説明

取り付け可能な腕部を有するスマートアクチュエータ装置及びエネルギー取得装置

本発明のスマート材料アクチュエータ装置は、固定支持部材、少なくとも1つの取り付け可能なアクチュエータ腕部及び前記取り付け可能な腕部と可動維持部材に接続される少なくとも1つの協働部材を含む。圧電スタックが前記固定支持部材の第1の取り付け表面及び前記可動支持部材の第2の取り付け表面の間に固着される。前記固定支持部材が実質的に剛性であり、かつ前記第1の取り付け表面と第2の取り付け表面は実質的に平行であり、その間に前記圧電スタックが固着されており、前記圧電スタックに適切な電圧を付加すると、前記圧電スタックは実質的に角度をもって動くことなく伸びる。この伸びは、前記第2の取り付け表面を前記第1の取り付け表面から離すように作用し、それにより前記機械的ウェブの前記協働部材を曲げ、それにより前記取り付け可能なアクチュエータ腕部を動かす。前記ウェブ及び前記取り付け可能な腕部の構成により、前記腕部のアクチュエータ端部が前記圧電スタックの前記伸びよりも大きい距離を移動することとなる。このようにして、前記スタックの伸びが前記機械的増幅装置により実質的に増幅されることとなる。このタイプのアクチュエータ装置は、電気エネルギーから機械的動きを生成するためんと、機械的動きから電気エネルギーを取得するために使用され得る。またかかる動きの量を検出するために使用され得る。機械的動きから電気を生成する方法、かかるアクチュエータ装置を用いて振動を生成する方法に加えて、共鳴周波数を調節し、共鳴操作によりエネルギーの取得の効率を上げる方法に加えて、外部構造との接続のための腕部の設計及び方法のいくつかが開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年7月10日に出願された米国仮特許出願番号61/224、585及び2009年9月4日に出願された米国仮特許出願番号61/240、001に基づく優先権を主張するものであり、これらの内容は参照されて本明細書の一部となる。
【背景技術】
【0002】
本発明は圧電又は他のスマート材料を用いるアクチュエータ装置に関し、異なる応用のための前記装置のカスタマイズを可能とする取り付け可能な腕部を持つ。スマート材料アクチュエータ装置は当該技術分野で知られている。しかしかかる装置は一般的には比較的限定された固定サイズ及び構成で製造されるものである。本発明は、これらの欠点を、異なるサイズ及び構成部品を可能とするアクチュエータ装置を提供することで解消し、それにより共通の部品セットでスマート材料アクチュエータ装置の異なる構成を可能とし、異なる応用のための要求に適するようにカスタマイズされ得る。カスタマイズ可能な腕部のために選択を持つということはまた、前記アクチュエータ装置の共鳴周波数の調節を可能とし、それによりさらに特定の応用にアクチュエータ装置を適合させる自由度が与えられ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、圧電又は他のスマート材料を用いるアクチュエータ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ここで開示される、スマート材料アクチュエータ装置は、固定支持部材を持つ機械的増幅装置と、少なくとも1つの取り付け可能腕部と、及び前記取り付け可能腕部と可動支持部材に接続される少なくとも1つの協働部材を含む機械的ウェブとを含む。圧電スタックが、前記固定支持部材の第1の取り付け表面と前記可動支持部材の第2の取り付け表面間に固着されている。前記固定支持部材が実質的に剛性であり、実質的に平行である前記第1の取り付け表面及び前記第2の取り付け表面の間に前記圧電スタックが固着されていることから、前記圧電スタックへの適切な電圧付加は、前記圧電スタックが実質的に角度を持った動きをすることなく伸びることとなる。この伸びは、前記第2の取り付け表面を前記第1の取り付け表面から遠ざけるように作用し、それにより前記機械的ウェブを曲げ、それにより前記取付可能アクチュエータ腕部を動かすこととなる。前記ウェブの構成と前記取り付け可能な腕部の長さは、前記腕部の端部を、前記圧電スタックの前記伸びよりも大きい距離にわたり動かすこととなる。この方法で、前記スタックの伸びは効果的に前記機械的臓腑装置により増幅されることとなる。このタイプのアクチュエータ装置は、電気的エネルギーから機械的動きを生成するため、また機械的動きから電気エネルギーを取得するために使用され得る。
【0005】
いくかの腕部の設計及び外部部品への接続するための手段が開示される。さらに、機械的動きから電気を生成する方法、かかるアクチュエータ装置を用いる振動生成及びかかるアクチュエータ装置をセンサとして使用する方法が説明される。最後に、かかるアクチュエータ装置の共鳴周波数を、取り付け可能腕部の選択及び接続を介して調節する方法及び共鳴操作を通じてエネルギー取得の効率を改善する方法がまた開示される。
【0006】
本発明の他の構成が添付の図面から明らかとなる。図面はいくつかの本発明の公知の好ましい実施態様を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様の拡大側面図であり、2つの対向する部品を含む固体取り付け可能なアクチュエータ腕部を持つ。
【図2】図2は、組み合わされた図1に示される実施態様の機械的増幅装置の斜視図である。
【図3】図3は、 本発明の使用に適切な機械的増幅装置の1つの実施態様の拡大斜視図であり、単一の部品ウェブを持つ固体の取り付け可能なアクチュエータを持つ。
【図4】図4は、組み合わされた図3の機械的増幅装置の斜視図である。
【図5】図5は、本発明の使用に適する機械的増幅装置の1つの実施態様の斜視図であり、チャンネル形状のアクチュエータ腕部を持つ。
【図6】図6は、本発明の使用に適する機械的増幅装置の1つの実施態様の斜視図であり、機械的締具により付設される固体の取り付け可能な腕部を持つ。
【図7】図7は、本発明の使用に適する機械的増幅装置の1つの実施態様の拡大斜視図であり、圧設取り付け可能な腕部を持つ。
【図8】図8は、本発明の使用に適する機械的増幅装置の他の好ましい1つの実施態様の拡大斜視図であり、圧設取り付け可能な腕部を持つ。
【図9】図9は、本発明の使用に適する組み立てられた機械的増幅装置の他の好ましい1つの実施態様の斜視図であり、圧設取り付け可能な腕部を持つ。
【図10】図10は、本発明の使用に適する組み立てられた機械的増幅装置の他の好ましい1つの実施態様の斜視図であり、ネジ状の取り付け可能な腕部を持つ。
【図11】図11は、本発明の使用に適する組み立てられた機械的増幅装置の他の好ましい1つの実施態様の斜視図であり、機械的締具で取り付けられた角度付き腕部を持つ。
【図12】図12は、図5で示される前記チャンネル形状アクチュエータ腕部の斜視図である。
【図13】図13は、図9で示される前記中空アクチュエータ腕部の斜視図である。
【図14】図14は、図8で示される前記中空アクチュエータ腕部の斜視図である。
【図15】図15は、図12に示されるアクチュエータ腕部の動く端部の局部透視斜視図であり、固定ポスト形状の接続延長部を持つ。
【図16】図16は、図12に示されるアクチュエータ腕部の動く端部の局部透視斜視図であり、部分的に回転したポスト形状接続延長部を持つ。
【図17】図17は、図12に示されるアクチュエータ腕部の動く端部の局所透視斜視図であり、取り付けブロック接続拡張部を持つ。
【図18】図18は、図12に示されるアクチュエータの動く端部の局所装置斜視図であり、ボール取り付け、ポスト形状の接続拡張部を持つ。
【図19】図19は、図1の機械的増幅装置の拡大側面図であり、前記固定支持部材へ接続可能な取り付けブロックを持つ。
【図20】図20は、組み合わされた図19に示される実施態様の機械的増幅装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の好ましい実施態様がここで図1〜20を参照して記載される。区別される部品は独自の部品番号が付されており、異なる実施態様における類似の部品は、一般的に最後の2桁の数字が同じである。例えば、部品固定支持部材20は、図1、2、3、4、6、19、20で複数の実施態様で使用され、同様の図面に示される取り付け可能な腕部40、140、240、340、440、540、640、740及び840はそれぞれ、本発明の異なる実施態様で用いるために適する取り付け可能なアクチュエータ腕部の別の実施態様である。便宜上、従ってここでの参照が、ある範囲の部品番号になされる場合に、その参照番号は類似の部品に付けられる短縮参照であり、最初の桁は異なるが最後の2桁が同じ部品番号となる。例示すると、取り付け可能なアクチュエータ腕部への参照40〜840とは従って、全ての取り付け可能なアクチュエータ腕部40、140、240、340、440、540、640、740及び840の全ての実施態様に参照されるものである。これと対照的に、特定の部品番号のみの参照は(例えば取り付け可能アクチュエータ腕部40と参照される)、図中に示されるかかる部品の特定の実施態様を参照するものであって、特に明確にそのことが記載されていない限り、その図中の他の部分(例えば、取り付け可能なアクチュエータ腕部、140、240、340、440、540、640、740及び840)に示される実施態様をも必ず参照するものではない。類似の部品の実施態様間の共通及び相違については、本詳細な説明の記載に基づいて当業者には明らかであろう。
【0009】
以下本発明の好ましい実施態様が記載されている。しかし留意すべきは、この記載は本発明の原理を説明するためのものであり本発明を限定するものではなく、請求される本発明の範囲内で多くの他の全ての変形実施態様もまた可能である、ということである。
【0010】
用語「適合される」とは、ここでは、サイズ、形状、構成、寸法、方向及び配置が適切になされることを意味する。
【0011】
具体的例がここで使用される場合には、かかる例は説明目的だけであり、なんら限定するものではない。
【0012】
以下の参照文献はその内容の全てが本明細書の一部となり本発明をさらに理解するための追加の開示として提供される。即ち、PCT出願/US2010/41461及び米国特許:6、717、332;6、548、938;6、737、788;6、836、056;6、879、087;6、759、790;7、132、781;7、126、259;6、870、305;6、975、061;7、368、856;7、564、171及び6、924、586である。
【0013】
図1は本発明の取り付け可能な腕スマート材料アクチュエータ装置1の1つの好ましい実施態様を示す。図2は、図1の機械的増幅装置10の、圧電スタック無しで組み立てられた場合の斜視図である。当業者には容易に理解されることであるが、本発明の前記装置の部品は種々のサイズ及び材料で製造され異なる応用の要求に合わせることができるものである。機械的増幅装置10〜810の部品の製造者が、異なる取り付け可能な腕部40〜840を機械的ウェブ30〜830に取り付け可能にできるということは、広い範囲の応用の要求に合わせて種々のアクチュエータ装置を製造するため異なる構成に部品を組み立てることを可能として選択の自由度を改善する。例えば、より長い腕部は、より大きな動き(又はストローク)とより小さい力が要求される応用に使用され、一方でより短い腕は、より少ない動きでより大きい力が要求される応用に使用される。さらに、前記腕部の重量及び構成を変更することで、アクチュエータ装置1(及び機械的増幅装置10〜810)の共鳴特性を変更でき、それによりアクチュエータ装置を特定の周波数で共鳴させる(又は共鳴を避ける)ために調節することを可能とする。さらに、取り付け可能なアクチュエータ腕部の異なる構成は、部品構成と幾何学形状を容易とし、適用される力の向きを調節するために使用され得る。これにより交換可能な部品に基づく改良されたアクチュエータ装置が可能となり、低コストで大量生産が可能となり、一方で広い範囲の応用に使用され得ることとなる。
【0014】
アクチュエータ装置1は、機械的増幅装置10及び圧電スタック100を含む。異なるアクチュエータ装置構成での共通部品の汎用性及び再使用を促進するために、機械的増幅装置10は、別々の部品からなり、これらには固定支持部材20、20’を持ち、これらは第1の取り付け表面24、24’を含む。固定支持部材29、20’は、異なるサイズの圧電スタック100を用いる際に適切な種々のサイズに製造され得る。固定支持部材20、20’はアタッチメント端部27、27’を含み、図に示されるように機械的ウェブ30〜830に取り付けられるように適合される。かかるアタッチメントは、アタッチメント端部27をウェブアタッチメント端部37、137、337と合うように適合させるように製造され得る。それにより固定支持部材20、20’は機械的ウェブ30、130、330へ固定的に取り付けられ、それにより圧電スタック100が固定支持部材20、20’と機械的ウェブ30、130、330とが通常操作の際に分離されないようにされ得る。この説明図では、取り付け方法は、アタッチメント端部27がそれらの外側端部でより広く形成され、ウェブアタッチメント37、137、337がそれらの外側端部でより狭く形成されることである。これにより、固定支持部材20、20’のアタッチメント端部27は、ウェブアタッチメント端部37、137、337へその端部から押し込まれ、それによりアタッチメント端部27及びウェブアタッチメント端部37、137、337の前記狭い端部及び広い端部により圧電スタック100が活性される際に分離されることに抵抗性となる。逆の構成もまた可能ある。この場合にはアタッチメント端部237、437、537、637、737、837がその外側端部がより広く、一方でアタッチメント端部27’がその外側端部でより狭くなっている。当業者に明らかなように、広い種類のアタッチメント手段が使用でき、これには同様の結果を得られる、種々のロック形状、機械的締具、溶接又は高強度接着剤が含まれる。アタッチメント端部27、27’及びウェブアタッチメント端部37〜837の実施態様は、しかし、かかるアタッチメント手段の2つの説明的組み合わせにすぎない。
【0015】
固定支持部材20、20’を機械的ウェブ30〜830に取り付けるように適合させることで、異なるアクチュエータ装置の実施態様を実行するための異なる方法で組み合わせることができる標準部品のセットの製造が可能となる。例えば、固定支持部材20、20’は圧電スタック100の異なるサイズに合わせるように種々の長さで形成され得る。又は、固定支持部材20、20’は1つの材料から形成され得る(例えばステンレススチール)。または、機械的ウェブ30〜830は異なる材料からも形成され得る(例えばアルミニウム又は異なるグレードのステンレススチール)。これにより、共通の固定支持部材20、20’を、種々の重量、強さ、降伏点などを持つ機械的ウェブ30〜830と合わせることが可能となる。ステンレススチールは、固定支持部材20、20’及び機械的ウェブ30〜830の1つの好ましい材料である。というのは強くかつ長持ちするからである。アルミニウム、炭素繊維、プラスチック、セラミック及び他の鋼合金はまた、異なる重量、強度及び構成のアクチュエータ装置を製造するために使用され得る。これらについては、以下の説明及び参照により本明細書の一部とされた文献に、異なる共鳴周波数を持つものが記載されている。
【0016】
固定支持部材20、20’は、圧電スタック100を第1の取り付け表面24及び機械的ウェブの第2の取り付け表面34〜834の間に剛性的に支持するように作用する。さらに以下説明するように、かつ参照されて本明細書の一部となった文献で説明される、適切なプレロードを適用するものである。第1の取り付け表面24は好ましくは圧電スタックを強固にかつ均一に接続する形状をもつ。また場合により絶縁体を伴う(図示されていない)。強固かつ均一な第1の取り付け表面24と圧電スタック100との接合が好ましい。というのは、それにより操作の際に圧電スタック100が角度を持って曲がることを最小にするように作用し、それによりアクチュエータ装置1の使用寿命及び効率を改善するからである。圧電スタック100に付加されるプレロードの量はまた、調節可能な機械的圧縮装置(例えば、第1の取り付け表面24として作用するプレートとのネジ式締具(図示されていない))を固定支持部材20へ導入することにより調節され得る。これにより、同じ固定支持部材20、20’と圧電スタック100を種々の調節可能なプレロードを設定して利用できることとなる。参照されて本明細書の一部とされた文献に記載されているように、適切なプレロードを選択することが前記アクチュエータ装置の効率を増加させ得る。
【0017】
機械的増幅装置10〜810はさらに、機械的ウェブ30〜830を含み、これは対抗する第2の取り付け表面34〜834を可動支持部材31〜831上に有する。上記のように、圧電スタックは、第1の取り付け表面24及び第2の取り付け表面34〜834の間に固着されている。圧電スタック100を確実に保持するための接着剤が使用され得るが、ある実施態様ではかかる接着剤は必要ではない。というのは、固定支持部材20、20’と機械的ウェブ30〜830により与えられる圧縮力は、圧電スタック100をその位置に確保するには通常充分だからである。従って、固定支持部材20、20’が実質的に剛性であり第2の取り付け表面34〜834が前記固定支持部材20、20’及び第1の取り付け表面24と平行でかつ直接対抗することが好都合である。第1の取り付け表面24と同様に、第2の取り付け表面34〜834もまた圧電スタック100と強固にかつ均一に合うことが好ましい。これによって、適切な電圧が圧電スタック100に付加されると、圧電スタック100は、実質的に固定支持部材20、20’を動かさずにかつ実質的に圧電スタックが曲げられて角度を持って曲がることなく、伸ばされ、それによってより長寿命と効率的使用を可能とするものである。図示されていなが、第1の取り付け表面24及び/又は第2の取り付け表面34〜834はまた、圧電スタック100を支持し確保するためのキャビティ、リッジ、締具又は類似の構成を含むことができる。これらは外に出ているか、又は適切な保護及び/又は絶縁材料内に包まれることができる。
【0018】
圧電スタック100は通常負電極103を固定支持部材20、20’に接触する端部、及び正電極102を対抗する端部に持ち、電極102は張力緩和部品35(図示されているが、図2〜11、18及び20には別に符号付けされていない)を介して伸びるように適合され、それにより電気的接続が確立され得る。機械的増幅装置10〜810の本体は導電性である場合には、本体自体は圧電スタック100のための接地として使用されることができ、正電極102が回路を完全にするために使用される。かかる実施態様では、適切な絶縁材料(図示されていない)であってその多くは当該技術分野で知られている絶縁材料が張力緩和部品35内に使用され、かつ圧電スタック100の構成に依存して必要ならば、短絡を避けるために第2の取り付け表面34〜834と圧電スタック100との間で使用される。機械的増幅装置10〜810の本体及び特に固定支持部材20は非導電性である場合、追加の負電極(図示されていない)が必要となる。多くの種類の圧電材料(電圧が付加されると伸びる材料又は機械的力が与えられると電荷を発生する材料)は当技術分野において知られており、圧電スタック100としての使用のために適合され得る。これは例えば共焼成されたセラミック圧電材料の交互層からなるスタック(所謂共焼成多層セラミック圧電スタックであり、NECを含む供給者から入手可能なものである)であるか、又は単結晶圧電材料から切り出された材料の層からなるスタックであり得る。ここで説明されるように、用語「圧電材料」(圧電スタック100を形成するために使用される)にはまた、所謂「スマート材料」が含まれ、知られた圧電材料にドープすることで作られその電気的又は機械的性質を変えるものである。従って、スマート材料アクチュエータ装置はここで記載される圧電スタック100を使用するアクチュエータ装置であり、用語圧電スタックとは、従来の圧電材料及び所謂スマート材料からなる両方のスタックを意味する。
【0019】
機械的増幅装置10〜810はさらに、協働部材32〜832を持つ機械的ウェブ30〜830を含む。協働部材32〜832は、第2の取り付け表面34〜834を第1の取り付け表面24から遠ざけるように作用するように適合されており、これにより協働部材が(ここでは機械的リンクと参照される場合がある)32〜832が曲げられ、それによりアクチュエータ腕部40〜840が固定支持部材20の方へ動くこととなる。取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840が長いほど、その端部41〜841での動きは大きい。従って、機械的増幅装置10〜810の設計は、圧電スタック100により起こされる機械的動きをアクチュエータ腕部40〜840の作動端部41〜841で機械的動きに増幅され、これは圧電スタック100の伸びよりも大きい距離にわたる動きである。このようにして、アクチュエータ装置1は圧電スタック100に電圧を付加することで活性化され、それにより伸ばされて第2の取り付け表面34〜834に作用して、対応するが増幅されえたアクチュエータ腕部40〜840の動きを生じさせる。以下さらに説明するように、逆の操作も可能である。ここではアクチュエータ腕部40〜840が機械的力により離れるように動かされ、それにより第2の取り付け表面34〜834に作用して圧電スタック100を圧縮し、これが圧電スタック100に電圧を生じさせ、これはその後、再充電可能電池(図示されていない)などの再充電可能電源などの電気的負荷に放電することができる。従って次のことが理解される。アクチュエータ装置1は、圧電スタック100へ適切な電圧を付加して電気エネルギーから機械的動きを生成するために使用できるということである。また、アクチュエータ腕部40〜840を、振動体又は振動表面(例えばポンプハウジング)などの機械的動き源に接続し、その後圧電スタック100により生成された電圧を再充電可能電池やキャパシタなどのエネルギー貯蔵装置へ放電することで、機械的動きから電気エネルギーを取得するために使用できる、ということである。無駄な機械的動きの1つの源(例えばエンジン振動、パイプの振動、支持部材の横揺れ、熱膨張部品など)は多くのタイプの装置に無数にあることから、本発明は非常に広く適合され得るエネルギー取得装置を提供するものであり、ほとんど無限の応用で使用され得るものである。
【0020】
さらに本発明のアクチュエータ装置はセンサとして使用され得る。圧電スタック100により生成される電圧(又は電気ポテンシャル)量はアクチュエータ腕部40から840の動きに比例する。従って、生成された電圧を分析することで、取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840の動きの存在及び/又は量が決定され得る。従って、ここで開示されるものは、スマート材料アクチュエータ装置1を用いる動き検出の方法であり、取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840を機械的動き源に接続し、圧電スタック100から生成される電圧を読むことによる。電圧は、取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840に受けた動きの量を示すものとして使用され得る。というのは生成電圧は動きの量に比例するからである。従って、動きの程度が与えられた瞬間、又は一定期間にわたり検出され得る。増幅又はシグナル処理が、かかるセンサから生成されたシグナルを有用な情報に変換するために必要となり得る。かかる増幅及びシグナル処理手段はしかしながら、よく知られたものであり、ここではさらに説明はしない。
【0021】
取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840が交換可能であるということは、特にセンサ応用にとって有用である。例えばセンサが液流を測定する場合、取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840はパドルを含めるように適合され得る。パドルは、パドルが液流と反応するが、大きく邪魔はしないようにギャップを有するか有していなくてもよい。異なるおよび潜在的により大きいパドルはガス流を検出することができるように使用され得る。従って以下理解されるべきである。即ち、本発明の分離された取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840は、アクチュエータ腕部のみを交換するだけで、同じ部品を種々の応用に使用されるようにすることができるということである。
【0022】
当業者は、本発明のアクチュエータ装置1は1以上の取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840を持ち得ることを理解するであろう。図に示され、以下説明されるように、機械的ウェブ30〜830はさらに、取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840を取り付ける種々の方法含み、好ましくは機械的ウェブ30〜830のそれぞれの肩部36〜836上にそれぞれ導入されるものであある。少なくとも1つの取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840は一般的には、肩部36〜836へ接続されるが、また、2つの取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840を取り付けることができ、1つの上部取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840が1つの肩部36〜836へ接続される、他の下部取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840が他の肩部36〜836へ接続される。かかる実施態様の例は、図6、9、10、11、19及び20に示される。図示されてはいないが、次のことは容易に明らかであろう。即ち、本発明はまた、上部アクチュエータ腕部40〜840及び下部アクチュエータ腕部40〜840が異なる材料又は構造であり、それによりなおさらなる応用で使用することができる、ということである。又は、単一の取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840のみが構造に取り付けられて、固定支持部材20、20’と、又は他の肩部36〜836と共に使用されて、取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840が操作する力と対抗する力を与える。
【0023】
機械的増幅装置10〜810の操作力学は、種々のレベルの駆動力及びストロークが圧電スタック100で生成されるように適合され得るように機械的リンク32〜832の設計を限定する。異なる取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840を接続することにより、腕部長さを調節することで取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840の腕部端部41〜841で異なるストローク長さを持つ構成を作ることでさらなるフレキシビリティが達成される。腕部長さの調節は、より長いストロークを持つより長い腕の場合にはより少ない力が、一方より短い腕はより大きい力を持つがより短いストロークとなる。アクチュエータ腕部の設計上の他の変更がまた可能であり、これには曲げられた又は角度が付けられた腕部を含み、又は異なる取り付け手段を持つ腕部などを含み、以下説明される。取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840が肩部36〜836上の取り付け手段へ取り付けることができ、それにより、従って広い種類のアクチュエータ装置が既製部品から組み立てることができ、それにより多くの異なる応用へ適合されうる多くの異なる構成を作ることができる。
【0024】
図1及び2に示されるように、機械的ウェブ30の肩部36へアクチュエータ腕部40を取り付ける1つの方法は、取り付け可能なアクチュエータ腕部40よりも狭い肩部36を形成し、2つの対抗するタブ42を、取り付け可能なアクチュエータ腕部40上の肩部36を囲むように形成することである。タブ42の穴43はその後、溶接点として又はその穴を通じて使用するか、又は肩部36に穴を開けて機械的締具(図示されていない)を使用する。
【0025】
他の取り付け手段は図3及び4に示される。かかる実施態様では、肩部136は好ましくは2つの穴143を有し、そこを締具144が、取り付け可能なアクチュエータ腕部140の長手方向軸に実質的に垂直に通じる。取り付け可能なアクチュエータ腕部140は締具144を受け入れるための適合穴143を含む。締具がネジの場合、適合穴143はネジを受けるように受口が設けられている。又はリベット、自己タップ締具又はナット付きネジ締具などが使用され得る。明らかなことは、2よりも多い適合穴143及び締具144もまた可能であるということである。
【0026】
図5は、取り付け可能なアクチュエータ腕部240での他の取り付け手段を示し、チャンネル243を含む。理解されるべきは、アクチュエータ腕部240の外側寸法は実際にはあらゆる形状を持ち得るということである。チャンネル形状とは、取り付け可能なアクチュエータ腕部240の1つの表面が雄チャンネル243を持ち雌トラック233を受けて肩部236へ一体化する、ということのみを意味する。取り付け可能なアクチュエータ腕部240は、その後トラック233にスライドさせるか押し付けて肩部236に組み立てられ得る。もちろん、広い範囲のチャンネル及びトラック形状が使用でき、これには、リッジ付き及び適合溝(図示されていない)が含まれ、ある応用の場合に取り付け強度を改善し得る。取り付け可能なアクチュエータ腕部240の雌トラックとチャンネル243による摩擦及び機械的強度がある応用には充分ではない場合には、接着剤(エポキシを含む)、プレス、クランプ又は機械的締具が強度を上げるために使用され得る。留意すべきは、この実施態様の1つの利点は、取り付け可能な腕部240は、長い形状で製造でき、具体的な応用のために切断され得るということであり、この場合異なる腕部長さを予め製造し穴を形成する必要はない。
【0027】
図6はさらに他の取り付け手段を示す。取り付け可能な腕部340は好ましくは傾斜付きの穴343を持ち、取り付け可能な腕部340の長手方向軸に平行に伸びている。肩部336は穴342に適合するように拡張部333を含む。ネジ締具344はその後肩部336及び拡張部333に通して適合させ穴343を取り込み固定される。理解されるように、穴343は予めネジを付けておき締具344と適合させることができる。又明らかなことは、穴343は締具344と適合するように予めネジ付けされていてもよく、又は締具344が自己タップの種類であってよい。締具344を固定することで安全な機械的取り付けが達成され得る。
【0028】
図7及び8はさらに取り付け手段が示される。肩部436、536がさらに拡張部433及び533を含む。取り付け可能なアクチュエータ腕部440、540は適合受具443、543を含み、これらは実質的に同じ形状を持ち実質的に同一又はやや小さいサイズである。かかる実施態様では、取り付け可能な腕部440、540は、外側周辺部及び内側周辺部を含み、受具443、543と共に前記内側周辺部を形成する。理解されるべきは、前記内側周辺部が拡張部433、533を受け入れるように適合されている限り、前記外側周辺部及び内側周辺部は同じ形状であることは必要ではないということであり、前記内側周辺部は前記外側周辺部と共中心的であることも必要ではないということである。
【0029】
取り付け可能なアクチュエータ腕部440、540はその後、取り付け可能なアクチュエータ腕部440、540を拡張部433及び533に押し込み、それにより前記腕部を機械的ウェブ430、530に押して適合させることで、機械的ウェブ430、530に取り付けられることができる。受具443、543は腕部440、540の全体を通じて拡張していてもよく、一部分のみ拡張されていてもよい。取り付け可能なアクチュエータ腕部240と同様に、受具443及び543が腕部の全体に伸びている場合には、取り付け可能なアクチュエータ腕部440、540は長い長さで製造し、取り付け前に必要に応じて切断することができる。さらに強度が必要な場合には、エポキシを含む接着剤を、拡張部433、533及び/又は受具443、543に取り付け前に適用することができる。クランプやセットネジなどの機械的締具(図示されていない)もまた強度を追加するために使用され得る。受具443、543が、拡張部433、533よりもやや小さい場合には、アクチュエータ腕部540、440は適合させる前に加熱して受具443、543をやや大きくして適合可能にし、その後冷却されると縮小してよりしっかりと取り付けられることとなる。
【0030】
同様の取り付け手段が図9に示される。肩部636は受具643を含み取り付け可能な腕部640を受けるように適合されている。取り付け可能なアクチュエータ腕部640の外側周辺部は受具643と実質的に同一形状であり、そのサイズは実質的に同じかやや大きい場合には、取り付け可能なアクチュエータ腕部640は受具643に押し込んで適合されることができる。受具643は肩部636の全部に又は一部のみに伸びていてよい。この取り付け手段での好ましい実施態様では、腕部640はカーボンファイバの中空チューブであり、これにより腕部を強くしかつ軽くする。当業者に理解されるべきことは、受具643は丸い形状の取り付け可能なアクチュエータ腕部640を受けるように適合させることが好ましいが、他の受具及び腕部形状もまた使用され得る、ということである。同じく理解されるべきことは、さらに強度が必要な場合には、エポキシを含む接着剤を押し込む前に適用することができること、又は押し込み適合させるために予め肩部636を加熱して大きくすることができる、ということである。
【0031】
図10はさらに他の取り付け手段が示される。かかる実施態様で、取り付け可能なアクチュエータ腕部740は、標準ボルト又はネジ付き棒部材などのようにその外側がネジ付けされている。肩部746はネジ受具743を含み、ネジ付きの取り付け可能なアクチュエータ腕部740を受けるように適合されている。受具743が肩部736を通じて伸びている場合に端部742で又は取り付け可能なアクチュエータ腕部740が受具743に入る点のいずれかで、取り付け可能なアクチュエータ腕部740をさらに確実にするために、ナット(図示されていない)がまた使用されてよい。かかるナットを2個使用する場合には、受具743は内部にネジを設ける必要はない。また明らかなことは、受具743が肩部736の全体に伸ばすか、肩部736の一部分に伸ばすかは、選択の問題である。かかる実施態様は、既製のネジ付き棒部材を取り付け可能なアクチュエータ腕部740として切断して用いることを可能とし、かつ標準のネジ付き取り付け部材をアクチュエータ端部741に接続することで、作動させる装置又は機械的動きの源とすることができる。
【0032】
図11にはさらに他の取り付け手段が示される。取り付け可能なアクチュエータ腕部840が少なくとも1つ、好ましくは2以上の穴843を含み、これは取り付け可能なアクチュエータ腕部840を通じて伸びている。機械的締具(図示されていない)は穴843及び肩部836を通り、それにより取り付け可能なアクチュエータ腕部840を機械的ウェブ830に確実に取り付ける。
【0033】
図11はまた、取り付け可能なアクチュエータ腕部840が全ての形状をとり得ることを示す。図に示されるように、取り付け可能なアクチュエータ腕部840は角度が付けられており、それによりアクチュエータ端部841の間の距離を増加させている。従って、取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840は、ここで示される相対的寸法や形状には限定されないことは明らかである。これはまた本発明の取り付け可能なスマート材料アクチュエータ腕部の利点を示すものである。これは、同じ固定支持部材20、20’及び機械的ウェブ30〜830がどのようにして、多くの他のタイプ及びサイズの取り付け可能なアクチュエータ腕部と共に使用され得るかを示すものだからである。
【0034】
本発明の取り付け可能なスマート材料アクチュエータ腕部はさらに、取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840を外部構造に取り付けるための方法を提供する。かかる外部構造には、電気エネルギーを取得するために駆動される装置(例えば、バルブ又はポンプ)又は機械的動きの源(例えばポンプハウジング)を含む。
【0035】
図15〜18は、外部構造への取り付け可能なアクチュエータ腕部240の取り付け手段の好ましい実施態様を示す。理解されるべきことは、前記手段は取り付け可能なアクチュエータ腕部240との関連で記載されるものであるが、これらは他の取り付け可能なアクチュエータ腕部40、140、340、440、540、640、740及び840へも容易に適合され得るものであり、かかる実施態様のアクチュエータ端部もチャンネル化部分を加えること、又は前記腕に取り付けられる以下記載の外部構造への取り付ける手段を適合することによる。かかる適合化は当業者には明らかである。
【0036】
図15は外部構造に取り付け可能なアクチュエータ腕部240を取り付けるための手段50の1つの実施態様を示す。前記手段は取り付け可能なアクチュエータ腕部240のチャンネル246へ圧設適合させる取り付けブロック50を含む。取り付け可能なアクチュエータ腕部240のチャンネル243の幅と同じ幅かやや広い幅に取り付けブロック51を適合させることで、取り付けブロック51はチャンネル243内に圧設適合され得る。ある実施態様ではかかる取り付けによる摩擦は充分な強度を与える。他の実施態様では、溶接、接着剤又はクランプや組スクリュー(図示されていない)などの機械的締具を用いて取り付けを強化してもよい。
【0037】
取り付けブロック51はさらに、そこから伸びるポスト部52を含む。前記ポスト部52は種々の方向に伸びていてよく、図に示されるように取り付け可能なアクチュエータ腕部240に垂直に下方に伸びることは必ずしも必要とされない。さらに理解されるべきことは、ポスト部52はポンプ又はバルブ軸などの機械装置の部品であってよく、ネジ付き(図示されていない)、かつ全ての形状(四角形、三角形、丸、八角体であってよい、ということである。ポスト部52がネジ付きでない場合に、外部構造と溶接、接着又は機械的クランプなどで取り付けられてよく、それにより充分な接続強度を持つ。
【0038】
図18は、さらに取り付け可能な腕部を外部構造に取り付ける手段350を示し、これは手段50と類似しているがさらに自由度を持つものである。取り付けブロック351は取り付け可能なアクチュエータ腕部240のチャンバ43に同様に押し付け適合されるものであり丸められたブロック受具351を含み、これはポスト部352が取り付けられるボール構造353を受け入れる。受具354は、取り付けブロック351の外側表面のいずれでもよいが、好ましくは示されるように下部表面上にある。受具354及びボール構造353は、合致するように適合され、ボール構造353が受具354に押し付けられる際にボール構造353は取り込まれるが、なお受具354内で動く自由度を維持する。この方法で、ポスト部352は、取り付け可能なアクチュエータ腕部240が動く際にさらなる自由度を持つこととなる。ポスト部52と同様に、ポスト部352も種々の形状及び寸法であり得る。さらに外部構造に種々の方法で取り付けら得る。例えば溶接、機械的締具、クランプ及び前記外部構造の組み立て部品をポスト部352として作用するように適合させる方法である。
【0039】
図16は外部構造へ取り付け可能なアクチュエータ腕部240を取り付ける類似の手段150を示す。棒部材151は、取り付け可能なアクチュエータ腕部240のアクチュエータ端部241の溝又は穴に押し付け接続されるように適合されており、棒部材151が取り込まれても、なお回転する自由度がある、ものである。これにより、ポスト152はアクチュエータ端部241が動く際にアーク上に動くことができるが、側から側への動きには抵抗する。ポスト52、352と同調に、ポスト152も、種々のサイズと構成をとり得る。さらに外部構造に種々の方法で取り付けられ得る。これらは当業者には明らかである。
【0040】
さらに外部構造への取り付け可能なアクチュエータ腕部240の取り付け方法250が図17に示される。取り付けブロック251は、アクチュエータ端部241で、又はその近くで、取り付け可能なアクチュエータ腕部240のチャンネルに押し付け接続される。取り付けブロック251はさらに、取り付けブロックから伸びる拡張部252を含む。図面は取り付け可能なアクチュエータ腕部240の長手方向軸に沿った同じ方向で伸び出ている拡張部252を示すが、拡張部252は、下部表面255又はその間のあらゆる方向から下向きを含む種々の方向へ伸びることが可能であることは、明らかである。拡張部252は少なくとも1つの取り付け穴254を含み、これは外部構造との接続のために用いることができ、通常穴254を通じて伸びる機械的締具(又は図示されていない)用いて接続されている。
【0041】
図19及び20に示されるように、2つの取り付けアクチュエータ腕部40〜840が使用されている。機械的増幅装置10〜810を外部構造に固定支持部材20、20’を介して取り付けることが望ましい。これは、取り付けブロック60を図示されるように固定支持部材20、20’に取り付け、かつ取り付けブロック60を当技術分野でよく知られている手段を用いて外貌構造に取り付けることで達成される。示されるように、取り付けブロック60は穴65を含み、前記穴65は固定支持部材20、20’に、場合により穴25と共に適合される。その後機械的締具(図示されていない)が穴65及び25を通って取り付けブロック60を固定するか、固定取り付けブロック60を通じかつ固定支持部材20、20’に対抗して固定する。この方法で、アクチュエータ装置1は好ましく剛性の外部構造に取り付けら、取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840が操作し得る力に対抗する力を与えることができる。これは、1つだけの取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840を含み、他の肩部36〜836を外部構造に固定的に取り付ける1つの変法である。外部構造へ取り付けることはしばしば望まれることである。というのは、かかる構造が対抗する力を与え、それにより取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840がアクチュエータ装置1の残部の動きと対抗するように外部メカニズムを動かすことができるからである。
【0042】
アクチュエータ装置がある周波数で操作される際に共鳴することができる装置が知られている。ある応用では、共鳴操作が応力をさらに加えることとなり避けることが望まれる。他の状況では、共鳴操作が望ましい場合があり、それは効率を高めかつ電力消費を抑えるからである。アクチュエータ装置が生じる周波数は、アクチュエータ装置の質量及びその質量がどのようにし分布されているかに依存する。従って、本発明は、さらなる利点を提供するものであり、即ちスマート材料アクチュエータ装置の周波数を調節する方法を可能にする。
【0043】
取り付け可能なアクチュエータ腕部を持つスマート材料アクチュエータ装置の共鳴周波数を調節するためには、既定の質量を持つ腕部40〜840を選択し、かつ前記腕部を機械的ウェブ30〜830へ、上で説明したように取り付けることが必要である。周波数が低すぎる場合には、選択した取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840を取り外し、より少ない質量を持つ腕部40〜840を選択して取り付けることで、増加させることができる。同様に、より低い周波数が望まれる場合には、より大きい質量を持つ腕部40〜840を選択することができる。
【0044】
本発明のさらなる利点は、スマート材料アクチュエータ装置が振動を作るために使用され得るということである。圧電材料が速い反応と回帰時間を持つことから、アクチュエータ装置1を高速度で操作することが可能となる。この方法で、既定の質量を持つ取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840を選択し、前記アクチュエータ腕部40〜840を上で説明したように機械的ウェブ30〜830に取り付け、かつ前記圧電スタック100を望ましい周波数で活性化と脱活性化を繰り返すことで、所与の周波数の振動を創りだすことができる。取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840及び肩部36〜836の間の接続に遊びを持たせることで、前記振動周波数に無秩序な一見ランダムな成分を導入することができる。
【0045】
最後に、異なるサイズ、材料及び構成の取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840を選択することができることで、エネルギー取得のための応用においてより大きい自由度が与えられることとなる。機械的動きの源を同定し、その動きの予想最大の大きさ(又は即ち、前記対象物が動く距離)を決定し、かつ前記対象物が起こす可能性のある最大の機械的力を決定することで、必要なストローク長さとブロック力(圧電スタック100の縮に抵抗する力)が容易に決められることとなる。その後既定のストローク長さとブロック力を持つスマート材料アクチュエータ装置を選択することで、取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840の必要なサイズ及び質量が決定される。かかる腕部を機械的ウェブ30〜830に取り付け、アクチュエータ端部41〜841を機械的動きの源に接続し、アクチュエータ装置1の残部を実質的に剛性取り付け(固定支持部材20、20’又は使用しない肩部36〜836のいずれかを介して)、アクチュエータ装置1を効率的なエネルギー取得装置として作用させる。エネルギーは、圧電スタック100をエネルギー貯蔵装置(例えば最充電可能電池)又は潜在的な更なる電力回路などの電気負荷へ接続することで取得される。機械的動きの通常の周波数が決定されると、取り付け可能なアクチュエータ腕部40〜840を、上で説明したように、アクチュエータ装置1が前記決定された周波数の範囲で共鳴するように選択することでエネルギー取得の効率を上げることができる。かかる共鳴作動はより高い効率を持つことができる。というのは、共鳴が確立されると圧電スタックを圧縮する所要のレベルを生成するために必要な外部力を低減することができるからである。
【0046】
本発明は現時点で、最も実用的であり好ましい実施態様であると考えられるものに関連して説明されてきた。本発明はしかしこれらの実施態様に限定されるものではない。むしろ本発明は、これらの実施態様の全ての変形・変法を含み、これらと均等な全ての構成を、本発明の本質及び範囲に含むことを意図するものである。本発明の範囲は、法上許容される最も広い解釈による。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマート材料アクチュエータ装置であり、
機械的増幅装置であって、
第1の取り付け表面を持つ固定支持部材、
第2の取り付け表面を持つ可動支持部材を含む機械的ウェブ、
少なくとも1つの協働部材、及びアクチュエータ腕部の取り付け手段を含む、機械的増幅装置及び、
前記アクチュエータ腕部を取り付ける手段に接続される取り付け可能なアクチュエータ腕部を含み;
前記アクチュエータ装置がさらに、前記第1の取り付け表面及び第2の取り付け表面間で固着される圧電スタックを含み;
前記固定支持部材が実質的に剛性であり、前記機械的ウェブに、前記第1の表面と前記第2の表面が実質的に平行になるように接続され、及び前記多層圧電スタックに電圧が付加されると、前記多層圧電材料が、実質的に前記固定支持部材を動かすことなくかつ前記圧電スタックが角度を持って動くことなく、伸び;
これにより、前記圧電スタックに電圧が実質的に付加されると、前記圧電スタックが前記第2の取り付け表面が前記第1の取り付け表面から離れるように作用し、それにより前記協働部材を曲げ、それにより前記取り付け可能なアクチュエータ腕部を動かして、前記取り付け可能なアクチュエータ腕部の少なくとも一部が前記圧電スタックの前記伸びよりも大きい距離を移動する、スマート材料アクチュエータ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であり、前記機械的ウェブが前記固定支持部材とは異なる材料で形成され、前記取り付け可能な腕部が前記機械的ウェブとは異なる材料から形成される、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であり、前記取り付け可能なアクチュエータ腕部の前記取付手段が、複数の機械的締具を含み、前記締具が前記取り付け可能なアクチュエータ腕部を通じて伸び、かつ前記機械的ウェブが前記取り付け可能なアクチュエータ腕部の長手方向に実質的に垂直である、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であり、前記取り付け可能なアクチュエータ腕部を取り付ける前記手段が機械的締具を含み、前記締具が前記機械的ウェブを通じて前記取り付け可能なアクチュエータ腕部内へ伸び、前記取り付け可能なアクチュエータ腕部が前記取り付け可能なアクチュエータ腕部の長手方向軸に実質的に平行である、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であり、前記取り付け可能なアクチュエータ腕部を取り付ける前記手段が、前記取り付け可能なアクチュエータ腕部を前記基体的ウェブに圧設することを含む、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であり、前記機械的ウェブがさらに、拡張部を含み、前記取り付け可能なアクチュエータ腕部がさらに前記拡張部へ圧設されるように適合される受具を含む、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であり、前記取り付け可能なアクチュエータ腕部が内側周辺部及び外側周辺部を持ち、前記受具が前記内側周辺部により形成され、前記内側周辺部が前記拡張部と実質的に等しいサイズである、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であり、前記取り付け可能な腕部がさらに、前記取り付け可能なアクチュエータ腕部を外部構造に取り付ける手段を含む、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であり、前記取り付け可能なアクチュエータ腕部がチャンネルを含み、前記取り付け可能なアクチュエータ腕部を外部構造に取り付ける手段が、取り付けブロックを前記チャンネルに圧設する、装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であり、前記取付ブロックがさらに下方向に伸びるポストを含む、装置。
【請求項11】
請求項9に記載の装置であり、前記取付ブロックが、丸められた取り付けブロック受具及びポスト端部とボール構造を持つ可動ポストを含み、前記可動ポストは前記取付ブロック受具と接続されて前記ボール構造が前記丸められた取付ブロック受具内で可動である、装置。
【請求項12】
請求項9に記載の装置であり、前記取付ブロックが、前記取り付け可能なアクチュエータ腕部の端部を超えて伸びる拡張部を含み、かつ少なくとも1つの取り付け穴を含む、装置。
【請求項13】
請求項8に記載の装置であり、前記取り付け可能なアクチュエータ腕部がチャンネルを含み、前記取り付け可能なアクチュエータ腕部を外部構造に取り付ける前記手段が前記チャンネルへの棒部材圧設を含み、前記棒部材が前記棒部材から実質的に垂直に伸びるポストを持ち、前記チャンネル及び前記棒部材が、前記棒部材が前記チャンネル内で回転可能に適合される、装置。
【請求項14】
スマート材料アクチュエータ装置の共鳴周波数を調節する方法であり、前記方法が、
第1の取り付け表面を含む固定支持部材、第2の取り付け表面を含む可動支持部材を含む機械的ウェブ、協働部材及びアクチュエータ腕部を取り付ける手段を含む機械的増幅装置;及び
前記アクチュエータ腕部を取り付ける手段に接続する少なくとも1つの取り付け可能なアクチュエータ腕部を含み、
前記アクチュエータ装置がさらに、
前記第1の取り付け表面及び第2の取り付け表面間に固設された圧電スタックを含み;
前記固定支持部材が実質的に剛性であり前記機械的ウェブに接続され、前記第1及び第2の取り付け表面が実質的に平行であり、前記圧スタックに電圧を付加すると前記圧電スタックが、実質的に前記固定支持部材を動かさず、実質的に前記圧電スタックの角度を持つ動きをすることなく伸び;
前記方法が、前記取り付け表面アクチュエータ腕部を除くステップと、既定に質量を持つ交換取り付け可能なアクチュエータ腕部を選択するステップと、及び前記交換取り付け可能なアクチュエータ腕部を前記アクチュエータ腕部を取り付ける手段に取り付けるステップを含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であり、前記ステップがさらに、前記交換取り付け可能なアクチュエータ腕部を、前記交換取り付け可能なアクチュエータ腕部が前記除かれた取り付け可能なアクチュエータ腕部よりも低質量を持ち、それにより前記共鳴周波数が増加するように選択するステップを含む、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であり、前記ステップがさらに、前記交換取り付け可能なアクチュエータ腕部を、前記交換取り付け可能なアクチュエータ腕部が前記除かれた取り付け可能なアクチュエータ腕部よりも高い質量を持ち、それにより前記共鳴周波数が減少するように選択するステップを含む、方法。
【請求項17】
スマート材料アクチュエータ装置を用いる振動を生成する方法であり、前記方法は、
機械的増幅装置であって;
第1の取り付け表面を持つ固定支持部材、
第の取り付け表面を持つ可動支持部材を含む機械的ウェブ、
協働部材、及び
アクチュエータ腕部の取り付け手段を含む、機械的増幅装置と、
前記アクチュエータ腕部の取り付け手段へ接続される少なくとも1つの取り付け可能なアクチュエータ腕部を含み;
前記アクチュエータ装置がさらに、前記第1の取り付け表面と第2の取り付け表面の間に固着された圧電スタックを含み;
前記固定支持部材が実質的に剛性であり前記機械的ウェブに接続され、前記第1の取り付け表面及び第2の取り付け表面が実質的に平行であり、前記圧電スタックに電圧が付加されると、前記圧電スタックは、実質的に前記固定支持部材を動かさず、実質的に前記圧電スタックを角度をもって動かさずに伸び;
前記方法が、既定の質量を持つ取り付け可能なアクチュエータ腕部を選択するステップと、前記アクチュエータ腕部の取り付け手段に前記取り付け可能なアクチュエータ腕部を取り付けるステップを含み;
それにより前記多層の圧電材料の活性化及び不活性化を繰り返すことで、前記取り付け可能なアクチュエータ腕部が振動源を与える、方法。
【請求項18】
スマート材料アクチュエータ装置を用いて機械的動きから電気エネルギーを取得する方法であり、前記方法は、
機械的増幅装置であって
第1の取り付け表面を持つ固定支持部材、
第2の可動支持部材を含む機械的ウェブ、
少なくとも1つの協働部材、および
アクチュエータ腕部を取り付ける手段を含む、機械的増幅装置と、
前記アクチュエータ腕部を取り付ける手段へ接続される少なくとも1つの取り付け可能なアクチュエータ腕部を含み;
前記アクチュエータ装置がさらに、前記第1の取り付け表面及び第2の取り付け表面の間に固着される圧電スタックを含み;
前記固定支持部材が実質的に剛性であり前記機械的ウェブに接続され、前記第1の取り付け表面及び第2の取り付け表面が実質的に平行であり、前記圧電スタックに電圧が付加されると、前記圧電スタックは、実質的に前記固定支持部材を動かさず、実質的に前記圧電スタックを角度をもって動かさずに伸び;
前記方法が、
機械的動きの源の予想最大強度を決定し、
前記機械的動きの源から出る予想最大機械的力を決定し、
既定のストローク長さ及びブロック力を持つスマート材料と、既定のサイズと質量を持つ取り付け可能なアクチュエータ腕部を選択し、
前記取り付け可能なアクチュエータ腕部を前記アクチュエータ腕部の取り付け手段に取り付け、前記取り付け可能なアクチュエータ腕部を機械的動きの源及び、かつ前記アクチュエータ装置を実質的に剛性取り付けし、及び
前記圧電スタックを電気的負荷に接続する、ステップを含み;
前記ストローク長さが、前記機械的動きの前記源の予想最大強度以下であり、かつ前記機械的動きの前記源により出る予想最大力が、前記取り付け可能なアクチュエータ腕部が前記機械的増幅装置へ接続される差の前記ブロック力以下であり、
それにより、電気エネルギーが、前記機械的エネルギーの源から取得され、前記圧電スタックによる電気負荷へ伝達される、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であり、さらに、前記機械的動きの予想周波数範囲を決定し、前記取り付け可能なアクチュエータ腕部を、組み立てられた際に、前記スマート材料アクチュエータ装置が前記予想周波数範囲で共鳴するように選択され、それにより、前記共鳴周波数で作動する前記機械的動きの源と、実質的に前記スマート材料アクチュエータ装置が共鳴する、方法。
【請求項20】
スマート材料アクチュエータ装置を用いる動きを検出する方法であり、前記方法は、
機械的増幅装置であって、
第1の取り付け表面を持つ固定支持部材、
第2の取り付け表面を持つ可動支持部材を含む機械的ウェブ、
少なくとも1つの協働部材、及び
アクチュエータ腕部の取り付け手段を含む、機械的増幅装置;及び
前記アクチュエータ腕部の取り付け手段に接続される少なくとも1つの取り付け可能なアクチュエータ腕部を含み;
前記アクチュエータ装置がさらに、前記第1の取り付け表面と第2の取り付け表面との間に固着される圧電スタックを含み;
前記固定支持部材が実質的に剛性であり前記機械的ウェブに接続され、前記第1の取り付け表面及び第2の取り付け表面が実質的に平行であり、前記圧電スタックに電圧が付加されると、前記圧電スタックは、実質的に前記固定支持部材を動かさず、実質的に前記圧電スタックを角度をもって動かさずに伸び;
前記方法が、
前記取り付け可能なアクチュエータ腕部を機械的動きの源に接続し、
前記圧電スタックにより生成される電圧を読み、及び
前記電圧読み値を前記取り付け可能なアクチュエータ腕部の動きの量を示すために使用し;
それにより、前記機械的動きの源が前記取り付け可能なアクチュエータ腕部を動かし、前記圧電スタックに圧力を与え、それにより前記圧電スタックが前記取り付け可能なアクチュエータ腕部の動きの量に比例する電圧を生成し、それにより前記取り付け可能なアクチュエータ腕部の動きの量を示す、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2012−533275(P2012−533275A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519802(P2012−519802)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/041727
【国際公開番号】WO2011/006164
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(512005597)ヴァイキング エーティー,エルエルシー (4)
【Fターム(参考)】