説明

多足組ストッキング製品

【課題】製造工程を簡易化して製造コストを低減させ、また、中台紙を装脱することによるストッキングの破損のおそれをなくした多足組ストッキング製品を提供することを課題とする。
【解決手段】個装した同種のストッキングを複数、1つの包装パック1に収納した多足組ストッキング製品であって、前記包装パック1は、複数のストッキング個装品3を内包する包装体2と、包装体2を被装する透明フィルム4とから成り、包装体2はその表面の一部に、内包したストッキングの色合い及び柄を示す印刷部5を有することを特徴とする。印刷部5は、包装体2の表面に直接印刷したものとされ、あるいは、粘着可能なシール5aとされて、包装体2の表面に配備される粘着部8に粘着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多足組ストッキング製品に関するものであり、より詳細には、パンティストッキング、ロングストッキング、ショートストッキング等の極細糸で編成されたストッキングの個装品を複数、収納したストッキングの色合い及び柄が外から分かる状態で1パックにして販売するための、多足組ストッキング製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記ストッキング製品は、極細糸で編成されていることから、不使用時(非伸張時)と使用時(伸張時)では、色合いや柄が異なって見えることがしばしばあり、その色合いや柄の変化(特に使用時の色合い)は、一般需要者の商品選択に大きな影響を与える。そのため、ストッキングの売り手は、ストッキング販売時に伸張時と非伸張時における色柄を提示して販売することが、現代において一般的となっている。
【0003】
その提示方法としては、例えば、マネキンにストッキングを実際に履かせる方法がある。しかし、この方法の場合は、マネキンの配置のためにある程度広い販売スペースが必要となり、また、個々のストッキングパック品等の関連性が希薄なため、当該マネキンから離れた場合にストッキングパック品の内容確認が難しくなる。そこで、一般には、各ストッキングの包装において、内包するストッキングの伸張時と非伸張時における色柄が、外部から視認可能となるようにされる。
【0004】
そのための方法として、例えば、ストッキングの1足を、中台紙を挿入して扁平にまとめることによりストッキングの伸張時の色柄を表現した状態にて透明フィルム内にパックする方法が多く用いられている(特許第3769698号公報)。しかし、この方法によった場合は、ストッキングに中台紙を挿入するのに手間がかかり、また、少なくとも1足は、既に伸ばした状態のストッキングを販売することになり、そのような態様を好まない需要者もいると考えられ、更に、中台紙を装脱する際に、誤ってストッキングを引っ掛けて破損させてしまうおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3769698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来一般的に採用されている、内包するストッキングの伸張時と非伸張時における色柄が外部から視認可能となるようにするための方法の場合は、ストッキングに中台紙を挿入するのに手間がかかり、また、少なくとも1足は、既に伸ばした状態のストッキングを販売することになり、そのような態様を好まない需要者もいると考えられ、更に、中台紙を装脱する際に、誤ってストッキングを引っ掛けて破損させてしまうおそれがあった。
【0007】
本発明は、このような従来方法における問題点を解決するためになされたもので、内包するストッキングのうちの1足を中台紙を用いて扁平にまとめ、包装体内の一番手前に配置するという煩わしい作業を不要とすることで、多足組ストッキング製品の製造を簡易化して製造コストを低減させ、また、中台紙を装脱することによるストッキングの破損のおそれをなくした多足組ストッキング製品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、個装した同種のストッキングを複数、1つの包装パックに収納した多足組ストッキング製品であって、前記包装パックは、前記複数のストッキング個装品を内包する包装体と、前記包装体を被装する透明フィルムとから成り、前記包装体はその表面の一部に、内包した前記ストッキングの色合い及び柄を示す印刷部を有することを特徴とする多足組ストッキング製品である。
【0009】
一実施形態においては、前記印刷部は、前記包装体の表面に直接印刷されたものであり、また、別の実施形態においては、前記印刷部は粘着可能なシールであって、前記包装体の表面に配備される粘着部に粘着されたものである。また、その場合は、前記包装体として前記粘着部を有するもの1種類が用意されると共に、前記シールとして内包するストッキングの種類に応じた複数のものが用意され、内包するストッキングの種類に対応する前記シールを選択して前記粘着部に粘着するようにすることができる。
【0010】
また、一実施形態においては、前記印刷部は、内包した前記ストッキングの伸状態と非伸状態における色合い及び柄を並べて示すものとされ、また、前記包装体は紙製で、少なくとも前面及び上面を有するものとされる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は上述したとおりであって、本発明に係る多足組ストッキング製品における包装パックは、複数のストッキング個装品を内包する包装体と、その包装体を被装する透明フィルムとから成り、包装体はその表面の一部に、内包したストッキングの色合い及び柄を示す印刷部を有するものであって、その印刷部が内包したストッキングの色合い及び柄を示すために、一般消費者は、その印刷部を見ることで、内包されたストッキングの色合い及び柄を知ることができる。
【0012】
従って、本発明に係る多足組ストッキング製品の場合は、内包するストッキングのうちの1足を中台紙を用いて扁平にまとめ、包装体内の一番手前に配置するという煩わしい作業が不要であるため、多足組ストッキング製品の製造を簡易化し、製造コストを低減することができ、また、中台紙の装脱に際してストッキングを破損するおそれがなくなる効果があり、更に、中台紙を用いないために省資源となり、且つ、中台紙廃棄の手間をなくしてゴミ減量に資する効果がある。
【0013】
また、請求項3、4に係る発明においては、印刷部を粘着可能なシールとし、また、前記包装体として前記粘着部を有するもの1種類が用意されると共に、前記シールとして内包するストッキングの種類に応じた複数のものが用意され、内包するストッキングの種類に対応する前記シールを選択して前記粘着部に粘着するようにしたので、包装体は1種類のみ用意すれば足り、余分な包装体を製造する無駄を省くことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る多足組ストッキング製品の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る多足組ストッキング製品の他の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面に依拠して説明する。図1は、本発明に係る多足組ストッキング製品の一実施形態を示す斜視図であり、そこに示されるように、本発明に係る多足組ストッキング製品は、個装したストッキングを複数、1つの包装パック1に収納したものである。
【0016】
包装パック1は、複数のストッキング個装品3を内包する包装体2と、包装体2を被装する透明フィルム4とから成る。通例、包装体2は紙製であって、箱状であってもよいが、その1面又は複数面を欠いたものであってもよい。そして、その場合は、少なくとも前面及び上面を備えていれば足りる。図示した包装体2は、1側面及び底面を欠いたものである。
【0017】
包装体2は、その表面の一部又は表面から上面にかかる部分、あるいは、更に上面から裏面にかかる部分に、内包したストッキングの色合い及び柄を示す印刷部5を有する。好ましくは、印刷部5は、ストッキングの伸状態における色合い及び柄を示す伸状態表示部6と、ストッキングの非伸状態における色合い及び柄を示す非伸状態表示部7とを並べて印刷したものとされる。
【0018】
一実施形態においては、印刷部5は、包装体2の上記部分に直接印刷される。また、別の実施形態においては、印刷部5は包装体2とは別の粘着可能なシール5aとして構成され、これを、包装体2の上記部分に配備される粘着部8に粘着するようにされる。
【0019】
言うまでもなく、包装体2に直接印刷する場合は、その包装体2は、その印刷された色合い及び柄のストッキング専用のものとなる。そこで、包装体2として粘着部8を有するもの1種類が用意されると共に、シール5aとして内包するストッキングの種類に応じた複数のものが用意され、内包するストッキングの種類に対応するシール5aを選択して粘着部8に粘着するようにすることが好ましい。このようにした場合は、包装体2は1種類のみ用意すれば足りることになるので、余分な包装体を製造する無駄が省ける。
【0020】
上述したように、本発明に係る多足組ストッキング製品における包装パック1は、複数のストッキング個装品3を内包する包装体2と、その包装体2を被装する透明フィルム4とから成り、包装体2が、内包したストッキングの色合い及び柄を示す印刷部5を有していて、この印刷部5が内包したストッキングの色合い及び柄を示すため、一般消費者は、その印刷部を見ることで、内包されたストッキングの色合い及び柄を知ることができる。
【0021】
かくして本発明に係る多足組ストッキング製品の場合は、ストッキングの1足を中台紙を用いて扁平にまとめ、包装体2内の一番手前に配置するという煩わしい作業が不要となり、以て、多足組ストッキング製品の製造を簡易化し、製造コストを低減することが可能となるのである。また、中台紙を用いないため、それの装脱に際してストッキングを破損するおそれがなく、更には、省資源に寄与し、中台紙廃棄の手間をなくし、ゴミの減量に資するといった数多くの効果を奏するものである。
【符号の説明】
【0022】
1 包装パック
2 包装体
3 個装品
4 透明フィルム
5 印刷部
5a シール
6 伸状態表示部
7 非伸状態表示部
8 粘着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個装した同種のストッキングを複数、1つの包装パックに収納した多足組ストッキング製品であって、
前記包装パックは、前記複数のストッキング個装品を内包する包装体と、前記包装体を被装する透明フィルムとから成り、前記包装体はその表面の一部に、内包した前記ストッキングの色合い及び柄を示す印刷部を有することを特徴とする多足組ストッキング製品。
【請求項2】
前記印刷部は、前記包装体の表面に直接印刷されたものである、請求項1に記載の多足組ストッキング製品。
【請求項3】
前記印刷部は粘着可能なシールであって、前記包装体の表面に配備される粘着部に粘着されたものである、請求項1に記載の多足組ストッキング製品。
【請求項4】
前記包装体として前記粘着部を有するもの1種類が用意されると共に、前記シールとして内包するストッキングの種類に応じた複数のものが用意され、内包するストッキングの種類に対応する前記シールを選択して前記粘着部に粘着するようにした、請求項3に記載の多足組ストッキング製品。
【請求項5】
前記印刷部は、内包した前記ストッキングの伸状態と非伸状態における色合い及び柄を並べて示すものである、請求項1乃至4のいずれかに記載の多足組ストッキング製品。
【請求項6】
前記包装体は紙製で、少なくとも前面及び上面を有するものである、請求項1乃至5のいずれかに記載の多足組ストッキング製品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−86867(P2012−86867A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234450(P2010−234450)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(595134870)
【Fターム(参考)】