説明

大豆及び胡麻を原料とした霊芝菌体の培養方法とその産物及び用途

【課題】大豆及び胡麻を原料とした霊芝菌体の培養方法とその産物を提供する。
【解決手段】培養補助液に10から12時間浸漬した大豆及び胡麻の固体培地を栽培容器に入れて、オートクレーブで20分間滅菌し冷却後、容器内の培地に霊芝菌を接種し25℃〜30℃の環境で30日〜40日間培養し、熟成した後に乾燥・粉末化する。
【効果】生産物には各種の抗癌成分や加水分解酵素が含有しており、機能性食品やその原料として利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は大豆及び胡麻を固体培地とした霊芝菌体の培養方法による生産物及びその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
現在まで霊芝を健康食品の原料とし利用するには、茸子実体を得るべく原木による栽培法或いは菌糸体を液体培養によって生産し、その特定成分を分離精製ないし抽出して利用した。しかしこの前記方法では、時間・費用・設備等がかなり必要となる。例えば子実体1トンを生産するのに消費する原木量は約40トンになり、また栽培用ハウスは1,500mを必要とし、接種から収穫までの所要日数は約180日間である。これにより抽出した成分量は子実体の約7%であり、使用原木重量の僅か0.175%である。
【0003】
本発明は前記の如き点に着目して、大豆及び胡麻の固定培地に霊芝菌を接種培養して、抗癌成分のB−D−グルカン大腸癌予防に有効とされている大豆イソフラボン変性体及びポリサッカライド等の健康増進物質を得る事により、本発明を完成したもの。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って本発明の目的は、大豆及び胡麻を固体培地とし、霊芝菌を接種培養する方法並びにこの培養方法によって得られる生産物を提供する事である。
【0005】
本発明の方法により得られた生産物にはB−D−グルカンイソフラボン変性体・ポリサッカライド等の抗癌成分及びセルラーゼ・ラッカーゼ・リパーゼ・プロテアーゼ等多数の加水分解酵素が存在しており、機能性食品及びその原料製造に利用できる長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下本発明の具体的方法の実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明の権利範囲はこれらの実施例のみに限定されるのではない。
【実施例】
【0007】
大豆及び胡麻を原料とする固体培地での霊芝菌体培養、熟成及びその産物生産。大豆及び胡麻各500gに対して、同等量の培養補助液を加え10〜12時間浸漬させる事によって作成した大豆及び胡麻の固体培地を栽培容器(瓶・袋等)に入れて、オートクレープで20分間減菌した。これを冷却後に無菌作業台(グリーンベンチ)で容器内の培地に霊芝種菌を接種して、インキュベータ内に静置し20℃〜30℃の環境下で25日〜35日間培養・熟成し生産物を容器から取り出し乾燥後に粉末化し各々の380gを得た。
【発明の効果】
【0008】
以上前記実施例で説明した通り、本発明により得られた生産物には各種の抗癌成分が含有しており、また多数の機能性健康増進物資の加水分解酵素も存在しているので、医薬品や健康食品等の各分野に著しく有用な発明である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)大豆及び胡麻を別途作成の培養補助液に浸漬して、その補助液を含漬させた大豆及び胡麻全粒を固体培地とし、これを培養容器に入れ雑菌を防ぐ処置として加熱・減菌後に冷却したものを準備する。
(b)前記(a)工程で準備した固体培地に霊芝種菌を接種し25℃〜30℃の環境で30〜40日間培養し熟成する。
(c)前記(b)工程後生産物を容器より取り出して乾燥の上、粉末化する。
【請求項2】
請求項1(a)の工程での固定培地は大豆・胡麻及びこの副産物である油かす・おから等である事を特徴とする請求項1記載の培養方法。
【請求項3】
請求項1(b)の工程で培地に接種する菌種は、霊芝菌である事を特徴とする請求項1記載の方法により製造された生産物。

【公開番号】特開2009−183271(P2009−183271A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−58683(P2008−58683)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(508072176)株式会社ウインズテクノ (1)
【Fターム(参考)】