説明

太陽電池モジュールの取付構造

【課題】傾斜状に設置される太陽電池モジュールの取付を容易にし、太陽電池モジュールの軒側先端部、軒側と棟側の太陽電池モジュールの隙間をカバーで覆って景観の向上を図れるようにすること。
【解決手段】軒側太陽電池モジュール1Aは、該モジュールに固定される第1のモジュールベース20に設けられた係止部23が、縦ラック10に固定された先端固定金具40の係止受部43に浮上り防止可能に係止され、軒側太陽電池モジュールに固定された第2のモジュールベース20に設けられた係止部23が、縦ラックに固定された中間固定金具50の係止受部52に浮上り防止可能に係止され、棟側太陽電池モジュールは、第1のモジュールベースの先端側に設けられた係止部が、中間固定金具の押え片53に浮上り防止可能に係止され、第2のモジュールベースに設けられた係止部が、縦ラックに固定された後部固定金具60の係止受部52に浮上り防止可能に係止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば傾斜状の屋根における太陽電池モジュールの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、屋根に太陽電池モジュールを取り付ける構造として、傾斜状の屋根の野地板や屋根に敷設された架台上に軒側から棟側に順に太陽電池モジュールを固定する取付構造が知られている。例えば、傾斜屋根の野地板に金属板からなる吊り子をビス等によって固定した後、太陽電池モジュール本体が取り付けられた一体型鋼板瓦を吊り子に引っ掛け、一体型鋼板瓦の上端(棟側)に他の吊り子を引っ掛けて傾斜の高い棟側へ向かって引っ張り、その吊り子をビス等で固定して、軒側の一体型鋼板瓦を取り付ける。次に、次の一体型鋼板瓦の下端を吊り子に引っ掛け、一体型鋼板瓦の上端にさらに他の吊り子を引っ掛けて棟側へ向かって引っ張り、その吊り子をビス等で固定して、棟側の一体型鋼板瓦を取り付ける。以下、このような施工を繰り返すことによって、傾斜屋根の軒側から棟側へ向かって順次一体型鋼板瓦を取り付ける方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の取付構造では、枠体を用いて太陽電池モジュール本体を保持する架台を瓦材に装着した一体型鋼板瓦を傾斜屋根の軒側から棟側に順に取り付ける構造であるが、枠体が一体となった太陽電池モジュールの取り付けも上記と同様に傾斜屋根の軒側から棟側に順に取り付けることができる。
【0004】
また、太陽電池モジュールを軒側から棟側に順に取り付ける構造においては、景観上、軒側の太陽電池モジュールの軒側先端部や、軒側の太陽電池モジュールと棟側の太陽電池モジュールとの隙間をカバーで覆うなどの工夫が必要となる。
【0005】
従来、太陽電池モジュールを取り付ける架台の先端に、太陽電池の位置決め片と化粧カバー取付片とを一体に備えた支持金具を固定し、位置決め片に太陽電池モジュールの軒側端部を当接し、化粧カバーの外側から挿入したビスを化粧カバー取付片のねじ穴にねじ込んで、化粧カバーで架台の先端と太陽電池モジュールの端部を覆うようにした太陽電池モジュールの支持装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
また、軒側の太陽電池モジュールと棟側の太陽電池モジュールの間隔を閉塞カバーで覆う構造として、上記閉塞カバーに固着される固定部材の固定部を、太陽電池モジュールの固定ブラケットと共に屋根材上に配置し、屋根側に釘等の固定具によって固定するものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4138697号公報(図31〜図37)
【特許文献2】特開平7−150718号公報(特許請求の範囲、図1,図6)
【特許文献3】特開2005−133503号公報(請求項6、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、傾斜屋根の野地板に固定した吊り子に太陽電池モジュール本体が取り付けられた一体型鋼板瓦を引っ掛け、一体型鋼板瓦の上端(棟側)に他の吊り子を引っ掛けて傾斜の高い棟側へ向かって引っ張り、その吊り子をビス等で固定して、傾斜屋根の軒側から棟側へ向かって順次一体型鋼板瓦を取り付ける構造であるため、取付作業が面倒である。また、特許文献1に記載の技術は、太陽電池モジュール本体が枠材を用いて保持する架台を瓦材に装着した一体型鋼板瓦を傾斜屋根の軒側から棟側に順に取り付ける構造であるため、太陽電池モジュールを直接傾斜屋根に敷設された架台に取り付けるには、取り付けるための部材が必要となり、更には、軒側の太陽電池モジュールの軒側先端部や、軒側の太陽電池モジュールと棟側の太陽電池モジュールとの隙間をカバーで覆うなどの工夫が必要となる。
【0009】
また、特許文献2に記載の技術は、化粧カバーで架台の先端と太陽電池モジュールの端部を覆う構造であるが、架台の先端部に固定される支持金具の化粧カバー取付片にビスをもって化粧カバーを固定するため、取付作業が面倒である。また、上記支持金具に設けられた位置決め片に太陽電池モジュールの軒側端部を当接する構造であるため、地震等の振動や風圧等によって、太陽電池モジュールが上方に浮き上がるのを防止するために固定手段が必要となる。
【0010】
また、特許文献3に記載の技術は、閉塞カバーで軒側の太陽電池モジュールと棟側の太陽電池モジュールの間隔を覆う構造であるが、閉塞カバーに固着される固定部材の固定部を、太陽電池モジュールの固定ブラケットと共に屋根材上に配置し、屋根側に釘等の固定具によって固定するため、取付作業が面倒である。
【0011】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、傾斜状の屋根に設置される太陽電池モジュールの取付及び保守・点検のための取外しを容易にし、かつ軒側の太陽電池モジュールの軒側先端部及び、軒側の太陽電池モジュールと棟側の太陽電池モジュールとの隙間をカバーで覆って景観の向上を図れるようにした太陽電池モジュールの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、この発明は、少なくとも軒側の太陽電池モジュールと1以上の棟側の太陽電池モジュールを、屋根部に傾斜状に敷設される縦ラックに設置するための太陽電池モジュールの取付構造であって、 上記各太陽電池モジュールの対向する2辺の下面に固定され、上記縦ラック上に摺動可能に載置される第1及び第2のモジュールベースと、上記縦ラックの軒側端部に固定部材によって固定される先端固定金具と、上記先端固定金具に立設される取付ブラケットに高さ調整可能に嵌合されて上記先端固定金具と上記縦ラックの軒側先端部を覆う軒カバーと、上記縦ラックの棟側部に固定部材によって固定される中間固定金具と、上記中間固定金具に立設される取付ブラケットに高さ調整可能に嵌合されて上記軒側の太陽電池モジュールと棟側の太陽電池モジュールの隙間を塞ぐと共に、上記中間固定金具を覆う間カバーと、上記縦ラックの更に棟側部に固定部材によって固定される後部固定金具と、を具備し、 上記軒側の太陽電池モジュールは、該太陽電池モジュールに固定された上記第1のモジュールベースの先端部に設けられた係止部が上記先端固定金具に設けられた係止受部に浮上り防止可能に係止されると共に、該太陽電池モジュールに固定された上記第2のモジュールベースの棟側に設けられた係止部が上記中間固定金具に設けられた係止受部に浮上り防止可能に係止され、上記棟側の太陽電池モジュールは、該太陽電池モジュールに固定された上記第1のモジュールベースの先端側に設けられた係止部が上記中間固定金具の軒側に設けられた係止受部に浮上り防止可能に係止されると共に、該太陽電池モジュールに固定された上記第2のモジュールベースの棟側に設けられた係止部が、上記中間固定金具の軒側に設けられた係止受部又は上記後部固定金具の軒側に設けられた係止受部に浮上り防止可能に係止される、ことを特徴とする。
【0013】
このように構成することにより、屋根部に傾斜状に敷設される縦ラックの軒側端部に固定した先端固定金具に設けられた係止受部に軒側の太陽電池モジュールの軒側を浮上り防止可能に係止し、該軒側の太陽電池モジュールの棟側を、縦ラックに固定された中間固定金具に設けられた係止受部に浮上り防止可能に係止することができる。また、中間固定金具に設けられた係止受部に棟側の太陽電池モジュールの軒側を浮上り防止可能に係止し、該棟側の太陽電池モジュールの棟側を、縦ラックに固定された後端固定金具に設けられた係止受部に浮上り防止可能に係止することができる。この場合、中間固定金具を複数用いることで、複数の棟側の太陽電池モジュールを上記と同様に、すなわち軒側に位置する中間固定金具に設けられた係止受部に、中間固定金具より棟側の太陽電池モジュールの軒側を浮上り防止可能に係止し、該棟側の太陽電池モジュールの棟側を、縦ラックに固定された別の中間固定金具又は後端固定金具に設けられた係止受部に浮上り防止可能に係止することができる。
【0014】
この発明において、上記第1及び第2のモジュールベースは、上記太陽電池モジュールの端部側面に当接する位置決め片と、太陽電池モジュールの下面に固定される固定片と、該固定片の両端から垂下する支持脚を有すると共に、太陽電池モジュールの端部側の支持脚の下端から横L字状に突設される係止部を有し、上記先端固定金具は、上記縦ラックの上面に固定される固定片の先端に上記縦ラックの先端に当接する当接片を有すると共に、上記固定片の棟側端部にクランク状に屈曲される係止受部を有し、上記中間固定金具及び上記後端固定金具は、上記縦ラックに固定される固定片の軒側端部に、上記モジュールベースに設けられた係止部の上方に位置する押え片と、該押え片の先端から屈曲される垂下片とからなる係止受部を有すると共に、固定片の棟側端部に、上記モジュールベースに設けられる係止部の上方に位置する押え片からなる係止受部を有する方が好ましい。この場合、上記第1及び第2のモジュールベースは、上記固定片の下部における太陽電池モジュールの端部側の上記支持脚に近接する部位に補助支持脚を垂下してなり、上記両支持脚及び補助支持脚の下端面が上記縦ラックの上面に摺動可能に載置される方が更に好ましい。
【0015】
このように構成することにより、軒側の太陽電池モジュールの軒側端部に固定されるモジュールベースに設けられた横L字状の係止部が、縦ラックに固定された先端固定金具に設けられたクランク状に屈曲される係止受部に係止し、該軒側の太陽電池モジュールの棟側端部に固定されるモジュールベースに設けられた横L字状の係止部が、縦ラックに固定される中間固定金具に設けられた係止受部を構成する係止部の上方に位置する押え片の先端から屈曲される垂下片に係止された状態で取り付けられる。また、棟側の太陽電池モジュールの軒側端部に固定されるモジュールベースに設けられた横L字状の係止部が、上記中間固定金具に設けられた押え片に浮上り防止可能に係止し、該棟側の太陽電池モジュールの棟側端部に固定されるモジュールベースに設けられた横L字状の係止部が、縦ラックに固定された上記中間固定金具又は後端固定金具に設けられた係止受部を構成する係止部の上方に位置する押え片の先端から屈曲される垂下片に係止された状態で取り付けられる。
【0016】
この場合、第1及び第2のモジュールベースは、固定片の下部における太陽電池モジュールの端部側の支持脚に近接する部位に補助支持脚を垂下する構造とすることにより、太陽電池モジュールに対するモジュールベースの位置決め(平行度)が容易となり、また、両支持脚及び補助支持脚の下端面が縦ラックの上面に摺動可能に載置されるので、太陽電池モジュールの取付を容易にすることができる。
【0017】
また、この発明において、上記縦ラックは、上端に狭隘開口部を有するチャンネル状部材にて形成され、上記先端固定金具、中間固定金具及び後端固定金具を固定する上記固定部材は、それぞれ上記縦ラックの狭隘開口部内に遊挿可能な矩形基部と、該矩形基部の長手方向の対角部から垂下されて上記縦ラックの両側壁に係止可能な一対の係止片と、上記矩形基部に立設され、上記縦ラックの狭隘開口部と上記先端固定金具、中間固定金具及び後端固定金具と上記取付ブラケットに設けられた取付孔を貫通する固定ボルトと、該固定ボルトにねじ結合する固定ナットと、具備する方が好ましい。この場合、上記係止片には固定孔を設け、上記縦ラックの側壁に取付孔を設け、上記縦ラックの外方から上記取付孔を介して上記固定孔に回転阻止部材を嵌挿固定してなる方が好ましい。
【0018】
このように構成することにより、固定部材の矩形基部を縦ラックの狭隘開口部内に配置した状態で固定ボルトを先端固定金具及び取付ブラケットに設けられた取付孔、中間固定金具及び取付ブラケットに設けられた取付孔又は後端固定金具に設けられた取付孔を貫通して、上方から固定ボルトをねじ結合することができる。これにより、先端固定金具と取付ブラケット、中間固定金具と取付ブラケット又は後端固定金具を上方からの操作によって容易に固定することができる。
【0019】
この場合、固定部材の係止片に固定孔を設け、縦ラックの側壁に取付孔を設け、縦ラックの外方から取付孔を介して固定孔に回転阻止部材を嵌挿固定例えばねじ結合することにより、固定部材の回転が阻止されて固定状態を保持することができ、先端固定金具、中間固定金具及び後部固定金具の固定を確実にすることができる。
【0020】
また、この発明において、上記先端固定金具に立設される取付ブラケットは、先端固定金具の上面に固定される固定部の両端から起立し対峙する一対の保持片を有すると共に、両保持片の対向する内面に上下方向に沿う鋸歯状の係止保持部を形成し、上記軒カバーは、上部水平片と、該上部水平片の一端から下方に向かって傾斜状に屈曲される傾斜片と、該傾斜片の下端に垂下する垂下片からなる軒カバー本体と、上記上部水平片の下部及び傾斜片の上部から垂下される一対の取付片と、を有し、上記両取付片の外側面に上記係止保持部に多段的に嵌合可能な鋸歯状の係止部を形成してなり、上記上部水平片を上記太陽電池モジュールの上面と同一面上に高さ調整可能に形成してなる方が好ましい。
【0021】
このように構成することにより、先端固定金具に立設された取付ブラケットに設けられた対峙する一対の保持片の対向する内面に形成された上下方向に沿う鋸歯状の係止保持部と、軒カバーに設けられる一対の取付片の外側面に形成された鋸歯状の係止部とを多段的に嵌合して軒カバーの高さ調整を行うことができ、軒カバーの上部水平片を高さの異なる太陽電池モジュールの上面と同一面上に位置させることができる。
【0022】
加えて、この発明において、上記中間固定金具に立設される取付ブラケットは、中間固定金具の上面に固定される固定部の両端から起立し対峙する一対の保持片を有すると共に、両保持片の対向する内面に上下方向に沿う鋸歯状の係止保持部を形成し、上記間カバーは、上部水平片と、該上部水平片の下部から垂下される一対の取付片と、を有し、上記両取付片の外側面に上記係止保持部に多段的に嵌合可能な鋸歯状の係止部を形成してなり、上記上部水平片を上記太陽電池モジュールの上面と同一面上に高さ調整可能に形成してなる方が好ましい。
【0023】
このように構成することにより、中間固定金具に立設された取付ブラケットに設けられた対峙する一対の保持片の対向する内面に形成された上下方向に沿う鋸歯状の係止保持部と、間カバーに設けられる一対の取付片の外側面に形成された鋸歯状の係止部とを多段的に嵌合して間カバーの高さ調整を行うことができ、間カバーの上部水平片を高さの異なる太陽電池モジュールの上面と同一面上に位置させることができる。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、上記のように構成されているので、傾斜状の屋根に設置される太陽電池モジュールの取付及び保守・点検のための取外しを容易にし、かつ軒側の太陽電池モジュールの軒側先端部及び、軒側の太陽電池モジュールと棟側の太陽電池モジュールとの隙間をカバーで覆って景観の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明に係る太陽電池モジュールの取付構造の一例を示す概略断面図である。
【図2】この発明における軒側の太陽電池モジュールの軒側の取付構造を示す断面図である。
【図3】この発明における軒側の太陽電池モジュールと棟側の太陽電池モジュールの取付構造を示す断面図である。
【図4】この発明におけるモジュールベースを示す斜視図である。
【図5】この発明における縦ラックの断面斜視図(a)及び縦ラックの断面図(b)である。
【図6】この発明における先端固定金具の下方斜視図(a)、平面図(b)及び正面図(c)である。
【図7】この発明における固定部材の取付状態を示す平面図(a)、正面図(b)及び側面図(c)である。
【図8】上記固定部材の分解斜視図である。
【図9】この発明における軒カバーの斜視図である。
【図10】この発明における取付ブラケットの斜視図(a)、(a)のI−I線に沿う断面図(b)である。
【図11】この発明における中間固定金具の上方斜視図(a)、平面図(b)及び(b)のII−II線に沿う断面図(c)である。
【図12】この発明における間カバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、この発明に係る太陽電池モジュールの取付構造の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
図1は、この発明に係る太陽電池モジュールの取付構造の一例を示す概略断面図で、軒側の太陽電池モジュール1Aと1つの軒側の太陽電池モジュール1Bとを屋根部に傾斜状に敷設される縦ラック10に設置する実施形態を示す。
【0028】
この実施形態における太陽電池モジュールの取付構造は、各太陽電池モジュール1A,1Bの対向する2辺の下面に固定され、縦ラック10上に摺動可能に載置される第1及び第2のモジュールベース20と、縦ラック10の軒側端部に固定部材30によって固定される先端固定金具40と、先端固定金具40に立設される取付ブラケット70に高さ調整可能に嵌合されて先端固定金具40と縦ラック10の軒側先端部を覆う軒カバー80と、縦ラック10の棟側部に固定される中間固定金具50と、中間固定金具50に立設される取付ブラケット70に高さ調整可能に嵌合されて軒側の太陽電池モジュール1A(以下に軒側モジュール1Aという)と棟側の太陽電池モジュール1B(以下に棟側モジュール1Bという)の隙間を塞ぐと共に、中間固定金具50を覆う間カバー90と、縦ラック10の更に棟側部に固定される後部固定金具60と、を具備している。
【0029】
この実施形態では、太陽電池モジュール1A,1B(以下にモジュール1A,1Bという)の軒側と棟側の対向する2辺には、第1及び第2のモジュールベース20A,20Bが添接されている。第1及び第2のモジュールベース20A,20Bは同様に形成されており、例えばアルミニウム合金製の押出形材にて形成されている。この第1及び第2のモジュールベース20A,20Bは、図2ないし図4に示すように、モジュール1A,1Bの下面に固定される固定片21の両端から垂下する一対の支持脚22a,22bを有すると共に、モジュール1A,1Bの端部側の支持脚22aの下端から横L字状に突設される係止部23を有し、固定片21の一端には、モジュール1A,1Bの端部側面に当接する位置決め片24が立設されている。また、第1及び第2のモジュールベース20A,20Bは、固定片21の下部におけるモジュール1A,1Bの端部側の支持脚22aに近接する部位には、補助支持脚25が垂下されており、補助支持脚25の下端及び補助支持脚25の下端面が縦ラック10の上面に摺動可能に載置されるようになっている。また、モジュールベース20A,20Bの固定片21には取付孔21aが穿設されており、下方から取付孔21aを貫通する取付ボルト26がモジュール1A,1Bの四辺に配置されたフレーム2に設けられた取付孔(図示せず)を貫通し、その突出部にナット27がねじ結合されることで、モジュール1A,1Bの端部下面に固定される。
【0030】
上記のように形成されるモジュールベース20A,20Bは、位置決め片24をモジュール1A,1Bの端部側面に当接した状態で、固定片21をモジュール1A,1Bの下面に固定するので、モジュール1A,1Bに対するモジュールベース20A,20Bの位置決め(平行度)が容易となる。また、両支持脚22a,22bと補助支持脚25の下端面が縦ラック10の上面に摺動可能に載置されて、軒側にスライドされるので、モジュール1A,1Bの取付を容易にすることができる。
【0031】
上記縦ラック10は、例えばアルミニウム合金製の押出形材にて形成されており、図5に示すように、底壁11の長手方向に沿う両側片には一対の側壁12が直交状に折曲し、両側壁12の上端に直交状に折曲する上部壁13の中央部に狭隘開口部14を有する断面矩形状のチャンネル状部材にて形成されており、底壁11の長手方向に沿う中心部の適宜位置には、縦ラック10を屋根側の支持金具3に取り付けるための取付ボルト18を貫通する取付孔15が穿設されている。この場合、取付孔15は長孔にて形成されているが、長孔に代えて円形孔であってもよい。また、縦ラック10の底壁11における取付孔15に関して両側には縦ラック10の長手方向に沿う複数の凹凸細条16が形成されている。この凹凸細条16は、上記取付ボルト18を支持金具3にねじ結合して縦ラック10を支持金具3に固定する際に、取付ボルト18の頭部18aが凹凸細条16に食い込んで、取付ボルト26の弛みが防止されるようになっている。
【0032】
また、縦ラック10の軒側の先端部側の側壁12には、複数例えば2つの取付孔17が穿設されており、後述する固定部材30に設けられた係止片32に設けられた固定孔32aに、縦ラック10の外方から取付孔17を介して挿入される回転阻止部材例えば回転阻止用ボルト100を嵌挿固定すなわち、回転阻止用ボルト100を固定孔32aにねじ結合することで、固定部材30の回転が阻止されて固定状態を保持することができる。なお、この場合、取付孔17は固定部材30の係止片32の固定孔32aより大きい孔径に形成されている。このようにすることにより、固定孔32aと取付孔17の位置が若干ずれた場合でも、回転阻止用ボルト100を固定孔32aにねじ結合することができる。また、ここでは取付孔17を複数(図では2個)設ける場合について説明したが、取付孔17を長孔にしてもよい。
【0033】
上記先端固定金具40は、例えばステンレス製部材にて形成されており、図6に示すように、固定部材30によって縦ラック10の上端部に固定される固定片41の先端に縦ラック10の先端に当接する当接片42を有すると共に、固定片41の棟側端部にクランク状に屈曲される係止受部43を有し、固定片41の中央部には、後述する固定部材30の固定ボルト33が嵌挿可能な取付孔41aが抜けられている。なお、固定片41の当接片42と係止受部43を有する辺部と直交する両辺部の中央部には、起立片44が上方に向かって屈曲されている。
【0034】
また、中間固定金具50及び後部固定金具60は同様に形成されており、例えばステンレス製部材にて形成されている。この中間固定金具50及び後部固定金具60は、図11に示すように、縦ラック10に固定される固定片51の軒側端部に、モジュールベース20A,20Bに設けられた係止部23の上方に位置する押え片52aと、該押え片52aの先端から屈曲される垂下片52bとからなる係止受部52を有すると共に、固定片51の棟側端部辺の中央部に、モジュールベース20A,20Bに設けられる係止部23の上方に位置する係止受部を形成する舌片状の押え片53を有している。なお、固定片51の中央部には、後述する固定部材30の固定ボルト33が嵌挿可能な取付孔51aが抜けられている。また、固定片51の棟側端部辺の中央部以外は下方に屈曲される一対の垂下片54が設けられている。また、固定片51の係止受部52と押え片53を有する辺部と直交する両辺部の中央部には、起立片55が上方に向かって屈曲されている。
【0035】
上記固定部材30は、例えばステンレス製部材にて形成されており、図7及び図8に示すように、上記縦ラック10の狭隘開口部14内に遊挿可能な幅を有する矩形基部31と、該矩形基部31の長手方向の対角部から垂下されて縦ラック10の両側壁12に係止可能な一対の係止片32と、矩形基部31に立設され、縦ラック10の狭隘開口部14と先端固定金具40、中間固定金具50及び後部固定金具60と取付ブラケット70に設けられた取付孔41a,51a,51aを貫通する固定ボルト33と、該固定ボルト33にねじ結合する固定ナット34と、を具備している。なお、固定ボルト33と固定ナット34にはばね座がね35と平座金36が介在される。
【0036】
軒カバー80は、例えばアルミニウム合金製の押出形材にて形成されており、図9に示すように、軒側の太陽電池モジュール1Aの上面と同一面上に位置可能な上部水平片81と、該上部水平片81の一端から下方に向かって傾斜状に屈曲されて先端固定金具40を外部から覆う傾斜片82と、傾斜片82の下端から垂下されて縦ラック10の軒側端部を外部から覆う垂下片83とからなる軒カバー本体84と、上部水平片81の下部及び傾斜片82の上部から段部85を介して垂下される一対の取付片86と、を有し、両取付片86の外側面に後述する取付ブラケット70に形成される鋸歯状の係止保持部73に多段的に嵌合可能な鋸歯状の係止部87が形成されている。なお、一対の取付片86の中間部は水平連結片88にて連結されて、取付片86の強度が保持されている。また、水平連結片88の中間の上部及び傾斜片82と垂下片83の連結部には、断面略C字状のビスポケット89が設けられており、図示しない軒サイドカバーがビス止めされるようになっている。
【0037】
また、間カバー90は、例えばアルミニウム合金製の押出形材にて形成されており、図12に示すように、軒側モジュール1Aの上面及び棟側モジュール1Bの上面と同一面上に位置可能な上部水平片91と、該上部水平片91の下部から垂下される一対の取付片92と、を有し、両取付片92の外側面に、後述する取付ブラケット70に設けられる鋸歯状の係止保持部73に多段的に嵌合可能な鋸歯状の係止部93を形成されている。なお、一対の取付片92の中間部は水平連結片94にて連結されて、取付片92の強度が保持されている。また、上部水平片91と一方の取付片92の連結部及び他方の取付片92と水平連結片94の連結部には、断面略C字状のビスポケット95が設けられており、図示しない間サイドカバーがビス止めされるようになっている。
【0038】
一方、取付ブラケット70は、例えばアルミニウム合金製の押出形材にて形成されており、図10に示すように、先端固定金具40又は中間固定金具50の上面に固定される矩形状の固定部71の両端から起立し対峙する一対の保持片72を有すると共に、両保持片72の対向する内面に上下方向に沿う鋸歯状の係止保持部73を形成してなる。固定部の中心部には、固定部材30の固定ボルト33が嵌挿可能な取付孔71aが穿設されている。
【0039】
上記取付ブラケット70は、縦ラック10の軒側の先端部に取り付けられる先端固定金具40又は縦ラック10の棟側の適宜位置に取り付けられる中間固定金具50と共に固定部材30によって縦ラック10に固定される。すなわち、固定部材30の矩形基部31を縦ラック10の狭隘開口部14内から縦ラック10の内方に配置し、固定ボルト33を狭隘開口部14から突出した状態で、固定ボルト33に取付孔71aを介して先端固定金具40又は中間固定金具50を載置すると共に、取付孔71aを介して取付ブラケット70を載置する。そして、平座金36及びばね座金35を介して固定ボルト33に固定ナット34をねじ結合すると、固定部材30の矩形基部31が軸方向に回転して係止片32が縦ラック10の側壁12に係止(当接)して以後の回転が阻止され、縦ラック10の上面に先端固定金具40又は中間固定金具50と取付ブラケット70が固定(締結)され、先端固定金具40又は中間固定金具50に取付ブラケット70が一体的に立設される。この状態では固定部材30の係止片32が縦ラック10の側壁12に係止(当接)しており、係止片32に設けられた固定孔32aが縦ラック10の側壁12に設けられた取付孔17と合致する位置にある。そこで、縦ラック10の外方から取付孔17を介して固定孔32aに回転阻止部材である回転阻止用ボルト100をねじ込んで固定部材30の移動を阻止する。
【0040】
次に、軒側モジュール1Aと棟側モジュール1Bの取付手順(施工手順)について説明する。まず、モジュール1A,1Bを設置する屋根部の傾斜面に沿って複数の縦ラック10を平行に固定(敷設)する。また、予めモジュール1A,1Bの軒側及び棟側に位置する両端部の下面に第1及び第2のモジュールベース20A,20Bを取付ボルト26によって固定する。この際、モジュール1A,1Bの端部側面に位置決め片24を当接してモジュール1A,1Bの下面に固定片21を当接して、取付ボルト26によって固定する。
【0041】
次に、縦ラック10の軒側端部に固定部材30によって先端固定金具40と取付ブラケット70を取り付ける。先端固定金具40と取付ブラケット70の取付は、上述したように、固定部材30の矩形基部31を縦ラック10の狭隘開口部14内から縦ラック10の内方に配置し、固定ボルト33を狭隘開口部14から突出した状態で、固定ボルト33に取付孔41aを介して先端固定金具40を載置すると共に、取付孔71aを介して取付ブラケット70を載置する。そして、平座金36及びばね座金35を介して固定ボルト33に固定ナット34をねじ結合して、縦ラック10の上面に先端固定金具40と取付ブラケット70を固定(締結)して、先端固定金具40に取付ブラケット70を一体的に立設する。この状態で、縦ラック10の外方から取付孔17を介して固定孔32aに回転阻止部材である回転阻止用ボルト100をねじ込んで固定部材30の移動を阻止する。
【0042】
次に、先端固定金具40に立設された取付ブラケット70の保持片72に形成された係止保持部73に軒カバー80の取付片86に形成された係止部87を多段的に嵌合して軒側モジュール1Aの高さに合わせて高さ調整する。この軒カバー80の側方開口端に軒サイドカバー(図示せず)をビス止めする。
【0043】
次に、軒側モジュール1Aを縦ラック10上に載置し、縦ラック10上をスライドさせて、第1のモジュールベース20Aの係止部23を先端固定金具40の係止受部43に係止させて、浮上り防止可能に取り付ける(図1及び図2参照)。軒側モジュール1Aを取り付ける際、軒側モジュール1Aに固定されたモジュールベース20A,20Bの支持脚22a,22b及び補助支持脚25が縦ラック10上を摺動(スライド)するので、軒側モジュール1Aの取付を容易にすることができる。
【0044】
次に、先端固定金具40に取り付けられた軒側モジュール1Aの棟側端部が位置する縦ラック10に、固定部材30によって中間固定金具50と取付ブラケット70を取り付けて、軒側モジュール1Aの棟側の第2のモジュールベース20Bに設けられた係止部23に中間固定金具50の係止受部52を係止する。この状態において、第2のモジュールベース20Bに設けられた横L字状の係止部23に中間固定金具50に設けられた係止受部52の押え片52aと垂下片52bが係合して、軒側モジュール1Aの浮上りが防止される(図1及び図3参照)。
【0045】
なお、中間固定金具50と取付ブラケット70の取付は、先端固定金具40の取付と同様に、固定部材30の矩形基部31を縦ラック10の狭隘開口部14内から縦ラック10の内方に配置し、固定ボルト33を狭隘開口部14から突出した状態で、固定ボルト33に取付孔51aを介して中間固定金具50を載置すると共に、取付孔71aを介して取付ブラケット70を載置する。そして、平座金36及びばね座金35を介して固定ボルト33に固定ナット34をねじ結合して、縦ラック10の上面に中間固定金具50と取付ブラケット70を固定(締結)して、中間固定金具50に取付ブラケット70を一体的に立設する。
【0046】
次に、中間固定金具50に立設された取付ブラケット70の保持片72に形成された係止保持部73に間カバー90の取付片86に形成された係止部87を多段的に嵌合して軒側モジュール1Aの高さに合わせて高さ調整する。この間カバー80の側方開口端に間サイドカバー(図示せず)をビス止めする。
【0047】
次に、棟側モジュール1Bを縦ラック10上に載置し、縦ラック10上をスライドさせて、第1のモジュールベース20Aの係止部23を中間固定金具50の係止受部である押え片53に係止させて、浮上り防止可能に取り付ける(図1及び図3参照)。棟側モジュール1Bを取り付ける際、棟側モジュール1Bに固定されたモジュールベース20A,20Bの支持脚22a,22b及び補助支持脚25が縦ラック10上を摺動(スライド)するので、軒側モジュール1Aの取付を容易にすることができる。
【0048】
次に、中間固定金具50に取り付けられた棟側モジュール1Bの棟側端部が位置する縦ラック10に、固定部材30によって後部固定金具60を取り付けて、棟側モジュール1Bの棟側の第2のモジュールベース20Bに設けられた係止部23に後部固定金具60の係止受部52を係止する。この状態において、第2のモジュールベース20Bに設けられた横L字状の係止部23に後部固定金具60に設けられた係止受部52の押え片52aと垂下片52bが係合して、棟側モジュール1Bの浮上りが防止される(図1参照)。
【0049】
上記実施形態では、軒側モジュール1Aと1枚の棟側モジュール1Bを取り付ける場合について説明したが、棟側モジュール1Bを複数枚取り付ける場合は、後部固定金具60の係止受部である押え片53に、2枚目の棟側モジュール1Bに固定された第1のモジュールベース20Aの係止部23を係止させて、浮上り防止可能に取り付けることができる。以下同様の操作を繰り返して3枚目以降の棟側モジュール1Bを取り付けることができる。なお、2枚目以降の最棟側の棟側モジュール1Bの棟側端部に固定された第2のモジュールベース20Bに設けられた横L字状の係止部23に後部固定金具60に設けられた係止受部52の押え片52aと垂下片52bを係合して、棟側モジュール1Bを浮上りが防止可能に取り付ける。
【0050】
上記実施形態の太陽電池モジュールの取付構造によれば、軒側モジュール1Aは、該軒側モジュール1Aに固定された第1のモジュールベース20Aの先端部に設けられた係止部23が先端固定金具40に設けられた係止受部43に浮上り防止可能に係止されると共に、軒側モジュール1Aに固定された第2のモジュールベース20Bの棟側に設けられた係止部23が中間固定金具50に設けられた係止受部であるおさえ片53に浮上り防止可能に係止され、棟側モジュール1Bは、該棟側モジュール1Bに固定された第1のモジュールベース20Aの先端側に設けられた係止部23が中間固定金具50の軒側に設けられた係止受部52に浮上り防止可能に係止されると共に、棟側モジュール1Bに固定された第2のモジュールベース20Bの棟側に設けられた係止部23が後部固定金具60の軒側に設けられた係止受部52に浮上り防止可能に係止することができる。
【0051】
したがって、上記実施形態の太陽電池モジュールの取付構造を用いることにより、太陽電池モジュール1A,1Bを縦ラック10の軒側から棟側に順次組み付けて取り付けることができるので、作業者は太陽電池モジュール1A,1Bに乗ることなく、容易に取付作業を行うことができる。また、太陽電池モジュール1A,1Bの保守・点検の際には、容易に太陽電池モジュール1A,1Bを取り外すことができる。
【符号の説明】
【0052】
1A 軒側モジュール(軒側の太陽電池モジュール)
1B 棟側モジュール(棟側の太陽電池モジュール)
10 縦ラック
12 側壁
14 狭隘開口部
17 取付孔
20A 第1のモジュールベース
20B 第2のモジュールベース
22a,22b 支持脚
23 係止部
24 位置決め片
25 補助支持脚
30 固定部材
31 矩形基部
32 係止片
33 固定ボルト
33a 固定孔
34 固定ナット
40 先端固定金具
41 固定片
43 係止受部
50 中間固定金具
51 固定片
52 係止受部
52a 押え片
52b 垂下片
53 押え片(係止受部)
60 後部固定金具
70 取付ブラケット
71 固定部
72 保持片
73 鋸歯状係止保持部
80 軒カバー
81 上部水平片
82 傾斜片
83 垂下片
84 軒カバー本体
86 取付片
87 鋸歯状係止部
90 間カバー
91 上部水平片
92 取付片
93 鋸歯状係止部
100 回転阻止用ボルト(回転阻止部材)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも軒側の太陽電池モジュールと1以上の棟側の太陽電池モジュールを、屋根部に傾斜状に敷設される縦ラックに設置するための太陽電池モジュールの取付構造であって、
上記各太陽電池モジュールの対向する2辺の下面に固定され、上記縦ラック上に摺動可能に載置される第1及び第2のモジュールベースと、上記縦ラックの軒側端部に固定部材によって固定される先端固定金具と、上記先端固定金具に立設される取付ブラケットに高さ調整可能に嵌合されて上記先端固定金具と上記縦ラックの軒側先端部を覆う軒カバーと、上記縦ラックの棟側部に固定部材によって固定される中間固定金具と、上記中間固定金具に立設される取付ブラケットに高さ調整可能に嵌合されて上記軒側の太陽電池モジュールと棟側の太陽電池モジュールの隙間を塞ぐと共に、上記中間固定金具を覆う間カバーと、上記縦ラックの更に棟側部に固定部材によって固定される後部固定金具と、を具備し、
上記軒側の太陽電池モジュールは、該太陽電池モジュールに固定された上記第1のモジュールベースの先端部に設けられた係止部が上記先端固定金具に設けられた係止受部に浮上り防止可能に係止されると共に、該太陽電池モジュールに固定された上記第2のモジュールベースの棟側に設けられた係止部が上記中間固定金具に設けられた係止受部に浮上り防止可能に係止され、上記棟側の太陽電池モジュールは、該太陽電池モジュールに固定された上記第1のモジュールベースの先端側に設けられた係止部が上記中間固定金具の軒側に設けられた係止受部に浮上り防止可能に係止されると共に、該太陽電池モジュールに固定された上記第2のモジュールベースの棟側に設けられた係止部が、上記中間固定金具の軒側に設けられた係止受部又は上記後部固定金具の軒側に設けられた係止受部に浮上り防止可能に係止される、
ことを特徴とする太陽電池モジュールの取付構造。
【請求項2】
請求項1記載の太陽電池モジュールの取付構造において、
上記第1及び第2のモジュールベースは、上記太陽電池モジュールの端部側面に当接する位置決め片と、太陽電池モジュールの下面に固定される固定片と、該固定片の両端から垂下する支持脚を有すると共に、太陽電池モジュールの端部側の支持脚の下端から横L字状に突設される係止部を有し、上記先端固定金具は、上記縦ラックの上面に固定される固定片の先端に上記縦ラックの先端に当接する当接片を有すると共に、上記固定片の棟側端部にクランク状に屈曲される係止受部を有し、上記中間固定金具及び上記後端固定金具は、上記縦ラックに固定される固定片の軒側端部に、上記モジュールベースに設けられた係止部の上方に位置する押え片と、該押え片の先端から屈曲される垂下片とからなる係止受部を有すると共に、固定片の棟側端部に、上記モジュールベースに設けられる係止部の上方に位置する押え片からなる係止受部を有する、ことを特徴とする太陽電池モジュールの取付構造。
【請求項3】
請求項2記載の太陽電池モジュールの取付構造において、
上記第1及び第2のモジュールベースは、上記固定片の下部における太陽電池モジュールの端部側の上記支持脚に近接する部位に補助支持脚を垂下してなり、上記両支持脚及び補助支持脚の下端面が上記縦ラックの上面に摺動可能に載置される、ことを特徴とする太陽電池モジュールの取付構造。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の太陽電池モジュールの取付構造において、
上記縦ラックは、上端に狭隘開口部を有するチャンネル状部材にて形成され、上記先端固定金具、中間固定金具及び後端固定金具を固定する上記固定部材は、それぞれ上記縦ラックの狭隘開口部内に遊挿可能な矩形基部と、該矩形基部の長手方向の対角部から垂下されて上記縦ラックの両側壁に係止可能な一対の係止片と、上記矩形基部に立設され、上記縦ラックの狭隘開口部と上記先端固定金具、中間固定金具及び後端固定金具と上記取付ブラケットに設けられた取付孔を貫通する固定ボルトと、該固定ボルトにねじ結合する固定ナットと、を具備する、ことを特徴とする太陽電池モジュールの取付構造。
【請求項5】
請求項4に記載の太陽電池モジュールの取付構造において、
上記係止片には固定孔を設け、上記縦ラックの側壁に取付孔を設け、上記縦ラックの外方から上記取付孔を介して上記固定孔に回転阻止部材を嵌挿固定してなる、ことを特徴とする太陽電池モジュールの取付構造。
【請求項6】
請求項1記載の太陽電池モジュールの取付構造において、
上記先端固定金具に立設される取付ブラケットは、先端固定金具の上面に固定される固定部の両端から起立し対峙する一対の保持片を有すると共に、両保持片の対向する内面に上下方向に沿う鋸歯状の係止保持部を形成し、上記軒カバーは、上部水平片と、該上部水平片の一端から下方に向かって傾斜状に屈曲される傾斜片と、該傾斜片の下端に垂下する垂下片からなる軒カバー本体と、上記上部水平片の下部及び傾斜片の上部から垂下される一対の取付片と、を有し、上記両取付片の外側面に上記係止保持部に多段的に嵌合可能な鋸歯状の係止部を形成してなり、上記上部水平片を上記太陽電池モジュールの上面と同一面上に高さ調整可能に形成してなる、ことを特徴とする太陽電池モジュールの取付構造。
【請求項7】
請求項1記載の太陽電池モジュールの取付構造において、
上記中間固定金具に立設される取付ブラケットは、中間固定金具の上面に固定される固定部の両端から起立し対峙する一対の保持片を有すると共に、両保持片の対向する内面に上下方向に沿う鋸歯状の係止保持部を形成し、上記間カバーは、上部水平片と、該上部水平片の下部から垂下される一対の取付片と、を有し、上記両取付片の外側面に上記係止保持部に多段的に嵌合可能な鋸歯状の係止部を形成してなり、上記上部水平片を上記太陽電池モジュールの上面と同一面上に高さ調整可能に形成してなる、ことを特徴とする太陽電池モジュールの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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