説明

原料の定量を容器に充填する半自動システム

【課題】 従来の手作業は上腕と肘、前腕と手を1日数千回も伸び縮みさせて作業をしているために、腱鞘炎になったり、疲労して処理速度が下がる要因となっていて、問題があった。他方機械による自動化は多品種少量の要望には、適応が出来ず、また機械を設置する場所が増加してラインの組替えが必要であった。
【解決手段】 上下自在の容器台から容器を取り出し、コンテナー内の原料の適量を粗充填して計量器の上に置き、計量が安定するのを待つことなく次の容器を取って粗充填を行い、その間に補正充填を行う。あらかじめ設定しておいた上限値と下限値の間の目的の重量から外れた場合にのみ、手作業で補正を行う充填作業において、作業者の動きを最小限にして作業者の疲れを軽減し、また手作業ラインとほぼ同じ配置で行えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、惣菜などの、食品原料の定量を容器に効率よく充填する半自動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
惣菜のような食品原料は、素材、形状が一定でなく、小ロット多品種の作業をこなす必要上手作業で充填して計量する方法が多く行われている。
【0003】
図4に示すように、手作業では作業テーブル10の前に作業者が立つ。作業テーブルの手前側に原料を入れたコンテナー4を置きその向こう側に計量器5を置く。計量器の横にあらかじめ個数を数えた容器3を置いて作業者は片手でその1枚を取りコンテナー4の中の原料から定量に近い大体の分量を盛り付ける。これを計量器5の上に載せて重量を計り定められた範囲になるよう加減して、定量になれば隣接するベルトコンベヤー11に移し変える。この一連の作業は全て手作業で行われる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】 特願2005−23799
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来広く実施されている手作業では生産性が悪く、作業者を多く必要とするため人件費が高くつき利益率を著しく低下させていた。これを解決するための自動充填装置では、原料が多品種になると原料が入れ替わる度に装置を洗浄しなければならないから、原料の切り替えによる時間ロスが大きくて、期待された効果があがっていなかった。
【0006】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、手作業の良いところは活用し、場所を最小にして作業者の疲れを少なくし、また効果的に機械の要素を配置し更に計量器の安定時間を活用して作業の生産性を高めることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、本発明は上記目的を達成するために、上下限を設定して、その設定量になれば信号を出す計量器と信号により計量器の上の製品容器を払い出す間欠移動式桟付きコンベヤーと、足踏みペタル及び解除レバーによって、容器を上下させる昇降器とを設けたものである。
【発明の効果】
【0008】
上述したように本発明の充填装置は、作業者の移動距離を減らし、腕の上下や伸び縮みを少なくすることが出来、処理速度が速くなるとともに、作業者の疲労を軽減する事が出来た。
【0009】
また製品を計量器の上から払い出す間欠移動式棧付きコンベヤーと容器の昇降器は作業者の動作を軽減すると共に処理速度が速くなるという効果を発揮するものである。
【0010】
さらに本発明は、従来の手作業からの移行も容易に行えるよう機器の配置や小型化に取り組み、殆んど手作業と同じ場所で作業が出来るようになり新しく導入しやすくする事が出来た。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】 本発明の実施形態を示す半自動充填システムの全体平面図
【図2】 図1の正面図
【図3】 同容器上下台の正面図
【図4】 従来の作業の形態を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0013】
図においては、1は計量が終了した信号で容器を次工程へ払い出す間欠移動式桟付きコンベヤーで、桟は計量器の左右上下に最短の経路で1回転して停止する。
【0014】
2は足踏式昇降台で、昇降台は足踏みペダル7解除レバー8によって昇降を行う。
【0015】
5は計量器で、定量とする重量範囲である上限値と下限値を設定しておき、その範囲内に入ると桟付コンベヤー1へ信号を発信する。また別途押しボタンスイッチやセンサーを備えておき、作業者の判断でそれを手で押したり、遮ったりして信号とすることも出来る。
【0016】
図において、3は容器4はコンテナー(バット)12はチエーン13はチエーンホイル14はラチェット車15は桟付きコンベヤーモーター16は引っ掛け爪である。
【0017】
以下上記構成の動作を説明する。作業者6はあらかじめ容器上下台の解除レバー8を引いて下降させておき、容器3を容器上下台2に載せて足踏みペダル7で作業しやすい高さに調節する。作業者は片手で容器を取りもう片方でコンテナー4の惣菜を適量盛り付けて、計量器5上に載せる。計量器の安定する間に次の容器3を取り惣菜を盛り付けると共に計量器上の惣菜を加減して定量になれば、棧付きコンベヤー1により自動的に払い出されるので盛り付け中の容器を空いた計量器にのせることが出来る。
【符号の説明】
【0018】
1 間欠移動式桟付きコンベヤー
2 足踏式容器上下台
3 容器
4 コンテナー
5 計量器
6 作業者
7 足踏みペダル
8 解除レバー
9 ソロバンコンベヤー
10 作業台
11 ラインコンベヤー
12 チエーン
13 チエンホイール
14 ラチェット車
15 棧付きコンベヤーモーター
16 引っ掛け爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を最小の動作で取り出せるよう、作業者の近い位置で上下自在に設定出来るようにした容器台と、定められた目的の重量になると、自動的に次工程へ送り出す棧付きコンベヤーを備え、容器に源良を粗充填して計量器の上に載せ、計量器が安定する時間を活用して、次の容器を取り出し粗充填行いながら定量に達していない時のみ補正を行うことにより、作業能率を1.5〜2倍に出来ることを特徴とする原料の定量を容器に充填する半自動システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−213414(P2011−213414A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95454(P2010−95454)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(592104003)株式会社産業機器研究所 (3)
【Fターム(参考)】