説明

多機能包装材

本発明は、吸収性物品(1)のための包装用包装材に関し、この包装材(2)は、保護層(5)を備える。本発明は、包装材(2)が保護層に取り付けられた第1の機能層をさらに有して、包装材(2)に多機能を付与することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装された吸収性物品のための包装材に関する。この包装材は保護層を備える。
【背景技術】
【0002】
導入部に示した種類の1個の吸収性物品を、包装用包装材に包装することが有利に知られている。このようにして小さくて手の平に収まる包装品が得られ、この包装品は容易かつ簡便にハンドバッグ又はポケットの中に保持することができ、物品を必要なときに包装から取り出すことができる。このような個々の包装は、使用まで物品が汚れ及びくしゃくしゃになることから保護されることを確実とし、よって使用者に受け容れられている。包装用包装材の好適な設計によって、包装用包装材は使用済みの物品のための包装材としても機能し、よって使用済み物品を衛生的かつ美的に受容される方法で廃棄することができる。
【0003】
この種の吸収性物品のための包装用包装材として使用される最も通常のタイプの材料は、薄い色のプラスティックフィルムであり、通常は包装用包装材の内側に配置される吸収性物品の周りに比較的強固に張られている。
【0004】
使用者が使用済みの吸収性物品を新しい使用前の吸収性物品に取り替える場合、使用者は通常は、使用済みの吸収性物品を取り除いた後に、生殖器領域を生殖器領域に残留している体液からきれいにしようとする。さらに、使用者はまた、腰掛ける前に座るところの表面又はその種の場所をきれいにしようとする。よって、これら両方の場合に使用者は清浄化のためのナプキン又は紙のような清浄化手段を使用する。環境が清浄化手段を提供せず、使用者が清浄化手段を持ってくるのを忘れていることによってこのような清浄化手段が得られない場合に問題が生じる。このようなときには新しい吸収性物品は生殖器領域をきれいにすることなく所定の位置におかれ、使用者は座る代わりに立ったままでいなければならない。
【0005】
したがって、吸収性物品の取り替えの間の上述の問題が除去される改善された取り扱いに対する必要性が残っている。
【特許文献1】欧州特許第0850617号明細書
【特許文献2】国際公開第2003/03495号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2004/060416号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、吸収性物品のための包装材を導入することによって上述の問題を改善することを意図しており、包装材は、保護層を備えるとともに、保護層に取り付けられた包装材に多機能を付与する第1の機能層を備えている。
【0007】
本発明の利点は、吸収性物品を保護することと、使用者が機能層にいつでもアクセスできることとの両方の包装材の多機能性にあり、清浄化手段が第1の機能層という形態の包装材の一部であり、よっていつでも手元にあることによって、使用済みの吸収性物品から新しい吸収性物品へ取り替える際に清浄化手段として又はその種のものとして使用することができるということである。
【0008】
ここで、吸収性物品は下着の中で使用される月経液、尿、及び生殖器領域における開口部から排出される他の液体のような身体排出物に対する保護のための生理用物品を意味する。よって、吸収性物品は女性のための月経液用保護物品だけでなく、男性及び女性のための失禁用物品をも意味している。典型的な吸収性物品は、液体透過性表面シート、液体不透過性背面シート、及びこれら表面シートと背面シートとの間の吸収体を備えている。
【0009】
“層”という概念を理解するために、以下の論理的モデルは層を、2次元に本質的に平行に拡がる2つの対向する主表面を有し、本質的に1つ又はいくつかの所定の主要な特性を有する1つ以上の物質を備える薄い物体、として規定している。その特性は、例えば吸収性、又は液体透過性、又は親水性、又は疎水性などであって良い。使用の際には、層は3次元物体の周りに形成され、2次元に拡げられた場合にのみ論理モデルに合致する。
【0010】
包装材は、第1の機能層を主表面の一部分又は全体の上の保護層に取り付けることによって、2つの別々の層から作ることができる。ここでは第1の機能層は吸収性材料からなる本体とすることができ、保護層は液体不透過性材料からなる本体とすることができる。吸収性材料は液体吸収性及び/又は粒子吸収性、又は吸収性とすることができる。
【0011】
また、保護層は第1の機能層上にコーティングすることもできる。コーティングは、それ自身によって支持され得ない物質/材料、例えば液体の形態の材料を、第1の機能層を支持構造体として使用する方法を意味している。例えば、保護層を形成するように意図された材料は所定の温度で第1の機能層上に適用され、温度を低下することにより材料を硬化することによって第1の機能層に固定される。しかし、コーティングは従来技術から既知であり、多くの既知の方法で作られる。
【0012】
別の実施形態においては、保護層は材料層の対向する表面のうちの一方に部分的に又は全体的に含浸させることによって作ることができ、第1の機能層は他方の対向する含浸されていない表面に形成される。含浸は表面及び材料層の厚み方向の追加的部分を保護層として望ましい保護的特徴に、例えば防湿性及び/又は防汚染性を有するように変換する物質の使用を意味する。ここで、追加的部分は、材料層の一部分が、例えば拡散による含浸物質によって影響される、すなわち含浸物質の能力が材料中に移動されるということを意味している。含浸材は、材料層を貫通することは許容され得ない。貫通は第1の機能層の機能的特徴、すなわち例えば吸収性の特性を破壊するからである。この実施形態においては、保護層は材料層を保護的に変換するのに十分に影響された材料層の一部分を備え、第1の機能層は含浸によって影響されていない材料層の一部分である対向する表面を有している。
【0013】
保護層及び第1の機能層は、第1の繊維材料が包装材の表面の一方において主とされており、第2の繊維材料が主とされている対向する表面に向かって徐々に減少するように混合された、異なる繊維材料から構成することができる。第1の繊維材料は保護層を形成することができ、第2の繊維材料は機能層を形成することができ、主な特徴は上述の主な特性のいずれとすることもできる。
【0014】
第1の機能層は吸収性物品に面する包装材の面(以下、内側という)に配置されるか、又は吸収性物品から離れる方に面する包装材の面(以下、外側という)に配置される。
【0015】
本発明の1つの実施形態においては、第2の機能層(以下、第2の機能層という)は、第1の機能層に対して包装材の反対側に配置される。この実施形態の利点は、使用することができる2つの機能層を使用者が有することである。
【0016】
例えば、第2の機能層は包装材の外側に配置することができ、使用前に例えばトイレ、又は鏡、又は浴槽などの汚れた表面を拭くために使用することができる吸収性拭き取り材を備えることができる。第1の機能層は包装材の内側に配置することができ、使用者の生殖器領域を清浄化するため及び/又は生殖器領域へ添加剤を移動させるために使用者によって使用され得る拭き取り材及び/又は好適な添加剤を備えることができる。
【0017】
第2の機能層及び保護層は、第1の機能層と保護層との間の関係に対して上述したのと同じ方法で互いに対して形成することができる。よって、保護層は第2の機能層上にコーティングすることができるか、又は第2の機能層と保護層とは互いに接着された別々の層とすることができる。
【0018】
導入部で参照された種の単一の吸収性物品を個々の包装用包装材に包装することは、いくつかの理由によって有利であるとしても、本発明の包装材を1つ以上の吸収性物品を包装する際に使用することが可能である。これによって、使用者は第1の機能層、場合によっては2つの機能層の両方を使用する少なくとも1つの機会を有する。
【0019】
さらにまた、本発明の包装材は、本発明の包装材にそれぞれ包装された多数の吸収性物品を包装する、大きな包装材として使用することができる。この着想の利点は、使用者が大きな包装材を破ったときに本発明による追加的な多機能包装材を与えられるということにある。例えば、大きな包装材はトイレの座面を清浄化するために使用され、個々の包装材は生殖器領域を清浄化するために使用され得る。
【0020】
本発明の1つの実施形態においては、第1の機能層は包装材の内側に付与され、この第1の機能層は身体の治療のための活性物質の形態の添加物、例えばローション、又は抗菌物質、又は加湿剤、又は石鹸、又は臭気制御剤、又は香水、又は他の好適な物質若しくは活性剤を備える。
【0021】
特許文献1は、使い捨て吸収性物品とともに使用するための作用の異なる機構による当業界で知られる臭気制御剤の異なる分類を教示している。第1分類の臭気制御剤は、菌による物質交代を妨害する成分によって構成され、体液から悪臭を放つ代謝物質の生産を回避する又は軽減する。このような薬剤は殺菌剤又は制菌剤とすることができ、これらは通常は水溶性成分として入手できる。第2分類の臭気制御剤は、通常は特定の形状でありそれ自身の構造の中に体液中に既に存在する物質と菌による物質交代によって生産される物質との両方の臭気を発生する物質を吸収することができる。別の分類の臭気制御剤は、好ましくない臭気を本質的に覆い隠す香水を備えている。湿度活性型カプセルに包まれた香水粒子もまた使用され、香水は材料が湿ったときにのみ放出され、製品の使用の間にその作用を提供し、別の臭気吸収剤と香水との組み合わせが実際に臭気制御手段として使用されている場合には、製品が使用される前には他の臭気吸収剤との相互作用を任意的に回避している。当業界において知られている臭気制御剤の中では、より広い差別化を図ることができる。乾燥状態においては、すなわち吸収された流体で実質的に濡れていないときには、好ましくは活性である臭気制御剤もある。さらに、液体の負の影響は、pH値が中性から離れる場合により大きくなるが、体液それ自体の劣化の故に、その吸収性の体液に対する構造中において生じやすい。他の臭気制御材は、その作用を溶液中において行い、よって吸収された流体によって濡らされなければならない。上述の第1分類に属する臭気制御剤は、典型的には溶液中で活性である。これはいくつかの香水物質、例えば湿度活性化型カプセルに包まれた香水においても真である。対照的に第2分類の臭気制御剤は、例えば吸収機構によって通常は吸収された流体に関するガス状の臭気成分に対して活性であり、よって実質的に乾燥した状況でより良く作用する。この差を念頭におき、体液を吸収するための吸収性構造に好適に組み込むことができる当業において既知のいずれの臭気制御剤、又はいずれの好適なそれらの組み合わせも、本発明の積層された吸収性構造において使用することができ、吸収性要素として、又は少なくともその要素の一部分として、吸収された体液に関連する臭気を制御するという利点を有してこの構造を組み込んだ物品を提供する。
【0022】
吸収性物品は、活性物質を使用する場合には、吸収性物品の液体透過性上面シート上に配置された放出層を有する。代替的に、包装材の一部分だけが第1の機能層を構成し、この機能層が吸収性物品の液体不透過性背面シートに対して配置される。この実施形態においては、湿った第1の機能層は、背面シートがカバーとして使用されているので、吸収性本体に湿気を付与することはない。
【0023】
特許文献2は、本発明の第1及び第2の機能層に使用することができるスキンケア剤、例えばpH調整物質、抗菌物質、グルココルティコイド、抗ウイルス剤、身体に良い働きをする微生物、酵素抑制剤、及び抗炎症物質を教示している。
【0024】
特許文献3は、衛生ティシューとともに使用するために好適な添加物を教示している。この添加物は、単体で又は本発明による第1及び/又は第2の機能層との組み合わせにおいて使用することができる。この添加物は、ペディオコッカス(Pediococcus)、ラクトコッカス(Lactococcus)、乳酸菌又はこれらの混合物から選ばれた乳酸生成菌、オリーブ油、キャノーラ油、ココナツ油、椰子の実油、ピーナツ油、大豆油、ジメチコン(dimethicone)、パラフィン油、及びペトロラタム(petrolatum)のような脂質、塩化カルシウムの形状の添加物、(乳酸、アスコルビン酸、クエン酸、又はホウ酸のような)有機又は無機の弱酸、香水、抗酸化剤、ハイドロコルチゾン(hydrocortisone)若しくは他の抗炎症剤ステロイド、(スキムミルク、グルコース、グルタメイト(glutamate)及びグリセロールのような)抗凝化剤、(アミノ酸、ペプチド、核酸由来物、ビタミン、塩、脂肪酸、グルコース、果糖、リボース、麦芽糖、乳糖のような)栄養素、及び/又は、1つ以上の任意的な軟化剤、乳化剤、非イオンのような界面活性剤、両性及びアニオン系表面活性剤、加湿剤、pH調整剤、キレート剤、粘度調整剤、抗菌剤、防腐剤、及び香料である。
【0025】
また、第1又は第2の機能層は、身体に由来しない汚れた表面を正常化するのに適した活性物質、例えば抗菌剤又はその種のものと備えることもできる。
【0026】
第1及び/又は第2の機能層は、水又は熱に接触するか、空気に接触することによって活性化することができる活性化物質を備えることができる。また、活性化は、例えばカプセルユニットの破壊などの機械的動作によって行うこともできる。
【0027】
本発明の1つの実施形態においては、包装材は、保護層と第1の機能層との間にポケットを形成する緩く取り付けられた第1の機能層を備える。使用者は、手又は手の一部をポケットの中に突っ込むことができ、包装材を第1及び又は第2の機能層を有する、表面を拭く、及び/又は添加物を移動させる目的のための手袋として使用することができる。また、ポケットは使用済みの物品を廃棄する際に使用することもできる。吸収性物品は廃棄前にポケットの中に入れることができ、使用済みの生理用ナプキンを小さく、衛生的にかつ臭いのしない方法で保持することができる。さらに、使用者は手をポケットの中に突っ込み、目的物、例えば吸収性物品を手袋としての包装材で把持し、次いでポケットを裏返して目的物をひっくり返されたポケットの中に保持することができる。
【0028】
また、包装剤は互いに緩く取り付けられて、ポケットを使用する際に手のいずれかの側に保護層が配置されるようにポケットを形成する2つの保護層を備えることができる。すなわち、包装材は部分的にだけ取り付けられポケットが形成されるように分離している2つの保護層を備えることができる。よって、使用者は手を汚すことなく上述に従って使用されるべき第1及び/又は第2の機能層を有している。
【0029】
また、包装材は2つの分離層を2つの保護層の間に備えることもできる。2つの層は2つの保護層を分離する。分離層は包装材中に取り付けられ、よって包装材は分離層の間で2つの部分に分けることができる。それぞれの部分は第1及び/又は第2の機能層、保護層、及び分離層をそれぞれ備える。分離層は保護層に部分的にのみ取り付けられ、それぞれの部分を手袋として使用することができるポケットを備えるように分離している。また、包装材は第1及び/又は第2の機能層からなるいくつかの追加的な層を備えることができる。追加的な層は、包装材から同時に取り外すことができ、使用者によって個々に使用され得る。
【0030】
また、包装材は第1及び/又は第2の機能層上に積層された剥離層を備えることができる。剥離層は保護層として機能することができ、第1及び/又は第2の機能層のそれぞれを露出させることができる。さらにまた、剥離層は取り外される際に、第1及び/又は第2の機能層中の活性物質を活性化させるために使用することができる。
【0031】
保護層は有利に水及び/又は湿気不透過性であり、吸収性物品を乾燥状態に保持する。また、保護層は摩擦性が低く、防汚濁性を有することができる。
【0032】
第1及び/又は第2の機能層は、保護層より少ない延長部を有することができ、すなわちこれら機能層は保護層の周縁端部まで延在する必要はない。さらに、第1及び/又は第2の機能層は、保護層に取り付けられる必要はないが、保護層に取り外し可能に取り付けることができ、例えばこれら層は使用者によって分離され得る。
【0033】
下記は好適な材料の網羅的ではない材料リストである。例においては、第1の機能層は包装中の吸収性物品に面しており、すなわち包装材の内側に配置されている。第2の機能層は、よって包装材の外側に配置されている。
【0034】
1.包装材は保護層を形成する物質でコーティングされた第1の機能層を備える。
1a.第1の機能層は以下を備えることができる。
−エアレイドティシュー
−スパンボンド、メルトブロー、又はカーデドなどの不織材
−第1の機能層は保護層より少ない濡れ角度を有する親水性繊維を備えることができる。ここで、低い濡れ角度は、材料が、高い濡れ角度を有する材料よりもより親水性であることを意味する。
−発泡材
【0035】
1b.保護層は以下を備えることができる。
−ラテックス成分及びラテックスコーティング
−ポリオレフィンコーティング
−ワックスコーティング
−耐水性のある、例えば上述のうちの1つを使用する疎水性コーティングであるすべての好適なコーティング
【0036】
2.包装材は保護層上に挟まれた第1の機能層を備える。
2a.第1の機能層は以下を備えることができる。
−エアレイドティシュー
−スパンボンド、メルトブロー、又はカーデドなどの不織材
−第1の機能層は保護層より少ない濡れ角度を有する親水性繊維を備えることができる。
−例えば疎水性及び親水性のセルロース(パルプ)繊維の混合物などの疎水性及び親水性セルロース繊維の積層体
−例えばポリエチレンテレフタレート(PET)及びビスコースなどの合成繊維と吸収性繊維との混合物
−発泡材
−詰め物
【0037】
2b.保護層は以下を備えることができる。
−ラテックス成分からなるフィルム又は層、若しくはラテックスフィルム又は層;ワックスをコーティングされたフィルム又は層;例えば上述の材料のうちの1つを使用した疎水性フィルムなどの防水性を有するすべての好適なフィルム又は層
−疎水性ティシュー、ポリオレフィンフィルム又は層
【0038】
3.包装材は、上述の段落1又は2におけるような保護層上に重ね合わせられた第1の機能層を備えるが、第2の機能層もまた保護層上に重ね合わせられている。
3a.第2の層は以下を備えることができる。
−マイクロファイバーの柔軟なティシューシート;ティシュー、若しくはすべての好適な形状の、第1の保護層に対して上述された材料又は物質のいずれか、及びその両方である単体又は混合物
【0039】
上記全ての例1〜3に対して、保護層はさらに以下を備える。
−糊;プラスティック;発泡繊維;パルプ;等
【0040】
また、保護層は特許文献4(国際公開第00/76878号パンフレット)から知られる材料を備えることができ、この材料は気密であり、よって湿気に対して密であるとともに水密である。この材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、又は同等のポリマーのような1つ以上のポリマー、又はアルミフォイル、酸化アルミニウム若しくはシリコーンオキサイド若しくはその種のものから少なくとも部分的に生産されたフィルムの形状である。このような材料の水蒸気透過率は、37.8℃及び90%の相対湿度におけるASTM E 398−83によれば最大6g/m2/(暦の一日)であり、好ましくは多くとも2g/m2/(暦の一日)、より好ましくは1g/m2/(暦の一日)である。使用される材料が感湿添加剤を、この添加剤がその効果を包装日の後少なくとも9ヶ月、好ましくは18ヶ月保持するように保護するのが好ましい。フィルムは10〜200マイクロメータ、好ましくは20〜100マイクロメータの厚みを有することができる。
【0041】
また、保護層は、特許文献5(国際公開第12004/105822号パンフレット)から知られる材料を備えることができ、この材料は乳酸生成菌の添加剤の形態の添加剤を保持するのに好適である。材料はフィルム形状のポリマーマトリックスであり、添加剤はこのマトリックス中に、菌細胞が湿気から保護され、よって菌の生存率が増加するように埋め込まれている。また、ポリマーマトリックスは、乳酸生成菌以外の別の添加剤に対して使用することができる。
【0042】
また、保護層は、上述による保護品質を有する弾性材料及び熱可塑性材料とすることができる。
【0043】
別々の層は既知の手段、例えば超音波溶着、糊付け、エンボス加工等によって互いに接着することができる。
【0044】
上述によれば、第1の機能層は、このように使用される材料によって拭き取り層及び/又は第1の機能層中に添加剤が備えられている場合の移動層とすることができる。対応して、第2の機能層は、使用される材料によって拭き取り層及び/又は第2の機能層中に添加剤が備えられている場合の移動層とすることができる。
【0045】
ここで、“拭き取り層”は、表面を拭き取るために使用される第1又は第2の機能層を意味している。第1又は第2の機能層は、材料が吸収性であるか又は上述による表面からの液体若しくは粒子を吸収するように適用されている場合に拭き取りのために使用することができる。
【0046】
ここで、“移動層”は、物質を表面に移動させるために使用される第1又は第2の機能層を意味している。第1又は第2の機能層は、第1又は第2の機能層が上述による添加剤若しくは薬剤を備えている場合に、物質を移動させるために使用することができる。
【0047】
包装材は、吸収性物品の包装を改善するために異なる形状及び形態を有することができる。包装材は、例えばT形状、L形状、楕円形状、四角形状、三角形状、又は他のいずれかの好適な形状とすることができる。T形状は、包装材が吸収性物品の背面シート及び表面シート状の両方の剥離層として使用され得るために使用することができる。これは、吸収性物品に吸収物品から離れる方に接着剤を備える羽、フラップなどのような固定手段を設けられている場合に特に有利である。固定手段はさらに以下に説明される。また、包装材は上述の実施形態のいずれか1つによる積層体を備える追加的な包装シートを備えることができる。追加的な包装シートは、別シート又は主な包装シートに取り外し可能に取り付けられたシートとすることができる。主な包装シート及び追加的な包装シートは吸収性物品を包装する際に協働し、よって一緒に請求項に記載の包装材を形成する。例えば、追加的な包装シートは接着剤層のための剥離層として使用することができる。接着剤層は、使用中は下着の中における吸収性物品の固定のために背面シート上に形成することができる。また、接着剤層はいわゆる羽又はタブ上に形成することができ、よって、包装材はこの実施形態においても剥離層として使用することができる。
【0048】
ここで、接着剤は吸収性物品を下着に接着することができる粘着性の物質を意味している。
【0049】
ここで、羽/タブ/フラップは、吸収性物品上に配置され、吸収性物品の長手方向に延在する端部に沿って拡張部を有する固定手段を意味し、この固定手段は長手方向に延在する側端部に対して横方向にも延在している。固定手段は、下着の外側、例えば使用中に使用者から離れる方に面する下着の表面に取り付けるために、下着の周りに折り畳まれて使用される。固定手段は、接着剤で全体的に又は部分的に覆われることができる。固定手段は、多くの材料から、例えば不織布、プラスティックシート、フィルム材、異なる材料の積層体等から作ることができる。固定手段は、背面シートの一部分とすることができるか、背面シートに取り付けることができるか、又は吸収性物品の他のいずれの好適なシートに取り付けるかすることができる.固定手段は、例えば溶着、糊付け、超音波接着、機械的取り付け等によって永久的に取り付けることができる。また、固定手段は、例えば小孔、糊付け、溶着などによって取り外し可能に吸収物品に取り付けることもでき、よって固定手段は使用前に吸収物品から剥ぎ取ることができる。固定手段は、例えば包装材に配置される場合に、使用前に表面シート状に有利に折り畳まれる。よって、固定手段上の接着剤は、吸収性物品の表面シート側の吸収性物品から離れる方に面している。よって、追加的な包装材は、例えば、接着剤に対して保護層を配置することによって、剥離層として使用することができる。よって、保護層及び接着剤層は、接着剤が保護層に取り外されるときにくっついてしまわないが、代わりに固定手段上に残るように選択されなければならない。よって、第1の機能層は、この実施形態においては固定手段から離れる方に面するように配置される。
【0050】
また別の実施形態においては、第1又は第2の機能層は接着層に対して配置することができる。この実施形態においては、第1又は第2の機能層は、接着剤に対するように存在する機能層の一部が第1又は第2の機能層の残りの部分とは別に処理することができるように、剥離目的のために処理することができる。
【0051】
多くの包装シートを包装材として使用することによって、包装材の別々の部分は吸収物品の包装に際し協働し、使用者に多くの異なる多機能包装材を提供すると同時に小さく簡単な包装を与える。例えば、使用者は包装材と吸収性物品とを、包装材の一部分が吸収性物品の一方の側を保護し続けるように開け、よって、吸収性物品を所定の表面及び包装材の別の部分、すなわち、例えば使用のために吸収性物品が包装材から取り出される前の拭き取り目的のために使用することができる追加的な包装材の上に、載置することができる。包装材の残りの部分、すなわち、例えば大きな包装材シートは、吸収性物品が使用のための所定の部分におかれた後に、例えばハンドタオルとして使用することができる。
【0052】
追加的な包装材及び主な包装シートは同じタイプの機能層を有さなくても良いが、特許請求の範囲の技術的範囲及び上述による、及び後述に記載される実施形態の中で変化させることができる。
【0053】
本発明は、多くの図面に関して後述される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
図1は、本発明による、包装されていない状態にある、包装材2上に配置された吸収性物品1を示す。図1において、吸収性物品は、吸収性物品1に面した包装材2の内側表面4(以下内側4という)上に配置されている。また、包装材2は、内側表面4とは反対側の外側表面6(以下外側6という)を備える。
【0055】
吸収性物品1は、液体透過性表面シート7、包装材2の内側4に面する液体不透過性背面シート8、及びこれら表面シート7と背面シート8との間の吸収性本体9を備える。
【0056】
包装材は、図4a及び4bに示された実施形態において、第1の機能層3及び保護層5を備え、図4cに示された実施形態において第2の機能層10をもまた備える。
【0057】
図1においては、包装材2は長方形であるが、包装材は吸収性物品1の上及び周りで折り畳まれるために好適ないずれの形状を有しても良い。また、吸収性物品1は、包装材2が吸収性物品1の周りに小さく折り畳まれるのに好適ないずれかの位置に、折り畳まれていない状態で包装材2の中に配置することができる。よって、包装材2は、包装材2に保護特性を付与するいずれかの方法で吸収性物品1の周りに折り畳むことができる。
【0058】
図2は図1による吸収性物品1と包装材2とを示しており、ここで吸収性物品1は包装材2の中に配置され、包装材2は包装された状態にある。包装材2は吸収性物品を包含し包装品を形成している。保護層5は汚れ、湿気、及び水が包装品に進入するのを妨げている。図2において、図1の包装材及び吸収性物品1は、図1及び2における折り畳み線II−IIに沿って2つ折りにされている。図2において、包装材は互いに取り付けられた2つ折りにされた側端辺11によってその折畳まれた状態に固定されている。包装材2はいずれかの既知の取り付け手段、例えば糊若しくはその種のもののような接着剤、又は超音波溶着、レーザ溶着、若しくはその種のもののような手段によって折り畳まれた状態に固定することができる。包装材2は、吸収性物品に取り付けられた包装材2無しに、吸収性物品1を包含する単一の包装材2であるいわゆる“単一包装”の形態とすることができる。また、包装材2は、吸収性物品1を包含する単一包装材2であるいわゆる”クイック包装”の形態とすることができ、この場合に包装材2は吸収性物品1に取り付けられて吸収性物品1の背面シート上に配置された接着剤層に対する剥離層として機能することができる。
【0059】
図3は、図2におけるIII−III線に沿った断面図を示す。図3は、包装材2の一部分12が包装材の別の部分に重なるように、包装材2が折り畳まれていることを示す。包装材2を例えばいくつかの重なった部分によって、若しくは重なっていない部分の使用、すなわち例えば端部−端部の結合などによる全ての既知の方法によって閉じることもまた可能である。図3においては、包装材2は図4aにおけるのと同様に保護層5及び第1の機能層3を備えているが、包装材は図4b〜4に記載された実施形態のいずれであっても良い。
【0060】
図4aは、第1の機能層3と図3における実施形態による保護層とを備える包装材2の、図1におけるIV−IV線に沿った断面図を示す。図4aにおいては、第1の機能層3は、例えば第1の機能層3が吸収性物品に面するように、包装材2の内側4に配置されている。保護層5は、よって包装材2の外側6に配置されている。
【0061】
図4bは、第1の機能層3と本発明の別の実施形態による保護層5とを備える包装材2の、図1におけるIV−IV線に沿った断面図を示す。図4bにおいては、保護層5は吸収性物品に面しており、例えば包装材2の内側4に配置されている。したがって、第1の機能層3は、包装材2の外側6に配置されている。
【0062】
図4cは、第1の機能層3と保護層5と本発明の1つの実施形態による第2の機能層10とを備える包装材2の、図1におけるIV−IV線に沿った断面図を示す。図4cにおいては、第1の機能層3は包装材2の内側4に配置され、第2の機能層10は包装材2の外側6に配置されている。保護層5は、第1及び第2の機能層3、10の間に配置されている。
【0063】
図4dは、包装材2の内側4上に配置された吸収性物品を有する、包装されていない状態にある包装材2の斜視図を示している。包装材2は本発明の1つの実施形態によるパウチを形成している。包装材2は、緩く取り付けられた第1の機能層3を備え、保護層5と第1の機能層3との間にポケット11を形成している。使用者は、ポケット13の中に手若しくは手の一部を突っ込むことができ、包装材2を第1の機能層3による手袋のように、拭き取り又は清掃、又は第1の機能層の材質によって、及び第1の機能層に添加剤があるかどうかによって別の好適なすべての目的のために使用することができる。ポケット13を有する包装材2は、図4aの包装材の実施形態に限られないが、図4cに関連して記載された形態、すなわち保護層5を内側4に、第1の機能層3を外側6に有する形態とすることができる。ポケット13はこの実施形態においてはまだ第1の機能層3と保護層4との間に形成されており、第1の機能層3は上述に従って使用することができる。
【0064】
(図示されない)さらなる実施形態において、ポケット13を有する包装材2はまた図4cによる第2の機能層10をも備え、ポケット13を上述にしたがって第1の機能層3と保護層5との間、又は第2の機能層10と保護層5との間に形成することができるか、又は2つのポケットを第1の機能層3と保護層5との間、及び第2の機能層10と保護層5との間に形成することができる。
【0065】
図5は、本発明の第2の実施形態による、包装されていない状態にある、包装材上に配置された吸収性物品を示している。図5における包装材2は、主な包装シート14と追加的な包装シート15とを備える。主な包装シート14と追加的な包装シートとの両方は、図1〜4に関して記載された実施形態のいずれか1つによる包装材2の積層体を備えている。よって、第1及び第2の包装材シート14、15のうちのいずれか又は両方は、第1の機能層3及び保護層5を備え、第2の機能層(図示されず)をも備えることができる。図5において、追加的な包装材シート15は、引き裂き線18を介して主な包装材シート14に取り外し可能に取り付けられている。引き裂き線18は、有孔部分の形態とすることができ、使用者が、例えばハンドタオル、清掃タオル、又は化粧水用コットンなどとして使用するために、追加的な包装材シートを切り取ることを可能とする。
【0066】
主な包装材シート14及び追加的な包装材シート15は、吸収性物品1を包装する際に協働し、一緒に請求項に記載の包装材2を形成する。このように包装材2は、包装材シート14及び追加的な包装材15として形成することができる。追加的な包装材シート15は、例えば接着剤層17、19のための剥離層として使用することができる。図5において、第1の接着剤層17は固定手段16上に形成されている。固定手段16は、いわゆる羽、タブ、又はフラップの形態とすることができ、吸収性物品1の長手方向Xに延在する側端部20上に配置されるとともに側端部20に沿った延長部を有して示されており、この固定手段はまた、長手方向Xに延在する側端部20に対して横方向Yにも延在している。固定手段16は、下着の外側への、すなわち使用中に使用者から離れる方に面する下着の表面への取り付けのために下着の周りに折り畳むために使用される。図5において、固定手段16は部分的に接着剤で覆われているが、その全体を覆われても良い。固定手段16は多くの材料、例えば不織プラスティック、フィルム材、及び/又は異なる材料の積層体から作ることができる。固定手段16は、背面シート8の一部分とすることができるか、又は背面シート8に取り付けることができるか、又は吸収性物品1に備えられる他のいずれかの好適なシートに取り付けることができる。固定手段は、例えばパーフォレーション、糊、溶着等の使用によって、吸収性物品に取り外し可能に取り付けることができ、よって固定手段は使用の前に吸収性物品1から破りとることができる。また、固定手段16は、例えば溶着、糊付け、超音波接着、機械的接着等によって永久的に取り付けることもできる。
【0067】
固定手段16は、使用前、例えば包装材2中に配置される場合に、表面シート7の上に有利に折り畳まれる。次いで、固定手段16上の第1の接着剤17は、吸収性物品1の表面シート7側の吸収性物品1から離れる方に面する。次いで、追加的な包装材シート15は、例えば保護層5を第1の接着層17に対して配置することによって、剥離層として使用することができる。次いで、保護層5及び第1の接着剤層17は、接着剤層が保護層にくっつかないが、代わりに固定手段16上に残るように選択されなければならない。次いで、第1の機能層3は、この実施形態においては固定手段16から離れる方に面するように配置される。しかし、図5においては状況は逆であり、すなわち保護層5は外側かつ吸収性物品1から離れる方に面し、第1の機能層は内側に吸収性物品1の方に面する。また、第2の接着層19は、使用の際の吸収性物品1の下着中への固定のために、背面シート8上に形成することができる。包装材2、例えば主な包装材シート14は、次いで上述による剥離層として使用することができる。
【0068】
このように、包装材2は、主な包装材シート14及び追加的な包装材シート15それぞれの使用によって、背面シート8及び表面シート7の両方の上で剥離層として使用することができる。
【0069】
接着剤は、吸収性物品を下着に接着することができるいずれかの粘着性物質を示す。
【0070】
包装材として多くのシートを使用することによって、包装材の異なる部分が吸収性物品を包装する際に協働し、使用者に多くの異なる機能の包装材を提供すると同時に、小さく簡単な包装品を与える。例えば、使用者は、包装材の一部分が吸収性物品の一方の側を保護し続け、よって吸収性物品が表面上に載置され、包装材の他の部分、例えば追加的な包装材が、例えば吸収性物品が包装材から自由とされて使用される前に拭き取り目的に使用することができるように、包装材と吸収性物品を開けることができる。包装材2の残りの部分、例えば主な包装材シート15は、よって吸収性物品が使用のため、例えばハンドタオルとしての所定の場所におかれた後に使用することができる。
【0071】
追加的な包装材シート14と主な包装材シート15とは、同じタイプの機能層を有する必要はないが、請求項の技術的範囲内において及び図1〜4との関連で記載された実施形態にしたがって変化させることができる。
【0072】
図6は、図5による吸収性物品の1つの実施形態のA−A線に沿った側面図を示している。図6において、図5におけるT時形状の包装材2は、追加的な包装材シート15が吸収性物品1の上で折り畳まれるように折り畳まれる。主な包装材シート14は吸収性物品1の他方の側に配置され、これは主な包装シート14及び追加的な包装材シート15が吸収性物品を少なくとも部分的に収容しているということを意味している。よって、主な包装材シートは、吸収性物品1が包装材2の中に完全に収容されるように折り畳まれている。
【0073】
追加的な包装材シート15は、主な包装材シート16とは異なる層を備えることができる。
【0074】
図6においては、主な包装材シート14は第2の接着剤層19に対する剥離層として使用され、これは、第2の接着剤層19に面する層が第2の接着剤層19に接着するが、剥離層、例えば主な包装材シート14が取り外される際に接着剤が吸収性物品から剥がれることなく剥離できるような物質を備えなければならないことを意味する。図6においては、追加的な包装材シート15は、固定手段16上に配置された第1の接着剤層17に対する剥離層として使用されている。追加的な包装材シート15は、主な包装材シート14と同じように剥離機能を有するように取り扱われる。
【0075】
図6において、主な包装材シート14と追加的な包装材シート15とは、包装材2の外側、すなわち、物品が包装ざれたときに吸収性物品から離れる方に面する包装材2の面に配置された保護層5と、包装材の反対側、すなわち内側4に配置された第1の機能層3とを備えている。第1の機能層3は、この実施形態においては上述の剥離機能を可能にするために特別に処理された領域(図示されず)を備えている。この領域は、有利に第1及び第2の接着剤層17、19それぞれと少なくとも同じサイズの拡張部を有している。しかしながら、追加的包装材シート15の第1の機能層3は、材質及び/又は成分等に関して主な包装材シート14の第1の機能層3とは異なってよい。さらに、追加的な包装材シート15の保護層5は、材質及び/又は成分等に関して主な包装材シート14の保護層3とは異なってよい。またさらに、主な包装材シート14及び追加的な包装材シート15のうちの一方、又は両方は、図1〜5に関連して記載されたような第2の機能層を備えることができる。
【0076】
図7は、図5による吸収性物品の別の実施形態のA−A線に沿った側面図を示す。図7における包装材2は図6と同様に主な包装材シート14と追加的な包装材シート15とを備えるが、追加的な包装材シート15がそれ自身の上で何回も折り畳まれて、使用者が追加的な包装材シート15を広げ、主な包装材シート14から追加的な包装材シート15を破って解放する際に、使用者に大きな多機能包装材2を与える点で異なっている。
【0077】
図8は、本発明の第3の実施形態による、包装されていない状態にある、包装材上に配置された吸収性物品を示している。図8における包装材2は、図5〜7におけるのと同様に、主な包装材シート14と追加的な包装材シート15とを備えているが、追加的な包装材シート15が主な包装材シート15から離隔している点で異なる。
【0078】
図9は、図8による吸収性物品の1つの実施形態のA−A線に沿った側面図である。追加的な包装材シート15は、吸収性物品1の少なくとも一部分の上に配置されており、主な包装材シート14は、吸収性物品1の反対側に配置されている。主な包装材シート14及び追加的な包装材シート15の両方は、第2及び第1の接着剤層19、17それぞれのための剥離層として使用することができる。使用者は吸収性物品1を備える包装を開けるとき、主な包装材シート14に加えて多機能の追加的な包装材シート15を使用することができる。したがって、多機能の包装材2の合計量は増加する。
【0079】
図10は、図8による吸収性物品の別の1つの実施形態のA−A線に沿った側面図である。図10の包装材2は、図9におけるのと同様に主な包装材シート14及び追加的な包装材シート15を備えているが、追加的な包装材シート15がそれ自身上に何重にも折り畳まれており、使用者が追加的な包装材シート15を広げる際に、使用者に大きな多機能の包装材2を供することで異なっている。
【0080】
本発明は、上述の実施形態に限られず、請求項の発明の技術的範囲の中で変化させることができる。例えば、包装材は、吸収性物品を包装するための主な包装材シートに加えて多くの追加的な包装材シートを備えることができる。主な包装材シートと追加的な包装材シートとは、剥離層として使用される必要はないが、包装材の一部分として単に使用されても良い。第1の機能層は、物品が包装される際に吸収性物品に面する必要はないが、物品に面しても良く、又は第1及び第2の機能層の間に挟まれた層であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1の実施形態による、包装されていない状態にある、包装材上に配置された吸収性物品を示す図である。
【図2】本発明による、包装された状態にある、包装材中に配置された吸収性物品を示す図である。
【図3】図2におけるIII−III線に沿った断面図である。
【図4a】本発明の1つの実施形態による第1の機能層及び保護層を備える包装材の、図1におけるIV−IV線に沿った断面図を示す図である。
【図4b】本発明の別の実施形態による第1の機能層及び保護層を備える包装材の、図1におけるIV−IV線に沿った断面図を示す図である。
【図4c】本発明の1つの実施形態による第1の機能層と保護層と第2の機能層とを備える包装材の、図1におけるIV−IV線に沿った断面図を示す図である。
【図4d】本発明の1つの実施形態による、パウチを形成する包装材の斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施形態による、包装された状態にある、包装材中に配置された吸収性物品を示す図である。
【図6】図5による吸収性物品の1つの実施形態のA−A線に沿った側面図である。
【図7】図5による吸収性物品の別の実施形態のA−A線に沿った側面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態による、包装されていない状態にある、包装材上に配置された吸収性物品を示す図である。
【図9】図8による吸収性物品の1つの実施形態のA−A線に沿った側面図である。
【図10】図8による吸収性物品の別の実施形態のA−A線に沿った側面図である。
【符号の説明】
【0082】
1・・・吸収性物品
2・・・包装材
3・・・第1の機能層
5・・・保護層
7・・・液体透過性表面シート
10・・・第2の機能層
11、13・・・ポケット
14・・・主な包装材シート
15・・・追加的な包装材シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護層(5)を備える、吸収性物品(1)のための包装用包装材(2)であって、
前記保護層(5)に取り付けられた第1の機能層(3)をさらに備え、前記包装材(2)に多機能を付与することを特徴とする包装材(2)において、
前記第1の機能層(3)は、前記吸収性物品(1)に面する前記包装材(2)の面に配置されるか、又は前記吸収性物品(1)から離れる方に面する前記包装材(2)の面に配置されている包装用包装材(2)。
【請求項2】
第2の機能層(10)は、前記第1の機能層(3)に対して前記包装材(2)の反対側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の包装用包装材(2)。
【請求項3】
前記第2の機能層(10)は、拭き取り層及び/又は移動層であることを特徴とする請求項2に記載の包装用包装材(2)。
【請求項4】
前記第1の機能層(3)は、前記吸収性物品(1)に面する前記包装材(2)の面に配置されるか、又は前記吸収性物品(1)から離れる方に面する前記包装材(2)の面に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装用包装材(2)。
【請求項5】
前記保護層(5)と前記第1の機能層(3)とが、互いに取り付けられている別々の層を形成し、及び/又は前記保護層(5)と前記第2の機能層(10)とが、互いに取り付けられている別々の層を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装用包装材(2)。
【請求項6】
前記保護層(5)が前記第1の機能層(3)上にコーティングされているか、及び/又は前記保護層(5)が前記第1の機能層(10)上にコーティングされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の包装用包装材(2)。
【請求項7】
前記第1の機能層(3)は、前記保護層(5)に緩く取り付けられ、よって前記保護層(5)と前記第1の機能層(3)との間にポケット(11)を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の包装用包装材(2)。
【請求項8】
前記第1の機能層(3)は、拭き取り層及び/又は移動層であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の包装用包装材(2)。
【請求項9】
前記包装材(2)は、単一の吸収性物品(1)を包装するために使用されるか、又は複数の吸収性物品(1)を包装するために使用されるか、又は前記包装材(2)中にそれぞれ包装されている多数の吸収性物品(1)を包装するための主な包装材(2)として使用されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の包装用包装材(2)。
【請求項10】
前記第1の機能層(3)又は第2の機能層(10)は、ローションのような身体のトリートメントのための活性物質、又は抗菌物質、又は加湿剤、又は石鹸、又は臭気制御剤、又は香水、又はスキンケア剤、又は乳酸生成菌、又は他の好適な物質若しくは活性剤の形態の添加物を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の包装用包装材(2)。
【請求項11】
前記第1の機能層(3)又は前記第2の機能層(10)は、表面を清浄化するために好適な活性物質、例えば抗菌剤若しくはその種の物質を備えることを特徴とする請求項1〜10に記載の包装用包装材(2)。
【請求項12】
前記第1の機能層(3)又は前記第2の機能層(10)は、水若しくは熱に接触することによって、又は空気に接触することによって活性化され得る、又はカプセル化された構成単位の破壊のような機械的な作用によって活性化され得る活性な物質を備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の包装用包装材(2)。
【請求項13】
前記包装材(2)は、2つの保護層の間に配置された2つの別々の層を備え、該2つの別々の層は前記2つの保護層を離隔させ、よって前記包装材(2)を2つのユニットに分離することができ、それぞれの前記ユニットは第1の機能層及び/又は第2の機能層、保護層、及び分離層をそれぞれ備えていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の包装用包装材(2)。
【請求項14】
前記分離層は、前記保護層(5)に部分的にだけ取り付けられているとともに分離されており、ポケット(13)を形成し、よって備えられるユニットそれぞれが手袋としてユニットそれぞれを使用するために使用され得ることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の包装用包装材(2)。
【請求項15】
前記包装材(2)は、前記第1及び/又は第2の機能層上に積層された剥離層を備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の包装用包装材(2)。
【請求項16】
前記保護層(5)は、水及び/又は湿気不透過性であるか及び/又は低い摩擦性を有するとともに汚れ難さを有し得ることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の包装用包装材(2)。
【請求項17】
前記保護層(5)は、湿気及び水不透過性の気密材料からなることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の包装用包装材(2)。
【請求項18】
前記保護層(5)は、弾性を有する材料及び/又は熱可塑性を有する材料からなることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の包装用包装材(2)。
【請求項19】
前記吸収性物品(1)は、該吸収性物品の液体透過性表面シート(7)上に配置された保護剥離層を有するか、又は前記包装材(2)が前記第1の機能層(3)を有し、前記第1の機能層(2)は前記吸収性物品(1)の液体不透過性背面シートに対して配置されていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の包装用包装材(2)。
【請求項20】
前記包装材は、主な包装材シート(14)及び少なくとも1つの追加的な包装材シート(15)を備えることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の包装用包装材(2)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−535271(P2009−535271A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509496(P2009−509496)
【出願日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【国際出願番号】PCT/SE2007/050301
【国際公開番号】WO2007/129978
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(506215320)エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー (157)
【Fターム(参考)】