説明

多出力スイッチング電源装置

【課題】 簡単な構成で、負荷変動を減少させ、負荷変動を抑えるためのダミー抵抗による損失を減らし、電源装置の効率を向上させることができる多出力スイッチング電源装置を提供する。
【解決手段】 直流電源1に対してトランス2の1次巻線F1と主スイッチング素子3を直列に接続した1次側回路を有し、トランス2に複数の2次巻線S1,S2を設ける。スイッチング素子3をスイッチングして、トランス2の複数の2次巻線S1,S2に発生するフライバック電圧を、各々整流用ダイオード4,5により整流する。整流した各出力を直列に接続し、各出力を平滑化して出力電圧を供給する。トランス2の各2次巻線S1,S2に発生するフライバック電圧のプラス側の各端子に、各整流用ダイオード4,5のアノードを各々接続し、各整流用ダイオード4,5の各アノード間を、コンデンサ12を介して接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、直流入力電圧を所望の電圧に変換し、電子機器に供給するスイッチング電源装置であって、特に複数の出力を備えた多出力スイッチング電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フライバック型の多出力スイッチング電源装置は、例えば図6に示すような回路構成であった。このスイッチング電源装置の回路は、直流電源1に、トランス2の1次巻線F1とスイッチング素子3より成る直列回路が接続されている。スイッチング素子3は、MOS−FET等の半導体スイッチ素子からなる。スイッチング素子3のゲートには、スイッチングのオンデューティを制御して出力電圧を制御する制御回路8の出力が接続されている。
【0003】
トランス2には2個の2次巻線S1、S2が設けられ、2次巻線S1、S2のドットのない方の端子は、各々整流用ダイオード4,5のアノードに接続されている。一方の整流用ダイオード4のカソードは、出力端子21に接続されているとともに、平滑コンデンサ6の一端に接続されている。平滑コンデンサ6の他端は、2次巻線S2のドットを付した側の端子に接続されているとともに、出力端子22に繋がっている。また、他方の整流用ダイオード5のカソードは、出力端子22に接続されているとともに、平滑コンデンサ7の一端に接続され、平滑コンデンサ7の他端が、2次巻線S1のドットを付した側の端子に接続され、出力端子23に繋がっている。出力端子21,23の出力は、アンプ11を介して制御回路8にフィードバックされている。
【0004】
図6に示すフライバック型の多出力電源回路においては、1次側のスイッチング素子3のオン期間にトランス2にエネルギーを蓄え、スイッチング素子3のオフ期間に、整流用ダイオード4,5を通って出力側にエネルギーが供給される。スイッチング素子3のオフ期間に発生する2次巻線S1,S2のフライバック電圧E1,E2は、入力電圧Vinに対して各々の巻数に比例して発生する。そして、2次巻線S1,S2のフライバック電圧E1,E2により、各整流用ダイオード4,5を介して平滑コンデンサ6,7が充電され、出力端子21,22,23に出力電圧Vo1,Vo2が供給される。この出力電圧の制御は、整流用ダイオード5のカソード側の出力端子22をマイナス電位として、各2次巻線S1,S2に発生する電圧を整流平滑した合成電圧がアンプ11を介して制御回路8に入力され、出力の安定化を図っている。
【特許文献1】特開昭60−35957号公報
【特許文献2】特開平6−54532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このフライバック型の多出力スイッチング電源装置の場合、図7に示す等価回路のように、トランス2と整流用ダイオード4,5の間の漏れインダクタンスや、回路基板の配線パターンなどによる寄生インダクタンス等のリーケージインダクタンス成分9,10が直列に挿入された回路となる。このリーケージインダクタンス成分9,10には、スイッチング素子3がスイッチングする毎に整流電流が流れる。そのため、片側の出力だけに負荷電流を流す場合や負荷にアンバランスが生じると、負荷電流を流している出力側は、漏れインダクタンス等のリーケージインダクタンス成分により発生する電圧降下が大きくなるため、負荷に電流を流す出力側の電圧が減少し、電流を流していないまたは少ない出力側の電圧が上昇し、負荷変動が大きくなる。これは、出力の合成電圧をフィードバックして出力電圧を制御しているために生じる。
【0006】
このトランス2の漏れインダクタンスや寄生インダクタンスによるリーケージインダクタンス成分の合成値をLeとすると、リーケージインダクタンス成分Leで発生する電圧降下Veは、以下のように表される。
【0007】
Ve=Le×(di/dt)
ここで、(di/dt)は、リーケージインダクタンス成分に流れる電流の傾きである。
【0008】
そこで、出力電圧が負荷により目標電圧より大きく上昇してしまわないように、出力端子21,22間および22,23間にダミー抵抗を接続して、必要最低限の負荷電流aをダミー抵抗により消費させ、図8に示すように軽負荷時の出力上昇を防ぐようにしている。
【0009】
したがって、上記従来の場合、ダミー抵抗による損失が電源の効率を下げているという問題があった。また、このようなリーケージ成分を少なくするようにトランスの巻線部を積層基板で作成することも行われているが、構成が複雑になるとともにコストも上昇するという問題があった。
【0010】
また、特許文献1、2に開示されているように、ダミー抵抗による損失を抑えるために、多出力スイッチング電源回路の各コイルの磁心を共有させる構成も提案されているが、この場合も上述の問題に対して十分な効果が得られていないものであった。
【0011】
この発明は、上記の従来の技術の問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、負荷変動を減少させ、負荷変動を抑えるためのダミー抵抗による損失を減らし、電源装置の効率を向上させることができる多出力スイッチング電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明は、直流電源に対してトランスの1次巻線と主スイッチング素子を直列に接続した1次側回路を有し、前記トランスに複数の2次巻線を設け、前記スイッチング素子をスイッチングして、前記トランスの複数の2次巻線に発生するフライバック電圧を各々ダイオード等の整流用素子により整流し、この整流した各出力を直列に接続し、各出力を平滑化して出力電圧を供給し、前記複数の出力電圧の合成電圧をフィードバックして出力電圧を制御しているフライバック型の多出力スイッチング電源装置であって、前記トランスの各2次巻線に発生するフライバック電圧のプラス側の各端子に、前記各整流用素子のプラス側端子を各々接続し、前記各整流用素子の各プラス側端子間をコンデンサを介して接続して成る多出力スイッチング電源装置である。
【0013】
またこの発明は、直流電源に対してトランスの1次巻線と主スイッチング素子を直列に接続した1次側回路を有し、前記トランスに複数の2次巻線を設け、前記スイッチング素子をスイッチングして、前記トランスの複数の2次巻線に発生する交流電圧を各々整流するダイオード等の複数の整流用素子と、前記2次巻線のドットのある側に一端が接続され他端が出力端子に接続されたチョークコイルと、前記チョークコイルの一端と前記2次巻線のドットのない側との間に接続された複数の還流用素子と、各出力を平滑する平滑コンデンサを備え、前記複数の出力電圧の合成電圧をフィードバックして出力電圧を制御しているフォワード型の多出力スイッチング電源装置であって、前記各整流用素子の各マイナス側の端子と前記各チョークコイルとの中点同士を、コンデンサを介して接続して成る多出力スイッチング電源装置である。
【0014】
さらに、前記各整流用素子に接続された各チョークコイルは、複数のチョークコイルで磁芯を共有したものである。
【発明の効果】
【0015】
この発明の多出力スイッチング電源装置は、整流用素子間にコンデンサを接続するだけで、負荷変動を減少させ、負荷変動を減少させるためのダミー抵抗による損失を抑え、電源装置の効率を高めることができるものである。また、ダミー抵抗を減らすことができることにより、回路の実装面積を減らすことができ、電源装置の構成部品の小型化を可能にし、電源装置全体の小型化や低コスト化にも大きく寄与するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、この発明の第一実施形態のフライバック型の多出力スイッチング電源装置の電源回路を示すもので、図6に示す電源回路と同様の構成は同一の符号を付す。この実施形態の多出力スイッチング電源装置は、直流電源1に、トランス2の1次巻線F1とスイッチング素子3より成る直列回路が接続されている。スイッチング素子3は、MOS−FET等の半導体スイッチ素子からなる。スイッチング素子3のゲートには、スイッチングのオンデューティを制御して出力電圧を制御する制御回路8の出力が接続されている。
【0017】
トランス2には2個の2次巻線S1、S2が設けられている。2次巻線S1、S2のドットのない方の端子は、各々整流用素子である整流用ダイオード4,5のアノードに接続されている。一方の整流用ダイオード4のカソードは、出力端子21に接続されているとともに、一方の平滑コンデンサ6の一端に接続されている。平滑コンデンサ6の他端は、2次巻線S2のドットを付した側の端子に接続されているとともに、出力端子22に繋がっている。また、他方の整流用ダイオード5のカソードは、出力端子22に接続されているとともに、他方の平滑コンデンサ7の一端に接続され、平滑コンデンサ7の他端が、2次巻線S1のドットを付した側の端子に接続され、出力端子23に繋がっている。出力端子21,23の出力は、アンプ11を介して制御回路8にフィードバックされている。
【0018】
また、2次巻線S1、S2のドットのない方の各端子と各整流用ダイオード4,5の各アノードとの間をつないで、コンデンサ12が設けられている。
【0019】
この実施形態の整流用ダイオード4,5は、例えばショットキバリアダイオード、ファーストリカバリダイオード等を用いることができ、コンデンサ12は、セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、機能性高分子電解コンデンサ等を適宜用いることができる。
【0020】
図1に示すフライバック型の多出力電源回路においては、1次側のスイッチング素子3のオン期間にトランス2にエネルギーを蓄え、スイッチング素子3のオフ期間に、2次巻線S1、S2によるフライバック電圧が整流用ダイオード4,5を通って出力側に印加され、エネルギーが供給される。スイッチング素子3のオフ期間に発生する2次巻線S1,S2のフライバック電圧E1,E2は、入力電圧Vinに対して各々の巻数に比例して発生する。そして、2次巻線S1,S2のフライバック電圧E1,E2が、各整流用ダイオード4,5のアノードに印加され、平滑コンデンサ6,7が充電され、出力端子21,22,23に出力電圧Vo1,Vo2が供給される。この出力電圧の制御は、整流用ダイオード5のカソード側の出力端子22をマイナス電位として、各2次巻線S1,S2に発生する電圧を整流平滑した合成電圧がアンプ11を介して制御回路8に入力され、出力の安定化を図っている。
【0021】
この実施形態のフライバック型の多出力電源回路も、図2に示す等価回路のように、トランス2と整流用ダイオード4,5の間の漏れインダクタンスやパターンなどによる寄生インダクタンス等のリーケージインダクタンス成分9,10が直列に挿入された回路となる。そして、このリーケージインダクタンス成分9,10には、スイッチング素子3がスイッチングする毎に整流電流が流れる。そのため、片側の出力だけに負荷電流を流す場合や、負荷にアンバランスが生じると、負荷電流を流している出力側は漏れインダクタンス等のリーケージインダクタンス成分9,10により発生する電圧降下が大きくなるため、負荷に電流を流す出力側の電圧が減少し、電流を流していないまたは少ない出力側の電圧が上昇し、負荷変動が大きくなる。これは、前述の通り出力の合成電圧をフィードバックして出力電圧を制御しているために生じる。
【0022】
この実施形態では、スイッチング素子3がオフし、リーケージインダクタンス成分9,10に起因する電圧降下を整流用ダイオード4,5のアノードに接続したコンデンサ12によって補正し、負荷変動を抑制している。
【0023】
この動作は、例えば出力端子22,23間の出力電圧Vo1の負荷にこの電源装置の定格負荷電流が流れており、出力端子21,22間の出力電圧Vo2には、負荷電流が流れていない場合、スイッチング素子3がオフしフライバック電圧がトランス2の2次巻線S1、S2に発生すると、整流電流が出力端子22,23間に流れ、図2のA点はB点よりリーケージインダクタンス成分9,10の合成値Leによる電圧Ve分の電圧が低くなる。これにより、図2に示すように、コンデンサ12を経て電流I1が流れ、A点の電圧を上昇させB点の電圧が上昇するのを抑えて、図3に示すように、従来の回路構成の場合と比較して負荷変動を軽減する。
【0024】
この実施形態の多出力電源装置によれば、整流用ダイオード4,5の各アノード間をコンデンサ12を介して接続することにより、電源装置の負荷変動を減少させ、ダミー抵抗による損失を抑え、電源効率を高めることができる。また、リーケージ成分を減らすために積層基板によりトランスを形成する必要もなく、コストの上昇を抑え効率の良い電源装置を提供することができる。さらに、ダミー抵抗を減らすことができ、電源装置の小型化にも寄与する。
【0025】
次にこの発明の第二実施形態の多出力スイッチング電源装置について、図4,図5を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同一符号を付して説明を省略する。この実施形態の多出力スイッチング電源装置は、フォワード型多出力スイッチング電源装置についてのもので、2次巻線S1、S2のドットのある方の端子は、各々整流用素子である整流用ダイオード4,5のアノードに接続されている。一方の整流用ダイオード4のカソードは、直列に接続された協調チョークコイル15の一方の端子に接続され、協調チョークコイル15の他方の端子が出力端子21に接続されているとともに、一方の平滑コンデンサ6の一端に接続されている。平滑コンデンサ6の他端は、2次巻線S2のドットのない側の端子に接続され、出力端子22に繋がっている。
【0026】
また、他方の整流用ダイオード5のカソードは、直列に接続された協調チョークコイル17の一方の端子に接続され、協調チョークコイル17の他方の端子が出力端子22に接続されているとともに、他方の平滑コンデンサ7の一端に接続されている。平滑コンデンサ7の他端は、2次巻線S1のドットのない側の端子に接続され、出力端子23に繋がっている。さらに、協調チョークコイル15,17は磁芯16を共有している。
【0027】
また、整流用ダイオード4のカソードと2次巻線S2のドットのない方の端子との間に、還流用素子である還流用ダイオード13が接続されている。還流用ダイオード13は、アノードが2次巻線S2のドットのない方の端子に接続され、カソードが整流用ダイオード4のカソードに接続されている。また、整流用ダイオード5のカソードと2次巻線S1のドットのない方の端子との間に、還流用ダイオード14が接続されている。還流用ダイオード14は、アノードが2次巻線S1のドットのない方の端子に接続され、カソードが整流用ダイオード5のカソードに接続されている。さらに、各整流用ダイオード4,5の各カソードと各協調チョークコイル15,17の2次巻線S1,S2側の端子との間同士をつないで、コンデンサ12が設けられている。
【0028】
この実施形態のフライバック型の多出力電源回路も、図5に示す等価回路のように、トランス2と整流用ダイオード4,5の間の漏れインダクタンスや回路基板の配線パターンなどによる寄生インダクタンス等のリーケージインダクタンス成分9,10が直列に挿入された回路となる。そのため、片側の出力だけに負荷電流を流す場合や、負荷にアンバランスが生じると、負荷電流を流している出力側は漏れインダクタンス等のリーケージインダクタンス成分9,10により発生する電圧降下が大きくなるため、負荷に電流を流す出力側の電圧が減少し、電流を流していないまたは少ない出力側の電圧が上昇し、負荷変動が大きくなる。
【0029】
このとき、この実施形態では、リーケージインダクタンス成分9,10に起因する電圧降下は、磁芯16を共有した協調チョークコイル15,17によりある程度は緩和されるが、その効果が十分ではなく、整流用ダイオード4,5のアノードに接続したコンデンサ12によって出力間の電圧が補正され、より効果的に負荷変動を抑制している。
【0030】
この動作は、例えば出力端子22,23間の出力電圧Vo1の負荷にこの電源装置の定格負荷電流が流れており、出力端子21,22間の出力電圧Vo2には、負荷電流が流れていない場合、トランス2の2次巻線S1、S2に発生した電圧により整流電流が出力端子22,23間に流れ、図5のA点はB点よりリーケージインダクタンス成分9,10の合成値Leによる電圧Ve分の電圧が低くなる。これにより、コンデンサ12を介して図5に示すように、コンデンサ12を経て電流I3が流れ、A点の電圧を上昇させB点の電圧が上昇するのを抑えて負荷変動を軽減する。
【0031】
この実施形態の多出力電源装置によれば、整流用ダイオード4,5のカソード間にコンデンサ12を接続することにより、電源装置の負荷変動を減少させ、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0032】
なお、この発明の多出力スイッチング電源装置は上記実施形態に限定されるものではなく、多出力の数は適宜設定可能なものであり、整流用素子はダイオード以外のトランジスタを用いて同期整流するものでも良く、電源回路も適宜の回路に利用可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の第一実施形態の多出力スイッチング電源装置の概略回路図である。
【図2】この発明の第一実施形態の多出力スイッチング電源装置の等価回路図である。
【図3】この発明の第一実施形態の多出力スイッチング電源装置の出力電流と出力電圧を示すグラフである。
【図4】この発明の第二実施形態の多出力スイッチング電源装置の概略回路図である。
【図5】この発明の第二実施形態の多出力スイッチング電源装置の等価回路図である。
【図6】従来のフライバック型の多出力スイッチング電源装置の概略回路図である。
【図7】従来のフライバック型の多出力スイッチング電源装置の等価回路図である。
【図8】従来のフライバック型の多出力スイッチング電源装置の出力電流と出力電圧を示すグラフである。
【符号の説明】
【0034】
1 直流電源
2 トランス
3 スイッチング素子
4,5 整流用ダイオード
6,7 平滑コンデンサ
8 制御回路
9,10 リーケージインダクタンス成分
12 コンデンサ
21,22,23 出力端子
F1 1次巻線
S1,S2 2次巻線
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、直流入力電圧を所望の電圧に変換し、電子機器に供給するスイッチング電源装置であって、特に複数の出力を備えた多出力スイッチング電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フライバック型の多出力スイッチング電源装置は、例えば図6に示すような回路構成であった。このスイッチング電源装置の回路は、直流電源1に、トランス2の1次巻線F1とスイッチング素子3より成る直列回路が接続されている。スイッチング素子3は、MOS−FET等の半導体スイッチ素子からなる。スイッチング素子3のゲートには、スイッチングのオンデューティを制御して出力電圧を制御する制御回路8の出力が接続されている。
【0003】
トランス2には2個の2次巻線S1、S2が設けられ、2次巻線S1、S2のドットのない方の端子は、各々整流用ダイオード4,5のアノードに接続されている。一方の整流用ダイオード4のカソードは、出力端子21に接続されているとともに、平滑コンデンサ6の一端に接続されている。平滑コンデンサ6の他端は、2次巻線S2のドットを付した側の端子に接続されているとともに、出力端子22に繋がっている。また、他方の整流用ダイオード5のカソードは、出力端子22に接続されているとともに、平滑コンデンサ7の一端に接続され、平滑コンデンサ7の他端が、2次巻線S1のドットを付した側の端子に接続され、出力端子23に繋がっている。出力端子21,23の出力は、アンプ11を介して制御回路8にフィードバックされている。
【0004】
図6に示すフライバック型の多出力電源回路においては、1次側のスイッチング素子3のオン期間にトランス2にエネルギーを蓄え、スイッチング素子3のオフ期間に、整流用ダイオード4,5を通って出力側にエネルギーが供給される。スイッチング素子3のオフ期間に発生する2次巻線S1,S2のフライバック電圧E1,E2は、入力電圧Vinに対して各々の巻数に比例して発生する。そして、2次巻線S1,S2のフライバック電圧E1,E2により、各整流用ダイオード4,5を介して平滑コンデンサ6,7が充電され、出力端子21,22,23に出力電圧Vo1,Vo2が供給される。この出力電圧の制御は、整流用ダイオード5のカソード側の出力端子22をマイナス電位として、各2次巻線S1,S2に発生する電圧を整流平滑した合成電圧がアンプ11を介して制御回路8に入力され、出力の安定化を図っている。
【特許文献1】特開昭60−35957号公報
【特許文献2】特開平6−54532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このフライバック型の多出力スイッチング電源装置の場合、図7に示す等価回路のように、トランス2と整流用ダイオード4,5の間の漏れインダクタンスや、回路基板の配線パターンなどによる寄生インダクタンス等のリーケージインダクタンス成分9,10が直列に挿入された回路となる。このリーケージインダクタンス成分9,10には、スイッチング素子3がスイッチングする毎に整流電流が流れる。そのため、片側の出力だけに負荷電流を流す場合や負荷にアンバランスが生じると、負荷電流を流している出力側は、漏れインダクタンス等のリーケージインダクタンス成分により発生する電圧降下が大きくなるため、負荷に電流を流す出力側の電圧が減少し、電流を流していないまたは少ない出力側の電圧が上昇し、負荷変動が大きくなる。これは、出力の合成電圧をフィードバックして出力電圧を制御しているために生じる。
【0006】
このトランス2の漏れインダクタンスや寄生インダクタンスによるリーケージインダクタンス成分の合成値をLeとすると、リーケージインダクタンス成分Leで発生する電圧降下Veは、以下のように表される。
【0007】
Ve=Le×(di/dt)
ここで、(di/dt)は、リーケージインダクタンス成分に流れる電流の傾きである。
【0008】
そこで、出力電圧が負荷により目標電圧より大きく上昇してしまわないように、出力端子21,22間および22,23間にダミー抵抗を接続して、必要最低限の負荷電流aをダミー抵抗により消費させ、図8に示すように軽負荷時の出力上昇を防ぐようにしている。
【0009】
したがって、上記従来の場合、ダミー抵抗による損失が電源の効率を下げているという問題があった。また、このようなリーケージ成分を少なくするようにトランスの巻線部を積層基板で作成することも行われているが、構成が複雑になるとともにコストも上昇するという問題があった。
【0010】
また、特許文献1、2に開示されているように、ダミー抵抗による損失を抑えるために、多出力スイッチング電源回路の各コイルの磁心を共有させる構成も提案されているが、この場合も上述の問題に対して十分な効果が得られていないものであった。
【0011】
この発明は、上記の従来の技術の問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、負荷変動を減少させ、負荷変動を抑えるためのダミー抵抗による損失を減らし、電源装置の効率を向上させることができる多出力スイッチング電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明は、直流電源に対してトランスの1次巻線と主スイッチング素子を直列に接続した1次側回路を有し、前記トランスに複数の2次巻線を設け、前記スイッチング素子をスイッチングして、前記トランスの複数の2次巻線に発生するフライバック電圧を各々ダイオード等の整流用素子により整流し、この整流した各出力を直列に接続し、各出力を平滑化して出力電圧を供給し、前記複数の出力電圧の合成電圧をフィードバックして出力電圧を制御しているフライバック型の多出力スイッチング電源装置であって、前記トランスの各2次巻線に発生するフライバック電圧のプラス側の各端子に、前記各整流用素子のプラス側端子を各々接続し、前記各整流用素子の各プラス側端子間をコンデンサを介して接続して成る多出力スイッチング電源装置である。
【0013】
またこの発明は、直流電源に対してトランスの1次巻線と主スイッチング素子を直列に接続した1次側回路を有し、前記トランスに複数の2次巻線を設け、前記スイッチング素子をスイッチングして、前記トランスの複数の2次巻線に発生する交流電圧を各々整流するダイオード等の複数の整流用素子と、前記2次巻線のドットのある側に一端が接続され他端が出力端子に接続されたチョークコイルと、前記チョークコイルの一端と前記2次巻線のドットのない側との間に接続された複数の還流用素子と、各出力を平滑する平滑コンデンサを備え、前記複数の出力電圧の合成電圧をフィードバックして出力電圧を制御しているフォワード型の多出力スイッチング電源装置であって、前記各整流用素子の各マイナス側の端子と前記各チョークコイルとの中点同士を、コンデンサを介して接続して成る多出力スイッチング電源装置である。
【0014】
さらに、前記各整流用素子に接続された複数のチョークコイルで、磁芯を共有したものでも良い
【発明の効果】
【0015】
この発明の多出力スイッチング電源装置は、整流用素子間にコンデンサを接続するだけで、負荷変動を減少させ、負荷変動を減少させるためのダミー抵抗による損失を抑え、電源装置の効率を高めることができるものである。また、ダミー抵抗を減らすことができることにより、回路の実装面積を減らすことができ、電源装置の構成部品の小型化を可能にし、電源装置全体の小型化や低コスト化にも大きく寄与するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、この発明の第一実施形態のフライバック型の多出力スイッチング電源装置の電源回路を示すもので、図6に示す電源回路と同様の構成は同一の符号を付す。この実施形態の多出力スイッチング電源装置は、直流電源1に、トランス2の1次巻線F1とスイッチング素子3より成る直列回路が接続されている。スイッチング素子3は、MOS−FET等の半導体スイッチ素子からなる。スイッチング素子3のゲートには、スイッチングのオンデューティを制御して出力電圧を制御する制御回路8の出力が接続されている。
【0017】
トランス2には2個の2次巻線S1、S2が設けられている。2次巻線S1、S2のドットのない方の端子は、各々整流用素子である整流用ダイオード4,5のアノードに接続されている。一方の整流用ダイオード4のカソードは、出力端子21に接続されているとともに、一方の平滑コンデンサ6の一端に接続されている。平滑コンデンサ6の他端は、2次巻線S2のドットを付した側の端子に接続されているとともに、出力端子22に繋がっている。また、他方の整流用ダイオード5のカソードは、出力端子22に接続されているとともに、他方の平滑コンデンサ7の一端に接続され、平滑コンデンサ7の他端が、2次巻線S1のドットを付した側の端子に接続され、出力端子23に繋がっている。出力端子21,23の出力は、アンプ11を介して制御回路8にフィードバックされている。
【0018】
また、2次巻線S1、S2のドットのない方の各端子と各整流用ダイオード4,5の各アノードとの間をつないで、コンデンサ12が設けられている。
【0019】
この実施形態の整流用ダイオード4,5は、例えばショットキバリアダイオード、ファーストリカバリダイオード等を用いることができ、コンデンサ12は、セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、機能性高分子電解コンデンサ等を適宜用いることができる。
【0020】
図1に示すフライバック型の多出力電源回路においては、1次側のスイッチング素子3のオン期間にトランス2にエネルギーを蓄え、スイッチング素子3のオフ期間に、2次巻線S1、S2によるフライバック電圧が整流用ダイオード4,5を通って出力側に印加され、エネルギーが供給される。スイッチング素子3のオフ期間に発生する2次巻線S1,S2のフライバック電圧E1,E2は、入力電圧Vinに対して各々の巻数に比例して発生する。そして、2次巻線S1,S2のフライバック電圧E1,E2が、各整流用ダイオード4,5のアノードに印加され、平滑コンデンサ6,7が充電され、出力端子21,22,23に出力電圧Vo1,Vo2が供給される。この出力電圧の制御は、整流用ダイオード5のカソード側の出力端子22をマイナス電位として、各2次巻線S1,S2に発生する電圧を整流平滑した合成電圧がアンプ11を介して制御回路8に入力され、出力の安定化を図っている。
【0021】
この実施形態のフライバック型の多出力電源回路も、図2に示す等価回路のように、トランス2と整流用ダイオード4,5の間の漏れインダクタンスやパターンなどによる寄生インダクタンス等のリーケージインダクタンス成分9,10が直列に挿入された回路となる。そして、このリーケージインダクタンス成分9,10には、スイッチング素子3がスイッチングする毎に整流電流が流れる。そのため、片側の出力だけに負荷電流を流す場合や、負荷にアンバランスが生じると、負荷電流を流している出力側は漏れインダクタンス等のリーケージインダクタンス成分9,10により発生する電圧降下が大きくなるため、負荷に電流を流す出力側の電圧が減少し、電流を流していないまたは少ない出力側の電圧が上昇し、負荷変動が大きくなる。これは、前述の通り出力の合成電圧をフィードバックして出力電圧を制御しているために生じる。
【0022】
この実施形態では、スイッチング素子3がオフし、リーケージインダクタンス成分9,10に起因する電圧降下を整流用ダイオード4,5のアノードに接続したコンデンサ12によって補正し、負荷変動を抑制している。
【0023】
この動作は、例えば出力端子22,23間の出力電圧Vo1の負荷にこの電源装置の定格負荷電流が流れており、出力端子21,22間の出力電圧Vo2には、負荷電流が流れていない場合、スイッチング素子3がオフしフライバック電圧がトランス2の2次巻線S1、S2に発生すると、整流電流が出力端子22,23間に流れ、図2のA点はB点よりリーケージインダクタンス成分9,10の合成値Leによる電圧Ve分の電圧が低くなる。これにより、図2に示すように、コンデンサ12を経て電流I1が流れ、A点の電圧を上昇させB点の電圧が上昇するのを抑えて、図3に示すように、従来の回路構成の場合と比較して負荷変動を軽減する。
【0024】
この実施形態の多出力電源装置によれば、整流用ダイオード4,5の各アノード間をコンデンサ12を介して接続することにより、電源装置の負荷変動を減少させ、ダミー抵抗による損失を抑え、電源効率を高めることができる。また、リーケージ成分を減らすために積層基板によりトランスを形成する必要もなく、コストの上昇を抑え効率の良い電源装置を提供することができる。さらに、ダミー抵抗を減らすことができ、電源装置の小型化にも寄与する。
【0025】
次にこの発明の第二実施形態の多出力スイッチング電源装置について、図4,図5を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同一符号を付して説明を省略する。この実施形態の多出力スイッチング電源装置は、フォワード型多出力スイッチング電源装置についてのもので、2次巻線S1、S2のドットのある方の端子は、各々整流用素子である整流用ダイオード4,5のアノードに接続されている。一方の整流用ダイオード4のカソードは、直列に接続された協調チョークコイル15の一方の端子に接続され、協調チョークコイル15の他方の端子が出力端子21に接続されているとともに、一方の平滑コンデンサ6の一端に接続されている。平滑コンデンサ6の他端は、2次巻線S2のドットのない側の端子に接続され、出力端子22に繋がっている。
【0026】
また、他方の整流用ダイオード5のカソードは、直列に接続された協調チョークコイル17の一方の端子に接続され、協調チョークコイル17の他方の端子が出力端子22に接続されているとともに、他方の平滑コンデンサ7の一端に接続されている。平滑コンデンサ7の他端は、2次巻線S1のドットのない側の端子に接続され、出力端子23に繋がっている。さらに、協調チョークコイル15,17は磁芯16を共有している。
【0027】
また、整流用ダイオード4のカソードと2次巻線S2のドットのない方の端子との間に、還流用素子である還流用ダイオード13が接続されている。還流用ダイオード13は、アノードが2次巻線S2のドットのない方の端子に接続され、カソードが整流用ダイオード4のカソードに接続されている。また、整流用ダイオード5のカソードと2次巻線S1のドットのない方の端子との間に、還流用ダイオード14が接続されている。還流用ダイオード14は、アノードが2次巻線S1のドットのない方の端子に接続され、カソードが整流用ダイオード5のカソードに接続されている。さらに、各整流用ダイオード4,5の各カソードと各協調チョークコイル15,17の2次巻線S1,S2側の端子との間同士をつないで、コンデンサ12が設けられている。
【0028】
この実施形態のフォワード型の多出力電源回路も、図5に示す等価回路のように、トランス2と整流用ダイオード4,5の間の漏れインダクタンスや回路基板の配線パターンなどによる寄生インダクタンス等のリーケージインダクタンス成分9,10が直列に挿入された回路となる。そのため、片側の出力だけに負荷電流を流す場合や、負荷にアンバランスが生じると、負荷電流を流している出力側は漏れインダクタンス等のリーケージインダクタンス成分9,10により発生する電圧降下が大きくなるため、負荷に電流を流す出力側の電圧が減少し、電流を流していないまたは少ない出力側の電圧が上昇し、負荷変動が大きくなる。
【0029】
このとき、この実施形態では、リーケージインダクタンス成分9,10に起因する電圧降下は、磁芯16を共有した協調チョークコイル15,17によりある程度は緩和されるが、その効果が十分ではなく、整流用ダイオード4,5のアノードに接続したコンデンサ12によって出力間の電圧が補正され、より効果的に負荷変動を抑制している。
【0030】
この動作は、例えば出力端子22,23間の出力電圧Vo1の負荷にこの電源装置の定格負荷電流が流れており、出力端子21,22間の出力電圧Vo2には、負荷電流が流れていない場合、トランス2の2次巻線S1、S2に発生した電圧により整流電流が出力端子22,23間に流れ、図5のA点はB点よりリーケージインダクタンス成分9,10の合成値Leによる電圧Ve分の電圧が低くなる。これにより、コンデンサ12を介して図5に示すように、コンデンサ12を経て電流I3が流れ、A点の電圧を上昇させB点の電圧が上昇するのを抑えて負荷変動を軽減する。
【0031】
この実施形態の多出力電源装置によれば、整流用ダイオード4,5のカソード間にコンデンサ12を接続することにより、電源装置の負荷変動を減少させ、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0032】
なお、この発明の多出力スイッチング電源装置は上記実施形態に限定されるものではなく、多出力の数は適宜設定可能なものであり、整流用素子はダイオード以外のトランジスタを用いて同期整流するものでも良く、電源回路も適宜の回路に利用可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の第一実施形態の多出力スイッチング電源装置の概略回路図である。
【図2】この発明の第一実施形態の多出力スイッチング電源装置の等価回路図である。
【図3】この発明の第一実施形態の多出力スイッチング電源装置の出力電流と出力電圧を示すグラフである。
【図4】この発明の第二実施形態の多出力スイッチング電源装置の概略回路図である。
【図5】この発明の第二実施形態の多出力スイッチング電源装置の等価回路図である。
【図6】従来のフライバック型の多出力スイッチング電源装置の概略回路図である。
【図7】従来のフライバック型の多出力スイッチング電源装置の等価回路図である。
【図8】従来のフライバック型の多出力スイッチング電源装置の出力電流と出力電圧を示すグラフである。
【符号の説明】
【0034】
1 直流電源
2 トランス
3 スイッチング素子
4,5 整流用ダイオード
6,7 平滑コンデンサ
8 制御回路
9,10 リーケージインダクタンス成分
12 コンデンサ
21,22,23 出力端子
F1 1次巻線
S1,S2 2次巻線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源に対してトランスの1次巻線と主スイッチング素子を直列に接続した1次側回路を有し、前記トランスに複数の2次巻線を設け、前記スイッチング素子をスイッチングして、前記トランスの複数の2次巻線に発生するフライバック電圧を各々整流用素子により整流し、この整流した各出力を直列に接続し、各出力を平滑化して出力電圧を供給し、前記複数の出力電圧の合成電圧をフィードバックして出力電圧を制御しているフライバック型の多出力スイッチング電源装置において、
前記トランスの各2次巻線に発生するフライバック電圧のプラス側の各端子に、前記各整流用素子のプラス側端子を各々接続し、前記各整流用素子の各プラス側端子間をコンデンサを介して接続して成ることを特徴とする多出力スイッチング電源装置。
【請求項2】
直流電源に対してトランスの1次巻線と主スイッチング素子を直列に接続した1次側回路を有し、前記トランスに複数の2次巻線を設け、前記スイッチング素子をスイッチングして、前記トランスの複数の2次巻線に発生する交流電圧を各々整流する複数の整流用素子と、前記2次巻線のドットのある側に一端が接続され他端が出力端子に接続されたチョークコイルと、前記チョークコイルの一端と前記2次巻線のドットのない側との間に接続された複数の還流用素子と、各出力を平滑する平滑コンデンサを備え、前記複数の出力電圧の合成電圧をフィードバックして出力電圧を制御しているフォワード型の多出力スイッチング電源装置において、
前記各整流用素子の各マイナス側の端子と前記各チョークコイルとの中点同士を、コンデンサを介して接続して成ることを特徴とする多出力スイッチング電源装置。
【請求項3】
前記各整流用素子に接続された各チョークコイルは、複数のチョークコイルで磁芯を共有したことを特徴とする請求項2記載の多出力スイッチング電源装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−149092(P2006−149092A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−335782(P2004−335782)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(000103208)コーセル株式会社 (80)
【Fターム(参考)】