地中熱利用採/放熱管の設置方法
【課題】地中熱を冷暖房や融雪などの熱源として利用する為、採/放熱管を地中深く埋設し、採/放熱管に熱交換媒体を循環させる地中熱ヒートポンプシステムは最近注目されているが、採/放熱管を地中深くに埋設するには多大なコストがかかり、地中熱ヒートポンプシステム普及の障害となっていた。
【解決手段】鋼管からなり、外周に螺旋翼2を有するケーシング1の先端に、掘削刃を有する短管製の先端シュー5を着脱自在に取付、所望深度までケーシング1を回転貫入させた後、ケーシング1の内側を通して先端シュー5に採/放熱管11の先端を連結し、シュー5及び採/放熱管11を地盤19中に残置させた状態で、ケーシング1を引き抜く様にした。
【解決手段】鋼管からなり、外周に螺旋翼2を有するケーシング1の先端に、掘削刃を有する短管製の先端シュー5を着脱自在に取付、所望深度までケーシング1を回転貫入させた後、ケーシング1の内側を通して先端シュー5に採/放熱管11の先端を連結し、シュー5及び採/放熱管11を地盤19中に残置させた状態で、ケーシング1を引き抜く様にした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は地中熱利用採/放熱管の設置方法、詳しくは、地中熱を冷暖房や融雪などの熱源として利用する為の採/放熱管を地中へ埋設する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地中深く埋設した採/放熱管、つまり地中熱交換用のチューブ内に、不凍液入り水などの熱交換媒体を循環させて、地上に設置したヒートポンプを用いて冷暖房や融雪などを行う、所謂、地中熱ヒートポンプシステムは、地球環境に優しい省エネルギー技術として注目されており、欧米では既に広く普及している。このシステムは一年を通して温度が一定で、夏は冷たく、冬は暖かい、地中(地盤)を熱源とする為、空気を熱源とする一般のヒートポンプシステムに比べ、ヒートポンプの運転に要する電力量を数十パーセント節約出来るというメリットがある。
【0003】
しかし、その反面、空気熱源の場合は不要な熱交換媒体を循環させる採/放熱管を地中に設置する為の初期投資が必要となり、この採/放熱管の設置工事費が高額であることが、地中熱ヒートポンプシステムの大きな問題点であった。つまり、採/放熱管の設置費用が高いと、運転に必要な電力費が安くても、経済的には見合わないので、地中熱ヒートポンプシステムの普及が進まないのである。
【0004】
一般に、地中熱ヒートポンプシステムにおける採/放熱管の埋設は、通常深さ50〜200mの岩盤中までボーリングで直径15〜20cm程度の縦孔を掘り、その縦孔の底まで、採/放熱管を挿入した後、孔の隙間にグラウト等を充填して封止する方法がとられていた。
【0005】
採/放熱管としては、経済性と施工性の観点から、ポリエチレンチューブなどの樹脂管が多く使用されている。又、掘削にボーリングマシンを利用する方法は、岩盤でも削孔可能で、地中深くまで深い孔を形成出来る長所がある一方で、削孔作業の際に、ベントナイトが混じった泥状土が排出され、その処理が容易ではない、といった欠点が存在していた。
【0006】
又、削孔した孔は、ベントナイト液などの泥水で満たされているので、採/放熱管をそのままこの中に挿入しても、浮力で浮き上がってしまう為、浮き上がりを阻止する為、予め採/放熱管の中に水を充填するなど、何らかの対策が必要であった。
【0007】
削孔しやすい石灰質地盤が多い欧米では、このボーリングマシンによる削孔が適しており、主にこの方法で用いられているが、地層が複雑で、かつ硬い岩盤が多い日本では、ボーリングマシンにより掘削は効率が悪く、作業コストが高く、必ずしも状況に合った方法ではなかった。
【0008】
そこで、コスト高の原因となるボーリングマシンを使用せず、採/放熱管を岩盤までではなく、深さ数十mの浅い深度に埋設する為、効率よく掘削する方法がいくつか提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−303088号公報
【特許文献2】特開2007−17138号公報
【特許文献3】特開2009−41894号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】なし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1には、先端付近にねじ込み用の螺旋羽根を設けた上下鋼管を地中に回転貫入させた後、鋼管内に採/放熱管を挿入し、上鋼管を下鋼管から切り離した後、上鋼管を引き抜きながら孔内間隙にグラウト材を充填する地中熱利用鋼管チューブの設置方法が、特許文献2には、オーガー方式掘削機で穴を掘削し、オーガーを引き抜いてから、孔内に採/放熱管を挿入して、最後に孔内間隙に土砂を充填する熱交換井形成方法が、特許文献3には、先端外周部に螺旋状羽根板を溶接した鋼管を回転貫入させ、採/放熱管を鋼管底部まで挿入した後、鋼管を逆転させて引き抜き、孔内間隙に土砂を充填して、採/放熱管を地中に埋設する地中熱交換方法がそれぞれ開示されている。
【0012】
特許文献1に開示されている方法においては、上鋼管(削孔鋼管)と下鋼管(先端鋼管)とは、離脱可能な連結構造となっており、その具体例として、突起と鍵形切り込みとの組合せが示されており、削孔鋼管を逆回転させれば、連結部が外れて先端鋼管から離脱出来る様に説明されている。しかしながら、発明者らは、これと類似の構造をした連結部を切り離す現場実験を数度実施したが、容易に切り離すことは出来なかった。これは、鍵形の切り込みに小石などが挟まり、逆回転させても切り込み部が容易に移動しない為であり、この特許文献1に開示された方法は、上鋼管と下鋼管とが容易に離脱しない点において、実用上重大な欠陥を有すると言わざるを得ない。
【0013】
一方、特許文献2に開示されている方法において、オーガー方式の掘削刃で掘削した孔内に採/放熱管を挿入するタイミングは特に言及されておらず、現実的にはオーガー方式の掘削刃を引き抜いてから、と考えざるを得ないが、この様な施工方法では、砂質、礫質あるいは軟弱粘性質の地盤では、掘削した孔壁の孔壁が崩壊してしまう可能性があり、この為、採/放熱管の挿入や孔内間隙への充填が困難になるおそれがある。これを防ぐ為には、ケーシングや掘削用泥水を用いて孔壁の崩壊を防ぐなど、何らかの対策が必要となり、その分、時間をコストが余分にかかっていた。又、孔内間隙に土砂を充填する具体的方法についての記述はないが、たとえ、孔壁が崩壊しない場合でも、採/放熱管が配置された非常に狭く細長い間隔に土砂を充填するのは、特別な機材を使用しない限り、実際上困難であり、この点において、特許文献2に開示されている方法は、実用性に欠けると言わざるを得ない。
【0014】
又、特許文献3に開示されている方法においては、所定深度まで貫入させた先導管内に、採/放熱管(地中熱交換器)を挿入する為に、螺旋状掘削機を用いて管内に侵入した土砂を除去する必要があり、この為に、時間とコストがかかってしまう問題点があった。又、この方法においては、採/放熱管挿入後、先導管を逆回転させて引く際、採/放熱管が共回りして抜き上がることを防ぐ為、採/放熱管下端に回転防止板を取り付ける様にしているが、この回転防止板は、地盤中に強く固定されていないので、共上がり現象を起こし、先導鋼管と一緒に抜き上がるおそれがある。しかも、孔内間隔への土砂の充填に関しては、特許文献2と同じ問題を有していた。
【0015】
一般に、採/放熱管として使用されている樹脂製のチューブは、製造直後から現場搬入までの間、直径1.5m程度のリング状に巻かれており、それ自体強い巻き癖が残っている為、ケーシング内に挿入しても容易には直線状にはならない。この為、採/放熱管の先端を所定深度に止めておく為の連結機構には、以下の様な相反する二つの構造が求められる。
1)巻き癖の為、採/放熱管の先端は通常は鉛直方向を向いていないが、巻き癖が残っていても、採/放熱管先端を所定深度に確実に止められる様な構造であること。
2)巻き癖の為、採/放熱管は、ケーシング内壁の至る所で接触しているので、ケーシングに逆回転をかけてこれを引き抜く際、内壁との間で摩擦し、採/放熱管はねじれたり、共上がりの挙動をすることがある。従って、採/放熱管の先端が連結構造から容易に外れない構造であること。
【0016】
つまり、採/放熱管の地中埋設には、その先端が係止部材に連結しやすく、しかも外れにくいという二つの相反した機能を持った連結機構が必要となるのである。
【0017】
更に、これら特許文献に開示されている方法に共通する問題点として、採/放熱管挿入後に、孔内間隙にグラウト材や土砂を充填する工程が挙げられる。即ち、ボーリングマシンを用いる方法に比べ、削孔能率は高いものの、間隙充填に要する時間やその為の機材費の上昇の為、削孔能率の経済的効果は、著しく減殺される可能性がある。
【0018】
又、グラウト材としては、通常セメントミルク又はセメントモルタルが用いられており、特許文献1には、グラウト材として熱伝導性の優れた特殊な材料を用いることも提案されているが、孔内間隙という極限られた範囲に熱伝導性の高い特殊材料を用いても、そのことによるコスト上昇分に見合うだけの効果は、到底期待出来ないはずである。
【0019】
本発明者は、地中熱を冷暖房や融雪などの熱源として利用する為の採/放熱管を地中に埋設する方法における、上記従来の問題点を解決すべく研究を行った結果、採/放熱管先端の所望深度の地盤への確実な固定が可能で、ケーシング引き抜き時に採/放熱管が抜き上がるのを阻止でき、掘削孔と採/放熱管との間に発生する孔内間隙を充填する工程や機材が不要で、安いコストで採/放熱管を所定深度に簡単、確実に埋設できる地中熱利用採/放熱管の設置方法を開発することに成功し、本発明としてここに提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
鋼管からなり、先端付近の外周に回転貫入用の螺旋翼が固着されており、先端付近の内周面には回転伝動金具が固着されたケーシング,
前記ケーシングの外径よりわずかに大きい内径を有する短管の下端が円盤状の底板で閉塞されており、該底板の下面には掘削刃が固着されており、その上面には、前記ケーシングの回転伝動金具と結合する回転受動金具及び採/放熱管の下端に取り付けられた連結具と連結する連結具がそれぞれ固着されており、外周面には板状羽根が固着された先端シュー,
U字形に屈曲をした管路を有する接続具によって、長尺状をなした一対のチューブの端末を接続連通せしめた採/放熱管,
を用意し、ケーシングの回転伝動金具と先端シューの回転受動金具とを結合させて、ケーシングの先端に先端シューを装着し、先端シューを下方にして地盤上にケーシングを立設させ、これに回転力を与えて先端シューを地中に向かって、目標深度まで回転貫入させた後、ケーシングの上端開口部から、採/放熱管をケーシング内下方に向かって挿入し、その下端の連結具を先端シューの連結具に連結した後、ケーシングを逆回転させてケーシングを地盤から引き抜き、先端シュー及びこれに連結させた採/放熱管を地盤中に残置させる様にして上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0021】
1)土砂を地上に排出しないので、残土処理が不要である。
2)先端シューに掘削刃が設けられているので、掘削抵抗が減り、ケーシングの回転貫入が容易である。
3)ケーシング先端に着脱自在な先端シューを装着しているので、ケーシング内に空胴を確保出来、採/放熱管の挿入や結合が容易である。
4)回転伝動金具と回転受動金具をケーシング空胴内に位置させたので、両者の着脱が容易かつ確実に行える。
5)ケーシング引き抜き時に、地中に残置される先端シューの中に土砂が入って重くなり、しかも板状羽根が地盤に喰い込んでいるので、先端シューの引き抜き抵抗が増大し、採/放熱管の共上がり現象を確実に阻止出来る。
6)ケーシング引き抜き後に、採/放熱管の周囲に発生する空隙は、径の小さいケーシングを用いることにより、短期間で消滅し、空隙充填作業が不要である。
等の特徴を有し、高精度、高能率、低コストで地中熱を冷暖房や融雪の熱源として利用する為の採/放熱管を地盤に埋設することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明に係る地中熱利用採/放熱管の設置方法において用いるケーシングの縦断面図。
【図2】この発明に係る地中熱利用採/放熱管の設置方法において用いる先端シューの拡大縦断面図。
【図3】この発明に係る地中熱利用採/放熱管の設置方法において用いる採/放熱管の正面図。
【図4】この発明に係る地中熱利用採/放熱管の設置方法において用いるケーシングに固着されている回転伝動金具と先端シューに固着されている回転受動金具の位置を示したケーシングと先端シューの拡大横断面図。
【図5】同じく、その拡大縦断面図。
【図6】ケーシングと先端シュー及び採/放熱管の結合状況を説明したケーシングと先端シューの拡大断面図。
【図7】ケーシング及び先端シューに設けられる連結具の取付け位置の他の例を示した先端シューの拡大縦断面図。
【図8】杭打ち機によるケーシングの回転貫入方法を示した説明図。
【図9】この発明に係る地中熱利用採/放熱管の設置方法の施工の手順を示した説明図。
【図10】本発明の実施例2において用いる回転伝動金具及び回転受動金具を示したケーシングと先端シューの拡大縦断面図。
【図11】同じく、回転伝動金具及び回転受動金具の拡大斜視図。
【図12】本発明の実施例3において用いる連結具を示した先端シューの拡大断面図。
【図13】本発明の実施例3において用いる連結具を示した先端シューの拡大断面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
鋼管からなり、外周に螺旋翼を有するケーシングの先端に掘削刃を有する短管製の先端シューを着脱自在に取付け、所望深度までケーシングを回転貫入させ、ケーシングの内側を通して先端シューに採/放熱管の先端を連結し、先端シュー及び採/放熱管を地盤中に残置させた状態で、ケーシングを引き抜く様にした点に最大の特徴が存する。
【実施例1】
【0024】
まずはじめに、この発明において用いられるケーシング1、先端シュー5,採/放熱管11について説明する。
【0025】
図1において、1は、ケーシングであり、このケーシング1は採/放熱管11の埋設の用に供する仮設鋼管である。なお、本発明における採/放熱管11の埋設深さは10m〜数十mであるので、ケーシング1は数本の単管を現場において接続して構成する。このケーシング1は、原則として反復使用するものであるので、溶接で単管同士を接続するのではなく、着脱可能な機械式継ぎ手を用いて接続すると良い。機械式継ぎ手は、製作コストは高いが、現場溶接に較べて、短時間で接続できる特徴があり、便利である。この実施例1においては、外径165.2mm、長さ6mの単管を機械式継ぎ手を用いて、3本繋いで用いている。又、ケーシング1の径は出来るだけ小さくするのが望ましい。即ち、ケーシング1の径が小さい程、貫入抵抗を低減出来るとともに、これを引き抜いた後に、採/放熱管11の周囲に発生する空隙を小さくすることが出来るからであり、実用的には採/放熱管11の断面の寸法よりも10〜50mm程度大きくするのが好ましい。
【0026】
そして、このケーシング1の先端付近の外周面には、1個又は複数個の回転貫入用の螺旋翼2が固着されており、先端付近の内周面には、以下に述べる、先端シュー5の回転受動金具3と結合して、これに回転力を伝える回転伝動金具4が固着されている。この回転伝動金具4は、図4に示す様に、ケーシング1の先端付近の内周面の直径方向に、180°変位した箇所に対向して形成された一対の突起からなるものである。
【0027】
一方、図中5は前記ケーシング1の先端側に取り付けられ、地盤19の掘削、ケーシング1内への土砂の浸入の阻止、及び採/放熱管11の地盤の固定を行う先端シューであり、ケーシング1の外径よりわずかに小さい内径を有する短管からなり、下端は底板6によって閉塞されている。又、この底板6の下面には三角形状の掘削刃7が固着されている。又、この底板6の上面には前記ケーシング1の回転伝動金具4と係合し、ケーシング1から先端シュー5に回転力を伝えるための回転受動金具3が固着されている。なお、この回転受動金具3は、図4に示す様に、底板6の直径方向に配置され、底板6の直径よりわずかに短い直方体状を呈した部材である。
【0028】
更に、この回転受動金具3の上面には、以下に述べる採/放熱管11の下端に取付けられている連結具9と係合する連結具10が固着されている。
結合具10は、図2に示す様に、底板6と同心円状に、底板6の上面に固着された円筒状の基部23と、その上縁内側あるいは上部内側に延設された環状突起27とからなるものである。なお、連結具10は、回転受動金具3の上面ではなく、図7に示す様に、底板6の上面に直接固定させても良い。
【0029】
採/放熱管11は、地中熱の採熱及び地中への放熱をする為、不凍液入りの水などの熱交換媒体を循環させる管で、内部にU字形の管路22が形成された熱交換媒体環流用の接続具26のそれぞれの管路開口端に、ポリエチレン等の合成樹脂製の一対の長尺状チューブ35の下端部をそれぞれ接続連通させたものであり、接続具26には、先端シュー5の連結具10に連結される連結具9が取付けられている。
【0030】
この連結具9は、図3に示す様に、左右に張り出したつば部32、このつば部32の中央から下方に垂設された棒状の挿入部24、挿入部24の下端に設けられた略三角形状の係止片25とからなるものであり、つば部32の横幅は、連結具10の環状突起27,27間の間隔より大きく、又、係止片25の横幅は、環状突起27,27間の間隙よりわずかに小さくなる様に設定されている。
【0031】
そして、つば部32の中央は、接続具26にピン30で軸支されており、連結具9は採/放熱管11の下端に揺動自在に取付けられている。
【0032】
次に、これらケーシング1、先端シュー5、採/放熱管11を用いて、採/放熱管11を地中に埋設する方法を説明する。
【0033】
まず、はじめに、ケーシング1の下端に先端シュー5を装着し、回転伝動金具4と回転受動金具3とを係合させ、図8に示す様に、杭打ち機18を用いて、回転貫入させる。このとき、ケーシング1の回転伝達金具4と先端シュー5の回転受動金具3との係合により、先端シュー5はケーシング1と同じ回転をし、図9(a)に示す様に、地盤19を掘削するが、先端シュー5の下面には掘削刃7が付いているので、これによって掘削抵抗が減り、ケーシング1の回転貫入が容易となる。又、貫入時には、ケージング1の体積分に相当な土砂が圧縮してケージング1の側方に押し付けられ、地上には排出されない。
【0034】
なお、この実施例1において、ケーシング1と先端シュー5の隙間は2mm程度であるが、回転貫入時にケーシング1内に土砂が挿入することは全くなく、地下水もほとんど入らず、ケーシング1内は空胴状態が保たれ続ける。
【0035】
そして、図9(b)に示す様に、目標深度までケーシング1を貫入したら、回転を一旦止めた後、ケーシング1を若干逆回転させて、回転伝動金具4と回転受動金具3とか離隔した状態に保ちながら、ケーシング1に引き抜き力を加えると共に、小さな回転振動で正転と逆転を繰り返しながら、徐々にこれを引き上げ、図9(c)に示す様に、回転伝動金具4の下端が回転受動金具3の上端より上になったら、ケーシング1の引き上げを一旦止め、図9(d)に示す様に、ケーシング1の上端からその内側に採/放熱管11を挿入し、採/放熱管11の下端に取付けられている連結具9を先端シュー5の連結具10に連結する。
【0036】
連結具10は採/放熱管11の接続具26にピン30によって揺動自在に取り付けられているので、その自重によって、連結具10は絶えず鉛直方向を向いており、たとえ、採/放熱管11に曲がり癖が付いていたとしても、三角形状つまり矢印形をなした係止片25は、連結具10の環状突起27,27間の空隙をスムーズに通過し、連結具10の内部に進入する。このようにして、係止片25が、図6に示す様に、一旦環状突起27,27間の空隙を通過してしまえば、係止片25と環状突起27,27間の空隙の軸芯が完全に一致しない限り、連結具9は連結具10から抜けなくなる。
【0037】
なお、上述とは逆に、採/放熱管11の挿入連結作業を行った後に、回転伝動金具4と回転受動金具3の分離作業を行う様にしても良い。
【0038】
その後、ケーシング1を逆回転させて、螺旋翼2のねじ作用により、ケーシング1を地盤19から引き抜く。すると、図9(e)に示す様に、先端シュー5とこれに連結された採/放熱管11は、地盤19内に残置され、採/放熱管11の所望深度への埋設作業は完了する。なお、ケーシング1を引き抜いた後は、採/放熱管11の周囲には空隙33が形成されているが、これは短時間のうちに周囲の土砂で満たされるので、そのまま放置しておいて何ら問題ない。
【0039】
この実施例1は上記の通りの構成を有するものであり、
1)土砂を地上に排出しないので、残土処理が不要である。
2)先端シューに掘削刃が設けられているので、掘削抵抗が減り、ケーシングの回転貫入が容易である。
3)ケーシング先端に着脱自在な先端シューを装着しているので、ケーシング内に空胴を確保出来、採/放熱管の挿入や結合が容易である。
4)回転伝動金具と回転受動金具をケーシング空胴内に位置させたので、両者の着脱が容易かつ確実に行える。
5)ケーシング引き抜き時に、地中に残置される先端シューの中に土砂が入って重くなり、しかも板状羽根が地盤に喰い込んでいるので、先端シューの引き抜き抵抗が増大し、採/放熱管の共上がり現象を確実に阻止出来る。
6)ケーシング引き抜き後に、採/放熱管の周囲に発生する空隙は、径の小さいケーシングを用いることにより、短期間で消滅し、空隙充填作業が不要である。
等の特徴を有し、高精度、高能率、低コストで地中熱を冷暖房や融雪の熱源として利用する為の採/放熱管を地盤に埋設することが出来る。
【0040】
なお、発明者らは、上記実施例1の性能を確認する為、現場試験を実施した。即ち、外径165.2mm、長さ6mの鋼管3本を機械式継手で繋ぎ、下部外周に外径350mmの螺旋翼2を溶接したケーシング1を利用し、外径32mmのポリエチレン製の採/放熱管11を深さ18mまで埋設した。地盤19は上部12mまでは軟弱粘性土、12m以深はN値=10〜40の砂質土で、深度と共に硬くなる地盤であった。
【0041】
試験は4回実施したが、目標深度である18mまで掘削するに要した時間は平均1.5時間であり、従来のボーリングマシンを用いる場合の3〜4時間に比べ、大幅に掘削時間が短縮した。又、先端シュー5の底板6に掘削刃7を設けた場合と、設けない場合の比較試験を行ったが、掘削刃7を設けた場合には、硬い砂層での貫入能率が向上した。一方、目標深度まで掘削した時点で、ケーシング1内には土砂はもちろん地下水も浸入していなかった。これは、ケーシング1と先端シュー5との間の2mm程度の隙間の上部に細かい土粒子が詰まって、水の浸入を阻止した為と考えられている。このため、軽く、曲がり癖の強い採/放熱管11でも、ケーシング1内にスムーズに挿入することが出来た。
【0042】
又、採/放熱管11の下端と先端シュー5の連結も容易で、採/放熱管11の下端に付けた連結具9を先端シュー5の連結具10に突き当たるまで下降させただけで、両者は容易に連結し、一旦連結した後は、採/放熱管11に左右回転を交えて引き抜き力を加えても、二度と外れなかった。
【0043】
更に、採/放熱管11を先端シュー5に連結した後、ケーシング1を90°程逆回転させて回転伝動金具4を中立状態にし、杭打ち機18でケーシング1に引き抜き力を加えながら、軽く正逆回転を繰り返して約10cmケーシング1を引き抜いた。この時点で先端シュー5の深度を測定したが、抜き上がりは認めることが出来なかった。これにより、回転伝動金具4が回転受動金具3から完全に外れていることが確認出来たと共に、先端シュー5の側面に取り付けられた板状羽根21が地盤19に喰い込んで先端シュー5の抜き上がりを効果的に阻止していることが確認された。
【0044】
その後、ケーシング1を逆回転させて地中から完全に引き抜いたが、採/放熱管11は共上がりせず、所定深度に残置されたままであった。ケーシング1を引き抜いた直後に、採/放熱管11の周囲には空隙33が形成されていたが、時間経過と共に、徐々に周囲の土砂が寄ってきて空隙33は狭まり、二ヶ月後には空隙33は確認出来なくなった。
【実施例2】
【0045】
ケーシング1の回転貫入作業は、通常正回転で行うが、ケーシング1の先端付近の地盤19が硬い場合には、時折逆回転させて、ケーシング1に作用するトルクを軽減したり、貫入速度を速めたりすることがあり、この際、ケーシング1は抜き上がるが、前述の実施例1に示す回転伝動金具4と回転受動金具3の組み合わせでは、ケーシング1を逆回転させると両者が離脱し、先端シュー5がケーシング1から抜け落ちてしまうおそれがあった。
【0046】
そこで、実施例2においては、ケーシング1の逆回転時に、回転伝動金具4と回転受動金具3とが離脱しない様に、構造上特に配慮しており、図10及び図11に示す様に、L字形の回転伝動金具4を用いると共に、T字形の回転受動金具3を用い、逆回転時に、回転伝動金具4の側面に形成される切欠き部28の上に、回転受動金具3の両側に形成されている張り出し片29がかぶさる様にして、これにより回転伝動金具4と回転受動金具3の離脱を防いでおり、施工の確実性が高められている。他の構成要素は、実施例1と同じであるので、説明を省略する。
【実施例3】
【0047】
この実施例3は、採/放熱管11と先端シュー5とを連結する連結具9と10に関するものであり、前述の実施例1において用いられている連結具9と10の組み合わせでは、環状突起27と係止片25の軸芯が万が一一致したときには、採/放熱管11の連結具9が先端シュー5の連結具10から抜け出してしまうおそれがあった。そこで、この実施例3においては、図12及び図13に示す様に基部23から垂設されている挿入部24に、端部がピン34によって挿入部24の側部に枢支された一対の棒状の可動腕材31,31を取り付けた連結具9を用いており、挿入部24が環状突起27を通過する際は、可動腕材31は上方に回転してこれを通過するが、一旦通過した後は図13に示す様に、自重によって下方に広がり、その先端が円筒状をなした連結具10の内側壁に接触した位置で止まる様になっている。
【0048】
この状態においては、連結具10に引き抜き力が作用しても、可動腕材31,31は連結具9の内周壁に突き当たっているので、上方へ移動することは出来ず、連結具9,10の分離は確実に阻止される。
【0049】
従って、この実施例3においては、採/放熱管11の連結具9と先端シュー5の連結具10とは連結しやすく、外れにくいという相反した要求を同時に満足させる事が出来、採/放熱管11をより一層安定的に地盤19中に固定することになる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
ヒートポンプを用いて地中熱をエネルギー源として利用するあらゆる産業分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1.ケーシング
2.螺旋翼
3.回転受動金具
4.回転伝動金具
5.先端シュー
6.底板
7.掘削刃
9.連結具
10.連結具
11.採/放熱管
18.杭打ち機
19.地盤
20.モーター
21.板状羽根
22.管路
23.基部
24.挿入部
25.係止片
26.接続具
27.環状突起
30.ピン
31.可動腕材
32.つば部
33.空隙
34.ピン
35.チューブ
【技術分野】
【0001】
この発明は地中熱利用採/放熱管の設置方法、詳しくは、地中熱を冷暖房や融雪などの熱源として利用する為の採/放熱管を地中へ埋設する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地中深く埋設した採/放熱管、つまり地中熱交換用のチューブ内に、不凍液入り水などの熱交換媒体を循環させて、地上に設置したヒートポンプを用いて冷暖房や融雪などを行う、所謂、地中熱ヒートポンプシステムは、地球環境に優しい省エネルギー技術として注目されており、欧米では既に広く普及している。このシステムは一年を通して温度が一定で、夏は冷たく、冬は暖かい、地中(地盤)を熱源とする為、空気を熱源とする一般のヒートポンプシステムに比べ、ヒートポンプの運転に要する電力量を数十パーセント節約出来るというメリットがある。
【0003】
しかし、その反面、空気熱源の場合は不要な熱交換媒体を循環させる採/放熱管を地中に設置する為の初期投資が必要となり、この採/放熱管の設置工事費が高額であることが、地中熱ヒートポンプシステムの大きな問題点であった。つまり、採/放熱管の設置費用が高いと、運転に必要な電力費が安くても、経済的には見合わないので、地中熱ヒートポンプシステムの普及が進まないのである。
【0004】
一般に、地中熱ヒートポンプシステムにおける採/放熱管の埋設は、通常深さ50〜200mの岩盤中までボーリングで直径15〜20cm程度の縦孔を掘り、その縦孔の底まで、採/放熱管を挿入した後、孔の隙間にグラウト等を充填して封止する方法がとられていた。
【0005】
採/放熱管としては、経済性と施工性の観点から、ポリエチレンチューブなどの樹脂管が多く使用されている。又、掘削にボーリングマシンを利用する方法は、岩盤でも削孔可能で、地中深くまで深い孔を形成出来る長所がある一方で、削孔作業の際に、ベントナイトが混じった泥状土が排出され、その処理が容易ではない、といった欠点が存在していた。
【0006】
又、削孔した孔は、ベントナイト液などの泥水で満たされているので、採/放熱管をそのままこの中に挿入しても、浮力で浮き上がってしまう為、浮き上がりを阻止する為、予め採/放熱管の中に水を充填するなど、何らかの対策が必要であった。
【0007】
削孔しやすい石灰質地盤が多い欧米では、このボーリングマシンによる削孔が適しており、主にこの方法で用いられているが、地層が複雑で、かつ硬い岩盤が多い日本では、ボーリングマシンにより掘削は効率が悪く、作業コストが高く、必ずしも状況に合った方法ではなかった。
【0008】
そこで、コスト高の原因となるボーリングマシンを使用せず、採/放熱管を岩盤までではなく、深さ数十mの浅い深度に埋設する為、効率よく掘削する方法がいくつか提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−303088号公報
【特許文献2】特開2007−17138号公報
【特許文献3】特開2009−41894号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】なし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1には、先端付近にねじ込み用の螺旋羽根を設けた上下鋼管を地中に回転貫入させた後、鋼管内に採/放熱管を挿入し、上鋼管を下鋼管から切り離した後、上鋼管を引き抜きながら孔内間隙にグラウト材を充填する地中熱利用鋼管チューブの設置方法が、特許文献2には、オーガー方式掘削機で穴を掘削し、オーガーを引き抜いてから、孔内に採/放熱管を挿入して、最後に孔内間隙に土砂を充填する熱交換井形成方法が、特許文献3には、先端外周部に螺旋状羽根板を溶接した鋼管を回転貫入させ、採/放熱管を鋼管底部まで挿入した後、鋼管を逆転させて引き抜き、孔内間隙に土砂を充填して、採/放熱管を地中に埋設する地中熱交換方法がそれぞれ開示されている。
【0012】
特許文献1に開示されている方法においては、上鋼管(削孔鋼管)と下鋼管(先端鋼管)とは、離脱可能な連結構造となっており、その具体例として、突起と鍵形切り込みとの組合せが示されており、削孔鋼管を逆回転させれば、連結部が外れて先端鋼管から離脱出来る様に説明されている。しかしながら、発明者らは、これと類似の構造をした連結部を切り離す現場実験を数度実施したが、容易に切り離すことは出来なかった。これは、鍵形の切り込みに小石などが挟まり、逆回転させても切り込み部が容易に移動しない為であり、この特許文献1に開示された方法は、上鋼管と下鋼管とが容易に離脱しない点において、実用上重大な欠陥を有すると言わざるを得ない。
【0013】
一方、特許文献2に開示されている方法において、オーガー方式の掘削刃で掘削した孔内に採/放熱管を挿入するタイミングは特に言及されておらず、現実的にはオーガー方式の掘削刃を引き抜いてから、と考えざるを得ないが、この様な施工方法では、砂質、礫質あるいは軟弱粘性質の地盤では、掘削した孔壁の孔壁が崩壊してしまう可能性があり、この為、採/放熱管の挿入や孔内間隙への充填が困難になるおそれがある。これを防ぐ為には、ケーシングや掘削用泥水を用いて孔壁の崩壊を防ぐなど、何らかの対策が必要となり、その分、時間をコストが余分にかかっていた。又、孔内間隙に土砂を充填する具体的方法についての記述はないが、たとえ、孔壁が崩壊しない場合でも、採/放熱管が配置された非常に狭く細長い間隔に土砂を充填するのは、特別な機材を使用しない限り、実際上困難であり、この点において、特許文献2に開示されている方法は、実用性に欠けると言わざるを得ない。
【0014】
又、特許文献3に開示されている方法においては、所定深度まで貫入させた先導管内に、採/放熱管(地中熱交換器)を挿入する為に、螺旋状掘削機を用いて管内に侵入した土砂を除去する必要があり、この為に、時間とコストがかかってしまう問題点があった。又、この方法においては、採/放熱管挿入後、先導管を逆回転させて引く際、採/放熱管が共回りして抜き上がることを防ぐ為、採/放熱管下端に回転防止板を取り付ける様にしているが、この回転防止板は、地盤中に強く固定されていないので、共上がり現象を起こし、先導鋼管と一緒に抜き上がるおそれがある。しかも、孔内間隔への土砂の充填に関しては、特許文献2と同じ問題を有していた。
【0015】
一般に、採/放熱管として使用されている樹脂製のチューブは、製造直後から現場搬入までの間、直径1.5m程度のリング状に巻かれており、それ自体強い巻き癖が残っている為、ケーシング内に挿入しても容易には直線状にはならない。この為、採/放熱管の先端を所定深度に止めておく為の連結機構には、以下の様な相反する二つの構造が求められる。
1)巻き癖の為、採/放熱管の先端は通常は鉛直方向を向いていないが、巻き癖が残っていても、採/放熱管先端を所定深度に確実に止められる様な構造であること。
2)巻き癖の為、採/放熱管は、ケーシング内壁の至る所で接触しているので、ケーシングに逆回転をかけてこれを引き抜く際、内壁との間で摩擦し、採/放熱管はねじれたり、共上がりの挙動をすることがある。従って、採/放熱管の先端が連結構造から容易に外れない構造であること。
【0016】
つまり、採/放熱管の地中埋設には、その先端が係止部材に連結しやすく、しかも外れにくいという二つの相反した機能を持った連結機構が必要となるのである。
【0017】
更に、これら特許文献に開示されている方法に共通する問題点として、採/放熱管挿入後に、孔内間隙にグラウト材や土砂を充填する工程が挙げられる。即ち、ボーリングマシンを用いる方法に比べ、削孔能率は高いものの、間隙充填に要する時間やその為の機材費の上昇の為、削孔能率の経済的効果は、著しく減殺される可能性がある。
【0018】
又、グラウト材としては、通常セメントミルク又はセメントモルタルが用いられており、特許文献1には、グラウト材として熱伝導性の優れた特殊な材料を用いることも提案されているが、孔内間隙という極限られた範囲に熱伝導性の高い特殊材料を用いても、そのことによるコスト上昇分に見合うだけの効果は、到底期待出来ないはずである。
【0019】
本発明者は、地中熱を冷暖房や融雪などの熱源として利用する為の採/放熱管を地中に埋設する方法における、上記従来の問題点を解決すべく研究を行った結果、採/放熱管先端の所望深度の地盤への確実な固定が可能で、ケーシング引き抜き時に採/放熱管が抜き上がるのを阻止でき、掘削孔と採/放熱管との間に発生する孔内間隙を充填する工程や機材が不要で、安いコストで採/放熱管を所定深度に簡単、確実に埋設できる地中熱利用採/放熱管の設置方法を開発することに成功し、本発明としてここに提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
鋼管からなり、先端付近の外周に回転貫入用の螺旋翼が固着されており、先端付近の内周面には回転伝動金具が固着されたケーシング,
前記ケーシングの外径よりわずかに大きい内径を有する短管の下端が円盤状の底板で閉塞されており、該底板の下面には掘削刃が固着されており、その上面には、前記ケーシングの回転伝動金具と結合する回転受動金具及び採/放熱管の下端に取り付けられた連結具と連結する連結具がそれぞれ固着されており、外周面には板状羽根が固着された先端シュー,
U字形に屈曲をした管路を有する接続具によって、長尺状をなした一対のチューブの端末を接続連通せしめた採/放熱管,
を用意し、ケーシングの回転伝動金具と先端シューの回転受動金具とを結合させて、ケーシングの先端に先端シューを装着し、先端シューを下方にして地盤上にケーシングを立設させ、これに回転力を与えて先端シューを地中に向かって、目標深度まで回転貫入させた後、ケーシングの上端開口部から、採/放熱管をケーシング内下方に向かって挿入し、その下端の連結具を先端シューの連結具に連結した後、ケーシングを逆回転させてケーシングを地盤から引き抜き、先端シュー及びこれに連結させた採/放熱管を地盤中に残置させる様にして上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0021】
1)土砂を地上に排出しないので、残土処理が不要である。
2)先端シューに掘削刃が設けられているので、掘削抵抗が減り、ケーシングの回転貫入が容易である。
3)ケーシング先端に着脱自在な先端シューを装着しているので、ケーシング内に空胴を確保出来、採/放熱管の挿入や結合が容易である。
4)回転伝動金具と回転受動金具をケーシング空胴内に位置させたので、両者の着脱が容易かつ確実に行える。
5)ケーシング引き抜き時に、地中に残置される先端シューの中に土砂が入って重くなり、しかも板状羽根が地盤に喰い込んでいるので、先端シューの引き抜き抵抗が増大し、採/放熱管の共上がり現象を確実に阻止出来る。
6)ケーシング引き抜き後に、採/放熱管の周囲に発生する空隙は、径の小さいケーシングを用いることにより、短期間で消滅し、空隙充填作業が不要である。
等の特徴を有し、高精度、高能率、低コストで地中熱を冷暖房や融雪の熱源として利用する為の採/放熱管を地盤に埋設することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明に係る地中熱利用採/放熱管の設置方法において用いるケーシングの縦断面図。
【図2】この発明に係る地中熱利用採/放熱管の設置方法において用いる先端シューの拡大縦断面図。
【図3】この発明に係る地中熱利用採/放熱管の設置方法において用いる採/放熱管の正面図。
【図4】この発明に係る地中熱利用採/放熱管の設置方法において用いるケーシングに固着されている回転伝動金具と先端シューに固着されている回転受動金具の位置を示したケーシングと先端シューの拡大横断面図。
【図5】同じく、その拡大縦断面図。
【図6】ケーシングと先端シュー及び採/放熱管の結合状況を説明したケーシングと先端シューの拡大断面図。
【図7】ケーシング及び先端シューに設けられる連結具の取付け位置の他の例を示した先端シューの拡大縦断面図。
【図8】杭打ち機によるケーシングの回転貫入方法を示した説明図。
【図9】この発明に係る地中熱利用採/放熱管の設置方法の施工の手順を示した説明図。
【図10】本発明の実施例2において用いる回転伝動金具及び回転受動金具を示したケーシングと先端シューの拡大縦断面図。
【図11】同じく、回転伝動金具及び回転受動金具の拡大斜視図。
【図12】本発明の実施例3において用いる連結具を示した先端シューの拡大断面図。
【図13】本発明の実施例3において用いる連結具を示した先端シューの拡大断面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
鋼管からなり、外周に螺旋翼を有するケーシングの先端に掘削刃を有する短管製の先端シューを着脱自在に取付け、所望深度までケーシングを回転貫入させ、ケーシングの内側を通して先端シューに採/放熱管の先端を連結し、先端シュー及び採/放熱管を地盤中に残置させた状態で、ケーシングを引き抜く様にした点に最大の特徴が存する。
【実施例1】
【0024】
まずはじめに、この発明において用いられるケーシング1、先端シュー5,採/放熱管11について説明する。
【0025】
図1において、1は、ケーシングであり、このケーシング1は採/放熱管11の埋設の用に供する仮設鋼管である。なお、本発明における採/放熱管11の埋設深さは10m〜数十mであるので、ケーシング1は数本の単管を現場において接続して構成する。このケーシング1は、原則として反復使用するものであるので、溶接で単管同士を接続するのではなく、着脱可能な機械式継ぎ手を用いて接続すると良い。機械式継ぎ手は、製作コストは高いが、現場溶接に較べて、短時間で接続できる特徴があり、便利である。この実施例1においては、外径165.2mm、長さ6mの単管を機械式継ぎ手を用いて、3本繋いで用いている。又、ケーシング1の径は出来るだけ小さくするのが望ましい。即ち、ケーシング1の径が小さい程、貫入抵抗を低減出来るとともに、これを引き抜いた後に、採/放熱管11の周囲に発生する空隙を小さくすることが出来るからであり、実用的には採/放熱管11の断面の寸法よりも10〜50mm程度大きくするのが好ましい。
【0026】
そして、このケーシング1の先端付近の外周面には、1個又は複数個の回転貫入用の螺旋翼2が固着されており、先端付近の内周面には、以下に述べる、先端シュー5の回転受動金具3と結合して、これに回転力を伝える回転伝動金具4が固着されている。この回転伝動金具4は、図4に示す様に、ケーシング1の先端付近の内周面の直径方向に、180°変位した箇所に対向して形成された一対の突起からなるものである。
【0027】
一方、図中5は前記ケーシング1の先端側に取り付けられ、地盤19の掘削、ケーシング1内への土砂の浸入の阻止、及び採/放熱管11の地盤の固定を行う先端シューであり、ケーシング1の外径よりわずかに小さい内径を有する短管からなり、下端は底板6によって閉塞されている。又、この底板6の下面には三角形状の掘削刃7が固着されている。又、この底板6の上面には前記ケーシング1の回転伝動金具4と係合し、ケーシング1から先端シュー5に回転力を伝えるための回転受動金具3が固着されている。なお、この回転受動金具3は、図4に示す様に、底板6の直径方向に配置され、底板6の直径よりわずかに短い直方体状を呈した部材である。
【0028】
更に、この回転受動金具3の上面には、以下に述べる採/放熱管11の下端に取付けられている連結具9と係合する連結具10が固着されている。
結合具10は、図2に示す様に、底板6と同心円状に、底板6の上面に固着された円筒状の基部23と、その上縁内側あるいは上部内側に延設された環状突起27とからなるものである。なお、連結具10は、回転受動金具3の上面ではなく、図7に示す様に、底板6の上面に直接固定させても良い。
【0029】
採/放熱管11は、地中熱の採熱及び地中への放熱をする為、不凍液入りの水などの熱交換媒体を循環させる管で、内部にU字形の管路22が形成された熱交換媒体環流用の接続具26のそれぞれの管路開口端に、ポリエチレン等の合成樹脂製の一対の長尺状チューブ35の下端部をそれぞれ接続連通させたものであり、接続具26には、先端シュー5の連結具10に連結される連結具9が取付けられている。
【0030】
この連結具9は、図3に示す様に、左右に張り出したつば部32、このつば部32の中央から下方に垂設された棒状の挿入部24、挿入部24の下端に設けられた略三角形状の係止片25とからなるものであり、つば部32の横幅は、連結具10の環状突起27,27間の間隔より大きく、又、係止片25の横幅は、環状突起27,27間の間隙よりわずかに小さくなる様に設定されている。
【0031】
そして、つば部32の中央は、接続具26にピン30で軸支されており、連結具9は採/放熱管11の下端に揺動自在に取付けられている。
【0032】
次に、これらケーシング1、先端シュー5、採/放熱管11を用いて、採/放熱管11を地中に埋設する方法を説明する。
【0033】
まず、はじめに、ケーシング1の下端に先端シュー5を装着し、回転伝動金具4と回転受動金具3とを係合させ、図8に示す様に、杭打ち機18を用いて、回転貫入させる。このとき、ケーシング1の回転伝達金具4と先端シュー5の回転受動金具3との係合により、先端シュー5はケーシング1と同じ回転をし、図9(a)に示す様に、地盤19を掘削するが、先端シュー5の下面には掘削刃7が付いているので、これによって掘削抵抗が減り、ケーシング1の回転貫入が容易となる。又、貫入時には、ケージング1の体積分に相当な土砂が圧縮してケージング1の側方に押し付けられ、地上には排出されない。
【0034】
なお、この実施例1において、ケーシング1と先端シュー5の隙間は2mm程度であるが、回転貫入時にケーシング1内に土砂が挿入することは全くなく、地下水もほとんど入らず、ケーシング1内は空胴状態が保たれ続ける。
【0035】
そして、図9(b)に示す様に、目標深度までケーシング1を貫入したら、回転を一旦止めた後、ケーシング1を若干逆回転させて、回転伝動金具4と回転受動金具3とか離隔した状態に保ちながら、ケーシング1に引き抜き力を加えると共に、小さな回転振動で正転と逆転を繰り返しながら、徐々にこれを引き上げ、図9(c)に示す様に、回転伝動金具4の下端が回転受動金具3の上端より上になったら、ケーシング1の引き上げを一旦止め、図9(d)に示す様に、ケーシング1の上端からその内側に採/放熱管11を挿入し、採/放熱管11の下端に取付けられている連結具9を先端シュー5の連結具10に連結する。
【0036】
連結具10は採/放熱管11の接続具26にピン30によって揺動自在に取り付けられているので、その自重によって、連結具10は絶えず鉛直方向を向いており、たとえ、採/放熱管11に曲がり癖が付いていたとしても、三角形状つまり矢印形をなした係止片25は、連結具10の環状突起27,27間の空隙をスムーズに通過し、連結具10の内部に進入する。このようにして、係止片25が、図6に示す様に、一旦環状突起27,27間の空隙を通過してしまえば、係止片25と環状突起27,27間の空隙の軸芯が完全に一致しない限り、連結具9は連結具10から抜けなくなる。
【0037】
なお、上述とは逆に、採/放熱管11の挿入連結作業を行った後に、回転伝動金具4と回転受動金具3の分離作業を行う様にしても良い。
【0038】
その後、ケーシング1を逆回転させて、螺旋翼2のねじ作用により、ケーシング1を地盤19から引き抜く。すると、図9(e)に示す様に、先端シュー5とこれに連結された採/放熱管11は、地盤19内に残置され、採/放熱管11の所望深度への埋設作業は完了する。なお、ケーシング1を引き抜いた後は、採/放熱管11の周囲には空隙33が形成されているが、これは短時間のうちに周囲の土砂で満たされるので、そのまま放置しておいて何ら問題ない。
【0039】
この実施例1は上記の通りの構成を有するものであり、
1)土砂を地上に排出しないので、残土処理が不要である。
2)先端シューに掘削刃が設けられているので、掘削抵抗が減り、ケーシングの回転貫入が容易である。
3)ケーシング先端に着脱自在な先端シューを装着しているので、ケーシング内に空胴を確保出来、採/放熱管の挿入や結合が容易である。
4)回転伝動金具と回転受動金具をケーシング空胴内に位置させたので、両者の着脱が容易かつ確実に行える。
5)ケーシング引き抜き時に、地中に残置される先端シューの中に土砂が入って重くなり、しかも板状羽根が地盤に喰い込んでいるので、先端シューの引き抜き抵抗が増大し、採/放熱管の共上がり現象を確実に阻止出来る。
6)ケーシング引き抜き後に、採/放熱管の周囲に発生する空隙は、径の小さいケーシングを用いることにより、短期間で消滅し、空隙充填作業が不要である。
等の特徴を有し、高精度、高能率、低コストで地中熱を冷暖房や融雪の熱源として利用する為の採/放熱管を地盤に埋設することが出来る。
【0040】
なお、発明者らは、上記実施例1の性能を確認する為、現場試験を実施した。即ち、外径165.2mm、長さ6mの鋼管3本を機械式継手で繋ぎ、下部外周に外径350mmの螺旋翼2を溶接したケーシング1を利用し、外径32mmのポリエチレン製の採/放熱管11を深さ18mまで埋設した。地盤19は上部12mまでは軟弱粘性土、12m以深はN値=10〜40の砂質土で、深度と共に硬くなる地盤であった。
【0041】
試験は4回実施したが、目標深度である18mまで掘削するに要した時間は平均1.5時間であり、従来のボーリングマシンを用いる場合の3〜4時間に比べ、大幅に掘削時間が短縮した。又、先端シュー5の底板6に掘削刃7を設けた場合と、設けない場合の比較試験を行ったが、掘削刃7を設けた場合には、硬い砂層での貫入能率が向上した。一方、目標深度まで掘削した時点で、ケーシング1内には土砂はもちろん地下水も浸入していなかった。これは、ケーシング1と先端シュー5との間の2mm程度の隙間の上部に細かい土粒子が詰まって、水の浸入を阻止した為と考えられている。このため、軽く、曲がり癖の強い採/放熱管11でも、ケーシング1内にスムーズに挿入することが出来た。
【0042】
又、採/放熱管11の下端と先端シュー5の連結も容易で、採/放熱管11の下端に付けた連結具9を先端シュー5の連結具10に突き当たるまで下降させただけで、両者は容易に連結し、一旦連結した後は、採/放熱管11に左右回転を交えて引き抜き力を加えても、二度と外れなかった。
【0043】
更に、採/放熱管11を先端シュー5に連結した後、ケーシング1を90°程逆回転させて回転伝動金具4を中立状態にし、杭打ち機18でケーシング1に引き抜き力を加えながら、軽く正逆回転を繰り返して約10cmケーシング1を引き抜いた。この時点で先端シュー5の深度を測定したが、抜き上がりは認めることが出来なかった。これにより、回転伝動金具4が回転受動金具3から完全に外れていることが確認出来たと共に、先端シュー5の側面に取り付けられた板状羽根21が地盤19に喰い込んで先端シュー5の抜き上がりを効果的に阻止していることが確認された。
【0044】
その後、ケーシング1を逆回転させて地中から完全に引き抜いたが、採/放熱管11は共上がりせず、所定深度に残置されたままであった。ケーシング1を引き抜いた直後に、採/放熱管11の周囲には空隙33が形成されていたが、時間経過と共に、徐々に周囲の土砂が寄ってきて空隙33は狭まり、二ヶ月後には空隙33は確認出来なくなった。
【実施例2】
【0045】
ケーシング1の回転貫入作業は、通常正回転で行うが、ケーシング1の先端付近の地盤19が硬い場合には、時折逆回転させて、ケーシング1に作用するトルクを軽減したり、貫入速度を速めたりすることがあり、この際、ケーシング1は抜き上がるが、前述の実施例1に示す回転伝動金具4と回転受動金具3の組み合わせでは、ケーシング1を逆回転させると両者が離脱し、先端シュー5がケーシング1から抜け落ちてしまうおそれがあった。
【0046】
そこで、実施例2においては、ケーシング1の逆回転時に、回転伝動金具4と回転受動金具3とが離脱しない様に、構造上特に配慮しており、図10及び図11に示す様に、L字形の回転伝動金具4を用いると共に、T字形の回転受動金具3を用い、逆回転時に、回転伝動金具4の側面に形成される切欠き部28の上に、回転受動金具3の両側に形成されている張り出し片29がかぶさる様にして、これにより回転伝動金具4と回転受動金具3の離脱を防いでおり、施工の確実性が高められている。他の構成要素は、実施例1と同じであるので、説明を省略する。
【実施例3】
【0047】
この実施例3は、採/放熱管11と先端シュー5とを連結する連結具9と10に関するものであり、前述の実施例1において用いられている連結具9と10の組み合わせでは、環状突起27と係止片25の軸芯が万が一一致したときには、採/放熱管11の連結具9が先端シュー5の連結具10から抜け出してしまうおそれがあった。そこで、この実施例3においては、図12及び図13に示す様に基部23から垂設されている挿入部24に、端部がピン34によって挿入部24の側部に枢支された一対の棒状の可動腕材31,31を取り付けた連結具9を用いており、挿入部24が環状突起27を通過する際は、可動腕材31は上方に回転してこれを通過するが、一旦通過した後は図13に示す様に、自重によって下方に広がり、その先端が円筒状をなした連結具10の内側壁に接触した位置で止まる様になっている。
【0048】
この状態においては、連結具10に引き抜き力が作用しても、可動腕材31,31は連結具9の内周壁に突き当たっているので、上方へ移動することは出来ず、連結具9,10の分離は確実に阻止される。
【0049】
従って、この実施例3においては、採/放熱管11の連結具9と先端シュー5の連結具10とは連結しやすく、外れにくいという相反した要求を同時に満足させる事が出来、採/放熱管11をより一層安定的に地盤19中に固定することになる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
ヒートポンプを用いて地中熱をエネルギー源として利用するあらゆる産業分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1.ケーシング
2.螺旋翼
3.回転受動金具
4.回転伝動金具
5.先端シュー
6.底板
7.掘削刃
9.連結具
10.連結具
11.採/放熱管
18.杭打ち機
19.地盤
20.モーター
21.板状羽根
22.管路
23.基部
24.挿入部
25.係止片
26.接続具
27.環状突起
30.ピン
31.可動腕材
32.つば部
33.空隙
34.ピン
35.チューブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼管からなり、先端付近の外周に回転貫入用の螺旋翼が固着されており、先端付近の内周面には回転伝動金具が固着されたケーシング,
前記ケーシングの外径よりわずかに大きい内径を有する短管の下端が円盤状の底板で閉塞されており、該底板の下面には掘削刃が固着されており、その上面には、前記ケーシングの回転伝動金具と結合する回転受動金具及び採/放熱管の下端に取り付けられた連結具と連結する連結具がそれぞれ固着されており、外周面には板状羽根が固着された先端シュー,
U字形に屈曲をした管路を有する接続具によって、長尺状をなした一対のチューブの端末を接続連通せしめた採/放熱管,
を用意し、ケーシングの回転伝動金具と先端シューの回転受動金具とを結合させて、ケーシングの先端に先端シューを装着し、先端シューを下方にして地盤上にケーシングを立設させ、これに回転力を与えて先端シューを地中に向かって目標深度まで回転貫入させた後、ケーシングの上端開口部から、採/放熱管をケーシング内下方に向かって挿入し、その下端の連結具を先端シューの連結具に連結した後、ケーシングを逆回転させてケーシングを地盤から引き抜き、先端シュー及びこれに連結された採/放熱管を地盤中に残置させる様にしたことを特徴とする地中熱利用採/放熱管の設置方法。
【請求項1】
鋼管からなり、先端付近の外周に回転貫入用の螺旋翼が固着されており、先端付近の内周面には回転伝動金具が固着されたケーシング,
前記ケーシングの外径よりわずかに大きい内径を有する短管の下端が円盤状の底板で閉塞されており、該底板の下面には掘削刃が固着されており、その上面には、前記ケーシングの回転伝動金具と結合する回転受動金具及び採/放熱管の下端に取り付けられた連結具と連結する連結具がそれぞれ固着されており、外周面には板状羽根が固着された先端シュー,
U字形に屈曲をした管路を有する接続具によって、長尺状をなした一対のチューブの端末を接続連通せしめた採/放熱管,
を用意し、ケーシングの回転伝動金具と先端シューの回転受動金具とを結合させて、ケーシングの先端に先端シューを装着し、先端シューを下方にして地盤上にケーシングを立設させ、これに回転力を与えて先端シューを地中に向かって目標深度まで回転貫入させた後、ケーシングの上端開口部から、採/放熱管をケーシング内下方に向かって挿入し、その下端の連結具を先端シューの連結具に連結した後、ケーシングを逆回転させてケーシングを地盤から引き抜き、先端シュー及びこれに連結された採/放熱管を地盤中に残置させる様にしたことを特徴とする地中熱利用採/放熱管の設置方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−133194(P2011−133194A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294661(P2009−294661)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(592198404)千代田工営株式会社 (25)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(592198404)千代田工営株式会社 (25)
【Fターム(参考)】
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