基板処理装置
【課題】基板の浸漬処理の均一性を向上できる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板の浸漬処理を行う基板処理装置10aでは、処理槽1の内部に処理液を供給する6つの供給管2a〜2fが設けられている。これら、6つの供給管2a〜2fは互いに異なる高さに均等に設けられる。また、6つの供給管2a〜2fは高さ方向に関して二つの壁面11,12に対し交互に設けられる。さらに、6つの供給管2a〜2fは略水平方向に沿って処理液を供給する。このため、処理槽1の全体に略水平方向に沿った平行な処理液の流れが均一に形成できることから、渦流の発生及びそれに伴う滞留部の形成を効果的に抑制できる。その結果、基板Wの浸漬処理の均一性を向上できる。
【解決手段】基板の浸漬処理を行う基板処理装置10aでは、処理槽1の内部に処理液を供給する6つの供給管2a〜2fが設けられている。これら、6つの供給管2a〜2fは互いに異なる高さに均等に設けられる。また、6つの供給管2a〜2fは高さ方向に関して二つの壁面11,12に対し交互に設けられる。さらに、6つの供給管2a〜2fは略水平方向に沿って処理液を供給する。このため、処理槽1の全体に略水平方向に沿った平行な処理液の流れが均一に形成できることから、渦流の発生及びそれに伴う滞留部の形成を効果的に抑制できる。その結果、基板Wの浸漬処理の均一性を向上できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板等の基板の浸漬処理を行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、基板を処理槽に貯留された処理液に浸漬して処理する基板処理装置が知られている。このような基板処理装置では、薬液及び純水(以下、薬液及び純水を総称して「処理液」という。)へ基板を浸漬する浸漬処理により、エッチング、汚染物質の除去、レジスト膜の剥離などの所定の基板処理を行うようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図18は、浸漬処理を行う従来の基板処理装置の一例を示す図である。図に示すように、基板処理装置90は、処理液を貯留する処理槽91を備えており、この処理槽91の二つの壁面の下方にはそれぞれ、処理液を供給する供給管92が設けられる。基板Wは、この処理槽91に貯留された処理液に対して浸漬され、これによりエッチングなどの所定の基板処理がなされる。
【0004】
【特許文献1】特開2005−101572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図18に示すような従来の基板処理装置90では2つの供給管92から連続的に処理液が供給される。供給された処理液は処理槽91の下方で干渉し合い、矢印Arに示すように、その干渉位置から上方に向かった後に外周側へ向かい、さらに下方に向うという渦状の処理液の流れ(渦流)が形成される。
【0006】
しかしながら、このような処理液の流れにおいては、渦流の中心部付近などに処理液の流れが悪くなる滞留部93が形成される。この滞留部93にはパーティクルや反応生成物が滞留し、また、滞留部93と他の部分との間では処理液の濃度の差が生じる。このため、基板Wの一部が滞留部93に含まれる場合には、基板Wの浸漬処理の均一性が阻害されることになる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基板の浸漬処理の均一性を向上できる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板の浸漬処理を行う基板処理装置であって、前記基板の浸漬処理のための処理液を貯留する処理槽と、前記処理槽の相対する二つの壁面に沿って設けられ、前記処理槽内に前記処理液を供給する6以上の供給手段と、を備え、前記6以上の供給手段は、互いに異なる高さに設けられる。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の基板処理装置において、前記6以上の供給手段は、高さ方向に関して前記二つの壁面に対し交互に設けられる。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載の基板処理装置において、前記6以上の供給手段は、同一方向に沿って前記処理液を供給する。
【0011】
また、請求項4の発明は、基板の浸漬処理を行う基板処理装置であって、前記基板の浸漬処理のための処理液を貯留する処理槽と、前記処理槽の相対する二つの壁面に沿って設けられ、前記処理槽内に前記処理液を供給する6以上の供給手段と、を備え、前記6以上の供給手段のうち前記二つの壁面の一方に沿って設けられる複数の第1供給手段は、前記処理槽内の同一位置に向けて前記処理液を供給し、前記6以上の供給手段のうち前記二つの壁面の他方に沿って設けられる複数の第2供給手段は、同一方向に沿って前記処理液を供給する。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の基板処理装置において、前記複数の第1供給手段は、前記処理槽に浸漬された前記基板の主面の中心に向けて前記処理液を供給する。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項4または5に記載の基板処理装置において、前記複数の第1供給手段及び前記複数の第2供給手段の前記処理液の供給動作を制御する制御手段、をさらに備え、前記制御手段は、前記複数の第1供給手段と前記複数の第2供給手段とに交互に処理液を供給させる。
【0014】
また、請求項7の発明は、基板の浸漬処理を行う基板処理装置であって、相対する二つの壁面を有し、前記基板の浸漬処理のための処理液を貯留する処理槽と、前記処理槽の相対する二つの壁面に沿って設けられ、前記処理槽内に前記処理液を供給する6以上の供給手段と、前記6以上の供給手段の前記処理液の供給動作を制御する制御手段と、を備え、前記6以上の供給手段は、複数のグループに区分され、前記制御手段は、前記グループごとに順次に処理液を供給させる。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項7に記載の基板処理装置において、前記複数のグループのうちの一つである第1グループに属する複数の供給手段は、前記二つの壁面の同一の高さに設けられ、前記複数のグループのうちの他の一つである第2グループに属する複数の供給手段は、互いに異なる高さに設けられる。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項8に記載の基板処理装置において、前記6以上の供給手段は、略水平方向に沿って前記処理液を供給する。
【0017】
また、請求項10の発明は、請求項8または9に記載の基板処理装置において、前記第2グループに属する複数の供給手段は、前記二つの壁面の一方に設けられる。
【0018】
また、請求項11の発明は、請求項8または9に記載の基板処理装置において、前記第2グループに属する複数の供給手段は、前記二つの壁面に分かれて設けられる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1ないし3の発明によれば、6以上の供給手段が互いに異なる高さに設けられることから、処理槽の全体に処理液の流れが形成されて滞留部の形成が防止され、浸漬処理の均一性を向上できる。
【0020】
また、特に請求項2の発明によれば、6以上の供給手段が、高さ方向に関して二つの壁面に対し交互に設けられることから、偏りのない均一な処理液の流れを形成できる。
【0021】
また、特に請求項3の発明によれば、6以上の供給手段が同一方向に沿って処理液を供給することから、処理槽内に一定方向に沿った平行な処理液の流れを形成でき、滞留部の形成を効果的に防止できる。
【0022】
請求項4ないし6の発明によれば、一方の壁面の複数の第1供給手段が処理槽内の同一位置に向けて処理液を供給するため、処理液を攪拌してその濃度の均一性を向上できる。これとともに、他方の壁面の複数の第2供給手段が同一方向に沿って処理液を供給するため、処理槽内に一定方向に沿った処理液の流れを形成でき、滞留部の形成を防止できる。その結果、浸漬処理の均一性を向上できる。
【0023】
また、特に請求項4の発明によれば、基板の主面の中心に向けて処理液が供給されるため、基板近傍の処理液の濃度の均一性をより向上させることができ、浸漬処理の均一性をさらに向上できる。
【0024】
また、特に請求項5の発明によれば、異なる二つの処理液の流れを形成でき、浸漬処理の均一性をさらに向上できる。
【0025】
請求項7ないし11の発明によれば、異なる複数の処理液の流れを形成でき、浸漬処理の均一性を向上できる。
【0026】
また、特に請求項8の発明によれば、第1グループに属する複数の供給手段は二つの壁面の同一の高さに設けられ、第2グループに属する複数の供給手段は互いに異なる高さに設けられるため、大きく異なる複数の処理液の流れを形成できる。
【0027】
また、特に請求項9の発明によれば、第1グループにより、処理液を攪拌してその濃度の均一性を向上できる。これとともに、第2グループにより、処理槽内に一定方向に沿った処理液の流れを形成でき、滞留部の形成を防止できる。その結果、浸漬処理の均一性をさらに向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0029】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、第1の実施の形態に係る基板処理装置10aの概略構成を示す図である。図1は、基板処理装置10aを、その処理対象となる基板Wの主面と平行な面で切断した縦断面図に相当する。
【0030】
この基板処理装置10aは、複数の基板Wを一括して処理液中に浸漬する浸漬処理を行う、バッチ式の基板処理装置である。基板処理装置10aでは、このような浸漬処理により、基板Wに対し、エッチング、汚染物質の除去、あるいは、レジスト膜の剥離などの所定の基板処理がなされる。例えば、エッチングを行う場合は、処理液(薬液)としてアンモニア、アンモニア水、フッ酸などが用いられる。
【0031】
図1に示すように、基板処理装置10aは、主に処理液を貯留する処理槽1と、基板Wを搬送するリフタ3とを備えている。
【0032】
処理槽1は、処理液を貯留することが可能な容器であり、その処理液中に基板Wを浸漬することによって基板Wの主面の処理を行う。この処理槽1の上部からは処理液がオーバフローするようになっており、オーバフローした処理液は処理槽1の外部に設けられる外槽(図示省略)に貯留された後、排液ラインに排出される。
【0033】
リフタ3は、基板Wを上下に搬送する搬送機構であり、複数の基板Wを起立姿勢で保持する保持棒31と、リフタアーム32と、駆動部(図示省略)とを備えている。駆動部を動作させるとリフタアーム32と保持棒31とが一体的に上下に移動し、これにより基板Wは、起立姿勢を維持したまま、処理槽1内に浸漬される位置と、処理槽1から引き上げられた位置との間で移動される。
【0034】
また、処理槽1は、相対する二つの壁面11,12を鉛直方向に沿って備えている。処理槽1の内部には、これらの二つの壁面11,12に沿って、処理液を供給する6つの供給管2a〜2fが設けられている。なお以下では、説明の便宜上、図中左側の壁面11を「左壁面」11と称し、図中右側の壁面12を「右壁面」12と称する。
【0035】
6つの供給管2a〜2fは、配管41により処理液供給源4に接続されている。また、この処理液供給源4から供給管2a〜2fに到る配管41の経路においては、配管41が分岐する前の位置に一つのバルブ42が設けられている。このバルブ42を開放すると、処理液供給源4から6つの供給管2a〜2f全ての内部に処理液が供給され、さらに、6つの供給管2a〜2fから同時に処理槽1の内部に処理液が供給される。
【0036】
供給管2a〜2fは円筒形状を有しており、管表面には円筒の長手方向に沿って複数の吐出孔が設けられている。供給管2a〜2fの内部に供給された処理液は、この複数の吐出孔を介して処理槽1の内部に供給される。したがって、管表面における吐出孔の形成位置により、供給管2a〜2fが処理液を供給する方向が規定される。本実施の形態では、6つの供給管2a〜2fの全てが同一方向に、より具体的には略水平方向に処理液を供給するようになっている。
【0037】
図に示すように、左壁面11には6つの供給管2a〜2fのうちの3つの供給管2a,2b,2cが上からこの順に設けられ、右壁面12には他の3つの供給管2d,2e,2fが上からこの順に設けられている。以下では、便宜上、左壁面11に設けられる供給管2a〜2cを「左供給管」2a〜2cともいい、右壁面12に設けられる供給管2d〜2fを「右供給管」2d〜2fともいう。
【0038】
隣接する左供給管2a〜2c同士の距離、及び、隣接する右供給管2e〜2f同士の距離は全て一致しており、以下この距離を”d”とする。一方で、6つの供給管2a〜2fの配置位置は左右の壁面11,12で非対称となっており、左供給管2a〜2cの方が右供給管2e〜2fよりも”d/2”だけ高く配置されている。したがって、6つの供給管2a〜2fは互いに異なる高さ(処理槽1に対する相対高さ。以下同様。)に設けられる。具体的には、上から順に、供給管2a(左)、供給管2d(右)、供給管2b(左)、供給管2e(右)、供給管2c(左)、供給管2f(右)が、”d/2”ずつ距離をおいて等間隔に設けられる。すなわち、6つの供給管2a〜2fは、高さ方向(鉛直方向)に関して二つの壁面11,12に対して交互に設けられる。なお、最も高い供給管2aの位置は浸漬された基板Wの上端位置と略一致し、最も低い供給管2fの位置は浸漬された基板Wの下端位置と略一致する。
【0039】
また、基板処理装置10aは、装置の動作を統括的に制御するためのマイクロコンピュータなどで構成される制御部5を備えている。図に示すように、制御部5は、バルブ42に接続され、バルブ42の開閉動作を制御する。したがって、制御部5は、6つの供給管2a〜2fの供給動作を制御できる。
【0040】
<1−2.動作>
次に、基板処理装置10aの動作について説明する。基板処理装置10aでは、まず、処理液が貯留された処理槽1に対して、リフタ3により基板Wが浸漬される。その後、制御部5の制御により、バルブ42が開放され、6つの供給管2a〜2fから同時に処理槽1の内部に処理液が供給され、基板Wの主面に対して処理がなされる。
【0041】
図2は、第1の実施の形態の処理液の供給時における処理槽1の状態を示す図である。図に示すように、6つの供給管2a〜2fの全てから処理槽1の内部に処理液が供給され、処理液の流れが形成される。
【0042】
左供給管2a〜2cから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向の流れ(矢印Ar1)を形成する。一方、右供給管2e〜2fから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向の流れ(矢印Ar2)を形成する。これらの流れは同時に生じる。
【0043】
この際、6つの供給管2a〜2fは互いに異なる高さに均等に設けられることから、処理槽1の全体に処理液の流れを形成できる。また、6つの供給管2a〜2fが、高さ方向に関して二つの壁面11,12に対し交互に設けられることから、左壁面11と右壁面12との間で偏りのない均一な処理液の流れを形成できる。
【0044】
さらに、6つの供給管2a〜2fが略水平方向に沿って処理液を供給することから、各供給管から供給された処理液は、他の供給管から供給された処理液と干渉することなく、対向する壁面にまで到達する。したがって、処理槽1内に略水平方向に沿った平行な処理液の流れを形成でき、渦流の発生を防止できる。
【0045】
このように本実施の形態の基板処理装置10aでは、処理槽1の全体に略水平方向に沿った平行な処理液の流れを均一に形成できることから、渦流の発生及びそれに伴う滞留部の形成を効果的に抑制できる。その結果、基板Wの浸漬処理の均一性を向上できる。
【0046】
<2.第2の実施の形態>
<2−1.構成>
次に、第2の実施の形態について説明する。図3は、第2の実施の形態に係る基板処理装置10bの概略構成を示す図である。本実施の形態の基板処理装置10bの構成は、第1の実施の形態の基板処理装置10aの構成とほぼ同様であるため、以下相違点を中心に説明する。
【0047】
本実施の形態の基板処理装置10bにおいても、左壁面11には3つの供給管2a,2b,2c(左供給管)が上からこの順に等間隔に設けられ、右壁面12には他の3つの供給管2d,2e,2f(右供給管)が上からこの順に等間隔に設けられている。ただし、6つの供給管2a〜2fの配置位置は左右の壁面11,12で対称となっており、供給管2aと供給管2d、供給管2bと供給管2e、供給管2cと供給管2fはそれぞれ同一の高さに配置されている。最も高い供給管2a,2dの位置は浸漬された基板Wの上端位置と略一致し、最も低い供給管2c,2fの位置は浸漬された基板Wの下端位置と略一致し、それらの中間の供給管2c,2fの位置は浸漬された基板Wの主面の中心Oと略一致する。
【0048】
また、左供給管2a〜2cは、同一位置に向けて供給する。より具体的には、左供給管2a〜2cは、浸漬された基板Wの主面の中心Oに向けて処理液を供給する。したがって、供給管2aは水平方向よりも下方に向けて処理液を供給し、供給管2cは水平方向よりも上方に向けて処理液を供給することになる。一方で、右供給管2e〜2fは、第1の実施の形態と同様に略水平方向に処理液を供給する。
【0049】
本実施の形態においても、6つの供給管2a〜2fは、配管41により処理液供給源4に接続されている。ただし、6つの供給管2a〜2fはそれぞれ個別のバルブ42a〜42fを介して処理液供給源4に接続されており、バルブ42a〜42fの開閉により処理液の供給/非供給を個別に変更できるようになっている。本実施の形態の制御部5は、これらバルブ42a〜42fに接続され、その開閉動作を制御する。したがって、制御部5は、6つの供給管2a〜2fの処理液の供給/非供給を個別に制御できる。
【0050】
<2−2.動作>
次に、本実施の形態の基板処理装置10bの動作について説明する。基板処理装置10bでも、まず、処理液が貯留された処理槽1に基板Wが浸漬された後、6つの供給管2a〜2fから処理槽1の内部に処理液が供給される。ただし、本実施の形態では、6つの供給管2a〜2fから同時に処理液が供給されるのではなく、左供給管2a〜2cと右供給管2d〜2fとから交互に処理液が供給される。つまり、制御部5の制御により、処理液を供給すべき供給管が、左供給管2a〜2cと右供給管2d〜2fとで所定時間ごとに切り換えられる。
【0051】
図4は、第2の実施の形態の処理液の供給時における処理槽1の状態を示す図である。ステートST1は左供給管2a〜2cから処理液が供給された状態を示し、ステートST2は右供給管2d〜2fから処理液が供給された状態を示している。本実施の形態の浸漬処理では、ステートST1及びステートST2の処理が交互に繰り返し実施される。
【0052】
ステートST1では、制御部5の制御により、バルブ42a〜42cが開放されバルブ42d〜42fが閉鎖される。これにより、左供給管2a〜2cのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。
【0053】
左供給管2a〜2cは基板Wの主面の中心Oに向けて処理液を供給する。このため、左供給管2a〜2cから供給された処理液は、基板Wの主面の中心O付近で干渉し合う。そして、その干渉位置から右壁面12に向かった後に上方及び下方に向かい、さらに左壁面11に向うという渦状の処理液の流れ(矢印Ar3)が形成される。
【0054】
このようにステートST1では、供給された処理液が基板Wの主面の中心O付近で干渉し合うことから処理液が攪拌されることになり、基板Wの主面に接触する基板近傍の処理液の濃度の均一性を向上する効果が奏される。ただし、渦流の形成に伴って処理液の滞留部が形成される可能性がある。
【0055】
一方、ステートST2では、制御部5の制御により、バルブ42a〜42cが閉鎖されてバルブ42d〜42fが開放される。これにより、右供給管2d〜2fのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。
【0056】
右供給管2d〜2fは略水平方向に処理液を供給する。このため、右供給管2e〜2fから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った平行な流れ(矢印Ar4)を形成する。
【0057】
上述のようにステートST1の処理液の流れを継続するとそれに起因して滞留部が形成される可能性があるが、所定時間でステートST2の一定方向に沿った処理液の流れに変更されることにより、滞留部の発生が効果的に抑制される。
【0058】
このように本実施の形態の基板処理装置10bでは、ステートST1において処理液の攪拌作用により処理液の濃度の均一性を向上でき、ステートST2において滞留部の形成を防止できる。その結果、基板Wの浸漬処理の均一性を大きく向上できる。
【0059】
<3.第3の実施の形態>
<3−1.構成>
次に、第3の実施の形態について説明する。図5は、第3の実施の形態に係る基板処理装置10cの概略構成を示す図である。本実施の形態の基板処理装置10cの構成は、左供給管2a〜2cが略水平方向に処理液を供給する点を除き、第2の実施の形態の基板処理装置10bと同一である。したがって、本実施の形態では、6つの供給管2a〜2fの全てが略水平方向に処理液を供給する。制御部5が、6つの供給管2a〜2fの処理液の供給/非供給を個別に制御できる点も第2の実施の形態と同様である。
【0060】
また、本実施の形態では、6つの供給管2a〜2fが、Aグループ,Bグループ及びCグループの3つのグループに区分され、グループ単位で制御部5により制御される。
【0061】
図6は、6つの供給管2a〜2fのグループの区分を示す図である。図に示すように、供給管2cと供給管2fとがAグループ、供給管2aと供給管2bとがBグループ、供給管2dと供給管2eとがCグループにそれぞれ区分されている。したがって、Aグループは二つの壁面の同一の高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなり、Bグループ及びCグループは同一壁面(二つの壁面の一方)の異なる高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなる。
【0062】
<3−2.動作>
次に、本実施の形態の基板処理装置10cの動作について説明する。本実施の形態においても、6つの供給管2a〜2fから同時に処理液が供給されるのではなく、グループごとに順次に処理液が供給される。つまり、制御部5の制御により処理液を供給するグループが所定時間ごとに切り換えられる。
【0063】
図7は、第3の実施の形態の処理液の供給時における処理槽1の状態を示す図である。ステートST11はAグループから、ステートST12はBグループから、ステートST13はCグループからそれぞれ処理液が供給される状態を示している。本実施の形態の浸漬処理では、制御部5の制御により、ステートST11,ST12及びST13の処理がこの順で順次に繰り返し実施される。
【0064】
ステートST11では、制御部5の制御により、バルブ42c,42fのみが開放され、その他のバルブが閉鎖される。これにより、Aグループに属する供給管2c,2fのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2c,2fは同一の高さに対向して設けられることから、供給管2c,2fから供給された処理液は基板Wの主面の下端付近で干渉し合う。そして、その干渉位置から上方に向かった後に外周側に向かい、さらに下方に向うという渦状の処理液の流れ(矢印Ar11)が形成される。したがって、滞留部が形成される可能性がある。
【0065】
ステートST12では、制御部5の制御により、バルブ42a,42bのみが開放され、その他のバルブが閉鎖される。これにより、Bグループに属する供給管2a,2bのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2a,2bは左壁面11の互いに異なる高さに設けられることから、供給管2c,2fから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向に沿った平行な流れ(矢印Ar12)を形成する。
【0066】
ステートST13では、制御部5の制御により、バルブ42d,42eのみが開放され、その他のバルブが閉鎖される。これにより、Cグループに属する供給管2d,2eのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2d,2eは右壁面12の互いに異なる高さに設けられることから、供給管2d,2eから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った平行な流れ(矢印Ar13)を形成する。
【0067】
このように、本実施の形態の基板処理装置10cでは、6つの供給管2a〜2fを3つのグループに区分し、グループごとに順次に処理液を供給させる。したがって、異なる3つの処理液の流れを形成することができる。滞留部は一定の流れが継続することに起因して生じるが、このように異なる処理液の流れを順次に形成することで、滞留部の形成を効果的に抑制することができる。特に、同一の高さに設けられた2つの供給管が属するグループと、異なる高さに設けられた2つの供給管が属するグループとが存在することから、大きく異なる処理液の流れを形成することが可能となる。
【0068】
また、同一の高さに設けられた2つの供給管が属するAグループから供給された処理液は干渉し合うことから、処理液が攪拌されることになり、処理液の濃度の均一性を向上する効果が奏される(ステートST11)。これとともに、異なる高さに設けられた2つの供給管が属するB,Cグループから供給された処理液は、一定方向に沿った平行な流れを形成することにより、ステートST11において生じる可能性のある滞留部の発生を効果的に抑制する(ステートST12,ST13)。したがって、基板Wの浸漬処理の均一性を向上できることになる。
【0069】
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態の基板処理装置の構成は第3の実施の形態のもの(図5参照。)と同一であり、グループの区分手法のみが異なっている。すなわち、図8に示すように、供給管2aと供給管2dとがAグループ、供給管2bと供給管2cとがBグループ、供給管2eと供給管2fとがCグループにそれぞれ区分されている。したがって、Aグループは二つの壁面の同一の高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなり、Bグループ及びCグループは同一壁面の異なる高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなる。
【0070】
図9は、第4の実施の形態の処理液の供給時における処理槽1の状態を示す図である。ステートST21はAグループから、ステートST22はBグループから、ステートST23はCグループからそれぞれ処理液が供給される状態を示している。本実施の形態の浸漬処理では、制御部5の制御により、ステートST21,ST22及びST23の処理がこの順で順次に繰り返し実施される。
【0071】
ステートST21では、Aグループに属する供給管2a,2dのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2a,2dから供給された処理液は基板Wの主面の上端付近で干渉し合う。そして、その干渉位置から下方に向かった後に外周側に向かい、さらに上方に向うという渦状の処理液の流れ(矢印Ar21)が形成される。
【0072】
ステートST22では、Bグループに属する供給管2b,2cのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2b,2cから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向に沿った平行な流れ(矢印Ar22)を形成する。
【0073】
ステートST23では、Cグループに属する供給管2e,2fのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2e,2fから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った平行な流れ(矢印Ar23)を形成する。
【0074】
このように、本実施の形態の基板処理装置においても、第3の実施の形態とほぼ同様の動作がなされるため、第3の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0075】
<5.第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態について説明する。本実施の形態の基板処理装置の構成は第3の実施の形態のもの(図5参照。)と同一であり、グループの区分手法のみが異なっている。すなわち、図10に示すように、供給管2bと供給管2eとがAグループ、供給管2aと供給管2cとがBグループ、供給管2dと供給管2fとがCグループにそれぞれ区分されている。したがって、Aグループは二つの壁面の同一の高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなり、Bグループ及びCグループは同一壁面の異なる高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなる。
【0076】
図11は、第5の実施の形態の処理液の供給時における処理槽1の状態を示す図である。ステートST31はAグループから、ステートST32はBグループから、ステートST33はCグループからそれぞれ処理液が供給される状態を示している。本実施の形態の浸漬処理では、制御部5の制御により、ステートST31,ST32及びST33の処理がこの順で順次に繰り返し実施される。
【0077】
ステートST31では、Aグループに属する供給管2b,2eのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2b,2eから供給された処理液は基板Wの主面の中心O付近で干渉し合う。そして、その干渉位置から上方及び下方に向かった後に外周側に向かい、さらに中央部に向うという渦状の処理液の流れ(矢印Ar31)が形成される。
【0078】
ステートST32では、Bグループに属する供給管2a,2cのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2a,2cから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向に沿った平行な流れ(矢印Ar32)を形成する。
【0079】
ステートST33では、Cグループに属する供給管2d,2fのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2d,2fから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った平行な流れ(矢印Ar33)を形成する。
【0080】
このように、本実施の形態の基板処理装置においても、第3の実施の形態とほぼ同様の動作がなされるため、第3の実施の形態と同様の効果が得られる。また、本実施の形態では、同一の高さに設けられた2つの供給管が属するAグループから供給された処理液が、基板Wの主面の中心O付近で干渉し合うことから(ステートST31)、基板Wの主面に接触する基板近傍の処理液の濃度の均一性を向上する効果が奏される。
【0081】
<6.第6の実施の形態>
次に、第6の実施の形態について説明する。本実施の形態の基板処理装置の構成は第3の実施の形態のもの(図5参照。)と同一であり、グループの区分手法のみが異なっている。すなわち、図12に示すように、供給管2cと供給管2fとがAグループ、供給管2aと供給管2eとがBグループ、供給管2bと供給管2dとがCグループにそれぞれ区分されている。したがって、Aグループは二つの壁面の同一の高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなる。Bグループ及びCグループは、二つ壁面に分かれて、かつ、異なる高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなる。
【0082】
図13は、第6の実施の形態の処理液の供給時における処理槽1の状態を示す図である。ステートST41はAグループから、ステートST42はBグループから、ステートST43はCグループからそれぞれ処理液が供給される状態を示している。本実施の形態の浸漬処理では、制御部5の制御により、ステートST41,ST42及びST43の処理がこの順で順次に繰り返し実施される。
【0083】
ステートST41では、Aグループに属する供給管2c,2fのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。この流れ(矢印Ar41)は、第3の実施の形態のステートST11(図7参照。)と同様である。
【0084】
ステートST42では、Bグループに属する供給管2a,2eのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2aから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar42)を形成する。その一方で、供給管2eから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar43)を形成する。
【0085】
ステートST43では、Cグループに属する供給管2b,2dのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2bから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar44)を形成する。その一方で、供給管2dから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar45)を形成する。
【0086】
このように、本実施の形態の基板処理装置においても、第3の実施の形態とほぼ同様の動作がなされるため、第3の実施の形態と同様の効果が得られる。また、本実施の形態でもB,Cグループから供給された処理液は一定方向に沿った平行な流れを形成するが、同一グループに属する2つの供給管が二つ壁面に分かれて配置されるため、処理液は互いに異なる向きから干渉しないように供給される。このことから、左壁面11と右壁面12との間で偏りのない均一な処理液の流れを形成できる(ステートST42,ST43)。
【0087】
<7.第7の実施の形態>
次に、第7の実施の形態について説明する。本実施の形態の基板処理装置の構成は第3の実施の形態のもの(図5参照。)と同一であり、グループの区分手法のみが異なっている。すなわち、図14に示すように、供給管2aと供給管2dとがAグループ、供給管2bと供給管2fとがBグループ、供給管2cと供給管2eとがCグループにそれぞれ区分されている。したがって、Aグループは二つの壁面の同一の高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなる。Bグループ及びCグループは、二つ壁面に分かれて、かつ、異なる高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなる。
【0088】
図15は、第7の実施の形態の処理液の供給時における処理槽1の状態を示す図である。ステートST51はAグループから、ステートST52はBグループから、ステートST53はCグループからそれぞれ処理液が供給される状態を示している。本実施の形態の浸漬処理では、制御部5の制御により、ステートST51,ST52及びST53の処理がこの順で順次に繰り返し実施される。
【0089】
ステートST51では、Aグループに属する供給管2a,2dのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。この流れ(矢印Ar51)は、第4の実施の形態のステートST21(図9参照。)と同様である。
【0090】
ステートST52では、Bグループに属する供給管2b,2fのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2bから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar52)を形成する。その一方で、供給管2fから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar53)を形成する。
【0091】
ステートST53では、Cグループに属する供給管2c,2eのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2cから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar54)を形成する。その一方で、供給管2eから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar55)を形成する。
【0092】
このように、本実施の形態の基板処理装置においても、第3及び第6の実施の形態とほぼ同様の動作がなされるため、第3及び第6の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0093】
<8.第8の実施の形態>
次に、第8の実施の形態について説明する。本実施の形態の基板処理装置の構成は第3の実施の形態のもの(図5参照。)と同一であり、グループの区分手法のみが異なっている。すなわち、図16に示すように、供給管2bと供給管2eとがAグループ、供給管2aと供給管2fとがBグループ、供給管2cと供給管2dとがCグループにそれぞれ区分されている。したがって、Aグループは二つの壁面の同一の高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなる。Bグループ及びCグループは、二つ壁面に分かれて、かつ、異なる高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなる。
【0094】
図17は、第8の実施の形態の処理液の供給時における処理槽1の状態を示す図である。ステートST61はAグループから、ステートST62はBグループから、ステートST63はCグループからそれぞれ処理液が供給される状態を示している。本実施の形態の浸漬処理では、制御部5の制御により、ステートST61,ST62及びST63の処理がこの順で順次に繰り返し実施される。
【0095】
ステートST61では、Aグループに属する供給管2b,2eのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。この流れ(矢印Ar61)は、第5の実施の形態のステートST31(図11参照。)と同様である。
【0096】
ステートST62では、Bグループに属する供給管2a,2fのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2aから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar62)を形成する。その一方で、供給管2fから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar63)を形成する。
【0097】
ステートST63では、Cグループに属する供給管2c,2dのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2cから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar64)を形成する。その一方で、供給管2dから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar65)を形成する。
【0098】
このように、本実施の形態の基板処理装置においても、第3及び第6の実施の形態とほぼ同様の動作がなされるため、第3及び第6の実施の形態と同様の効果が得られる。また、本実施の形態では、同一の高さに設けられた2つの供給管が属するAグループから供給された処理液が、基板Wの主面の中心O付近で干渉し合うことから(ステートST61)、基板Wの主面に接触する基板近傍の処理液の濃度の均一性を向上する効果が奏される。
【0099】
<9.他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような他の実施の形態について説明する。もちろん、以下で説明する形態を適宜に組み合わせてもよい。
【0100】
第1の実施の形態では、6つの供給管2a〜2fが二つの壁面に分かれて設けられていたが、6つの供給管2a〜2fが同一の壁面の互いに異なる高さに設けられていてもよい。
【0101】
また、第1の実施の形態では、6つの供給管2a〜2fから同時に処理液を供給させると説明したが、第2の実施の形態のように左供給管2a〜2cと右供給管2d〜2fとに交互に処理液を供給させるようにしてもよく、第3ないし第8の実施の形態のように6つの供給管2a〜2fを複数のグループに区分してグループごとに順次に処理液を供給させるようにしてもよい。また、第2の実施の形態では、第1の実施の形態のように6つの供給管2a〜2fから同時に処理液を供給させるようにしてもよい。
【0102】
また、第2ないし第8の実施の形態では、6つの供給管2a〜2fにはそれぞれ個別のバルブ42a〜42fが設けられるとして説明したが、制御単位ごとにバルブを設けるようにしてもよい。すなわち、第2の実施の形態では左供給管及び右供給管に一つずつ、第3ないし第8の実施の形態ではグループごとに一つずつ設けてもよい。これによれば、必要なバルブ数を減少させることができるとともに、制御部5による供給動作の制御も容易となる。
【0103】
また、上記の実施の形態では全て供給管の数は6つであるとして説明を行ったが、6以上であればよい。相対する二つの壁面に分かれて複数の供給管を設ける場合には、二つの壁面のそれぞれに3以上の供給管を設けることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】第1の実施の形態の基板処理装置の概略構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態の処理液供給時における処理槽の状態を示す図である。
【図3】第2の実施の形態の基板処理装置の概略構成を示す図である。
【図4】第2の実施の形態の処理液供給時における処理槽の状態を示す図である。
【図5】第3の実施の形態の基板処理装置の概略構成を示す図である。
【図6】第3の実施の形態のグループの区分を示す図である。
【図7】第3の実施の形態の処理液の供給時における処理槽の状態を示す図である。
【図8】第4の実施の形態のグループの区分を示す図である。
【図9】第4の実施の形態の処理液供給時における処理槽の状態を示す図である。
【図10】第5の実施の形態のグループの区分を示す図である。
【図11】第5の実施の形態の処理液供給時における処理槽の状態を示す図である。
【図12】第6の実施の形態のグループの区分を示す図である。
【図13】第6の実施の形態の処理液供給時における処理槽の状態を示す図である。
【図14】第7の実施の形態のグループの区分を示す図である。
【図15】第7の実施の形態の処理液供給時における処理槽の状態を示す図である。
【図16】第8の実施の形態のグループの区分を示す図である。
【図17】第8の実施の形態の処理液供給時における処理槽の状態を示す図である。
【図18】従来の基板処理装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0105】
1 処理槽
3 リフタ
4 処理液供給源
5 制御部
11 左壁面
12 右壁面
42 バルブ
2a〜2f 供給管
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板等の基板の浸漬処理を行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、基板を処理槽に貯留された処理液に浸漬して処理する基板処理装置が知られている。このような基板処理装置では、薬液及び純水(以下、薬液及び純水を総称して「処理液」という。)へ基板を浸漬する浸漬処理により、エッチング、汚染物質の除去、レジスト膜の剥離などの所定の基板処理を行うようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図18は、浸漬処理を行う従来の基板処理装置の一例を示す図である。図に示すように、基板処理装置90は、処理液を貯留する処理槽91を備えており、この処理槽91の二つの壁面の下方にはそれぞれ、処理液を供給する供給管92が設けられる。基板Wは、この処理槽91に貯留された処理液に対して浸漬され、これによりエッチングなどの所定の基板処理がなされる。
【0004】
【特許文献1】特開2005−101572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図18に示すような従来の基板処理装置90では2つの供給管92から連続的に処理液が供給される。供給された処理液は処理槽91の下方で干渉し合い、矢印Arに示すように、その干渉位置から上方に向かった後に外周側へ向かい、さらに下方に向うという渦状の処理液の流れ(渦流)が形成される。
【0006】
しかしながら、このような処理液の流れにおいては、渦流の中心部付近などに処理液の流れが悪くなる滞留部93が形成される。この滞留部93にはパーティクルや反応生成物が滞留し、また、滞留部93と他の部分との間では処理液の濃度の差が生じる。このため、基板Wの一部が滞留部93に含まれる場合には、基板Wの浸漬処理の均一性が阻害されることになる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基板の浸漬処理の均一性を向上できる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板の浸漬処理を行う基板処理装置であって、前記基板の浸漬処理のための処理液を貯留する処理槽と、前記処理槽の相対する二つの壁面に沿って設けられ、前記処理槽内に前記処理液を供給する6以上の供給手段と、を備え、前記6以上の供給手段は、互いに異なる高さに設けられる。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の基板処理装置において、前記6以上の供給手段は、高さ方向に関して前記二つの壁面に対し交互に設けられる。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載の基板処理装置において、前記6以上の供給手段は、同一方向に沿って前記処理液を供給する。
【0011】
また、請求項4の発明は、基板の浸漬処理を行う基板処理装置であって、前記基板の浸漬処理のための処理液を貯留する処理槽と、前記処理槽の相対する二つの壁面に沿って設けられ、前記処理槽内に前記処理液を供給する6以上の供給手段と、を備え、前記6以上の供給手段のうち前記二つの壁面の一方に沿って設けられる複数の第1供給手段は、前記処理槽内の同一位置に向けて前記処理液を供給し、前記6以上の供給手段のうち前記二つの壁面の他方に沿って設けられる複数の第2供給手段は、同一方向に沿って前記処理液を供給する。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の基板処理装置において、前記複数の第1供給手段は、前記処理槽に浸漬された前記基板の主面の中心に向けて前記処理液を供給する。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項4または5に記載の基板処理装置において、前記複数の第1供給手段及び前記複数の第2供給手段の前記処理液の供給動作を制御する制御手段、をさらに備え、前記制御手段は、前記複数の第1供給手段と前記複数の第2供給手段とに交互に処理液を供給させる。
【0014】
また、請求項7の発明は、基板の浸漬処理を行う基板処理装置であって、相対する二つの壁面を有し、前記基板の浸漬処理のための処理液を貯留する処理槽と、前記処理槽の相対する二つの壁面に沿って設けられ、前記処理槽内に前記処理液を供給する6以上の供給手段と、前記6以上の供給手段の前記処理液の供給動作を制御する制御手段と、を備え、前記6以上の供給手段は、複数のグループに区分され、前記制御手段は、前記グループごとに順次に処理液を供給させる。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項7に記載の基板処理装置において、前記複数のグループのうちの一つである第1グループに属する複数の供給手段は、前記二つの壁面の同一の高さに設けられ、前記複数のグループのうちの他の一つである第2グループに属する複数の供給手段は、互いに異なる高さに設けられる。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項8に記載の基板処理装置において、前記6以上の供給手段は、略水平方向に沿って前記処理液を供給する。
【0017】
また、請求項10の発明は、請求項8または9に記載の基板処理装置において、前記第2グループに属する複数の供給手段は、前記二つの壁面の一方に設けられる。
【0018】
また、請求項11の発明は、請求項8または9に記載の基板処理装置において、前記第2グループに属する複数の供給手段は、前記二つの壁面に分かれて設けられる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1ないし3の発明によれば、6以上の供給手段が互いに異なる高さに設けられることから、処理槽の全体に処理液の流れが形成されて滞留部の形成が防止され、浸漬処理の均一性を向上できる。
【0020】
また、特に請求項2の発明によれば、6以上の供給手段が、高さ方向に関して二つの壁面に対し交互に設けられることから、偏りのない均一な処理液の流れを形成できる。
【0021】
また、特に請求項3の発明によれば、6以上の供給手段が同一方向に沿って処理液を供給することから、処理槽内に一定方向に沿った平行な処理液の流れを形成でき、滞留部の形成を効果的に防止できる。
【0022】
請求項4ないし6の発明によれば、一方の壁面の複数の第1供給手段が処理槽内の同一位置に向けて処理液を供給するため、処理液を攪拌してその濃度の均一性を向上できる。これとともに、他方の壁面の複数の第2供給手段が同一方向に沿って処理液を供給するため、処理槽内に一定方向に沿った処理液の流れを形成でき、滞留部の形成を防止できる。その結果、浸漬処理の均一性を向上できる。
【0023】
また、特に請求項4の発明によれば、基板の主面の中心に向けて処理液が供給されるため、基板近傍の処理液の濃度の均一性をより向上させることができ、浸漬処理の均一性をさらに向上できる。
【0024】
また、特に請求項5の発明によれば、異なる二つの処理液の流れを形成でき、浸漬処理の均一性をさらに向上できる。
【0025】
請求項7ないし11の発明によれば、異なる複数の処理液の流れを形成でき、浸漬処理の均一性を向上できる。
【0026】
また、特に請求項8の発明によれば、第1グループに属する複数の供給手段は二つの壁面の同一の高さに設けられ、第2グループに属する複数の供給手段は互いに異なる高さに設けられるため、大きく異なる複数の処理液の流れを形成できる。
【0027】
また、特に請求項9の発明によれば、第1グループにより、処理液を攪拌してその濃度の均一性を向上できる。これとともに、第2グループにより、処理槽内に一定方向に沿った処理液の流れを形成でき、滞留部の形成を防止できる。その結果、浸漬処理の均一性をさらに向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0029】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、第1の実施の形態に係る基板処理装置10aの概略構成を示す図である。図1は、基板処理装置10aを、その処理対象となる基板Wの主面と平行な面で切断した縦断面図に相当する。
【0030】
この基板処理装置10aは、複数の基板Wを一括して処理液中に浸漬する浸漬処理を行う、バッチ式の基板処理装置である。基板処理装置10aでは、このような浸漬処理により、基板Wに対し、エッチング、汚染物質の除去、あるいは、レジスト膜の剥離などの所定の基板処理がなされる。例えば、エッチングを行う場合は、処理液(薬液)としてアンモニア、アンモニア水、フッ酸などが用いられる。
【0031】
図1に示すように、基板処理装置10aは、主に処理液を貯留する処理槽1と、基板Wを搬送するリフタ3とを備えている。
【0032】
処理槽1は、処理液を貯留することが可能な容器であり、その処理液中に基板Wを浸漬することによって基板Wの主面の処理を行う。この処理槽1の上部からは処理液がオーバフローするようになっており、オーバフローした処理液は処理槽1の外部に設けられる外槽(図示省略)に貯留された後、排液ラインに排出される。
【0033】
リフタ3は、基板Wを上下に搬送する搬送機構であり、複数の基板Wを起立姿勢で保持する保持棒31と、リフタアーム32と、駆動部(図示省略)とを備えている。駆動部を動作させるとリフタアーム32と保持棒31とが一体的に上下に移動し、これにより基板Wは、起立姿勢を維持したまま、処理槽1内に浸漬される位置と、処理槽1から引き上げられた位置との間で移動される。
【0034】
また、処理槽1は、相対する二つの壁面11,12を鉛直方向に沿って備えている。処理槽1の内部には、これらの二つの壁面11,12に沿って、処理液を供給する6つの供給管2a〜2fが設けられている。なお以下では、説明の便宜上、図中左側の壁面11を「左壁面」11と称し、図中右側の壁面12を「右壁面」12と称する。
【0035】
6つの供給管2a〜2fは、配管41により処理液供給源4に接続されている。また、この処理液供給源4から供給管2a〜2fに到る配管41の経路においては、配管41が分岐する前の位置に一つのバルブ42が設けられている。このバルブ42を開放すると、処理液供給源4から6つの供給管2a〜2f全ての内部に処理液が供給され、さらに、6つの供給管2a〜2fから同時に処理槽1の内部に処理液が供給される。
【0036】
供給管2a〜2fは円筒形状を有しており、管表面には円筒の長手方向に沿って複数の吐出孔が設けられている。供給管2a〜2fの内部に供給された処理液は、この複数の吐出孔を介して処理槽1の内部に供給される。したがって、管表面における吐出孔の形成位置により、供給管2a〜2fが処理液を供給する方向が規定される。本実施の形態では、6つの供給管2a〜2fの全てが同一方向に、より具体的には略水平方向に処理液を供給するようになっている。
【0037】
図に示すように、左壁面11には6つの供給管2a〜2fのうちの3つの供給管2a,2b,2cが上からこの順に設けられ、右壁面12には他の3つの供給管2d,2e,2fが上からこの順に設けられている。以下では、便宜上、左壁面11に設けられる供給管2a〜2cを「左供給管」2a〜2cともいい、右壁面12に設けられる供給管2d〜2fを「右供給管」2d〜2fともいう。
【0038】
隣接する左供給管2a〜2c同士の距離、及び、隣接する右供給管2e〜2f同士の距離は全て一致しており、以下この距離を”d”とする。一方で、6つの供給管2a〜2fの配置位置は左右の壁面11,12で非対称となっており、左供給管2a〜2cの方が右供給管2e〜2fよりも”d/2”だけ高く配置されている。したがって、6つの供給管2a〜2fは互いに異なる高さ(処理槽1に対する相対高さ。以下同様。)に設けられる。具体的には、上から順に、供給管2a(左)、供給管2d(右)、供給管2b(左)、供給管2e(右)、供給管2c(左)、供給管2f(右)が、”d/2”ずつ距離をおいて等間隔に設けられる。すなわち、6つの供給管2a〜2fは、高さ方向(鉛直方向)に関して二つの壁面11,12に対して交互に設けられる。なお、最も高い供給管2aの位置は浸漬された基板Wの上端位置と略一致し、最も低い供給管2fの位置は浸漬された基板Wの下端位置と略一致する。
【0039】
また、基板処理装置10aは、装置の動作を統括的に制御するためのマイクロコンピュータなどで構成される制御部5を備えている。図に示すように、制御部5は、バルブ42に接続され、バルブ42の開閉動作を制御する。したがって、制御部5は、6つの供給管2a〜2fの供給動作を制御できる。
【0040】
<1−2.動作>
次に、基板処理装置10aの動作について説明する。基板処理装置10aでは、まず、処理液が貯留された処理槽1に対して、リフタ3により基板Wが浸漬される。その後、制御部5の制御により、バルブ42が開放され、6つの供給管2a〜2fから同時に処理槽1の内部に処理液が供給され、基板Wの主面に対して処理がなされる。
【0041】
図2は、第1の実施の形態の処理液の供給時における処理槽1の状態を示す図である。図に示すように、6つの供給管2a〜2fの全てから処理槽1の内部に処理液が供給され、処理液の流れが形成される。
【0042】
左供給管2a〜2cから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向の流れ(矢印Ar1)を形成する。一方、右供給管2e〜2fから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向の流れ(矢印Ar2)を形成する。これらの流れは同時に生じる。
【0043】
この際、6つの供給管2a〜2fは互いに異なる高さに均等に設けられることから、処理槽1の全体に処理液の流れを形成できる。また、6つの供給管2a〜2fが、高さ方向に関して二つの壁面11,12に対し交互に設けられることから、左壁面11と右壁面12との間で偏りのない均一な処理液の流れを形成できる。
【0044】
さらに、6つの供給管2a〜2fが略水平方向に沿って処理液を供給することから、各供給管から供給された処理液は、他の供給管から供給された処理液と干渉することなく、対向する壁面にまで到達する。したがって、処理槽1内に略水平方向に沿った平行な処理液の流れを形成でき、渦流の発生を防止できる。
【0045】
このように本実施の形態の基板処理装置10aでは、処理槽1の全体に略水平方向に沿った平行な処理液の流れを均一に形成できることから、渦流の発生及びそれに伴う滞留部の形成を効果的に抑制できる。その結果、基板Wの浸漬処理の均一性を向上できる。
【0046】
<2.第2の実施の形態>
<2−1.構成>
次に、第2の実施の形態について説明する。図3は、第2の実施の形態に係る基板処理装置10bの概略構成を示す図である。本実施の形態の基板処理装置10bの構成は、第1の実施の形態の基板処理装置10aの構成とほぼ同様であるため、以下相違点を中心に説明する。
【0047】
本実施の形態の基板処理装置10bにおいても、左壁面11には3つの供給管2a,2b,2c(左供給管)が上からこの順に等間隔に設けられ、右壁面12には他の3つの供給管2d,2e,2f(右供給管)が上からこの順に等間隔に設けられている。ただし、6つの供給管2a〜2fの配置位置は左右の壁面11,12で対称となっており、供給管2aと供給管2d、供給管2bと供給管2e、供給管2cと供給管2fはそれぞれ同一の高さに配置されている。最も高い供給管2a,2dの位置は浸漬された基板Wの上端位置と略一致し、最も低い供給管2c,2fの位置は浸漬された基板Wの下端位置と略一致し、それらの中間の供給管2c,2fの位置は浸漬された基板Wの主面の中心Oと略一致する。
【0048】
また、左供給管2a〜2cは、同一位置に向けて供給する。より具体的には、左供給管2a〜2cは、浸漬された基板Wの主面の中心Oに向けて処理液を供給する。したがって、供給管2aは水平方向よりも下方に向けて処理液を供給し、供給管2cは水平方向よりも上方に向けて処理液を供給することになる。一方で、右供給管2e〜2fは、第1の実施の形態と同様に略水平方向に処理液を供給する。
【0049】
本実施の形態においても、6つの供給管2a〜2fは、配管41により処理液供給源4に接続されている。ただし、6つの供給管2a〜2fはそれぞれ個別のバルブ42a〜42fを介して処理液供給源4に接続されており、バルブ42a〜42fの開閉により処理液の供給/非供給を個別に変更できるようになっている。本実施の形態の制御部5は、これらバルブ42a〜42fに接続され、その開閉動作を制御する。したがって、制御部5は、6つの供給管2a〜2fの処理液の供給/非供給を個別に制御できる。
【0050】
<2−2.動作>
次に、本実施の形態の基板処理装置10bの動作について説明する。基板処理装置10bでも、まず、処理液が貯留された処理槽1に基板Wが浸漬された後、6つの供給管2a〜2fから処理槽1の内部に処理液が供給される。ただし、本実施の形態では、6つの供給管2a〜2fから同時に処理液が供給されるのではなく、左供給管2a〜2cと右供給管2d〜2fとから交互に処理液が供給される。つまり、制御部5の制御により、処理液を供給すべき供給管が、左供給管2a〜2cと右供給管2d〜2fとで所定時間ごとに切り換えられる。
【0051】
図4は、第2の実施の形態の処理液の供給時における処理槽1の状態を示す図である。ステートST1は左供給管2a〜2cから処理液が供給された状態を示し、ステートST2は右供給管2d〜2fから処理液が供給された状態を示している。本実施の形態の浸漬処理では、ステートST1及びステートST2の処理が交互に繰り返し実施される。
【0052】
ステートST1では、制御部5の制御により、バルブ42a〜42cが開放されバルブ42d〜42fが閉鎖される。これにより、左供給管2a〜2cのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。
【0053】
左供給管2a〜2cは基板Wの主面の中心Oに向けて処理液を供給する。このため、左供給管2a〜2cから供給された処理液は、基板Wの主面の中心O付近で干渉し合う。そして、その干渉位置から右壁面12に向かった後に上方及び下方に向かい、さらに左壁面11に向うという渦状の処理液の流れ(矢印Ar3)が形成される。
【0054】
このようにステートST1では、供給された処理液が基板Wの主面の中心O付近で干渉し合うことから処理液が攪拌されることになり、基板Wの主面に接触する基板近傍の処理液の濃度の均一性を向上する効果が奏される。ただし、渦流の形成に伴って処理液の滞留部が形成される可能性がある。
【0055】
一方、ステートST2では、制御部5の制御により、バルブ42a〜42cが閉鎖されてバルブ42d〜42fが開放される。これにより、右供給管2d〜2fのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。
【0056】
右供給管2d〜2fは略水平方向に処理液を供給する。このため、右供給管2e〜2fから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った平行な流れ(矢印Ar4)を形成する。
【0057】
上述のようにステートST1の処理液の流れを継続するとそれに起因して滞留部が形成される可能性があるが、所定時間でステートST2の一定方向に沿った処理液の流れに変更されることにより、滞留部の発生が効果的に抑制される。
【0058】
このように本実施の形態の基板処理装置10bでは、ステートST1において処理液の攪拌作用により処理液の濃度の均一性を向上でき、ステートST2において滞留部の形成を防止できる。その結果、基板Wの浸漬処理の均一性を大きく向上できる。
【0059】
<3.第3の実施の形態>
<3−1.構成>
次に、第3の実施の形態について説明する。図5は、第3の実施の形態に係る基板処理装置10cの概略構成を示す図である。本実施の形態の基板処理装置10cの構成は、左供給管2a〜2cが略水平方向に処理液を供給する点を除き、第2の実施の形態の基板処理装置10bと同一である。したがって、本実施の形態では、6つの供給管2a〜2fの全てが略水平方向に処理液を供給する。制御部5が、6つの供給管2a〜2fの処理液の供給/非供給を個別に制御できる点も第2の実施の形態と同様である。
【0060】
また、本実施の形態では、6つの供給管2a〜2fが、Aグループ,Bグループ及びCグループの3つのグループに区分され、グループ単位で制御部5により制御される。
【0061】
図6は、6つの供給管2a〜2fのグループの区分を示す図である。図に示すように、供給管2cと供給管2fとがAグループ、供給管2aと供給管2bとがBグループ、供給管2dと供給管2eとがCグループにそれぞれ区分されている。したがって、Aグループは二つの壁面の同一の高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなり、Bグループ及びCグループは同一壁面(二つの壁面の一方)の異なる高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなる。
【0062】
<3−2.動作>
次に、本実施の形態の基板処理装置10cの動作について説明する。本実施の形態においても、6つの供給管2a〜2fから同時に処理液が供給されるのではなく、グループごとに順次に処理液が供給される。つまり、制御部5の制御により処理液を供給するグループが所定時間ごとに切り換えられる。
【0063】
図7は、第3の実施の形態の処理液の供給時における処理槽1の状態を示す図である。ステートST11はAグループから、ステートST12はBグループから、ステートST13はCグループからそれぞれ処理液が供給される状態を示している。本実施の形態の浸漬処理では、制御部5の制御により、ステートST11,ST12及びST13の処理がこの順で順次に繰り返し実施される。
【0064】
ステートST11では、制御部5の制御により、バルブ42c,42fのみが開放され、その他のバルブが閉鎖される。これにより、Aグループに属する供給管2c,2fのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2c,2fは同一の高さに対向して設けられることから、供給管2c,2fから供給された処理液は基板Wの主面の下端付近で干渉し合う。そして、その干渉位置から上方に向かった後に外周側に向かい、さらに下方に向うという渦状の処理液の流れ(矢印Ar11)が形成される。したがって、滞留部が形成される可能性がある。
【0065】
ステートST12では、制御部5の制御により、バルブ42a,42bのみが開放され、その他のバルブが閉鎖される。これにより、Bグループに属する供給管2a,2bのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2a,2bは左壁面11の互いに異なる高さに設けられることから、供給管2c,2fから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向に沿った平行な流れ(矢印Ar12)を形成する。
【0066】
ステートST13では、制御部5の制御により、バルブ42d,42eのみが開放され、その他のバルブが閉鎖される。これにより、Cグループに属する供給管2d,2eのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2d,2eは右壁面12の互いに異なる高さに設けられることから、供給管2d,2eから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った平行な流れ(矢印Ar13)を形成する。
【0067】
このように、本実施の形態の基板処理装置10cでは、6つの供給管2a〜2fを3つのグループに区分し、グループごとに順次に処理液を供給させる。したがって、異なる3つの処理液の流れを形成することができる。滞留部は一定の流れが継続することに起因して生じるが、このように異なる処理液の流れを順次に形成することで、滞留部の形成を効果的に抑制することができる。特に、同一の高さに設けられた2つの供給管が属するグループと、異なる高さに設けられた2つの供給管が属するグループとが存在することから、大きく異なる処理液の流れを形成することが可能となる。
【0068】
また、同一の高さに設けられた2つの供給管が属するAグループから供給された処理液は干渉し合うことから、処理液が攪拌されることになり、処理液の濃度の均一性を向上する効果が奏される(ステートST11)。これとともに、異なる高さに設けられた2つの供給管が属するB,Cグループから供給された処理液は、一定方向に沿った平行な流れを形成することにより、ステートST11において生じる可能性のある滞留部の発生を効果的に抑制する(ステートST12,ST13)。したがって、基板Wの浸漬処理の均一性を向上できることになる。
【0069】
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態の基板処理装置の構成は第3の実施の形態のもの(図5参照。)と同一であり、グループの区分手法のみが異なっている。すなわち、図8に示すように、供給管2aと供給管2dとがAグループ、供給管2bと供給管2cとがBグループ、供給管2eと供給管2fとがCグループにそれぞれ区分されている。したがって、Aグループは二つの壁面の同一の高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなり、Bグループ及びCグループは同一壁面の異なる高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなる。
【0070】
図9は、第4の実施の形態の処理液の供給時における処理槽1の状態を示す図である。ステートST21はAグループから、ステートST22はBグループから、ステートST23はCグループからそれぞれ処理液が供給される状態を示している。本実施の形態の浸漬処理では、制御部5の制御により、ステートST21,ST22及びST23の処理がこの順で順次に繰り返し実施される。
【0071】
ステートST21では、Aグループに属する供給管2a,2dのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2a,2dから供給された処理液は基板Wの主面の上端付近で干渉し合う。そして、その干渉位置から下方に向かった後に外周側に向かい、さらに上方に向うという渦状の処理液の流れ(矢印Ar21)が形成される。
【0072】
ステートST22では、Bグループに属する供給管2b,2cのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2b,2cから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向に沿った平行な流れ(矢印Ar22)を形成する。
【0073】
ステートST23では、Cグループに属する供給管2e,2fのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2e,2fから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った平行な流れ(矢印Ar23)を形成する。
【0074】
このように、本実施の形態の基板処理装置においても、第3の実施の形態とほぼ同様の動作がなされるため、第3の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0075】
<5.第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態について説明する。本実施の形態の基板処理装置の構成は第3の実施の形態のもの(図5参照。)と同一であり、グループの区分手法のみが異なっている。すなわち、図10に示すように、供給管2bと供給管2eとがAグループ、供給管2aと供給管2cとがBグループ、供給管2dと供給管2fとがCグループにそれぞれ区分されている。したがって、Aグループは二つの壁面の同一の高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなり、Bグループ及びCグループは同一壁面の異なる高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなる。
【0076】
図11は、第5の実施の形態の処理液の供給時における処理槽1の状態を示す図である。ステートST31はAグループから、ステートST32はBグループから、ステートST33はCグループからそれぞれ処理液が供給される状態を示している。本実施の形態の浸漬処理では、制御部5の制御により、ステートST31,ST32及びST33の処理がこの順で順次に繰り返し実施される。
【0077】
ステートST31では、Aグループに属する供給管2b,2eのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2b,2eから供給された処理液は基板Wの主面の中心O付近で干渉し合う。そして、その干渉位置から上方及び下方に向かった後に外周側に向かい、さらに中央部に向うという渦状の処理液の流れ(矢印Ar31)が形成される。
【0078】
ステートST32では、Bグループに属する供給管2a,2cのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2a,2cから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向に沿った平行な流れ(矢印Ar32)を形成する。
【0079】
ステートST33では、Cグループに属する供給管2d,2fのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2d,2fから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った平行な流れ(矢印Ar33)を形成する。
【0080】
このように、本実施の形態の基板処理装置においても、第3の実施の形態とほぼ同様の動作がなされるため、第3の実施の形態と同様の効果が得られる。また、本実施の形態では、同一の高さに設けられた2つの供給管が属するAグループから供給された処理液が、基板Wの主面の中心O付近で干渉し合うことから(ステートST31)、基板Wの主面に接触する基板近傍の処理液の濃度の均一性を向上する効果が奏される。
【0081】
<6.第6の実施の形態>
次に、第6の実施の形態について説明する。本実施の形態の基板処理装置の構成は第3の実施の形態のもの(図5参照。)と同一であり、グループの区分手法のみが異なっている。すなわち、図12に示すように、供給管2cと供給管2fとがAグループ、供給管2aと供給管2eとがBグループ、供給管2bと供給管2dとがCグループにそれぞれ区分されている。したがって、Aグループは二つの壁面の同一の高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなる。Bグループ及びCグループは、二つ壁面に分かれて、かつ、異なる高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなる。
【0082】
図13は、第6の実施の形態の処理液の供給時における処理槽1の状態を示す図である。ステートST41はAグループから、ステートST42はBグループから、ステートST43はCグループからそれぞれ処理液が供給される状態を示している。本実施の形態の浸漬処理では、制御部5の制御により、ステートST41,ST42及びST43の処理がこの順で順次に繰り返し実施される。
【0083】
ステートST41では、Aグループに属する供給管2c,2fのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。この流れ(矢印Ar41)は、第3の実施の形態のステートST11(図7参照。)と同様である。
【0084】
ステートST42では、Bグループに属する供給管2a,2eのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2aから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar42)を形成する。その一方で、供給管2eから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar43)を形成する。
【0085】
ステートST43では、Cグループに属する供給管2b,2dのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2bから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar44)を形成する。その一方で、供給管2dから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar45)を形成する。
【0086】
このように、本実施の形態の基板処理装置においても、第3の実施の形態とほぼ同様の動作がなされるため、第3の実施の形態と同様の効果が得られる。また、本実施の形態でもB,Cグループから供給された処理液は一定方向に沿った平行な流れを形成するが、同一グループに属する2つの供給管が二つ壁面に分かれて配置されるため、処理液は互いに異なる向きから干渉しないように供給される。このことから、左壁面11と右壁面12との間で偏りのない均一な処理液の流れを形成できる(ステートST42,ST43)。
【0087】
<7.第7の実施の形態>
次に、第7の実施の形態について説明する。本実施の形態の基板処理装置の構成は第3の実施の形態のもの(図5参照。)と同一であり、グループの区分手法のみが異なっている。すなわち、図14に示すように、供給管2aと供給管2dとがAグループ、供給管2bと供給管2fとがBグループ、供給管2cと供給管2eとがCグループにそれぞれ区分されている。したがって、Aグループは二つの壁面の同一の高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなる。Bグループ及びCグループは、二つ壁面に分かれて、かつ、異なる高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなる。
【0088】
図15は、第7の実施の形態の処理液の供給時における処理槽1の状態を示す図である。ステートST51はAグループから、ステートST52はBグループから、ステートST53はCグループからそれぞれ処理液が供給される状態を示している。本実施の形態の浸漬処理では、制御部5の制御により、ステートST51,ST52及びST53の処理がこの順で順次に繰り返し実施される。
【0089】
ステートST51では、Aグループに属する供給管2a,2dのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。この流れ(矢印Ar51)は、第4の実施の形態のステートST21(図9参照。)と同様である。
【0090】
ステートST52では、Bグループに属する供給管2b,2fのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2bから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar52)を形成する。その一方で、供給管2fから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar53)を形成する。
【0091】
ステートST53では、Cグループに属する供給管2c,2eのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2cから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar54)を形成する。その一方で、供給管2eから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar55)を形成する。
【0092】
このように、本実施の形態の基板処理装置においても、第3及び第6の実施の形態とほぼ同様の動作がなされるため、第3及び第6の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0093】
<8.第8の実施の形態>
次に、第8の実施の形態について説明する。本実施の形態の基板処理装置の構成は第3の実施の形態のもの(図5参照。)と同一であり、グループの区分手法のみが異なっている。すなわち、図16に示すように、供給管2bと供給管2eとがAグループ、供給管2aと供給管2fとがBグループ、供給管2cと供給管2dとがCグループにそれぞれ区分されている。したがって、Aグループは二つの壁面の同一の高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなる。Bグループ及びCグループは、二つ壁面に分かれて、かつ、異なる高さに設けられた2つの供給管が属するグループとなる。
【0094】
図17は、第8の実施の形態の処理液の供給時における処理槽1の状態を示す図である。ステートST61はAグループから、ステートST62はBグループから、ステートST63はCグループからそれぞれ処理液が供給される状態を示している。本実施の形態の浸漬処理では、制御部5の制御により、ステートST61,ST62及びST63の処理がこの順で順次に繰り返し実施される。
【0095】
ステートST61では、Aグループに属する供給管2b,2eのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。この流れ(矢印Ar61)は、第5の実施の形態のステートST31(図11参照。)と同様である。
【0096】
ステートST62では、Bグループに属する供給管2a,2fのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2aから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar62)を形成する。その一方で、供給管2fから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar63)を形成する。
【0097】
ステートST63では、Cグループに属する供給管2c,2dのみから処理槽1の内部に処理液が供給される。供給管2cから供給された処理液は、右壁面12に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar64)を形成する。その一方で、供給管2dから供給された処理液は、左壁面11に向かう略水平方向に沿った流れ(矢印Ar65)を形成する。
【0098】
このように、本実施の形態の基板処理装置においても、第3及び第6の実施の形態とほぼ同様の動作がなされるため、第3及び第6の実施の形態と同様の効果が得られる。また、本実施の形態では、同一の高さに設けられた2つの供給管が属するAグループから供給された処理液が、基板Wの主面の中心O付近で干渉し合うことから(ステートST61)、基板Wの主面に接触する基板近傍の処理液の濃度の均一性を向上する効果が奏される。
【0099】
<9.他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような他の実施の形態について説明する。もちろん、以下で説明する形態を適宜に組み合わせてもよい。
【0100】
第1の実施の形態では、6つの供給管2a〜2fが二つの壁面に分かれて設けられていたが、6つの供給管2a〜2fが同一の壁面の互いに異なる高さに設けられていてもよい。
【0101】
また、第1の実施の形態では、6つの供給管2a〜2fから同時に処理液を供給させると説明したが、第2の実施の形態のように左供給管2a〜2cと右供給管2d〜2fとに交互に処理液を供給させるようにしてもよく、第3ないし第8の実施の形態のように6つの供給管2a〜2fを複数のグループに区分してグループごとに順次に処理液を供給させるようにしてもよい。また、第2の実施の形態では、第1の実施の形態のように6つの供給管2a〜2fから同時に処理液を供給させるようにしてもよい。
【0102】
また、第2ないし第8の実施の形態では、6つの供給管2a〜2fにはそれぞれ個別のバルブ42a〜42fが設けられるとして説明したが、制御単位ごとにバルブを設けるようにしてもよい。すなわち、第2の実施の形態では左供給管及び右供給管に一つずつ、第3ないし第8の実施の形態ではグループごとに一つずつ設けてもよい。これによれば、必要なバルブ数を減少させることができるとともに、制御部5による供給動作の制御も容易となる。
【0103】
また、上記の実施の形態では全て供給管の数は6つであるとして説明を行ったが、6以上であればよい。相対する二つの壁面に分かれて複数の供給管を設ける場合には、二つの壁面のそれぞれに3以上の供給管を設けることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】第1の実施の形態の基板処理装置の概略構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態の処理液供給時における処理槽の状態を示す図である。
【図3】第2の実施の形態の基板処理装置の概略構成を示す図である。
【図4】第2の実施の形態の処理液供給時における処理槽の状態を示す図である。
【図5】第3の実施の形態の基板処理装置の概略構成を示す図である。
【図6】第3の実施の形態のグループの区分を示す図である。
【図7】第3の実施の形態の処理液の供給時における処理槽の状態を示す図である。
【図8】第4の実施の形態のグループの区分を示す図である。
【図9】第4の実施の形態の処理液供給時における処理槽の状態を示す図である。
【図10】第5の実施の形態のグループの区分を示す図である。
【図11】第5の実施の形態の処理液供給時における処理槽の状態を示す図である。
【図12】第6の実施の形態のグループの区分を示す図である。
【図13】第6の実施の形態の処理液供給時における処理槽の状態を示す図である。
【図14】第7の実施の形態のグループの区分を示す図である。
【図15】第7の実施の形態の処理液供給時における処理槽の状態を示す図である。
【図16】第8の実施の形態のグループの区分を示す図である。
【図17】第8の実施の形態の処理液供給時における処理槽の状態を示す図である。
【図18】従来の基板処理装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0105】
1 処理槽
3 リフタ
4 処理液供給源
5 制御部
11 左壁面
12 右壁面
42 バルブ
2a〜2f 供給管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の浸漬処理を行う基板処理装置であって、
前記基板の浸漬処理のための処理液を貯留する処理槽と、
前記処理槽の相対する二つの壁面に沿って設けられ、前記処理槽内に前記処理液を供給する6以上の供給手段と、
を備え、
前記6以上の供給手段は、互いに異なる高さに設けられることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記6以上の供給手段は、高さ方向に関して前記二つの壁面に対し交互に設けられることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板処理装置において、
前記6以上の供給手段は、同一方向に沿って前記処理液を供給することを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
基板の浸漬処理を行う基板処理装置であって、
前記基板の浸漬処理のための処理液を貯留する処理槽と、
前記処理槽の相対する二つの壁面に沿って設けられ、前記処理槽内に前記処理液を供給する6以上の供給手段と、
を備え、
前記6以上の供給手段のうち前記二つの壁面の一方に沿って設けられる複数の第1供給手段は、前記処理槽内の同一位置に向けて前記処理液を供給し、
前記6以上の供給手段のうち前記二つの壁面の他方に沿って設けられる複数の第2供給手段は、同一方向に沿って前記処理液を供給することを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の基板処理装置において、
前記複数の第1供給手段は、前記処理槽に浸漬された前記基板の主面の中心に向けて前記処理液を供給することを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の基板処理装置において、
前記複数の第1供給手段及び前記複数の第2供給手段の前記処理液の供給動作を制御する制御手段、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記複数の第1供給手段と前記複数の第2供給手段とに交互に処理液を供給させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
基板の浸漬処理を行う基板処理装置であって、
相対する二つの壁面を有し、前記基板の浸漬処理のための処理液を貯留する処理槽と、
前記処理槽の相対する二つの壁面に沿って設けられ、前記処理槽内に前記処理液を供給する6以上の供給手段と、
前記6以上の供給手段の前記処理液の供給動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記6以上の供給手段は、複数のグループに区分され、
前記制御手段は、前記グループごとに順次に処理液を供給させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の基板処理装置において、
前記複数のグループのうちの一つである第1グループに属する複数の供給手段は、前記二つの壁面の同一の高さに設けられ、
前記複数のグループのうちの他の一つである第2グループに属する複数の供給手段は、互いに異なる高さに設けられることを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の基板処理装置において、
前記6以上の供給手段は、略水平方向に沿って前記処理液を供給することを特徴とする基板処理装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の基板処理装置において、
前記第2グループに属する複数の供給手段は、前記二つの壁面の一方に設けられることを特徴とする基板処理装置。
【請求項11】
請求項8または9に記載の基板処理装置において、
前記第2グループに属する複数の供給手段は、前記二つの壁面に分かれて設けられることを特徴とする基板処理装置。
【請求項1】
基板の浸漬処理を行う基板処理装置であって、
前記基板の浸漬処理のための処理液を貯留する処理槽と、
前記処理槽の相対する二つの壁面に沿って設けられ、前記処理槽内に前記処理液を供給する6以上の供給手段と、
を備え、
前記6以上の供給手段は、互いに異なる高さに設けられることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記6以上の供給手段は、高さ方向に関して前記二つの壁面に対し交互に設けられることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板処理装置において、
前記6以上の供給手段は、同一方向に沿って前記処理液を供給することを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
基板の浸漬処理を行う基板処理装置であって、
前記基板の浸漬処理のための処理液を貯留する処理槽と、
前記処理槽の相対する二つの壁面に沿って設けられ、前記処理槽内に前記処理液を供給する6以上の供給手段と、
を備え、
前記6以上の供給手段のうち前記二つの壁面の一方に沿って設けられる複数の第1供給手段は、前記処理槽内の同一位置に向けて前記処理液を供給し、
前記6以上の供給手段のうち前記二つの壁面の他方に沿って設けられる複数の第2供給手段は、同一方向に沿って前記処理液を供給することを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の基板処理装置において、
前記複数の第1供給手段は、前記処理槽に浸漬された前記基板の主面の中心に向けて前記処理液を供給することを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の基板処理装置において、
前記複数の第1供給手段及び前記複数の第2供給手段の前記処理液の供給動作を制御する制御手段、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記複数の第1供給手段と前記複数の第2供給手段とに交互に処理液を供給させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
基板の浸漬処理を行う基板処理装置であって、
相対する二つの壁面を有し、前記基板の浸漬処理のための処理液を貯留する処理槽と、
前記処理槽の相対する二つの壁面に沿って設けられ、前記処理槽内に前記処理液を供給する6以上の供給手段と、
前記6以上の供給手段の前記処理液の供給動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記6以上の供給手段は、複数のグループに区分され、
前記制御手段は、前記グループごとに順次に処理液を供給させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の基板処理装置において、
前記複数のグループのうちの一つである第1グループに属する複数の供給手段は、前記二つの壁面の同一の高さに設けられ、
前記複数のグループのうちの他の一つである第2グループに属する複数の供給手段は、互いに異なる高さに設けられることを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の基板処理装置において、
前記6以上の供給手段は、略水平方向に沿って前記処理液を供給することを特徴とする基板処理装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の基板処理装置において、
前記第2グループに属する複数の供給手段は、前記二つの壁面の一方に設けられることを特徴とする基板処理装置。
【請求項11】
請求項8または9に記載の基板処理装置において、
前記第2グループに属する複数の供給手段は、前記二つの壁面に分かれて設けられることを特徴とする基板処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−10495(P2008−10495A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−176790(P2006−176790)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
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