説明

圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造

【課題】本発明は、圧電ステータのノーダルポイントを自動で支持する構造を提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも一つの圧電素子を具備し、少なくとも一つのノーダルポイント(nodal point)を有する圧電ステータと、上記圧電素子を介して上記圧電ステータと弾性的に接触し、上記圧電素子に電界が印加される際上記圧電ステータの変形によって圧電ステータのノーダルポイントと接触する少なくとも一つの弾性部材と、上記圧電ステータの周りに設けられ、上記弾性部材が装着されるホルダーと、上記弾性部材を介して上記圧電素子に電界を印加する電源印加部とを含む。このような本発明によれば、圧電ステータのノーダルポイントを正確に支持できるようになり、それにより圧電ステータの震動効率が高くなるという効果を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電超音波モータに関するもので、より詳しくは圧電超音波モータに具備される圧電ステータのノーダルポイントを自動で支持することが可能な構造に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電素子は、印加された電界に対して変位(strain)を発生させたり応力(stress)に対して電圧を発生させる材料としてこのような圧電素子で構成される振動子(stator、以下‘圧電ステータ'と呼ぶ)は、数十〜数百kHzの共振周波数で駆動し、積層または変位拡大構造によって増幅された変位をロータ(rotor)に伝達する。
【0003】
このような圧電素子は自らを振動子として使用したり、特定形状を有する構造物と結合させて使用するが、これらは数十〜数百kHzの共振(固有)周波数(natural frequency)中、特定周波数及び入力波形、位相差に応じて必要な変位を発生するようになる。このような共振周波数で発生する変形は1次モード、2次モード、3次モードなどの固有モードで表され、このような各モードにおいて構造物は理論上の変位が0に該当するノーダルポイント(Nodal Point)を有する(図2b参照)。
【0004】
ノーダルポイントと同じか、或は近いところを通して圧電ステータに電界を印加する場合、圧電ステータの震動効率は高くなる。
【0005】
図1に示すように、従来には圧電素子10のノーダルポイントと近い電極表面に半田付け(Soldering)30または伝導性接着剤(Silver Paste)で電線20やFPCB(flexible printed circuit board)を付着する方式が使用されてきた。
【0006】
しかし、このような半田付け工程などは、圧電素子10の電極面を傷ませる恐れがあり、反復震動によって離脱されたり、苛酷な条件で電極が薄利されるという問題点がある。
【0007】
そして、累積疲労によってワイヤの断線が発生する恐れがあり、半田熱による電極表面の劣化、半田量のバラツキによってアドミタンス特性が減少するような問題点がある。
【0008】
また、圧電素子10の正確なノーダルポイントに半田付けができなかった場合、震動大きさを表すアドミタンス(admittance)の値が相対的に低くなって震動効率が低下されるという問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような問題点を解決するためのもので、圧電素子に電界が印加される際、電源印加部が自動でノーダルポイントに位置するようにする圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は正確なノーダルポイントに電源が印加されて震動効率を極大化できる圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造を提供することを目的とする。
【0011】
さらに、本発明はワイヤの断線、半田付けなどによる電極表面の劣化、半田熱による電極表面の劣化、半田量のバラツキによる震動効率の減少、電極薄利などを防止することができる圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のような目的を達成するための一側面として、本発明は、少なくとも一つの圧電素子を具備し、少なくとも一つのノーダルポイント(nodal point)を有する圧電ステータと、上記圧電素子を介して上記圧電ステータと弾性的に接触し、上記圧電素子に電界が印加される際、上記圧電ステータの変形によって圧電ステータのノーダルポイントと接触する少なくとも一つの弾性部材と、上記圧電ステータの周りに設置され、上記弾性部材が装着されるホルダーと、上記弾性部材を介して上記圧電素子に電界を印加する電源印加部とを含む圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造を提供する。
【0013】
好ましくは、上記弾性部材はコイルスプリングを含んで成ることができる。
【0014】
この際、上記弾性部材は上記圧電素子と接触する接触部材と、上記接触部材と圧電素子が弾性的に接触するよう弾性力を提供するコイルスプリングと、上記コイルスプリングと接触部材の離脱を防止するハウジングとを具備することができる。
【0015】
好ましくは、上記接触部材は弧形断面を有する。
【0016】
さらに、上記弾性部材は上記圧電素子と弾性的に接触する板スプリングを含んで成ることができる。
【0017】
好ましくは、上記圧電ステータは本体と、上記本体の外部に取り付けられた複数個の圧電素子を具備し、上記弾性部材は各々の圧電素子と弾性的に接触するよう複数個で成ることができる。
【0018】
さらに好ましくは、上記圧電ステータは本体と、上記本体の外部に取り付けられた複数個の圧電素子を具備し、上記複数個の圧電素子は少なくとも一つの弾性部材及び上記ホルダーに形成された少なくとも一つの支持部材と接触することができる。
【0019】
好ましくは、上記圧電ステータは円柱、角柱または中空チューブの形状で成り、上記ホルダーは上記圧電ステータを長手方向に移動可能となるよう、その内部に収容することができる。
【0020】
さらに好ましくは、上記電源印加部は上記ホルダーの外部面に装着され上記弾性部材と電気的に連結されることができる。
【0021】
この際、上記電源印加部はFPCB(flexible printed circuit board)から成ることができる。
【0022】
他の側面として本発明は、本体と、上記本体の外部に一定の角度毎に装着された複数個の圧電素子を具備し、少なくとも一つのノーダルポイントを有する圧電ステータと、上記圧電素子を介して上記圧電ステータと弾性的に接触し、上記圧電素子に電界が印加される際、上記圧電ステータの変形によって圧電ステータのノーダルポイントと接触する少なくとも一つの弾性部材と、上記圧電ステータを長手方向に移動可能となるようその内部に収容し、上記弾性部材が装着されるホルダーと、上記弾性部材を介して上記圧電素子に電界を印加する電源印加部と、上記圧電ステータと接触して圧電ステータの震動によって回転するロータとを含む圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造を提供する。
【0023】
好ましくは、上記圧電ステータとロータは、予圧部材を介して予め加圧された状態に維持されることができる。
【0024】
さらに好ましくは、上記弾性部材は上記圧電素子と接触する接触部材と、上記接触部材と圧電素子が弾性的に接触するよう弾性力を提供するコイルスプリングと、上記コイルスプリングと接触部材の離脱を防止するハウジングを具備することができる。
【0025】
この際、上記接触部材は弧形断面を有する。
【0026】
好ましくは、上記弾性部材は上記圧電素子と弾性的に接触する板スプリングを含んで成ることができる。
【0027】
さらに好ましくは、上記弾性部材は各々の圧電素子と弾性的に接触するよう複数個で成ることができる。
【0028】
好ましくは、上記複数個の圧電素子は少なくとも一つの弾性部材及び上記ホルダーに形成された少なくとも一つの支持部材と接触することができる。
【0029】
さらに好ましくは、上記圧電ステータは中空チューブ形状、円柱、角柱または中空チューブの形状で成ることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、圧電ステータの正確なノーダルポイントに電源が印加されて震動効率を極大化できるという有利な効果を得ることができる。
【0031】
また、本発明は正確なノーダルポイントに電源が印加されるようにするための精緻な制御を要しないという効果がある。
【0032】
さらに、本発明は半田付けなどの工程なしに電源印加部に連結された弾性部を介して電源が供給されるので半田付けなどの工程が不要であり、これによりワイヤの断線、半田付けなどによる電極表面の劣化、半田熱による電極表面の劣化、半田量のバラツキによる震動効率の減少、電極薄利などを防止できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施例について添付の図面を用いてさらに詳しく説明する。
【0034】
図2aは一般的なチューブ型圧電ステータを示す斜視図で、図2bは一般的なチューブ型圧電ステータのノーダルポイントを示す変位分布図であり、図3a乃至図3cは本発明による圧電ステータのノーダルポイントを自動で支持する構造の原理を示す概路図であり、図4a及び図4bは本発明による圧電ステータのノーダルポイントを支持する実施例を示す概路図であり、図5は本発明による圧電ステータの支持構造を示す分解斜視図であり、図6は本発明による超音波圧電モータの斜視図である。
【0035】
また、図7a乃至図7cは本発明による弾性部材の断面図であり、図8は本発明によるホルダーの斜視図であり、図9は本発明による超音波圧電モータの分解斜視図であり、図10は本発明による圧電ステータ支持構造の他の実施例を示す分解斜視図である。
【0036】
一般的に圧電素子を具備する圧電ステータは、理論上の変位が0に該当するノーダルポイント(Nodal Point)を有する。
【0037】
例えば、図2aに示すように、中空型の本体15の外面に複数個の圧電素子11が装着された圧電ステータ10は、図2bに示すように、2つのノーダルポイント16を有する。
【0038】
このようなノーダルポイントは圧電素子11の分極方向、形態、圧電素子11に印加される位相差などによって圧電ステータ10毎に異なり得る。
【0039】
このような圧電ステータ10の震動効率を極大化するために正確なノーダルポイント16に電界を印加する必要がある。
【0040】
本発明はこのように正確なノーダルポイントに電界を供給できるよう、電界が印加される際、圧電ステータの変形力と弾性部材の弾性力によって自動で正確なノーダルポイントを支持し、かつ正確なノーダルポイントに電界を印加することを特徴とする。
【0041】
先ず、図3を参照して本発明による圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造の原理について説明する。
【0042】
図3aに示すように固定端61に固定された弾性部材62に接触部材63を連結して圧電ステータ50と接触させる。この際、上記圧電ステータ50に電界を印加すると圧電ステータ50は震動をするようになる。
【0043】
このように電界が印加され圧電ステータ50が震動するようになると、弾性部材62の弾性力によって圧電ステータ50は、弾性力(A)の最も小さいノーダルポイント51と接触部材63が接触するようB方向に移動するようになり、図3cの状態となる。即ち、弾性部材62の弾性力が最も小さくなるように圧電ステータ50が移動するようになる。
【0044】
一方、図3bの場合にも圧電ステータ50は弾性力(A)の最も小さいノーダルポイント51と接触部材63が接触するようにB方向に移動するようになり、図3cの状態となる。
【0045】
このように、弾性力と変形力を利用して正確なノーダルポイント51に接触部材63が接触するようにすることができ、この位置で電源を印加すると震動効率を極大化できるようになる。
【0046】
図3の場合と反対に圧電ステータ50が固定され弾性部材62及び接触部材63が移動可能な状態の場合には、接触部材63が移動して正確なノーダルポイント51で支持されるようにすることができる。
【0047】
図4は、このような圧電ステータ50を支持する構造に対する実施例である。図4aに示すように、圧電ステータ50は少なくとも2つ以上の地点において接触部材63と接触するように構成することができる。この際、圧電ステータ50に均一な弾性力を提供するよう、上記接触部材63は圧電ステータ50の外部面に一定の間隔をおいて設けられることが好ましい。
【0048】
また、図4bに示すように、圧電ステータ50は少なくとも一つの支持部材64及び少なくとも一つの接触部材63と接触するように構成することもできる。
【0049】
図5に示すように、本発明による圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造は、圧電ステータ100と、弾性部材200と、ホルダー300と、電源印加部400とを含んで構成される。
【0050】
上記圧電ステータ100は少なくとも一つの圧電素子110を具備し、上記圧電素子110が震動する際、一定の位置のノーダルポイント(nodal point)を有する。
【0051】
この際、上記圧電ステータ100は図9に示すように、中空型の本体150と、上記本体150の外部に取り付けられた複数個の圧電素子110を具備するチューブ形状を成すことができるが、これに限定されるわけではない。
【0052】
即ち、本発明による圧電ステータ100は少なくとも一つのノーダルポイントを有する任意の圧電ステータに適用することができる。例えば、上記圧電ステータ100は中実形の円柱または角柱で成ることができ、円形の断面を有する中空チューブの形状で成ることもできる。
【0053】
また、本発明による圧電ステータ100は図9に示すように、本体15の外部に多数の圧電素子110が付着された形態のみならず、全体として一つの圧電素子110のみで成った形態でも良いし、本体を具備せず多数の圧電素子が互いに連結された形態または多数の圧電素子110が積層された形態を有しても良い。
【0054】
そして、このような圧電素子110の分極方向も制限されない。
【0055】
上記圧電素子110は、本体150の外部に複数個が装着されることができ、図5に示すように上記本体150の外部に一定の間隔をおいて4つが装着されることもできる。
【0056】
図5に示すように、上記弾性部材200はホルダー300の装着開口310に装着され、上記圧電ステータ100の圧電素子110と弾性的に接触する。
【0057】
先述したように、弾性部材200は上記圧電素子110に電界が印加される際上記圧電ステータ100の変形によって圧電ステータ100のノーダルポイントと接触するようになり、このためにホルダー300または圧電ステータ100の移動に必要な弾性力を提供する。
【0058】
この際、上記弾性部材200は各々の圧電素子110の電極面と接触するよう各々の圧電素子110に対応して具備され、電源印加部400を通して印加される電界を伝達する。このために、上記弾性部材200は金属などの伝導性物質から成る。
【0059】
図7を参照して弾性部材200についてより詳しく説明する。図7に示すように、上記弾性部材200はコイルスプリング220を含んで成ることができる。
【0060】
この際、上記弾性部材200は圧電素子110と接触する接触部材210と、上記接触部材210と圧電素子110が弾性的に接触するように弾性力を提供するコイルスプリング220と、上記コイルスプリング220と接触部材210の離脱を防止するハウジング230とを具備することができる。
【0061】
上記接触部材210は圧電素子110の電極面の損傷を防ぎ、図6に示すように圧電素子110と摩擦が少なくて圧電ステータ100が自在に移動できるよう弧形断面を有することが好ましい。即ち、上記接触部材210と圧電素子110は点接触をすることが好ましい。
【0062】
この際、圧電ステータ100に均一な弾性力を提供するよう上記弾性部材200及びこれに具備される接触部材210は圧電ステータ100の外部面に一定の間隔をおいて設けることが好ましい。
【0063】
一方、上記本体150の外部に取り付けられた複数個の圧電素子110を具備する際、上記複数個の圧電素子110は少なくとも一つの弾性部材200及びホルダー300に突出形成され、上記圧電素子110と接触する少なくとも一つの支持部材(図4bの64)と接触するように構成することもできる。このような場合にも、圧電ステータ100に均一な弾性力を提供するよう上記弾性部材200と支持部材は、圧電ステータ100の外部面に一定の間隔をおいて設けることが好ましい。
【0064】
図7に示すように、ハウジング230は接触部材210の露出のための開口231が一側に形成され、他側には電源印加部400のホール410に接触部材210の連結部212が挿入されるよう、開口233が形成されている。
【0065】
また、上記ハウジング230は接触部材210の移動を制限するよう接触部材210の羽部211と接触する段差232を具備することができる。
【0066】
図7b及び図7cに示すように、上記弾性部材200は各々の圧電素子110の電極面と接触部材210を介して接触して印加される電界を伝達する。このために上記弾性部材200は金属などの伝導性物質から成る。
【0067】
この際、図7bに示すように、接触部材210の連結部212が電源印加部400のホール410に挿入されて半田付けができるようにすることが好ましいが、図7cに示すように、電源印加部400がハウジング230を通して圧電素子110に電界を印加するように構成することもできる。
【0068】
図5及び図6並びに図9に示すように、上記ホルダー300は上記圧電ステータ100の回りに設けられ、装着開口310を通して弾性部材200を収容する。
【0069】
この際、上記ホルダー300は図8に示すように、電源印加部400が装着される溝330を具備し、圧電ステータ100の形状に対応する開口320が形成されている。即ち、上記開口320を介して上記圧電ステータ100を長手方向に移動可能となるよう、その内部に収容するようになる。
【0070】
図5及び図7に示すように、上記電源印加部400は上記弾性部材200を介して上記圧電素子110に電界を印加する。
【0071】
この際、上記電源印加部400はワイヤなどから成ることができるが、図5に示すように、上記弾性部材200と連結されるようホール410及び外部電源連結部420が形成されたFPCB(flexible printed circuit board)から成ることができる。
【0072】
このようなホール410を通して接触部材210の他端212が挿入され、他端212とホール410の半田付け(S)によって圧電ステータ100に電界を印加できるようになる(図7b参照)。
【0073】
一方、図10に示すように、上記弾性部材200は上記圧電素子110と弾性的に接触する板スプリング260を含んで成ることができる。
【0074】
図10の場合に、上記板スプリング260は接触部261を介して圧電ステータ100と接触しながら弾性力を提供するようになる。また、上記板スプリング260は連結部262によって電源印加部400のホール410と連結され、上記連結部262とホール410の連結によって圧電素子110に電源を印加するようにすることができる。この場合にも上記板スプリング260は電界の印加のために金属などの伝導性物質から成る。
【0075】
一方、図5及び図6並びに図9に示すように、本発明による圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造は、上記圧電ステータ100と接触して圧電ステータ100の震動によって回転するロータ500を含むことができる。
【0076】
一例として、上記ロータ500は圧電ステータ100の中空部に挿入される回転バー510と、圧電ステータ100の本体150の上面と接触して圧電ステータ100の変形によって回転する上部回転部材530と、圧電ステータ100の本体150の下面と接触して圧電ステータ100の変形によって回転する下部回転部材550と、上記上部回転部材530の回転力を外部に伝達するリードスクリューなどの動力伝達部材520と、上記上部及び下部回転部材530、550と圧電ステータ100の接触力を高めるために上記下部回転部材550を加圧するコイルスプリングなどの予圧部材560と、上記予圧部材560の離脱を防止するために上記回転バー510の溝511に嵌め込まれるイリング(E−ring)などの離脱防止部材580と、干渉騷音を防止するためのワッシャ570とを含んで成ることができる。
【0077】
この際、上記下部回転部材550は回転バー510の段差512を収容して回転バー510とともに回転するよう直線部を有する溝551を具備する。
【0078】
また、上記ロータ500は上記上部回転部材530と圧電ステータ100の本体150の上面の接触力を高めるよう上部回転部材530に固定され、摩擦係数の高い材質から成る摩擦部材520を含むことができる。
【0079】
このように、ロータ500が具備される場合には圧電ステータ110に予圧を加えるようになって電界が印加される際、圧電ステータ100が弾性部材200とノーダルポイントで接触するよう、より容易に移動可能となるという利点がある。
【0080】
一方、このような圧電ステータ100、ロータ500、弾性部材200及びホルダー300はモータハウジング600の内部に実装され、モジュールとして提供され得る。
【0081】
上記のような構成を有する本発明の作用について図5及び図6を参照して説明する。
【0082】
電源印加部400から印加された電界は、ホルダー300に収容された弾性部材200を介して圧電ステータ100に伝達され、この際圧電ステータ100は変形を起こして震動するようになる。
【0083】
このように変形が生じると弾性部材200の弾性力が圧電ステータ100に作用するようになり、上記圧電ステータ100は弾性力の最も小さいノーダルポイントで弾性部材200と接触するように移動する。このように、圧電ステータ100がそのノーダルポイントで弾性部材200と接触するよう移送されることによってシミュレーションなどによらず正確なノーダルポイントの支持が可能となる。
【0084】
また、このようなノーダルポイントに電界が印加されることにより震動効率が極大化されるという利点が得られる。
【0085】
本発明は特定の実施例に関して図示して説明したが、当業界において通常の知識を有する者であれば、以下の特許請求範囲に記載された本発明の思想及び領域を外れない範囲内において本発明を多様に修正及び変更させることができることを明らかにして置く。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】従来技術によって圧電ステータに電源を印加する構造を示す概路図である。
【図2a】一般的なチューブ型圧電ステータを示す斜視図である。
【図2b】一般的なチューブ型圧電ステータのノーダルポイントを示す変位分布図である。
【図3】a乃至cは、本発明による圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造の原理を示す概路図である。
【図4】a乃至bは、本発明による圧電ステータのノーダルポイントを支持する実試例を示す概路図である。
【図5】本発明による圧電ステータの支持構造を示す分解斜視図である。
【図6】本発明による超音波圧電モータの斜視図である。
【図7】a乃至cは、本発明による弾性部材の断面図である。
【図8】本発明によるホルダーの斜視図である。
【図9】本発明による超音波圧電モータの分解斜視図である。
【図10】本発明による圧電ステータ支持構造の他の実試例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0087】
16、51 ノーダルポイント(nodal point)
100 圧電ステータ
110 圧電素子
150 本体
200 弾性部材
210 接触部材
220 コイルスプリング
230 ハウジング
260 板スプリング
300 ホルダー
400 電源印加部
500 ロータ
560 予圧部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの圧電素子を具備し、少なくとも一つのノーダルポイント(nodal point)を有する圧電ステータと、
前記圧電素子を介して前記圧電ステータと弾性的に接触し、前記圧電素子に電界が印加される際、前記圧電ステータの変形によって圧電ステータのノーダルポイントと接触する少なくとも一つの弾性部材と、
前記圧電ステータの周りに設置され、前記弾性部材が装着されるホルダーと、
前記弾性部材を介して前記圧電素子に電界を印加する電源印加部と、
を含む圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造。
【請求項2】
前記弾性部材は前記圧電素子と接触する接触部材と、
前記接触部材と圧電素子が弾性的に接触するよう弾性力を提供するコイルスプリングと、
前記コイルスプリングと接触部材の離脱を防止するハウジングと、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造。
【請求項3】
前記接触部材は弧形断面を有することを特徴とする請求項2に記載の圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造。
【請求項4】
前記弾性部材は前記圧電素子と弾性的に接触する板スプリングを含んで成ることを特徴とする請求項1に記載の圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造。
【請求項5】
前記圧電ステータは本体と、前記本体の外部に取り付けられた複数個の圧電素子を具備し、
前記複数個の圧電素子は少なくとも一つの弾性部材及び前記ホルダーに形成された少なくとも一つの支持部材と接触することを特徴とする請求項1に記載の圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造。
【請求項6】
前記圧電ステータは円柱、角柱または中空チューブの形状で成り、
前記ホルダーは前記圧電ステータを長手方向に移動可能となるよう、その内部に収容することを特徴とする請求項1に記載の圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造。
【請求項7】
前記電源印加部は前記ホルダーの外部面に装着され、前記弾性部材と電気的に連結されることを特徴とする請求項1に記載の圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造。
【請求項8】
本体と、前記本体の外部に一定の角度毎に装着された複数個の圧電素子を具備し、少なくとも一つのノーダルポイントを有する圧電ステータと、
前記圧電素子を介して前記圧電ステータと弾性的に接触し、前記圧電素子に電界が印加される際、前記圧電ステータの変形によって圧電ステータのノーダルポイントと接触する少なくとも一つの弾性部材と、
前記圧電ステータを長手方向に移動可能となるようその内部に収容し、前記弾性部材が装着されるホルダーと、
前記弾性部材を介して前記圧電素子に電界を印加する電源印加部と、
前記圧電ステータと接触して圧電ステータの震動によって回転するロータと、
を含む圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造。
【請求項9】
前記圧電ステータとロータは、予圧部材を介して予め加圧された状態に維持されることを特徴とする請求項8に記載の圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造。
【請求項10】
前記弾性部材は前記圧電素子と接触する接触部材と、
前記接触部材と圧電素子が弾性的に接触するよう弾性力を提供するコイルスプリングと、
前記コイルスプリングと接触部材の離脱を防止するハウジングとを具備することを特徴とする請求項8に記載の圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造。
【請求項11】
前記接触部材は弧形断面を有することを特徴とする請求項10に記載の圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造。
【請求項12】
前記弾性部材は前記圧電素子と弾性的に接触する板スプリングを含んで成ることを特徴とする請求項8に記載の圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造。
【請求項13】
前記弾性部材は各々の圧電素子と弾性的に接触するように複数個で成ることを特徴とする請求項8に記載の圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造。
【請求項14】
前記複数個の圧電素子は、少なくとも一つの弾性部材及び前記ホルダーに形成された少なくとも一つの支持部材と接触することを特徴とする請求項8に記載の圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造。
【請求項15】
前記圧電ステータは中空チューブ形状、円柱、角柱または中空チューブの形状で成ることを特徴とする請求項8に記載の圧電ステータのノーダルポイントを自動で探して支持する構造。

【図1】
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【図2a】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図2b】
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【公開番号】特開2007−49896(P2007−49896A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−213780(P2006−213780)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】