圧縮袋
【課題】均等に圧縮させることができて、被収納物品に不規則な皺がつきにくい圧縮袋を提供する。
【解決手段】被収納物品を配位可能な空間を有する収納部13と、この収納部13に対して被収納物品を出し入れ可能な開口部14とを有し、正面部11と背面部12との間の少なくとも一部には襠部15が設けられており、平板状の押圧板2が、上記収納部13の内部であって、上記正面部11及び背面部12の内面に当接可能に設けられたものであり、この押圧板2は、収納部13が脱気されるに伴い、被収納物品を正面部側と背面部側とから押圧できる程度の剛性を有していることを特徴とする圧縮袋を提供する。
【解決手段】被収納物品を配位可能な空間を有する収納部13と、この収納部13に対して被収納物品を出し入れ可能な開口部14とを有し、正面部11と背面部12との間の少なくとも一部には襠部15が設けられており、平板状の押圧板2が、上記収納部13の内部であって、上記正面部11及び背面部12の内面に当接可能に設けられたものであり、この押圧板2は、収納部13が脱気されるに伴い、被収納物品を正面部側と背面部側とから押圧できる程度の剛性を有していることを特徴とする圧縮袋を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、衣類などを収納するための圧縮袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特許第3563713号公報
【0003】
従来から、衣類などの比較的嵩張る物品を収納して、内部を脱気することにより圧縮し、コンパクトに収納することのできる圧縮袋が存在している。
【0004】
ここで、特許文献1では、襠部を周囲に設けたことにより容量を拡大できる袋が提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来から存在した圧縮袋は、内部を単に脱気するという機能しかなかったため、収納された衣服などの被収納物品に不規則な皺がついてしまい、袋から取り出してもそのまま着用できず、アイロンがけなどが必要になる場合があった。
【0006】
また、脱気後の状態における袋の厚みに部分的な差異ができてしまうことがあり、例えば脱気後の袋を積み重ねてクローゼットなどに収納しようとしても、バランスが崩れてしまってうまく収納できないという問題があった。またこれに関連して、脱気後の袋を立てかけて収納可能とできればより便利である。
【0007】
また、衣服を収納する際には、防虫剤を袋内に入れることがあるが、その際において防虫剤が袋内に紛れ込んでしまわないような構造とできれば便利であり、さらには、ユーザーが別途防虫剤を購入する必要がなく、防虫機能を発揮させることが可能な圧縮袋があればより便利である。
【0008】
また、開口部の開閉が容易であって被収納物品の出し入れを簡単に行うことができ、脱気がスムーズにでき、被収納物品の収納時であっても美観を損ねず、移動時や保管時にも取り扱い易く、吊り下げ容易であり、ハンガーなどに吊り下げたままで被収納物品を収納でき、被収納物品の明細を一目で識別でき、複数の圧縮袋を一まとめにしたり、長期に渡る保存によって脱気状態が失われた場合であっても、膨張をある程度抑えることができる圧縮袋が望まれている。
【0009】
本願発明は上記のことに鑑み、均等に圧縮させることができて、被収納物品に不規則な皺がつきにくい圧縮袋を提供することを課題とする。
【0010】
また、収納容易である圧縮袋を提供することを課題とする。
【0011】
また、防虫剤が袋内に紛れ込んでしまわないような構造を提供すること、さらには、ユーザーが別途防虫剤を購入する必要がなく、防虫機能を発揮させることが可能な圧縮袋を提供することを課題とする。
【0012】
また、上記の他に、開口部の開閉が容易であって、被収納物品の出し入れを簡単に行うことができ、脱気がスムーズにでき、被収納物品の収納時であっても美観を損ねず、移動時や保管時にも取り扱い易く、吊り下げ容易であり、ハンガーなどに吊り下げたままで被収納物品を収納でき、被収納物品の明細を一目で識別でき、複数の圧縮袋を一まとめにしたり、長期に渡る保存によって脱気状態が失われた場合であっても、膨張をある程度抑えることができる圧縮袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本願の請求項1に係る発明は、内部を脱気することのできる、合成樹脂製のシートからなる袋体であって、対向する正面部11と背面部12とを有し、被収納物品Mを配位可能な空間を有する収納部13と、この収納部13に対して被収納物品Mを出し入れ可能な開口部14とを有し、上記の正面部11と背面部12との間の少なくとも一部には、正面部11の端縁と背面部12の端縁とを連結するようにして襠部15が設けられており、この襠部15は、合成樹脂製のシートが折り目15aを境に折り畳み可能に形成されたものであり、被収納物品Mを収納部13へと配位した際には、上記の折り目15aが延ばされることによって、収納部13における内部空間が拡張できるものであり、平板状の押圧板2が、上記収納部13の内部であって、上記正面部11及び背面部12の内面に当接可能に設けられたものであり、この押圧板2は、収納部13が脱気されるに伴い、被収納物品Mを正面部側と背面部側とから押圧できる程度の剛性を有していることを特徴とする圧縮袋を提供する。
【0014】
また、本願の請求項2に係る発明は、上記の開口部14が、正面部11あるいは背面部12の端縁と襠部15の端縁との間に設けられたものであり、凸条と凹条との嵌合により気密に閉鎖可能なチャック14aが備えられたことを特徴とする、請求項1に記載の圧縮袋を提供する。
【0015】
また、本願の請求項3に係る発明は、正面部11と背面部12のうち一方の幅寸法が、同他方の幅寸法よりも大きくされたものであり、上記正面部11と背面部12のうち一方と他方とは、幅方向における一端側端縁が一致するようにして対向しており、幅方向における他端側端縁に上記の開口部14が設けられており、これにより、上記の開口部14が設けられた部分の位置が、開口部14が設けられていない側の、他の正面部11あるいは背面部12の端縁と襠部15の端縁の位置よりも、上記幅方向における外側に突出するものであることを特徴とする、請求項2に記載の圧縮袋を提供する。
【0016】
また、本願の請求項4に係る発明は、上記の収納部13を脱気するための脱気弁3が、正面部11あるいは背面部12に設けられたものであって、上記の押圧板2における、上記の脱気弁3が一致する位置に、通気可能とされた貫通穴21が形成されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋を提供する。
【0017】
また、本願の請求項5に係る発明は、上記の押圧板2に、ブロック状、シート状、あるいは小袋に収納された状態の防虫剤を配位することのできる、防虫剤配位部22が設けられたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋を提供する。
【0018】
また、本願の請求項6に係る発明は、上記の押圧板2が防虫成分を含有し、この防虫成分が表面から放散可能とされたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋を提供する。
【0019】
また、本願の請求項7に係る発明は、上記の襠部15のうち、折り目15aに沿う方向の両端部において、正面部11に対して接着された端縁15sと、背面部12に対して接着された端縁15sとが接着されて一体とされたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋を提供する。
【0020】
また、本願の請求項8に係る発明は、持手として、あるいは持手を支持するために用いるための貫通穴41が、上記の正面部11と背面部12とを貫通するように設けられたものであって、この貫通穴41が、上記の収納部13とは通気不可能に仕切られた部分に設けられたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋を提供する。
【0021】
また、本願の請求項9に係る発明は、吊り下げを可能とするためのフック部分71を備えたハンガー部材7が取り付けられたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋を提供する。
【0022】
また、本願の請求項10に係る発明は、上記のハンガー部材7が、袋外に設けられたフック部分71と、袋内に設けられており、被収納物品Mを吊り下げることのできる袋内吊りリング73と、上記の正面部11と背面部12とに挟まれて接着された支持部分72とを備えており、上記の支持部分72に対し、フック部分71と袋内吊りリング73の各々が回動可能に接続されていることを特徴とする、請求項9に記載の圧縮袋を提供する。
【0023】
また、本願の請求項11に係る発明は、上記の正面部11と背面部12の少なくとも一方の表面、あるいは押圧板2における、外部から視認可能な表面に、被収納物品Mの内容などを記載可能な表記部5を備えたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋を提供する。
【0024】
また、本願の請求項12に係る発明は、面ファスナー付テープ6が備えられたものであり、この面ファスナー付テープ6は、袋の外周に巻きつけられて用いられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋を提供する。
【発明の効果】
【0025】
本願の請求項1に係る発明においては、平板状の押圧板2が、収納部13の内部であって、上記正面部11及び背面部12の内面に当接可能に設けられたことにより、収納部13を脱気した際には、押圧板2が被収納物品Mを均等に押圧することができる。そのため、衣服を被収納物品Mとして収納した場合であっても、不規則な皺がつきにくく、美しい状態で保管することができる。また、脱気後の圧縮袋1はほぼ均等な厚みを有するものとできるため、積み重ねなどが容易にできる。また、圧縮袋を立てかけて収納することも可能である。
【0026】
本願の請求項2に係る発明においては、請求項1に係る発明の効果に加え、チャック14aが備えられた開口部14が設けられたことにより、開口部14の開閉を容易にでき、被収納物品Mの出し入れも簡単にできる。
【0027】
本願の請求項3に係る発明においては、請求項2に係る発明の効果に加え、開口部14が幅方向における外側に突出するものであることにより、脱気時において襠部15が畳まれた状態にあっても、襠部15のうち開口部14の設けられた側の端縁と、反対側の端縁とが重なり合わないものとできるため、開口部14のみを手で持って開放することが容易にでき、被収納物品Mの出し入れをより簡単に行うことができる。
【0028】
また、本願の請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明の効果に加え、脱気弁3が、正面部11あるいは背面部12に設けられた場合にあって、押圧板2における、上記の脱気弁3が一致する位置に、通気可能とされた貫通穴21が形成されたことにより、スムーズに脱気を行うことができる。
【0029】
また、本願の請求項5に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明の効果に加え、押圧板2に、ブロック状、シート状、あるいは小袋に収納された状態の防虫剤を配位することのできる防虫剤配位部22が設けられたことにより、防虫剤が袋内に紛れ込んでしまわないようにできる。
【0030】
また、本願の請求項6に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明の効果に加え、押圧板2が防虫成分を含有し、この防虫成分が表面から放散可能とされたことから、ユーザーが別途防虫剤を購入する必要がなく、防虫機能を発揮させることが可能である。
【0031】
また、本願の請求項7に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明の効果に加え、襠部15のうち、折り目15aに沿う方向の両端部において、正面部に対して接着された端縁15sと、背面部に対して接着された端縁15sとが接着されていることにより、収納部13に被収納物品Mを配位した場合にあっても、この部分において襠部15が広がってしまうことで美観を損ねてしまうことを防止できる。
【0032】
また、本願の請求項8に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明の効果に加え、持手として、あるいは持手を支持するために用いるための貫通穴41が設けられたことにより、移動時や保管時にも扱い易い圧縮袋を提供できたものである。
【0033】
また、本願の請求項9に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明の効果に加え、フック部分71を備えたハンガー部材7が取り付けられたことにより、吊り下げ容易な圧縮袋を提供できたものである。
【0034】
また、本願の請求項10に係る発明は、請求項9に係る発明の効果に加え、袋内吊りリング73が備えられたことにより、ハンガーなどに吊り下げたままで被収納物品Mを収納できる圧縮袋を提供できたものである。
【0035】
また、本願の請求項11に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明の効果に加え、正面部11と背面部12の少なくとも一方の表面、あるいは押圧板2における、外部から視認可能な表面に、被収納物品Mの内容などを記載可能な表記部5を備えたことにより、被収納物品Mの明細を一目で識別することができる。
【0036】
また、本願の請求項12に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明の効果に加え、面ファスナー付テープ6が備えられたものであり、この面ファスナー付テープ6が袋の外周に巻きつけられて用いられることにより、この面ファスナー付テープ6を持手として使用することができ、また、複数の圧縮袋1をまとめることもでき、また、長期に渡る保存によって、収納部13の脱気状態が失われた場合であっても、圧縮袋1の膨張をある程度は抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本願発明の一実施例をとりあげて説明する。本実施例に係る圧縮袋の基本構造は、特許文献1などに示された従来のものと同様であり、図1に示すように、内部を脱気することのできる、合成樹脂製のシートからなる袋体とされ、被収納物品Mを内部の空間に配位可能な収納部13と、この収納部13に対して被収納物品Mを出し入れ可能な開口部14とが設けられている。なお、袋体を構成するシートは、例えば、プラスチックフィルムがラミネートされてなる多層構造を有するものであって、空気・ガスバリヤー性を有するものとされている。この多層構造は、共押し出しフィルムからなるものであっても良い。また、層を構成するプラスチックとしては、ポリエチレンやナイロンが例示できる。
【0038】
この袋体は、図2に示すように、対向する正面部11と背面部12とを有している。なお、この「正面部」及び「背面部」の呼称は説明上のものであり、位置関係がこれにより限定されるものではない。
【0039】
正面部11と背面部12とは、図1における上下端部分においては直接接着されている。そして、図1における左右端部分においては、正面部側の端縁と背面部側の端縁とを連結するようにして襠部15が設けられており、図2に示すように、正面部11と襠部15、そして背面部12と襠部15とが各々接着されている。
【0040】
なお、本実施例では、正面部11と背面部12の上記左右端部分の両側に襠部15が設けられているが、これに限られず、いずれか片側にのみ襠部15が設けられていても良い。つまり、正面部11と背面部12との間の少なくとも一部に、正面部11の端縁と背面部12の端縁とを連結するようにして襠部15が設けられたものであれば良く、襠部15の位置が限定されるものではない。
【0041】
正面部11、背面部12、襠部15については透明のシートが用いられたものであっても良いし、不透明のシートが用いられたものであっても良い。また、一部のみを透明のシートとして、この部分を、被収納物品Mを外部から確認できる窓部としたものであっても良い。
【0042】
また、図1に破線で示したように、正面部11あるいは背面部12の表面に、被収納物品の内容などを油性ペンなどの筆記具を用いて記載可能な表記部5を備えたものとしても良い。このように表記部5を備えたものとすることにより、被収納物品Mの明細を一目で識別することができる。なお、この表記部5は、正面部11及び背面部12ではなく、後述の押圧板2における、外部から視認可能な表面に備えたものとしても良い。
【0043】
シート同士の接着は、本実施例においてはヒートシールによりなされている。よって、各部に用いられる合成樹脂製のシートにおいて、ヒートシールのために重ね合わされた方の片面あるいは片側に存在する層は、例えばポリエチレンなどのヒートシール性を有するプラスチックフィルムが配位されている必要がある。
【0044】
ここで襠部15は、図2に示すように、正面部11及び背面部12と同様の合成樹脂製のシートが折り目15aを境に折り畳み可能に形成されたものである。そして、被収納物品Mを収納部13へと配位した際には、上記の折り目15aが延ばされることによって、収納部13における内部空間を拡張させることができる。本実施例では、図示のように折り目15aが1本とされており、二つ折りがなされる。
【0045】
なお、襠部15における折り目15aの数はこれに限られるものではなく、2本以上を形成しても良い。また、複数の折り目15aを形成した場合にあっては、全ての折り目15aを平行に設けても良いし、各々角度を持たせて設けても良い。
【0046】
なお上記のように、正面部11と背面部12とは、図1における上下端部分においては直接接着されているが、その上下端部分のうち、正面部11と背面部12とに挟まれた襠部15、より具体的には、折り目15aに沿う方向の両端部における襠部15は、正面部11に対して接着された端縁15sと、背面部12に対して接着された端縁15sとが共に接着されている。よって、この上下端部分においては、正面部11、背面部12、襠部15の各々が接着されて一体とされている。このように各部11,12,15が一体とされたことにより、収納部13に被収納物品Mを配位した場合にあっても、この部分において襠部15が広がってしまうことがなく、美観を損ねてしまうことを防止できる。
【0047】
本実施例に係る圧縮袋1には、従来の圧縮袋と同様、収納部13に対して被収納物品Mを出し入れ可能な開口部14が設けられているが、本実施例においてはこの開口部14が、図2に示すように正面部11の端縁と襠部15の端縁との間に設けられている。そして開口部14には、凸条と凹条との嵌合により気密に閉鎖可能なチャック14aが備えられていて、開閉を容易にできるものとされている。また、このチャック14aの開閉を補助するために、図1に示すように、開口部14にスライダー14bを取り付けたものとしても良い。
【0048】
ここで、図3に示すように、正面部11の幅寸法が背面部12の幅寸法よりも大きくされたものとし、この正面部11と背面部12とが、幅方向における一端側端縁(図示右端)が一致するようにして対向されており、同他端側端縁に開口部14が設けられたものとしても良い。
【0049】
こうすることにより、正面部11と襠部15との間における、開口部14が設けられた部分の位置が、これと対向する位置関係にある、背面部12の端縁と襠部15の端縁の位置よりも、幅方向における外側に突出したものとできる。
【0050】
このように開口部14が幅方向外側に飛び出たものとすることにより、脱気時において襠部15が畳まれ、襠部15の正面部側端縁15bと背面部側端縁15cとが接近あるいは密着した状態となっていても(図2(B)参照)、各端縁15b,15cが幅方向に重なり合わないものとできるため、各端縁15b,15cをわざわざ引き剥がしたりする必要はなく、開口部14を手で持って開放することが簡単にできる。よって、被収納物品Mの出し入れを簡単に行うことができる。
【0051】
本実施例における圧縮袋1の内部には平板状の押圧板2が配位されている。具体的に、この押圧板2は、図2に示すように、上記収納部13の内部であって、上記正面部11及び背面部12の内面に当接可能に設けられたものである。この押圧板2は、正面部11及び背面部12に対して必ずしも接着されている必要はないが、ユーザーに対して2枚の押圧板2の間に被収納物品Mを確実に配位してもらうためには、接着しておいた方が望ましい。
【0052】
また、この押圧板2は、収納部13が脱気されるに伴い、図2(B)に示すように、被収納物品Mを正面部側と背面部側とから押圧できる程度の剛性を有していることが必要とされる。具体的にはダンボール板やプラスチック板が用いられるが、上記の剛性を有し、軽量な板状体であれば、材質は特に限定されるものではない。
【0053】
このような剛性を有する押圧板2を用いることにより、収納部13を脱気した際には、被収納物品Mを全面均等に押圧することができる。そのため、被収納物品Mが衣服である場合であっても、不規則な皺がつきにくく、美しい状態で保管することができる。特に、従来から存在する圧縮袋においては、脱気を収納部を巻き込むことによって行うこともあり、このことが、被収納物に不規則な皺を付ける原因ともなっていたが、本願発明に係る圧縮袋1では、図2(B)に矢印で示したように、正面部11及び背面部12越しに押圧板2,2同士を接近させるように脱気することが可能であるため、脱気作業に起因する、被収納物品Mの皺の発生も防止することができる。
【0054】
また、脱気後の圧縮袋1をほぼ均等な厚みを有するものとできるため、積み重ねなどが容易にできる。また、押圧板2が上記のように剛性を有するものであることにより、脱気後の圧縮袋1を立てかけて収納することも可能となる。
【0055】
この押圧板2は収納部13に配位可能なように、正面部11及び背面部12のうち収納部13の設けられた部分の面積よりも小さいものであれば、大きさが限定されるものではなく、種々の大きさで実施することができる。例えば、収納部の中央部にのみ配位したものであっても良い。この場合においては、正面部11及び背面部12のうち収納部13の設けられた部分の面積に対して50%以上の面積を有するものとすることが望ましい。
【0056】
また、本実施例では、正面部11あるいは背面部12の片側当たりに1枚の押圧板2を設けたものとしたが、これに限られず、複数の押圧板2を並べて設けたものとしても良い。
【0057】
また、押圧板2は上記の剛性が確保できるものであれば、形態が限定されるものではなく、例えば、表面にエンボス加工による凹凸が形成されたものや、貫通穴が多数設けられたものであっても良い。
【0058】
次に、収納部13の脱気について述べる。この収納部13の脱気は開口部14の一部を開放して行っても良いが、収納部13に連通するようにして設けた脱気弁3を介して行っても良い。ここで、図1に示した圧縮袋1に設けられた脱気弁3は、合成樹脂製シートが組み合わされて形成されたフィルム弁タイプのものとされているが、図5に示したような硬質合成樹脂製の成型弁タイプのものを用いて、正面部11あるいは背面部12を貫通するようにして設けても良い。
【0059】
ここで、フィルム弁タイプの脱気弁3が用いられた場合の一例について説明する。
【0060】
この例においては、3枚の合成樹脂製シートが重ね合わせられて、脱気弁3を構成している。具体的には、図9(A)に示すように、外装シート31a,31b、弁体シート31cから構成されている。弁体シート31cは、圧縮袋1の内部寄りの端部が図示下方側の外装シート31bに対して接着されており、圧縮袋1の外部寄りの端部は各外装シート31a,31b間を自由に移動可能とされている。そして、各シート31a,31b,31cの幅方向の端部は接着がなされている。
【0061】
上記の構造により、このフィルム弁タイプの脱気弁3は、脱気時においては、収納部13から袋外部への気流Fによって、図9(B)に示すように、弁体シート31cが図示下側の外装シート31bに押し付けられ、空気通路が確保される。
【0062】
一方、脱気が終了した後には、収納部13の内部が負圧となることにより、弁体シート31cに収納部13寄りに引き戻されるような力が働く。これにより、図9(A)に示すように、弁体シート31cが図示上側の外装シート31aに押し付けられ、空気通路が閉鎖される。
【0063】
なお、図9は説明のために上下方向を誇張させて描いたものであって、特に図9(A)に示す脱気後の状態では、袋外部の大気圧により、各シート31a,31b,31cは実際には密着している。
【0064】
次に、成型弁タイプの脱気弁3が用いられた場合の一例について説明する。
【0065】
この例において用いられる、成型弁タイプの脱気弁3は、図10、図12などに示すように、各々別体に形成された基体32と蓋体33と、そして弁体34から構成されたものである。従来の成型弁タイプの脱気弁よりも構成部材の点数が少なく、簡易な構成とされている。なお、この脱気弁3についての説明においての位置関係に関する表現は、脱気弁3を水平方向に配位したものとして(図13(B)参照)、圧縮袋1の外部方向を「上側」、同内部方向を「下側」とする。
【0066】
基体32は、図10に示すものであって、あらじかじめ圧縮袋1に設けられた貫通孔(図示しない)へ装着されることによって、圧縮袋1の脱気口となるものである。
【0067】
この基体32は平板状の取付板323を備えている。この例では、この取付板323が円盤状の形態とされているが、これに限られるものではなく、楕円形や多角形など、種々の形態にて実施し得る。
【0068】
この取付板323は、脱気弁3が圧縮袋1を構成する正面部11に取り付けられた状態において、図13(B)及び図14(B)に示すように、上側面が正面部11の内面に対して当接し、その一部が正面部11と接着される。
【0069】
取付板323には、図10(A)(B)に示すように、上方へと突出する筒状の側壁324が設けられている。この例では略円筒状とされている。上記のように、基体32を圧縮袋1へ装着するに当たり、この側壁324は、上記のように正面部11に設けられた貫通孔を貫通する。そして、正面部11の貫通孔の周囲と取付板323とが気密に接着される。
【0070】
この例における側壁324は、図10(B)及び図11に示すように、外周面にねじ部324aを有する。なお、この例のものに限られず、側壁324の内周面にねじ部324aを有するもの、あるいは外周面と内周面との両方にねじ部324aを有するものであっても良い。
【0071】
この例におけるねじ部324aは、水平方向に対して傾斜した係合溝324aとして形成されている。この係合溝324aに、図12(B)に示す、蓋体33の引掛部334の先端爪部334aが係合されることで、図13及び図14に示すように、基体32と蓋体33とが一体とされる。
【0072】
この例における係合溝324aは、図10(A)に示すように、平面視上、取付板323の中心に対して180°ごとに2つ設けられている。そして、個々の係合溝324aは、平面視上、90°の範囲の両端に引掛部334の先端爪部334aの大きさ分を加えた範囲、つまり、蓋体33が90°の範囲で回動可能なように形成されている。また、図11に示すように、側壁324の外周面には、係合溝324aを挟むようにしてクリック用突起324bが設けられている。このクリック用突起324bは、基体32に対して、蓋体33を最も緩めた位置(開放位置)と最も締め込んだ位置(閉鎖位置)とに対応して設けられている。このクリック用突起324bは、蓋体33の先端爪部334aが乗り越えることにより、蓋体33を、上記の開放位置と閉鎖位置とで固定することができる。なお、蓋体33の先端爪部334aの内面に、クリック用突起324bに嵌まる凹部を形成しておき、この凹部とクリック用突起324bとが嵌合することによって、蓋体33を固定するものとしても良い。また、係合溝324aの内部にクリック用突起324bが設けられたものとしても良い。
【0073】
なお、この例では、基体32の側に凹部としてのねじ部324aが、蓋体33の側に凸部としての引掛部334が形成されているが、これとは逆に、基体32の側に凸部が、蓋体33の側に凹部が形成されたものであっても良く、適宜変更し得る。
【0074】
取付板323のうち、上記の側壁324に囲まれた内側部分が隔壁321である。この隔壁321は、弁体34と組み合わされることにより、圧縮袋1の内部と外部とを遮断可能とするものである。この例では、隔壁321の上側の面が平面とされているが、例えば、すり鉢状の湾曲面であっても良い。そして、この隔壁321に圧縮袋1の内部と外部とを通気可能に連絡する脱気口322が設けられている。上記のように、基体32の取付板323は、圧縮袋1の正面部11に対して気密に接着されるため、脱気弁3においては、この脱気口322のみにおいて空気が通過することとなる。
【0075】
この例における脱気口322の形状は、図10(A)(C)に示すように、取付板323及び隔壁321の中心に設けられた、平面視が円形状の孔とされている。そして、この孔には、取付板323の下側に放射状に形成された整流板325のうち一部の延長線上に位置する、直線状の弁支持部327が横断して設けられており、この弁支持部327により、円の中心を基準に、平面視上、180°ごとに2分割されている。なお、この弁支持部327は、弁体34を下方から支持するためのものである。また、脱気口322の形状はこの例におけるものに限られるものではない。例えば、弁支持部327により平面視上90°ごとに4分割したものであっても良い。また、小径の孔を多数配置したものとしたり、径方向あるいは周方向に延びるスリット状の孔としても良く、種々の形状で実施が可能である。
【0076】
また、隔壁321の上面には、脱気口322を取り囲むようにして上方に突出した凸条であるリブ326が形成されている。この例では、このリブ326は幅が1mm、高さが0.3mmの突起とされており、脱気口322の径方向のすぐ外側において連続して設けられている。このリブ326が設けられたことにより、図13(B)に示すように、押圧部333が弁体34を上方から押圧した際において、下方からはこのリブ326が圧迫するものとでき、これにより弁体34による脱気口322の閉鎖がより確実になされる。なお、このリブ326は省略しても良い。
【0077】
次に、取付板323の下面には、下方へと立ち上げられ、図10(C)に示すように、取付板323の中心を基準として放射状に延びるものであって、かつ、上記中心から遠ざかるにつれて、周方向の一方に湾曲する形状の整流板325が備えられている。この例においては、図示のように、径方向で外側へ向かう途中までは取付板323の径方向に沿って延びるものであって、途中からは周方向へと徐々に湾曲した板状のものである。
【0078】
このような形態の整流板325を取付板323の下面に設けることにより、圧縮袋1の内部から排出される気流のうち、図10(B)に示すように、取付板323に沿う方向の気流F1は、図10(C)に示すように、整流板325に沿って、旋回しながら脱気口322へと導かれるため、比較的小さな抵抗で脱気することが可能である。また、整流板325が存在することにより、脱気弁3の裏側に位置する背面部12、あるいは袋内の被収納物品Mが吸い寄せられて、脱気口322が袋の内側から塞がれ、途中で脱気不能となるような事態を防止することができる。
【0079】
なお、本願発明においては押圧板2の厚み分、被収納物品Mと脱気弁3との間が離されるため、被収納物品Mと脱気弁3とが密着して脱気が阻害されてしまうことが起こりにくく、より効率的な脱気が可能である。
【0080】
次に、図12を参照しつつ、蓋体33について説明する。この蓋体33の上面331は、平面、あるいはわずかに湾曲した面とされており、この上面331の少なくとも一部が、電気掃除機のノズル先端における吸引口N(図14(B)参照)に当接する対応部331aとされる。そして、この対応部331aには、電気掃除機の吸引口Nが当接した際に当該吸引口Nの周縁に囲まれる領域に、上下方向に貫通した蓋体側貫通孔332を備える。この蓋体側貫通孔332は、基体32の脱気口322とほぼ同寸法に対応部331aの中央に形成された中央側貫通孔332aと、中央側貫通孔332aを取り巻くように、4箇所設けられた周辺側貫通孔332bとからなる。上記基部2の脱気口322を通過した気流は、この蓋体側貫通孔332を通過して、脱気弁3の外部に排出される。
【0081】
一方、蓋体33の下面には、図12(B)(C)に示すように、引掛部334が突出している。ここで、引掛部334は、図12(C)に示すように、底面視上、蓋体33の上面331の中心に対して180°ごとに2つ設けられている。
この引掛部334の先端には、先端爪部334aが内側を向くように形成されている。この先端爪部334aは、上記のように、基体32の側壁324における外周面に形成された係合溝324aに係合されるものであり、これにより、係合溝324a内における先端爪部334aの移動可能な範囲に対応して、基体32に対して蓋体33が緩む方向及び締まる方向に回動可能となっている。ここで、係合溝324aは、図11(B)に示すように、水平方向に対して傾斜しているため、上記回動に伴い、蓋体33は基体32に対して上下動する。なお、上記のように、基体32の係合溝324aが側壁324における内周面に形成された場合などにあっては、係合溝324aに係合可能なように、この引掛部334の形態も変更がなされる。
【0082】
ここで、この例における蓋体33の基体32に対する回動範囲は、90°とされている。つまり、蓋体33を基体32に対してねじ込む角度は90°のみである。よって、この例における脱気弁3は、従来存在した成型弁タイプの脱気弁のように、蓋体をねじ込むために蓋体を基体に対して何回転もさせる必要がないため操作が容易である。
なお、この蓋体33の回動範囲は、30°〜180°の範囲とすることが適当であるが、それ以上の角度として、蓋体33を数回転させるものであっても良い。
【0083】
また、蓋体33の下面であって、上記の引掛部334に対して90°ずれた位置には、回動支持突起336が突出して設けられている。この例における回動支持突起336は、図12(C)に示すように、押圧部333の外周側に隣接して設けられている。この回動支持突起336は、図13(C)に示すように、基体32に蓋体33が取り付けられた場合にあって、基体32の側壁324の内面よりも内側に配位されるものであり、これにより、蓋体33を基体32に対してぐらつかせずに回動させることができる。
【0084】
次に、図12(B)(C)に示すように、同じく蓋体33における、引掛部334よりも中心寄りの下面には、押圧部333が下方に突出して形成されている。この押圧部333は、蓋体33を係合溝324aに沿ってねじ込み、下方に移動させるに伴い、図13(B)(C)に示すように、弁体34の周縁部の少なくとも一部を押圧することができる。この例では、図12(C)に示すように、環状のものとされている。なお、この例では押圧部333の内側に、図12(C)に示すように、蓋体33の上面331の中心に対して90°ごとに4つ設けられた、十字形の連結部335が設けられているが、この連結部335は必ずしも形成しなくても良い。
【0085】
弁体34は、図14に示すように、基体32の隔壁321と蓋体33とに囲まれた弁体収容室Sに配位されたものである。この弁体収容室Sは、詳しくは、側壁324と、隔壁321と、蓋体33の押圧部333の下端とにより規定されたものである。上記の弁体34は、弁体34が、基体32あるいは蓋体33に固定されたものではなく、あるいは弾性体などの付勢を受けない自由状態で弁体収容室S内に配位されている。よって、上記のように蓋体33が緩められた際に、弁体34が、弁体収容室S内を上下方向に移動可能である。また、脱気弁3を圧縮袋1に取り付けた際でも、弾性体などの存在によって圧縮袋1から突出してしまう部分を少なくできる。
【0086】
弁体34の平面視の形態については、蓋体33が緩められた際において、弁体収容室S内の上下動が可能であれば、円形や多角形など、種々の形態での実施が可能である。また、基体32における側壁324の内周面の寸法に略一致するものとし、水平方向には実質的な移動がなされないものとしても良いし、弁体収容室S内において水平方向に移動可能な形態としても良い。ただし、弁体34が水平方向にずれた場合であっても、脱気口322の全体を覆うことが可能であり、脱気口322の閉鎖について支障がないことを条件とする。
【0087】
なお、図13(C)に示すように、この例における弁体34の形態は長円形である。寸法は、長径が24mm、短径が20mmとされている。
【0088】
また、弁体収容室Sの上下方向の寸法は、少なくとも、弁体34の水平方向寸法のうち、弁体34の中心を通る最小寸法(この例では長円形の短径寸法)よりも小さく形成されており、弁体収容室S内で弁体34が裏返ってしまうことがなく、弁体34が確実に動作するものとされている。この例では、弁体収容室Sの上下方向の寸法が6mm以下となるようにされており、弁体34の厚みに比べて大きいため、電気掃除機による吸引時においても、電気掃除機のモーターが過負荷状態とならず、安全性が高い。
【0089】
この弁体34は、ゴムなどの軟質の樹脂からなるものであり、電気掃除機の吸引口Nを蓋体33の対応部331aに当接させ、吸引することによって蓋体33の側へ引き寄せられ、脱気口322から離反が可能である。この例における弁体34には、厚み0.6mmのゴムシートが用いられている。上記のように、弁体34が自由状態で弁体収容室S内に配位されていることから、弁体収容室S内を自由に移動可能なものとされているため、上記の吸引に対する弁体34の動作に時間差が発生することがなく、速やかな脱気が可能となっている。そして、上記の吸引終了後は、圧縮袋1の内部の負圧と外部の正圧との圧力差によって、速やかに脱気口322に密着する。よって、図14(B)に示すように蓋体33を基体32に締め込まない状態であっても、圧縮袋1内の脱気状態は保たれる。そして更に、蓋体33が締め付けられた際には、図13(B)に示すように、蓋体33の押圧部333によって弁体34が下方に押え付けられるので、脱気口322を封じた状態で確実に維持、固定することができる。
【0090】
ここで、上記に説明した弁体34は平板状のものであるが、例えば上方に突出した突出部を備えたものとし、この突出部を蓋体33の一部に上下動可能に配位するものとしても良い。このようにすることにより、弁体34を、ほとんど左右方向にずれないものとでき、弁体34を安定して作動させることができる。
【0091】
上記の構成に係る脱気弁3が、図5に示すように取り付けられて使用されるが、この圧縮袋1を脱気する際には、被収納物品Mを収納部13に収納した後に開口部14を閉鎖し、この状態で脱気弁3の基体32に対して蓋体33を緩め、図14(B)に示すように、蓋体33の対応部331aに電気掃除機の吸引口Nを押し当てて、袋内の空気を脱気口322を通じて脱気する。この脱気後の状態においても、弁体34と脱気口322とは、袋内外の圧力差により密着しているため、脱気状態を保持可能であるが、より確実に脱気状態を保持するためには、基体32に対して蓋体33をねじ込み、図13(B)に示すように、蓋体33の押圧部333により、弁体34を脱気口322に対して強制的に押さえつける。これにより、長期にわたって、その脱気した状態を保持することができる。
【0092】
なお、図15に示すように、圧縮袋1の表面に脱気弁3の開閉状態を示す表示が印刷などにより設けられたものとしても良い。具体的には、脱気弁3における蓋体33の上面331に、矢印などの開度指示部339が設けられており、脱気弁3の開放状態における開度指示部339の位置に一致する正面部11の表面に開放位置表示部11aが設けられ、同じく閉鎖状態における開度指示部339の位置に一致する正面部11の表面に、閉鎖位置表示部11bが設けられたものである。なお、この開度指示部339は、図示した例のように蓋体33の上面331に限られず、蓋体33の表面であって、圧縮袋1の使用者が視認容易な位置であれば、側面など他の位置に設けても良い。また、開度指示部339は蓋体33の成型時に同時に形成されたものであっても良いし、シールの貼り付けや、塗装などにより別個に形成されたものであっても良く、種々の手段で実施し得る。開放位置表示部11a及び閉鎖位置表示部11bについても同様に、シールの貼り付けなど種々の手段で実施し得る。
【0093】
上記のように開度指示部339及び各位置表示部11a,11bが設けられた場合にあっては、圧縮袋1の使用者が脱気弁3の開閉状態を一目で確認することができ、より使いやすい圧縮袋1とすることができる。
【0094】
なお、脱気弁3として上記のような成型弁を用いた場合にあっては、押圧板2が図1に示したような形態のままであると、収納部13の内部と脱気弁3との間に壁が存在することとなり、脱気が阻害される。よって、収納部13の内部と脱気弁3を連通させてスムーズに脱気を行うために、押圧板2において脱気弁3が一致する位置に、図5に示すように、通気可能とされた貫通穴21が形成されている。この貫通穴21は、図示のように一つの大きい穴が形成されたもので、図13(B)に示すように、脱気弁3の一部がこの貫通穴21の内部に配位されたものとしても良いし、また、小さな穴が集合したものであっても良い。
【0095】
次に、被収納物品Mが衣服である場合にあっては、しばしば防虫剤を収納部13に同封することがあるが、本願発明においては、この押圧板2を防虫機能に関連して利用することもできる。
【0096】
具体的には、押圧板2にブロック状、シート状、あるいは小袋に収納された状態など、まとまって扱うことのできる形態を有する防虫剤を配位することのできる、防虫剤配位部22を設けたものとする。これにより、防虫剤を防虫剤配位部22にとどめておくことができ、防虫剤袋内に紛れ込んでしまわないようにできる。この防虫剤配位部22は、防虫剤を一定の位置にとどめておくことのできるものであれば、その実施形態は限定されるものではない。例えば、補強材2の表面に設けられたポケットやクリップ状の部材、また、粘着面などの種々の形態を採用し得る。
【0097】
また、押圧板2自体が防虫剤を兼ねるものとしても良い。つまり、押圧板2に防虫成分を含有させ、この防虫成分が表面から放散可能とされたものとする。このような押圧板2を備えた圧縮袋を提供することにより、ユーザーが別途防虫剤を購入する必要がなく、防虫機能を発揮させることが可能であるというメリットを有する。
【0098】
なお、押圧板2は、上記のように防虫機能を発揮するものに限られず、除菌、防臭、芳香などの種々の機能を発揮させるものとして用いても良い。
【0099】
また、持手として用いるための貫通穴41が、上記の正面部と背面部とを貫通するように設けられたものであっても良い。この貫通穴41は、図4に示すように、手を直接通すことのできるような大きさの穴としても良いし、図5に示すように、紐状体42あるいは硬質樹脂製などの取手部材を貫通させることのできる大きさの穴としても良い。なお、この貫通穴41は、収納部13とは通気不可能に仕切られている必要がある。
【0100】
具体的には、図4及び図5に示すように、押圧板2とは別の板状体である芯材4を、別途正面部11と背面部12との間に挟んだものとし、この芯材4と収納部13との間において、正面部11と背面部12とをヒートシールすることにより仕切シール4aを設けて通気不能とする。そして正面部11、背面部12、芯材4に貫通穴41が設けられる。なお、上記の芯材4は本願発明においては必須のものではなく、芯材4を省略して、正面部11と背面部12とにのみ貫通穴41を設けても良い。
【0101】
なお、上記のように貫通穴41を設けずに、図6に示すように、プラスチック製のハンガー部材7を圧縮袋1と一体に取り付けて、圧縮袋1を吊り下げ容易としても良い。図6(A)に例示したものは、ハンガー部材7の支持部分72を、正面部11及び背面部12を外側から挟むようにしてヒートシールなどにより接着したものであり、図6(B)に例示したものは、正面部11と背面部12との間にハンガー部材7の支持部分72を配位した状態で、正面部11と背面部12とをヒートシールすることにより、ハンガー部材7が圧縮袋1から外れないようにしたものであるが、これら例示したもの以外にも種々の形態でハンガー部材7を圧縮袋1に取り付けることが可能である。
【0102】
また、図6に示したハンガー部材7は、圧縮袋1に対してフック部分71が固定された構造とされているが、例えばフック部分71と支持部分72との間が回動可能な構造とされたことにより、フック部分71を、クローゼットの吊り棒など、圧縮袋1を吊り下げる相手方に合わせて適宜回動させることのできるものとしても良い。
【0103】
このように可動式であるハンガー部材7を取り付けた圧縮袋1の例を図7に示す。このハンガー部材7は、図8に示すような形態であって、フック部分71と袋内吊りリング73とを備えており、このハンガー部材7の支持部分72はブロック状の中央部72a、上側ジョイント72b、下側ジョイント72cが一体とされたものである。
【0104】
上記の中央部72aは、図示上下方向に貫通する空間部を有していないものであり、図7に示すように、正面部11と背面部12との間に挟まれてヒートシールされることにより、正面部11と背面部12との間を気密状態としつつ、ハンガー部材7を袋の内外に貫通させることができる。
【0105】
そして、上側ジョイント72bにはフック部分71の下端部71aが差し込まれたことにより、支持部分72に対してフック部分71が回動可能とされる。また同じく、下側ジョイント72cには袋内吊りリング73の上端部73aが差し込まれたことにより、支持部分72に対して袋内吊りリング73が回動可能とされる。図8に示すように、フック部分71の下端部71a及び袋内吊りリング73の上端部73aは楔状になっており、各々が支持部分72に差し込まれた後は容易に抜けることがないものとされている。
【0106】
上記の構成のうち、特に袋内吊りリング73が圧縮袋1に対して可動であるため、ハンガーに吊るした状態とされた被収納物品Mを、このハンガーを袋内吊りリング73に引掛けることによりそのまま吊り下げることが可能である。つまり、圧縮袋1をいちいち床面などに置いた状態とせずとも、クローゼットなどに吊り下げた状態そのままで被収納物品Mを収納することができ、使い勝手が良い。また、袋内吊りリング73を回動させることにより、例えばクリーニング店などで用いられている、可動部分のない簡易な構造のハンガーであっても無理なく吊り下げが可能である。
【0107】
なお、上記の構成においては、フック部分71と袋内吊りリング73の両方が支持部分72に対して可動であるものであったが、いずれか一方のみが支持部分72に対して固定されたものであっても良い。
【0108】
また、面ファスナー付テープ6が備えられたものとし、この面ファスナー付テープ6を、図4に示すように、圧縮袋1の外周に巻きつけて用いても良い。このように面ファスナー付テープ6を圧縮袋1の外周に巻きつけることにより、この面ファスナー付テープ6を持手として使用することができる。また、複数の圧縮袋1をまとめることもできる。また、長期に渡る保存によって、収納部13の脱気状態が失われた場合であっても、圧縮袋1の膨張をある程度は抑えることができるという種々のメリットを有する。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本願発明の一実施例に係る圧縮袋を示す正面図である。
【図2】(A)は図1におけるA−A矢視端面図であり、(B)は被収納物品を収納部に入れて脱気中の状態を示す、同端面図である。
【図3】他の実施例に係る、図1におけるA−A矢視に相当する端面図である。
【図4】本願発明の他の実施例に係る圧縮袋を示す正面図である。
【図5】本願発明の他の実施例に係る圧縮袋を示す正面図である。
【図6】(A)(B)とも、本願発明の他の実施例に係る圧縮袋にハンガーを取り付けた状態を示す要部の正面図である。
【図7】本願発明の他の実施例に係る圧縮袋を示す正面図である。
【図8】図7の圧縮袋に用いられる、可動式のハンガーを示す正面図である。
【図9】本願発明において用いられる、フィルム弁タイプの脱気弁の一例を示す、図1におけるB−B矢視端面図であり、(A)は閉鎖時を示し、(B)は脱気時を示す。
【図10】本願発明において用いられる、成型弁タイプの脱気弁の一例を示し、(A)は基体を示す平面図、(B)は同C−C矢視断面図、(C)は同底面図である。
【図11】同成型弁タイプの脱気弁の一例を示し、(A)は基体における側壁を示す要部拡大平面図であり、(B)は同要部拡大側面図である。
【図12】同成型弁タイプの脱気弁の一例を示し、(A)は蓋体を示す平面図であり、(B)は同D−D矢視断面図、(C)は同底面図である。
【図13】同成型弁タイプの脱気弁の一例を示し、(A)は脱気弁の閉鎖状態における平面図であり、(B)は同E−E矢視断面図であり、(C)は同F−F断面要部拡大図である。
【図14】同成型弁タイプの脱気弁の一例を示し、(A)は脱気弁の開放状態における平面図であり、(B)は同G−G組合せ断面図である。
【図15】同成型弁タイプの脱気弁を取り付けた圧縮袋であって、袋に開閉表示を付加したものを示す部分拡大正面図である。
【符号の説明】
【0110】
11 正面部
12 背面部
13 収納部
14 開口部
14a チャック
15 襠部
15a 折り目
15s 端縁
2 押圧板
21 貫通穴
22 防虫剤配位部
3 脱気弁
41 貫通穴
5 表記部
6 面ファスナー付テープ
7 ハンガー部材
71 フック部分
72 支持部分
73 袋内吊りリング
M 被収納物品
【技術分野】
【0001】
本願発明は、衣類などを収納するための圧縮袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特許第3563713号公報
【0003】
従来から、衣類などの比較的嵩張る物品を収納して、内部を脱気することにより圧縮し、コンパクトに収納することのできる圧縮袋が存在している。
【0004】
ここで、特許文献1では、襠部を周囲に設けたことにより容量を拡大できる袋が提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来から存在した圧縮袋は、内部を単に脱気するという機能しかなかったため、収納された衣服などの被収納物品に不規則な皺がついてしまい、袋から取り出してもそのまま着用できず、アイロンがけなどが必要になる場合があった。
【0006】
また、脱気後の状態における袋の厚みに部分的な差異ができてしまうことがあり、例えば脱気後の袋を積み重ねてクローゼットなどに収納しようとしても、バランスが崩れてしまってうまく収納できないという問題があった。またこれに関連して、脱気後の袋を立てかけて収納可能とできればより便利である。
【0007】
また、衣服を収納する際には、防虫剤を袋内に入れることがあるが、その際において防虫剤が袋内に紛れ込んでしまわないような構造とできれば便利であり、さらには、ユーザーが別途防虫剤を購入する必要がなく、防虫機能を発揮させることが可能な圧縮袋があればより便利である。
【0008】
また、開口部の開閉が容易であって被収納物品の出し入れを簡単に行うことができ、脱気がスムーズにでき、被収納物品の収納時であっても美観を損ねず、移動時や保管時にも取り扱い易く、吊り下げ容易であり、ハンガーなどに吊り下げたままで被収納物品を収納でき、被収納物品の明細を一目で識別でき、複数の圧縮袋を一まとめにしたり、長期に渡る保存によって脱気状態が失われた場合であっても、膨張をある程度抑えることができる圧縮袋が望まれている。
【0009】
本願発明は上記のことに鑑み、均等に圧縮させることができて、被収納物品に不規則な皺がつきにくい圧縮袋を提供することを課題とする。
【0010】
また、収納容易である圧縮袋を提供することを課題とする。
【0011】
また、防虫剤が袋内に紛れ込んでしまわないような構造を提供すること、さらには、ユーザーが別途防虫剤を購入する必要がなく、防虫機能を発揮させることが可能な圧縮袋を提供することを課題とする。
【0012】
また、上記の他に、開口部の開閉が容易であって、被収納物品の出し入れを簡単に行うことができ、脱気がスムーズにでき、被収納物品の収納時であっても美観を損ねず、移動時や保管時にも取り扱い易く、吊り下げ容易であり、ハンガーなどに吊り下げたままで被収納物品を収納でき、被収納物品の明細を一目で識別でき、複数の圧縮袋を一まとめにしたり、長期に渡る保存によって脱気状態が失われた場合であっても、膨張をある程度抑えることができる圧縮袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本願の請求項1に係る発明は、内部を脱気することのできる、合成樹脂製のシートからなる袋体であって、対向する正面部11と背面部12とを有し、被収納物品Mを配位可能な空間を有する収納部13と、この収納部13に対して被収納物品Mを出し入れ可能な開口部14とを有し、上記の正面部11と背面部12との間の少なくとも一部には、正面部11の端縁と背面部12の端縁とを連結するようにして襠部15が設けられており、この襠部15は、合成樹脂製のシートが折り目15aを境に折り畳み可能に形成されたものであり、被収納物品Mを収納部13へと配位した際には、上記の折り目15aが延ばされることによって、収納部13における内部空間が拡張できるものであり、平板状の押圧板2が、上記収納部13の内部であって、上記正面部11及び背面部12の内面に当接可能に設けられたものであり、この押圧板2は、収納部13が脱気されるに伴い、被収納物品Mを正面部側と背面部側とから押圧できる程度の剛性を有していることを特徴とする圧縮袋を提供する。
【0014】
また、本願の請求項2に係る発明は、上記の開口部14が、正面部11あるいは背面部12の端縁と襠部15の端縁との間に設けられたものであり、凸条と凹条との嵌合により気密に閉鎖可能なチャック14aが備えられたことを特徴とする、請求項1に記載の圧縮袋を提供する。
【0015】
また、本願の請求項3に係る発明は、正面部11と背面部12のうち一方の幅寸法が、同他方の幅寸法よりも大きくされたものであり、上記正面部11と背面部12のうち一方と他方とは、幅方向における一端側端縁が一致するようにして対向しており、幅方向における他端側端縁に上記の開口部14が設けられており、これにより、上記の開口部14が設けられた部分の位置が、開口部14が設けられていない側の、他の正面部11あるいは背面部12の端縁と襠部15の端縁の位置よりも、上記幅方向における外側に突出するものであることを特徴とする、請求項2に記載の圧縮袋を提供する。
【0016】
また、本願の請求項4に係る発明は、上記の収納部13を脱気するための脱気弁3が、正面部11あるいは背面部12に設けられたものであって、上記の押圧板2における、上記の脱気弁3が一致する位置に、通気可能とされた貫通穴21が形成されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋を提供する。
【0017】
また、本願の請求項5に係る発明は、上記の押圧板2に、ブロック状、シート状、あるいは小袋に収納された状態の防虫剤を配位することのできる、防虫剤配位部22が設けられたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋を提供する。
【0018】
また、本願の請求項6に係る発明は、上記の押圧板2が防虫成分を含有し、この防虫成分が表面から放散可能とされたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋を提供する。
【0019】
また、本願の請求項7に係る発明は、上記の襠部15のうち、折り目15aに沿う方向の両端部において、正面部11に対して接着された端縁15sと、背面部12に対して接着された端縁15sとが接着されて一体とされたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋を提供する。
【0020】
また、本願の請求項8に係る発明は、持手として、あるいは持手を支持するために用いるための貫通穴41が、上記の正面部11と背面部12とを貫通するように設けられたものであって、この貫通穴41が、上記の収納部13とは通気不可能に仕切られた部分に設けられたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋を提供する。
【0021】
また、本願の請求項9に係る発明は、吊り下げを可能とするためのフック部分71を備えたハンガー部材7が取り付けられたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋を提供する。
【0022】
また、本願の請求項10に係る発明は、上記のハンガー部材7が、袋外に設けられたフック部分71と、袋内に設けられており、被収納物品Mを吊り下げることのできる袋内吊りリング73と、上記の正面部11と背面部12とに挟まれて接着された支持部分72とを備えており、上記の支持部分72に対し、フック部分71と袋内吊りリング73の各々が回動可能に接続されていることを特徴とする、請求項9に記載の圧縮袋を提供する。
【0023】
また、本願の請求項11に係る発明は、上記の正面部11と背面部12の少なくとも一方の表面、あるいは押圧板2における、外部から視認可能な表面に、被収納物品Mの内容などを記載可能な表記部5を備えたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋を提供する。
【0024】
また、本願の請求項12に係る発明は、面ファスナー付テープ6が備えられたものであり、この面ファスナー付テープ6は、袋の外周に巻きつけられて用いられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋を提供する。
【発明の効果】
【0025】
本願の請求項1に係る発明においては、平板状の押圧板2が、収納部13の内部であって、上記正面部11及び背面部12の内面に当接可能に設けられたことにより、収納部13を脱気した際には、押圧板2が被収納物品Mを均等に押圧することができる。そのため、衣服を被収納物品Mとして収納した場合であっても、不規則な皺がつきにくく、美しい状態で保管することができる。また、脱気後の圧縮袋1はほぼ均等な厚みを有するものとできるため、積み重ねなどが容易にできる。また、圧縮袋を立てかけて収納することも可能である。
【0026】
本願の請求項2に係る発明においては、請求項1に係る発明の効果に加え、チャック14aが備えられた開口部14が設けられたことにより、開口部14の開閉を容易にでき、被収納物品Mの出し入れも簡単にできる。
【0027】
本願の請求項3に係る発明においては、請求項2に係る発明の効果に加え、開口部14が幅方向における外側に突出するものであることにより、脱気時において襠部15が畳まれた状態にあっても、襠部15のうち開口部14の設けられた側の端縁と、反対側の端縁とが重なり合わないものとできるため、開口部14のみを手で持って開放することが容易にでき、被収納物品Mの出し入れをより簡単に行うことができる。
【0028】
また、本願の請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明の効果に加え、脱気弁3が、正面部11あるいは背面部12に設けられた場合にあって、押圧板2における、上記の脱気弁3が一致する位置に、通気可能とされた貫通穴21が形成されたことにより、スムーズに脱気を行うことができる。
【0029】
また、本願の請求項5に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明の効果に加え、押圧板2に、ブロック状、シート状、あるいは小袋に収納された状態の防虫剤を配位することのできる防虫剤配位部22が設けられたことにより、防虫剤が袋内に紛れ込んでしまわないようにできる。
【0030】
また、本願の請求項6に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明の効果に加え、押圧板2が防虫成分を含有し、この防虫成分が表面から放散可能とされたことから、ユーザーが別途防虫剤を購入する必要がなく、防虫機能を発揮させることが可能である。
【0031】
また、本願の請求項7に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明の効果に加え、襠部15のうち、折り目15aに沿う方向の両端部において、正面部に対して接着された端縁15sと、背面部に対して接着された端縁15sとが接着されていることにより、収納部13に被収納物品Mを配位した場合にあっても、この部分において襠部15が広がってしまうことで美観を損ねてしまうことを防止できる。
【0032】
また、本願の請求項8に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明の効果に加え、持手として、あるいは持手を支持するために用いるための貫通穴41が設けられたことにより、移動時や保管時にも扱い易い圧縮袋を提供できたものである。
【0033】
また、本願の請求項9に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明の効果に加え、フック部分71を備えたハンガー部材7が取り付けられたことにより、吊り下げ容易な圧縮袋を提供できたものである。
【0034】
また、本願の請求項10に係る発明は、請求項9に係る発明の効果に加え、袋内吊りリング73が備えられたことにより、ハンガーなどに吊り下げたままで被収納物品Mを収納できる圧縮袋を提供できたものである。
【0035】
また、本願の請求項11に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明の効果に加え、正面部11と背面部12の少なくとも一方の表面、あるいは押圧板2における、外部から視認可能な表面に、被収納物品Mの内容などを記載可能な表記部5を備えたことにより、被収納物品Mの明細を一目で識別することができる。
【0036】
また、本願の請求項12に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明の効果に加え、面ファスナー付テープ6が備えられたものであり、この面ファスナー付テープ6が袋の外周に巻きつけられて用いられることにより、この面ファスナー付テープ6を持手として使用することができ、また、複数の圧縮袋1をまとめることもでき、また、長期に渡る保存によって、収納部13の脱気状態が失われた場合であっても、圧縮袋1の膨張をある程度は抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本願発明の一実施例をとりあげて説明する。本実施例に係る圧縮袋の基本構造は、特許文献1などに示された従来のものと同様であり、図1に示すように、内部を脱気することのできる、合成樹脂製のシートからなる袋体とされ、被収納物品Mを内部の空間に配位可能な収納部13と、この収納部13に対して被収納物品Mを出し入れ可能な開口部14とが設けられている。なお、袋体を構成するシートは、例えば、プラスチックフィルムがラミネートされてなる多層構造を有するものであって、空気・ガスバリヤー性を有するものとされている。この多層構造は、共押し出しフィルムからなるものであっても良い。また、層を構成するプラスチックとしては、ポリエチレンやナイロンが例示できる。
【0038】
この袋体は、図2に示すように、対向する正面部11と背面部12とを有している。なお、この「正面部」及び「背面部」の呼称は説明上のものであり、位置関係がこれにより限定されるものではない。
【0039】
正面部11と背面部12とは、図1における上下端部分においては直接接着されている。そして、図1における左右端部分においては、正面部側の端縁と背面部側の端縁とを連結するようにして襠部15が設けられており、図2に示すように、正面部11と襠部15、そして背面部12と襠部15とが各々接着されている。
【0040】
なお、本実施例では、正面部11と背面部12の上記左右端部分の両側に襠部15が設けられているが、これに限られず、いずれか片側にのみ襠部15が設けられていても良い。つまり、正面部11と背面部12との間の少なくとも一部に、正面部11の端縁と背面部12の端縁とを連結するようにして襠部15が設けられたものであれば良く、襠部15の位置が限定されるものではない。
【0041】
正面部11、背面部12、襠部15については透明のシートが用いられたものであっても良いし、不透明のシートが用いられたものであっても良い。また、一部のみを透明のシートとして、この部分を、被収納物品Mを外部から確認できる窓部としたものであっても良い。
【0042】
また、図1に破線で示したように、正面部11あるいは背面部12の表面に、被収納物品の内容などを油性ペンなどの筆記具を用いて記載可能な表記部5を備えたものとしても良い。このように表記部5を備えたものとすることにより、被収納物品Mの明細を一目で識別することができる。なお、この表記部5は、正面部11及び背面部12ではなく、後述の押圧板2における、外部から視認可能な表面に備えたものとしても良い。
【0043】
シート同士の接着は、本実施例においてはヒートシールによりなされている。よって、各部に用いられる合成樹脂製のシートにおいて、ヒートシールのために重ね合わされた方の片面あるいは片側に存在する層は、例えばポリエチレンなどのヒートシール性を有するプラスチックフィルムが配位されている必要がある。
【0044】
ここで襠部15は、図2に示すように、正面部11及び背面部12と同様の合成樹脂製のシートが折り目15aを境に折り畳み可能に形成されたものである。そして、被収納物品Mを収納部13へと配位した際には、上記の折り目15aが延ばされることによって、収納部13における内部空間を拡張させることができる。本実施例では、図示のように折り目15aが1本とされており、二つ折りがなされる。
【0045】
なお、襠部15における折り目15aの数はこれに限られるものではなく、2本以上を形成しても良い。また、複数の折り目15aを形成した場合にあっては、全ての折り目15aを平行に設けても良いし、各々角度を持たせて設けても良い。
【0046】
なお上記のように、正面部11と背面部12とは、図1における上下端部分においては直接接着されているが、その上下端部分のうち、正面部11と背面部12とに挟まれた襠部15、より具体的には、折り目15aに沿う方向の両端部における襠部15は、正面部11に対して接着された端縁15sと、背面部12に対して接着された端縁15sとが共に接着されている。よって、この上下端部分においては、正面部11、背面部12、襠部15の各々が接着されて一体とされている。このように各部11,12,15が一体とされたことにより、収納部13に被収納物品Mを配位した場合にあっても、この部分において襠部15が広がってしまうことがなく、美観を損ねてしまうことを防止できる。
【0047】
本実施例に係る圧縮袋1には、従来の圧縮袋と同様、収納部13に対して被収納物品Mを出し入れ可能な開口部14が設けられているが、本実施例においてはこの開口部14が、図2に示すように正面部11の端縁と襠部15の端縁との間に設けられている。そして開口部14には、凸条と凹条との嵌合により気密に閉鎖可能なチャック14aが備えられていて、開閉を容易にできるものとされている。また、このチャック14aの開閉を補助するために、図1に示すように、開口部14にスライダー14bを取り付けたものとしても良い。
【0048】
ここで、図3に示すように、正面部11の幅寸法が背面部12の幅寸法よりも大きくされたものとし、この正面部11と背面部12とが、幅方向における一端側端縁(図示右端)が一致するようにして対向されており、同他端側端縁に開口部14が設けられたものとしても良い。
【0049】
こうすることにより、正面部11と襠部15との間における、開口部14が設けられた部分の位置が、これと対向する位置関係にある、背面部12の端縁と襠部15の端縁の位置よりも、幅方向における外側に突出したものとできる。
【0050】
このように開口部14が幅方向外側に飛び出たものとすることにより、脱気時において襠部15が畳まれ、襠部15の正面部側端縁15bと背面部側端縁15cとが接近あるいは密着した状態となっていても(図2(B)参照)、各端縁15b,15cが幅方向に重なり合わないものとできるため、各端縁15b,15cをわざわざ引き剥がしたりする必要はなく、開口部14を手で持って開放することが簡単にできる。よって、被収納物品Mの出し入れを簡単に行うことができる。
【0051】
本実施例における圧縮袋1の内部には平板状の押圧板2が配位されている。具体的に、この押圧板2は、図2に示すように、上記収納部13の内部であって、上記正面部11及び背面部12の内面に当接可能に設けられたものである。この押圧板2は、正面部11及び背面部12に対して必ずしも接着されている必要はないが、ユーザーに対して2枚の押圧板2の間に被収納物品Mを確実に配位してもらうためには、接着しておいた方が望ましい。
【0052】
また、この押圧板2は、収納部13が脱気されるに伴い、図2(B)に示すように、被収納物品Mを正面部側と背面部側とから押圧できる程度の剛性を有していることが必要とされる。具体的にはダンボール板やプラスチック板が用いられるが、上記の剛性を有し、軽量な板状体であれば、材質は特に限定されるものではない。
【0053】
このような剛性を有する押圧板2を用いることにより、収納部13を脱気した際には、被収納物品Mを全面均等に押圧することができる。そのため、被収納物品Mが衣服である場合であっても、不規則な皺がつきにくく、美しい状態で保管することができる。特に、従来から存在する圧縮袋においては、脱気を収納部を巻き込むことによって行うこともあり、このことが、被収納物に不規則な皺を付ける原因ともなっていたが、本願発明に係る圧縮袋1では、図2(B)に矢印で示したように、正面部11及び背面部12越しに押圧板2,2同士を接近させるように脱気することが可能であるため、脱気作業に起因する、被収納物品Mの皺の発生も防止することができる。
【0054】
また、脱気後の圧縮袋1をほぼ均等な厚みを有するものとできるため、積み重ねなどが容易にできる。また、押圧板2が上記のように剛性を有するものであることにより、脱気後の圧縮袋1を立てかけて収納することも可能となる。
【0055】
この押圧板2は収納部13に配位可能なように、正面部11及び背面部12のうち収納部13の設けられた部分の面積よりも小さいものであれば、大きさが限定されるものではなく、種々の大きさで実施することができる。例えば、収納部の中央部にのみ配位したものであっても良い。この場合においては、正面部11及び背面部12のうち収納部13の設けられた部分の面積に対して50%以上の面積を有するものとすることが望ましい。
【0056】
また、本実施例では、正面部11あるいは背面部12の片側当たりに1枚の押圧板2を設けたものとしたが、これに限られず、複数の押圧板2を並べて設けたものとしても良い。
【0057】
また、押圧板2は上記の剛性が確保できるものであれば、形態が限定されるものではなく、例えば、表面にエンボス加工による凹凸が形成されたものや、貫通穴が多数設けられたものであっても良い。
【0058】
次に、収納部13の脱気について述べる。この収納部13の脱気は開口部14の一部を開放して行っても良いが、収納部13に連通するようにして設けた脱気弁3を介して行っても良い。ここで、図1に示した圧縮袋1に設けられた脱気弁3は、合成樹脂製シートが組み合わされて形成されたフィルム弁タイプのものとされているが、図5に示したような硬質合成樹脂製の成型弁タイプのものを用いて、正面部11あるいは背面部12を貫通するようにして設けても良い。
【0059】
ここで、フィルム弁タイプの脱気弁3が用いられた場合の一例について説明する。
【0060】
この例においては、3枚の合成樹脂製シートが重ね合わせられて、脱気弁3を構成している。具体的には、図9(A)に示すように、外装シート31a,31b、弁体シート31cから構成されている。弁体シート31cは、圧縮袋1の内部寄りの端部が図示下方側の外装シート31bに対して接着されており、圧縮袋1の外部寄りの端部は各外装シート31a,31b間を自由に移動可能とされている。そして、各シート31a,31b,31cの幅方向の端部は接着がなされている。
【0061】
上記の構造により、このフィルム弁タイプの脱気弁3は、脱気時においては、収納部13から袋外部への気流Fによって、図9(B)に示すように、弁体シート31cが図示下側の外装シート31bに押し付けられ、空気通路が確保される。
【0062】
一方、脱気が終了した後には、収納部13の内部が負圧となることにより、弁体シート31cに収納部13寄りに引き戻されるような力が働く。これにより、図9(A)に示すように、弁体シート31cが図示上側の外装シート31aに押し付けられ、空気通路が閉鎖される。
【0063】
なお、図9は説明のために上下方向を誇張させて描いたものであって、特に図9(A)に示す脱気後の状態では、袋外部の大気圧により、各シート31a,31b,31cは実際には密着している。
【0064】
次に、成型弁タイプの脱気弁3が用いられた場合の一例について説明する。
【0065】
この例において用いられる、成型弁タイプの脱気弁3は、図10、図12などに示すように、各々別体に形成された基体32と蓋体33と、そして弁体34から構成されたものである。従来の成型弁タイプの脱気弁よりも構成部材の点数が少なく、簡易な構成とされている。なお、この脱気弁3についての説明においての位置関係に関する表現は、脱気弁3を水平方向に配位したものとして(図13(B)参照)、圧縮袋1の外部方向を「上側」、同内部方向を「下側」とする。
【0066】
基体32は、図10に示すものであって、あらじかじめ圧縮袋1に設けられた貫通孔(図示しない)へ装着されることによって、圧縮袋1の脱気口となるものである。
【0067】
この基体32は平板状の取付板323を備えている。この例では、この取付板323が円盤状の形態とされているが、これに限られるものではなく、楕円形や多角形など、種々の形態にて実施し得る。
【0068】
この取付板323は、脱気弁3が圧縮袋1を構成する正面部11に取り付けられた状態において、図13(B)及び図14(B)に示すように、上側面が正面部11の内面に対して当接し、その一部が正面部11と接着される。
【0069】
取付板323には、図10(A)(B)に示すように、上方へと突出する筒状の側壁324が設けられている。この例では略円筒状とされている。上記のように、基体32を圧縮袋1へ装着するに当たり、この側壁324は、上記のように正面部11に設けられた貫通孔を貫通する。そして、正面部11の貫通孔の周囲と取付板323とが気密に接着される。
【0070】
この例における側壁324は、図10(B)及び図11に示すように、外周面にねじ部324aを有する。なお、この例のものに限られず、側壁324の内周面にねじ部324aを有するもの、あるいは外周面と内周面との両方にねじ部324aを有するものであっても良い。
【0071】
この例におけるねじ部324aは、水平方向に対して傾斜した係合溝324aとして形成されている。この係合溝324aに、図12(B)に示す、蓋体33の引掛部334の先端爪部334aが係合されることで、図13及び図14に示すように、基体32と蓋体33とが一体とされる。
【0072】
この例における係合溝324aは、図10(A)に示すように、平面視上、取付板323の中心に対して180°ごとに2つ設けられている。そして、個々の係合溝324aは、平面視上、90°の範囲の両端に引掛部334の先端爪部334aの大きさ分を加えた範囲、つまり、蓋体33が90°の範囲で回動可能なように形成されている。また、図11に示すように、側壁324の外周面には、係合溝324aを挟むようにしてクリック用突起324bが設けられている。このクリック用突起324bは、基体32に対して、蓋体33を最も緩めた位置(開放位置)と最も締め込んだ位置(閉鎖位置)とに対応して設けられている。このクリック用突起324bは、蓋体33の先端爪部334aが乗り越えることにより、蓋体33を、上記の開放位置と閉鎖位置とで固定することができる。なお、蓋体33の先端爪部334aの内面に、クリック用突起324bに嵌まる凹部を形成しておき、この凹部とクリック用突起324bとが嵌合することによって、蓋体33を固定するものとしても良い。また、係合溝324aの内部にクリック用突起324bが設けられたものとしても良い。
【0073】
なお、この例では、基体32の側に凹部としてのねじ部324aが、蓋体33の側に凸部としての引掛部334が形成されているが、これとは逆に、基体32の側に凸部が、蓋体33の側に凹部が形成されたものであっても良く、適宜変更し得る。
【0074】
取付板323のうち、上記の側壁324に囲まれた内側部分が隔壁321である。この隔壁321は、弁体34と組み合わされることにより、圧縮袋1の内部と外部とを遮断可能とするものである。この例では、隔壁321の上側の面が平面とされているが、例えば、すり鉢状の湾曲面であっても良い。そして、この隔壁321に圧縮袋1の内部と外部とを通気可能に連絡する脱気口322が設けられている。上記のように、基体32の取付板323は、圧縮袋1の正面部11に対して気密に接着されるため、脱気弁3においては、この脱気口322のみにおいて空気が通過することとなる。
【0075】
この例における脱気口322の形状は、図10(A)(C)に示すように、取付板323及び隔壁321の中心に設けられた、平面視が円形状の孔とされている。そして、この孔には、取付板323の下側に放射状に形成された整流板325のうち一部の延長線上に位置する、直線状の弁支持部327が横断して設けられており、この弁支持部327により、円の中心を基準に、平面視上、180°ごとに2分割されている。なお、この弁支持部327は、弁体34を下方から支持するためのものである。また、脱気口322の形状はこの例におけるものに限られるものではない。例えば、弁支持部327により平面視上90°ごとに4分割したものであっても良い。また、小径の孔を多数配置したものとしたり、径方向あるいは周方向に延びるスリット状の孔としても良く、種々の形状で実施が可能である。
【0076】
また、隔壁321の上面には、脱気口322を取り囲むようにして上方に突出した凸条であるリブ326が形成されている。この例では、このリブ326は幅が1mm、高さが0.3mmの突起とされており、脱気口322の径方向のすぐ外側において連続して設けられている。このリブ326が設けられたことにより、図13(B)に示すように、押圧部333が弁体34を上方から押圧した際において、下方からはこのリブ326が圧迫するものとでき、これにより弁体34による脱気口322の閉鎖がより確実になされる。なお、このリブ326は省略しても良い。
【0077】
次に、取付板323の下面には、下方へと立ち上げられ、図10(C)に示すように、取付板323の中心を基準として放射状に延びるものであって、かつ、上記中心から遠ざかるにつれて、周方向の一方に湾曲する形状の整流板325が備えられている。この例においては、図示のように、径方向で外側へ向かう途中までは取付板323の径方向に沿って延びるものであって、途中からは周方向へと徐々に湾曲した板状のものである。
【0078】
このような形態の整流板325を取付板323の下面に設けることにより、圧縮袋1の内部から排出される気流のうち、図10(B)に示すように、取付板323に沿う方向の気流F1は、図10(C)に示すように、整流板325に沿って、旋回しながら脱気口322へと導かれるため、比較的小さな抵抗で脱気することが可能である。また、整流板325が存在することにより、脱気弁3の裏側に位置する背面部12、あるいは袋内の被収納物品Mが吸い寄せられて、脱気口322が袋の内側から塞がれ、途中で脱気不能となるような事態を防止することができる。
【0079】
なお、本願発明においては押圧板2の厚み分、被収納物品Mと脱気弁3との間が離されるため、被収納物品Mと脱気弁3とが密着して脱気が阻害されてしまうことが起こりにくく、より効率的な脱気が可能である。
【0080】
次に、図12を参照しつつ、蓋体33について説明する。この蓋体33の上面331は、平面、あるいはわずかに湾曲した面とされており、この上面331の少なくとも一部が、電気掃除機のノズル先端における吸引口N(図14(B)参照)に当接する対応部331aとされる。そして、この対応部331aには、電気掃除機の吸引口Nが当接した際に当該吸引口Nの周縁に囲まれる領域に、上下方向に貫通した蓋体側貫通孔332を備える。この蓋体側貫通孔332は、基体32の脱気口322とほぼ同寸法に対応部331aの中央に形成された中央側貫通孔332aと、中央側貫通孔332aを取り巻くように、4箇所設けられた周辺側貫通孔332bとからなる。上記基部2の脱気口322を通過した気流は、この蓋体側貫通孔332を通過して、脱気弁3の外部に排出される。
【0081】
一方、蓋体33の下面には、図12(B)(C)に示すように、引掛部334が突出している。ここで、引掛部334は、図12(C)に示すように、底面視上、蓋体33の上面331の中心に対して180°ごとに2つ設けられている。
この引掛部334の先端には、先端爪部334aが内側を向くように形成されている。この先端爪部334aは、上記のように、基体32の側壁324における外周面に形成された係合溝324aに係合されるものであり、これにより、係合溝324a内における先端爪部334aの移動可能な範囲に対応して、基体32に対して蓋体33が緩む方向及び締まる方向に回動可能となっている。ここで、係合溝324aは、図11(B)に示すように、水平方向に対して傾斜しているため、上記回動に伴い、蓋体33は基体32に対して上下動する。なお、上記のように、基体32の係合溝324aが側壁324における内周面に形成された場合などにあっては、係合溝324aに係合可能なように、この引掛部334の形態も変更がなされる。
【0082】
ここで、この例における蓋体33の基体32に対する回動範囲は、90°とされている。つまり、蓋体33を基体32に対してねじ込む角度は90°のみである。よって、この例における脱気弁3は、従来存在した成型弁タイプの脱気弁のように、蓋体をねじ込むために蓋体を基体に対して何回転もさせる必要がないため操作が容易である。
なお、この蓋体33の回動範囲は、30°〜180°の範囲とすることが適当であるが、それ以上の角度として、蓋体33を数回転させるものであっても良い。
【0083】
また、蓋体33の下面であって、上記の引掛部334に対して90°ずれた位置には、回動支持突起336が突出して設けられている。この例における回動支持突起336は、図12(C)に示すように、押圧部333の外周側に隣接して設けられている。この回動支持突起336は、図13(C)に示すように、基体32に蓋体33が取り付けられた場合にあって、基体32の側壁324の内面よりも内側に配位されるものであり、これにより、蓋体33を基体32に対してぐらつかせずに回動させることができる。
【0084】
次に、図12(B)(C)に示すように、同じく蓋体33における、引掛部334よりも中心寄りの下面には、押圧部333が下方に突出して形成されている。この押圧部333は、蓋体33を係合溝324aに沿ってねじ込み、下方に移動させるに伴い、図13(B)(C)に示すように、弁体34の周縁部の少なくとも一部を押圧することができる。この例では、図12(C)に示すように、環状のものとされている。なお、この例では押圧部333の内側に、図12(C)に示すように、蓋体33の上面331の中心に対して90°ごとに4つ設けられた、十字形の連結部335が設けられているが、この連結部335は必ずしも形成しなくても良い。
【0085】
弁体34は、図14に示すように、基体32の隔壁321と蓋体33とに囲まれた弁体収容室Sに配位されたものである。この弁体収容室Sは、詳しくは、側壁324と、隔壁321と、蓋体33の押圧部333の下端とにより規定されたものである。上記の弁体34は、弁体34が、基体32あるいは蓋体33に固定されたものではなく、あるいは弾性体などの付勢を受けない自由状態で弁体収容室S内に配位されている。よって、上記のように蓋体33が緩められた際に、弁体34が、弁体収容室S内を上下方向に移動可能である。また、脱気弁3を圧縮袋1に取り付けた際でも、弾性体などの存在によって圧縮袋1から突出してしまう部分を少なくできる。
【0086】
弁体34の平面視の形態については、蓋体33が緩められた際において、弁体収容室S内の上下動が可能であれば、円形や多角形など、種々の形態での実施が可能である。また、基体32における側壁324の内周面の寸法に略一致するものとし、水平方向には実質的な移動がなされないものとしても良いし、弁体収容室S内において水平方向に移動可能な形態としても良い。ただし、弁体34が水平方向にずれた場合であっても、脱気口322の全体を覆うことが可能であり、脱気口322の閉鎖について支障がないことを条件とする。
【0087】
なお、図13(C)に示すように、この例における弁体34の形態は長円形である。寸法は、長径が24mm、短径が20mmとされている。
【0088】
また、弁体収容室Sの上下方向の寸法は、少なくとも、弁体34の水平方向寸法のうち、弁体34の中心を通る最小寸法(この例では長円形の短径寸法)よりも小さく形成されており、弁体収容室S内で弁体34が裏返ってしまうことがなく、弁体34が確実に動作するものとされている。この例では、弁体収容室Sの上下方向の寸法が6mm以下となるようにされており、弁体34の厚みに比べて大きいため、電気掃除機による吸引時においても、電気掃除機のモーターが過負荷状態とならず、安全性が高い。
【0089】
この弁体34は、ゴムなどの軟質の樹脂からなるものであり、電気掃除機の吸引口Nを蓋体33の対応部331aに当接させ、吸引することによって蓋体33の側へ引き寄せられ、脱気口322から離反が可能である。この例における弁体34には、厚み0.6mmのゴムシートが用いられている。上記のように、弁体34が自由状態で弁体収容室S内に配位されていることから、弁体収容室S内を自由に移動可能なものとされているため、上記の吸引に対する弁体34の動作に時間差が発生することがなく、速やかな脱気が可能となっている。そして、上記の吸引終了後は、圧縮袋1の内部の負圧と外部の正圧との圧力差によって、速やかに脱気口322に密着する。よって、図14(B)に示すように蓋体33を基体32に締め込まない状態であっても、圧縮袋1内の脱気状態は保たれる。そして更に、蓋体33が締め付けられた際には、図13(B)に示すように、蓋体33の押圧部333によって弁体34が下方に押え付けられるので、脱気口322を封じた状態で確実に維持、固定することができる。
【0090】
ここで、上記に説明した弁体34は平板状のものであるが、例えば上方に突出した突出部を備えたものとし、この突出部を蓋体33の一部に上下動可能に配位するものとしても良い。このようにすることにより、弁体34を、ほとんど左右方向にずれないものとでき、弁体34を安定して作動させることができる。
【0091】
上記の構成に係る脱気弁3が、図5に示すように取り付けられて使用されるが、この圧縮袋1を脱気する際には、被収納物品Mを収納部13に収納した後に開口部14を閉鎖し、この状態で脱気弁3の基体32に対して蓋体33を緩め、図14(B)に示すように、蓋体33の対応部331aに電気掃除機の吸引口Nを押し当てて、袋内の空気を脱気口322を通じて脱気する。この脱気後の状態においても、弁体34と脱気口322とは、袋内外の圧力差により密着しているため、脱気状態を保持可能であるが、より確実に脱気状態を保持するためには、基体32に対して蓋体33をねじ込み、図13(B)に示すように、蓋体33の押圧部333により、弁体34を脱気口322に対して強制的に押さえつける。これにより、長期にわたって、その脱気した状態を保持することができる。
【0092】
なお、図15に示すように、圧縮袋1の表面に脱気弁3の開閉状態を示す表示が印刷などにより設けられたものとしても良い。具体的には、脱気弁3における蓋体33の上面331に、矢印などの開度指示部339が設けられており、脱気弁3の開放状態における開度指示部339の位置に一致する正面部11の表面に開放位置表示部11aが設けられ、同じく閉鎖状態における開度指示部339の位置に一致する正面部11の表面に、閉鎖位置表示部11bが設けられたものである。なお、この開度指示部339は、図示した例のように蓋体33の上面331に限られず、蓋体33の表面であって、圧縮袋1の使用者が視認容易な位置であれば、側面など他の位置に設けても良い。また、開度指示部339は蓋体33の成型時に同時に形成されたものであっても良いし、シールの貼り付けや、塗装などにより別個に形成されたものであっても良く、種々の手段で実施し得る。開放位置表示部11a及び閉鎖位置表示部11bについても同様に、シールの貼り付けなど種々の手段で実施し得る。
【0093】
上記のように開度指示部339及び各位置表示部11a,11bが設けられた場合にあっては、圧縮袋1の使用者が脱気弁3の開閉状態を一目で確認することができ、より使いやすい圧縮袋1とすることができる。
【0094】
なお、脱気弁3として上記のような成型弁を用いた場合にあっては、押圧板2が図1に示したような形態のままであると、収納部13の内部と脱気弁3との間に壁が存在することとなり、脱気が阻害される。よって、収納部13の内部と脱気弁3を連通させてスムーズに脱気を行うために、押圧板2において脱気弁3が一致する位置に、図5に示すように、通気可能とされた貫通穴21が形成されている。この貫通穴21は、図示のように一つの大きい穴が形成されたもので、図13(B)に示すように、脱気弁3の一部がこの貫通穴21の内部に配位されたものとしても良いし、また、小さな穴が集合したものであっても良い。
【0095】
次に、被収納物品Mが衣服である場合にあっては、しばしば防虫剤を収納部13に同封することがあるが、本願発明においては、この押圧板2を防虫機能に関連して利用することもできる。
【0096】
具体的には、押圧板2にブロック状、シート状、あるいは小袋に収納された状態など、まとまって扱うことのできる形態を有する防虫剤を配位することのできる、防虫剤配位部22を設けたものとする。これにより、防虫剤を防虫剤配位部22にとどめておくことができ、防虫剤袋内に紛れ込んでしまわないようにできる。この防虫剤配位部22は、防虫剤を一定の位置にとどめておくことのできるものであれば、その実施形態は限定されるものではない。例えば、補強材2の表面に設けられたポケットやクリップ状の部材、また、粘着面などの種々の形態を採用し得る。
【0097】
また、押圧板2自体が防虫剤を兼ねるものとしても良い。つまり、押圧板2に防虫成分を含有させ、この防虫成分が表面から放散可能とされたものとする。このような押圧板2を備えた圧縮袋を提供することにより、ユーザーが別途防虫剤を購入する必要がなく、防虫機能を発揮させることが可能であるというメリットを有する。
【0098】
なお、押圧板2は、上記のように防虫機能を発揮するものに限られず、除菌、防臭、芳香などの種々の機能を発揮させるものとして用いても良い。
【0099】
また、持手として用いるための貫通穴41が、上記の正面部と背面部とを貫通するように設けられたものであっても良い。この貫通穴41は、図4に示すように、手を直接通すことのできるような大きさの穴としても良いし、図5に示すように、紐状体42あるいは硬質樹脂製などの取手部材を貫通させることのできる大きさの穴としても良い。なお、この貫通穴41は、収納部13とは通気不可能に仕切られている必要がある。
【0100】
具体的には、図4及び図5に示すように、押圧板2とは別の板状体である芯材4を、別途正面部11と背面部12との間に挟んだものとし、この芯材4と収納部13との間において、正面部11と背面部12とをヒートシールすることにより仕切シール4aを設けて通気不能とする。そして正面部11、背面部12、芯材4に貫通穴41が設けられる。なお、上記の芯材4は本願発明においては必須のものではなく、芯材4を省略して、正面部11と背面部12とにのみ貫通穴41を設けても良い。
【0101】
なお、上記のように貫通穴41を設けずに、図6に示すように、プラスチック製のハンガー部材7を圧縮袋1と一体に取り付けて、圧縮袋1を吊り下げ容易としても良い。図6(A)に例示したものは、ハンガー部材7の支持部分72を、正面部11及び背面部12を外側から挟むようにしてヒートシールなどにより接着したものであり、図6(B)に例示したものは、正面部11と背面部12との間にハンガー部材7の支持部分72を配位した状態で、正面部11と背面部12とをヒートシールすることにより、ハンガー部材7が圧縮袋1から外れないようにしたものであるが、これら例示したもの以外にも種々の形態でハンガー部材7を圧縮袋1に取り付けることが可能である。
【0102】
また、図6に示したハンガー部材7は、圧縮袋1に対してフック部分71が固定された構造とされているが、例えばフック部分71と支持部分72との間が回動可能な構造とされたことにより、フック部分71を、クローゼットの吊り棒など、圧縮袋1を吊り下げる相手方に合わせて適宜回動させることのできるものとしても良い。
【0103】
このように可動式であるハンガー部材7を取り付けた圧縮袋1の例を図7に示す。このハンガー部材7は、図8に示すような形態であって、フック部分71と袋内吊りリング73とを備えており、このハンガー部材7の支持部分72はブロック状の中央部72a、上側ジョイント72b、下側ジョイント72cが一体とされたものである。
【0104】
上記の中央部72aは、図示上下方向に貫通する空間部を有していないものであり、図7に示すように、正面部11と背面部12との間に挟まれてヒートシールされることにより、正面部11と背面部12との間を気密状態としつつ、ハンガー部材7を袋の内外に貫通させることができる。
【0105】
そして、上側ジョイント72bにはフック部分71の下端部71aが差し込まれたことにより、支持部分72に対してフック部分71が回動可能とされる。また同じく、下側ジョイント72cには袋内吊りリング73の上端部73aが差し込まれたことにより、支持部分72に対して袋内吊りリング73が回動可能とされる。図8に示すように、フック部分71の下端部71a及び袋内吊りリング73の上端部73aは楔状になっており、各々が支持部分72に差し込まれた後は容易に抜けることがないものとされている。
【0106】
上記の構成のうち、特に袋内吊りリング73が圧縮袋1に対して可動であるため、ハンガーに吊るした状態とされた被収納物品Mを、このハンガーを袋内吊りリング73に引掛けることによりそのまま吊り下げることが可能である。つまり、圧縮袋1をいちいち床面などに置いた状態とせずとも、クローゼットなどに吊り下げた状態そのままで被収納物品Mを収納することができ、使い勝手が良い。また、袋内吊りリング73を回動させることにより、例えばクリーニング店などで用いられている、可動部分のない簡易な構造のハンガーであっても無理なく吊り下げが可能である。
【0107】
なお、上記の構成においては、フック部分71と袋内吊りリング73の両方が支持部分72に対して可動であるものであったが、いずれか一方のみが支持部分72に対して固定されたものであっても良い。
【0108】
また、面ファスナー付テープ6が備えられたものとし、この面ファスナー付テープ6を、図4に示すように、圧縮袋1の外周に巻きつけて用いても良い。このように面ファスナー付テープ6を圧縮袋1の外周に巻きつけることにより、この面ファスナー付テープ6を持手として使用することができる。また、複数の圧縮袋1をまとめることもできる。また、長期に渡る保存によって、収納部13の脱気状態が失われた場合であっても、圧縮袋1の膨張をある程度は抑えることができるという種々のメリットを有する。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本願発明の一実施例に係る圧縮袋を示す正面図である。
【図2】(A)は図1におけるA−A矢視端面図であり、(B)は被収納物品を収納部に入れて脱気中の状態を示す、同端面図である。
【図3】他の実施例に係る、図1におけるA−A矢視に相当する端面図である。
【図4】本願発明の他の実施例に係る圧縮袋を示す正面図である。
【図5】本願発明の他の実施例に係る圧縮袋を示す正面図である。
【図6】(A)(B)とも、本願発明の他の実施例に係る圧縮袋にハンガーを取り付けた状態を示す要部の正面図である。
【図7】本願発明の他の実施例に係る圧縮袋を示す正面図である。
【図8】図7の圧縮袋に用いられる、可動式のハンガーを示す正面図である。
【図9】本願発明において用いられる、フィルム弁タイプの脱気弁の一例を示す、図1におけるB−B矢視端面図であり、(A)は閉鎖時を示し、(B)は脱気時を示す。
【図10】本願発明において用いられる、成型弁タイプの脱気弁の一例を示し、(A)は基体を示す平面図、(B)は同C−C矢視断面図、(C)は同底面図である。
【図11】同成型弁タイプの脱気弁の一例を示し、(A)は基体における側壁を示す要部拡大平面図であり、(B)は同要部拡大側面図である。
【図12】同成型弁タイプの脱気弁の一例を示し、(A)は蓋体を示す平面図であり、(B)は同D−D矢視断面図、(C)は同底面図である。
【図13】同成型弁タイプの脱気弁の一例を示し、(A)は脱気弁の閉鎖状態における平面図であり、(B)は同E−E矢視断面図であり、(C)は同F−F断面要部拡大図である。
【図14】同成型弁タイプの脱気弁の一例を示し、(A)は脱気弁の開放状態における平面図であり、(B)は同G−G組合せ断面図である。
【図15】同成型弁タイプの脱気弁を取り付けた圧縮袋であって、袋に開閉表示を付加したものを示す部分拡大正面図である。
【符号の説明】
【0110】
11 正面部
12 背面部
13 収納部
14 開口部
14a チャック
15 襠部
15a 折り目
15s 端縁
2 押圧板
21 貫通穴
22 防虫剤配位部
3 脱気弁
41 貫通穴
5 表記部
6 面ファスナー付テープ
7 ハンガー部材
71 フック部分
72 支持部分
73 袋内吊りリング
M 被収納物品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を脱気することのできる、合成樹脂製のシートからなる袋体であって、
対向する正面部(11)と背面部(12)とを有し、
被収納物品(M)を配位可能な空間を有する収納部(13)と、この収納部(13)に対して被収納物品(M)を出し入れ可能な開口部(14)とを有し、
上記の正面部(11)と背面部(12)との間の少なくとも一部には、正面部(11)の端縁と背面部(12)の端縁とを連結するようにして襠部(15)が設けられており、
この襠部(15)は、合成樹脂製のシートが折り目(15a)を境に折り畳み可能に形成されたものであり、被収納物品(M)を収納部(13)へと配位した際には、上記の折り目(15a)が延ばされることによって、収納部(13)における内部空間が拡張できるものであり、
平板状の押圧板(2)が、上記収納部(13)の内部であって、上記正面部(11)及び背面部(12)の内面に当接可能に設けられたものであり、
この押圧板(2)は、収納部(13)が脱気されるに伴い、被収納物品(M)を正面部側と背面部側とから押圧できる程度の剛性を有していることを特徴とする圧縮袋。
【請求項2】
上記の開口部(14)が、正面部(11)あるいは背面部(12)の端縁と襠部(15)の端縁との間に設けられたものであり、
凸条と凹条との嵌合により気密に閉鎖可能なチャック(14a)が備えられたことを特徴とする、請求項1に記載の圧縮袋。
【請求項3】
正面部(11)と背面部(12)のうち一方の幅寸法が、同他方の幅寸法よりも大きくされたものであり、
上記正面部(11)と背面部(12)のうち一方と他方とは、幅方向における一端側端縁が一致するようにして対向しており、
幅方向における他端側端縁に上記の開口部(14)が設けられており、
これにより、上記の開口部(14)が設けられた部分の位置が、開口部(14)が設けられていない側の、他の正面部(11)あるいは背面部(12)の端縁と襠部(15)の端縁の位置よりも、上記幅方向における外側に突出するものであることを特徴とする、請求項2に記載の圧縮袋。
【請求項4】
上記の収納部(13)を脱気するための脱気弁(3)が、正面部(11)あるいは背面部(12)に設けられたものであって、
上記の押圧板(2)における、上記の脱気弁(3)が一致する位置に、通気可能とされた貫通穴(21)が形成されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋。
【請求項5】
上記の押圧板(2)に、ブロック状、シート状、あるいは小袋に収納された状態の防虫剤を配位することのできる、防虫剤配位部(22)が設けられたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋。
【請求項6】
上記の押圧板(2)が防虫成分を含有し、この防虫成分が表面から放散可能とされたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋。
【請求項7】
上記の襠部(15)のうち、折り目(15a)に沿う方向の両端部において、正面部(11)に対して接着された端縁(15s)と、背面部(12)に対して接着された端縁(15s)とが接着されて一体とされたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋。
【請求項8】
持手として、あるいは持手を支持するために用いるための貫通穴(41)が、上記の正面部(11)と背面部(12)とを貫通するように設けられたものであって、
この貫通穴(41)が、上記の収納部(13)とは通気不可能に仕切られた部分に設けられたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋。
【請求項9】
吊り下げを可能とするためのフック部分(71)を備えたハンガー部材(7)が取り付けられたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋。
【請求項10】
上記のハンガー部材(7)が、袋外に設けられたフック部分(71)と、袋内に設けられており、被収納物品(M)を吊り下げることのできる袋内吊りリング(73)と、上記の正面部(11)と背面部(12)とに挟まれて接着された支持部分(72)とを備えており、
上記の支持部分(72)に対し、フック部分(71)と袋内吊りリング(73)の各々が回動可能に接続されていることを特徴とする、請求項9に記載の圧縮袋。
【請求項11】
上記の正面部(11)と背面部(12)の少なくとも一方の表面、あるいは押圧板(2)における、外部から視認可能な表面に、被収納物品(M)の内容などを記載可能な表記部(5)を備えたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋。
【請求項12】
面ファスナー付テープ(6)が備えられたものであり、
この面ファスナー付テープ(6)は、袋の外周に巻きつけられて用いられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋。
【請求項1】
内部を脱気することのできる、合成樹脂製のシートからなる袋体であって、
対向する正面部(11)と背面部(12)とを有し、
被収納物品(M)を配位可能な空間を有する収納部(13)と、この収納部(13)に対して被収納物品(M)を出し入れ可能な開口部(14)とを有し、
上記の正面部(11)と背面部(12)との間の少なくとも一部には、正面部(11)の端縁と背面部(12)の端縁とを連結するようにして襠部(15)が設けられており、
この襠部(15)は、合成樹脂製のシートが折り目(15a)を境に折り畳み可能に形成されたものであり、被収納物品(M)を収納部(13)へと配位した際には、上記の折り目(15a)が延ばされることによって、収納部(13)における内部空間が拡張できるものであり、
平板状の押圧板(2)が、上記収納部(13)の内部であって、上記正面部(11)及び背面部(12)の内面に当接可能に設けられたものであり、
この押圧板(2)は、収納部(13)が脱気されるに伴い、被収納物品(M)を正面部側と背面部側とから押圧できる程度の剛性を有していることを特徴とする圧縮袋。
【請求項2】
上記の開口部(14)が、正面部(11)あるいは背面部(12)の端縁と襠部(15)の端縁との間に設けられたものであり、
凸条と凹条との嵌合により気密に閉鎖可能なチャック(14a)が備えられたことを特徴とする、請求項1に記載の圧縮袋。
【請求項3】
正面部(11)と背面部(12)のうち一方の幅寸法が、同他方の幅寸法よりも大きくされたものであり、
上記正面部(11)と背面部(12)のうち一方と他方とは、幅方向における一端側端縁が一致するようにして対向しており、
幅方向における他端側端縁に上記の開口部(14)が設けられており、
これにより、上記の開口部(14)が設けられた部分の位置が、開口部(14)が設けられていない側の、他の正面部(11)あるいは背面部(12)の端縁と襠部(15)の端縁の位置よりも、上記幅方向における外側に突出するものであることを特徴とする、請求項2に記載の圧縮袋。
【請求項4】
上記の収納部(13)を脱気するための脱気弁(3)が、正面部(11)あるいは背面部(12)に設けられたものであって、
上記の押圧板(2)における、上記の脱気弁(3)が一致する位置に、通気可能とされた貫通穴(21)が形成されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋。
【請求項5】
上記の押圧板(2)に、ブロック状、シート状、あるいは小袋に収納された状態の防虫剤を配位することのできる、防虫剤配位部(22)が設けられたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋。
【請求項6】
上記の押圧板(2)が防虫成分を含有し、この防虫成分が表面から放散可能とされたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋。
【請求項7】
上記の襠部(15)のうち、折り目(15a)に沿う方向の両端部において、正面部(11)に対して接着された端縁(15s)と、背面部(12)に対して接着された端縁(15s)とが接着されて一体とされたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋。
【請求項8】
持手として、あるいは持手を支持するために用いるための貫通穴(41)が、上記の正面部(11)と背面部(12)とを貫通するように設けられたものであって、
この貫通穴(41)が、上記の収納部(13)とは通気不可能に仕切られた部分に設けられたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋。
【請求項9】
吊り下げを可能とするためのフック部分(71)を備えたハンガー部材(7)が取り付けられたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋。
【請求項10】
上記のハンガー部材(7)が、袋外に設けられたフック部分(71)と、袋内に設けられており、被収納物品(M)を吊り下げることのできる袋内吊りリング(73)と、上記の正面部(11)と背面部(12)とに挟まれて接着された支持部分(72)とを備えており、
上記の支持部分(72)に対し、フック部分(71)と袋内吊りリング(73)の各々が回動可能に接続されていることを特徴とする、請求項9に記載の圧縮袋。
【請求項11】
上記の正面部(11)と背面部(12)の少なくとも一方の表面、あるいは押圧板(2)における、外部から視認可能な表面に、被収納物品(M)の内容などを記載可能な表記部(5)を備えたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋。
【請求項12】
面ファスナー付テープ(6)が備えられたものであり、
この面ファスナー付テープ(6)は、袋の外周に巻きつけられて用いられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮袋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−23700(P2009−23700A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−189376(P2007−189376)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(505082062)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(505082062)
【Fターム(参考)】
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