説明

噴射塗布機能内蔵スコップ・シャベル・レーキ

【課題】作業対象物の付着による作業性の損失と、刃体に清水や油脂類又は剥離剤等を塗布する時間的損失の双方を最小にし、作業性の向上をもたらし、又は薬剤の土壌への混入作業においても飛散・吸い込みといった弊害を防止し、人体への付着に対しても抑制効果をもたらす。
【解決手段】空洞になったスコップ類棹部中に、清水・油脂類・用材類の貯蔵タンク・チャンバータンク・噴射機能等を内蔵させると共に、取っ手部に加圧又は弁開閉装置を設置することで、通常の作業を行いながら、メンテナンス的作業・補足的作業・補助的作業を同時に行うことが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刃体表面に潤滑材を噴射・塗布する機能を内蔵するスコップ・シャベル・レーキに関する。
【背景技術】
【0002】
スコップ・シャベル・レーキ(以下、スコップ等と表示する)は、建設・建築作業や農業・園芸作業において、土壌を掘削したり、掘削した土砂等を掬い、運搬設備に積み込む、といった作業の他、舗装工事においてはアスファルト合材の敷き均しや、生コンクリートの打ち込み・敷き均し作業、左官作業における壁材の練りこみ・小分け・運搬作業等々に広く使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
こういった作業において、スコップ等は、その作業対象物と密着し、対象物が刃体等に付着するため、多くの場合、清水や油脂類又は剥離溶剤等をその刃体等に塗布し、作業対象物の付着を防止する作業を伴いながら行うことが多い。特にアスファルト合材のような高熱・高粘着性、尚且つ単位質量の大きいものを扱う場合、一作業毎に刃体等に油脂類を塗布する必要があり、作業性が著しく損なわれる。また、農業・園芸の分野においては、溶剤型肥料・除草剤等を土壌に混入する際、溶剤容器とスコップ類を交互に手にして作業する等の手間があり、薬剤等の飛散や人体への付着や吸い込み防止等にも対策をする必要があり、対策をしてもこれらの弊害を防ぐのに対し十分であるとは言えない。
そこで、この発明は、スコップ等自身に溶剤等の貯留タンク・噴射機能を持たせることでスコップ等刃体表面に溶剤等を塗布することにより、作業対象物の付着による作業性の損失と、刃体にこれらを塗布する時間的損失の双方を最小にし、作業性の向上をもたらす、又は薬剤の土壌への混入作業においても、飛散・吸い込みといった弊害を防止し、人体への付着に対しても抑制効果をもたらすことを課題とする。。
【課題を解決するための手段】
【0004】
スコップ等の棹部中の空洞部分に噴出装置及び貯留設備を設け、取っ手に設けた噴出作動装置により、適宜棹中に貯留した清水・油脂類・溶剤等を、配管等を介して刃部上端に設けた噴出孔より刃体表面に噴射塗布する
油脂類等をスコップ類の刃部等に噴射塗布するに際し、人力作業でブラシ等を用いて油脂類等を刃部等に塗布すると同様の効果を得るため、噴出孔を耐熱性のゴム板で塞ぎ、油脂類等を噴射する圧力で刃体全部にいきわたらせる効果を得ると同時に、必要でない飛散を防止し、土砂や生コンクリート、アスファルト合材等による噴射孔の詰まりを防止する機能をもたせる。
【発明の効果】
【0005】
刃体に清水・油脂類・溶剤類を噴射塗布ができるスコップ類の効果は、土木・建築作業においては作業対象物の付着やそれによるスコップ類の損傷を抑えるとともに作業性を向上させる。園芸・農業の分野においては、液体肥料を噴射しつつ土壌を耕す等の作業にも利用できるほか、防虫剤や除草剤等、噴射剤を切り替えることで多様な用途を産むものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】スコップ・シャベル・レーキ等棹部に噴射塗布機能を内蔵する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
棹部空洞内に設けた油脂類貯留タンクから、噴射一回分をチャンバータンクに自然落下で充填する。この動作はスコップ類の取っ手等を利用して回転・伸縮等の動作にて行う。尚、噴出剤の充填は棹部外殻に設けた注入孔より行う
ついで、チャンバータンクに貯めた油脂類を圧縮空気で噴射孔より噴射させる。圧縮空気は油脂類貯蔵タンクと同じく棹部空洞内に設け、スコップ類取っ手に設けた動作弁用作動装置にて行う。尚、空気は棹部外殻に設けた空気注入孔よりコンプレッサー又は空気入れにて行う。
尚、スコップ類のサイズによっては棹部に必要な空洞が取れない。この場合は、圧縮空気タンク・チャンバータンクは設けず、貯留タンクから直接噴射孔に直結し貯留タンクに直接圧力を加えることで油脂類の噴射を行うものとする。
【0008】
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、本体の通常の形状については、従来品とほぼ変更は無く、したがって、内蔵機能機器による作業への影響は少ない。また、重量については、本来スコップ類棹部は木製品であるものもあり、軽量金属の筒状のもので製作されたものよりは重量はあるが、木製に比べれば、重量は、溶液等満載時で同等以下に抑えられると考えられる。
「他の実施形態」
図1における形状では、噴射圧を圧縮空気に求めるが、スコップ等の大きさにより噴射圧をピストン等による加圧方式に変更することで、小型のスコップ等においても発明の機能をもたせることが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃先及び刃身全域に、清水・油脂類・液状剥離剤を、本体棹中に設けた貯留タンクより、刃部上端に設けた噴出孔を介して噴射・塗布することで、作業性を向上させ、スコップ本体の損傷を防御し、又は、土壌或いは材料に清水又は溶液状の薬剤等を混入させることが容易に又安全にできることを特徴としたスコップ類。

【図1】
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【公開番号】特開2011−26927(P2011−26927A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186087(P2009−186087)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(509226037)パブリカ建設株式会社 (1)
【Fターム(参考)】