説明

反芻動物用の調製飼料および該飼料を調製する方法、ならびに消化増強餌材料

少なくとも1つは餌材料である複数の成分を混合することによって反芻動物用の調製飼料を製造する。餌材料の少なくとも一部は、反芻動物による調製飼料の消化を増強するように作用する。消化増強餌材料は、一般的に、干し草、わら、サイレージおよび他の茎状材料の1つまたは複数を含み、調製飼料1kg当たり100g〜550gの範囲を構成する。調製飼料の消化増強餌材料は、30mm〜50mmの範囲の長さの繊維を含み、消化増強餌材料1リットル当たり水680ml〜820ml程度の範囲の一次飽和度と、1リットル当たり100g〜220g程度の非圧縮比重と、1リットル当たり140g〜290g程度の第1圧縮比重と、1リットル当たり150g〜500g程度の第2圧縮比重とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反芻動物用の調製飼料および該飼料を調製する方法に関し、本発明は反芻動物のための1日飼料配給量にも関する。本発明は、消化増強餌材料にも関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書のいたるところで使用される「餌(forage)」という用語は、例えば、牧草またはトウモロコシなどのサイレージ、穀草、マメ科植物または牧草干し草などの干し草、穀草、マメ科植物またはアブラナ/菜種のわらなどのわら、トウモロコシの軸および茎葉、ならびに任意の他の食用茎状材料(stalky material)を含む、任意の食用繊維状作物材料を意味すると理解されるべきである。
【0003】
子牛、畜牛、羊およびヤギなどの反芻動物の体重増加、ならびに乳牛、羊およびヤギなどの反芻動物の乳汁産生は、反芻動物に給餌される飼料のいくつもの側面の一働きによるものである。飼料の栄養価は、体重増加および乳汁産生をもたらすこと、特に体重増加および乳汁産生の増加、ならびに肉および乳汁の成分の向上にとって基本的に重要である。しかしながら、反芻動物が飼料の栄養価を体重増加または乳汁産生へ効率的に変換することができなければ、飼料の栄養価の多くの利点は、失われる。実際、栄養価の高い多くの飼料は、反芻動物の体重増加および乳汁産生へ変換すべき程度にないことが分かった。したがって、栄養価の高い成分はより高価である傾向があるのでこれは深刻な問題であり、反芻動物が成分の栄養価を体重および乳汁の増加に十分に変換していない場合、所望の体重増加および乳汁産生を得るために、飼料の栄養価をさらに増加させなければならない。これは飼料のコストを著しく増大させ、同様に反芻動物により産生される肉の単位量または乳汁の単位量当たりのコストを著しく増加させる。これは望ましくなく、長期的に持続可能でない。
【0004】
したがって、この課題に対処する反芻動物用の調製飼料およびこのような調製飼料を製造する方法が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】PCT公開出願明細書第WO96/32836号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような調製飼料および該調製飼料を製造する方法を提供することを対象とする。本発明はさらに、反芻動物のための1日飼料配給量を対象とし、本発明はさらに、消化増強餌材料および動物に給餌する方法を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、複数の成分を混合することによって製造される反芻動物用の調製飼料が提供され、調製飼料は餌材料を含み、餌材料の少なくとも一部は反芻動物による調製飼料の消化を増強するように作用し、調製飼料中の消化増強餌材料の割合は、調製飼料が、
調製飼料1リットル当たり水675ml〜調製飼料1リットル当たり水735mlの範囲の一次飽和度(primary saturation extent)と、
1リットル当たり200g〜1リットル当たり280gの範囲の非圧縮比重と、
75mmの内径を有する垂直配向の円柱状容器中で2.41kgの第1下向き圧縮力を受けた場合に、1リットル当たり180g〜1リットル当たり300gの範囲の第1圧縮比重と
を有するような割合である。
【0008】
本発明の一実施形態では、調製飼料は、75mmの内径の垂直円柱状容器中で7.41kgの第2下向き圧縮力を受けた場合に、1リットル当たり270g〜1リットル当たり430gの範囲の第2圧縮比重を有する。
【0009】
調製飼料の一次飽和度を測定するための試験から得られる、湿潤後の調製飼料の非圧縮比重が、1リットル当たり590g〜1リットル当たり660gの範囲にあることも好ましい。
【0010】
調製飼料の一次飽和度は、調製飼料の典型的なサンプルをとって、その調製飼料の典型的なサンプルの容積1リットルを、内径100mm、長さ290mmの垂直配向目盛りつき円柱状容器中に置くことによって測定する。サンプルの1リットル容積は、目盛りつきシリンダーを容器の1リットルレベルまで満たすことによって測定する。目盛りつき容器に、容器中のサンプルのいかなる圧縮、圧迫または通気もなく、サンプルをその通常の濃度に保持した状態で、調製飼料のサンプルを1リットルレベルまで満たす。次いで、水を添加している際、空気がサンプルから放出されている状態で、水を容器の1リットルレベルまで徐々に加える。調製飼料のサンプルからの放出空気の泡立ちが止むまで、水を容器の1リットルレベルで維持する。最終的に、容器に加えた水の容積を記録する。記録した容器に加えた水の容積を、調製飼料1リットル当たりの水のミリリットルで、調製飼料の一次飽和度とみなす。
【0011】
調製飼料の非圧縮比重は、調製飼料の典型的なサンプルをとって、内径75mm、長さ374mmの垂直配向目盛りつき円柱状容器に、容器中のサンプルのいかなる圧縮、圧迫または通気もなく、サンプルをその通常の濃度に保持した状態で、サンプルを1リットルレベルまで満たすことによって測定する。容器中のサンプルの重さを量り、1リットル当たりのg数で非圧縮比重を出す。
【0012】
調製飼料の第1圧縮比重は、調製飼料の非圧縮比重を測定するのに使用した内径75mm、長さ374mmの垂直配向目盛りつき円柱状容器で同一のサンプルを使用して測定する。サンプルのいかなる圧縮、圧迫または通気もなく、サンプルをその通常の濃度に保持した状態で、サンプルが容器の1リットルレベルまで占める状態で測定する。容器中を垂直に滑らせることができるピストンを、容器中サンプルの上に置き、ピストンおよび荷重を合わせた重量が2.41kgの第1圧縮重量と等しくなるように荷重をピストンの上にかける。容器中でサンプルの上に働く第1重量の力は、サンプルを容器の中に圧縮する。サンプルの圧縮容積を測定し、サンプルの重量は既に分かっているので、第1圧縮重量下でのサンプルの圧縮容積に基づいて、第1圧縮比重を1リットル当たりのgで表す。
【0013】
第2圧縮比重は、ピストンおよび荷重を合わせた重量が7.41kgの第2圧縮重量と等しくなるように追加の荷重をピストンに加えることによって、第1圧縮比重を測定する容器中のサンプルから測定する。第2重量下でのサンプルの圧縮容積を測定し、第2圧縮重量下でのサンプルの圧縮容積に基づいて、第2圧縮比重を1リットル当たりのgで表す。
【0014】
湿潤調製飼料の非圧縮比重は、一次飽和度を測定する調製飼料のサンプルから測定する。サンプルから水を排出し、次いで重さを量り、サンプルの容積は既に分かっているので、湿潤調製飼料の非圧縮比重を調製飼料の湿潤サンプル1リットル当たりのgで表す。
【0015】
好ましくは、調製飼料の非圧縮比重は、1リットル当たり210g〜1リットル当たり260gの範囲にある。好都合には、調製飼料の非圧縮比重は、1リットル当たり230g程度である。
【0016】
好ましくは、調製飼料の第1圧縮比重は、1リットル当たり220g〜1リットル当たり290gの範囲にある。好都合には、調製飼料の第1圧縮比重は、1リットル当たり270g程度である。
【0017】
好ましくは、調製飼料の第2圧縮比重は、1リットル当たり280g〜1リットル当たり340gの範囲にある。好都合には、調製飼料の第2圧縮比重は、1リットル当たり330g程度である。
【0018】
好ましくは、湿潤調製飼料の非圧縮比重は、1リットル当たり600g〜1リットル当たり640gの範囲にある。好都合には、湿潤調製飼料の非圧縮比重は、1リットル当たり630g程度である。
【0019】
好ましくは、調製飼料の一次飽和度は、調製飼料1リットル当たり水675ml〜調製飼料1リットル当たり水725mlの範囲にある。
【0020】
好都合には、調製飼料の一次飽和度は、調製飼料1リットル当たり水700ml程度である。
【0021】
調製飼料の餌材料の繊維の長さは、100mmを超えないことが好ましい。
【0022】
好ましくは、調製飼料の餌材料の繊維の長さは、25mm〜90mmの範囲、好都合には30mm〜80mmの範囲にある。
【0023】
本発明の一実施形態では、調製飼料の餌材料の繊維の一部の長さは、30mm〜50mmの範囲にあり、好ましくは調製飼料の餌材料の繊維の長さは30mm〜50mmの範囲にある。
【0024】
本発明の別の実施形態では、調製飼料の餌材料の繊維の一部の長さは、50mm〜80mmの範囲にあり、好ましくは調製飼料の餌材料の繊維の長さは50mm〜80mmの範囲にある。
【0025】
本発明の代替実施形態では、調製飼料の餌材料の繊維の一部の長さは、25mm〜50mmの範囲にある。
【0026】
調製飼料を、比較的大きい鼻口部を有する十分成長した反芻動物、特に乳牛、畜牛などへの給餌用に調製する場合、調製飼料の餌材料の繊維の長さはより長い範囲になるが、比較的小さい鼻口部を有するより小さい反芻動物、例えば子牛、羊、ヤギなどのための調製飼料では、調製飼料の餌材料の繊維の長さはより短い範囲になるだろう。
【0027】
好ましくは、消化増強餌材料は、調製飼料1kg当たり100g〜調製飼料1kg当たり550gの範囲を構成する。
【0028】
調製飼料が、消化増強餌材料を適当な範囲内の量含んでいるかどうかを測定するために、調製飼料の典型的なサンプルを吹き分け手順(winnowing procedure)にかける。吹き分け手順では、調製飼料の典型的なサンプルを、毎秒0.025Mの空気を運ぶ200mm軸流ファンによって作り出した垂直方向の気流によって垂直に落下させる。サンプル材料のより軽い要素は、水平の気流により、垂直の軌道から外側にそれる。水平の気流により垂直の軌道から100mm以下の距離しか外側にそれていないサンプルからの材料は、消化増強餌材料を構成するのに適していない(重すぎる)として無視する。水平の気流により垂直の軌道から700mmを超えた距離それる材料も、消化増強餌材料を構成するのに軽すぎるとみなされるので、無視する。水平の気流により垂直の軌道から、垂直の軌道の100mm〜700mmの範囲内の距離それる材料を、消化増強餌材料を構成することができる重量である、または他の適当な特徴を有しているとしてふるいに集める。ふるいは、非繊維状材料および長さが19mm以下の繊維状材料がそこを通過できるように、直径19mmの穿孔をあけられる。収集材料のさらなる特徴づけを行う前に、収集材料を軽くふるいにかけ、次いで、収集サンプルによって構成される調製飼料の典型的なサンプルの割合を測定する。収集サンプルによって構成される調製飼料の典型的なサンプルの割合が、要求される範囲内である場合には、収集サンプルの材料が消化増強餌材料であることを確認するために、収集サンプルを以下に説明するさらなる試験にかける。
【0029】
吹き分け手順の間に集めた収集サンプルの一次飽和度は、調製飼料の一次飽和度を測定するのと同様の方法で測定する。吹き分け手順の間に集めた収集サンプルから適当な大きさのサンプルをとり、そのサンプルの一次飽和度を測定する。
【0030】
好ましくは、消化増強餌材料の一次飽和度は、消化増強餌材料1リットル当たり680ml〜消化増強餌材料1リットル当たり820mlの範囲にある。
【0031】
好都合には、消化増強餌材料の一次飽和度は、消化増強餌材料1リットル当たり水720ml〜消化増強餌材料1リットル当たり水800mlの範囲にある。理想的には、消化増強餌材料の一次飽和度は、消化増強餌材料1リットル当たり水760ml程度である。
【0032】
吹き分け手順の間に集めた収集サンプルの非圧縮比重は、調製飼料の非圧縮比重を測定するのと同様の方法で測定する。収集サンプルの非圧縮比重を測定するために、吹き分け手順の間に集めた収集サンプルから適当な大きさのサンプルをとる。
【0033】
好ましくは、消化増強餌材料の非圧縮比重は、1リットル当たり100g〜1リットル当たり220gの範囲にある。
【0034】
好都合には、消化増強餌材料の非圧縮比重は、1リットル当たり100g〜1リットル当たり180gの範囲にある。理想的には、消化増強餌材料の非圧縮比重は、1リットル当たり130g程度である。
【0035】
吹き分け手順の間に集めた収集サンプルの第1および第2圧縮比重は、調製飼料の第1および第2圧縮比重を測定するのと同様の方法で測定する。収集サンプルの第1および第2圧縮比重を測定するために、吹き分け手順の間に集めた収集サンプルから適当な大きさのサンプルをとる。
【0036】
好ましくは、消化増強餌材料は、75mmの内径を有する垂直配向の円柱状容器中で2.41kgの第1下向き圧縮力を受けた場合に、1リットル当たり140g〜1リットル当たり290gの範囲の第1圧縮比重を有する。
【0037】
好ましくは、消化増強餌材料は、75mmの内径を有する垂直配向の円柱状容器中で7.41kgの第2下向き圧縮力を受けた場合に、1リットル当たり150g〜1リットル当たり500gの範囲の第2圧縮比重を有する。
【0038】
好都合には、消化増強餌材料の第1圧縮比重は、1リットル当たり160g〜1リットル当たり240gの範囲にある。理想的には、消化増強餌材料の第1圧縮比重は、1リットル当たり180g程度である。
【0039】
好都合には、消化増強餌材料の第2圧縮比重は、1リットル当たり200g〜1リットル当たり300gの範囲にある。理想的には、消化増強餌材料の第2圧縮比重は、1リットル当たり230g程度である。
【0040】
吹き分け手順の間に集めた湿潤収集サンプルの非圧縮比重は、湿潤調製飼料の非圧縮比重を測定するのと同様の方法で測定する。収集サンプルの一次飽和度を測定するために湿潤させ、吹き分け手順の間に集めた収集サンプルの湿潤サンプルの比重は、その非圧縮比重を測定するために使用する。
【0041】
好ましくは、消化増強餌材料の一次飽和度を測定するための試験から得られる、湿潤後の調製飼料の消化増強餌材料の非圧縮比重は、1リットル当たり530g〜1リットル当たり740gの範囲にある。
【0042】
好都合には、湿潤消化増強餌材料の非圧縮比重は、1リットル当たり600g〜1リットル当たり680gの範囲にある。理想的には、湿潤消化増強餌材料の非圧縮比重は、1リットル当たり640g程度である。
【0043】
収集サンプルの一次飽和度が、消化増強餌材料のために必要とされる一次飽和度の適当な範囲から外れる場合、調製飼料は、十分な量の消化増強餌材料を含んでいないとみなされうる。
【0044】
収集サンプルの非圧縮比重が、消化増強餌材料のために必要とされる非圧縮比重の適当な範囲から外れる場合、調製飼料は、十分な量の消化増強餌材料を含んでいないとみなされうる。
【0045】
収集サンプルの第1圧縮比重が、消化増強餌材料のために必要とされる第1圧縮比重の適当な範囲から外れる場合、調製飼料は、十分な量の消化増強餌材料を含んでいないとみなされうる。
【0046】
収集サンプルの第2圧縮比重が、消化増強餌材料のために必要とされる第2圧縮比重の適当な範囲から外れる場合、調製飼料は、十分な量の消化増強餌材料を含んでいないとみなされうる。
【0047】
収集サンプルの湿潤非圧縮比重が、消化増強餌材料のために必要とされる湿潤非圧縮比重の適当な範囲から外れる場合、調製飼料は、十分な量の消化増強餌材料を含んでいないとみなされうる。
【0048】
収集サンプルの一次飽和度が収集サンプル1リットル当たり水680ml〜820mlの範囲にあり、好ましくは収集サンプルの非圧縮比重が1リットル当たり100g〜1リットル当たり220gの範囲にあり、好都合には収集サンプルの第1圧縮比重が1リットル当たり140g〜1リットル当たり290gの範囲にあるならば、消化増強餌材料を構成する調製飼料の割合は、吹き分け手順の間に集めた収集サンプルにより構成される調製飼料の典型的なサンプルの割合であるとみなされる。
【0049】
消化増強餌材料が、より狭い範囲の一次飽和度、非圧縮比重および第1圧縮比重に従う場合の調製飼料が好ましい。実際には、消化増強餌材料の第2圧縮比重が1リットル当たり150g〜1リットル当たり500gの範囲にある場合に調製飼料はさらによい結果を生み出し、第2圧縮比重が160g/リットル〜240g/リットルの範囲にあるのが好ましい。さらに、湿潤消化増強餌材料の非圧縮比重が1リットル当たり530g〜1リットル当たり740gの範囲にあり、好ましくは1リットル当たり600g〜1リットル当たり680gの範囲にある場合に、調製飼料はさらによりよい結果を生み出す。
【0050】
好ましくは、消化増強餌材料は、調製飼料1kg当たり180g〜調製飼料1kg当たり240gの範囲を構成する。理想的には、消化増強餌材料は、調製飼料1kg当たり210g程度を構成する。しかしながら、調製飼料中の消化増強餌材料の割合は、反芻動物のあるクラスタイプから別のクラスタイプまである程度変わりうることが理解されよう。
【0051】
好ましくは、消化増強餌材料は茎状材料である。
【0052】
消化増強餌材料は、よい構造的形状である場合、特によい構造的茎状形状である場合に、所望の範囲内の非圧縮比重、第1圧縮比重および第2圧縮比重となるような消化増強餌材料を作り出し、ならびに消化増強餌材料が所望の範囲内の一次飽和度および湿潤非圧縮比重となるようにするのに相当寄与することが分かった。さらに、一般に、所望の範囲内の非圧縮比重、第1圧縮比重、第2圧縮比重および一次飽和度、ならびに湿潤非圧縮比重となるような消化増強餌材料を作り出すことにより、所望の範囲内の一次飽和度、非圧縮比重、第1圧縮比重および第2圧縮比重ならびに湿潤非圧縮比重となるような調製飼料が提供される。
【0053】
理想的には、消化増強餌材料は、以下の餌成分の1つまたは複数から得られる:
穀草わら
マメ科植物わら
アブラナ/菜種わら
穀草干し草
マメ科植物干し草
牧草干し草
トウモロコシの軸/茎葉
その土地の入手可能性に応じた他の適当な茎状材料。
【0054】
好ましくは、調製飼料の消化増強餌材料の繊維の長さは、25mm〜90mmの範囲、好都合には30mm〜80mmの範囲にある。
【0055】
本発明の一実施形態では、調製飼料の消化増強餌材料の繊維の一部の長さは、30mm〜50mmの範囲にあり、好ましくは調製飼料の餌材料の繊維の長さは30mm〜50mmの範囲にある。
【0056】
本発明の別の実施形態では、調製飼料の消化増強餌材料の繊維の一部の長さは、50mm〜80mmの範囲にあり、好ましくは調製飼料の消化増強餌材料の繊維の長さは50mm〜80mmの範囲にある。
【0057】
本発明の代替実施形態では、調製飼料の消化増強餌材料の繊維の一部の長さは、25mm〜50mmの範囲にある。
【0058】
調製飼料を、比較的大きい鼻口部を有する十分成長した反芻動物、特に乳牛、畜牛などへの給餌用に調製する場合、調製飼料の消化力増強餌材料の繊維の長さはより長い範囲になるが、比較的小さい鼻口部を有するより小さい反芻動物、例えば子牛、羊、ヤギなどのための調製飼料では、調製飼料の消化増強餌材料の繊維の長さはより短い範囲になるだろう。
【0059】
本発明の一実施形態では、調製飼料は、泌乳牛に給餌するように適合されており、本発明の代替実施形態では、調製飼料は、乾乳牛に給餌するように適合されている。本発明のさらなる代替実施形態では、調製飼料は、肉用牛(beef producing animal)に給餌するように適合されている。
【0060】
本発明は、反芻動物用の調製飼料のための消化増強餌材料も提供し、消化増強餌材料は、
調製飼料1リットル当たり水680ml〜調製飼料1リットル当たり水820mlの範囲の一次飽和度と、
1リットル当たり100g〜1リットル当たり220gの範囲の非圧縮比重と、
75mmの内径を有する垂直配向の円柱状容器中で2.41kgの第1下向き圧縮力を受けた場合に、1リットル当たり140g〜1リットル当たり290gの範囲の第1圧縮比重と
を有する。
【0061】
本発明は、反芻動物用の調製飼料を製造する方法も提供し、この方法は、少なくとも1つは餌材料を含む複数の成分を混合させるステップを含み、餌材料の少なくとも一部は反芻動物による調製飼料の消化を増強するように作用し、調製飼料中の消化増強餌材料の割合は、調製飼料が、
調製飼料1リットル当たり水675ml〜調製飼料1リットル当たり水735mlの範囲の一次飽和度と、
1リットル当たり200g〜1リットル当たり280gの範囲の非圧縮比重と、
75mmの内径を有する垂直配向の円柱状容器中で2.41kgの第1下向き圧縮力を受けた場合に、1リットル当たり180g〜1リットル当たり300gの範囲の第1圧縮比重と
を有するような割合である。
【0062】
本発明の一実施形態では、成分は、実質的に水平に伸びている回転軸の周りに回転可能な混合ローターを備える中空内部領域を画定する容器を備える混合装置中で混合され、混合ローターはそこから放射状に伸びているアームに運ばれる少なくとも1つの混合パドルを備え、混合パドルはローターの回転軸に関して全体的に軸方向に伸びている。
【0063】
本発明の一実施形態では、成分は、その混合中、混合装置中で、混合ローターの320回転以下の混合サイクルに供される。好ましくは、成分は、その混合中、混合装置中で、混合ローターの80回転〜320回転の範囲の混合サイクルに供される。好都合には、成分は、その混合中、混合装置中で、混合ローターの100回転〜140回転の混合サイクルに供される。
【0064】
好ましくは、餌材料少なくとも一部は、その混合中に刻まれて、調製飼料の消化増強餌材料を産生する。
【0065】
本発明の一実施形態では、混合装置は、その混合中に繊維状材料の長さを減少させるための刻み手段を備える。
【0066】
理想的には、調製飼料の成分は、本出願人のPCT公開出願明細書第WO96/32836号に開示されている型の混合装置中で混合される。
【0067】
本発明は、反芻動物の生体重1kg当たり、45g以下の本発明による調製飼料の乾物を含む反芻動物のための1日飼料配給量も提供する。好ましくは、反芻動物のための1日飼料配給量は、反芻動物の生体重1kg当たり、調製飼料の乾物20g〜40gの範囲にある。好都合には、反芻動物のための1日飼料配給量は、100kg〜300kgの範囲の生体重の反芻動物の生体重1kg当たり、調製飼料の乾物25g〜30gの範囲にある。好都合には、反芻動物のための1日飼料配給量は、100kg〜300kgの範囲の生体重の反芻動物の生体重1kg当たり、調製飼料の乾物25g程度である。
【0068】
本発明の別の実施形態では、反芻動物のための1日飼料配給量は、300kg〜500kgの範囲の生体重の反芻動物の生体重1kg当たり、調製飼料の乾物20g〜25gの範囲を含む。好都合には、反芻動物のための1日飼料配給量は、300kg〜500kgの範囲の生体重の反芻動物の生体重1kg当たり、調製飼料の乾物22.5g程度を含む。
【0069】
本発明の別の実施形態では、反芻動物のための1日飼料配給量は、泌乳反芻動物の生体重1kg当たり、調製飼料の乾物30g〜40gの範囲を含む。好都合には、1日飼料配給量は、550kg〜650kgの範囲の生体重の泌乳反芻動物の生体重1kg当たり、調製飼料の乾物30g〜40gを含む。好ましくは、1日飼料配給量は、550kg〜650kgの範囲の生体重の泌乳反芻動物の生体重1kg当たり、調製飼料の乾物35g程度を含む。
【0070】
本発明のさらなる実施形態では、反芻動物のための1日飼料配給量は、400kg〜500kgの範囲の生体重の肉用反芻動物の生体重1kg当たり、調製飼料の乾物20g〜30gの範囲を含む。好ましくは、1日飼料配給量は、400kg〜500kgの範囲の生体重の肉用反芻動物の生体重1kg当たり、乾物25g程度を含む。
【0071】
本発明は、1日当たり反芻動物に対して、本発明による1日飼料配給量を給餌するステップを含む、反芻動物に給餌する方法も提供する。
【0072】
本発明による調製飼料の利点は多い。本発明による調製飼料が、栄養成分が反芻動物の第一胃に保持される期間を最適化することが分かった。したがって、これは、場合により、第一胃中で、その後体重増加または乳汁産生を促進する中間生成物への栄養成分の転換を最大化する。このような栄養成分は、粒子型成分である傾向があり、一般的に比較的小さな高密度の粒子であって、反芻動物に従来技術の飼料が給餌されると、摂取後に第一胃から比較的速く排出されうる。このような栄養成分ならびに他の栄養成分が、場合により体重増加または乳汁産生を促進する中間生成物へ十分に変換されるまでの必要な期間、第一胃に保持されることが重要である。調製飼料の消化増強餌材料が、かさ高い型の材料であり、第一胃内の第一胃内液の中で層形成せずに三次元的に均一で均質な低密度のオープン基質(open matrix)を形成することが分かった。消化増強餌材料のこの低密度のオープン基質は、第一胃の液の中で、より小さな栄養粒子成分およびより小さな繊維成分を捕捉し、保持して、それにより第一胃からの早すぎる排出を防止する。
【0073】
さらに、消化増強餌材料が第一胃内の第一胃内液のいたるところに広がる均質な低密度のオープン基質を形成するという事実によって、反芻動物の反芻の速度と範囲の両方が増加し、それにより唾液産生が増加し、それにより今度は、より長期間第一胃内液のpHが6.0以上のpHに維持され、それにより栄養成分の中間生成物への変換がさらに改善される。さらに、調製飼料の消化増強餌材料が、第一胃内で層形成せずに均一で均質な低密度のオープン基質を形成するという事実により、第一胃の前にある第二胃中で開始される第一胃運動によりもたらされる第一胃内の調製飼料のさらなる混合が促進される。より小さな栄養粒子成分およびより小さな繊維成分、ならびに他の栄養成分が消化増強餌材料により形成された低密度のオープン基質内に捕捉されて保持されているので、調製飼料が第一胃内の第一胃内液の中で混合されている際、捕捉された栄養粒子および他の材料、ならびに小さな繊維成分は、低密度のオープン基質内に捕捉されたままであり、第一胃内液中の酵素およびミクロフローラに連続的にさらされており、その結果として、酵素およびミクロフローラによる栄養成分の、場合によりその後体重増加または乳汁産生を促進する中間生成物への変換が最大化される。第一胃内液のpHが、反芻の速度および範囲の増加により、より長期間6.0以上に維持されるという事実によって、第一胃内液中の酵素およびミクロフローラの栄養成分への作用が最適化される。
【0074】
本発明による調製飼料の消化増強餌材料が、調製飼料のより優れたより完全な消化を促進するという事実により、体重増加または乳汁産生の単位当たり、反芻動物によって産生されるメタンガスがより少なくなり、さらに体重増加または乳汁産生の単位当たり、反芻動物によって産生される厩肥がより少なくなる。
【0075】
1リットル当たり100g〜1リットル当たり220gの範囲、好ましくは1リットル当たり100g〜1リットル当たり180gの範囲の非圧縮比重となるような調製飼料の消化増強餌材料を供給することにより、消化増強餌材料が比較的かさ高く、したがって調製飼料をかさばらせることが分かった。したがって、いったん調製飼料が均質に混合されると、調製飼料の非圧縮比重は、1リットル当たり200g〜1リットル当たり280gの範囲にある。したがって、これは、消化増強餌材料によって調製飼料が低密度なオープン基質に形成されるのを促進し、このオープン基質が第一胃の内容物のいたることころに広がり、調製飼料の残った成分は基質内に保持される。
【0076】
1リットル当たり140g〜1リットル当たり290gの範囲、好ましくは1リットル当たり160g〜1リットル当たり240gの範囲の第1圧縮比重と、1リットル当たり150g〜1リットル当たり500gの範囲、好ましくは1リットル当たり200g〜1リットル当たり300gの範囲の第2圧縮比重とを有する消化増強餌材料を含む調製飼料を製造することにより、特にかさ高い消化増強餌材料を含む調製飼料が製造され、それは次々に調製飼料をさらにかさばらせ、結果として調製飼料の第1および第2圧縮比重は、それぞれ、1リットル当たり180g〜300gの範囲および1リットル当たり270g〜430gの範囲、好ましくはそれぞれ1リットル当たり200g〜1リットル当たり290gおよび1リットル当たり280g〜1リットル当たり340gの範囲になる。したがって、これにより、第一胃の内容物のいたるところで消化増強餌材料の均質な低密度のオープン基質の形成がさらに増強され、調製飼料の他の成分は低密度のオープン基質のいたるところに分散され、この基質中に捕捉されて保持される。
【0077】
消化増強餌材料1リットル当たり水680ml〜消化増強餌材料1リットル当たり水820mlの範囲、好ましくは消化増強餌材料1リットル当たり水720ml〜800mlの範囲の一次飽和度を有する消化増強餌材料を含む調製飼料を製造することにより、消化増強餌材料のかさ、および同様に調製飼料のかさばりがさらに向上し、調製飼料1リットル当たり水675ml〜調製飼料1リットル当たり水725mlの範囲の一次飽和度を有する調製飼料がもたらされる。これにより、今度は消化増強餌材料の均質な低密度のオープン基質が第一胃の内容物のいたるところに広がり、調製飼料の他の成分が基質内に分散され保持されることが確実になる。
【0078】
調製飼料の消化増強餌材料は、理想的には茎状材料であり、理想的にはサイレージ、干し草、わらなどの茎の多い部分により供給され、好ましくは、茎状材料の長さは100mmを超えるべきではなく、十分に成長した泌乳牛もしくは乾乳牛または肉牛のためには、好ましくは25mm〜90mm、好都合には30mm〜80mmの範囲内にあるべきである。しかしながら、より小さな鼻口部を有するより小さな反芻動物のためには、消化増強餌材料の茎状材料の長さは、一般的に25mm〜50mmの範囲となろう。茎状材料はまた、第一胃内の第一胃内液のいたるところで消化増強餌材料の低密度のオープン基質の形成を最適化するために、構造的完全性にも優れているべきであり、理想的には、茎状材料の構造は、調製飼料の混合中に材料の変形が最小限となるようなものであるべきであり、かつ理想的には、茎状材料の茎は崩壊してしまうべきではない。消化増強餌材料の茎状材料の構造的完全性の程度は、消化増強餌材料の第1および第2圧縮比重を測定すること、ならびに調製飼料の第1および第2圧縮比重を測定することにより得られる。消化増強餌材料および調製飼料の第1および第2圧縮比重の値が高いほど、消化増強餌材料の茎状材料の構造的完全性はより乏しいだろう。消化増強餌材料および調製飼料の第1および第2圧縮比重の値が低いほど、消化増強餌材料の茎の多い材料の構造的完全性はより優れているだろう。しかしながら、消化増強餌材料および同様に調製飼料の第1および第2圧縮比重は、茎状材料の構造的完全性が、第一胃内で通常の消化過程が進行する際に第一胃中での茎状材料の変形を防止するようなものにならないような、予め定義されたより低い限界値に従う。
【0079】
元々、調製飼料の消化増強餌材料は、第一胃内の第一胃内液の表面に浮くマットを形成し、したがって栄養成分を第一胃内液の表面に浮いている状態に保持し、今後は第一胃からの栄養成分の早すぎる排出を防ぎ、反芻現象を開始すると信じられていた。しかしながら、さらなる研究により、本発明による調製飼料の消化増強餌材料が、実際には、第一胃内の内容物のいたるところに広がる三次元的に均一で均質な低密度のオープン基質を形成し、したがって調製飼料の栄養成分および他の繊維状成分を基質のいたるところに分散されて基質内に保持されるよう保持して、第一胃内液、特に第一胃内液中の酵素およびミクロフローラへの栄養成分および他の繊維状材料の曝露を最大化することが明らかとなった。消化増強餌材料が、第一胃内の第一胃内液のいたるところで均質な低密度のオープン基質を形成したという発見は、本発明による調製飼料が第一胃内のより深い所で受けた消化過程を研究した結果として、特に本発明による調製飼料がフィステルを装着した乳牛(fistulated cow)の第一胃内で受けた消化過程を観察することによってなされた。
【0080】
成分を混合して調製飼料を製造することは重要であり、成分の不十分な混合または過剰な混合なしに、すべての成分、繊維状および粒子状成分の両方、ならびに液体成分および非繊維状成分の均質な混合がもたらされる程度に成分を混合することが特に重要である。特に、調製飼料の消化増強餌材料を最終的に形成する茎状材料の構造的完全性の悪化のいかなる危険性も最小化するために、過剰な混合を避けることが重要である。一般に、成分、特に繊維状材料の多くは、最高に好ましい長さよりも長い長さであり、したがって、成分の混合中、所望の長さよりも長い長さの繊維を刻むことが望ましい。実質的に水平な軸の周りに回転可能なパドル型混合ローターを備える混合装置中で成分を混合することにより、調製飼料の消化増強餌材料を最終的に形成する餌成分の構造的完全性へのダメージの危険性を最小化する比較的軽いタッチの混合がもたらされることが分かった。このような混合装置は、刻み機能も含むべきである。理想的には、調製飼料は、本出願人のPCT公開出願明細書第WO96/32836号に開示され、KEENAN KLASSIK、KEENAN KOMPACTおよびKEENAN PACEの商品名で販売されている型の混合装置中で混合される。このような混合装置中で成分を混合する際、混合されている調製飼料のバッチサイズにとって適当な大きさの混合装置を使用すべきである。混合ローターは、一般的に6rpm〜8rpmの範囲の速度、好ましくは8rpm程度の回転速度で運転する。
【0081】
30%〜70%の範囲、好ましくは35%〜60%の範囲、理想的には40〜45%の範囲の乾物含量を有し、かつ80mmを超える調製飼料中の茎状材料が実質的にない、このような調製飼料の供給は、反芻動物が調製飼料のより味のよい成分を選択的に摂取し、消化増強餌材料の茎状材料などの味のあまりよくない成分を除外する、反芻動物による選択的摂食を最小化する。調製飼料の乾物含量を制御することにより、反芻動物がより味のよい成分をあまり味のよくない成分と区別するのがより困難になり、さらに80mmを超えない長さの軸を含む消化増強餌材料の茎状材料を供給することにより、反芻動物が茎状材料を調製飼料の残りと区別することが事実上不可能になる。
【0082】
均質に混合した飼料としての本発明による調製飼料の供給は、第一胃の機能を最適化し、消費される飼料単位当たりの中間生成物の収量の増加をもたらし、体重増加および乳汁産生を促進する。したがって、本発明による調製飼料の供給は、飼料摂取量の相応の増加なしに体重増加および乳汁産生の著しい改善を促進し、同時に環境への廃物(糞便および尿)の排出の減少をもたらす。
【発明を実施するための形態】
【0083】
本発明は、以下の非限定的実施例を参照して、単なる例として示す一部の好ましい実施形態についての以下の説明からより明確に理解されよう。
【0084】
(実施例)
【0085】
【表1】

【0086】
【表2】

【0087】
【表3】

【0088】
【表4】

【0089】
Table 1(表1)は、本発明により調製された調製飼料の4つの実施例を示している。それぞれの実施例の調製飼料の成分は、Table 1(表1)の第1列に述べられている。それぞれの実施例の調製飼料の成分の割合は、乾物の調製飼料重量パーセントとして、次の4列に述べられている。4つの実施例すべての成分は、PCT公開出願明細書第WO96/32836号に開示され、KEENAN KLASSIK、KEENAN KOMPACTおよびKEENAN PACEの商品名で販売されている型のミキサー/フィーダーワゴン中で混合した。ミキサー/フィーダーワゴンの容量は、混合している調製飼料のバッチサイズに適したものであった。成分は、最初にわら、次に乳製品ブレンド、そして最後にサイレージの順序で適当なミキサー/フィーダーワゴンに詰め込み、牧草サイレージはトウモロコシサイレージの前に詰め込んだ。乳製品ブレンドは、栄養価およびエネルギー価が高い濃縮物であり、比較的小さい粒度である。液体は添加しなかった。各々の実施例の調製飼料を、ミキサー/フィーダーワゴン中で適当な混合期間にかけ、調製飼料の餌材料の繊維の約85%〜90%が80mm以下の長さである調製飼料の均一で均質な混合物を製造した。これは、混合ローターの80回転〜ミキサー/フィーダーワゴンの混合ローターの200回転の範囲の混合期間、より典型的には、混合ローターの100回転〜140回転の範囲の混合期間を必要とした。すべての場合で、混合ローターは、毎分6回転と8回転の間の速度で回転した。
【0090】
4つの実施例の調製飼料の一次飽和度、非圧縮比重、第1および第2圧縮比重、ならびに湿潤比重を確認するために、4つの実施例の調製飼料を分析した。4つの実施例の調製飼料の一次飽和度、非圧縮比重、第1および第2圧縮比重、ならびに湿潤比重を測定する方法は、既に説明したとおりとした。4つの実施例の調製飼料の分析結果はTable 3(表3)に示している。Table 3(表3)の第1行は、調製飼料の一次飽和度を、調製飼料1リットル当たりの水のml数で示し、調製飼料の非圧縮比重は、Table 3(表3)の第2行に示し、1リットル当たりのg数で表す。調製飼料の第1および第2圧縮比重は、Table 3(表3)の第3行および第4行に、1リットル当たりのg数で示す。調製飼料の湿潤比重は、Table 3(表3)の第5行に1リットル当たりのg数で示す。
【0091】
消化増強餌材料を構成する実施例1、3および4の調製飼料の割合を測定し、この割合はTable 4(表4)の最後の行に示している。消化増強餌材料によって構成される実施例1、3および4の調製飼料の割合は、調製飼料1kg当たり100g〜調製飼料1kg当たり550gの広範囲の中にあり、実施例2の調製飼料の消化増強餌材料の割合は、より広範囲の、調製飼料1kg当たり100gの下限のちょうど外側になるが、消化増強餌材料は、好ましくは調製飼料1kg当たり180g〜調製飼料1kg当たり240gの範囲を構成すると思われる。消化増強餌材料によって構成される実施例1、3および4の調製飼料の割合が広範囲の高端にあるように見える理由は、サンプリングを野外で行ったという事実によって部分的に説明することができ、実施例1、3および4の調製飼料は比較的高い牧草サイレージであるという理由も一部にある。
【0092】
実施例1、3および4の調製飼料の消化増強餌材料の物理的特性を分析し、この物理的特性、すなわち実施例1、3および4の調製飼料の消化増強餌材料の一次飽和度、非圧縮比重、第1および第2圧縮比重、ならびに湿潤比重を、実施例1〜4の調製飼料の物理的特性をTable 3(表3)に示すのと同様の方法で、Table 4(表4)に示す。
【0093】
実施例1の調製飼料を、概して600kg〜650kg程度の生体重の泌乳牛の群れに給餌した。これらの乳牛は、90日以上の期間、乳牛の生体重1kg当たり、実施例1の調製飼料約35gの1日配給量を給餌した群であった。
【0094】
実施例2の調製飼料を、概して600kg〜650kg程度の生体重の泌乳牛の群れに給餌した。これらの乳牛は、90日以上の期間、乳牛の生体重1kg当たり、実施例2の調製飼料約35gの1日配給量を給餌した群であった。
【0095】
実施例3の調製飼料を、概して600kg〜650kg程度の生体重の泌乳牛の群れに給餌した。これらの乳牛は、90日以上の期間、乳牛の生体重1kg当たり、実施例3の調製飼料約35gの1日配給量を給餌した群であった。
【0096】
実施例4の調製飼料を、概して600kg〜650kg程度の生体重の泌乳牛の群れに給餌した。これらの乳牛は、90日以上の期間、乳牛の生体重1kg当たり、実施例4の調製飼料約35gの1日配給量を給餌した群であった。
【0097】
当該期間にわたって実施例1〜4の調製飼料を給餌した4つの群れの乳牛の成績を監視した。監視した成績特性を、Table 2(表2)に示す。Table 2(表2)の第1行では、実施例1〜4の各々について、1日当たりの飼料の乾物摂取量をkg数で示す。Table 2(表2)の第2行では、実施例1〜4の調製飼料を給餌したそれぞれの群れからの乳牛1頭当たり1日当たりのエネルギー補正した乳汁産生をkg数で示す。実施例1〜4の調製飼料を給餌した群れの各々について、乳牛1頭当たり、1日当たり、飼料1kg当たりの、エネルギー補正した乳汁のkg数に基づく飼料変換効率をkg数でTable 2(表2)の第3行に示す。
【0098】
したがって、Table 1(表1)およびTable 2(表2)から、4つのうちの3つの群れ、すなわち、実施例1、3および4の調製飼料を給餌した群れが、比較的高いレベルの牧草サイレージを含む飼料配給量を給餌し、実施例2の調製飼料を給餌した群れのみが、牧草サイレージよりもむしろトウモロコシサイレージが高い飼料配給量を給餌したことが分かる。予想通り、実施例2の調製飼料を給餌したこの群れは、最も低い飼料摂取量を示すにも関わらず、最も高い飼料変換効率および2番目に高いエネルギー補正した乳汁産生を示した。実施例4の調製飼料を給餌した群れは例外かもしれないが、4つの群れすべてが十分許容できるレベルの乳汁産生を示した。実施例4の調製飼料は、濃縮ブレンドに対する餌の割合が最も低かった。
【0099】
4つの群れすべてについて、飼料摂取量のレベルが比較的少ない(平均、1日当たり乾物20.04kg)ことにより、よいレベルの乳汁産生(平均、エネルギー補正して27.72kg)がもたらされ、より高い飼料変換効率によって望ましいレベルの成績を得ることができることを示している。群れが実施例1〜4のそれぞれの調製飼料を給餌されている期間中ずっと、すべての群れは、体の状態に関しては比較的安定していることにも注意し、したがって、産生される乳汁のレベルは、消費された飼料から直接、かつ動かされる体の組織からの任意の有意な寄与なしに達成されるものであることを確認した。
【0100】
実施例1〜4の4つの調製飼料すべては、最終的に消化増強餌材料を作り出す相当量の穀草わらを含んでいた。調製飼料の乾物の割合としての穀草わらの平均量は、1.69%であった。したがって、本発明による方法に従って成分を混合することにより、調製飼料1リットル当たり水716.5gの平均一次飽和度を有し、1リットル当たり218gの低い平均非圧縮比重を有する調製飼料が製造された。さらに、実施例1〜4の調製飼料は、それぞれ1リットル当たり250gと1リットル当たり341gの低い平均第1圧縮比重および第2圧縮比重、ならびに湿潤させた場合に、1リットル当たり625gの望ましい平均比重を有した。
【0101】
当該一次飽和度、非圧縮比重、第1および第2圧縮比重、ならびに湿潤比重を有する実施例1〜3の調製飼料の製造は、実施例1、3および4のそれぞれの調製飼料が、Table 4(表4)に示す一次飽和度、非圧縮比重、第1および第2圧縮比重、ならびに湿潤比重を有する、Table 4(表4)に示す消化増強餌材料の割合を含むという事実から得られる。
【0102】
したがって、必要な量の消化増強餌材料を含む実施例1〜4の調製飼料は、改善された飼料変換効率によって、比較的少ないレベルの飼料摂取量で、よいレベルの乳汁産生を促進する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の成分を混合することによって製造される反芻動物用の調製飼料であって、前記調製飼料は餌材料を含み、前記餌材料の少なくとも一部は前記反芻動物による前記調製飼料の消化を増強するように作用し、前記調製飼料中の前記消化増強餌材料の割合は、前記調製飼料が、
調製飼料1リットル当たり水675ml〜調製飼料1リットル当たり水735mlの範囲の一次飽和度と、
1リットル当たり200g〜1リットル当たり280gの範囲の非圧縮比重と、
75mmの内径を有する垂直配向の円柱状容器中で2.41kgの第1下向き圧縮力を受けた場合に、1リットル当たり180g〜1リットル当たり300gの範囲の第1圧縮比重と
を有するような割合である、調製飼料。
【請求項2】
前記調製飼料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり210g〜1リットル当たり260gの範囲にある、請求項1に記載の調製飼料。
【請求項3】
前記調製飼料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり230g程度である、請求項1または2に記載の調製飼料。
【請求項4】
前記調製飼料の前記第1圧縮比重が、1リットル当たり220g〜1リットル当たり290gの範囲にある、請求項1から3のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項5】
前記調製飼料の前記第1圧縮比重が、1リットル当たり270g程度である、請求項1から4のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項6】
75mmの内径を有する垂直配向の円柱状容器中で7.41kgの第2下向き圧縮力を受けた場合に、1リットル当たり270g〜1リットル当たり430gの範囲の第2圧縮比重を有する、請求項1から5のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項7】
前記調製飼料の前記第2圧縮比重が、1リットル当たり280g〜1リットル当たり340gの範囲にある、請求項6に記載の調製飼料。
【請求項8】
前記調製飼料の前記第2圧縮比重が、1リットル当たり330g程度である、請求項6または7に記載の調製飼料。
【請求項9】
前記調製飼料の前記一次飽和度を測定するための試験から得られる、湿潤後の前記調製飼料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり590g〜1リットル当たり660gの範囲にある、請求項1から8のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項10】
前記湿潤調製飼料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり600g〜1リットル当たり640gの範囲にある、請求項9に記載の調製飼料。
【請求項11】
前記湿潤調製飼料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり630g程度である、請求項9または10に記載の調製飼料。
【請求項12】
前記調製飼料の前記一次飽和度が、調製飼料1リットル当たり水675ml〜調製飼料1リットル当たり水725mlの範囲にある、請求項1から11のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項13】
前記調製飼料の前記一次飽和度が、調製飼料1リットル当たり水700ml程度である、請求項1から12のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項14】
前記調製飼料の前記餌材料の繊維の長さが、100mmを超えない、請求項1から13のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項15】
前記調製飼料の前記餌材料の繊維の長さが、25mm〜90mmの範囲にある、請求項1から14のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項16】
前記調製飼料の前記餌材料の繊維の長さが、30mm〜80mmの範囲にある、請求項1から15のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項17】
前記調製飼料の前記餌材料の繊維の一部の長さが、30mm〜50mmの範囲にある、請求項1から16のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項18】
前記調製飼料の前記餌材料の繊維の長さが、30mm〜50mmの範囲にある、請求項1から17のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項19】
前記調製飼料の前記餌材料の繊維の一部の長さが、50mm〜80mmの範囲にある、請求項1から17のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項20】
前記調製飼料の前記餌材料の繊維の長さが、50mm〜80mmの範囲にある、請求項19に記載の調製飼料。
【請求項21】
前記調製飼料の前記餌材料の繊維の一部の長さが、30mm〜50mmの範囲にある、請求項1から14のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項22】
前記調製飼料の前記消化増強餌材料の前記一次飽和度が、消化増強餌材料1リットル当たり水680ml〜消化増強餌材料1リットル当たり水820mlの範囲にある、請求項1から21のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項23】
前記調製飼料の前記消化増強餌材料の前記一次飽和度が、消化増強餌材料1リットル当たり水720ml〜消化増強餌材料1リットル当たり水800mlの範囲にある、請求項1から22のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項24】
前記調製飼料の前記消化増強餌材料の前記一次飽和度が、消化増強餌材料1リットル当たり水760ml程度である、請求項1から23のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項25】
前記消化増強餌材料の前記一次飽和度を測定するための試験から得られる、湿潤後の前記調製飼料の前記消化増強餌材料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり530g〜1リットル当たり740gの範囲にある、請求項22から24のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項26】
前記湿潤消化増強餌材料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり600g〜1リットル当たり680gの範囲にある、請求項25に記載の調製飼料。
【請求項27】
前記湿潤消化増強餌材料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり640g程度である、請求項25または26に記載の調製飼料。
【請求項28】
前記消化増強餌材料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり100g〜1リットル当たり220gの範囲にある、請求項1から27のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項29】
前記消化増強餌材料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり100g〜1リットル当たり180gの範囲にある、請求項1から28のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項30】
前記消化増強餌材料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり130g程度である、請求項1から29のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項31】
前記消化増強餌材料が、75mmの内径を有する垂直配向の円柱状容器中で2.41kgの第1下向き圧縮力を受けた場合に、1リットル当たり140g〜1リットル当たり290gの範囲の第1圧縮比重を有する、請求項1から30のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項32】
前記消化増強餌材料の前記第1圧縮比重が、1リットル当たり160g〜1リットル当たり240gの範囲にある、請求項31に記載の調製飼料。
【請求項33】
前記消化増強餌材料の前記第1圧縮比重が、1リットル当たり180g程度である、請求項31または32に記載の調製飼料。
【請求項34】
前記消化増強餌材料が、75mmの内径を有する垂直配向の円柱状容器中で7.41kgの第2下向き圧縮力を受けた場合に、1リットル当たり150g〜1リットル当たり500gの範囲の第2圧縮比重を有する、請求項1から33のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項35】
前記消化増強餌材料の前記第2圧縮比重が、1リットル当たり200g〜1リットル当たり300gの範囲にある、請求項34に記載の調製飼料。
【請求項36】
前記消化増強餌材料の前記第2圧縮比重が、1リットル当たり230g程度である、請求項34または35に記載の調製飼料。
【請求項37】
前記消化増強餌材料の繊維の長さが、100mmを超えない、請求項1から36のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項38】
前記消化増強餌材料の繊維の長さが、25mm〜90mmの範囲にある、請求項1から37のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項39】
前記消化増強餌材料の繊維の長さが、30mm〜80mmの範囲にある、請求項1から38のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項40】
前記消化増強餌材料の繊維の一部の長さが、30mm〜50mmの範囲にある、請求項1から39のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項41】
前記消化増強餌材料の繊維の長さが、30mm〜50mmの範囲にある、請求項1から40のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項42】
前記消化増強餌材料の繊維の一部の長さが、50mm〜80mmの範囲にある、請求項1から40のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項43】
前記消化増強餌材料の繊維の長さが、50mm〜80mmの範囲にある、請求項42に記載の調製飼料。
【請求項44】
前記消化増強餌材料の繊維の一部の長さが、25mm〜50mmの範囲にある、請求項1から37のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項45】
前記消化増強餌材料が、以下の餌成分:
穀草わら
マメ科植物わら
アブラナ/菜種わら
穀草干し草
マメ科植物干し草
牧草干し草
トウモロコシの軸/茎葉
その土地の入手可能性に応じた他の適当な茎状材料
の1つまたは複数から得られる、請求項1から44のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項46】
前記消化増強餌材料が、調製飼料1kg当たり100g〜調製飼料の1kg当たり550gの範囲を構成する、請求項1から45のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項47】
前記消化増強餌材料が、調製飼料1kg当たり180g〜調製飼料の1kg当たり240gの範囲を構成する、請求項1から46のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項48】
前記消化増強餌材料が、調製飼料1kg当たり210g程度を構成する、請求項1から47のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項49】
前記消化増強餌材料が、茎状材料である、請求項1から48のいずれかに記載の調製飼料。
【請求項50】
調製飼料1リットル当たり水680ml〜調製飼料1リットル当たり水820mlの範囲の一次飽和度と、
1リットル当たり100g〜1リットル当たり220gの範囲の非圧縮比重と、
75mmの内径を有する垂直配向の円柱状容器中で2.41kgの第1下向き圧縮力を受けた場合に、1リットル当たり140g〜1リットル当たり290gの範囲の第1圧縮比重と
を有する、反芻動物用の調製飼料のための消化増強餌材料。
【請求項51】
前記調製飼料の前記消化増強餌材料の前記一次飽和度が、消化増強餌材料1リットル当たり水720ml〜消化増強餌材料1リットル当たり水800mlの範囲にある、請求項50に記載の消化増強餌材料。
【請求項52】
前記調製飼料の前記消化増強餌材料の前記一次飽和度が、消化増強餌材料1リットル当たり水760ml程度である、請求項50または51に記載の消化増強餌材料。
【請求項53】
前記消化増強餌材料の前記一次飽和度を測定するための試験から得られる、湿潤後の前記調製飼料の前記消化増強餌材料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり530g〜1リットル当たり740gの範囲にある、請求項50から52のいずれかに記載の消化増強餌材料。
【請求項54】
前記湿潤消化増強餌材料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり600g〜1リットル当たり680gの範囲にある、請求項53に記載の消化増強餌材料。
【請求項55】
前記湿潤消化増強餌材料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり640g程度である、請求項53または54に記載の消化増強餌材料。
【請求項56】
前記消化増強餌材料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり100g〜1リットル当たり180gの範囲にある、請求項50から55のいずれかに記載の消化増強餌材料。
【請求項57】
前記消化増強餌材料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり130g程度である、請求項50から56のいずれかに記載の消化増強餌材料。
【請求項58】
前記消化増強餌材料の前記第1圧縮比重が、1リットル当たり160g〜1リットル当たり240gの範囲にある、請求項50から57のいずれかに記載の消化増強餌材料。
【請求項59】
前記消化増強餌材料の前記第1圧縮比重が、1リットル当たり180g程度である、請求項50から58のいずれかに記載の消化増強餌材料。
【請求項60】
75mmの内径を有する垂直配向の円柱状容器中で7.41kgの第2下向き圧縮力を受けた場合に、1リットル当たり150g〜1リットル当たり500gの範囲の第2圧縮比重を有する、請求項50から59のいずれかに記載の消化増強餌材料。
【請求項61】
前記消化増強餌材料の前記第2圧縮比重が、1リットル当たり200g〜1リットル当たり300gの範囲にある、請求項60に記載の消化増強餌材料。
【請求項62】
前記消化増強餌材料の前記第2圧縮比重が、1リットル当たり230g程度である、請求項60または61に記載の消化増強餌材料。
【請求項63】
前記消化増強餌材料の繊維の長さが、100mmを超えない、請求項50から62のいずれかに記載の消化増強餌材料。
【請求項64】
前記消化増強餌材料の繊維の長さが、25mm〜90mmの範囲にある、請求項50から63のいずれかに記載の消化増強餌材料。
【請求項65】
前記消化増強餌材料の繊維の長さが、30mm〜80mmの範囲にある、請求項50から64のいずれかに記載の消化増強餌材料。
【請求項66】
前記消化増強餌材料の繊維の一部の長さが、30mm〜50mmの範囲にある、請求項50から65のいずれかに記載の消化増強餌材料。
【請求項67】
前記消化増強餌材料の繊維の長さが、30mm〜50mmの範囲にある、請求項50から66のいずれかに記載の消化増強餌材料。
【請求項68】
前記消化増強餌材料の繊維の一部の長さが、50mm〜80mmの範囲にある、請求項50から67のいずれかに記載の消化増強餌材料。
【請求項69】
前記消化増強餌材料の繊維の長さが、50mm〜80mmの範囲にある、請求項68に記載の消化増強餌材料。
【請求項70】
前記消化増強餌材料の繊維の一部の長さが、25mm〜50mmの範囲にある、請求項50から63のいずれかに記載の消化増強餌材料。
【請求項71】
以下の餌成分:
穀草わら
マメ科植物わら
アブラナ/菜種わら
穀草干し草
マメ科植物干し草
牧草干し草
トウモロコシの軸/茎葉
その土地の入手可能性に応じた他の適当な茎状材料
の1つまたは複数から得られる、請求項50から70のいずれかに記載の消化増強餌材料。
【請求項72】
複数の成分を混合するステップを含む、反芻動物用の調製飼料を製造する方法であって、前記成分の少なくとも1つは餌材料を含み、前記餌材料の少なくとも一部は前記反芻動物による前記調製飼料の消化を増強するように作用し、前記調製飼料中の前記消化増強餌材料の割合は、前記調製飼料が、
調製飼料1リットル当たり水675ml〜調製飼料1リットル当たり水735mlの範囲の一次飽和度と、
1リットル当たり200g〜1リットル当たり280gの範囲の非圧縮比重と、
75mmの内径を有する垂直配向の円柱状容器中で2.41kgの第1下向き圧縮力を受けた場合に、1リットル当たり180g〜1リットル当たり300gの範囲の第1圧縮比重と
を有するような割合である、方法。
【請求項73】
前記調製飼料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり210g〜1リットル当たり260gの範囲にある、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記調製飼料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり230g程度である、請求項72または73に記載の方法。
【請求項75】
前記調製飼料の前記第1圧縮比重が、1リットル当たり220g〜1リットル当たり290gの範囲にある、請求項72から74のいずれかに記載の方法。
【請求項76】
前記調製飼料の前記第1圧縮比重が、1リットル当たり270g程度である、請求項72から75のいずれかに記載の方法。
【請求項77】
前記調製飼料が、75mmの内径を有する垂直配向の円柱状容器中で7.41kgの第2下向き圧縮力を受けた場合に、1リットル当たり270g〜1リットル当たり430gの範囲の第2圧縮比重を有する、請求項72から76のいずれかに記載の方法。
【請求項78】
前記調製飼料の前記第2圧縮比重が、1リットル当たり280g〜1リットル当たり340gの範囲にある、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記調製飼料の前記第2圧縮比重が、1リットル当たり330g程度である、請求項77または78に記載の方法。
【請求項80】
前記調製飼料の前記一次飽和度を測定するための試験から得られる、湿潤後の前記調製飼料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり590g〜1リットル当たり660gの範囲にある、請求項72から79のいずれかに記載の方法。
【請求項81】
前記湿潤調製飼料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり600g〜1リットル当たり640gの範囲にある、請求項72から80のいずれかに記載の方法。
【請求項82】
前記湿潤調製飼料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり630g程度である、請求項72から81のいずれかに記載の方法。
【請求項83】
前記調製飼料の前記一次飽和度が、調製飼料1リットル当たり水675ml〜調製飼料1リットル当たり水725mlの範囲にある、請求項72から82のいずれかに記載の方法。
【請求項84】
前記調製飼料の前記一次飽和度が、調製飼料1リットル当たり水700ml程度である、請求項72から83のいずれかに記載の方法。
【請求項85】
前記調製飼料の前記餌材料の繊維の長さが、100mmを超えない、請求項72から84のいずれかに記載の方法。
【請求項86】
前記調製飼料の前記餌材料の繊維の長さが、25mm〜90mmの範囲にある、請求項72から85のいずれかに記載の方法。
【請求項87】
前記調製飼料の前記餌材料の繊維の長さが、30mm〜80mmの範囲にある、請求項72から86のいずれかに記載の方法。
【請求項88】
前記調製飼料の前記餌材料の繊維の一部の長さが、30mm〜50mmの範囲にある、請求項72から87のいずれかに記載の方法。
【請求項89】
前記調製飼料の前記餌材料の繊維の長さが、30mm〜50mmの範囲にある、請求項72から88のいずれかに記載の方法。
【請求項90】
前記調製飼料の前記餌材料の繊維の一部の長さが、50mm〜80mmの範囲にある、請求項72から89のいずれかに記載の方法。
【請求項91】
前記調製飼料の前記餌材料の繊維の長さが、50mm〜80mmの範囲にある、請求項72から90のいずれかに記載の方法。
【請求項92】
前記調製飼料の前記餌材料の繊維の一部の長さが、25mm〜50mmの範囲にある、請求項72から91のいずれかに記載の方法。
【請求項93】
前記調製飼料の前記消化増強餌材料の前記一次飽和度が、消化増強餌材料1リットル当たり水680ml〜消化増強餌材料1リットル当たり水820mlの範囲にある、請求項72から92のいずれかに記載の方法。
【請求項94】
前記調製飼料の前記消化増強餌材料の前記一次飽和度が、消化増強餌材料1リットル当たり水720ml〜消化増強餌材料1リットル当たり水800mlの範囲にある、請求項72から93のいずれかに記載の方法。
【請求項95】
前記調製飼料の前記消化増強餌材料の前記一次飽和度が、消化増強餌材料1リットル当たり水760ml程度である、請求項72から94のいずれかに記載の方法。
【請求項96】
前記消化増強餌材料の前記一次飽和度を測定するための試験から得られる、湿潤後の前記調製飼料の前記消化増強餌材料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり530g〜1リットル当たり740gの範囲にある、請求項72から95のいずれかに記載の方法。
【請求項97】
前記湿潤消化増強餌材料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり600g〜1リットル当たり680gの範囲にある、請求項72から96のいずれかに記載の方法。
【請求項98】
前記湿潤消化増強餌材料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり640g程度である、請求項72から97のいずれかに記載の方法。
【請求項99】
前記消化増強餌材料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり100g〜1リットル当たり220gの範囲にある、請求項72から98のいずれかに記載の方法。
【請求項100】
前記消化増強餌材料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり100g〜1リットル当たり180gの範囲にある、請求項72から99のいずれかに記載の方法。
【請求項101】
前記消化増強餌材料の前記非圧縮比重が、1リットル当たり130g程度である、請求項72から100のいずれかに記載の方法。
【請求項102】
前記消化増強餌材料が、75mmの内径を有する垂直配向の円柱状容器中で2.41kgの第1下向き圧縮力を受けた場合に、1リットル当たり140g〜1リットル当たり290gの範囲の第1圧縮比重を有する、請求項72から101のいずれかに記載の方法。
【請求項103】
前記消化増強餌材料の前記第1圧縮比重が、1リットル当たり160g〜1リットル当たり240gの範囲にある、請求項72から102のいずれかに記載の方法。
【請求項104】
前記消化増強餌材料の前記第1圧縮比重が、1リットル当たり180g程度である、請求項72から103のいずれかに記載の方法。
【請求項105】
前記消化増強餌材料が、75mmの内径を有する垂直配向の円柱状容器中で7.41kgの第2下向き圧縮力を受けた場合に、1リットル当たり150g〜1リットル当たり500gの範囲の第2圧縮比重を有する、請求項72から104のいずれかに記載の方法。
【請求項106】
前記消化増強餌材料の前記第2圧縮比重が、1リットル当たり200g〜1リットル当たり300gの範囲にある、請求項72から105のいずれかに記載の方法。
【請求項107】
前記消化増強餌材料の前記第2圧縮比重が、1リットル当たり230g程度である、請求項72から106のいずれかに記載の方法。
【請求項108】
前記消化増強餌材料の繊維の長さが、100mmを超えない、請求項72から107のいずれかに記載の方法。
【請求項109】
前記消化増強餌材料の繊維の長さが、25mm〜90mmの範囲にある、請求項72から108のいずれかに記載の方法。
【請求項110】
前記消化増強餌材料の繊維の長さが、30mm〜80mmの範囲にある、請求項72から109のいずれかに記載の方法。
【請求項111】
前記消化増強餌材料の繊維の一部の長さが、30mm〜50mmの範囲にある、請求項72から110のいずれかに記載の方法。
【請求項112】
前記消化増強餌材料の繊維の長さが、30mm〜50mmの範囲にある、請求項72から111のいずれかに記載の方法。
【請求項113】
前記消化増強餌材料の繊維の一部の長さが、50mm〜80mmの範囲にある、請求項72から112のいずれかに記載の方法。
【請求項114】
前記消化増強餌材料の繊維の長さが、50mm〜80mmの範囲にある、請求項72から113のいずれかに記載の方法。
【請求項115】
前記消化増強餌材料の繊維の一部の長さが、25mm〜50mmの範囲にある、請求項72から114のいずれかに記載の方法。
【請求項116】
前記消化増強餌材料が、以下の餌成分:
穀草わら
マメ科植物わら
アブラナ/菜種わら
穀草干し草
マメ科植物干し草
牧草干し草
トウモロコシの軸/茎葉
その土地の入手可能性に応じた他の適当な茎状材料
の1つまたは複数から得られる、請求項72から115のいずれかに記載の方法。
【請求項117】
前記消化増強餌材料が、調製飼料1kg当たり100g〜調製飼料の1kg当たり550gの範囲を構成する、請求項72から116のいずれかに記載の方法。
【請求項118】
前記消化増強餌材料が、調製飼料1kg当たり180g〜調製飼料の1kg当たり240gの範囲を構成する、請求項72から117のいずれかに記載の方法。
【請求項119】
前記消化増強餌材料が、調製飼料1kg当たり210g程度を構成する、請求項72から118のいずれかに記載の方法。
【請求項120】
前記消化増強餌材料が、茎状材料である、請求項72から118のいずれかに記載の方法。
【請求項121】
前記成分が、実質的に水平に伸びている回転軸の周りに回転可能な混合ローターを備える中空内部領域を画定する容器を備える混合装置中で混合され、前記混合ローターがそこから放射状に伸びているアームに運ばれる少なくとも1つの混合パドルを備え、前記混合パドルが前記ローターの前記回転軸に関して全体的に軸方向に伸びている、請求項72から120のいずれかに記載の方法。
【請求項122】
前記成分が、その混合中、前記混合装置中で、前記混合ローターの320回転以下の混合サイクルに供される、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
前記成分が、その混合中、前記混合装置中で、前記混合ローターの80回転〜320回転の範囲の混合サイクルに供される、請求項121または122に記載の方法。
【請求項124】
前記成分が、その混合中、前記混合装置中で、前記混合ローターの100回転〜140回転の混合サイクルに供される、請求項121から123のいずれかに記載の方法。
【請求項125】
前記餌材料の少なくとも一部が、その混合中に刻まれて、前記調製飼料の前記消化増強餌材料を産生する、請求項121から124のいずかに記載の方法。
【請求項126】
前記混合装置が、その混合中に繊維状材料を刻むための刻み手段を備える、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
前記調製飼料の前記成分が、本出願人のPCT公開出願明細書第WO96/32836号に開示されている型の混合装置中で混合される、請求項72から126のいずれかに記載の方法。
【請求項128】
反芻動物の生体重1kg当たり、45g以下の請求項1から49のいずれかに記載の調製飼料の乾物を含む、前記反芻動物のための1日飼料配給量。
【請求項129】
前記反芻動物の生体重1kg当たり、20g〜40gの範囲の前記調製飼料の乾物を含む、請求項128に記載の反芻動物のための1日飼料配給量。
【請求項130】
100kg〜300kgの範囲の生体重の反芻動物の生体重1kg当たり、25g〜30gの範囲の前記調製飼料の乾物を含む、請求項128または129に記載の反芻動物のための1日飼料配給量。
【請求項131】
100kg〜300kgの範囲の生体重の反芻動物の生体重1kg当たり、25g程度の前記調製飼料の乾物を含む、請求項128から130のいずれかに記載の反芻動物のための1日飼料配給量。
【請求項132】
300kg〜500kgの範囲の生体重の反芻動物の生体重1kg当たり、20g〜25gの範囲の前記調製飼料の乾物を含む、請求項128から131のいずれかに記載の反芻動物のための1日飼料配給量。
【請求項133】
300kg〜500kgの範囲の生体重の反芻動物の生体重1kg当たり、22.5g程度の前記調製飼料の乾物を含む、請求項132に記載の反芻動物のための1日飼料配給量。
【請求項134】
泌乳反芻動物の生体重1kg当たり、30g〜40gの範囲の前記調製飼料の乾物を含む、請求項128から133のいずれかに記載の反芻動物のための1日飼料配給量。
【請求項135】
550kg〜650kgの範囲の生体重の泌乳反芻動物の生体重1kg当たり、30g〜40gの前記調製飼料の乾物を含む、請求項128から134のいずれかに記載の反芻動物のための1日飼料配給量。
【請求項136】
550kg〜650kgの範囲の生体重の泌乳反芻動物の生体重1kg当たり、35g程度の前記調製飼料の乾物を含む、請求項135に記載の反芻動物のための1日飼料配給量。
【請求項137】
400kg〜500kgの範囲の生体重の肉用反芻動物の生体重1kg当たり、20g〜30gの範囲の前記調製飼料の乾物を含む、請求項128から136のいずれかに記載の反芻動物のための1日飼料配給量。
【請求項138】
400kg〜500kgの範囲の生体重の肉用反芻動物の生体重1kg当たり、25g程度の乾物を含む、請求項137に記載の反芻動物のための1日飼料配給量。
【請求項139】
1日当たり反芻動物に対して、請求項128から138のいずれかに記載の1日飼料配給量を給餌するステップを含む、前記反芻動物に給餌する方法。

【公表番号】特表2011−521638(P2011−521638A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511158(P2011−511158)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【国際出願番号】PCT/IE2009/000029
【国際公開番号】WO2009/144692
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(510238797)サルフォード・エンジニアリング・リミテッド (3)
【Fターム(参考)】