源52を電源として使用する場合と同一の印刷を行うようにしているが、印刷結果が同一であればよく、印刷のプロセスは必ずしも同一である必要はない。例えば、電池51を使用する際に、商用電源52を使用する場合よりもテープTの搬送速度を遅くすれば、消費電力が低減し、電池の消耗が抑制される。
【0078】
上記実施形態では、テープTに文字を印刷するテープ印刷装置1について説明したが、他の印刷媒体(印刷用紙等)に文字を印刷する他の印刷装置に適用することも可能である。
【0079】
上記実施形態では、テープTに文字を印刷するための印刷方式として、サーマルヘッド15による熱転写方式を用いているが、この方式に限られず、インク滴を吐出するインクジェット方式等、他の印刷方式を用いてもよい。例えば、インクジェット方式の印刷装置で省エネ印刷を行う場合には、吐出すべきインク滴が少なくて済むため、消費電力とともに、使用するインクの量も節約することが可能となる。
【0080】
上記実施形態では、省エネ印刷モードに設定された場合、印刷すべき全ての文字に白文字や淡文字等の装飾を施しているが、この態様に限るものではなく、特定の文字(一部の文字)だけを装飾するようにしてもよい。
【0081】
また、上述した実施形態によらず、テープ印刷装置1の装置構成や処理工程等について、要旨を逸脱しない範囲で適宜変更も可能である。
【符号の説明】
【0082】
1…テープ印刷装置、2…テープカートリッジ、10…筐体、11…キーボード、12…表示部、13…凹部、14…開閉蓋、14a…確認窓、15…サーマルヘッド、16…搬送機構、16a,16b…回転軸、17…スリット、18…カッターユニット、19…識別センサー、20…カートリッジケース、21…ヘッド嵌合部、22a,22b…被駆動部、30…制御部、30a…バス、31…CPU、32…RAM、33…ROM、33a…文字修飾プログラム、34…CGROM、35…入力インターフェイス、36…出力インターフェイス、41…表示駆動部、42…ヘッド駆動部、43…搬送駆動部、44…カッター駆動部、50…電源部、51…電池、52…商用電源、53…ACアダプター、54…電源検知部、55…電池残量検出部、T…テープ、L…ラベル、R…インクリボン、Mm…印刷モード選択メニュー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のドットで構成されるキャラクターを印刷媒体に印刷する印刷装置であって、
電力を供給する電源部と、
通常の印刷を行う第1の印刷モード、及び前記第1の印刷モードよりも少ないドットで前記キャラクターを形成して印刷する第2の印刷モードを含む複数の印刷モードの中から1つを選択させる印刷モード選択部と、
前記電源部から前記電力の供給を受けて、前記印刷モード選択部で選択された印刷モードで前記キャラクターを印刷する印刷部と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記電源部は、電源として電池を使用することを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の印刷装置であって、
前記電源部は、電池と商用電源の双方を電源として使用可能であり、
前記印刷部は、前記電源部が電源として前記電池を使用している場合にのみ、前記第2の印刷モードで印刷を行うことを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の印刷装置であって、
前記電池の残量を検出する電池残量検出部をさらに備え、
前記印刷部は、前記電池の残量が所定量以下になったことを前記電池残量検出部が検出した場合に、前記第2の印刷モードで印刷を行うことを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の印刷装置であって、
前記電池の残量を検出する電池残量検出部と、
前記第1の印刷モードで常に印刷する第1設定、前記第2の印刷モードで常に印刷する第2設定、及び前記電池の残量が所定量以下になったことを前記電池残量検出部が検出した場合に、前記第1の印刷モードから前記第2の印刷モードに切り替える第3設定、のいずれかに設定する設定部と、
をさらに備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷装置であって、
前記印刷部は、前記第2の印刷モードが選択された場合に、前記キャラクターの輪郭のみに前記ドットを形成することを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
複数のドットで構成されるキャラクターをテープに印刷するテープ印刷装置であって、
前記キャラクターを入力する入力部と、
電力を供給する電源部と、
通常の印刷を行う第1の印刷モード、及び前記第1の印刷モードよりも少ないドットで前記キャラクターを形成して印刷する第2の印刷モードを含む複数の印刷モードの中から1つを選択させる印刷モード選択部と、
前記電源部から前記電力の供給を受けて、前記印刷モード選択部で選択された印刷モードで前記キャラクターを印刷する印刷部と、
を備えたことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項8】
複数のドットで構成されるキャラクターを印刷媒体に印刷する印刷装置の制御方法であって、
通常の印刷を行う第1の印刷モードと、前記第1の印刷モードよりも少ないドットで前記キャラクターを形成して印刷する第2の印刷モードとを含む複数の印刷モードの中から1つを選択させる印刷モード選択ステップと、
前記印刷モード選択ステップで選択された印刷モードで前記キャラクターを印刷する印刷ステップと、
を備えたことを特徴とする印刷装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−241102(P2010−241102A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171888(P2009−171888)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】