説明

回転工具

【課題】工具本体に働く弾発力を調整可能としてより最適な操作感を得ることができるようにする。
【解決手段】回転工具10は、駆動軸Spにこの駆動軸Spと一体に回転するように固定される回転軸部材12と、この回転軸部材12に装着される工具本体14と、ナット部材18および皿ばね16とを有する。回転軸部材12は、前記工具本体14がこの部材12と一体に回転し、かつ当該部材12の軸方向に変位し得る状態で装着される装着部22と、この装着部22よりも前側に位置して回転軸部材12の離脱を規制するフランジ部20と、前記装着部22の後側に設けられ、ナット部材18が螺合装着される雄ねじ部24とを備える。そして、この回転軸部材12に装着されるナット部材18と工具本体14との間に前記皿ばね16が弾性圧縮状態で介在するように装着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク型砥石や塗膜剥離用ホイール等、回転駆動軸に装着されて使用される回転工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の回転工具として、例えば特許文献1に開示されるような振動吸収機能を有したディスク型砥石が知られている。このディスク型砥石は、砥石をもつディスク型の工具本体と、前記工具本体に嵌挿されて回転駆動軸へ固定されるボルト部材と、このボルト部材に螺合装着されるナット部材とを有し、ボルト部材に形成される当たりとナット部材とで工具本体を挟持するとともに、この工具本体とナット部材との間に扁平なゴムパッキンを介装した構成となっている。つまり、作業中、工具本体に生じる振動を前記ゴムパッキンにより吸収することによって作業者に与える衝撃を緩和する構成となっている。
【特許文献1】登録実用新案第3096194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来の回転工具は、ゴムパッキンの有する弾性力によって自ずと操作感が決まってしまうものであり、製造段階でニーズに応じて弾発力を微調整したり、あるいはユーザが好みに合った操作感を得るために後発的に弾発力を調整したりすることは困難である。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、振動吸収機能を備えた回転工具において、工具本体に働く弾発力を調整可能としてより最適な操作感を得ることができるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の事情に鑑み、本発明は、施工面に対向可能な面およびこの対向面に配される刃部を有し、所定の駆動軸にこの駆動軸と前記対向面とが直交する姿勢で固定されてこの駆動軸と一体に回転駆動されることにより、前記刃部により前記施工面を加工することが可能な回転工具であって、前記駆動軸にこの駆動軸と一体に回転するように固定される回転軸部材と、前記対向面を有し、前記回転軸部材の外側に装着される工具本体と、ナット部材及び皿ばねとを有し、前記回転軸部材は、前記工具本体がこの回転軸部材と一体に回転し、かつ当該回転軸部材の軸方向に変位し得る状態で装着される本体装着部と、この本体装着部よりも前記施工面側である前側に位置して工具本体の離脱を規制する規制部と、前記本体装着部の後側に設けられ、前記ナット部材が螺合装着される雄ねじ部とを備えるものであり、この回転軸部材に装着される前記ナット部材と前記工具本体との間に弾性圧縮状態で介在するように前記皿ばねが装着されるものである(請求項1)。
【0006】
この回転工具では、工具本体を施工面に押し付けると、工具本体とナット部材との間に配置される皿ばねが撓み変形し、これにより工具本体の振動が吸収される。この回転工具の構成によれば、ナット部材を締め増しし、又は緩めることにより皿ばねの撓み量を調整したり、あるいはナット部材を取り外して皿ばねの数を変更することにより、工具本体に働く弾発力を調整することが可能となる。そのため、より好みに合った操作感を得ることが可能となる。特に、複数枚の前記皿ばねが互いに重ね合わされた状態で前記回転軸部材に装着される構成によると(請求項4)、上記弾発力の調整の範囲が広がる。
【0007】
なお、この回転工具においては、回転軸部材の雄ねじ部の周囲に皿ばねを配置するのが工具全体を径方向にコンパクト化する上で好都合であるが、この場合、皿ばねの位置がその径方向にずれてこの皿ばねと雄ねじ部とが接触すると、この雄ねじ部のねじ山に皿ばねが引掛かる等してその良好な撓み変形が妨げられ作動不良を招くおそれがある。
【0008】
しかし、このような不都合は、前記皿ばねが前記回転軸部材の雄ねじ部の周囲に配置されるものであり、前記工具本体に、前記皿ばねをその径方向外側から被う周壁部が形成され、この周壁部の内周面と前記皿ばねの外周面との間に形成される隙間の最大寸法が当該皿ばねの内周面と前記雄ねじ部の外周面との間に形成される隙間の最小寸法よりも小さくなるように前記回転軸部材および周壁部と前記皿ばねとの隙間が設定される構成により解消される(請求項2)。
【0009】
つまり、この構成によると、皿ばねの外側に設けた周壁部によって雄ねじ部と干渉しない範囲に皿ばねの変位が制限されるため、回転軸部材の雄ねじ部の直ぐ周囲に皿ばねを配置しても上記のような作動不良の発生を確実に回避することが可能となる。そのため、回転軸部材の雄ねじ部の直ぐ周囲に皿ばねを配置して回転工具を径方向にコンパクト化することが可能となる。しかも、周壁部によって皿ばねを外側から被うことによって加工屑の侵入を防ぐことができ、これによって皿ばねが加工屑を噛み込んで作動不良を招くといった不都合も回避することが可能となる。
【0010】
また、上記回転工具において、前記ナット部材を、前記周壁部の内側の位置で前記回転軸部材の雄ねじ部に螺合可能となるように前記周壁部の内径よりも小さい外径を有するものとしておけば(請求項3)、周壁部の内側に全ての皿ばねが収まった状態で当該皿ばねを工具本体側に押さえ付けることが可能となる。そして、この構成によると、ナット部材と前記周壁部とによって皿ばね全体を外側から被い隠すことができるため、上記のような皿ばねによる加工屑の噛み込み等をより確実に防止することが可能となる。
【0011】
上記のような回転工具の構成は、前記刃部として砥粒を担持した砥石部が回転体の前記対向面に設けられるとともに、この刃部とは別に、回転体の径方向外側に刃先が向く複数の切刃が回転体の外周面にその周方向に並んだ状態で設けられているものに有用なものとなる(請求項5)。
【0012】
このような回転工具は、施工面に形成されている塗膜の除去加工に用いられるものであり、まず対向面を塗膜面に押し付けて塗膜の一部を工具本体の砥石部により除去した後、施工面に沿って工具本体を移動させながらその切刃で塗膜を掻き取るといった使い方をされる。この作業では、塗膜の掻き取り時の振動が激しく、そのため上記のような振動吸収機能を有する回転工具が有用なものとなる。
【0013】
なお、上記のような回転工具において、上記弾性力の調整後は、前記ナット部材が、前記工具本体を前記回転軸部材の規制部に押し当てるように締め付けられた状態で当該回転軸部材に一体に固定されるものであってもよい(請求項6)。
【0014】
この構成によると、作業時の振動等によるナット部材の弛みを阻止することができ、安定した操作感を継続的に得ることが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の回転工具によると、回転軸部材に装着されたナット部材を締め増しし、又は緩めることにより皿ばねの撓み量を調整したり、あるいはナット部材を取外して皿ばねの数や重ね合わせの向きを変更することにより、工具本体に働く弾発力を容易に調整することが可能となる。従って、作業者の好みや作業性に応じたより最適な操作感を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0017】
図1及び図2は、本発明に係る回転工具を概略的に示している。これらの図に示す回転工具10は、電動式ハンド工具の回転駆動軸Sp(以下、駆動軸Spという)に固定されて使用されるもので、例えば施工面Sfに塗布された塗膜を除去するものである。
【0018】
この回転工具10は、同図に示すように、回転軸部材12と、これに装着される工具本体14、皿ばね16およびナット部材18とから構成されており、図2に示すように、これら工具本体14、皿ばね16およびナット部材18が施工面Sf側から順に並ぶようにそれぞれ回転軸部材12に装着された構成となっている。
【0019】
なお、以下の回転工具10の説明では、特に必要な場合を除き、施工面Sf側を下側、これと反対側を上側として説明を進めることにする。
【0020】
前記回転軸部材12は、前記工具本体14が装着される装着部22(本発明に係る本体装着部)と、この装着部22よりも下側のフランジ部20(本発明に係る規制部)と、前記装着部22の上側に設けられる雄ねじ部24とを備えるものであり略円柱状に形成されている。回転軸部材12の中心には取付用のねじ孔26が形成されており、このねじ孔26に前記駆動軸Spが螺合挿入されることによって回転工具10がハンド工具に取付けられるようになっている。
【0021】
回転軸部材12は、フランジ部20、装着部22および雄ねじ部24の順に各部の外径寸法が小さくなるように形成されており、特に装着部22は、図3に示すように、軸方向に延びる複数の凸部22aが周方向に所定間隔で並んだ断面歯車形状に形成されている。
【0022】
前記工具本体14は、中心部分30が隆起したディスク状の部材であり、この中心部分30に形成される貫通孔31に前記回転軸部材12が嵌挿されることにより当該回転軸部材12に外嵌されている。詳しくは、前記貫通孔31が回転軸部材12の前記装着部22に対応した歯車形状の孔とされ、この貫通孔31に前記装着部22が嵌挿されている。これにより工具本体14が、回転軸部材12に対して当該回転軸部材12と一体に回転可能で、かつ回転軸部材12の軸方向に変位可能な状態で外嵌されるとともに、前記中心部分30の下面30bが前記フランジ部20に当接して下側への離脱が規制されている。
【0023】
また、前記中心部分30の上面30aには前記貫通孔31を取り囲むように周壁部34が立設されている。この周壁部34は、後述するように皿ばね16の変位を径方向外側から規制するための部材であり、この点については後述する。
【0024】
一方、工具本体14の下面には凹部が形成されており、この凹部の周囲に前記施工面Sfに対向する環状の対向面が形成されている。この対向面には、刃部として砥石部32が設けられている。砥石部32は、前記対向面の母材(工具本体14の母材)に対して砥粒、例えばダイヤモンド砥粒やCBN砥粒がろう付けされることにより構成されている。
【0025】
また、工具本体14の外周面には、前記砥石部32とは別の刃部として、径方向外向きに刃先が向く複数の切刃33が周方向に等間隔で配設されている。各切刃25は硬質の焼結体からなり、当実施形態では、硬度に優れた多結晶ダイヤモンド焼結体(PCD)、またはそれに次ぐ硬度をもつ多結晶立方晶窒化ホウ素焼結体(PCBN)からなり、当該焼結体が工具本体14の母材に対してろう付けされることにより設けられている。
【0026】
そして、このように工具本体14が装着された回転軸部材12に対して、前記皿ばね16が前記工具本体14の上側から装着され、その上側から前記ナット部材18が装着されている。そしてさらに、このナット部材18が前記雄ねじ部24に締め付けられ、前記工具本体14が前記フランジ部20に押し付けられて前記砥石部32が回転軸部材12の下端よりも下側に迫り出し、かつこの工具本体14と前記ナット部材18との間に前記皿ばね16が適度に撓んだ状態(弾性圧縮状態)で挟み込まれている。これにより工具本体14が回転軸部材12に対してその軸方向に弾性的に変位可能に設けられている。
【0027】
皿ばね16は、複数枚重ねられた状態で回転軸部材12に装着されており、当実施形態では、4枚の皿ばねが交互に向きを変えた状態で前記回転軸部材12に装着されている。
【0028】
これらの皿ばね16は、図2に示すように、工具本体14の前記周壁部34と回転軸部材12(雄ねじ部24)との間の環状のスペースに配置されている。回転軸部材12および周壁部34と皿ばね16との間には隙間が設けられており、この回転工具10では、皿ばね16の外周面と前記周壁部34の内周面との間に形成される隙間aの最大寸法が当該皿ばね16の内周面と回転軸部材12(雄ねじ部24)の外周面との間に形成される隙間bの最小寸法よりも小さくなるように上記隙間が設定されている。つまり、皿ばね16が径方向にずれた場合でも当該皿ばね16と回転軸部材12とが干渉しないように皿ばね16の変位を外側から規制するよう構成されている。
【0029】
なお、前記ナット部材18は、その外径が前記周壁部34の内径よりも小さく形成されており、図2に示すように、周壁部34の内側で雄ねじ部24に螺合可能に設けられている。これによって全ての皿ばね16が周壁部34の内側に収まる状態で前記皿ばね16が工具本体14側に押さえ付けられるように構成されている。
【0030】
上述した回転工具10を用いて施工面Sfに形成された塗膜を除去するには、まず、ハンド工具の前記駆動軸Spに回転工具10を装着する。この装着は、駆動軸Spの先端に形成されるねじ軸部分を前記回転軸部材12のねじ孔26に螺合挿入することにより行う。
【0031】
そして、駆動軸Spおよび回転工具10を一体に高速回転させ、まず砥石部32を施工面Sfに押し当てて塗膜を研削し、塗膜の一部を施工面Sfの下地まで掘り下げる。次に、回転工具10の押付け力を弱めた状態で下地に沿って回転工具10を移動させ、工具本体14の前記切刃33を使って塗膜をその側面、つまり厚み方向と直交する方向から掻き取っていく。これにより塗膜を除去する。この作業中、施工面Sfからの反動により工具本体14が振動するが、上記のように工具本体14は回転軸部材12に対して皿ばね16を介して装着されているため、当該振動は皿ばね16により吸収されることとなる。
【0032】
このような上記回転工具10によると、工具本体14が回転軸部材12に対してその軸方向に弾性変位可能な状態で装着され、作業中の工具本体14の振動を効果的に吸収できるように構成されているので、作業者側への振動等の伝達を緩和して作業者の疲労を軽減することができる。しかも、この回転工具10では、工具本体14とナット部材18との間に皿ばね16を挟み込んだ構成となっているので、ナット部材18を雄ねじ部24に対して締め増しし、又は緩めることにより皿ばね16の撓み量を調整し、あるいはナット部材18を取り外して皿ばね16の数や重ね合わせの向きを変更することにより、工具本体14に働く弾発力を容易に調整することができる。このような弾発力の調整は、回転工具10の製造段階で行うことができ、また、必要に応じて作業者が使用時に行うこともできる。従って、作業者はその好みや作業性に応じた最適な操作感を得ることができるという効果がある。
【0033】
また、この回転工具10では、工具本体14に周壁部34を設け、これにより皿ばね16の変位を外側から規制するように構成しているので、回転工具10をその径方向にコンパクト化できるという効果もある。すなわち、回転軸部材12(雄ねじ部24)の周囲に皿ばね16を配置する場合、皿ばね16の位置がその径方向にずれて皿ばね16と雄ねじ部24とが接触すると、雄ねじ部24のねじ山に皿ばね16が引掛かる等してその良好な撓み変形が妨げられ作動不良を招くおそれがあるが、皿ばね16と雄ねじ部24とが接触しないように当該皿ばね16の外側からその変位を規制する上記構成によると、そのような不都合を解消できる。そのため、皿ばね16を回転軸部材12(雄ねじ部24)の直ぐ周囲により接近した状態で配置することができ、その分、回転工具10を径方向にコンパクト化することが可能となる。
【0034】
また、この回転工具10によれば、上記のように皿ばね16の周囲を周壁部34が囲むように設けられた上、さらにこの周壁部34の内側に入り込むように前記ナット部材18が締め付けられているので、皿ばね16の配設箇所への加工屑の侵入が効果的に防止される。そのため、作業中に皿ばね16が加工屑を噛み込む等してその良好な撓み変形が妨げられ作動不良を招くといった事を有効に回避できるという効果もある。
【0035】
さらに、この回転工具10によれば、上記の通り皿ばね16を用いて振動吸収を行う構成となっているため、ゴムパッキンのように比較的劣化し易く、また損傷を受け易い部材を用いて振動吸収を行う従来構造に比べると耐久性が向上するという効果もある。
【0036】
なお、上記回転工具10に関しては、工具本体14に付与する弾発力の調整を行った後に、ナット部材18を回転軸部材12に対して一体的に固定するようにしてもよい。例えば、回転工具10の製造段階ではナット部材18をフリーな状態で装着しておき、前記弾発力の調整後、出荷段階でナット部材18を回転軸部材12に固定するようにしてもよい。このようにすれば、作業時の振動等によるナット部材16の弛みを阻止することができ、安定した操作感を継続的に得ることが可能となる。この場合の固定は、ユーザが上記弾発力を後発的に調整できるようにロック状態とその解除状態とに切替え可能なロック機構を回転工具10に組み込み固定するようにしてもよいし、また、出荷後に弾発力の調整を行う必要性がない場合には、溶接によりナット部材18と回転軸部材12とを一体に固定するようにしてもよい。
【0037】
ところで、以上説明した回転工具10は、本発明に係る回転工具の好ましい実施形態の一例であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、実施形態の回転工具10は、工具本体14のうち施工面Sfに対向する面に砥石部32を、また工具本体14の外周面に切刃33をそれぞれ備えた構成となっているのが、工具本体14に設けられる刃部の具体的な構成等は、この実施形態に限定されるものではく、勿論、施工面Sfへの対向面に砥石部だけを備えた一般的なディスク型砥石等についても本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る回転工具の一例を示す斜視図である。
【図2】回転工具を示す縦断面図である。
【図3】回転工具を示す平断面図(図2のIII−III断面図)である。
【符号の説明】
【0039】
10 回転工具
12 回転軸部材
14 工具本体
16 皿ばね
18 ナット部材
20 フランジ部
22 装着部
24 雄ねじ部
32 砥石部
33 切刃
34 周壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施工面に対向可能な面およびこの対向面に配される刃部を有し、所定の駆動軸にこの駆動軸と前記対向面とが直交する姿勢で固定されてこの駆動軸と一体に回転駆動されることにより、前記刃部により前記施工面を加工することが可能な回転工具であって、
前記駆動軸にこの駆動軸と一体に回転するように固定される回転軸部材と、前記対向面を有し、前記回転軸部材の外側に装着される工具本体と、ナット部材及び皿ばねとを有し、
前記回転軸部材は、前記工具本体がこの回転軸部材と一体に回転し、かつ当該回転軸部材の軸方向に変位し得る状態で装着される本体装着部と、この本体装着部よりも前記施工面側である前側に位置して工具本体の離脱を規制する規制部と、前記本体装着部の後側に設けられ、前記ナット部材が螺合装着される雄ねじ部とを備えるものであり、
この回転軸部材に装着される前記ナット部材と前記工具本体との間に弾性圧縮状態で介在するように前記皿ばねが装着されることを特徴とする回転工具。
【請求項2】
請求項1に記載の回転工具において、
前記皿ばねは前記回転軸部材の雄ねじ部の周囲に配置されるものであり、
前記工具本体には、前記皿ばねをその径方向外側から被う周壁部が形成され、
この周壁部の内周面と前記皿ばねの外周面との間に形成される隙間の最大寸法が当該皿ばねの内周面と前記雄ねじ部の外周面との間に形成される隙間の最小寸法よりも小さくなるように前記回転軸部材および周壁部と前記皿ばねとの隙間が設定されていることを特徴とする回転工具。
【請求項3】
請求項2に記載の回転工具において、
前記ナット部材は、前記周壁部の内側の位置で前記回転軸部材の雄ねじ部に螺合可能となるように前記周壁部の内径よりも小さい外径を有することを特徴とする回転工具。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の回転工具において、
複数枚の前記皿ばねが互いに重ね合わされた状態で前記回転軸部材に装着されていることを特徴とする回転工具。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の回転工具において、
前記刃部として砥粒を担持した砥石部が回転体の前記対向面に設けられるとともに、この刃部とは別に、回転体の径方向外側に刃先が向く複数の切刃が回転体の外周面にその周方向に並んだ状態で設けられていることを特徴とする回転工具。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の回転工具において、
前記ナット部材は、前記工具本体を前記回転軸部材の規制部に押し当てるように締め付けられた状態で当該回転軸部材に一体に固定されていることを特徴とする回転工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−149395(P2008−149395A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−338062(P2006−338062)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(390011785)三和研磨工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】