説明

合成床版橋

【課題】T形鋼1のウエブ1bの高さは、橋の位置よって変化するものであり、例えば橋の頂上部と端部とではその高さが75cm異なるので、充填する発泡樹脂板を現場において所定の寸法に切断する必要があり、その作業に手間と時間が掛かっていた。まして、T形鋼間と底鋼板とで形成された空間部にほとんど隙間なく発泡樹脂板が充填されているものであり、つまりは発泡樹脂板の量が多いので、T形鋼1のウエブ1bの高さに合わせて該発泡樹脂板を現場において切断する作業は大変な手間と時間が掛かるものであった。
【解決手段】本発明は、現場において発泡樹脂板の一部のみを切断することでT形鋼1のウエブ1bの高さが変化しても、従来より遙かに手間と時間が掛かることなく、しかも簡単な作業で対応できる。その上、従来よりも発泡樹脂板の量を減らすことが出来たので、軽量化と経済的に優れた合成床版橋である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成床版橋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の合成床版橋としては、例えば特許文献1に記載されているものがある。
【0003】
特許文献1の合成床版橋は、第7図に示すように上部フランジを有するT形鋼を所要間隔に並列配置し、この各T形鋼のウエブの下端面間にわたって底鋼板を溶接し、T形鋼1のウエブ1bの高さ1/2から1/3程度の高さを有するよう台形波状に折曲げ形成した下配力鉄筋4の各上方水平部4aを、各T形鋼1の上部フランジ1aの上面に直交載置し、かつ隣接して配設された前記各下配力鉄筋4の終端下方水平部4bと始端下方水平部4bとを重ね継手接合し、前記底鋼板2の上面から下配力鉄筋4の各下方水平部4bの若干下方位置までに発泡樹脂板6を充填し、この発泡樹脂板6の上面から前記上配力鉄筋3の若干上方位置までコンクリート5を打設して、合成床版橋を構成する記載がされている。
【0004】
【特許文献1】実公平07−39927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、T形鋼1のウエブ1bの高さは、橋の位置よって変化するものであり、例えば橋の頂上部と端部とではその高さが75cm異なるので、充填する発泡樹脂板を現場において所定の寸法に切断する必要があり、その作業に手間と時間が掛かっていた。まして、T形鋼間と底鋼板とで形成された空間部7にほとんど隙間なく発泡樹脂板が充填されているものであり、つまりは発泡樹脂板の量が多いので、T形鋼1のウエブ1bの高さに合わせて該発泡樹脂板を切断する作業は大変な手間と時間が掛かるものであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、現場において発泡樹脂板の一部のみを切断することでT形鋼1のウエブ1bの高さが変化しても、従来より遙かに手間と時間が掛かることなく対応できる。その上、従来よりも発泡樹脂板の量を減らすことが出来たので、軽量化と経済的に優れた合成床版橋である。
【0007】
すなわち、本発明の合成床版橋は、上部フランジを有するT形鋼を所要間隔に並列配置し、この各T形鋼のウエブの下端面間にわたって底鋼板を溶接し、かつT形鋼のウエブの高さの1/2から1/3程度の高さを有するよう折曲げ形成した下配力鉄筋の各上方水平部を、各T形鋼の上部フランジ上面に直交載置し、各T形鋼の上部フランジ上面よりも若干上方位置に、各T形鋼と直交して上配力鉄筋を配設し、前記底鋼板の上面から下配力鉄筋の各下方水平部の若干下方位置までに、発泡樹脂板を充填し、前記下配力鉄筋の各下方水平部の若干下方位置から前記上配力鉄筋の若干上方位置までコンクリートを打設して成る合成床版橋であって、発泡樹脂板の充填構造は、コンクリート打設時にコンクリートが発泡樹脂板よりも下方へ流出しないようにするとともに、該コンクリートを支持する支持部材と、該支持部材とコンクリートとを支持するとともに、切断可能な脚部材とを有するものであり、該支持部材は、脚部材の上に位置し、少なくともコンクリートと接触する面が連続するとともにT形鋼と密着し、該脚部材は、少なくとも一対で用いられ、かつそれら脚部材は底鋼板上でT形鋼と密着し、それら脚部材間に空間部7を有するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の合成床版橋によれば、T形鋼のウエブの高さが変化しても、従来より遙かに手間と時間が掛かることなく対応できる。その上、従来よりも発泡樹脂板の量を減らすことが出来たので、軽量化と経済的に優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づき詳細に説明する。
【0010】
第1図は本発明の第1実施例における合成床版橋の横断面図、第2図は第1図のA−A断面図、第3図は第7図のB−B断面図、第4図は本発明の第2実施例における合成床版橋の横断面、第5図は本発明の第3実施例における合成床版橋の横断面、第6図は本発明の第4実施例における合成床版橋の横断面である。
【0011】
第1図乃至第3図に示すものは、本発明の第1実施例であって、上部フランジ1aを有するT形鋼1を所要間隔に並列配置し、この各T形鋼1のウエブ1bの下端面間にわたって底鋼板2を溶接し、各T形鋼1の上部フランジ1aの上面よりも若干上方位置に、各T形鋼1と直交して上配力鉄筋3を配設する。前記T形鋼1のウエブ1bの高さの1/2から1/3程度の高さを有するよう台形波状に折曲げ形成した下配力鉄筋4の各上方水平部4aを、各突起付T形鋼1の上部フランジ1aの上面に直交載置し、かつ隣接して配設された前記各下配力鉄筋4の終端下方水平部4bと始端下方水平部4bとを重ね継手接合し、前記底鋼板2の上面から下配力鉄筋4の各下方水平部4bの若干下方位置までに、密度が16kg/m以下(好ましくは12kg/m以下)の非常に軽い発泡樹脂板6を充填し、この発泡樹脂板6の上面から前記上配力鉄筋3の若干上方位置までコンクリート5を打設して合成床版橋を構成する。
【0012】
第1図に示すように発泡樹脂板6は、脚部材の6a及び6eと、支持部材の6b及び6c及び6dとから構成されており、その発泡樹脂板6の充填構造は、該支持部材が脚部材の上に位置し、かつ少なくともコンクリートと接触する面が連続するとともにT形鋼と密着し、該脚部材は、少なくとも一対用いられ、かつそれら脚部材は底鋼板上でT形鋼と密着し、それら脚部材間に空間部7を有するものである。
【0013】
本発明の脚部材6a及び脚部材6eとは、支持部材の6b,6c,6dと、その上に打設するコンクリートとを支持するとともに、必要に応じて切断可能な部材である。該脚部材は、少なくとも一対用い、かつそれら脚部材は底鋼板上でT形鋼と密着して充填されるものであり、それら脚部材間には空間部7が形成されている。具体的には、図1に示すように脚部材6aと脚部材6bとを一対として用い、それら脚部材を底鋼板2上でT形鋼に密着するように充填されるものであり、脚部材6aと脚部材6bとの間には空間部7が形成されている。尚、同形状の脚部材を用いることで、支持部材やその上のコンクリートを支持し易くなる。
【0014】
また、例えばT形鋼1のウエブ1bの高さが短くなった場合には、脚部材の下部を該ウエブ1bの高さに合わせて切断するだけで対応できるので、従来のようにT形鋼間と底鋼板とで形成された空間に隙間なく充填されていた発泡樹脂板の下部全体を切断するような手間と時間が掛からない。
【0015】
また、図示しないが底鋼板は、長さ方向或いは幅方向において複数連結するものであり、その際に別部材の連結板を底鋼板同士が所定位置よりずれないよう底鋼板上に固定する。その連結板は、T形鋼間の略中央の位置であって底鋼板上に形成されるので、従来のようにT形鋼間と底鋼板とで形成された空間に隙間なく発泡樹脂板を充填する場合、その連結板が底鋼板上に突出しているので、その突出部を計算して該発泡樹脂板を切断する必要があったが、実施例1のように脚部材6aと脚部材6eとの間(T形鋼間の略中央部の位置であって底鋼板上)に空間部7を有する構造であるので、そのような手間を省くことが可能である。また、該空間部7を有することにより、従来よりも発泡樹脂板の使用量を削減できたので、軽量化と経済性に優れた合成床版橋を提供することができる。
【0016】
同様に、図示しないがT形鋼も長さ方向において複数連結するものであり、その際に別部材の連結板をT形鋼同士が所定位置よりずれないようT形鋼上に固定する。この際には、必要に応じて発泡樹脂板を切断して対応できる。
【0017】
本発明の支持部材の6b,6c,6dは、コンクリート5を支持する部材であるとともに、コンクリート5の打設時にコンクリートが下方へ流出しない構造が採用されている。具体的には、T形鋼と6b(及び6d)とが隙間なく密着されるので、T形鋼と支持部材6b(及び6d)との間からコンクリートが流出するのを防止できる。さらに、6b(及び6d)と6cとの表面(コンクリートと接触する面)が連続しているので、6b(及び6d)と6cとの間からコンクリートが流出するのを防止できる。その結果、前記空間部7等に余分なコンクリートが流出するのを防止できるので、合成床版橋の軽量化を維持できる。
【0018】
また、本発明の支持部材は、施工性の観点から複数の部材からなるものが好ましいが、コンクリートを支持できることと、コンクリートが支持部材よりも下方へ流出するのを防止できるものであれば、一つの部材からなるものであってもよい。
【0019】
第4図に示すものは、本発明の第2実施例であって、発泡樹脂板の充填構造以外は実施例1と同様の合成床版橋を構成するものである。
【0020】
第4図に示すように発泡樹脂板6は、脚部材の6f及び6jと、支持部材の6g及び6h及び6iとから構成されており、その発泡樹脂板6の充填構造は、該支持部材が脚部材の上に位置し、かつ少なくともコンクリートと接触する面が連続するとともにT形鋼と密着し、該脚部材は、少なくとも一対用いられ、かつそれら脚部材は底鋼板上でT形鋼と密着し、それら脚部材間に空間部7を有するものである。
【0021】
本発明の脚部材6fび脚部材6jとは、支持部材の6g及び6h及び6iと、その上に打設するコンクリートとを支持するとともに、必要に応じて切断可能な部材である。該脚部材は、脚部材を少なくとも一対用いるものであり、かつそれら脚部材は底鋼板上でT形鋼と密着して充填されるものであり、それら脚部材間に空間部7が形成されている。具体的には、図4に示すように脚部材6fと脚部材6jとを一対とし、それら脚部材を底鋼板2上でT形鋼に密着するように充填され、脚部材6aと脚部材6bとの間には空間部7が形成されている。尚、同形状の脚部材を用いることで、支持部材やその上のコンクリートを支持し易くなる。
【0022】
また、例えばT形鋼1のウエブ1bの高さが短くなった場合には、脚部材の下部を該ウエブ1bの高さに合わせて切断するだけで対応できるので、従来のようにT形鋼間と底鋼板とで形成された空間に隙間なく充填されていた発泡樹脂板の下部全体を切断するような手間と時間が掛からない。
【0023】
また、図示しないが例えば底鋼板は、長さ方向或いは幅方向において複数連結されるものであり、その際に別部材の連結板を底鋼板が所定位置よりずれないように底鋼板上に固定する。その連結板は、T形鋼間との略中央の位置であって底鋼板上に形成されるので、従来のようにT形鋼間と底鋼板とで形成された空間に隙間なく発泡樹脂板を充填する場合、その連結板が底鋼板上に突出しているので、その突出部を計算して該発泡樹脂板を切断する必要があったが、実施例2のように脚部材6fと脚部材6jとの間(T形鋼間の略中央部の位置であって底鋼板上)に空間部7を有する構造であるので、そのような手間を省くことが可能である。また、該空間部7を有することにより、従来よりも発泡樹脂板の使用量を削減できたので、軽量化と経済性に優れた合成床版橋を提供することができる。
【0024】
本発明の支持部材の6g,6h,6iは、コンクリート5を支持する部材であるとともに、コンクリート5の打設時にコンクリートが下方へ流出しない構造が採用されている。具体的にはT形鋼と6g(及び6i)とが隙間なく充填されているので、T形鋼と支持部材6g(及び6i)との間からコンクリートが流出するのを防ぐことができる。さらに、6g(及び6i)と6hとの表面(コンクリートと接触する面)が連続しているので、6g(及び6i)と6cとの間からコンクリートが流出するの防ぐことができる。その結果、合成床版橋の軽量化を維持することができる。
【0025】
第5図に示すものは、本発明の第3実施例であって、発泡樹脂板の充填構造以外は実施例1と同様の合成床版橋を構成するものである。
【0026】
第5図に示すように発泡樹脂板6は、脚部材の6k,6l,6p,6qと、支持部材の6m,6n,6oとから構成されており、発泡樹脂板6の充填構造は、該支持部材が脚部材の上に位置し、かつ少なくともコンクリートと接触する面が連続するとともにT形鋼と密着するものであり、該脚部材は、脚部材を少なくとも一対用い、かつそれら脚部材は底鋼板上でT形鋼と密着するものであり、それら脚部材間に空間部7を有するものである。
【0027】
本発明の脚部材6k(及び6l)と脚部材6p(及び6q)とは、支持部材の6m,6n,6oと、その上に打設するコンクリートとを支持するとともに、必要に応じて切断可能な部材である。該脚部材は、少なくとも一対用いるものであり、かつそれら脚部材は底鋼板上でT形鋼と密着するように充填されるものであり、該脚部材間に空間部7が形成されている。具体的には、図5に示すように脚部材6k(及び6l)と脚部材6p(及び6q)とを一対として用い、それら脚部材を底鋼板2上でT形鋼に密着するように充填され、脚部材6k(及び6l)と脚部材6p(及び6q)との間には空間部7が形成されている。尚、同形状の脚部材を用いることで、支持部材やその上のコンクリートを支持し易くなる。
【0028】
また、例えばT形鋼1のウエブ1bの高さが短くなった場合には、その脚部材の下部を該ウエブ1bの高さに合わせて切断するだけで対応できるので、T形鋼間と底鋼板とで形成された空間に隙間なく充填されていた発泡樹脂板の下部全体を切断するような手間と時間が掛からない。
【0029】
また、図示しないが例えば底鋼板は、長さ方向或いは幅方向において複数連結されるものであり、その際に別部材の連結板を底鋼板が所定位置よりずれないように底鋼板上に固定する。その連結板は、T形鋼間との略中央の位置であって底鋼板上に形成されるので、従来のようにT形鋼間と底鋼板とで形成された空間に隙間なく発泡樹脂板を充填する場合、その連結板が底鋼板上に突出しているので、その突出部を計算して該発泡樹脂板を切断する必要があったが、実施例3のように脚部材6k(及び6l)と脚部材6p(及び6q)との間に空間部7を有する構造であれば、そのような手間を省くことが可能である。また、該空間部7を有することにより、従来よりも発泡樹脂板の量を削減できたので、軽量化と経済性に優れた合成床版橋を提供することができる。
【0030】
本発明の支持部材の6m,6n,6oは、コンクリート5を支持する部材であるとともに、コンクリート5の打設時にコンクリートが下方へ流出しない構造が採用されている。具体的にはT形鋼と6m(及び6o)とが隙間なく充填されているので、支持部材6m(及び6o)とT形鋼との間からコンクリートが流出するのを防ぐことができる。また、6m(及び6o)と6nとの表面(コンクリートと接触する面)が連続しているので、6m(及び6o)と6nとの間からコンクリートが流出するの防ぐことができる。その結果、合成床版橋の軽量化を維持することができる。
【0031】
第6図に示すものは、本発明の第4実施例であって、発泡樹脂板の充填構造以外は実施例1と同様の合成床版橋を構成するものである。
【0032】
第6図に示すように発泡樹脂板6は、脚部材の6r,6vと、支持部材の6s,6t,6uとから構成されており、発泡樹脂板6の充填構造は、該支持部材が脚部材の上に位置し、かつ少なくともコンクリートと接触する面が連続するとともにT形鋼と密着するものであり、該脚部材は、脚部材を少なくとも一対用い、かつそれら脚部材は底鋼板上でT形鋼と密着するものであり、それら脚部材間に空間部7を有するものである。
【0033】
本発明の脚部材6rと脚部材6vとは、支持部材の6s,6t,6uと、その上に打設するコンクリートとを支持するとともに、必要に応じて切断可能な部材である。該脚部材は、少なくとも一対用いるものであり、かつそれら脚部材は底鋼板上でT形鋼と密着するように充填されるものであり、該脚部材間に空間部7が形成されている。具体的には、図6に示すように脚部材6rと脚部材6vとを一対として用い、それら脚部材を底鋼板2上でT形鋼に密着するように充填され、脚部材6rと脚部材6vとの間には空間部7が形成されている。尚、同形状の脚部材を用いることで、支持部材やその上のコンクリートを支持し易くなる。
【0034】
また、例えばT形鋼1のウエブ1bの高さが短くなった場合には、その脚部材の下部を該ウエブ1bの高さに合わせて切断するだけで対応できるので、T形鋼間と底鋼板とで形成された空間に隙間なく充填されていた発泡樹脂板の下部全体を切断するような手間と時間が掛からない。
【0035】
また、図示しないが例えば底鋼板は、長さ方向或いは幅方向において複数連結されるものであり、その際に別部材の連結板を底鋼板が所定位置よりずれないように底鋼板上に固定する。その連結板は、T形鋼間との略中央の位置であって底鋼板上に形成されるので、従来のようにT形鋼間と底鋼板とで形成された空間に隙間なく発泡樹脂板を充填する場合、その連結板が底鋼板上に突出しているので、その突出部を計算して該発泡樹脂板を切断する必要があったが、実施例4のように脚部材6rと脚部材6vとの間に空間部7を有する構造であれば、そのような手間を省くことが可能である。また、該空間部7を有することにより、従来よりも発泡樹脂板の量を削減できたので、軽量化と経済性に優れた合成床版橋を提供することができる。
【0036】
本発明の支持部材の6s,6t,6uは、コンクリート5を支持する部材であるとともに、コンクリート5の打設時にコンクリートが下方へ流出しない構造が採用されている。具体的にはT形鋼と6s(及び6u)とが隙間なく充填されているので、支持部材6s(及び6u)とT形鋼との間からコンクリートが流出するのを防ぐことができる。また、6s(及び6u)と6tとの表面(コンクリートと接触する面)が連続しているので、6s(及び6u)と6tとの間からコンクリートが流出するの防ぐことができる。その結果、合成床版橋の軽量化を維持することができる。
【0037】
なお、前記下配力鉄筋4として、所要長さの連続台形波状に折曲げ形成したものを用いてもよいが、折曲げ形成加工上、少なくとも二山の台形波状に折曲げ形成したものを用いた方が好ましい。
【0038】
また下配力鉄筋4相互の重ね継手接合手段としては、特に下方水平部4b相互の重ね継手接合の場合、鉄筋副木と共に、ワイヤーにて結束してもよい。
【0039】
さらに、前記上配力鉄筋3、下配力鉄筋4を、それぞれ異形鉄筋としてもよい。
【0040】
また、前記コンクリート5を、膨張コンクリートとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施例を示す合成床版橋の横断面図。
【図2】本発明の第1図のA−A断面図。
【図3】本発明の第1図のB−B断面図。
【図4】本発明の第2実施例を示す合成床版橋の横断面図。
【図5】本発明の第3実施例を示す合成床版橋の横断面図。
【図6】本発明の第4実施例を示す合成床版橋の横断面図。
【図7】従来の合成床版橋の横断面図。
【符号の説明】
【0042】
1 T形鋼
1a 上部フランジ
1b ウエブ
2 底鋼板
3 上配力鉄筋
4 下配力鉄筋
4a 上方水平部
4b 下方水平部
5 コンクリート
6 発泡樹脂板
6a,6e,6f,6j,6k,6l,6p,6q,6r,6v 脚部材
6b,6c,6d,6g,6h,6i,6m,6n,6o,6s,6t,6u 支持部材
7 空間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部フランジを有するT形鋼を所要間隔に並列配置し、この各T形鋼のウエブの下端面間にわたって底鋼板を溶接し、かつT形鋼のウエブの高さの1/2から1/3程度の高さを有するよう折曲げ形成した下配力鉄筋の各上方水平部を、各T形鋼の上部フランジ上面に直交載置し、各T形鋼の上部フランジ上面よりも若干上方位置に、各T形鋼と直交して上配力鉄筋を配設し、前記底鋼板の上面から下配力鉄筋の各下方水平部の若干下方位置までに、発泡樹脂板を充填し、前記下配力鉄筋の各下方水平部の若干下方位置から前記上配力鉄筋の若干上方位置までコンクリートを打設して成る合成床版橋であって、
発泡樹脂板の充填構造は、コンクリート打設時にコンクリートが発泡樹脂板よりも下方へ流出しないようにするとともに、該コンクリートを支持する支持部材と、該支持部材とコンクリートとを支持するとともに、切断可能な脚部材とを有するものであり、該支持部材は、脚部材の上に位置し、少なくともコンクリートと接触する面が連続するとともにT形鋼と密着し、該脚部材は、少なくとも一対で用いられ、かつそれら脚部材は底鋼板上でT形鋼と密着し、それら脚部材間に空間部を有することを特徴とする合成床版橋。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−316557(P2006−316557A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−142054(P2005−142054)
【出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(000000077)アキレス株式会社 (402)
【Fターム(参考)】