厨房機器
【課題】厨房機器の脚や脚同士を繋ぐ連結材が不要であり、よって大型の調理鍋を厨房機器下の空間に収納するのに妨げにならないようにすることができる厨房機器を提供すること。
【解決手段】シンクやガスレンジその他の厨房機器1を壁6に設置するようにしたものであり、そのために突出部412aを壁6に設ける。そして、この突出部412aと厨房機器1とが掛合できるようになっており、両者を掛合したときに厨房機器1の下面が床4から離隔される位置になるように、前記突出部412aを前記壁6に対して設置したことを特徴とする厨房機器1。
【解決手段】シンクやガスレンジその他の厨房機器1を壁6に設置するようにしたものであり、そのために突出部412aを壁6に設ける。そして、この突出部412aと厨房機器1とが掛合できるようになっており、両者を掛合したときに厨房機器1の下面が床4から離隔される位置になるように、前記突出部412aを前記壁6に対して設置したことを特徴とする厨房機器1。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厨房機器に関する。
【背景技術】
【0002】
業務用の厨房機器のうち、例えばシンクや熱調理機器には、脚がついたものや下方部が収納棚になっているものがある。
一方、業務用の厨房では一度に多量の料理を作るため、調理鍋や調理器物など大型のものを用意する必要がある。調理鍋のうち 筒型で頭部を真っすぐに断ち切った形の容器で
ある寸胴があるが、調理鍋のなかでも特大であるので、使用しないときは、足場の邪魔にならない箇所において置く必要があるが、これまでのシンクや熱調理機器には入りきらない場合があった。
また、シンクに長めの脚を付け、その下の空間に収納しておくことが考えられるが、脚の強度を高めるため、従来の脚付きシンクでは、脚の下端を脚と同じ材料かまたは他の部材を連結材として用いて溶接し、脚の揺動を抑制していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−68742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この連結材や脚があると、寸胴のような大型の調理鍋をシンク下の空間に収納するのに妨げとなり、作業がしづらかった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、脚や脚同士を繋ぐ連結材が不要であり、よって大型の調理鍋をシンク下の空間に収納するのに妨げにならないようにすることができる厨房機器を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、 壁に設けられた突出部と掛合する鉤部が背面に備えられた厨房
機器である。
前記厨房機器を前記突出部に掛合したときに厨房機器の下面が床から離隔されるように前記壁に突出部を設置することが好ましい。
厨房機器を前記突出部に掛合するだけで厨房機器の設置が終了するので取り付け作業が簡単にできる。
厨房機器を掛止台に掛合したときに厨房機器の下面と床との間の離隔距離が寸胴の高さ寸法以上であることが望ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の厨房機器によれば、 連結材や脚が不要にできる。よって大型の調理鍋等をシ
ンク下の空間に収納する際に妨げになるものがないため、調理鍋等の収納や取り出しが簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の厨房機器の平面図である。
【図2】図1の矢印A−A線で切った横断面図である。
【図3】図1の矢印B−B線で切った横断面図である。
【図4】本発明の厨房機器の正面図である。
【図5】本発明の厨房機器の背面図である。
【図6】本発明の厨房機器の左側面図である。
【図7】本発明の厨房機器の右側面図である。
【図8】本発明の厨房機器の底面面図である。
【図9】図1の斜視図である。
【図10】図1の分解斜視図である。
【図11】図10の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下図に基づいて、本発明の実施の形態の説明をする。
図1及び図4は本発明の厨房機器1の平面図及び正面図であり、当該図に正対して左側がシンク3であり、右側が、ガスコンロ50が3つ取り付けられかつシンク3と一体にされたガスレンジ5である。厨房機器1は、調理室の壁6側に設けられている。
【0010】
シンク3は、図1、2及び9に示すように、水槽30と、水はね防止用のバックボード31と、排水口33と、図示しないカラン(吐水口)や、カランから水や温水を出すためのハンドルが取り付けられている。そして、厨房機器1の裏面1aには、横断面で曲折されて倒立L字形状をした板部材41が複数、取り付けられている(図5参照)。
【0011】
また、板部材41の上部は逆凹形状をした逆鉤部35aを有している。また、板部材41の下部はストレートにそのまま下方に延びている(図2、3及び10参照)。
【0012】
次に、ガスレンジ5について述べる。ガスレンジ5は、シンク3と一体であるので(図1、4、5、6及び8参照)、共通する部位がある。よって同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。ガスレンジ5に固有の部材は、排水溝51とガスコンロ50の内部機構である(図1参照)。
なお、符号38が示すものは、水槽30の隔壁であるデッキを示す(図1、6及び7参照)。
【0013】
また、厨房機器1が取り付けられる壁6のうち、厨房機器1の設置箇所6aには、横断面矩形の棒状部39を上部及び下部にそれぞれ2本及び1本有し、これら棒状部39は水平面に対し平行に延なるように壁6づたいに延びている。棒状部39のうち、上方部39aの2本、及び下方部39dの1本の厨房機器1側への突出量は、下方部39dの方が大きい(図2、3、6、7、10及び11参照)。
【0014】
加えて前記棒状部39の上方部39aには、基板412が図示しない螺合手段又は接着剤により強固に取り付けられている。また基板412は、前記上方部39aから突出している部分があり、これを突出部412aという(図11参照)。そして、当該突出部412aが、逆鉤部35aと下方から嵌合するようにして掛合する。
【0015】
なお基板412と前記上方部39aとを重ね合わせたときの壁6からの寸法が、下方部39dの壁6からの寸法にほぼ等しくなるように、基板412の厚み寸法と、棒状部39の上方部39aの高さ寸法との合計値と、下方部39dの高さ寸法値とがほぼ等しくされている。
【0016】
次にこのような構成の厨房機器1の作用効果について述べる。
逆鉤部35aを壁6に設けた突出部412aに掛合することで、厨房機器1は壁6に吊り下げられる状態になる。厨房機器1を突出部412aに掛合するだけで厨房機器1の設置を終了することができるので、取り付け作業が簡単にできる。
【0017】
このとき、上方部39aに固定された基板412から板部材41までの離隔寸法と、下方部39dと板部材41までの離隔寸法とはほぼ同じになるように各部位を設定することが好ましい(図2及び3参照)。このようにすることで厨房機器1にがたつきが生じ難く、壁6に対して安定した状態で厨房機器1を保持することができる。
【0018】
厨房機器1を壁6に掛合し吊り下げることで、厨房機器1の下方には、床4との間に空きスペースSができる(図2,3参照)。この空きスペースSの大きさ(高さ寸法及び幅寸法)は、容量の大きな寸胴でも十分収納できるだけのものが好ましい。また従来の脚付きシンクなどとは違い、脚や連結材が不要であるので、それらが邪魔になることが無く寸胴などの大型の調理鍋をシンク下の空間に収納し易くなる。よって、調理師などの作業者が作業し易いといえる。
【0019】
また、車いすを使用している人にとっては、車いすのフットレストが厨房機器1に当たることがなく、スペースSにフットレストが入るため、調理し易いという利点がある。
なお、この実施形態では、厨房機器1がシンク及びガスレンジを含むものを開示したが、シンク又はガスレンジの一方にのみ適用されるものであっても、その他の機器に本発明を的したものであってもよい。
【符号の説明】
【0020】
1 厨房機器
3 シンク
4 床
5 ガスレンジ
6 壁
30 水槽
31 バックボード
33 排水口
35a 逆鉤部
37 へり(トップ)
38 デッキ
39 棒状部
39a 棒状部の上方部
39d 棒状部の下方部
41 板部材
412 基板
412a 突出部
50 ガスコンロ
51 排水溝
S 空きスペース
【技術分野】
【0001】
本発明は、厨房機器に関する。
【背景技術】
【0002】
業務用の厨房機器のうち、例えばシンクや熱調理機器には、脚がついたものや下方部が収納棚になっているものがある。
一方、業務用の厨房では一度に多量の料理を作るため、調理鍋や調理器物など大型のものを用意する必要がある。調理鍋のうち 筒型で頭部を真っすぐに断ち切った形の容器で
ある寸胴があるが、調理鍋のなかでも特大であるので、使用しないときは、足場の邪魔にならない箇所において置く必要があるが、これまでのシンクや熱調理機器には入りきらない場合があった。
また、シンクに長めの脚を付け、その下の空間に収納しておくことが考えられるが、脚の強度を高めるため、従来の脚付きシンクでは、脚の下端を脚と同じ材料かまたは他の部材を連結材として用いて溶接し、脚の揺動を抑制していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−68742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この連結材や脚があると、寸胴のような大型の調理鍋をシンク下の空間に収納するのに妨げとなり、作業がしづらかった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、脚や脚同士を繋ぐ連結材が不要であり、よって大型の調理鍋をシンク下の空間に収納するのに妨げにならないようにすることができる厨房機器を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、 壁に設けられた突出部と掛合する鉤部が背面に備えられた厨房
機器である。
前記厨房機器を前記突出部に掛合したときに厨房機器の下面が床から離隔されるように前記壁に突出部を設置することが好ましい。
厨房機器を前記突出部に掛合するだけで厨房機器の設置が終了するので取り付け作業が簡単にできる。
厨房機器を掛止台に掛合したときに厨房機器の下面と床との間の離隔距離が寸胴の高さ寸法以上であることが望ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の厨房機器によれば、 連結材や脚が不要にできる。よって大型の調理鍋等をシ
ンク下の空間に収納する際に妨げになるものがないため、調理鍋等の収納や取り出しが簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の厨房機器の平面図である。
【図2】図1の矢印A−A線で切った横断面図である。
【図3】図1の矢印B−B線で切った横断面図である。
【図4】本発明の厨房機器の正面図である。
【図5】本発明の厨房機器の背面図である。
【図6】本発明の厨房機器の左側面図である。
【図7】本発明の厨房機器の右側面図である。
【図8】本発明の厨房機器の底面面図である。
【図9】図1の斜視図である。
【図10】図1の分解斜視図である。
【図11】図10の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下図に基づいて、本発明の実施の形態の説明をする。
図1及び図4は本発明の厨房機器1の平面図及び正面図であり、当該図に正対して左側がシンク3であり、右側が、ガスコンロ50が3つ取り付けられかつシンク3と一体にされたガスレンジ5である。厨房機器1は、調理室の壁6側に設けられている。
【0010】
シンク3は、図1、2及び9に示すように、水槽30と、水はね防止用のバックボード31と、排水口33と、図示しないカラン(吐水口)や、カランから水や温水を出すためのハンドルが取り付けられている。そして、厨房機器1の裏面1aには、横断面で曲折されて倒立L字形状をした板部材41が複数、取り付けられている(図5参照)。
【0011】
また、板部材41の上部は逆凹形状をした逆鉤部35aを有している。また、板部材41の下部はストレートにそのまま下方に延びている(図2、3及び10参照)。
【0012】
次に、ガスレンジ5について述べる。ガスレンジ5は、シンク3と一体であるので(図1、4、5、6及び8参照)、共通する部位がある。よって同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。ガスレンジ5に固有の部材は、排水溝51とガスコンロ50の内部機構である(図1参照)。
なお、符号38が示すものは、水槽30の隔壁であるデッキを示す(図1、6及び7参照)。
【0013】
また、厨房機器1が取り付けられる壁6のうち、厨房機器1の設置箇所6aには、横断面矩形の棒状部39を上部及び下部にそれぞれ2本及び1本有し、これら棒状部39は水平面に対し平行に延なるように壁6づたいに延びている。棒状部39のうち、上方部39aの2本、及び下方部39dの1本の厨房機器1側への突出量は、下方部39dの方が大きい(図2、3、6、7、10及び11参照)。
【0014】
加えて前記棒状部39の上方部39aには、基板412が図示しない螺合手段又は接着剤により強固に取り付けられている。また基板412は、前記上方部39aから突出している部分があり、これを突出部412aという(図11参照)。そして、当該突出部412aが、逆鉤部35aと下方から嵌合するようにして掛合する。
【0015】
なお基板412と前記上方部39aとを重ね合わせたときの壁6からの寸法が、下方部39dの壁6からの寸法にほぼ等しくなるように、基板412の厚み寸法と、棒状部39の上方部39aの高さ寸法との合計値と、下方部39dの高さ寸法値とがほぼ等しくされている。
【0016】
次にこのような構成の厨房機器1の作用効果について述べる。
逆鉤部35aを壁6に設けた突出部412aに掛合することで、厨房機器1は壁6に吊り下げられる状態になる。厨房機器1を突出部412aに掛合するだけで厨房機器1の設置を終了することができるので、取り付け作業が簡単にできる。
【0017】
このとき、上方部39aに固定された基板412から板部材41までの離隔寸法と、下方部39dと板部材41までの離隔寸法とはほぼ同じになるように各部位を設定することが好ましい(図2及び3参照)。このようにすることで厨房機器1にがたつきが生じ難く、壁6に対して安定した状態で厨房機器1を保持することができる。
【0018】
厨房機器1を壁6に掛合し吊り下げることで、厨房機器1の下方には、床4との間に空きスペースSができる(図2,3参照)。この空きスペースSの大きさ(高さ寸法及び幅寸法)は、容量の大きな寸胴でも十分収納できるだけのものが好ましい。また従来の脚付きシンクなどとは違い、脚や連結材が不要であるので、それらが邪魔になることが無く寸胴などの大型の調理鍋をシンク下の空間に収納し易くなる。よって、調理師などの作業者が作業し易いといえる。
【0019】
また、車いすを使用している人にとっては、車いすのフットレストが厨房機器1に当たることがなく、スペースSにフットレストが入るため、調理し易いという利点がある。
なお、この実施形態では、厨房機器1がシンク及びガスレンジを含むものを開示したが、シンク又はガスレンジの一方にのみ適用されるものであっても、その他の機器に本発明を的したものであってもよい。
【符号の説明】
【0020】
1 厨房機器
3 シンク
4 床
5 ガスレンジ
6 壁
30 水槽
31 バックボード
33 排水口
35a 逆鉤部
37 へり(トップ)
38 デッキ
39 棒状部
39a 棒状部の上方部
39d 棒状部の下方部
41 板部材
412 基板
412a 突出部
50 ガスコンロ
51 排水溝
S 空きスペース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁に設けられた突出部と掛合する鉤部が背面に備えられた厨房機器。
【請求項2】
厨房機器を前記突出部に掛合したときに厨房機器の下面が床から離隔されるように前記壁に突出部を設置した請求項1に記載の厨房機器。
【請求項3】
厨房機器にはシンク又は及びガスレンジを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の厨房機器。
【請求項1】
壁に設けられた突出部と掛合する鉤部が背面に備えられた厨房機器。
【請求項2】
厨房機器を前記突出部に掛合したときに厨房機器の下面が床から離隔されるように前記壁に突出部を設置した請求項1に記載の厨房機器。
【請求項3】
厨房機器にはシンク又は及びガスレンジを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の厨房機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−136042(P2011−136042A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298161(P2009−298161)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000155333)株式会社木村技研 (29)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000155333)株式会社木村技研 (29)
【Fターム(参考)】
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