説明

回転刃及び回転刃の使用方法

【課題】丸ノコと刈払機の両方に装着して使用できる回転刃及び回転刃の使用方法を提供する。
【解決手段】円孔18Cを有し、円孔18Cを丸ノコ10又は刈払機60の回転軸26、72に通して取り付けられる回転刃18であって、丸ノコ10又は刈払機60のいずれか一方の回転軸26、72に、円孔18Cの内径と丸ノコ10又は刈払機60のいずれか一方の回転軸26、72の外径との隙間を埋める径調整手段38を介して取り付けられ、丸ノコ10又は刈払機60のいずれか他方の回転軸26、72に、径調整手段38を介することなく取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、丸ノコと刈払機との間で装着互換性を有し、前記丸ノコと前記刈払機で使用できる回転刃及び回転刃の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の丸ノコには、チップソウと呼ばれる回転刃が使用されている。この丸ノコは、木材などを切断加工する際に使用されるが、丸ノコの使用頻度が高くなると、回転刃の刃先が徐々に磨耗していくため、やがて回転刃の製品寿命が尽きる。このときには、新しい回転刃を丸ノコに取り付けなければならない。
【0003】
なお、上記従来技術は公用の技術であり、本発明は公用の技術をもとに開発したものである。このため、出願人は、特許出願の時において本発明に関連する文献公知発明の存在を知らず、文献公知発明の名称その他の文献公知発明に関する情報の所在の記載を省略する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、刃先が磨耗した回転刃は、廃棄されることになるが、このまま廃棄すると、環境上、あるいは製品機能上、好ましくない。
【0005】
このため、発明者は、長年の回転刃の機能に関する研究や使用者の使用ニーズを調査して、この回転刃が刈払機の回転刃として使用できることをつきとめた。しかも、多少、回転刃の刃先が磨耗していても、刈払機の回転刃として最適なものになる。そもそも、丸ノコは、主に木材などの硬い物を切断加工するものであり、刈払機は、雑草など柔らかい物を切断するものであるため、加工対象が異なっている。すなわち、丸ノコの回転刃は、刃数が比較的多く、隣接する刃間のピッチが比較的狭く、かつ刃先が鋭くなっているのに対して、刈払機の回転刃は、刃数が比較的多少なく、隣接する刃間のピッチが比較的広く、かつその刃先が丸ノコの回転刃と比較して粗くなっている。
【0006】
しかしながら、柔らかい雑草とは言え、刈払機の回転刃も、丸ノコの回転刃のように鋭い方が刈払機能は高くなり、作業効率も向上する。
【0007】
ところが、刃先の鋭い丸ノコの回転刃を刈払機の回転刃に使用しようとしても、従来の回転刃では装着互換性がなく、丸ノコの回転刃に所定の加工を施して、刈払機に取り付けて使用する方法しか考えられない。このため、この方法を採用した場合には、丸ノコの回転刃の加工作業に手間とコストがかかり、丸ノコの回転刃を刈払機の回転刃として円滑に使用することができない問題が生じる。
【0008】
そこで、本発明は、丸ノコと刈払機の両方に装着して使用できる回転刃及び回転刃の使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願第1発明は、円孔を有し、前記円孔を丸ノコ又は刈払機の回転軸に通して前記丸ノコ又は前記刈払機の前記回転軸に取り付けられる回転刃であって、前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか一方の前記回転軸に、前記円孔の内径と前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか一方の前記回転軸の外径との隙間を埋める径調整手段を介して取り付けられ、前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか他方の前記回転軸に、前記径調整手段を介することなく取り付けられることを特徴とする。
【0010】
本願第1発明によれば、回転刃は、丸ノコ又は刈払機のいずれか一方の回転軸に、円孔の内径と丸ノコ又は刈払機のいずれか一方の回転軸の外径との隙間を埋める径調整手段を介して取り付けられ、また、丸ノコ又は刈払機のいずれか他方の回転軸に、径調整手段を介することなく取り付けられる。これにより、径調整手段を用いるだけで、回転刃を丸ノコ又は刈払機の両方の回転軸に取り付けることができる。この結果、回転刃に丸ノコと刈払機との間の装着互換性を持たせることができ、回転刃を丸ノコ又は刈払機の一方で使用した後、丸ノコ又は刈払機の他方でそのまま継続して使用することができる。
【0011】
本願第2発明は、本願第1発明に記載の回転刃において、前記径調整手段は、前記円孔の前記内径と前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか一方の前記回転軸の前記外径との間に介在する環状部材であることを特徴とする。
【0012】
本願第2発明によれば、径調整手段は、円孔の内径と丸ノコ又は刈払機のいずれか一方の回転軸の外径との間に介在する環状部材であるため、環状部材を用いるだけで、回転刃に丸ノコと刈払機との間の装着互換性を容易に持たせることができる。
【0013】
本願第3発明は、本願第2発明に記載の回転刃において、前記環状部材は、前記円孔の縁部に形成された薄肉部で切断可能となるように前記円孔の前記縁部に取り付けられていることを特徴とする。
【0014】
本願第3発明によれば、環状部材は、円孔の縁部に形成された薄肉部で切断可能となるように円孔の縁部に取り付けられているため、薄肉部で環状部材を容易に切断することができる。これにより、回転刃を丸ノコ又は刈払機の一方から他方に取り付ける際に、環状部材が不要になれば、環状部材を薄肉部で切断することで、回転刃を丸ノコ又は刈払機の一方で使用した後、丸ノコ又は刈払機の他方でそのまま継続して使用することができる。
【0015】
本願第4発明は、円孔を有し、前記円孔を丸ノコ又は刈払機の回転軸に通して前記丸ノコ又は前記刈払機の前記回転軸に取り付けられる回転刃の使用方法であって、前記回転刃は、前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか一方の前記回転軸に、前記円孔の内径と前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか一方の前記回転軸の外径との隙間を埋める径調整手段を介して取り付けられ、前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか他方の前記回転軸に、前記径調整手段を介することなく取り付けられることを特徴とする。
【0016】
本願第4発明によれば、回転刃は、丸ノコ又は刈払機のいずれか一方の回転軸に、円孔の内径と丸ノコ又は刈払機のいずれか一方の回転軸の外径との隙間を埋める径調整手段を介して取り付けられ、また、丸ノコ又は刈払機のいずれか他方の回転軸に、径調整手段を介することなく取り付けられる。これにより、径調整手段を用いるだけで、回転刃を丸ノコ又は刈払機の両方の回転軸に取り付けることができる。この結果、回転刃に丸ノコと刈払機との間の装着互換性を持たせることができ、回転刃を丸ノコ又は刈払機の一方で使用した後、丸ノコ又は刈払機の他方でそのまま継続して使用することができる。
【0017】
本願第5発明は、本願第4発明に記載の回転刃の使用方法において、前記回転刃は、前記径調整手段として、前記円孔の前記内径と前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか一方の前記回転軸の前記外径との間に介在する環状部材を用いて、前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか一方の前記回転軸に取り付けられることを特徴とする。
【0018】
本願第5発明によれば、回転刃は、径調整手段として、円孔の内径と丸ノコ又は刈払機のいずれか一方の回転軸の外径との間に介在する環状部材を用いて、丸ノコ又は刈払機のいずれか一方の回転軸に取り付けられる。これにより、環状部材を用いるだけで、回転刃に丸ノコと刈払機との間の装着互換性を容易に持たせることができる。
【0019】
本願第6発明は、本願第5発明に記載の回転刃の使用方法において、前記環状部材は、前記円孔の縁部に形成された薄肉部で切断可能となるように前記円孔の前記縁部に取り付けられ、前記回転刃は、前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか一方の前記回転軸に、前記円孔の前記内径と前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか一方の前記回転軸の前記外径との隙間を埋める前記環状部材を介して取り付けられ、前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか他方の前記回転軸に、前記環状部材を前記薄肉部で切断した状態で取り付けられることを特徴とする。
【0020】
本願第6発明によれば、丸ノコ又は刈払機のいずれか一方の回転軸には、回転刃は、円孔の内径と丸ノコ又は刈払機のいずれか一方の回転軸の外径との隙間を埋める環状部材を介して取り付けられる。そして、丸ノコ又は刈払機のいずれか他方の回転軸には、回転刃は、環状部材を薄肉部で切断した状態で取り付けられる。これにより、回転刃を丸ノコ又は刈払機の一方から他方に取り付ける際に、環状部材が不要になれば、環状部材を薄肉部で切断することで、回転刃を丸ノコ又は刈払機の一方で使用した後、丸ノコ又は刈払機の他方でそのまま継続して使用することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、回転刃を丸ノコと刈払機の両方に装着して使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明の第1実施形態に係る回転刃及びその使用方法について、図面を参照して説明する。
【0023】
先ず、本発明の回転刃が使用される丸ノコの構成について説明する。
【0024】
図1に示すように、丸ノコ10は、丸ノコ本体12と、丸ノコ本体12に取り付けられたハンドル部14と、を備えている。丸ノコ本体12は、主に、モータ部16と、モータ部16により回転駆動される回転刃(チップソウ)18と、回転刃18の外周の一部を覆うカバー20と、ロアガード22と、を備えている。また、ハンドル部14は、モータ部16を駆動又は駆動停止するためのトリガーとなるスイッチ部24を備えている。
【0025】
ここで、本発明の要部となる回転刃18及び回転刃18の取付構造について説明する。
【0026】
図2に示すように、丸ノコ本体12側には、モータ部16により回転駆動する駆動シャフト26が設けられている。駆動シャフト26の内部には、後述の固定ボルト48のおねじ部50と螺合するねじ穴28が形成されている。また、駆動シャフト26の外周には、内フランジ30が装着される。内フランジ30は、駆動シャフト26が挿通される貫通孔36が形成された軸部32と、軸部32の外周面から径方向外側に突出する拡径部34と、を備えている。軸部32は、拡径部34の両側面から軸方向外側に突出するように構成されている。一方の軸部32Aには、ワッシャ38が装着される。図3に示すように、ワッシャ38は、全体として円環状に構成された環状部材であり、肉部となる環状部40を備えている。その中央部には、一方の軸部32A及び駆動シャフト26が挿通される貫通孔42が形成されている。
【0027】
また、一方の軸部32Aの外周面に装着されたワッシャ38の外周面には、回転刃(チップソウ、ノコ刃)18が装着される。図4に示すように、回転刃18は、円盤状の回転刃本体18Aと、回転刃本体18Aの外周面に形成された複数の刃部18Bと、を備えている。回転刃本体18Aの中央部には、回転刃本体18Aを厚み方向に貫通する調整孔(円孔、貫通孔)18Cが形成されている。この調整孔18Cには、一方の軸部32と、ワッシャ38と、駆動シャフト26が挿通する。
【0028】
回転刃18の側面には、外フランジ44が配置されている。外フランジ44には、固定ボルト48及び駆動シャフト26が挿通する貫通孔46が形成されている。なお、固定ボルト48には、おねじ部50が形成されている。
【0029】
ここで、回転刃18の調整孔18Cの内径(径)は、ワッシャ38の外径と略同じ寸法に設定されている。また、回転刃18の調整孔18Cの内径は、一方の軸部32の外径よりも大きく設定されている。また、ワッシャ38の内径は、一方の軸部32の外径と略同じ寸法に設定されている。このように、一方の軸部32の外周面と回転刃18の調整孔18Cの内周面との間に発生する隙間を、ワッシャ38の環状部40(肉部)で埋める構成となる。
【0030】
次に、丸ノコ10の丸ノコ本体12に装着されている回転刃18の取付構造について説明する。
【0031】
図5に示すように、丸ノコ本体12側の駆動シャフト26の外周面には、内フランジ30、ワッシャ38、回転刃18及び外フランジ44が配置されている。固定ボルト48のおねじ部50が駆動シャフト26のねじ穴28に挿入して螺合することにより固定される。この状態で、内フランジ30の一方の軸部32Aの径方向外側(外周面)に、ワッシャ38の環状部40が配置しており、さらに、ワッシャ38の環状部40の径方向外側(外周面)に、回転刃18の調整孔18Cの内周面(換言すれば、回転刃本体18A)が位置した状態になっている。そして、内フランジ30の一方の軸部32Aの径方向外側(外周面)とワッシャ38の環状部40の内周面とが接触しており、ワッシャ38の環状部40の外周面と回転刃18の調整孔18Cの内周面とが接触した状態になっている。このように、回転刃18が内フランジ30と外フランジ44とで両側面から挟まれた構成になり、回転刃18が駆動シャフト26の軸方向に位置決めされている。また同時に、一方の軸部32Aの外周面と回転刃18の調整孔18Cの内周面との間に発生する隙間がワッシャ38の環状部40でほとんど隙間無く埋められた構成となるため、回転刃18が駆動シャフト26の径方向に位置決めされた状態になっている。この結果、回転刃18は、駆動シャフト26の軸方向と径方向の2軸方向で同時に位置決めされた状態で、丸ノコ本体12に装着されている。
【0032】
なお、駆動シャフト26がモータ部16によって回転駆動すると、回転刃18は、内フランジ30、外フランジ44及びワッシャ38と共に回転する。
【0033】
次に、本発明の回転刃18が転用(使用)された刈払機について説明する。
【0034】
図6に示すように、刈払機60は、ハンドル式タイプのものであり、操作軸62と、操作軸62に取り付けられたハンドル部64と、操作軸62の一方側端部に取り付けられたエンジン部66と、操作軸62の他方側端部に取り付けられた回転刃18と、で構成されている。エンジン部66により回転刃18が回転駆動され、刈払作業を行う。なお、ハンドル部64には、エンジン部66を駆動させるためのスロットルレバー68が設けられている。
【0035】
次に、刈払機60に装着されている回転刃18の取付構造について説明する。
【0036】
図7に示すように、操作軸62の他方側端部62Aには、内フランジ70が回転可能に取り付けられている。内フランジ70には、エンジン部66により回転駆動される駆動シャフト72が突出している。駆動シャフト72には、ねじ穴74が形成されている。また、駆動シャフト72には、上述した回転刃18及び押さえ座金76が装着されている。さらに、駆動シャフト72のねじ穴74には、固定ボルト78が螺合している。このようにして、回転刃18を内フランジ70と押さえ座金76との間で挟持して、固定ボルト78により駆動シャフト72の外周面上(軸方向)に固定している。
【0037】
なお、駆動シャフト72がエンジン部66によって回転駆動すると、回転刃18は、駆動シャフト72と共に回転する。これにより、刈払機60の使用時に、回転刃18を安定して回転駆動させることができる。
【0038】
ここで、刈払機60の駆動シャフト72の外径は、丸ノコ10の駆動シャフト26の外径よりも大きくなるように設定されている。具体的には、刈払機60の駆動シャフト72の外径は、回転刃18の調整孔18Cの内径と略同じになるように設定されている。このため、回転刃18を刈払機60に装着すると、駆動シャフト72の外周面と回転刃18の調整孔18Cの内周面との間にほとんど隙間が生じない。これにより、回転刃18を刈払機60に装着する場合には、回転刃18を丸ノコ10に装着する場合に必要となっていたワッシャ38が不要になる。そして、刈払機60の使用時に、回転刃18が駆動シャフト72と共に回転駆動するため、回転刃18を安定して回転駆動させることができる。
【0039】
以上のように、ワッシャ38を用いるだけで、回転刃18を丸ノコ10及び刈払機60の両方に使用することができる。これにより、回転刃18を丸ノコ10と刈払機60の両方に取り付けるために、回転刃18に所定の加工作業を行う必要がなくなり、回転刃18の加工作業の手間とコストが生じることなく、丸ノコ10に取り付けていた回転刃18を刈払機60の回転刃18としてそのまま使用することができる。この結果、回転刃18に丸ノコ10と刈払機60との間の装着互換性を持たせることができ、回転刃18を丸ノコ10に取り付けて使用した後、刈払機60でそのまま継続して使用することができる。なお、このことは、ワッシャ38を用いることなく回転刃18を刈払機60で使用した後、ワッシャ38を用いて丸ノコ10でそのまま継続して使用する場合についても、同様である。
【0040】
次に、本発明の第1実施形態に係る回転刃の変形例について説明する。
【0041】
図8乃至図10に示すように、変形例となる回転刃100は、ハーフカットされており、その回転刃本体102の内縁部(調整孔104の外周部)には、環状部材である径調整片106が形成されている。すなわち、回転刃本体102の調整孔104の外縁部には、径調整片106が位置しており、この径調整片106は、薄肉部108によって回転刃本体102に接続されている。薄肉部108は、いわゆる切取線のように、周方向に沿って所定の間隔をあけて連続して形成されており、薄肉部108の厚み寸法が回転刃本体102の薄肉部108以外の部位の厚み寸法よりも小さく(薄く)なるように設定されている。なお、この薄肉部108は、周方向に沿って間隔をあけずに連続した1本の閉じた円状に形成されていてもよい。
【0042】
ここで、回転刃本体102に径調整片106が接続された状態(図8参照)では、回転刃本体102の調整孔104の内径(径調整片106の内径)は、内フランジ30の一方の軸部32Aの外径と略同じ寸法になるように設定されている。このため、回転刃100を丸ノコ10に使用する場合には、回転刃本体102の調整孔104の内周面と内フランジ30の一方の軸部32Aの外周面との隙間がなくなり、ワッシャ38が不要になる。
【0043】
また、回転刃本体102から径調整片106が切断された状態(図4参照)では、径調整片106の厚み寸法だけ、回転刃本体102の調整孔104の径が大きくなる。そして、図7に示すように、径が拡大された回転刃本体102の調整孔104の内径は、刈払機60の駆動シャフト72の外径と略同じ寸法になるように設定されている。このため、回転刃100を刈払機60に装着すると、駆動シャフト72の外周面と回転刃100の調整孔104の内周面との間にほとんど隙間が生じない。これにより、回転刃100を刈払機60に装着する場合にも、ワッシャ38が不要になる。
【0044】
上記変形例によれば、回転刃100を丸ノコ10に使用する場合には、回転刃100に径調整片106が接続された状態で回転刃100が使用される。これにより、回転刃100を内フランジ30の一方の軸部32Aの外周面に隙間無く装着することができ、丸ノコ10の使用時に、回転刃100を安定して回転駆動させることができる。
【0045】
一方、回転刃100を刈払機60に使用する場合には、回転刃100から径調整片106を切断する。このとき、薄肉部108は、回転刃本体102の他の部位よりも薄くて強度が低いため、この薄肉部108で径調整片106を打ち抜き加工することで、径調整片106を容易に切断することができる。この結果、手間やコストが生じない簡易な加工により、径調整片106は、薄肉部108において回転刃本体102から容易に切断される。
【0046】
そして、径調整片106の切断後、回転刃100を刈払機60に転用して使用することができる。このとき、回転刃100の調整孔104の内周面と駆動シャフト72の外周面との間には隙間が生じないため、回転刃100をそのまま使用することができる。そして、刈払機60の使用時に、回転刃100を安定して回転駆動させることができる。
【0047】
さらに、刈払機60に転用した回転刃100を丸ノコ10で再度使用する場合には、すでに切断されている環状部材である径調整片106を利用することができる。すなわち、すでに切断されている径調整片106を介して、回転刃100を内フランジ30の一方の軸部32Aの外周面に装着することができるため、丸ノコ10での再使用時でも、回転刃100を安定して回転駆動させることができる。
【0048】
なお、上記実施形態では、刈払機60の駆動シャフト72の外径が、丸ノコ10の駆動シャフト26の外径よりも大きくなる構成を説明したが、丸ノコ10の駆動シャフト26の外径が、刈払機60の駆動シャフト72の外径よりも大きくなる構成でもよい。この構成では、上記実施形態とは逆に、回転刃100を丸ノコ10に装着する場合には、ワッシャ38が不要になり、回転刃100を刈払機60に装着する場合には、ワッシャ38が必要になる。
【0049】
また、丸ノコ10の駆動シャフト26の外径が刈払機60の駆動シャフト72の外径よりも大きくなる構成で、かつ回転刃100に径調整片106が形成されている構成では、先ず、回転刃100が刈払機60に使用され、その後、径調整片106を切断して回転刃100を丸ノコ10に転用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1実施形態に係る回転刃が取り付けられた丸ノコの斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る回転刃を丸ノコに取り付けるときの組立分解図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る回転刃を丸ノコに取り付けるときに必要となる径調整手段の平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る回転刃の平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る回転刃の丸ノコに対する取付構造を示した断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る回転刃が取り付けられた刈払機の斜視図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る回転刃の刈払機に対する取付構造を示した構成図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る回転刃の変形例となる回転刃の平面図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る回転刃の変形例となる回転刃を丸ノコに取り付けるときの組立分解図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る回転刃の変形例となる回転刃の丸ノコに対する取付構造を示した断面図である。
【符号の説明】
【0051】
10 丸ノコ
18 回転刃
18C 調整孔(円孔)
26 駆動シャフト(回転軸)
38 ワッシャ(径調整手段、環状部材)
60 刈払機
72 駆動シャフト(回転軸)
100 回転刃
104 調整孔(円孔)
106 径調整片(径調整手段、環状部材)
108 薄肉部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
円孔を有する回転刃であって、
丸ノコ又は刈払機のいずれか一方の回転軸に、前記円孔の内径と前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか一方の前記回転軸の外径との隙間を埋める径調整手段を介して取り付けられ、
前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか他方の回転軸に、前記径調整手段を介することなく取り付けられることを特徴とする回転刃。
【請求項2】
前記径調整手段は、前記円孔の前記内径と前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか一方の前記回転軸の前記外径との間に介在する環状部材であることを特徴とする請求項1に記載の回転刃。
【請求項3】
前記環状部材は、前記円孔の縁部に形成された薄肉部で切断可能となるように前記円孔の前記縁部に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の回転刃。
【請求項4】
円孔を有する回転刃の使用方法であって、
前記回転刃は、
丸ノコ又は刈払機のいずれか一方の回転軸に、前記円孔の内径と前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか一方の前記回転軸の外径との隙間を埋める径調整手段を介して取り付けられ、
前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか他方の回転軸に、前記径調整手段を介することなく取り付けられることを特徴とする回転刃の使用方法。
【請求項5】
前記回転刃は、前記径調整手段として、前記円孔の前記内径と前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか一方の前記回転軸の前記外径との間に介在する環状部材を用いて、前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか一方の前記回転軸に取り付けられることを特徴とする請求項4に記載の回転刃の使用方法。
【請求項6】
前記環状部材は、前記円孔の縁部に形成された薄肉部で切断可能となるように前記円孔の前記縁部に取り付けられ、
前記回転刃は、
前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか一方の前記回転軸に、前記円孔の前記内径と前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか一方の前記回転軸の前記外径との隙間を埋める前記環状部材を介して取り付けられ、
前記丸ノコ又は前記刈払機のいずれか他方の前記回転軸に、前記環状部材を前記薄肉部で切断した状態で取り付けられることを特徴とする請求項5に記載の回転刃の使用方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−119315(P2010−119315A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−293944(P2008−293944)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【出願人】(508341717)ミナミ建設株式会社 (1)
【Fターム(参考)】