説明

各台装置および遊技システム

【課題】各台計数方式を採用した場合に、各遊技台の出玉状況を他の遊技客に対してアピールすること。
【解決手段】基板に配列された発光素子を含んでおり、発光素子からの光を透過および/または反射させることで文字または記号を表示する表示部と、表示部に表示させる表示情報を各台計数装置から受け付ける表示情報受付部と、表示情報受付部が受け付けた表示情報に対して所定の加工を行ったうえで表示部へ表示指示する計数情報表示指示部および警告情報表示指示部と、遊技台が配列された遊技島の島端から視認可能な向きに表示部の取り付け向きを調整するための可動部を有する取付部とを備えるように表示装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技台に対応して設けられる各台計数装置と、各台計数装置経由で取得した情報を表示する表示装置とで各台計数に係る情報を表示する各台装置および遊技システムに関し、特に、各台計数方式を採用した場合に、各遊技台の状況をアピールすることができる各台装置および遊技システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、パチンコ店などの遊技店に設置されるパチンコ機やパチスロ機といった遊技機と並設され、パチンコ玉やメダルといった遊技媒体を貸し出す貸出処理機(以下、「台間装置」と記載する)が知られている。また、遊技機において遊技客が獲得した遊技媒体の数量を各台間装置と接続された各台計数装置が計数する、いわゆる各台計数方式も知られてきた。
【0003】
かかる各台計数方式を採用すると、従来行われていた玉箱(遊技客が獲得したパチンコ玉やパチスロのコインを入れる箱)の移動作業を行う必要がないので、遊技店の従業員にとっても、遊技客にとっても便利であるといえる。また、遊技店にとってみれば、玉箱に保持された状態で遊技店側に環流されない遊技媒体をなくすことができるので、少ない遊技媒体で営業を行うことができるというメリットもある。
【0004】
また、各台計数方式を採用した場合、遊技客は、従来のように、自身が獲得した遊技媒体の数を玉箱の個数を視認して確認することができないので、各台計数装置に接続された表示装置で遊技客が獲得した遊技媒体数を表示することも行われている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−175061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された技術を用いた場合、遊技客に対して自身が獲得した遊技媒体数を示すことはできるものの、他の遊技客に対して遊技店における出玉をアピールすることができないという問題があった。
【0007】
具体的には、各台計計数方式を採用する以前では、遊技客が獲得した遊技媒体は、玉箱に入れられて積み上げられており、他の遊技客は、積み上げられた玉箱の個数で遊技島における出玉状況を把握することが可能であった。
【0008】
たとえば、あらたに来店した遊技客が、遊技店の出玉状況を確認する場合、各台計計数方式を導入する以前では、遊技島を島端の通路から覗くだけで、遊技島ごとの出玉状況を確認することができた。
【0009】
これに対し、各台計数方式を採用すると、当然ながら玉箱が積み上げられることはないので、他の遊技客が出玉状況を確認するには、各遊技台に対応する表示装置の表示内容をわざわざ見る必要がある。このため、遊技店側としては、遊技台の出玉を良好に調整したイベントを行っていても、遊技客に対して遊技店の出玉を十分にアピールすることができなかった。
【0010】
これらのことから、各台計数方式を採用した場合において、各遊技台の出玉状況を他の遊技客に対していかにしてアピールするかが大きな課題となっている。
【0011】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、各台計数方式を採用した場合に、各遊技台の状況をアピールすることができる各台装置および遊技システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、遊技台に対応して設けられる各台装置であって、遊技台で獲得した遊技媒体を計数する計数手段と、所定の表示を行う表示手段と、前記表示手段の表示を制御する表示制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記計数手段にて遊技媒体の計数が行われた旨を受け付けたときに、前記表示手段に計数に関する表示を行い、前記計数手段にて遊技媒体の計数に関する異常を検出した旨を受け付けたときに、前記表示手段に当該異常に関する表示を行うことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記の発明において、前記表示制御手段は、前記計数に関する表示および前記異常に関する表示を行う場合に、それぞれに応じた発光パターンにて前記表示手段に表示を行うことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記の発明において、前記遊技台の払出信号に基づいて取得した遊技媒体の値と、前記計数手段にて計数した遊技媒体の値とに基づいて遊技媒体の計数に関する異常を検出する異常検出手段を更に備え、前記異常検出手段は、前記遊技媒体の計数に関する異常を検出した場合に、前記表示制御手段に通知を行うことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記のいずれかに記載の各台装置と、前記各台装置と接続され、遊技客が所持する記憶媒体を受け付けて遊技媒体の貸出処理を行う記憶媒体処理装置とからなる遊技システムであって、前記表示制御手段は、前記記憶媒体処理装置にて前記記憶媒体の受け付けが解除された旨の通知を受けたことを条件として、前記表示手段における表示を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、遊技媒体の計数が行われた旨を受け付けたときに、計数に関する表示を行い、遊技媒体の計数に関する異常を検出した旨を受け付けたときに、当該異常に関する表示を行うよう構成したので、遊技客が計数の状況並びに異常の状況を効率良く把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る表示手法の概要を示す図である。
【図2】本実施例に係る表示システムのシステム構成図である。
【図3】表示システムに含まれる表示装置および各台計数装置の構成を示すブロック図である。
【図4】表示装置を構成する各部品を示す図である。
【図5】表示装置の完成図である。
【図6】表示装置の取付例を示す図である。
【図7】警告処理の手順を示す図である。
【図8】表示装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る表示手法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る表示手法の概要について図1を用いて説明した後に、本発明に係る表示手法を適用した表示システムについての実施例を図2〜図8を用いて説明することとする。
【0019】
図1は、本発明に係る表示手法の概要を示す図である。なお、同図には、遊技台200を配列した遊技島100を示しており、遊技台200ごとに、図示しない各台計数装置経由で表示装置10が設けられているものとする。
【0020】
同図に示すように、遊技島100における各遊技台200の上方には、表示装置10が、遊技島100で挟まれた通路にせり出すように設置されている。たとえば、同図に示すように、各表示装置10には、対応する各遊技台200で遊技客が獲得した玉箱数が表示される。なお、同図には、玉箱数を表示する場合について示しているが、表示装置10には、遊技客が獲得した遊技媒体数(玉数)を表示することもできる。
【0021】
ここで、表示装置10は、計数値表示エリア10aと警告表示エリア10bとを有しており、玉箱数または遊技媒体数を計数値表示エリア10aへ表示するとともに、各種警告情報を警告表示エリア10bへ表示する。同図に示すように、警告表示エリア10bを、表示装置10の取り付け側とは反対側に設けることで、警告表示の視認性を高めることができる。
【0022】
また、表示装置10は、任意の方向へ回動させることができる可動部10cを有しており、遊技島100に対する取付位置の自由度を高めることができる他、遊技島100の形状に応じて表示部の角度を変えたり、出玉がない表示装置10を格納したり、といった運用も可能である。
【0023】
また、表示装置10は、同図に示したように、表面および裏面に、同一の情報を表示するように構成されている。たとえば、表面に「5箱」と表示された表示装置10は、裏面にも「5箱」と表示する。
【0024】
このように、本発明に係る表示手法では、遊技台200ごとに遊技媒体の計数を行う各台計数方式において、各遊技台200で遊技客が獲得した遊技媒体数あるいは玉箱数を、各遊技島100における見通しがよい位置(たとえば、遊技台200の上方)に設けられた表示装置10へ表示することとした。また、表示装置10には、遊技媒体数や玉箱数といった計数値のみならず、各台計数に係る各種警告情報も表示することとした。
【0025】
このようにすることで、遊技島100の端から遊技島100間の通路を覗き込んだ遊技客は、各遊技島100に設置された各遊技台200の出玉情報を、一望するだけで確認することができる。また、遊技島100間の通路を覗き込む遊技客のみならず、他の遊技台200で遊技する他の遊技客についても同様のことがいえる。
【0026】
したがって、本発明に係る表示手法によれば、特定の遊技台200における出玉状況を他の遊技客に対しても効果的に周知させることができるので、遊技客の利便性を向上させることが可能となる。また、遊技店側にとってみれば、自店の出玉状況を遊技客へアピールすることが可能となる。
【0027】
また、本発明に係る表示手法で用いる表示装置10には、計数値のみならず各種警告情報をも表示させることとしたので、各装置の障害をあらわす情報、ゴト行為などの不正情報といった警告情報を遊技店の従業員に対して視認しやすい形で報知することができる。
【0028】
以下では、本発明に係る表示手法を適用した表示システムについての実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、本発明に係る表示システムをいわゆるパチンコ機に対して適用した場合について示すが、いわゆるパチスロ機に対して本表示システムを適用することとしてもよい。
【実施例】
【0029】
まず、本実施例に係る表示システム1のシステム構成について図2を用いて説明する。図2は、本実施例に係る表示システム1のシステム構成図である。同図に示すように、遊技台200には、遊技台200へ投入する遊技媒体(パチンコ玉)の貸し出し等を行う台間装置300が接続されており、台間装置300には、遊技台200で遊技客が獲得した玉数を計数する各台計数装置20が接続されている。
【0030】
また、各台計数装置20には、図1に示した表示装置10が接続される。また、台間装置300は、島コントローラ400経由で、上位装置である管理装置500に接続されている。ここで、島コントローラ400は、たとえば、遊技島100ごとに設けられる中継装置である。
【0031】
また、管理装置500は、すべての島コントローラ400を束ねるコンピュータであり、台間装置300、各台計数装置20をはじめとする配下装置からの情報を収集して蓄積したり、各配下装置に対して開店指示、閉店指示といった指示や、各種設定値などを送信したりする処理を行う。
【0032】
なお、遊技台200は、島コントローラ400経由でホールコンピュータ600へ接続されており、ホールコンピュータ600では、遊技台200へ投入された玉数、各遊技台200が放出した玉数といった情報を遊技台200ごとに管理している。
【0033】
なお、本実施例では、台間装置300と、各台計数装置20とが独立した装置である場合について示しているが、計数機能を備えた各台対応装置を用いることとしてもよい。また、図2では、表示装置10が、各台計数装置20にのみ接続されており、各台計数装置20経由で取得した情報を表示する場合について示しているが、表示装置10を、台間装置300、管理装置500、ホールコンピュータ600といった他の装置と接続し、接続された装置から取得した情報を表示することとしてもよい。
【0034】
なお、以下では、図2に示した表示装置10および各台計数装置20についてさらに詳細に説明することとする。図3は、表示システム1に含まれる表示装置10および各台計数装置20の構成を示すブロック図である。
【0035】
同図に示すように、表示装置10は、通信I/F(インターフェース)11と、表示部12と、制御部13と、記憶部14とを備えている。また、制御部13は、設定部13aと、表示情報受付部13bと、計数情報表示指示部13cと、警告情報表示指示部13dとをさらに備えており、記憶部14は、設定情報14aを記憶する。なお、表示装置10は、各台計数装置20経由で表示情報を受信するものとする。
【0036】
また、各台計数装置20は、通信I/F(インターフェース)21と、制御部22と、計数部23とを備えており、制御部22は、計数情報送信部22aと、遊技台信号受信部22bと、警告判定部22cと、警告情報送信部22dとをさらに備えている。なお、各台計数装置20は、台間装置300経由で遊技台200が発した信号を受信するものとする。
【0037】
ここで、表示装置10の具体的な構成例について、図4〜図6を用いて説明しておく。図4は、表示装置10を構成する各部品を示す図である。なお、表示装置10は、表示部の両面(表面および裏面)に情報を表示するので、図4には、表面の表示に係る各部品と、裏面の表示に係る各部品とを示している。
【0038】
図4に示したように、基板41には、発光制御用の回路が設けられる他、LED(Light Emitting Diode)41aが、表示対象となる文字や記号のパターンに従って配列されている。ここで、基板41の両面に配列されるLED41aは、表面と裏面で同一内容を表示することができるように、基板41上の回路で接続されている。なお、同図に示す444aは、図1に示した警告表示エリア10bに対応する。
【0039】
たとえば、計数値表示エリア10a(図1参照)における表面に玉数を「100000玉」と表示する場合には、各文字に対応する位置に設けられたLED41aを発光させる。また、裏面の対応する位置に設けられたLED41aも同時に発光させることで、裏面にも「100000玉」と表示される。
【0040】
また、警告表示エリア10b(図1参照)における表面を、たとえば、「赤色の点滅」とする場合には、警告表示エリア10bの位置に対応した赤色のLED41aを発光させる。一方、裏面の対応する位置に設けられた赤色のLED41aも同時に発光させることで、裏面についても「赤色の点滅」とする。
【0041】
また、基板41には、同図に示したように、外部装置と接続するためのコネクタ41bも設けられる。なお、本実施例では、基板41の両面に、それぞれ発光ダイオードを配列する場合について示したが、基板41の両面に液晶画面を設けることとし、表示対象となる文字や記号のパターンに合致する位置を所定の色や点滅間隔で表示制御することとしてもよい。
【0042】
リフレクトケース(表)42には、基板41に配列されたLED41aからの光を透過したり反射したりする壁が設けられており、これによって所定の文字や数字を形作る。なお、同図に示す42aおよび42bは、パネル43に形成された文字を浮かび上がらせるための区画である。
【0043】
パネル(表)43は、透明素材で構成され、リフレクトケース(表)42からきた光を受け、同図に示す「箱」、「玉」という文字を浮かび上がらせる。たとえば、「箱」という文字を浮かび上がらせる場合には、リフレクトケース(表)42に示した42aに対応する位置のLED41aが発光することになる。この場合、リフレクトケース(表)42に示した42bに対応する位置のLED41aは発光しないように制御される。
【0044】
本体ケース(表)44は、基板41、リフレクトケース(表)42およびパネル(表)43を覆う外装部品であり、警告表示エリア10b(図1参照)の位置に対応したLED41aの光を透過する。なお、パネル(表)43をはめ込む位置は、空洞となっている。
【0045】
また、リフレクトケース(裏)45は、裏側からみた基板41におけるLED41aの配列にあわせ、警告表示エリア10b(図1参照)についてはリフレクトケース(表)42と左右を反転させ、計数値表示エリア10a(図1参照)についてはリフレクトケース(表)42と同様に、それぞれ上記した壁等の加工が施される。
【0046】
また、パネル(裏)46については、パネル(表)43と同様であり、本体ケース(裏)47については、本体ケース(表)43と左右を反転させて構成される。
【0047】
図5は、表示装置10の完成図である。同図に示すように、図4に示した各部品を組み立てることで、表示装置10が完成する。具体的には、同図に示したように、表面からみて、パネル(表)43、本体ケース(表)44、リフレクトケース(表)42、基板41、リフレクトケース(裏)45、本体ケース(裏)47、パネル(裏)46を、これらの順序で組み立てると、表面からみると51、裏面からみると52となる表示装置10が完成する。
【0048】
なお、図4および図5では、表示装置10の表示部に、0〜9の数字、箱、玉といった文字を表示する場合について示したが、所定のマークなどの記号を表示することとしてもよい。たとえば、玉箱を形取った玉箱マークを形成し、遊技客が獲得した玉箱の数に応じて点灯する玉箱マークの個数を変更することとしてもよい。
【0049】
また、遊技客が獲得した玉数を棒グラフ状にあらわし、1000玉以上、5000玉以上、10000玉以上といった各区分に応じて表示色を変更したり、大量出玉を示す文字や記号とともに表示したりすることとしてもよい。
【0050】
図6は、表示装置10の取付例を示す図である。図1に示したように、表示装置10は、可動部10cを有しており、表示部を任意の方向に固定することができる。これにより、同図の(A−1)に示したように、表示装置10を遊技島100の側面に取り付けることもできるし、表示装置10を遊技島100の上面に取り付けることもできる。したがって、各遊技店でそれぞれ異なる設置スペースの制約に対しても柔軟に対応することができる。
【0051】
また、同図の(B−1)には、表示装置10を上方から見た図を示している。同図の(B−1)に示したように、可動部10cは、(A−1)および(A−2)のように垂直方向のみならず、水平方向にも回転することができる。したがって、たとえば、同図の61に示したように、遊技島100の遊技台200が設けられた面と所定の角度をなす位置で固定したり、遊技台200が設けられた面と平行となる位置で固定して格納したりすることができる。
【0052】
これにより、遊技島100の遊技台200が設けられた面が、上方からみて曲面となっている場合や、遊技台200が遊技店の壁に沿って設置されている場合であっても、表示装置10の表示部を、他の遊技客から見やすい方向に調整することができる。
【0053】
図3の説明に戻り、表示装置10の各構成要素について説明する。通信I/F11は、外部装置との通信を行う通信デバイスであり、同図に示した場合では、各台計数装置20から受信した情報を制御部13へ渡す処理を行う。
【0054】
なお、本実施例では、表示装置10が各台計数装置20にのみ接続されている場合について説明するが、各台計数装置20以外の装置、たとえば、管理装置500やホールコンピュータ600といった上位装置と接続し、これらの上位装置と通信I/F11経由で通信することとしてもよい。
【0055】
表示部12は、図4や図5に示したように、両面に表示情報を表示できる表示デバイスである。なお、本実施例では、LED41aを発光させることで文字や記号を表示する場合について示すが、表示部12を、両面に液晶パネルを有する表示デバイスとして構成することとしてもよい。
【0056】
制御部13は、外部装置から受け取った設定情報14aを記憶部14へ格納するとともに、各台計数装置20から計数情報または警告情報を受け取った場合に、各情報を表示部12の所定のエリアへ表示する処理を行う処理部である。
【0057】
設定部13aは、表示装置10の設定に係る情報である設定情報14aを、各台計数装置20経由で受け取り、記憶部14へ記憶させる処理を行う処理部である。なお、設定情報14aは、たとえば、管理装置500が管理しており、表示装置10の新規導入時や、表示装置10の設定変更時に、各台計数装置20経由で表示装置10へ送信されるものとする。
【0058】
ここで、設定情報14aの内容としては、表示装置10が、計数値を玉数表示とするか、箱数表示とするかの表示単位、1箱あたりの遊技媒体数、計数値の大小に応じた発光演出のパターン、各台計数装置20から警告情報を受け取った場合における、警告種別に応じた表示色、点滅間隔などがある。
【0059】
たとえば、各台計数装置20から計数値が随時通知される場合、設定情報14aに、1箱が1500玉であり、箱数表示をする旨が定義されているとする。この場合、後述する計数情報表示指示部13cは、設定情報14aの定義に基づき、計数値が1500玉を超えるごとに箱数をカウントアップし、カウントアップした箱数を表示するように表示部12へ指示することになる。
【0060】
表示情報受付部13bは、各台計数装置20からの計数情報または警告情報を通信I/F11で受け取り、受け取った情報が計数情報である場合には、計数情報表示指示部13cへ、受け取った情報が警告情報である場合には、警告情報表示指示部13dへ、それぞれ振り分ける処理を行う処理部である。
【0061】
計数情報表示指示部13cは、表示情報受付部13bから受け取った計数情報を、記憶部14の設定情報14aに基づいて加工したうえで、加工後の情報を表示するように表示部12に対して指示する処理を行う処理部である。
【0062】
たとえば、計数情報表示指示部13cは、設定情報14aにおける定義に従い、箱数表示の場合に各台計数装置20から受け取った計数値を箱数へ変換したり、計数値に応じた演出パターン(点滅や発光色連続切替など)を決定したりしたうえで、表示部12へ表示内容の指示を行う。
【0063】
警告情報表示指示部13dは、表示情報受付部13bから受け取った警告情報を、記憶部14の設定情報14aに基づいて加工したうえで、加工後の情報を表示するように表示部12に対して指示する処理を行う処理部である。
【0064】
たとえば、警告情報表示指示部13dは、各台計数装置20から受け取った警告情報の種別に応じて設定情報14aに定義された警告表示エリア10b(図1参照)における発光色や点滅パターンを用いて表示内容を決定し、表示部12へ表示内容の指示を行う。
【0065】
記憶部14は、不揮発性メモリなどの記憶デバイスで構成される記憶部であり、設定情報14aを記憶する。設定情報14aは、計数値設定および警告設定を含んだ情報であり、表示装置10の導入時や表示装置10の設定変更時に更新される。
【0066】
ここで、計数値設定としては、計数値の表示方式(玉数または箱数)、1箱あたりの玉数(たとえば、1500玉)、計数値に応じた演出パターン(たとえば、点滅や発光色連続切替)などがある。また、警告設定としては、警告種別ごとの発光色や点滅などがある。
【0067】
次に、各台計数装置20の各構成要素について説明する。通信I/F(インターフェース)21は、外部装置との通信を行う通信デバイスであり、同図に示した場合では、台間装置300から受信した情報を制御部22へ渡す処理を行うとともに、制御部22からの計数情報および警告情報を表示装置10へ送信する処理を行う。
【0068】
計数情報送信部22aは、計数部23によって計数された計数値を通信I/F21経由で表示装置10へ送信する処理を行う処理部である。
【0069】
ここで、計数情報送信部22aは、計数部23の計数動作に連動して最新の計数値を随時受け取るととともに、受け取った最新の計数値を表示装置10へ送信する。また、台間装置300で持ち玉カード返却などの操作が行われた場合には、持ち玉カードが返却された旨を表示装置10へ送信する。
【0070】
なお、対応する遊技台200における累積計数値を表示装置10へ表示させる場合、厳密には、台間装置300に対する持ち玉の払い出し操作(計数された持ち玉で遊技する場合の払い出し操作)で減算された計数値を考慮する必要がある。
【0071】
たとえば、遊技客Aが4000玉を獲得し、持ち玉から1000玉を使って遊技したうえで遊技終了し、次の遊技客Bが1000玉を獲得してすぐに遊技終了した場合、遊技台200におけるトータルの出玉は、5000玉となる。
【0072】
この場合、各台計数装置20は、遊技客Aについての計数値を表示装置10へ随時送信しつつ(表示装置10の表示は4000玉まで増加)、払い出し操作による減算後の計数値についても随時送信することになる(表示装置10の表示は3000玉まで減少)。そして、遊技終了で持ち玉カードの返却が行われた場合には、その旨を表示装置10へ通知する。
【0073】
表示装置10で設定情報14aにおいて累積表示の設定がされている場合、持ち玉カードの返却が行われた旨の通知を受けると、表示を0玉へ変更することなく、表示を3000玉のままとする。
【0074】
つづいて、次の遊技客Bについての計数値が増加した場合には、遊技客Aの3000玉に加算して表示する。そして、遊技客Bについての計数値が1000玉となった場合には、表示を4000玉とし、遊技客Bが遊技終了して持ち玉カードが行われた旨の通知を受けても表示を4000玉のままとする。
【0075】
遊技台信号受信部22bは、遊技台200からの信号を台間装置300および通信I/F21経由で受け取り、受け取った信号を警告判定部22cへ通知する処理を行う処理部である。ここで、遊技台200からの信号としては、遊技台200が特賞(大当たり)に入ったことを示す特賞信号や、遊技台200が遊技客へ遊技媒体(パチンコ玉)を放出したことを示すセーフ信号などがある。
【0076】
警告判定部22cは、遊技台信号受信部22bから受け取った各種信号と、計数部23からの計数値とを対比することで、警告情報を表示装置10へ表示させるべきか否かの判定および警告種別の判定を行う処理部である。また、警告情報送信部22dは、警告判定部22が判定した警告種別を警告情報として通信I/F21経由で表示装置10へ送信する処理を行う処理部である。
【0077】
ここで、警告判定部22cおよび警告情報送信部22dが行う警告処理の手順について図7を用いて説明しておく。図7は、警告処理の手順を示す図である。なお、同図の(A)には、遊技台200の下皿に保持される遊技媒体があふれるおそれがある旨の「あふれ警告」について、同図の(B)には、遊技台200において不正行為のおそれがある旨の「不正警告」について、それぞれ示している。
【0078】
図7の(A)に示したように、遊技台200は、遊技台が特賞状態に入ると特賞信号を台間装置300へ送信する。また、台間装置300は、遊技台200から受信した特賞信号を各台計数装置20へ転送する。ここで、台間装置20の警告判定部22cは、特賞信号を受信したならば計時を開始し、特賞信号の受信時から所定時間以内に計数部23から計数値を受け取ったか否かを判定する。
【0079】
そして、特賞信号を受信して所定時間経過しても計数がない(計数部23から計数値を受け取らない)場合には(同図の(A−1)参照)、「あふれ警告」を行うべきであると判定する。つづいて、警告情報送信部22dは、あふれ警告を表示装置10へ向けて送信する(同図の(A−2)参照)。
【0080】
なお、特賞信号を受信して所定時間経過しても計数がない状況が発生する原因としては、計数部23の玉詰まりや故障、遊技客の操作ミスなどが考えられる。このように、あふれ警告を表示装置10へ表示させることで、かかる警告内容を遊技店の従業員へ報知することができる。なお、表示装置10側では、警告の表示開始時からの経過時間で、表示内容(色や点滅間隔など)を変更することとしてもよい。
【0081】
また、図7の(B)に示したように、遊技台200は、遊技媒体(パチンコ玉)を払い出すとセーフ信号を台間装置300へ送信する。また、台間装置300は、遊技台200から受信したセーフ信号を各台計数装置20へ転送する。ここで、台間装置20の警告判定部22cは、セーフ信号を受信したならばセーフ信号に基づく持ち玉数と、計数部23からの計数値とを対比する。
【0082】
そして、セーフ信号に基づく持ち玉数と、計数部23からの計数値との差分が所定の基準値を超過した場合には(同図の(B−1)参照)、「不正警告」を行うべきであると判定する。つづいて、警報情報送信部22dは、不正警告を表示装置10へ向けて送信する(同図の(B−2)参照)。
【0083】
なお、セーフ信号に基づく持ち玉数と計数部23による計数結果との差分が所定値を超過する状況が発生する主な原因としては、ゴト行為などの不正行為が考えられる。このように、不正警告を表示装置10へ表示させることで、かかる警告内容を遊技店の従業員へ報知することができる。なお、表示装置10側では、警告の表示開始時からの経過時間で、表示内容(色や点滅間隔など)を変更することとしてもよい。
【0084】
また、図7では、各台計数装置20で、あふれ警告および不正警告の判定を行う場合について示したが、かかる判定処理を表示装置10側で行わせることとしてもよい。この場合、表示装置10には、各台計数装置20経由で、特賞信号およびセーフ信号が通知されることになる。また、表示装置10の設定情報14aには、あふれ警告判定時に用いる所定時間や、不正警告判定に用いる所定値を設定することになる。
【0085】
図3の説明に戻り、計数部23について説明する。計数部23は、遊技台200が放出した遊技媒体を計数する処理を行うデバイスである。この計数部23は、遊技媒体の計数結果を示す計数値を、計数情報送信部22aおよび警告判定部22cへ通知する処理を併せて行う。
【0086】
次に、図3に示した表示装置10が実行する処理手順について図8を用いて説明する。図8は、表示装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。なお、図8に示した処理手順が実行される以前に、表示装置10の記憶部14には設定情報14aが外部装置経由で設定されているものとする。
【0087】
同図に示すように、表示情報受付部13bが計数情報または警告情報を受信すると(ステップS101)、受信した情報が計数情報であるか否かを判定する(ステップS102)。
【0088】
そして、受信した情報が計数情報である場合には(ステップS102,Yes)、つづいて、受信した情報が遊技終了通知であるか否かを判定する(ステップS103)。そして、受信した情報が遊技終了通知である場合には(ステップS103,Yes)、設定情報14aに累積表示設定がなされているか否かを判定する(ステップS104)。
【0089】
そして、累積表示設定がなされている場合には(ステップS104,Yes)、ステップS106へ進むことになる。一方、ステップS104の判定条件を満たさない場合、すなわち、累積表示設定がなされていない場合には(ステップS104,No)、表示値を0とする(ステップS105)。なお、ステップS103の判定条件を満たさない場合には(ステップS103,No)、ステップS104の処理を行うことなくステップS106へ進むことになる。
【0090】
つづいて、設定情報14aに玉数表示設定がなされているか否かを判定し(ステップS106)、玉数表示設定がなされている場合には(ステップS106,Yes)、計数表示エリア(計数値表示エリア10a)へ玉数で表示し(ステップS107)、処理を終了する。
【0091】
一方、ステップS106の判定条件を満たさない場合、すなわち、箱数表示設定がなされている場合には(ステップS106,No)、計数表示エリア(計数値表示エリア10a)へ箱数で表示し(ステップS108)、処理を終了する。
【0092】
ところで、ステップS102の判定条件を満たさなかった場合、すなわち、ステップS101で受信した情報が警告情報である場合には(ステップS102,No)、記憶部14の設定情報14aにおける表示条件に基づいて警告表示エリア(警告表示エリア10b)を点灯制御し(ステップS109)、処理を終了する。
【0093】
上述してきたように、本実施例では、基板に配列された発光素子を含んでおり、発光素子からの光を透過および/または反射させることで文字または記号を表示する表示部と、表示部に表示させる表示情報を各台計数装置から受け付ける表示情報受付部と、表示情報受付部が受け付けた表示情報に対して所定の加工を行ったうえで表示部へ表示指示する計数情報表示指示部および警告情報表示指示部と、遊技台が配列された遊技島の島端から視認可能な向きに表示部の取り付け向きを調整するための可動部を有する取付部とを備えるように表示装置を構成した。
【0094】
また、表示装置が接続される各台計数装置では、遊技台信号受信部が、遊技台からの特賞信号およびセーフ信号を受信し、警告判定部が計数部の計数値に基づいて警告の必要性および警告種別を判定し、警告情報部が、表示装置へ警告情報を送信するとともに、計数情報送信部が、計数部による計数値を表示装置へ計数情報として送信するように各台計数装置を構成した。
【0095】
したがって、本実施例に係る表示システムおよび表示装置によれば、各台計数方式を採用した場合に、各遊技台の出玉状況を他の遊技客に対してアピールすることができる。また、各台計数に係る警告情報を遊技点の従業員へ視認しやすい形で報知することができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
以上のように、本発明に係る各台装置及び遊技システムは、各台計数方式を採用した場合に、各遊技台の状況をアピールしたい場合に有用であり、特に、各台計数に係る計数値と併せて各台計数に係る警告を報知したい場合に適している。
【符号の説明】
【0097】
1 表示システム
10 表示装置
10a 計数値表示エリア
10b 警告表示エリア
10c 可動部
11 通信I/F(インターフェース)
12 表示部
13 制御部
13a 設定部
13b 表示情報受付部
13c 計数情報表示指示部
13d 警告情報表示指示部
14 記憶部
14a 設定情報
20 各台計数装置
21 通信I/F(インターフェース)
22 制御部
22a 計数情報送信部
22b 遊技台信号受信部
22c 警告判定部
22d 警告情報送信部
23 計数部
41 基板
41a LED
41b コネクタ
42 リフレクトケース(表)
43 パネル(表)
44 本体ケース(表)
45 リフレクトケース(裏)
46 パネル(裏)
47 本体ケース(裏)
200 遊技台
300 台間装置
400 島コントローラ
500 管理装置
600 ホールコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技台に対応して設けられる各台装置であって、
遊技台で獲得した遊技媒体を計数する計数手段と、
所定の表示を行う表示手段と、
前記表示手段の表示を制御する表示制御手段と
を備え、
前記表示制御手段は、
前記計数手段にて遊技媒体の計数が行われた旨を受け付けたときに、前記表示手段に計数に関する表示を行い、
前記計数手段にて遊技媒体の計数に関する異常を検出した旨を受け付けたときに、前記表示手段に当該異常に関する表示を行う
ことを特徴とする各台装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、
前記計数に関する表示および前記異常に関する表示を行う場合に、それぞれに応じた発光パターンにて前記表示手段に表示を行う
ことを特徴とする請求項1記載の各台装置。
【請求項3】
前記遊技台の払出信号に基づいて取得した遊技媒体の値と、前記計数手段にて計数した遊技媒体の値とに基づいて遊技媒体の計数に関する異常を検出する異常検出手段を更に備え、
前記異常検出手段は、前記遊技媒体の計数に関する異常を検出した場合に、前記表示制御手段に通知を行う
ことを特徴とする請求項1または2記載の各台装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の各台装置と、前記各台装置と接続され、遊技客が所持する記憶媒体を受け付けて遊技媒体の貸出処理を行う記憶媒体処理装置とからなる遊技システムであって、
前記表示制御手段は、前記記憶媒体処理装置にて前記記憶媒体の受け付けが解除された旨の通知を受けたことを条件として、前記表示手段における表示を変更する
ことを特徴とする遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−75238(P2013−75238A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−18421(P2013−18421)
【出願日】平成25年2月1日(2013.2.1)
【分割の表示】特願2008−235152(P2008−235152)の分割
【原出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】