説明

商品陳列用仕切板

【課題】各種商品を効率よく陳列販売することができる平型冷凍ショーケース用の商品陳列用仕切板を提供する。
【解決手段】商品陳列部2内に箱形仕切板11、板状仕切板12及び中間仕切板13の3種の仕切板を組み合わせて配置する。大きさが比較的小さいアイスクリームを陳列販売する場合は、下から板状仕切板12、中間仕切板13、箱形仕切板11の順に配置する。大きさが比較的大きく不揃いな冷凍食品を陳列販売する場合には、下から箱形仕切板11、中間仕切板13、板状仕切板12の順に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品陳列用仕切板に関し、詳しくは、四周が断熱壁に囲まれて上方が開口した商品陳列部を有する平型冷凍ショーケースに設置される商品陳列用仕切板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の食品売場では、アイスクリームや冷凍食品を陳列販売するために平型冷凍ショーケースが用いられている。このような平型冷凍ショーケースでは、陳列した商品の見易さや手に取り易さを考慮して、商品を上方にセットすることが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−116473号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的に、平型冷凍ショーケースをアイスクリーム販売用に使用する場合は、アイスクリームの大きさが比較的小さいため、ワイヤーを組んで箱形に形成した籠を上下二段に使用し、上段の籠をアイススクリーム販売用に、下段の籠を補充用アイスクリームの保管用として用いるようにしている。また、平型冷凍ショーケースを冷凍食品販売用に使用する場合は、冷凍食品の大きさが比較的大きく、不揃いであるため、前述のような籠を使用することができず、前記特許文献1に記載されているように、補助陳列棚を適宜セットするようにしていた。
【0004】
そこで本発明は、一つの平型冷凍ショーケースをアイスクリーム販売用及び冷凍食品販売用の両方に任意に選択使用することができ、販売用商品の見易さ及び取り易さを考慮しながら、補充用商品の保管も行うことができる平型冷凍ショーケース用の商品陳列用仕切板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため本発明は、四周が断熱壁に囲まれて上方が開口した商品陳列部を有する平型冷凍ショーケースに設置される商品陳列用仕切板において、該仕切板は、上方が開口した箱形に形成された箱形仕切板と、1枚の垂直方向の仕切板部の両端に仕切板部に直交する端板をそれぞれ設けた板状仕切板と、前記箱形仕切板及び前記板状仕切板の上に載置可能で、かつ、その上に前記箱形仕切板及び前記板状仕切板を載置可能な水平方向の中間仕切板とを有し、各仕切板は冷気が流通可能な部材によってそれぞれ形成されるとともに、前記箱形仕切板は前記商品陳列部内の幅方向及び奥行き方向に複数個が並べて配置可能な大きさに、前記板状仕切板は両端の端板外面間の寸法が前記商品陳列部の内方より僅かに小さく形成され、隣接する板状仕切板の端板同士を重ね合わせた状態で商品陳列部の奥行き方向に仕切板部を向けて配置可能な大きさにそれぞれ形成され、箱形仕切板及び板状仕切板の高さが、前記商品陳列部の底面から商品陳列部の一側に設けられた冷気吹出口及び冷気吸込口までの高さ寸法の略1/2に形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の商品陳列用仕切板は、大きさが比較的小さいアイスクリームを陳列販売する場合には、複数の板状仕切板を、その仕切板部を奥行き方向に向けて幅方向に適当な間隔で商品陳列部の底面上に並べ、この板状仕切板の上に複数の中間仕切板を水平に並べて商品陳列部を上下に区画し、この中間仕切板の上に複数の箱形仕切板を載置する。これにより、上段に設置した箱形仕切板内にアイスクリームを収容し、見易く、手に取り易い状態で
陳列販売することができる。そして、下段の板状仕切板間を補充用アイスクリームの保管用として用いる。
【0007】
一方、大きさが比較的大きく不揃いな冷凍食品を陳列販売する場合には、複数の箱形仕切板を商品陳列部の底面上に並べ、その上に複数の中間仕切板を水平に並べて商品陳列部を上下に区画し、この中間仕切板の上に複数の板状仕切板を載置する。このとき、隣接する板状仕切板の端板同士を重ね合わせることによって仕切板部間の間隔を狭くすることができ、また、任意に広くすることもできるので、冷凍食品の大きさに合わせて板状仕切板を配置することにより、大きさが異なる冷凍食品をきれいに並べて陳列販売することができる。下段の箱形仕切板内は、補充用冷凍食品の保管用として用いることができる。
【0008】
したがって、所定数の箱形仕切板、板状仕切板及び中間仕切板を組み合わせることにより、一つの平型冷凍ショーケースを必要に応じてアイスクリーム販売用と冷凍食品販売用とに使い分けることができ、アイスクリームを販売するときも、冷凍食品を販売するときも、見易く、手に取り易い状態で陳列販売することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す平型冷凍オープンショーケースの断面側面図、図2は同じく平型冷凍オープンショーケースの平面図、図3はアイスクリーム販売用として使用する場合の各仕切板の配置例を示す斜視図、図4は冷凍食品販売用として使用する場合の各仕切板の配置例を示す斜視図、図5は隣接する板状仕切板の間隔を狭くした状態を示す概略平面図である。
【0010】
まず、平型冷凍オープンショーケース1は、四周が断熱壁に囲まれて上方が開口した箱形の商品陳列部2の下部に冷却器3及び送風機4を収容した下部ダクト5が設けられている。商品陳列部2の後方側には、上部に冷気吹出口6を有する後部ダクト7が設けられるとともに、商品陳列部2の前方側には、上部に冷気吸込口8を有する前部ダクト9が設けられている。そして、冷気吹出口6から商品陳列部2の上方に向けて吹き出された冷気を冷気吸込口8で吸い込むことにより、冷気を循環させながら商品陳列部2の上方に冷気によるエアーカーテンを形成している。
【0011】
商品陳列部2内にアイスクリームや冷凍食品を陳列して販売する際には、冷気の流通を妨げないように、それぞれワイヤーを組み合わせて形成した箱形仕切板11、板状仕切板12及び中間仕切板13の3種の仕切板11,12,13を組み合わせて使用することにより、商品陳列部2内を上下2段に区画するとともに、幅方向及び奥行き方向も適当に区画して商品を陳列する。
【0012】
箱形仕切板11は、長方形状の底板11aの四辺に側板11bをそれぞれ設けたものであって、本形態例では、長辺の外面寸法は商品陳列部2の奥行き寸法の1/2より僅かに小さな寸法とし、短辺の外面寸法は商品陳列部2の幅寸法の1/6より僅かに小さな寸法に設定され、商品陳列部2内に奥行き方向に2個、幅方向に6個、計12個が配置できるように形成されている。
【0013】
板状仕切板12は、1枚の垂直方向の仕切板部12aの両端に仕切板部12aに直交する端板12bをそれぞれ設けたもので、両端板12bの両外面間の寸法は、商品陳列部2の奥行き寸法(内法)よりも僅かに小さく設定され、図5に示すように、隣接する板状仕切板12,12の端板12b,12b同士を前後に重ね合わせた状態で商品陳列部2の奥行き方向に仕切板部12aを向けて配置可能な大きさに形成されている。また、端板12bの幅寸法は、前記箱形仕切板11の短辺の外面寸法と略同一に設定されている。さらに
、端板12bの下端及び仕切板部12aの中央部下端には、水平方向の脚部12cがそれぞれ設けられている。
【0014】
中間仕切板13は、長方形状の底板部13aの両短辺から下方に向かって屈曲した係止片13bを設けたもので、底板部13aの幅寸法は箱形仕切板11の短辺や板状仕切板12の端板12b及び脚部12cの幅寸法と同等に設定され、係止片13bの内面間寸法は、商品陳列部2の奥行き寸法以下で、かつ、箱形仕切板11の長辺の2倍より僅かに大きく、かつ、板状仕切板12の両端板12bの両外面間の寸法より僅かに大きく設定されている。また、底板部13aの中央部には、板状仕切板12の仕切板部12a中央部下端に設けられた脚部12cに対応した大きさの平板状の載置部13cが設けられている。この中間仕切板13は、箱形仕切板11及び板状仕切板12のいずれの上にも載置可能で、かつ、中間仕切板13の上に箱形仕切板11及び板状仕切板12のいずれも載置可能な形状に形成されている。
【0015】
前記箱形仕切板11及び前記板状仕切板12の高さ寸法は、これらの間に前記中間仕切板13を配置した状態で、商品陳列部2の底面から前記冷気吹出口6及び前記冷気吸込口8まの高さ寸法以下になる必要がある一方で、高さを低くし過ぎると下段における収納量が減少することから、商品陳列部2の底面から前記冷気吹出口6及び前記冷気吸込口8まの高さ寸法に対して略1/2に設定されている。
【0016】
このように形成された仕切板11,12,13を用いて商品陳列部2でアイスクリームを陳列販売をする場合には、図3に示すように、まず、商品陳列部2の底面に、複数(本形態例では6個)の板状仕切板12を幅方向に等間隔に平行に配置する。次に、板状仕切板12の上に6枚の中間仕切板13を水平方向に並べて載置し、さらに、中間仕切板13の上に前後方向に2列、幅方向にそれぞれ6個、計12個の箱形仕切板11を載置した状態とする。このとき、板状仕切板12の天地を逆にして脚部12cを上にすることにより、板状仕切板12の上に載置する中間仕切板13及び箱形仕切板11をより安定した状態とすることができる。
【0017】
そして、中間仕切板13で上下に区画された上段の箱形仕切板11内に陳列販売するアイスクリームを収容し、下段の板状仕切板12間は、上段の箱形仕切板11内に収容したアイスクリームと同種の補充用アイスクリームを保管するために用いる。下段の板状仕切板12間に保管したアイスクリームを上段の箱形仕切板11内に補充する際には、補充対象となる箱形仕切板11と、その前又は後に並んでいる箱形仕切板11とを共に取り除き、さらに、その下の中間仕切板13を取り除くことによって行うことができ、必要な部分の箱形仕切板11と中間仕切板13とを取り除くだけで下段からのアイスクリームの補充を容易に行うことができる。
【0018】
また、商品陳列部2で冷凍食品を陳列販売する場合には、図4に示すように、商品陳列部2の底面に、前記同様に12個の箱形仕切板11を配置し、その上に6枚の中間仕切板13を水平方向に並べて載置することにより上段区画の底面を形成する。中間仕切板13の上には、陳列する冷凍食品の大きさに合わせた間隔で複数の板状仕切板12を幅方向に平行に並べて載置する。冷凍食品の大きさに応じて板状仕切板12間の間隔を狭くしたい場合は、図5に示すように、端板12b,12b同士を前後に重ね合わせた状態とすればよい。また、大きな冷凍食品を陳列販売する場合には、中間仕切板13の配置数を減らせばよい。さらに、板状仕切板12間を前後に区画したいときには、L字状の補助仕切板14を適当な位置に設ければよい。この場合も、下段の箱形仕切板11内を補充用冷凍食品の保管用として用いることができる。
【0019】
なお、本形態例では、商品陳列部2内への各仕切板11,12,13の配置数は任意で
あり、商品陳列部2の奥行き寸法、幅寸法に合わせて適宜設定することができる。また、陳列販売する商品として、アイスクリームと冷凍食品とを代表例として示したが、他の商品の陳列、展示にも用いることができる。さらに、各仕切板11,12,13は、冷気の流通を妨げなければ任意の材料を使用して形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態を示す平型冷凍オープンショーケースの断面側面である。
【図2】同じく平型冷凍オープンショーケースの平面図である。
【図3】アイスクリーム販売用として使用する場合の各仕切板の配置例を示す斜視図である。
【図4】冷凍食品販売用として使用する場合の各仕切板の配置例を示す斜視図である。
【図5】隣接する板状仕切板の間隔を狭くした状態を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 平型冷凍オープンショーケース
2 商品陳列部
3 冷却器
4 送風機
5 下部ダクト
6 冷気吹出口
7 後部ダクト
8 冷気吸込口
9 前部ダクト
11 箱形仕切板
11a 底板
11b 側板
12 板状仕切板
12a 仕切板部
12b 端板
12c 脚部
13 中間仕切板
13a 底板部
13b 係止片
13c 載置部
14 補助仕切板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四周が断熱壁に囲まれて上方が開口した商品陳列部を有する平型冷凍ショーケースに設置される商品陳列用仕切板において、
該仕切板は、上方が開口した箱形に形成された箱形仕切板(11)と、1枚の垂直方向の仕切板部(12a)の両端に仕切板部に直交する端板(12b)をそれぞれ設けた板状仕切板(12)と、前記箱形仕切板及び前記板状仕切板の上に載置可能で、かつ、その上に前記箱形仕切板及び前記板状仕切板を載置可能な水平方向の中間仕切板(13)とを有し、各仕切板は冷気が流通可能な部材によってそれぞれ形成されるとともに、
前記箱形仕切板(11)は前記商品陳列部内の幅方向及び奥行き方向に複数個が並べて配置可能な大きさに、前記板状仕切板(12)は両端の端板外面間の寸法が前記商品陳列部の内方より僅かに小さく形成され、隣接する板状仕切板の端板(12b)同士を重ね合わせた状態で商品陳列部の奥行き方向に仕切板部(12a)を向けて配置可能な大きさにそれぞれ形成され、
箱形仕切板及び板状仕切板の高さが、前記商品陳列部の底面から商品陳列部の一側に設けられた冷気吹出口及び冷気吸込口までの高さ寸法の略1/2に形成されていることを特徴とする商品陳列用仕切板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−220500(P2008−220500A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60527(P2007−60527)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000213493)中野冷機株式会社 (58)
【Fターム(参考)】