説明

受信回路および時計

【課題】 回路構成が簡単でかつ信号を精度良く取得することができる。
【解決手段】 受信回路44において、中間周波数信号を検波して、復調信号を出力する周波数変換・検波手段100は、局部発振器131と、局部発振器131からの信号に基づいて、それぞれが位相の異なる中間周波数信号を出力する複数の混合器133、134と、混合器133、145から出力される中間周波数信号に基づいて、当該中間周波数信号と位相が異なる他の中間周波数信号を生成し、中間周波数信号および他の中間周波数信号をそれぞれ検波し、検波された信号を加算して合成信号を生成する信号生成・合成手段140と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信回路および当該受信回路を備えた時計に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、一部の国において、タイムコードを含む長波標準電波が送信所から送信されている。この標準電波を受信し、受信した信号からタイムコードを取り出して、時刻を修正可能な電波時計が実現されている。日本では、2つの送信所から、それぞれ、40kHzおよび60kHzの長波標準電波が送出されている。タイムコードは、1周期60秒のフレームである。
【0003】
このような長波標準電波を受信する受信回路においては、たとえば、スーパーヘテロダイン方式を利用して、40kHzの標準電波の信号から、いったん所定の周波数(たとえば、30Hz)の中間周波数信号を取り出し、さらに、中間周波数信号を、フィルタを通過させて中間周波数の成分を除去している。
【0004】
図15は、従来の周波数変換回路および検波回路の例を示す図である。たとえば、40KHzの標準電波の信号は、増幅器200において増幅されて混合器202に印加される。混合器202には、局部発振器201からの信号も与えられる。この局部発振器201から、たとえば、39.97KHzの信号が与えられる結果、混合器202からは、90Hzの中間周波数信号が取り出される。混合器202の出力は、90Hz周辺の帯域を通過させるバンドパスフィルタ(BPF)203および増幅器204を経て、検波器205に印加される。検波器205の出力は、最終的に、ローパスフィルタ(LPF)206で帯域制限される。つまり、検波器205の出力を受けるLPF206が、中間周波数の成分を十分に除去し、変調波形のみを取り出す役割をもつことになる。
【0005】
たとえば、長波標準電波を受信するために、特許文献1には、周波数変換回路に与える局部発振信号を逓倍回路により切り替え可能にして、40kHzおよび60kHzの双方の信号から中間周波数信号を取り出す技術が開示されている。また、特許文献2には、局部発振信号の周波数を、二つの周波数の中間とするような技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−80073号公報
【特許文献2】特開2004−88341号公報
【特許文献3】特開2004−179948号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図15に示す例を参照して説明したように、中間周波数が、たとえば、90Hz程度と低いときに、90Hzの中間周波数の成分をLPFで十分に落とすことは、カットオフ周波数をさらに低くするか、或いは、LPFを高次のフィルタとするなどの対応が必要であった。90Hzの中間周波数信号を十分に積分するためにはその時定数を相当に大きくする必要がある。たとえば、5Hzの信号を通過させるため、カットオフ周波数fを5Hzとすると、90Hz成分は25dB程度の減衰にすぎず、リップルが残ることがわかる。
【0007】
カットオフ周波数を低くすることは、変調信号自体も劣化させるという問題点があり、また、高次のフィルタとすると、回路が複雑でその規模も大きくなるという問題点があった。
【0008】
本発明は、回路構成が簡単でかつ変調信号が精度良く取得可能な周波数変換・検波回路を有する受信回路、並びに、この受信回路を備えた時計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、空間中の電磁波を電気信号として受信するアンテナ回路と、
前記アンテナ回路により得られた受信信号を増幅する増幅手段と、
前記増幅手段から出力された信号を周波数変換して中間周波数信号を取得し、得られた中間周波数信号を検波して、復調された信号を出力する周波数変換・検波手段と、
復調された信号を受け入れて、中間周波数の成分を除去するフィルタ手段と、を備えた受信回路において、
前記周波数変換・検波手段が、
局部発振器と、
前記増幅手段から出力された信号を受け入れ、前記局部発振器からの信号に基づいて、相互に直交する第1の中間周波数信号および第2の中間周波数信号を出力する複数の混合器と、
前記第1の中間周波数信号および第2の中間周波数信号に基づいて、前記中間周波数信号と位相が異なる他の中間周波数信号を生成し、前記中間周波数信号および他の中間周波数信号をそれぞれ検波し、検波された信号を加算して合成信号を生成する信号生成・合成手段と、を有することを特徴とする受信回路により達成される。
【0010】
好ましい実施態様においては、前記信号生成・合成手段が、
前記混合器からの出力された信号をそれぞれ反転し、前記第1の中間周波数信号および第2の中間周波数信号の反転信号を、第1の他の中間周波数信号として生成し、かつ、
前記第1の中間周波数信号と第2の中間周波数信号との間、第2の中間周波数信号と第1の中間周波数信号の反転信号との間、第1の中間周波数信号の反転信号と第2の中間周波数信号の反転信号との間、および、第2の中間周波数信号と第1の中間周波数信号との間の位相を有する信号を、第2の他の中間周波数信号として生成する。
【0011】
より好ましい実施態様においては、前記信号生成・合成手段が、
前記第1の中間周波数信号と、前記第2の中間周波数信号との加算信号を生成する第1の加算器と、
前記第1の中間周波数信号と、前記第2の中間周波数信号の反転信号との加算信号を生成する第2の加算器と、
前記第1の中間周波数信号の反転信号と、前記第2の中間周波数信号との加算信号を生成する第3の加算器と、
前記第1の中間周波数信号の反転信号と、前記第2の中間周波数信号の反転信号との加算信号を生成する第4の加算器と、を有し、
前記第1ないし第4の加算器のそれぞれからの出力された信号に基づいて、前記第2の他の中間周波数信号を生成する。
【0012】
また、好ましい実施態様においては、前記信号生成・合成手段が、
前記第2の他の中間周波数信号のそれぞれを検波した信号を加算する加算器と、
前記加算器から出力された、前記検波した信号の加算信号を所定の増幅率で乗算する乗算器と、を有する。
【0013】
より好ましい実施態様においては、前記信号生成・合成手段が、
前記第1の中間周波数信号を増幅する第1の乗算器と、
前記第1の中間周波数信号の反転信号を増幅する第2の乗算器と、
前記第2の中間周波数信号を増幅する第3の乗算器と、
前記第2の中間周波数信号の反転信号を増幅する第4の乗算器と、を有し、
前記第1の乗算器と前記第2の乗算器における増幅率が同一であり、かつ、前記第3の乗算器と第4の乗算器における増幅率が同一である。
【0014】
別の好ましい実施態様においては、前記信号生成・合成手段が、
第1の加算器に入力すべき第1の中間周波数信号を乗算する乗算器、および、第1の加算器に入力すべき前記第2の中間周波数信号を乗算する乗算器、
第2の加算器に入力すべき第1の中間周波数信号を乗算する乗算器、および、第2の中間周波数信号の反転信号を乗算する乗算器、
第3の加算器に入力すべき第1の中間周波数信号の反転信号を乗算する乗算器、および、第2の中間周波数信号を乗算する乗算器、並びに、
第4の加算器に入力すべき第1の中間周波数信号の反転信号を乗算する乗算器、および、第2の中間周波数信号の反転信号を乗算する乗算器を有する。
【0015】
また、好ましい実施態様においては、前記乗算器における増幅率を制御する制御手段を備えている。
【0016】
また、本発明の目的は、上記受信回路と、
前記受信回路により受信および復調された、時刻情報を含む標準電波の信号から、時刻情報を抽出する時刻情報抽出手段と、
時刻を計時する計時手段と、
当該計時手段により計時された時刻を表示する時刻表示手段と、
前記時刻情報抽出手段により抽出された時刻情報に基づいて、前記計時手段により計時された時刻を修正する時刻修正手段と、を備えたことを特徴とする時計により達成される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、回路構成が簡単でかつ変調信号が精度良く取得可能な周波数変換・検波回路を有する受信回路、並びに、これら回路を備えた時計を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[回路構成]
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる時計の回路の内部構成を示すブロックダイヤグラムである。図1に示すように、時計は、CPU50、入力部51、表示部52、ROM53、RAM54、受信回路44、計時回路部55および発振回路部56を備える。
【0019】
CPU50は、所定のタイミングで、或いは、入力部51から入力された操作信号に応じてROM53に格納されたプログラムを読み出して、RAM54に展開し、当該プログラムに基づいて、時計を構成する各部への指示やデータの転送などを実行する。具体的には、たとえば所定時間毎に受信回路44を制御して標準電波を受信させて、受信回路44からのタイムコードを含む信号に基づいて計時回路部55で計時される現在時刻データを修正する処理や、計時回路部55によって計時された現在時刻を表示部52に転送する処理などを実行する。
【0020】
入力部51は、時計の各種機能の実行を指示するためのスイッチ(図示せず)を含み、スイッチが操作されると、対応する操作信号をCPU50に出力する。表示部52は、時計の文字盤(図示せず)、CPU50によって制御されたアナログ指針機構(図示せず)、液晶パネル(図示せず)などを含み、計時回路部55によって計時された現在時刻を表示する。ROM53は、時計を動作させ、また、所定の機能を実現するためのシステムプログラムやアプリケーションプロググラム、データなどを記憶する。RAM54は、CPU50の作業領域として用いられ、ROM53から読み出されたプログラムやデータ、CPU50にて処理されたデータなどを一時的に記憶する。
【0021】
受信回路44は、アンテナ回路42を含み、アンテナ回路42にて受信された信号から所定の周波数の信号を取り出して、取り出された信号をCPU50に出力する。計時回路部55は、発振回路部56から入力される信号を計数して現在時刻を計時し、現在時刻データをCPU50に出力する。発振回路部56は、常時一定周波数のクロック信号を出力する。
【0022】
図2は、本実施の形態にかかる受信回路の概略を示すブロックダイヤグラムである。図2に示すように、受信回路44は、アンテナ回路42、増幅回路80、バンドパスフィルタ(BPF)90、および、周波数変換・検波回路100を有する。図2においては、バンドパスフィルタ90を利用しているが、これに限定されるものではなく、BPFに代えてローパスフィルタ(LPF)を利用しても良い。
【0023】
アンテナ回路42は、図3に示すように、磁性体175に導線176を巻きつけたコイルLおよびコンデンサCを有する。アンテナ回路42からは標準電波の相当する信号が出力され、増幅回路80およびBPF90を経て、周波数変換・検波回路100に与えられる。
【0024】
周波数変換・検波回路100は、受け入れた信号を周波数変換して、中間周波数信号を取り出し、さらに、中間周波数信号を検波することで、最終的に標準電波の信号を復調する。復調されたタイムコードを含む信号は、CPU50に与えられ、CPU50においてデコードされ、時間情報が抽出される。
[周波数変換・検波回路]
以下、本発明の第1の実施の形態にかかる周波数変換・検波回路100についてより詳細に説明する。
【0025】
図4は、本実施の形態にかかる周波数変換・検波回路100の例を示す図である。図4に示すように、周波数変換回路100は、増幅器130、局部発振器131、90°シフト回路132、混合器133、134、バンドパスフィルタ(BPF)135、136、増幅器137、138、後に詳述する信号生成・合成回路140、および、ローパスフィルタ(LPF)141を有する。
【0026】
局部発振器131は、たとえば、39.91KHzの信号を出力する(受信電波が40KHzである場合)。局部発振器131の出力は、混合器133に印加される一方、90°シフト回路にも与えられ、90°シフト回路により90°だけ位相がずらされた状態で、混合器134に与えられる。
【0027】
また、BPF135、136は、それぞれ、混合器133、134から出力された信号を受け入れて、中間周波数信号(上述した例では90Hzの中間周波数信号)を取り出す。これら中間周波数信号は、相互に直交、すなわち、90°位相がずれており、直交検波によるI信号、Q信号に相当する。
BPF135からの出力は、増幅器137を経て、信号生成・合成回路140に与えられる。また、BPF136からの出力は、増幅器138を経て、信号生成・合成回路140に与えられる。
【0028】
信号生成・合成回路140の出力は、LPF141に与えられる。
【0029】
図5は、第1の実施の形態にかかる信号生成・合成回路の構成を示すブロックダイヤグラムである。図5に示すように、信号生成・合成回路140は、増幅器137からの信号(I信号)を受け入れる第1の検波器(DET)144、増幅器137から反転器142を経た信号(I信号の反転信号)を受け入れる第2の検波器145、増幅器138からの信号(Q信号)を受け入れる第3の検波器146、増幅器138から反転器143を経た信号(Q信号の反転信号)を受け入れる第4の検波器147を有している。
【0030】
第1〜第4の検波器144〜147の出力は、加算器148により加算される。
【0031】
さらに、第1の実施の形態にかかる信号生成・合成回路140は、I信号およびQ信号の反転信号を加算する加算器149、I信号およびQ信号を加算する加算器150、I信号の反転信号およびQ信号の反転信号を加算する加算器151、並びに、I信号の反転信号およびQ信号を加算する加算器152を有し、かつ、加算器149〜152の出力信号を受け入れる第5〜第8の検波器153〜156を有している。第5〜第8の検波器153〜156の出力は、加算器157で加算される。
【0032】
また、信号生成・合成回路140は、加算器157の出力を調整する(後述するように、出力を(1/√2)倍する)乗算器158と、加算器148の出力および乗算器158の出力を加算する加算器159を有している。
【0033】
加算器159から出力される合成信号は、図4のLPF141に与えられる。LPF141から出力された信号は、CPU50に与えられ、CPU50においてデコードされて、時間情報が抽出される。
【0034】
以下、本実施の形態にかかる信号生成・合成回路140の作用について詳細に説明する。
【0035】
電波時計の標準電波は、特に、データ伝送が遅い(1bps)。したがって、検波器の出力を受け入れるLPF(たとえば、図4のLPF141)においては積分時定数を上げることが容易ではない。そこで、本実施の形態においては、直交検波により90°位相がずれた中間周波数信号を作り、さらに、それぞれの信号およびその反転信号をそれぞれ検波して合成した合成信号(加算器148の出力信号)を生成している。さらに、I信号、I信号の反転信号、Q信号、Q信号の反転信号を合成して、さらに位相をずらした4つの信号を生成し、生成された信号をそれぞれ検波して合成した合成信号(加算器157の出力信号)を生成している。
【0036】
たとえば、図4において、増幅器130の出力を直交周波数変換することにより、増幅器137、138の出力(図5のb点、c点)では、90°位相がずれた信号を得ることができる。
【0037】
b点の信号を、sinωtと考えると、c点の信号は、その位相が90°だけずれているので、cosωtとなる。図5において、第1の検波器144の出力(d点の信号)および第2の検波器145の出力(e点の信号)の和をd+e、第3の検波器146の出力(f点の信号)および第4の検波器147の出力(g点の信号)の和をf+gと表すと、検波出力は正の部分が出力されるので、以下のようになる。
d+e=|sinωt|=(1/√2)*√(1−cos2ωt) ・・・(1)
f+g=|cosωt|=(1/√2)*√(1+cos2ωt) ・・・(2)
加算器148の出力信号の大きさは、最大値をとることと等価であるため、Max{d+e,f+g}であり、したがって、これをhと表すと、hは、以下の式で表すことができる。
【0038】
h=Max{√(1+cos2ωt)/√2,√(1−cos2ωt)/√2}
・・・(3)
図6は、d点、e点、f点およびg点の信号を合成した合成信号h(=Max{d+e,f+g})を示すグラフである。なお、図6において信号OUTは、信号hがLPF141を通過した場合の出力信号(図4参照)に相当する。
【0039】
上記(3)式において、ルートの中は「0」以上であるため、(3)式の最大値、最小値は以下のように考えることができる。
【0040】
hの最大値は(3)式より、cos2ωt=±1となる点であり、
ωt=π/4*n(nは整数)のときに、h=1となる。
同様に、最小値は図6からも分かるようにπ/4だけずれた波形の重なった点であり、
ωt=π/8*m(mは整数)のときに、h=√2/2である。
従って、その差は以下のようになる。
max−hmin=1−√2/2 ・・・・・(4)
【0041】
最大振幅に対するリップルは、(最大値−最小値)であり、(4)式より「1−√2/2」となる。このような結果から、検波器144〜147のそれぞれからの出力信号d、e、f、gを合成したことにより、10.7dBのフィルタ効果を持たせることが可能となる。また、図6に示すように、原信号に対して4倍の周波数の信号が発生するとみなすことができるため、CR1段の構成によるLPFによるフィルタ効果は、図7に示すようなものとなる。周波数f、カットオフ周波数をf、減衰特性を1/√(1+(f/f)としている。
【0042】
(1)従来の検波により原信号に5Hzのフィルタを適用すると、−25.1dBの減衰特性であるのに対して、(2)上述したようにh点の信号に5Hzのフィルタを適用すると、信号周波数が4倍になるので−37.1dBの減衰特定となる。
【0043】
上述したように、10.7dBのフィルタ効果を含め、単純な5Hzのフィルタを入れることでも、−47.8dBの減衰特性を得ることができる。仮に、(1)のような従来の検波による場合に、(2)と同様に−45dBの減衰特性を持たせるためには、1次のLPFであれば、f=約0.3Hzとしなければならないが、この場合には、LPFを経た後の信号の劣化が大きい。これを避けるためには、高次のLPFを適用する必要がある。
【0044】
これに対して、2つの90°位相がずれた2つの中間周波数信号(I信号およびQ信号に相当する)を取得し、かつ、I信号およびその反転信号、Q信号およびその反転信号を検波し、検波された信号を合成すると、合成された信号のリップルは非常に小さく、かつ、原信号に対して4倍の周波数の信号が発生しているとみなすことができるため、簡単なLPFにより十分に不要な成分が除去され、かつ、必要な信号の劣化も防止することが可能となる。
【0045】
しかしながら、図7に示すようなフィルタ効果を有していても、積分効果が不足になる場合も考えられる。たとえば、特許文献3に示すように、検波回路(本実施の形態では周波数変換・検波回路100)の出力を、自動利得制御(AGC)回路(図示せず)に与え、AGC回路が、増幅回路の利得を制御するAGC電圧を生成することが提案されている。検波回路からの出力にはデータが含まれている。したがって、AGC電圧を作るためには、AGC回路において、データをフラットにするように十分に大きな時定数をもつLPFを設け、検波回路からの出力信号をLPFに通す必要がある。
【0046】
このように、AGC電圧は増幅率がふらつかないように、検波回路からの出力信号に対して十分な時定数を与える。電波時計に適用する場合、電波時計の信号は1秒周期(1bps)であるため、十分な時定数とするには数十秒程度のものが必要となる。しかしながら、時定数が大きくなるに伴って、AGC回路の動作は低速になる。
【0047】
高速なAGCを実現するために、データ信号を忠実に再生しようとすると、たとえば中間周波数を90Hzとすると、90Hzの信号を十分に落とす(濾波する)必要があり、単純の構成のLPFでは出力波形のなまりが問題となる。また、90Hzの信号成分の除去が十分でないと、検波回路の出力信号をAGC電圧として使用するため、データ信号の成分を低下させることになる。
【0048】
上述したように、I信号、その反転信号、I信号と直交するQ信号およびその反転信号を検波して加算する構成では、事実上、中間周波数を4倍にしていることと同様である。しかしながら、このように構成しても、単純なLPHによって適切に中間周波数の成分を落とすことが容易ではない場合がある。
【0049】
そこで、本実施の形態においては、さらに位相がずれている信号を生成し、生成された信号を検波して合成する。第1の実施の形態においては、45度、135度など、I信号、その反転信号、Q信号、その反転信号からさらに45度だけ位相がずれた信号を生成する。
【0050】
しかしながら、フィルタを利用して位相を回して信号を得ると、信号の遅延や信号のなまりが生じる。そこで、本実施の形態においては、サイン波(sinωt)およびコサイン波(cosωt)との合成から、45度だけ位相がずれた信号を生成している。
【0051】
たとえば、b点の信号をb=sinωt、c点の信号をc=cosωtとすると、b点およびc点の信号の和b+cは、以下のようになる。
【0052】
b+c=sinωt+cosωt=√2sin(ωt+π/4) ・・・(5)
これは、位相を45度だけ回した信号と等価である。したがって、I信号、I信号の反転信号、Q信号およびQ信号の反転信号を組み合わせて加算することで、I信号、I信号の反転信号、Q信号、Q信号の反転信号に対して、位相を45度だけずらせた信号を得ることが可能となる。
【0053】
第5の検波器153、第6の検波器154、第7の検波器155および第8の検波器156の出力信号d’、e’、f’およびg’は、それぞれ以下のようになる。
【0054】
d’=sinωt−cosωt=√2{sin(ωt−π/4)}
=√2{sin(ωt+3π/4)}
e’=sinωt+cosωt=√2{sin(ωt+π/4)}
f’=−sinωt−cosωt=−√2{sin(ωt+π/4)}
=√2{sin(ωt+5π/4)}
g’=−sinωt+cosωt=−√2{sin(ωt−π/4)}
=√2{sin(ωt+7π/4)}
第1の検波器144〜147の出力d〜fは、
d=sinωt
e=−sinωt=sin(ωt+π)
f=cosωt=sin(ωt+π/2)
g=−cosωt=sin(ωt+3π/2)
である。したがって、d’〜g’について、出力を1/(√2)倍したものを、新たなd’〜g’とすると、d〜gおよびd’〜g’は、図8に示すようなベクトルとして表すことができる。
【0055】
また、d〜gおよびd’〜g’を加算した合成信号k(=Max{h,h’}=Max{d,e,f,g,d’,e’,f’,g’})は、図9(b)に示すようなものとなる。なお、図9(a)には、合成信号h(=Max{d,e,f,g})を比較のために表示している。
【0056】
図8に示すように、8つの信号d〜gおよびd’〜g’は、それぞれ45度ずつ位相がずれた状態で配置されていることがわかる。信号d’〜g’の合成信号h’(=Max{d’,e’,f’,g’})は、以下のように表すことができる。
【0057】
h’=1/√2*Max{√(1−cos2(ωt+π/4)),
√(1+cos2(ωt+π/4))}
したがって、図5の加算器159からの出力である合成信号k(=Max{h,h’})は、以下のように表すことができる。
【0058】
k=1/√2*Max{√(1+cos2ωt),√(1+cos2(ωt+π/4)),
√(1−2cosωt),√(1−cos2(ωt+π/4))}
なお、図10は、本実施の形態における出力信号のシミュレーションを示すグラフであり、図10(a)〜(c)は、それぞれ、図5の波形生成・合成回路140のb点、k点、およびOUT(LPF141の出力)における信号波形の例を示す。
【0059】
以下、乗算器158の出力信号の大きさh’および合成信号の大きさkについて説明する。
【0060】
(1)式に示したように、d+eは以下のように表される。
【0061】
d+e=|sinωt|=1/√2*√(1−cos2ωt)
|sinωt|=|√(sinωt)|について、
cos2ωt=cosωt−sinωt、
1=sinωt+cosωtであることから、
cosωt=1/2(1+cos2ωt)
sinωt=1−1/2(1+cos2ωt)=1/2(1−cos2ωt)
したがって、
|sinωt|=√(1/2(1−cos2ωt))
|cosωt|=√(1/2(1+cos2ωt))
となる。
【0062】
したがって、乗算器158の出力信号の大きさh’および合成信号の大きさkは、以下のようになる。
【0063】
h’=1/√2*Max{√(1+cos2(ωt+π/4)),
√(1−cos2(ωt+π/4))}
k=1/√2*Max{√(1+cos2ωt),√(1−cos2ωt),
√(1+cos2(ωt+π/4)),√(1−cos2(ωt+π/4))}
本実施の形態によれば、信号生成・合成回路140は、45度位相がずれた8つの信号を検波し、これらを合成し、合成信号を出力している。したがって、合成信号を受け入れるLPFの時定数を小さくすることが可能となる。また、簡単な構成のフィルタを用いても、合成信号に対する十分な積分効果を得ることができ、かつ、変調波形を乱すおそれも小さい。
【0064】
図11は、本実施の形態にかかるフィルタ効果の例を示すグラフである。図11に示す例においては、中間周波数を90Hz(カットオフfも同様に90Hz)としている。図11に示すように、本実施の形態においては、信号合成によるリップル成分の減衰は図9(b)に示すように22.4dBあり、かつ、実質的に中間周波数90Hzの8倍の周波数の信号が発生していると考えられる。また、90Hzをカットオフfとする1次RCフィルタの720Hz成分の減衰は、18.1dBである。したがって、最終的な720Hzでのリップル成分の減衰は、40.5dBに達する。
【0065】
すなわち、本実施の形態にかかる信号生成・合成回路140により得られた合成信号を用いることで、I信号、I信号の反転信号、Q信号、Q信号の反転信号を検波して合成した合成信号と比較した場合に、同じLPFを利用したときに、図7および図11より、信号リップルは17.5dB軽減される。
【0066】
第1の実施の形態によれば、信号生成・合成回路140によって、I信号およびQ信号に基づいて、それらの反転信号が生成されて検波され、かつ、I信号とQ信号との間、Q信号とI信号の反転信号との間、I信号の反転信号とQ信号の反転信号との間、および、Q信号の反転信号とI信号の間の位相を有するような中間周波数信号が生成され、これら生成された中間周波数信号が検波される。検波された信号を合成することにより、リップルの小さな合成信号を得ることが可能となる。
【0067】
特に、第1の実施の形態においては、I信号とQ信号、I信号とQ信号の反転信号、I信号の反転信号とQ信号、I信号の反転信号とQ信号の反転信号をそれぞれ合成し、I信号、Q信号、それらの反転信号のそれぞれと、45度だけ位相がずれた信号を生成している。第1の実施の形態においては、このような信号を検波して加算し、かつ、出力を調整し、出力が調整された合成信号と、I信号、Q信号、および、これらの反転信号を検波して加算した合成信号とを加算する。これにより、実質的に中間周波数の8倍の周波数の信号同等の信号を出力することができる。
【0068】
また、第1の実施の形態においては、乗算器158によって、加算器157から出力される合成信号のレベルを、I信号、Q信号、これらの反転信号を検波して合成した信号のレベルと同等になるように調整し、加算器159に入力される信号のレベルを適切にしている。
[信号生成・合成回路の他の例]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態においては、I信号、I信号の反転信号、Q信号、Q信号の反転信号のそれぞれから45度位相がずれた信号を生成し、生成された信号を検波して合成している。第2の実施の形態においては、位相のずれθを任意として、所望の位相のずれをもつ信号を生成している。
【0069】
図12は、本発明の第2の実施の形態にかかる信号生成・合成回路の構成を示すブロックダイヤグラムである。図12において、図5に示す信号生成・合成回路と同一の構成部分については同一の符号を付す。
【0070】
図12に示すように、第2の実施の形態にかかる信号生成・合成回路160は、I信号およびI信号の反転信号を、それぞれ増幅率Aで増幅する乗算器162、164、並びに、Q信号およびQ信号の反転信号を、それぞれ増幅率Bで増幅する乗算器161、163を有している。乗算器161の出力は、加算器149、151に与えられ、乗算器162の出力は、加算器149、150に与えられ、乗算器163の出力は、加算器150,152に与えられ、乗算器164の出力は、加算器151、152に与えられる。
【0071】
また、第2の実施の形態において、加算器157の出力を調整する乗算器165は、加算器157の出力を、1/√(A+B)倍する。
【0072】
第2の実施の形態にかかる第5の検波器153〜第8の検波器156の出力信号を、それぞれ、d”、e”、f”およびg”とすると、以下のようになる。
【0073】
d”=Asinωt−Bcosωt=√(A+B)sin(ωt−θ))
e”=Asinωt+Bcosωt=√(A+B)sin(ωt+θ)
f”=−Asinωt−Bcosωt
=√(A+B)sin(ωt+π+θ))
g”=−Asinωt+Bcosωt=√(A+B)sin(ωt−θ)
=√(A+B)sin(ωt+π−θ))
なお、cosθ=A√(A+B)、sinθ=B/√(A+B)である。
【0074】
d”〜g”について、出力を1/√(A+B)倍したものを、新たなd”〜g”とすると、d〜gおよびd”〜g”は、図13に示すようなベクトルとして表すことができる。
【0075】
上記乗算器162、164に与える増幅率A、および、乗算器161、163に与える増幅率Bは、CPU50により制御可能であるのが望ましい。CPU50は、設定された位相θに基づいて、増幅率Aおよび増幅率Bを算出し、算出された増幅率A、Bを、それぞれ対応する乗算器に出力する。これにより、所望の位相θだけずれた信号を生成し、これらの信号を検波して合成することが可能となる。
【0076】
上述したように、第2の実施の形態においては、I信号およびI信号の反転信号を、それぞれ増幅率Aで増幅し、Q信号およびQ信号の反転信号を増幅率Bで増幅して、それぞれ増幅されたI信号とQ信号、I信号とQ信号の反転信号、I信号の反転信号とQ信号、I信号の反転信号とQ信号の反転信号を、それぞれ加算して検波している。これにより、ωt±θ、ωt+π±θという位相の信号を生成することができる。
【0077】
特に、設定されたθに基づいて、CPU50が増幅率A、Bを算出し、乗算器に与えることで、所望の位相の信号を生成することが可能となる。
[信号生成・合成回路のさらに他の例]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第2の実施の形態においては、I信号およびI信号の反転信号をA倍し、Q信号およびQ信号の反転信号をB倍して、「ωt+π±θ」および「ωt±θ」という位相の信号を作った。第3の実施の形態においては、Asinωt+Bcosωtの係数AおよびBを、加算器ごとに自在に調整できるようにしている。
【0078】
図14は、本発明の第3の実施の形態にかかる信号生成・合成回路の構成を示すブロックダイヤグラムである。図14において、図12に示す信号生成・合成回路と同一の構成部分については同一の符号を付す。
【0079】
図14に示すように、第3の実施の形態においては、加算器149、150、151、152のそれぞれに入力される信号を所定の増幅率で増幅する乗算器が設けられている。図14に示すように、それぞれに加算器149の入力側には以下の乗算器が配置される。
【0080】
加算器149への入力側:
I信号を増幅率Aで増幅する乗算器181およびQ信号の反転信号を増幅率Bで増幅する乗算器182
加算器150の入力側:
I信号を増幅率Aで増幅する乗算器183およびQ信号を増幅率Bで増幅する乗算器184
加算器151への入力側:
I信号の反転信号を増幅率Aで増幅する乗算器185およびQ信号の反転信号を増幅率Bで増幅する乗算器186
加算器152への入力側:
I信号の反転信号を増幅率Aで増幅する乗算器187およびQ信号を増幅率Bで増幅する乗算器188。
【0081】
また、検波器153〜156の出力側には、検波器の出力を増幅率1/√(A+B)で増幅する増幅器191〜194が配置される。増幅器191〜194のそれぞれの増幅率は、それぞれ、1/√(A+B)、1/√(A+B)、1/√(A+B)、1/√(A+B)である。
【0082】
上述した乗算器181〜185、乗算器191〜194の増幅率の設定により、乗算器191〜194からは、それぞれ、
sin(ωt+θ
ただし、tanθ=B/A
という位相の信号が出力される。乗算器191〜194の出力信号は、加算器157により加算され、さらに、加算器159により、加算器148からの出力信号と加算される。加算器159からの出力信号は、LPF141に与えられる。
【0083】
乗算器181〜185および乗算器191〜194の増幅率は、CPU50により制御可能であるのが望ましい。これにより、増幅率AおよびBを調整することにより、所望の位相ωt+θの信号を生成し、これらの信号を検波して合成することが可能となる。
【0084】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる時計の回路の内部構成を示すブロックダイヤグラムである。
【図2】図2は、本実施の形態にかかる受信回路の概略を示すブロックダイヤグラムである。
【図3】図3は、本発明の実施の形態にかかるアンテナ回路の例を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態にかかる周波数変換・検波回路の例を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態にかかる信号生成・合成回路の例を示す図である。
【図6】図6は、図5のh点における合成信号の例を示す図である。
【図7】図7は、h点における合成信号を用いた場合のフィルタ効果の例を示すグラフである。
【図8】図8は、図5における各点の出力信号をベクトルにて表した図である。
【図9】図9は、図5のh点およびk点における合成信号の例を示す図である。
【図10】図10は、図5の各点における信号の例を示す図である。
【図11】図11は、本実施の形態にかかる合成信号(k点の合成信号)を用いた場合のフィルタ効果の例を示すグラフである。
【図12】図12は、本発明の第2の実施の形態にかかる信号生成・合成回路の例を示す図である。
【図13】図13は、図12における各点の出力信号をベクトルにて表した図である。
【図14】図14は、本発明の第3の実施の形態にかかる信号生成・合成回路の例を示す図である。
【図15】図15は、従来の周波数変換回路および検波回路の例を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
42 アンテナ回路
44 受信回路
50 CPU
51 入力部
52 表示部
55 計時回路部
56 発振回路部
80 増幅回路
90 BPF
100 周波数変換・検波回路
131 局部発振器
143 90°シフト回路
133、134 混合器
140 信号生成・合成回路
141 LPF
144〜147 検波器
148、157 加算器
149〜152 加算器
153〜156 検波器
158 増幅器
159 加算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間中の電磁波を電気信号として受信するアンテナ回路と、
前記アンテナ回路により得られた受信信号を増幅する増幅手段と、
前記増幅手段から出力された信号を周波数変換して中間周波数信号を取得し、得られた中間周波数信号を検波して、復調された信号を出力する周波数変換・検波手段と、
復調された信号を受け入れて、中間周波数の成分を除去するフィルタ手段と、を備えた受信回路において、
前記周波数変換・検波手段が、
局部発振器と、
前記増幅手段から出力された信号を受け入れ、前記局部発振器からの信号に基づいて、相互に直交する第1の中間周波数信号および第2の中間周波数信号を出力する複数の混合器と、
前記第1の中間周波数信号および第2の中間周波数信号に基づいて、前記中間周波数信号と位相が異なる他の中間周波数信号を生成し、前記中間周波数信号および他の中間周波数信号をそれぞれ検波し、検波された信号を加算して合成信号を生成する信号生成・合成手段と、を有することを特徴とする受信回路。
【請求項2】
前記信号生成・合成手段が、
前記混合器からの出力された信号をそれぞれ反転し、前記第1の中間周波数信号および第2の中間周波数信号の反転信号を、第1の他の中間周波数信号として生成し、かつ、
前記第1の中間周波数信号と第2の中間周波数信号との間、第2の中間周波数信号と第1の中間周波数信号の反転信号との間、第1の中間周波数信号の反転信号と第2の中間周波数信号の反転信号との間、および、第2の中間周波数信号と第1の中間周波数信号との間の位相を有する信号を、第2の他の中間周波数信号として生成することを特徴とする請求項1に記載の受信回路。
【請求項3】
前記信号生成・合成手段が、
前記第1の中間周波数信号と、前記第2の中間周波数信号との加算信号を生成する第1の加算器と、
前記第1の中間周波数信号と、前記第2の中間周波数信号の反転信号との加算信号を生成する第2の加算器と、
前記第1の中間周波数信号の反転信号と、前記第2の中間周波数信号との加算信号を生成する第3の加算器と、
前記第1の中間周波数信号の反転信号と、前記第2の中間周波数信号の反転信号との加算信号を生成する第4の加算器と、を有し、
前記第1ないし第4の加算器のそれぞれからの出力された信号に基づいて、前記第2の他の中間周波数信号を生成することを特徴とする請求項2に記載の受信回路。
【請求項4】
前記信号生成・合成手段が、
前記第2の他の中間周波数信号のそれぞれを検波した信号を加算する加算器と、
前記加算器から出力された、前記検波した信号の加算信号を所定の増幅率で乗算する乗算器と、を有することを特徴とする請求項3に記載の受信回路。
【請求項5】
前記信号生成・合成手段が、
前記第1の中間周波数信号を増幅する第1の乗算器と、
前記第1の中間周波数信号の反転信号を増幅する第2の乗算器と、
前記第2の中間周波数信号を増幅する第3の乗算器と、
前記第2の中間周波数信号の反転信号を増幅する第4の乗算器と、を有し、
前記第1の乗算器と前記第2の乗算器における増幅率が同一であり、かつ、前記第3の乗算器と第4の乗算器における増幅率が同一であることを特徴とする請求項4に記載の受信回路。
【請求項6】
前記信号生成・合成手段が、
第1の加算器に入力すべき第1の中間周波数信号を乗算する乗算器、および、第1の加算器に入力すべき前記第2の中間周波数信号を乗算する乗算器、
第2の加算器に入力すべき第1の中間周波数信号を乗算する乗算器、および、第2の中間周波数信号の反転信号を乗算する乗算器、
第3の加算器に入力すべき第1の中間周波数信号の反転信号を乗算する乗算器、および、第2の中間周波数信号を乗算する乗算器、並びに、
第4の加算器に入力すべき第1の中間周波数信号の反転信号を乗算する乗算器、および、第2の中間周波数信号の反転信号を乗算する乗算器を有することを特徴とする請求項3に記載の受信回路。
【請求項7】
前記乗算器における増幅率を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項4ないし6の何れか一項に記載の受信回路。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の受信回路と、
前記受信回路により受信および復調された、時刻情報を含む標準電波の信号から、時刻情報を抽出する時刻情報抽出手段と、
時刻を計時する計時手段と、
当該計時手段により計時された時刻を表示する時刻表示手段と、
前記時刻情報抽出手段により抽出された時刻情報に基づいて、前記計時手段により計時された時刻を修正する時刻修正手段と、を備えたことを特徴とする時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−111570(P2009−111570A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280123(P2007−280123)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】