説明

合成床版及び連続桁橋

【課題】コンクリートにひび割れが生じ難く且つ施工時間及び施工労力を低減できるとともに、部分的な取り換えが容易である合成床版を提供すること。
【解決手段】合成床版30は、底鋼板31と底鋼板31の上に打設したコンクリート38とを備え、連続桁橋1の主桁20の上に敷設されている。この合成床版30は、橋軸方向に敷設される複数の床版ブロック30Aで構成され、隣り合う床版ブロック30Aは、互いに連結しないように橋軸方向に隙間Y,Zを空けて敷設されるものである。また、各床版ブロック30Aは、現場に搬送する前にコンクリート38の打設が完了しているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主桁の上に敷設される鋼・コンクリートの合成床版及びこの合成床版を用いた連続桁橋に関し、特にコンクリートにひび割れが生じ難い合成床版及び連続桁橋に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼橋の床版は、主に鉄筋コンクリート床版(RC床版)、プレストレストコンクリート床版(PC床版)、合成床版に分けることができる。このうち、合成床版とは、底鋼板にずれ止めやスタッドジベル、補強材等を溶接し、鉄筋を配置してコンクリートを打設した床版である。この合成床版は、従来の鉄筋コンクリート床版に比して、高負荷に耐えることができて、長い床版支間に耐えることができる。
【0003】
ここで、合成床版の施工方法として、場所打ち方式とプレキャスト方式とがある。場所打ち方式は、現場で型枠を作製し、この型枠に鉄筋を配置してコンクリートを打設する方式である。しかし、この場所打ち方式では、現場でコンクリートを打設した後、コンクリートが固まるまで時間がかかるという欠点がある。この欠点を解消すべく、予め工場で継手部以外の部分についてコンクリートの打設までを行い、それを現場に搬送して架設し、現場で継手部についてコンクリートの打設を行うプレキャスト方式が採用されている。
【0004】
プレキャスト方式で施工される合成床版の継手構造は、例えば下記特許文献1に記載されている。下記特許文献1に記載された合成床版では、図5に示したように、左側の床版パネル130Lの底鋼板131と右側の床版パネル130Rの底鋼板131とが突き合わされ、各底鋼板131の端部に連結板132が重ね合わされている。そして、各底鋼板131の端部に形成されたボルト孔と連結板132に形成されたボルト孔にそれぞれ高力ボルト133が挿通され、ナット134が締め付けられる。その後、主鉄筋135や配力筋136が配置され、所定の厚さまでコンクリート138が打設される。こうして、合成床版130は橋軸方向に対して連続構造になり、合成床版130の施工が完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−225956号公報
【発明の概要】
【0006】
ところで、桁橋として、図6(a)に示したように、一本の主桁120を三個以上の支承(支点)111,112,113で支える連続桁橋101が多く採用されている。この連続桁橋101は、一本の主桁を二個の支承で支える単純桁橋に比して、走行車両等による振動や騒音の発生が少ないという利点がある。しかし、連続桁橋101の主桁120においては、主桁120等の自重及び走行車両等の重量に基づき、図6(b)に示したように、中間の支承112の付近で負の曲げモーメントが発生する。即ち、主桁120において中間の支承112の上方で、大きな引張力が作用する。そして、主桁120と合成床版とはスタッドでずれが生じないように連結されているため、橋軸方向の動きが連動する。このため、連続桁橋101に上記特許文献1の合成床版130を適用した場合には、合成床版130が主桁120の変形に追従して、図6(c)に示したように、コンクリート138において中間の支承112等、引張力が作用する範囲でひび割れSが生じることがあった。
【0007】
また、合成床版130の施工方式として、上述したようにプレキャスト方式が用いられているが、このプレキャスト方式は、現場でコンクリート138の打設を全く行わない完全なプレキャスト方式ではない。即ち、現場で継手部についてはコンクリート138の打設を行い、合成床版101を橋軸方向に一体化する必要があるため、施工時間及び施工労力がかかっていた。更に、上記特許文献1の合成床版130は橋軸方向に一体化しているため、上述したようにコンクリート138にひび割れSが生じた場合、合成床版130の部分的な取り換えが困難であった。
【0008】
本発明は、上記した課題を解決すべく、コンクリートにひび割れが生じ難く且つ施工時間及び施工労力を低減できるとともに、部分的な取り換えが容易である合成床版を提供すること、及びこの合成床版を用いた連続桁橋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る合成床版は、底鋼板とこの底鋼板の上に打設したコンクリートとを備え、桁橋の主桁の上に敷設されるものであって、橋軸方向に敷設される複数の床版ブロックで構成され、前記隣り合う床版ブロックは、互いに連結しないように橋軸方向に隙間を空けて敷設されるものであることに特徴がある。
【0010】
また、本発明に係る合成床版において、前記各床版ブロックは、前記底鋼板の橋軸方向の両端部に鉛直方向に延びる鉛直補強材が接合され、前記各鉛直補強材の上端部に水平方向に延びる水平補強材が接合されたものであることが好ましい。
また、本発明に係る合成床版において、前記各床版ブロックの橋軸方向の寸法は、1000〜3000mmであることが好ましい。
また、本発明に係る合成床版において、前記各床版ブロックは、現場に搬送する前にコンクリートの打設が完了しているものであることが好ましい。
【0011】
本発明に係る連続桁橋は、三個以上の支承で支えられる主桁と、底鋼板とこの底鋼板の上に打設したコンクリートとを有し前記主桁の上に敷設される合成床版と、この合成床版の上に施工される舗装と、を備えたものであって、前記合成床版は橋軸方向に敷設される複数の床版ブロックで構成され、前記隣り合う床版ブロックは、互いに連結しないように橋軸方向に隙間を空けて敷設されていることに特徴がある。
【0012】
また、本発明に係る連続桁橋において、前記各床版ブロックは、前記底鋼板の橋軸方向の両端部に鉛直方向に延びる鉛直補強材が接合され、前記各鉛直補強材の上端部に水平方向に延びる水平補強材が接合されていることが好ましい。
また、本発明に係る連続桁橋において、前記各床版ブロックの橋軸方向の寸法は、1000〜3000mmであることが好ましい。
また、本発明に係る連続桁橋において、前記隣り合う床版ブロックの水平補強材の上には、水平方向に延びていて前記舗装に作用する荷重を受けるための荷重受け板が設置されていることが好ましい。
また、本発明に係る連続桁橋において、前記隙間は、前記三個以上ある支承のうち中間の支承の上方に設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
よって、本発明の合成床版、及び連続桁橋によれば、隣り合う床版ブロックは互いに連結しないように橋軸方向に隙間を空けて敷設されるため、合成床版は橋軸方向に不連続構造である(一体化していない)。このため、主桁等の自重及び走行車両等の重量に基づき、主桁において中間の支承の上方で負の曲げモーメント(引張力)が発生しても、主桁の変形と合成床版の変形とが連動し難くなっている。即ち、主桁が変形しても、この変形による影響を上記した隙間が吸収することができる。従って、合成床版のコンクリートにおいて中間の支承の上方で、ひび割れを生じ難くすることができる。
また、合成床版は橋軸方向に不連続構造であるため、合成床版を施工するとき各床版ブロックを橋軸方向に隙間を空けて敷設するだけでよい。このため、現場でコンクリートの打設を全く行わない完全なプレキャスト方式によって、合成床版の施工が完了する。即ち、従来のプレキャスト方式のように、現場で合成床版の継手部を一体化してコンクリートの打設を行う必要がない。従って、合成床版を施工するときの施工時間及び施工労力を低減することができる。
更に、合成床版が橋軸方向に不連続構造となっているため、合成床版に破損(コンクリートのひび割れ等)が生じた場合、破損が生じた床版ブロックのみを取り換えればよい。このため、橋軸方向に連続構造となっている従来の合成床版に比して、取り換え作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態の合成床版を用いた連続桁橋の概略図である。
【図2】図1に示した合成床版の二つの床版ブロックと舗装の拡大図である。
【図3】図2のK−K線から見た平面図である。
【図4】本実施形態の変形実施形態における図1相当の概略図である。
【図5】従来の合成床版の継手部を示した図である。
【図6】(a)橋軸方向に連続構造である合成床版を用いた連続桁橋の概略図である。(b)主桁に作用する曲げモーメント図である。(c)合成床版のコンクリートにひび割れが生じたときの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係る合成床版、合成床版を用いた連続桁橋について図面を参照しながら以下に説明する。図1は、連続桁橋1の概略図である。連続桁橋1は、主桁20を三個以上の支点で支えるものである。連続桁橋1の橋脚11,12,13の上には、二本の主桁20(図3参照)が支承14,15,16(支点)を介して橋軸方向に沿って架け渡され、各主桁20の上には、合成床版30が敷設されている。ここで、橋軸方向は連続桁橋1の長手方向を意味していて、橋幅方向は橋軸方向と直交する方向を意味している。
【0016】
各主桁20は、連続桁橋1の上部構造を支持するものであり、橋幅方向に所定量離れている。また、各主桁20は、少ない材料(断面積)で十分な剛性(断面二次モーメント)を確保するために、断面がI字状であって、ウェブと上下のフランジとを有している。なお、主桁20の数及び形状は適宜変更可能である。合成床版30は、鋼とコンクリートとを組み合わせた床版であり、圧縮力に強く比較的安価なコンクリート材料を、引張力に強い鋼で補強したものである。合成床版30の上には、アスファルト等によって舗装40が施工されている。
【0017】
ところで、連続桁橋1の主桁20においては、主桁20等の自重及び走行車両の重量に基づき、中間の支点である支承15の上方で、負の曲げモーメントが発生する(図6(b)参照)。即ち、主桁20において支承15の上方で、大きな引張力が作用する。そして、従来においては、主桁20と合成床版との動きが連動して、合成床版が主桁20の変形に追従する。このため、引張力に弱い合成床版のコンクリートにおいて支承15の上方でひび割れが生じることがあった(図6(c)参照)。
【0018】
そこで、この実施形態においては、上記した問題に対処すべく、合成床版30が、橋軸方向に不連続構造となっている。この合成床版30の構成について、図2及び図3を用いて詳細に説明する。図2は、図1に示した合成床版30の二つの床版ブロック30Aと舗装40を示した拡大図である。図3は、図2のK−K線から見た平面図である。
【0019】
合成床版30は複数の床版ブロック30Aで構成されている。各床版ブロック30Aは、橋軸方向に敷設されていて、同一形状である。各床版ブロック30Aでは、図2及び図3に示したように、橋軸方向の寸法Vが1000〜3000mmになっていて、図3に示したように、橋幅方向の寸法Wが8000〜12000mmになっている。このため、各床版ブロック30Aは、橋軸方向の寸法が小さいものであり、車両で運び易く且つ現場で敷設し易い大きさのものである。なお、二本の主桁20において、その軸中心線の間の距離(床版支間)Xは、6000〜10000mmに設定されている。
【0020】
床版ブロック30Aは、底鋼板31と、この底鋼板31の橋軸方向の両端部から鉛直方向に延びる鉛直補強材32と、底鋼板31の橋幅方向の両端部から鉛直方向に延びる側鋼板33(図3参照)と、鉛直補強材32の上端部から水平方向に延びる水平補強材34とを有している。底鋼板31は、主桁20に対してスタッドを用いてずれがないよう連結されている。鉛直補強材32及び側鋼板33は、合成床版30の型枠として機能するものであって、合成床版30の剛性を高める鋼材である。水平補強材34は、走行車両等が舗装40に作用する荷重を受承し、この荷重を鉛直補強材32に伝達し易くするものである。この実施形態では、図2に示したように、底鋼板31の端部と鉛直補強材32と水平補強材34との断面が、I字状になっている。
【0021】
また、床版ブロック30Aは、図2に示したように、底鋼板31に溶接された補強リブ35と、この補強リブ35の上方に配置されていて橋軸方向に延びる配力筋36と、配力筋36の上方に配置されていて橋幅方向に延びる主鉄筋37とを有している。そして、図3に示したように、底鋼板31と鉛直補強材32と側鋼板33に囲まれた空間にコンクリート38が打設されている。このような床版ブロック30Aは、工場で製造されるものである。即ち、床版ブロック30Aは、現場に搬送する前にコンクリート38の打設が全て完了しているものである。
【0022】
製造された各床版ブロック30Aは、車両で現場に搬送されて、二本の主桁20の上に橋軸方向に敷設される。ここで、図2に示したように、隣り合う床版ブロック30Aの鉛直補強材32は、橋軸方向に15mmの隙間Yを空けて配置され、図2及び図3に示したように、隣り合う床版ブロック30Aの底鋼板31の端部及び水平補強材34の端部は、橋軸方向に5mmの隙間Zを空けて配置されていて、各床版ブロック30Aは互いに連結されることがない。こうして、合成床版30が橋軸方向に不連続構造となっていて、現場でコンクリートの打設を全く行わない完全なプレキャスト方式によって、合成床版30の施工が完了する。なお、各床版ブロック30Aは、主桁20に対してずれが生じないようにスタッドで連結される。
【0023】
また、この実施形態では、合成床版30の施工が完了した後に、隣り合う床版ブロック30Aの水平補強材34の上に荷重受け板41が設置されている。荷重受け板41は、隙間Y,Zの上方で舗装40に作用する荷重を受けて、その荷重を鉛直補強材32に的確に伝達するものである。この荷重受け板41によって、車両等が隙間Y,Zの上方で舗装40を通過するときに生じる振動を低減することができる。また、この荷重受け板41によって、舗装40が隙間Y,Zに浸入して下方に落ちることを防止できる。但し、この荷重受け板41を設置しなくても、隙間Y,Zが15mm,5mmと非常に小さいため、舗装40が隙間Y,Zから下方に落ちることはほとんどない。なお、荷重受け板41は、隣り合う床版ブロック30Aを連結するためのものではない。荷重受け板41が設置された後、合成床版30の上に舗装40が施工される。
【0024】
ところで、上述したように、隣り合う床版ブロック30Aは、橋軸方向に隙間Y,Zを空けて敷設されているため、車両等が舗装40を橋軸方向に走行するときに、床版ブロック30Aの橋軸方向の両端部に応力が集中し易い。そこで、水平補強材34及び鉛直補強材32がこの応力集中に耐えることができるようになっている。ここで、舗装40に作用する荷重の大部分は、水平補強材34、鉛直補強材32、コンクリート38によって受承されるようになっている。また、設計解析上、側鋼板33が上記した荷重を受承する構造ではなく、型枠として機能する。
【0025】
この実施形態の合成床版30及び合成床版30を用いた連続桁橋1の作用及び効果について説明する。
上述したように、隣り合う床版ブロック30Aは互いに連結しないように橋軸方向に隙間Y,Zを空けて敷設されるため、合成床版30は橋軸方向に不連続構造である(一体化していない)。このため、主桁20等の自重及び走行車両等の重量に基づき、主桁20において支承15の上方で負の曲げモーメント(引張力)が発生しても、主桁20の変形と合成床版30の変形とが連動し難くなっている。即ち、主桁20が変形しても、この変形による影響を隙間Y,Zが吸収することができる。従って、合成床版30のコンクリート38において支承15の上方で、ひび割れを生じ難くすることができる。
特に、主桁20において中間の支承15の上方で負の曲げモーメントが最も大きくなるため(図6(a)(b)参照)、この実施形態では、支承15の上方に隙間Y,Zが設けられている。即ち、従来の合成床版のコンクリートにおいて最もひび割れが生じやすい位置に隙間Y,Zが設けられている。このため、コンクリート38にひび割れが生じる可能性を最も低くすることができる。
【0026】
また、この実施形態の合成床版30は床版ブロック30A毎に分割されたものであり、各床版ブロック30Aの橋軸方向の寸法Vが1000〜3000mmになっている。一方、従来の合成床版は橋軸方向に一体化したものであり、従来の合成床版の橋軸方向の寸法は上記した寸法Vより十分大きい。このため、主桁20が活荷重(舗装40を走行する車両の荷重)や温度荷重(熱応力に基づく荷重)によって変形したとき、従来の合成床版では、上記した主桁の変形による悪影響が合成床版全体に及ぶことになるが、この実施形態の合成床版30では、上記した主桁の変形による悪影響を各床版ブロック30Aで分散することができる。従って、この実施形態の合成床版30は、従来の合成床版に比して設計上安全な合成床版である。
【0027】
ところで、鋼橋の架け替え理由の三分の二は床版の破損(コンクリート38のひび割れ等)と言われている。従来では、合成床版に破損が生じた場合、合成床版が連続構造であるため、合成床版全体を取り換える必要があり、取り換え作業が困難であった。しかし、この実施形態の合成床版30によれば、合成床版30に破損が生じた場合、破損が生じた床版ブロック30Aのみを取り換えればよく、取り替え作業を容易にすることができる。
【0028】
また、この実施形態では、合成床版30を施工するとき各床版ブロック30Aを橋軸方向に敷設するだけでよく、現場でコンクリートの打設を全く行わない完全なプレキャスト方式によって、合成床版30の施工が完了する。即ち、従来のプレキャスト方式のように、現場で合成床版の継手部を一体化してコンクリートの打設を行う必要がない。従って、合成床版30を施工するときの施工時間及び施工労力を低減することができ、連続桁橋1の建設コストを低減することができる。
【0029】
以上、本発明に係る合成床版30及び連続桁橋1について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態において、支承15の上方に隙間Y,Zを設けたが、隙間Y,Zの位置は適宜変更可能であり、例えば図4に示したように隙間を設けても良い。
また、本実施形態において、床版ブロック30Aは水平補強材34を有しているが、この水平補強材34に換えて、コンクリート38の上部全体を覆う蓋部材を有していても良い。
【0030】
また、本実施形態において、床版ブロック30Aの橋軸方向の寸法V(1000〜3000mm)、床版ブロック30Aの橋幅方向の寸法W(8000〜12000mm)、隙間Y,Zの寸法(15mm,5mm)は、上記した数値に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
また、本実施形態において、床版ブロック30Aは全て同一形状であるが、床版ブロックが全て同一形状である必要はない。このため、隣り合う床版ブロックの形状が異なっていても良く、隣り合う床版ブロックの間に隙間が形成されていれば良い。
また、本実施形態において、水平補強材34の上に荷重受け板41を設置したが、鉛直補強材32及び水平補強材34が舗装40に作用する荷重を的確に受承できる場合には、荷重受け板41を設置しなくても良い。
また、本実施形態では主桁20が連続桁の橋梁である場合について説明したが、本実施形態は主桁20が単純桁にも適用することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 連続桁橋
11,12,13 橋脚
14,15,16 支承
20 主桁
30 合成床版
30A 床版ブロック
31 底鋼板
32 鉛直補強材
33 側鋼板
34 水平補強材
35 補強リブ
36 配力筋
37 主鉄筋
38 コンクリート
40 舗装
41 荷重受け板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底鋼板とこの底鋼板の上に打設したコンクリートとを備え、桁橋の主桁の上に敷設される合成床版において、
橋軸方向に敷設される複数の床版ブロックで構成され、
前記隣り合う床版ブロックは、互いに連結しないように橋軸方向に隙間を空けて敷設されるものであることを特徴とする合成床版。
【請求項2】
請求項1に記載する合成床版において、
前記各床版ブロックは、前記底鋼板の橋軸方向の両端部に鉛直方向に延びる鉛直補強材が接合され、前記各鉛直補強材の上端部に水平方向に延びる水平補強材が接合されたものであることを特徴とする合成床版。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する合成床版において、
前記各床版ブロックの橋軸方向の寸法は、1000〜3000mmであることを特徴とする合成床版。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載する合成床版において、
前記各床版ブロックは、現場に搬送する前にコンクリートの打設が完了しているものであることを特徴とする合成床版。
【請求項5】
三個以上の支承で支えられる主桁と、底鋼板とこの底鋼板の上に打設したコンクリートとを有し前記主桁の上に敷設される合成床版と、この合成床版の上に施工される舗装と、を備えた連続桁橋において、
前記合成床版は橋軸方向に敷設される複数の床版ブロックで構成され、
前記隣り合う床版ブロックは、互いに連結しないように橋軸方向に隙間を空けて敷設されていることを特徴とする連続桁橋。
【請求項6】
請求項5に記載する連続桁橋において、
前記各床版ブロックは、前記底鋼板の橋軸方向の両端部に鉛直方向に延びる鉛直補強材が接合され、前記各鉛直補強材の上端部に水平方向に延びる水平補強材が接合されていることを特徴とする連続桁橋。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載する連続桁橋において、
前記各床版ブロックの橋軸方向の寸法は、1000〜3000mmであることを特徴とする連続桁橋。
【請求項8】
請求項5乃至請求項7の何れかに記載する連続桁橋において、
前記隣り合う床版ブロックの水平補強材の上には、水平方向に延びていて前記舗装に作用する荷重を受けるための荷重受け板が設置されていることを特徴とする連続桁橋。
【請求項9】
請求項5乃至請求項8の何れかに記載する連続桁橋において、
前記隙間は、前記三個以上ある支承のうち中間の支承の上方に設けられていることを特徴とする連続桁橋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−82598(P2012−82598A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228479(P2010−228479)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(000004617)日本車輌製造株式会社 (722)
【Fターム(参考)】