説明

太陽電池モジュール取付具及び太陽電池装置

【課題】不陸調整が容易な太陽電池モジュール取付具及びそれを用いて構成した太陽電池装置を提供する。
【解決手段】太陽電池モジュール取付具は、ベース1と、受け具2と、高さ調整具3と、調整ボルト4と、押さえ具5とを備え、受け具は、ベースに取り付けてあって係合部23を有しており、高さ調整具は、受け具の係合部に係合していて、受け具に対して上下方向軸周りに回転不能でありかつ上下方向に移動自在であって、太陽電池モジュール6の端部を載せる載置部31を有しており、調整ボルトは、高さ調整具に上側から螺合しておりかつ下側への移動を規制してあり、押さえ具は、太陽電池モジュールの端部を上側から押さえるものである。また、太陽電池装置は、太陽電池モジュールと、上記太陽電池モジュール取付具とを備え、高さ調整具の載置部に太陽電池モジュールの端部を載せてあって、押さえ具が太陽電池モジュールの端部を上側から押さえている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールを屋根に固定するための太陽電池モジュール取付具及びそれを用いて構成した太陽電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建築物の屋根に設置する太陽電池装置が広く普及している。一般に太陽電池装置は、平板形状の太陽電池モジュールを複数枚並べて構成するものであって、屋根に太陽電池モジュールを一枚ずつ取り付けるものであり、その取付構造について種々のものが提案されている。図9(a)に示すものはその一例であり、この取付具は、屋根に固定するベース部材101と、ベース部材101の上に取り付ける押さえ部材102とを備える。ベース部材101の上面には取付溝103を形成してあり、取付溝103の両側壁には返し片104を形成してあって、取付溝103内に取付ボルト105の頭部を挿入してある。そして押さえ部材102にはボルト孔を形成しあって、ボルト孔に取付ボルト105の軸を通し、取付ナット106を締めて固定してある。この押さえ部材102は、上端部の水平方向両端に水平片107を有しており、水平片107とベース部材101とで太陽電池モジュール108を挟み込んで固定する。
【0003】
ところで、実際にこのような取付具を用いて太陽電池モジュールを設置する際には、太陽電池モジュールがねじれないように不陸調整を行うことが重要である。この取付具において太陽電池モジュール108の取り付け高さを調整するには、図9(b)に示すように、スペーサ109を用いる。スペーサ109は矩形の平板で切欠部110を有しており、取付ボルト105の軸を切欠部110に通して、ベース部材101と押さえ部材102の間に挿入する。このスペーサ109は、異なる厚さのものが複数種類用意されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、不陸調整のために、各取付具に適切な厚さのスペーサを挿入する作業には手間がかかり、作業性が悪かった。また、スペーサの数が足りなくなった場合、作業を中断せざるを得なかった。さらに、スペーサの厚さ単位でしか高さを調整することができない点や、スペーサ分の部品代が余計にかかる点も問題であった。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、不陸調整が容易な太陽電池モジュール取付具及びそれを用いて構成した太陽電池装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のうち請求項1の発明は、ベースと、受け具と、高さ調整具と、調整ボルトと、押さえ具とを備え、受け具は、ベースに取り付けてあって係合部を有しており、高さ調整具は、受け具の係合部に係合していて、受け具に対して上下方向軸周りに回転不能でありかつ上下方向に移動自在であって、太陽電池モジュールの端部を載せる載置部を有しており、調整ボルトは、高さ調整具に上側から螺合しておりかつ下側への移動を規制してあり、押さえ具は、太陽電池モジュールの端部を上側から押さえるものであることを特徴とする。
【0007】
本発明のうち請求項2の発明は、太陽電池モジュールと、請求項1記載の太陽電池モジュール取付具とを備え、高さ調整具の載置部に太陽電池モジュールの端部を載せてあって、押さえ具が太陽電池モジュールの端部を上側から押さえていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のうち請求項1の発明によれば、調整ボルトを締める方向に回すと、調整ボルト自身は下側への移動を規制されているので、これと螺合している高さ調整具が上昇する。そして逆に調整ボルトを緩める方向に回すと、高さ調整具が下降する。よって、調整ボルトを回すだけで容易に不陸調整が可能であるから、作業性が良好である。また、調整ボルトの回転により高さ調整具の高さ位置が変化するので、無段階に高さを調節することができ、微調整も容易である。
【0009】
本発明のうち請求項2の発明によれば、設置時における不陸調整が容易な太陽電池装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の太陽電池モジュール取付具の斜視図である。
【図2】太陽電池モジュール取付具の分解斜視図である。
【図3】高さ調整についての説明図であり、(a)は高さ調整具を下げた状態、(b)は高さ調整具を上げた状態を示す。
【図4】太陽電池装置の棟側端部に取り付けた太陽電池モジュール取付具の断面図である。
【図5】太陽電池装置の軒先側端部に取り付けた太陽電池モジュール取付具の断面図である。
【図6】太陽電池装置の全体図である。
【図7】太陽電池モジュール取付具の第二実施形態の断面図である。
【図8】太陽電池モジュール取付具の第三実施形態の断面図である。
【図9】従来の太陽電池モジュール取付具の説明図であり、(a)はスペーサ未挿入状態、(b)はスペーサ挿入状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下において前後左右とは、図1、図2及び図6に示した方向のことであり、前側が軒先側、後側が棟側に相当する。この太陽電池モジュール取付具の第一実施形態は、太陽電池モジュールを屋根に固定して、太陽電池装置を構成するためのものである。太陽電池モジュール6は矩形平板形状であって、図1に示すように、前端面及び後端面に係合突起61を設けてある。係合突起61は、略L字形状で先端が上側を向いており、左右方向の全長にわたって延びている。また、下面の前端部及び後端部には、係合溝62を形成してある。係合溝62は、下側に向けて溝幅が広がる断面台形形状であって、左右方向の全長にわたって延びている。本発明の太陽電池モジュール取付具は、このような太陽電池モジュール6の前端部及び後端部に係合するものであり、ベース1、受け具2、高さ調整具3、調整ボルト4及び押さえ具5からなる。以下、図1〜図3に基づき、太陽電池モジュール取付具の各部材について説明する。なお、最初に代表例として説明するのは、前後に並んだ太陽電池モジュール6の間に太陽電池モジュール取付具を取り付ける場合であり、端部に取り付ける場合については後述する。
【0012】
ベース1は、矩形平板形状であって、前後方向中央部には突出部11を形成してある。突出部11は断面台形であって、左右方向の全長にわたって延びており、上面の左右両端部にネジ孔12を形成してある。また、ベース1の前後両端部には円形の貫通孔13を形成してあって、この貫通孔13に上側からネジ14を挿入して、ベース1を屋根に固定してある。
【0013】
受け具2は、ベース1の上側に取り付けるものであり、受け部21と、台座部22からなる。受け部21は、前後左右に壁面を有する枠体形状で、壁面に囲まれた空間を係合部23としてあり、係合部23は上下に貫通している。そして左右の側面には突起を形成してあり、この突起に上下に貫通するネジ孔24を設けてある。一方、台座部22は、矩形平板の前後両端を下方へ折り曲げた形状であり、左右の両端部に、前後に延びる長孔25を形成してある。そして左右の長孔25の内側に円形の貫通孔26を形成してあり、この貫通孔26に下側からネジ27を挿入し、受け部21のネジ孔24に螺合させて、受け部21と台座部22とを一体に接合している。さらに、台座部22の中心部には、後述の調整ボルト4が貫通する大きさの受け孔28を形成してある。そして、台座部22は、長孔25に上側からネジ29を挿入し、ベース1のネジ孔12に螺合させて、台座部22をベース1に固定してある。台座部22はベース1の突出部11を覆うようにして取り付けられるが、台座部22の前後方向幅は突出部11の前後方向幅よりも広く、ベース1に対する台座部22の取付位置を長孔25に沿って前後に調整することが可能である。
【0014】
高さ調整具3は、コ字形状の形材からなり、左右方向視して下側に開口するコ字形状であり、上面視して長方形であって、受け部21の係合部23に上側から丁度嵌まる大きさである。高さ調整具3を係合部23に嵌め込んで係合させると、受け部21(受け具2)に対して上下方向軸周りに回転不能でありかつ上下方向に移動自在となる。そして高さ調整具3の上面の前後端部は、中央部に対して一段低く形成してあって、太陽電池モジュール6の端部を載せる載置部31となっており、前側の載置部31の前端及び後側の載置部31の後端には突条32を形成してある。突条32は、前側面(後側面)が高さ調整具3の前側面(後側面)と面一であり、内側面が垂直よりも外側に傾斜する断面台形形状であって、左右方向の全長にわたって延びている。また、突条32の高さは高さ調整具3の中央部の上面と同じであり、突条32と中央部との間には溝部33が形成されている。さらに、高さ調整具3の上面の中心には、ボルト孔34を形成してあり、上側から調整ボルト4が螺合している。調整ボルト4をねじ込んでいくと、下端は台座部22の受け孔28を通ってベース1の上面に当接し、それ以上、下側へは移動できないようになっている。なお、調整ボルト4の下端が台座部22の受け孔28を通っていることによって水平方向の動きが規制されており、調整ボルト4の下端がベース1上面上を滑って調整ボルト4が傾くことを防いでいる。
【0015】
押さえ具5は、矩形平板の前後両端を下方へ外側に広がるように折り曲げて断面ハの字形の傾斜片51を形成し、さらに前後の傾斜片51の下端部を垂直下方へ折り曲げて係合片52としてあって、係合片52が太陽電池モジュール6の係合突起61に係合する。そして上面の左右に円形の貫通孔53を形成してあり、この貫通孔53に上側からネジ54を挿入し、受け部21のネジ孔24に螺合させて受け具2と接合してある。なお、この押さえ具5は、前後に並んだ太陽電池モジュール6の間に取り付ける太陽電池モジュール取付具に用いるものであり、端部に取り付ける太陽電池モジュール取付具に用いるものについては後述する。
【0016】
次に、このように構成した太陽電池モジュール取付具によって太陽電池モジュールを固定する方法及びその高さを調節する方法について説明する。太陽電池モジュールを固定するには、図3(a)に示すように、高さ調整具3と、押さえ具5とで、太陽電池モジュール6の端部を挟み込む。より詳しくは、まず太陽電池モジュール6を高さ調整具3の前後の載置部31に載置し、太陽電池モジュール6の下面の係合溝62に突条32を挿入させる。この際、係合溝62は太陽電池モジュール6の左右方向の全長にわたって形成してあるから、突条32は係合溝62の左右方向の任意の位置に挿入させることができるので、太陽電池モジュール6は、高さ調整具3に対して左右方向の位置調整が自在である。そして太陽電池モジュール6を高さ調整具3に載置したら、調整ボルト4を回して高さを調整する。調整ボルト4の下端は台座部22の受け孔28を通ってベース1に当接していて、調整ボルト4は下側への移動を規制されているから、調整ボルト4を締める方向に回すと、これと螺合している高さ調整具3が上昇する(図3(b)の状態)。高さ調整具3は、受け部21の係合部23から脱出しない位置まで上昇させることができる。逆に調整ボルト4を緩める方向に回すと、高さ調整具3が下降し、高さ調整具3の下端が台座部22の上面に当接した図3(a)の状態が、最も低い状態である。このように、太陽電池モジュール6は高さ方向の位置調整も自在である。そして調整ボルト4を操作して高さを調整したら、押さえ具5を取り付ける。押さえ具5は、前側の係合片52を前側の太陽電池モジュール6の係合突起61に係合させ、後側の係合片52を後側の太陽電池モジュール6の係合突起61に係合させて、受け具2にネジ止めする。ここで、係合突起61は太陽電池モジュール6の前端面及び後端面に設けてあるが、太陽電池モジュール6の上面から係合突起61までの距離が、押さえ具5の高さよりも長くなっており、押さえ具5を係合突起61に係合させた際に、押さえ具5の上面は太陽電池モジュール6の上面よりも低くなる。以上により、太陽電池モジュール取付具によって太陽電池モジュール6が固定される。なお、上述のとおり、受け具2の台座部22はベース1に対して前後方向の位置調整が自在であるから、この太陽電池モジュール取付具により、太陽電池モジュール6を、前後、左右及び上下のすべての方向について位置調整自在に取り付けることができる。
【0017】
このように構成した太陽電池モジュール取付具によれば、調整ボルトを回すだけで容易に不陸調整が可能であるから、作業性が良好である。また、調整ボルトの回転により高さ調整具の高さ位置が変化するので、無段階に高さを調節することができ、微調整も容易である。また、押さえ具が太陽電池モジュールの係合突起に係合し、高さ調整具の突条が太陽電池モジュールの係合溝に挿入されており、何れの箇所においても前後方向の動きが規制されている。よって、従来の取付具のように単に上下から挟み込む場合と比較して、風や地震などの揺れに強く、安定して確実に固定できる。さらに、押さえ具の上面が太陽電池モジュールの上面よりも低くなっているので、押さえ具が太陽電池モジュールの表面に影を作ることがなく、太陽電池モジュールの発電効率を低下させることがない。
【0018】
ここまでは、前後に並んだ太陽電池モジュール6の間に太陽電池モジュール取付具を取り付ける場合の説明であったが、次に、端部に取り付ける場合について説明する。端部とはすなわち、前後に並んだ太陽電池モジュールのうち、最後列の太陽電池モジュールの後端部(棟側)、及び最前列の太陽電池モジュールの前端部(軒先側)であり、ここでは前後の一方側のみに太陽電池モジュールが載置される。まず、図4に示すのは、棟側の端部に取り付ける場合である。この場合、高さ調整具3の前側の載置部31のみに太陽電池モジュール6を載置し、押さえ具に替えて、端部用押さえ具8を取り付けてある。端部用押さえ具8は、後側の傾斜片81の下端から下方に向けて延びる壁面部83を有している。壁面部83の下端は断面台形状に形成してあって、高さ調整具3の溝部33に嵌まっている。前側の傾斜片81及び係合片82については押さえ具と同じ形状であって、係合片82が前側の太陽電池モジュール6の係合突起61に係合している。このような構成により、棟側の端部においても、太陽電池モジュール6を、前後、左右及び上下のすべての方向について位置調整自在に取り付けることができる。そして、押さえ具と端部用押さえ具8を交換するだけで、同じ太陽電池モジュール取付具を、中間部と端部の両方に兼用して使用することができる。
【0019】
次に、図5に示すのは、軒先側の端部に取り付ける場合である。この場合、高さ調整具3の後側の載置部31のみに太陽電池モジュール6を載置し、前側の載置部31には軒先カバー9を載置してある。軒先カバー9は、左右方向長さが太陽電池モジュール6と同じであって、前後方向長さはベース1の半分程度であり、後端部が太陽電池モジュール6と同じ形状である。すなわち、後端部は太陽電池モジュール6と同じ厚さであって、後端面に係合突起91を設けてあり、下面の後端部に係合溝92を形成してあり、係合溝92に高さ調整具3の突条32を挿入させてある。そして、前端面は設置面に対して垂直よりも後側に傾斜しており、前端面の下端からは前端片93が設置面の直上まで延びている。前端面と前端片93とは面一であって、太陽電池モジュールの商品名や企業名などを表示する表示面94として利用できる。そして、このように形成した軒先カバー9及び太陽電池モジュール6を押さえ具5で押さえてあり、すなわち、押さえ具5の前側の係合片52を軒先カバー9の係合突起91に係合させ、後側の係合片52を太陽電池モジュール6の係合突起61に係合させてある。このような構成により、軒先側の端部においても、太陽電池モジュール6を、前後、左右及び上下のすべての方向について位置調整自在に取り付けることができる。なお、軒先側に上述の端部用押さえ具8を用いた太陽電池モジュール取付具を取り付けても太陽電池モジュールを固定することは可能であるが、その場合、地表から屋根上の太陽電池装置を見上げると、太陽電池モジュール取付具が見えてしまうため意匠性が悪い。そこで、軒先カバー9を取り付けることにより、太陽電池モジュール取付具を覆い隠すことができる。そして、軒先カバー9は太陽電池モジュール6と同様に取り付けることが可能であって、取り付けのための特別な部品や加工は必要ない。
【0020】
続いて、図6に示すのは、本発明の太陽電池モジュール取付具7によって太陽電池モジュール6を固定して構成した太陽電池装置の全体図である。この太陽電池装置は、四枚の太陽電池モジュール6を備えており、これを前後に二枚、左右に二枚並べてある。太陽電池モジュール取付具7は、各太陽電池モジュール6の前端部と後端部に二つずつ取り付けてあり、前後の太陽電池モジュール6の間の太陽電池モジュール取付具7は、一つで前後の太陽電池モジュール6を支持しているから、太陽電池モジュール取付具7の総数は十二個である。これらのうち、後側の四つの太陽電池モジュール取付具7(右上に拡大図示)は、図4に示したように、端部用押さえ具8を用いたものであり、前側の四つの太陽電池モジュール取付具7(左下に拡大図示)は、図5に示したように、前側に軒先カバー9を取り付けてあり、中央の四つの太陽電池モジュール取付具7(右下に拡大図示)は、図1〜図3に示したように、前後に太陽電池モジュール6を取り付けてある。そして、上述のような特徴を有する太陽電池モジュール取付具を用いたことにより、この太陽電池装置は設置時における不陸調整が容易である。なお、太陽電池モジュール取付具7を追加することで、前後左右にさらに多くの太陽電池モジュール6を増設することが可能である。
【0021】
図7に示すのは、本発明の太陽電池モジュール取付具の第二実施形態である。第二実施形態を第一実施形態と比較すると、ベース1、受け具2、高さ調整具3及び調整ボルト4の構成は同じであって、押さえ具5aの形状のみが異なっている。第二実施形態の押さえ具5aは、矩形平板の前後両端を上方へ折り曲げて起立片51aとし、さらに前後の起立片51aの上端を水平方向外側(前側又は後側)へ折り曲げて押圧片52aとしてあって、押圧片52aが太陽電池モジュール6aの端部を上面から押さえる。そして、太陽電池モジュール6aの係合溝62aに高さ調整具3の突条32を挿入させてあって、押さえ具5aを受け具2にネジ止めしてある点は、第一実施形態と同様である。この第二実施形態の太陽電池モジュール取付具によれば、前端面及び後端面に係合突起を有していない太陽電池モジュール6aであっても、固定することが可能である。
【0022】
図8に示すのは、本発明の太陽電池モジュール取付具の第三実施形態である。第三実施形態を第一実施形態と比較すると、調整ボルト4及び押さえ具5の構成は同じであって、ベース1a、受け具2a及び高さ調整具3aの形状のみが異なっている。第三実施形態の高さ調整具3aは、第一実施形態の高さ調整具よりも前後方向に長く、載置部31aの面積が広くなっており、突条を有していない。載置部31aには太陽電池モジュール6bの端部が載置される。また、ベース1a及び受け具2a(受け部21a、台座部22a及び係合部23a)についても、高さ調整具3aに合わせて前後方向に長く形成してある。そして、上側から押さえ具5を取り付けて、係合片52を太陽電池モジュール6bの係合突起61bに係合させてある点は、第一実施形態と同様である。この第三実施形態の太陽電池モジュール取付具によれば、下面の前端部及び後端部に係合溝を有していない太陽電池モジュール6bであっても、固定することが可能である。
【0023】
本発明は、上記の実施形態に限定されない。たとえば、ベースは受け具を固定できるものであれば、板状のもの以外でもよく、設置面の凹凸に合わせた形状など、自由に設定できる。また、受け具は、受け部と台座部とをあらかじめ一体に形成してもよい。さらに、高さ調整具は、受け具に対して上下方向軸周りに回転不能でありかつ上下方向に移動自在であれば、どのような構造であってもよい。よって、たとえば、上記実施形態のように高さ調整具が枠体形状の受け具に嵌まるものであれば、両者が四角形以外の多角形であるものや、円形であって回転を防ぐ嵌合部・被嵌合部を有するものでもよい。あるいは、それ以外の構成として、高さ調整具に上下方向に延びる断面多角形の孔を設け、受け具に孔に嵌まる軸を設けたり、高さ調整具に上下方向に延びる複数本の断面円形の孔を設け、受け具に孔に嵌まる複数本の軸を設けたりしてもよい。また、太陽電池モジュールが係合突起や係合溝を有していない場合もあり、その場合は第二実施形態や第三実施形態の太陽電池モジュール取付具で対応する。そして、太陽電池モジュールが係合突起や係合溝を有するものである場合、その形状は上記実施形態のものに限られず、それらと係合する押さえ具の係合片や高さ調整具の突条も、相互に係合する形状であればどのようなものであってもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 ベース
2 受け具
3 高さ調整具
4 調整ボルト
5 押さえ具
6 太陽電池モジュール
7 太陽電池モジュール取付具
23 係合部
31 載置部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、受け具と、高さ調整具と、調整ボルトと、押さえ具とを備え、受け具は、ベースに取り付けてあって係合部を有しており、高さ調整具は、受け具の係合部に係合していて、受け具に対して上下方向軸周りに回転不能でありかつ上下方向に移動自在であって、太陽電池モジュールの端部を載せる載置部を有しており、調整ボルトは、高さ調整具に上側から螺合しておりかつ下側への移動を規制してあり、押さえ具は、太陽電池モジュールの端部を上側から押さえるものであることを特徴とする太陽電池モジュール取付具。
【請求項2】
太陽電池モジュールと、請求項1記載の太陽電池モジュール取付具とを備え、高さ調整具の載置部に太陽電池モジュールの端部を載せてあって、押さえ具が太陽電池モジュールの端部を上側から押さえていることを特徴とする太陽電池装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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