説明

安全確保システム、装置、方法及びプログラム

【課題】ヘッドマウントディスプレイ装置を装着したユーザが常に情報を見ることができ、かつ移動中のユーザの安全を確保することができる安全確保システムを提供する。
【解決手段】安全確保システムは、ヘッドマウントディスプレイ装置を装着したユーザの移動を感知する移動感知手段1と、移動感知手段1がユーザの移動を感知すると、ヘッド
マウントディスプレイ装置に表示内容を制限するように制御する表示制御手段2とを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全確保システム、ヘッドマウントディスプレイ装置、安全確保方法及び安全確保プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
メガネ型ディスプレイ装置には、一般的なディスプレイ装置のように、表示された情報を見るために装置に視線を向ける必要がなく、常に情報を見ることができるというメリットがある。関連する技術として、例えば、特許文献1には、ヘッドマウントディスプレイ装置に関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−233903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、メガネ型ディスプレイ装置には、常に情報が見えるため、表示されている情報が邪魔になる場合があるというデメリットもある。例えば、移動中などにメガネ型ディスプレイ装置が表示する情報に意識を集中し過ぎることで、障害物にぶつかる等の危険性が生ずることが考えられる。
【0005】
特許文献1には、ユーザの移動動作を検出した場合には、画像出力をオフにし、ユーザの視界を確保するヘッドマウントディスプレイ装置が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載された方法では、移動時に画像出力をオフにするため、ユーザはその間全く情報を得ることができず、メガネ型ディスプレイ装置のメリットを完全に消してしまうこととなる。
【0006】
そこで、本発明は、ヘッドマウントディスプレイ装置を装着したユーザが常に情報を見ることができ、かつ移動中のユーザの安全を確保することができる安全確保システム、ヘッドマウントディスプレイ装置、安全確保方法及び安全確保プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による安全確保システムは、ヘッドマウントディスプレイ装置を装着したユーザの移動を感知する移動感知手段と、移動感知手段がユーザの移動を感知すると、ヘッドマウントディスプレイ装置に表示内容を制限するように制御する表示制御手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明によるヘッドマウントディスプレイ装置は、ヘッドマウントディスプレイ装置を装着したユーザの移動を感知する移動感知手段と、移動感知手段がユーザの移動を感知すると、表示内容を制限するように制御する表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明による安全確保方法は、ヘッドマウントディスプレイ装置を装着したユーザの移動を感知し、ユーザの移動を感知すると、ヘッドマウントディスプレイ装置に表示内容を制限するように制御することを特徴とする。
【0010】
本発明による安全確保プログラムは、コンピュータに、ヘッドマウントディスプレイ装置を装着したユーザの移動を感知する移動感知処理と、ユーザの移動を感知すると、ヘッドマウントディスプレイ装置に表示内容を制限するように制御する表示制御処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ヘッドマウントディスプレイ装置を装着したユーザが常に情報を見ることができ、かつ移動中のユーザの安全を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による安全確保システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】安全確保システムのデータの流れの一例を示すブロック図である。
【図3】安全確保システムが実行する処理例を示す流れ図である。
【図4】安全確保システムの最小の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明による安全確保システムの構成の一例を示すブロック図である。安全確保システムは、ヘッドマウントディスプレイ装置100と、3軸加速度センサ110と、情報処理部120とを備えている。図1に示す構成例では、ヘッドマウントディスプレイ装置100は、ユーザの頭部に装着されている。また、3軸加速度センサ110及び情報処理部120は、ヘッドマウントディスプレイ装置100に取り付けられている。なお、図1に示す構成例に限らず、例えば、3軸加速度センサ110及び情報処理部120は、ヘッドマウントディスプレイ装置100に内蔵される構成であってもよいし、別の装置として存在する構成であってもよい。
【0014】
図2は、安全確保システムのデータの流れの一例を示すブロック図である。図2に示す構成例では、3軸加速度センサ200、情報処理部210及びヘッドマウントディスプレイ装置220は、有線又は無線通信によって相互に接続されている。また、ユーザは、少なくとも3軸加速度センサ200及びヘッドマウントディスプレイ装置220を装着している。
【0015】
3軸加速度センサ200は、XYZ軸の3方向の加速度を計測する機能を備えている。3軸加速度センサ200は、計測したセンサ情報を情報処理部210のセンサ情報収集部211に送信する。なお、3軸加速度センサに代えて、通常の加速度センサを用いてもよい。ただし、ユーザの動作をより正確に把握するためには、3軸加速度センサを用いることが望ましい。
【0016】
情報処理部210は、小型の情報処理装置によって実現され、プログラムに従って動作する。情報処理部210は、CPUやメモリ等の記憶装置を備え、センサ情報収集部211、移動感知表示制御エンジン部212及び表示制御部213を含む。
【0017】
センサ情報収集部211は、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPU及びネットワークインタフェース部によって実現される。センサ情報収集部211は、3軸加速度センサ110からセンサ情報を受信し、移動感知表示制御エンジン部212に出力する機能を備えている。
【0018】
移動感知表示制御エンジン部212は、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。移動感知表示制御エンジン部212は、ヘッドマウントディスプレイ装置100を装着したユーザの移動を感知する機能を備えている。本実施形態では、移動感知表示制御エンジン部212がユーザが移動中であると判断することをユーザの移動を感知すると表現する。
【0019】
表示制御部213は、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPU及びネットワークインタフェース部によって実現される。表示制御部213は、ヘッドマウントディスプレイ装置220に設けられている表示部211に所定の画像(例えば、静止画像や動画像)を表示させるように制御する機能を備えている。
【0020】
ヘッドマウントディスプレイ装置220は、具体的には、メガネ型のディスプレイ装置である。ヘッドマウントディスプレイ装置220は、表示部211を含む。
【0021】
表示部211は、所定の画像を表示する機能を備えている。なお、本実施形態では、メガネ型のヘッドマウントディスプレイ装置を用いるが、これに限らず、頭部に装着可能であれば、例えばヘルメット型やゴーグル型のディスプレイ装置であってもよい。本実施形態では、一般的な表現に従い、メガネ型やヘルメット型、ゴーグル型、網膜照射型や光学方式型等を全て包括してヘッドマウントディスプレイ装置という。
【0022】
次に、安全確保システムの動作について説明する。図3は、安全確保システムが実行する処理例を示す流れ図である。ここでは、物流作業員Aは、3軸加速度センサ200および情報処理部210を搭載したヘッドマウントディスプレイ装置220を装着しているとする。まず、ヘッドマウントディスプレイ装置220を装着した物流作業員Aが、静止した状態で表示部221が表示する作業リストを確認し、作業内容に従って移動する場合について説明する。
【0023】
3軸加速度センサ200は、計測した3軸加速度データをセンサ情報収集部211に送信する。すると、センサ情報収集部211は、受信した3軸加速度データを移動感知表示制御部エンジン部212に出力する(図3のステップS1)。なお、3軸加速度センサ200は、常時3軸加速度を計測し、センサ情報収集部211に送信する。
【0024】
次いで、移動感知表示制御部エンジン部212は、3軸加速度データに基づいて、物流作業員Aが移動中であるか否かを判断する。
【0025】
具体的には、移動感知表示制御部エンジン部212は、3軸加速度データに基づいて、物流作業員Aの移動速度および移動距離を算出する(図3のステップS2)。例えば、移動感知表示制御部エンジン部212は、加速度が加速方向に変化してから減速方向に変化するまでの時間を計測し、加速度から求めた移動速度に計測した時間を乗算することによって移動距離を算出する。また、移動感知表示制御部エンジン部212は、3方向の加速度を計測できるため、3方向の移動速度および移動距離を求めることができる。そのため、移動感知表示制御部エンジン部212は、例えば、3方向の移動速度および移動距離を合成して後述する判定処理で用いるようにしてもよい。
【0026】
移動速度および移動距離を算出すると、移動感知表示制御部エンジン部212は、算出した移動速度が所定の速度(例えば、2m/sec)以上であるか否かを判断する(図3のステップS3)。そして、移動速度が所定の速度以上であると判断すると、移動感知表示制御部エンジン部212は、算出した移動距離が所定の距離(例えば、1m)以上であるか否かを判断する(図3のステップS4)。なお、移動感知表示制御部エンジン部212は、例えば、一定方向への移動距離が所定の距離以上であるか否かを判断するようにしてもよい。また、移動感知表示制御部エンジン部212は、ステップS3とステップS4とを実行する順序を逆にして実行するようにしてもよい。
【0027】
ステップS4において移動距離が所定の距離以上であると判断すると、移動感知表示制御部エンジン部212は、物流作業員Aが移動中であると判断する(図3のステップS5)。なお、本実施形態では、ステップS3およびステップS4の条件を満たした場合に物流作業員Aが移動中であると判断するが、ステップS3またはステップS4のいずれかの条件を満たす場合に物流作業員Aが移動中であると判断するようにしてもよい。
【0028】
ステップS5において物流作業員Aが移動中であると判断すると、表示制御部213は、ヘッドマウントディスプレイ装置220の表示部221が現在表示している画像の透過度を高くするように制御する(図3のステップS7)。
【0029】
例えば、表示制御手段213は、移動感知表示制御部エンジン部212が移動中であると判断すると、表示部221の明度やコントラストなどを変更して現在表示している画像の透過度を高くするように制御する。この制御によって、現在表示している作業リスト等の表示が薄くなる。この場合には、ヘッドマウントディスプレイ装置220が明度やコントラストなどを調整できる機能を備えていることが前提となる。また、ヘッドマウントディスプレイ装置の種類が異なれば、明度やコントラストなどを調整する機能の特性等も異なるため、表示制御手段213は、ヘッドマウントディスプレイ装置の種類ごとに異なる制御処理を行う必要がある。
【0030】
ヘッドマウントディスプレイ装置の種類に関わらず、同一の処理で表示する画像の透過度を高くするために、表示制御手段213は、表示部221に出力する画像データを変換することによって、移動前に表示していた画像と比較して透過度が高い画像を表示させるように制御してもよい。
【0031】
例えば、表示部221が表示している画像の色を変更することによって透過度を高くする方法を用いてもよい。これは、ヘッドマウントディスプレイ装置では表示する画像の色を黒に近づけることで、画像が透過する特性を活用している。
【0032】
具体的には、次のように実現することができる。例えば、あらかじめ色の変更パターンを示す色変更パターン情報(例えば、どの色をどの程度黒色に近づけるかを示す)を記憶部に記憶しておく。移動感知表示制御部エンジン部212が移動中であると判断すると、情報処理部210は、表示部221が表示中の画像と色変更パターン情報とに基づいて、透過度が高い画像を生成する。具体的には、表示中の画像と黒い画像との合成画像を生成することにより、透過度を高めた画像データを生成する。そして、表示制御手段213は、生成した透過度が高い画像を表示部221に表示させるように制御する。
【0033】
また例えば、あらかじめ通常時に表示する通常時用画像と、移動中に表示するための透過度を高めた移動中用画像とを対応付けて記憶部に記憶しておく。そして、移動感知表示制御部エンジン部212が移動中であると判断すると、表示制御手段213は、表示中の通常時用画像に対応付けられた移動中用画像を表示部221に表示させるように制御する。なお、透過度を高めた画像に限らず、後述する表示情報の数を減らした画像や、移動中にだけ見せたい情報を含む画像、表示領域が小さい画像などを移動中用画像として記憶するようにしてもよい。
【0034】
以上のように、表示部221に出力する画像データを変換することによって、明度やコントラストが調整できないヘッドマウントディスプレイ装置を用いている場合でも、表示する画像の透過度を変更することができる。また、ヘッドマウントディスプレイ装置の機能や特性に影響されない方法のため、ヘッドマウントディスプレイ装置の種類ごとに異なる制御処理を行う必要がない。
【0035】
また、図3に示す例では、移動中の物流作業員Aの安全を確保するために、ステップS7において画像の透過度を高くする処理を実行しているが、この処理に代えて、異なる処理を実行することで安全を確保するようにしてもよい。
【0036】
例えば、表示制御手段213は、移動感知表示制御部エンジン部212が移動中であると判断すると、表示部221に移動中に確認したい情報だけを表示させるように制御してもよい。すなわち、表示制御手段213は、移動前に表示していた画像と比較して表示情報(例えば、図や文字など)の数が少ない画像を表示させるように制御する。
【0037】
具体的には、図や文字を含む通常時用画像から文字を削除した画像を移動中用画像として記憶しておく。そして、表示制御手段213は、物流作業員Aの移動中には表示部221に表示させる画像を通常時用画像から移動中用画像に変更するように制御する。すると、物流作業員Aは、移動中には目の前に表示される画像から文字が消えるため、文字を読み込むことによって注意が散漫になることを防ぐことができる。
【0038】
また、移動中に表示する情報を減らすだけでなく、移動中にだけ見せたい情報を含む画像を表示するようにしてもよい。例えば、物流作業員がAの棚からBの棚に移動する際に、通路に段差があったり、危険な装置のそばを通ることがわかっている場合には、危険を通知する情報を表示することで安全性を確保することができる。
【0039】
具体的には、移動感知表示制御部エンジン部212が3軸加速度センサ200によって計測された3軸加速度データに基づいて移動中であると判断すると、表示制御手段213は、危険を通知する情報を含む画像を表示部221に表示させるように制御する。このとき、例えば、情報処理部210が、表示部221が表示中の画像に危険を通知する情報を重畳した画像を生成し、表示制御手段213は、生成した画像を表示部221に表示させるように制御してもよい。
【0040】
また、表示制御手段213は、危険を通知する情報を含む画像を移動中にずっと表示させるのではなく、移動開始してから所定期間(例えば、数秒)だけ表示させるように制御してもよい。また、物流作業員Aの移動が一度止まると、危険を通知する情報の表示が消えるように制御してもよい。すなわち、表示制御手段213は、移動感知表示制御部エンジン部212が物流作業員Aの移動中でないと判断すると、表示部221に移動開始前に表示していた画像を表示させるように制御する。
【0041】
また例えば、表示制御手段213は、移動感知表示制御部エンジン部212が移動中であると判断すると、表示部221に移動前に表示していた画像と比較して表示領域が小さい画像を表示させるように制御するようにしてもよい。表示領域が小さい画像を表示させることによって、物流作業員Aは、移動中の視界を広く確保することができる。
【0042】
また例えば、表示制御手段213は、ステップS7において画像の透過度を高くする処理や上記の変形例を組み合わせて実行するようにしてもよい。
【0043】
次に、物流作業員Aが静止した状態で、微移動や首を動かすなどした場合について説明する。この場合には、例えば、ステップS3において、移動感知表示制御エンジン212は、算出した移動速度が所定の速度未満であると判断する。また例えば、ステップS4において、移動感知表示制御エンジン212は、算出した移動距離が所定の距離未満であると判断する。そして、移動速度が所定の速度未満である又は移動距離が所定の距離未満であると判断すると、移動感知表示制御エンジン212は、微移動と判断(すなわち移動とは判断しない)する(図3のステップS6)。なお、移動感知表示制御エンジン212は、例えば、3軸加速度データに基づいて、回転方向の動作であると判断した場合にも、微移動と判断するようにしてもよい。
【0044】
ステップS6において移動感知表示制御エンジン212が微移動と判断すると、表示部221は、そのまま継続して現在表示している画像を表示する。
【0045】
以上のように、本実施形態では、3軸加速度センサが計測した3軸加速度データに基づいてユーザが移動中であると判断すると、例えば、自動的に表示画像の透過度をあげて、ユーザの視界を広く確保する。したがって、表示内容を完全に消すのではなく、必要最小限の表示内容に制限するので、ヘッドマウントディスプレイ装置を装着したユーザは常に情報を見ることができ、かつ移動中の安全を確保することができる。
【0046】
次に、本発明による安全確保システムの最小構成について説明する。図4は、安全確保システムの最小の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、安全確保システムは、最小の構成要素として、移動感知手段1と、表示制御手段2とを含む。
【0047】
図4に示す最小構成の安全確保システムでは、移動感知手段1がヘッドマウントディスプレイ装置を装着したユーザの移動を感知すると、表示制御手段2は、ヘッドマウントディスプレイ装置に表示内容を制限するように制御する。
【0048】
従って、最小構成の安全確保システムによれば、ヘッドマウントディスプレイ装置を装着したユーザが常に情報を見ることができ、かつ移動中のユーザの安全を確保することができる。
【0049】
なお、本実施形態では、以下の(1)〜(7)に示すような安全確保システムの特徴的構成が示されている。
【0050】
(1)安全確保システムは、ヘッドマウントディスプレイ装置(例えば、ヘッドマウントディスプレイ装置220によって実現される)を装着したユーザの移動を感知する移動感知手段(例えば、移動感知表示制御エンジン部212)と、移動感知手段がユーザの移動を感知すると、ヘッドマウントディスプレイ装置に表示内容を制限するように制御する表示制御手段(例えば、表示制御部213によって実現される)とを含むことを特徴とする。
【0051】
(2)安全確保システムにおいて、表示制御手段は、移動感知手段がユーザの移動を感知すると、ヘッドマウントディスプレイ装置に感知前と比較して透過度が高い画像を表示させるように制御するように構成されていてもよい。
【0052】
(3)安全確保システムにおいて、表示制御手段は、移動感知手段がユーザの移動を感知すると、ヘッドマウントディスプレイ装置に感知前と比較して表示領域が小さい画像を表示させるように制御するように構成されていてもよい。
【0053】
(4)安全確保システムにおいて、表示制御手段は、移動感知手段がユーザの移動を感知すると、ヘッドマウントディスプレイ装置に感知前と比較して表示情報数が少ない画像を表示させるように制御するように構成されていてもよい。
【0054】
(5)安全確保システムにおいて、ユーザが移動中に表示する移動中用画像を記憶する記憶手段を含み、表示制御手段は、移動感知手段がユーザの移動を感知すると、ヘッドマウントディスプレイ装置に移動中用画像を表示させるように制御するように構成されていてもよい。
【0055】
(6)安全確保システムにおいて、表示制御手段は、移動感知手段がユーザの移動を感知しなくなると、ヘッドマウントディスプレイ装置に感知前に表示していた画像を表示させるように制御するように構成されていてもよい。
【0056】
(7)安全確保システムにおいて、移動感知手段は、ユーザの移動速度および移動距離を算出し、算出した移動速度および移動距離が予め定められた条件を満たす場合に、ユーザの移動を感知するように構成されていてもよい。
【0057】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0058】
(付記1)表示制御手段は、移動感知手段がユーザの移動を感知すると、感知前に表示していた画像とは色が異なる画像を用いて、ヘッドマウントディスプレイ装置に感知前と比較して透過度が高い画像を表示させるように制御する請求項2記載の安全確保システム。
【0059】
(付記2)表示制御手段は、移動感知手段がユーザの移動を感知すると、ヘッドマウントディスプレイ装置に移動中用表示画像を所定期間表示させるように制御する請求項5記載の安全確保システム。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、ヘッドマウントディスプレイを用いた作業活動を支援する用途に適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 移動感知手段
2 表示制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドマウントディスプレイ装置を装着したユーザの移動を感知する移動感知手段と、
前記移動感知手段が前記ユーザの移動を感知すると、前記ヘッドマウントディスプレイ装置に表示内容を制限するように制御する表示制御手段とを
含むことを特徴とする安全確保システム。
【請求項2】
表示制御手段は、移動感知手段がユーザの移動を感知すると、ヘッドマウントディスプレイ装置に感知前と比較して透過度が高い画像を表示させるように制御する
請求項1記載の安全確保システム。
【請求項3】
表示制御手段は、移動感知手段がユーザの移動を感知すると、ヘッドマウントディスプレイ装置に感知前と比較して表示領域が小さい画像を表示させるように制御する
請求項1又は請求項2記載の安全確保システム。
【請求項4】
表示制御手段は、移動感知手段がユーザの移動を感知すると、ヘッドマウントディスプレイ装置に感知前と比較して表示情報数が少ない画像を表示させるように制御する
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の安全確保システム。
【請求項5】
ユーザが移動中に表示する移動中用画像を記憶する記憶手段を含み、
表示制御手段は、移動感知手段がユーザの移動を感知すると、ヘッドマウントディスプレイ装置に前記移動中用画像を表示させるように制御する
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の安全確保システム。
【請求項6】
表示制御手段は、移動感知手段がユーザの移動を感知しなくなると、ヘッドマウントディスプレイ装置に感知前に表示していた画像を表示させるように制御する
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の安全確保システム。
【請求項7】
移動感知手段は、ユーザの移動速度および移動距離を算出し、算出した前記移動速度および前記移動距離が予め定められた条件を満たす場合に、前記ユーザの移動を感知する
請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載の安全確保システム。
【請求項8】
ヘッドマウントディスプレイ装置を装着したユーザの移動を感知する移動感知手段と、
前記移動感知手段が前記ユーザの移動を感知すると、表示内容を制限するように制御する表示制御手段とを
備えたことを特徴とするヘッドマウントディスプレイ装置。
【請求項9】
ヘッドマウントディスプレイ装置を装着したユーザの移動を感知し、
前記ユーザの移動を感知すると、前記ヘッドマウントディスプレイ装置に表示内容を制限するように制御する
ことを特徴とする安全確保方法。
【請求項10】
コンピュータに、
ヘッドマウントディスプレイ装置を装着したユーザの移動を感知する移動感知処理と、
前記ユーザの移動を感知すると、前記ヘッドマウントディスプレイ装置に表示内容を制限するように制御する表示制御処理とを
実行させるための安全確保プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−25220(P2013−25220A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161851(P2011−161851)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】