定時定量自動給餌装置
【課題】あらゆる形状および形態の一定量の餌を定時に自動的に供給可能な定時定量自動給餌装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る定時定量自動給餌装置は、回転軸と、この回転軸を回転させる回転駆動装置と、この回転駆動装置による前記回転軸の回転を制御する制御装置と、前記回転軸に固定されている第1の定量容器と、この第1の定量容器に隣接して前記回転軸に対して回転自在に取り付けられている少なくとも一つの第2の定量容器とを有し、前記第1の定量容器および前記第2の定量容器のそれぞれの側部に隣接の定量容器に直接または間接的に係止する係止アームが固定されていることを特徴とする。
【解決手段】本発明に係る定時定量自動給餌装置は、回転軸と、この回転軸を回転させる回転駆動装置と、この回転駆動装置による前記回転軸の回転を制御する制御装置と、前記回転軸に固定されている第1の定量容器と、この第1の定量容器に隣接して前記回転軸に対して回転自在に取り付けられている少なくとも一つの第2の定量容器とを有し、前記第1の定量容器および前記第2の定量容器のそれぞれの側部に隣接の定量容器に直接または間接的に係止する係止アームが固定されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飼育動物に一定量の餌を定時に自動的に与えることのできる定時定量自動給餌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
実験動物は、実験に供するまでの間、あるいは長期観察実験中において、実験条件以外に関しては、実験動物に負荷を与えないように、適切な給餌が必要である。かかる実験動物への給餌は、従来、給餌そのものが制御すべき実験条件でない限り、給餌を自由に行っていた。そのため、飼育中の実験動物が、肥満や各種疾患に罹りやすく、そのため、実験動物の寿命が短くなるという問題が生じている。このような給餌形態に由来する問題は、実験動物を長期間に亘って実験に供する必要がある場合、実験動物を確保するためのコストを上昇させるばかりでなく、実験データの正確な取得が困難になるなどの深刻な状況をもたらすことになる。
【0003】
このような問題を解決するには、給餌を適切に制限すれば良いのであるが、毎日一定量を測定し給餌することは、実験に従事する者にとって、大変手間と時間を要し、非能率である。
【0004】
かかる給餌における問題は、実験動物において顕著であるが、対象が実験動物に限られるわけではなく、家庭で飼育しているペット動物に対する給餌においても、同様である。例えば、家族が家を留守にする必要が生じた場合でも、ペット動物への給餌ができなくなるため、ペット動物を飼育している家庭では、長期の留守は避けざるを得ない状況となる。
【0005】
そこで、自動的に餌を与える自動給餌装置の開発が望まれるわけであり、従来、幾種類かの給餌機が提供されている。例えば、特許文献1には、モーターの回転により回転ドラム内の粉末餌を排出口より排出する構造の自動給餌機が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、小動物の動作により回動して粉末飼料を下方に掻き出すことを意図した構造の粉末給餌器が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特許第3791809号明細書
【特許文献2】特開平06−070656号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の自動給餌装置では、粉末や、粒状、球状などの供給操作に好適な形状の餌は扱うことはできるが、非球状の餌や、ビーフジャーキー、にぼし等の長辺:短辺比の高い形状的に長い干物は、回転移動させにくく、装置内のホッパー等の餌容器内から転がりでない、もしくは転がりでにくいため、円滑な給餌を行うことができない。さらに加えて、特許文献2の粉末給餌器では、餌は供給過多とならざるを得ず、無制限な給餌による問題を解決することはできない。また、従来開示の自動給餌装置では、液状の餌を自動的に供給することは検討されていない。
【0009】
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、その課題は、あらゆる形状および形態の一定量の餌を定時に自動的に供給可能な定時定量自動給餌装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る定時定量自動給餌装置は、回転軸と、この回転軸を回転させる回転駆動装置と、この回転駆動装置による前記回転軸の回転を制御する制御装置と、前記回転軸に固定されている第1の定量容器と、この第1の定量容器に隣接して前記回転軸に対して回転自在に取り付けられている少なくとも一つの第2の定量容器とを有し、前記第1の定量容器および前記第2の定量容器のそれぞれの側部に隣接の定量容器に直接または間接的に係止する係止アームが固定されていることを特徴とする。
【0011】
前記各定量容器の係止アームが前記回転軸の長手方向に沿って隣接の定量容器の一側端から他側端に到る長さを有していてもよい。
【0012】
また、前記各定量容器の係止アームが、前記回転軸の長手方向に沿って隣接の定量容器の係止アームに重ね合うように当接する長さを有していてもよい。
【0013】
前記第1の定量容器および第2の定量容器には、上部に開口部が形成されていることが好ましい。この開口部は、容器内部に貯留される餌の形状、形態に適した形状および寸法に形成される。
【0014】
また、各定量容器の形状は、内部に収納する餌の形状、形態に応じて、底部から開口部に向かって拡径してもよいし、縮径してもよい。
【0015】
また、各定量容器の底面に孔が設けられ、この孔に容器内部に開く閉止弁が設けられていても良い。
【0016】
また、各定量容器の上部開口部に容器外部に開く閉止弁が設けられていても良い。
【0017】
また、各定量容器の上部開口部に容器内部の餌の排出量を制御する蓋状のアタッチメントが取り付けられていても良い。
【0018】
また、各定量容器の内面は撥水処理されていることが好ましい。
【0019】
本発明にかかる上記構成の定時定量自動給餌装置の操作は、第1の定量容器に隣接して第2の定量容器を設け、この第2の定量容器を必要に応じて順次に隣接する複数個から構成し、全ての定量容器に定量の餌を充填しておき、所定時間経過毎に回転軸を一回転させる。装置の動作の開始時点で、各定量容器の係止アームは、隣接の定量容器に容器の回転方向の動作では係止しない配列にしておく。それにより、最初の一回転で回転軸に固定されている第1の定量容器のみが回転され、内部の餌が容器から排出されて定量給餌がなされる。この時点で、空になった第1の定量容器の係止アームが隣接の第2の定量容器に回転方向に関して係止する。したがって、次の一回転では、第1の定量容器と第2の定量容器とが一緒に回転し、第2の定量容器内の餌が排出されて定量給餌がなされる。この時点で、空になった最初の第2の定量容器の係止アームが次に隣接する他の第2の定量容器に係止する。したがって、さらに次の一回転では、空になった第1及び第2の定量容器と、2番目の第2の定量容器との3つの定量容器が、一緒に回転し、2番目の第2の定量容器の内部の餌が排出されて定量給餌がなされる。このように回転軸に固定されている第1の定量容器から始まって、順次に設置数だけの第2の定量容器が一つずつ一定時間毎に回転されるので、飼育動物に対して、定量の餌を定時毎に連続して自動的に給することができる。全数の定量容器が空になった時点で、初めて人手により全数の定量容器に餌を供給し、回転軸を前回と逆に一定の時間毎に一回転させる設定に切り替えることにより、前回と同様に一つずつの定量容器から一定の時間毎に、餌を排出して、定量給餌を実現することができる。
【0020】
また、定量容器の形状は、自由に設定でき、その開口部の形状も大きさも自由に設定できるので、従来の粉体状、粒体状などの供給しやすい形状の餌ばかりでなく、ビーフジャーキーや煮干しなどの回転、回動させにくい長辺:短辺比の大きな形状の餌も容易に容器から排出できるので、それらの餌を用いた自動給餌も容易となる。
【0021】
さらに、容器の開口部(排出口)の大きさを液体の定量流出が可能となる大きさに設定し、好ましくは、逆さにした時に容器の底部に開口が出現するように孔とそれを塞ぐ閉止弁とを設けておけば、液状の餌を定時に定量供給することも可能である。さらに液状の餌が高粘度なものである場合も、容器の内面を撥水性の高い材料にてコーティングしておくことにより容易に給餌することができる。
【0022】
さらにまた、容器の材質は特に限定されず、一部もしくは全部を透明としてもよい。一部もしくは全部を透明とすることにより餌の充填の有無および容器内の餌の種類などを容易に確認可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の定時定量自動給餌装置によれば、餌の形状に制限されることなく、確実に任意の餌を任意の一定量で、任意の一定時間に、かつ、それらを任意に組合せた任意の給餌内容にて餌を供給できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明にかかる定時定量自動給餌装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0025】
(実施例1)
図1は、本発明に係る定時定量自動給餌装置の一例を示す概略構成図である。本発明の定時定量自動給餌装置の一例は、図1に示すように、回転軸1と、この回転軸1を回転させるモータ(回転駆動装置)2と、このモータ2による前記回転軸1の回転を制御するコンピュータ装置(制御装置)3と、前記回転軸1に固定されている第1の定量容器4と、この第1の定量容器4に隣接して前記回転軸1に対して回転自在に取り付けられている一番目の第2の定量容器5と、この一番目の第2の定量容器5に隣接して前記回転軸1に対して回転自在に取り付けられている二番目の第2の定量容器6とを有しており、好ましくは、前記回転軸1の他端は軸受7によって軸支される。
【0026】
各定量容器4,5,6の構成材料としては、特に限定されないが、回転軸1への取付が容易で、かつ軽量なものが好ましく、ステンレス鋼、ガラス、陶器、プラスチックなどの材料が挙げられ、軽量化の観点から薄肉軽量化の可能なステンレス鋼、プラスチック材料が好ましい。
【0027】
上記構成の定時定量自動給餌装置に対して、図に示すように、飼育動物を収納する飼育ケース8を前記一連の定量容器4,5,6の下部に設置しても良いし、定時定量自動給餌装置全体を飼育ケース(不図示)内に設置するようにしても良い。
【0028】
前記第1の定量容器4は、図2に示すように、上部に開口部4aを有する有底の円筒状容器である。そして、その上部一側部において前記回転軸1に溶接などにより固定されており、その固定位置は、容器4の開口部4aの中心と底部の中心を結ぶ中心線が回転軸1と直交するように設定されている。また、この第1の定量容器4の他の側部には前記回転軸1の長手方向に沿って隣接する前記一番目の第2の定量容器5の一側端から他側端に到る長さの係止アーム4bが固定されている。この係止アーム4bは、この例では、T字形の棒部材である。この係止アーム4bが固定される定量容器4の他の側部の位置とは、この定量容器4の、前記回転軸1の固定位置から90度ずれた側部の下部である。その結果、係止アーム4bは、回転軸1とほぼ並行に回転軸1の長手方向に伸び、隣接の第2の定量容器5の側部に当接する。
【0029】
前記一番目の第2の定量容器5は、図3に示すように、前記第1の定量容器4と同形同寸法の有底の円筒状容器である。そして、その上部一側面において前記回転軸1に軸受または軸受様部材5cにより回転自在に取り付けられており、その固定位置は、容器5の開口部5aの中心と底部の中心を結ぶ中心線が回転軸1と直交するように設定されている。また、前記第1の定量容器4と同様に、この一番目の第2の定量容器5の他の側部には前記回転軸1の長手方向に沿って隣接する二番目の第2の定量容器6の一側端から他側端に到る長さの係止アーム5bが固定されている。
【0030】
前記2番目の第2の定量容器6は、前記一番目の第2の定量容器5と同形同寸法であり、回転軸1への回転自在な取り付け構造も同様である。この実施例1の場合では、第2の定量容器を2つ設ける場合を示しているが、さらに三番目、四番目の第2の定量容器を設けても良く、その場合は、二番目の定量容器6にも、三番目の定量容器にも、前記一番目の定量容器5の場合と同様に、係止アームが同様の形状および取り付け位置にて固定される。
【0031】
次に、前記構成の定時定量自動給餌装置の動作を、図4〜図7の一連の装置模式図を参照して、説明する。
まず、図4に示すように、第1の定量容器4に隣接して一番目の第2の定量容器5を設け、さらにこの一番目の第2の定量容器5に隣接して2番目の第2の定量容器6を設ける。そして、全ての定量容器4,5,6に定量の餌を充填しておき、所定時間経過毎に回転軸を一回転させる。装置の動作の開始時点で、各定量容器4および5の係止アーム4aおよび5bは、それぞれの隣接の定量容器5および6に容器の回転方向の動作では係止しない配列にしておく。
【0032】
図5に示すように、最初の一回転で回転軸1に固定されている第1の定量容器4のみが回転され、内部の餌10が容器4から排出されて定量給餌がなされる。
【0033】
図6に示すように、前記最初の一回転が完了した時点では、空になった第1の定量容器4の係止アーム4bが隣接の一番目の第2の定量容器5の側部に回転方向に関して係止する。
【0034】
次に、図7に示すように、所定の時間を置いた二回目の回転では、第1の定量容器4と一番目の第2の定量容器5とが一緒に回転し、一番目の第2の定量容器5内の餌10が排出されて定量給餌がなされる。
【0035】
次に、前述のように、前記最初の一回転が完了した時点では、前記工程と同様に、空になった一番目の第2の定量容器5の係止アーム5bが次に隣接する2番目の第2の定量容器6の側部に係止する(不図示)。したがって、さらに次の一定時間後の3回目の一回転では、空になった第1及び第2の定量容器4,5と、2番目の第2の定量容器6とが、一緒に回転し、第2の定量容器6の内部の餌が排出されて定量給餌がなされる。
【0036】
このように回転軸1に固定されている第1の定量容器4から始まって、順次に設置数だけの第2の定量容器5,6が一つずつ一定時間毎に回転されるので、飼育動物に対して、定量の餌を定時毎に連続して自動的に給することができる。
【0037】
上述のようにして全数の定量容器4,5,6が空になった時点で、初めて人手により全数の定量容器4,5,6に餌を供給し、コンピュータ(制御装置)3の内蔵プログラムに基づいて、モータ(回転駆動装置)2に指令を送り、回転軸1を前回と逆に一定の時間毎に一回転させる設定に切り替えることにより、前回と同様に一つずつの定量容器4,5,6から一定の時間毎に、餌を排出して、定量給餌を実現することができる。
【0038】
以上の運転サイクルを繰り返すことにより、任意の所望な期間に亘って、飼育動物に所望の時間置きに所定量の餌を自動的かつ継続的に給することができる。
【0039】
前記コンピュータ3及びモータ2による回転軸1の一回転は、容器内に収納する餌の形状及び形態に応じて、全工程等速、等速−停止−等速、高速−低速−高速など種々の速度及び停止状態の組み合わせ、及びこれらの逆回転にて構成される。
【0040】
(実施例2)
図8に、本発明に係る定時定量自動給餌装置の第2の実施例の概略構成図を示す。この実施例の特徴は、各定量容器4,5,6に設けられる係止アームが、図に示すように、互いに当接し、係止状態になる板状の係止アーム40b、50b−1、50b−2、60bとなっている点にあり、その他の構成、形状は、前記第1の実施例と同様である。第1の定量容器4には、一つの板状の係止アーム40bが取り付けられ、一番目の第2の定量容器5には、前記第1の定量容器4の係止アーム40bと重ね合うように当接する板状の係止アーム50b−1が設けられるとともに、その反対側の側面に板状の係止アーム50b−2が設けられている。そして、二番目の第2の定量容器6には、前記一番目の第2の定量容器5の係止アーム50b−2と重ね合うように当接する板状の係止アーム50bが設けられている。なお、この実施例では、各係止アームを、各定量容器の回転に伴って互いに重なり合って当接するのに好適な板状に形成したが、互いに重なり合って当接できるのであれば、板状に限らず、棒状、その他の形状であっても良い。
【0041】
前記形状、取り付け構造の係止アームに変更することによっても、前記第1の実施例の場合と同様に、同様の運転サイクルを繰り返すことにより、任意の所望な期間に亘って、飼育動物に所望の時間置きに所定量の餌を自動的かつ継続的に給することができる。
【0042】
以下に示す実施例3〜8は、定量容器の形状に関する変形例であり、定量容器についてのみ図示及び説明を行い、他の構造は前記実施例1又は実施例2と同様であって良いので、その他の構造部分の説明を省略する。
【0043】
(実施例3)
図9に示すように、この実施例3では、各定量容器20は、上部がテーパー状に縮径して開口部20aが小さくなっている。このように開口部20aの口径を、例えば、5mm〜15mm程度の小さい寸法に設定することにより、粉状、粒状の餌11を飛散させることなく、排出でき、装置下部に設置する餌受け容器に的確に収めることが可能になる。
【0044】
(実施例4)
図10に示すように、この実施例4では、各定量容器30は、底部から上部に向かってテーパー状に拡径して開口部30aが広口になっている。このように開口部30aの口径を、例えば、50mm以上の大きな寸法に設定することにより、煮干し、ビーフジャーキーなどの長辺:短辺比の高い長さのある形状の餌12を定量容器30から容易に排出できる。
【0045】
(実施例5)
図11に示すように、この実施例5の特徴は、長さのある形状の餌12に好適な定量容器30を回転軸から取り外すことなく、粉末状または粒状の餌11の供給も容易とするための蓋状のアタッチメント40を取り付ける構成にある。このアタッチメント40は、定量容器30の上部開口部30aに着脱自在に嵌着又は螺合可能であり、その開口部40aに向かって徐々に縮径し、開口部40aは、例えば、口径が5mm〜15mm程度の小さい寸法に設定されている。かかる形状のアタッチメント40を用いることにより回転軸1に取り付けられた広口の容器30を前記実施例3の定量容器20に交換することなく、粉状、粒状の餌11を的確に排出することが可能になる。
【0046】
(実施例6)
図12に示すように、この実施例6の特徴は、定量容器50の底面に孔60が設けられ、この孔60に容器50内部に開く閉止弁61が設けられている点にある。かかる構成の定量容器50の上部開口部50aを液体の定量排出が実現される程度の小さな口径に形成することにより、図13に示すように、回転軸を回転して、定量容器50を転倒位置に置くと、閉止弁61が開き、容器50の内部に空気が入り、下方に位置する開口部50aから液状の餌13を飛散させることなく、排出でき、装置下部に設置する餌受け容器に的確に収めることが可能になる。
【0047】
(実施例7)
図14に示すように、この実施例7の特徴は、定量容器70の上部開口部70aに容器外部に開く閉止弁71が設けられている点にある。定量容器70の上部開口部70aに容器外部に開く閉止弁71が設けることにより、容器70の内部に収納する餌が乾燥を嫌うものであったり、埃などの浸入を避ける必要があるものである場合において、所望の目的を達することができる。
【0048】
(実施例8)
図15に示すように、この実施例8の特徴は、定量容器80が透明材料から構成されている点にある。透明材料としては透明プラスチック、透明ガラスなどが上げられるが、回転軸により回転させる構造であるため、より軽量なプラスチック材料を用いることが好ましい。なお、この実施例8では、定量容器80を全て透明材料から構成したが、一部を透明材料から構成するようにしても良い。また、透明部分に内部の容積を表示する目盛りを刻設してもよい。
【0049】
(実施例9)
図16に示すように、この実施例9の特徴は、定量容器90の内面が撥水性の被膜91によりコーティングされている点にある。液状の餌が高粘度なものである場合も、容器90の内面が撥水性の被膜に覆われていれば、容器90からの粘性の高い餌の離れが向上され、粘性の高い餌を与える場合にも、容易に給餌することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明にかかる定時定量自動給餌装置は、餌の形状に制限されることなく、確実に任意の餌を任意の一定量で、任意の一定時間に、かつ、それらを任意に組合せた任意の給餌内容にて餌を供給できる。したがって、本発明の定時定量自動給餌装置を用いることにより、実験動物やペット動物などの飼育動物への給餌を健康の維持に好適な定時定量という条件を満たしつつ、人手を煩わせなく、長期に亘って、継続的に実現することができる。本発明の定時定量自動給餌装置は、特に、実験動物への給餌に用いる給餌装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る定時定量自動給餌装置の第1の実施例を示す装置の概略全体構成図である。
【図2】図1に示した定時定量自動給餌装置に用いられている第1の定量容器の斜視図である。
【図3】図1に示した定時定量自動給餌装置に用いられている第2の定量容器の斜視図である。
【図4】図1に示した定時定量自動給餌装置の動作を説明するための図であって、装置の各構成要素の初期配置を示す装置の模式的斜視図である。
【図5】図1に示した定時定量自動給餌装置の動作を説明するための図であって、装置の最初の回転動作中の装置の模式的斜視図である。
【図6】図1に示した定時定量自動給餌装置の動作を説明するための図であって、装置の最初の回転動作が完了した時点の装置の模式的斜視図である。
【図7】図1に示した定時定量自動給餌装置の動作を説明するための図であって、装置の駆動後二回目の回転動作中の装置の模式的斜視図である。
【図8】本発明に係る定時定量自動給餌装置の第2の実施例を示す装置の模式的斜視図である。
【図9】本発明の定時定量自動給餌装置に用いられる定量容器の変形例を示す本発明の第3の実施例を説明するための、定量容器の断面構成図である。
【図10】本発明の定時定量自動給餌装置に用いられる定量容器の他の変形例を示す本発明の第4の実施例を説明するための、定量容器の断面構成図である。
【図11】本発明の定時定量自動給餌装置に用いられる定量容器の他の変形例を示す本発明の第5の実施例を説明するための、定量容器の断面構成図である。
【図12】本発明の定時定量自動給餌装置に用いられる定量容器の他の変形例を示す本発明の第6の実施例を説明するための、定量容器の断面構成図である。
【図13】図12に示す定量容器が転倒された状態を示す断面構成図である。
【図14】本発明の定時定量自動給餌装置に用いられる定量容器の他の変形例を示す本発明の第7の実施例を説明するための、定量容器の断面構成図である。
【図15】本発明の定時定量自動給餌装置に用いられる定量容器の他の変形例を示す本発明の第8の実施例を説明するための、定量容器の断面構成図である。
【図16】本発明の定時定量自動給餌装置に用いられる定量容器の他の変形例を示す本発明の第9の実施例を説明するための、定量容器の断面構成図である。
【符号の説明】
【0052】
1 回転軸
2 モータ(回転駆動装置)
3 コンピュータ装置(制御装置)
4 第1の定量容器
4a 開口部
4b 係止アーム
5 一番目の第2の定量容器
5a 開口部
5b 係止アーム
5c 軸受または軸受様部材
6 二番目の第2の定量容器
7 軸受
8 飼育ケース
10 餌
11 粉状、粒状の餌
12 長辺:短辺比の高い長さのある形状の餌
13 液状の餌
40b、50b−1、50b−2、60b 板状の係止アーム
20、30、50、70、80、90 定量容器
20a、30a 開口部
40 蓋状のアタッチメント
40a、50a,70a 開口部
60 孔
61 閉止弁
71 閉止弁
91 撥水性の被膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、飼育動物に一定量の餌を定時に自動的に与えることのできる定時定量自動給餌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
実験動物は、実験に供するまでの間、あるいは長期観察実験中において、実験条件以外に関しては、実験動物に負荷を与えないように、適切な給餌が必要である。かかる実験動物への給餌は、従来、給餌そのものが制御すべき実験条件でない限り、給餌を自由に行っていた。そのため、飼育中の実験動物が、肥満や各種疾患に罹りやすく、そのため、実験動物の寿命が短くなるという問題が生じている。このような給餌形態に由来する問題は、実験動物を長期間に亘って実験に供する必要がある場合、実験動物を確保するためのコストを上昇させるばかりでなく、実験データの正確な取得が困難になるなどの深刻な状況をもたらすことになる。
【0003】
このような問題を解決するには、給餌を適切に制限すれば良いのであるが、毎日一定量を測定し給餌することは、実験に従事する者にとって、大変手間と時間を要し、非能率である。
【0004】
かかる給餌における問題は、実験動物において顕著であるが、対象が実験動物に限られるわけではなく、家庭で飼育しているペット動物に対する給餌においても、同様である。例えば、家族が家を留守にする必要が生じた場合でも、ペット動物への給餌ができなくなるため、ペット動物を飼育している家庭では、長期の留守は避けざるを得ない状況となる。
【0005】
そこで、自動的に餌を与える自動給餌装置の開発が望まれるわけであり、従来、幾種類かの給餌機が提供されている。例えば、特許文献1には、モーターの回転により回転ドラム内の粉末餌を排出口より排出する構造の自動給餌機が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、小動物の動作により回動して粉末飼料を下方に掻き出すことを意図した構造の粉末給餌器が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特許第3791809号明細書
【特許文献2】特開平06−070656号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の自動給餌装置では、粉末や、粒状、球状などの供給操作に好適な形状の餌は扱うことはできるが、非球状の餌や、ビーフジャーキー、にぼし等の長辺:短辺比の高い形状的に長い干物は、回転移動させにくく、装置内のホッパー等の餌容器内から転がりでない、もしくは転がりでにくいため、円滑な給餌を行うことができない。さらに加えて、特許文献2の粉末給餌器では、餌は供給過多とならざるを得ず、無制限な給餌による問題を解決することはできない。また、従来開示の自動給餌装置では、液状の餌を自動的に供給することは検討されていない。
【0009】
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、その課題は、あらゆる形状および形態の一定量の餌を定時に自動的に供給可能な定時定量自動給餌装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る定時定量自動給餌装置は、回転軸と、この回転軸を回転させる回転駆動装置と、この回転駆動装置による前記回転軸の回転を制御する制御装置と、前記回転軸に固定されている第1の定量容器と、この第1の定量容器に隣接して前記回転軸に対して回転自在に取り付けられている少なくとも一つの第2の定量容器とを有し、前記第1の定量容器および前記第2の定量容器のそれぞれの側部に隣接の定量容器に直接または間接的に係止する係止アームが固定されていることを特徴とする。
【0011】
前記各定量容器の係止アームが前記回転軸の長手方向に沿って隣接の定量容器の一側端から他側端に到る長さを有していてもよい。
【0012】
また、前記各定量容器の係止アームが、前記回転軸の長手方向に沿って隣接の定量容器の係止アームに重ね合うように当接する長さを有していてもよい。
【0013】
前記第1の定量容器および第2の定量容器には、上部に開口部が形成されていることが好ましい。この開口部は、容器内部に貯留される餌の形状、形態に適した形状および寸法に形成される。
【0014】
また、各定量容器の形状は、内部に収納する餌の形状、形態に応じて、底部から開口部に向かって拡径してもよいし、縮径してもよい。
【0015】
また、各定量容器の底面に孔が設けられ、この孔に容器内部に開く閉止弁が設けられていても良い。
【0016】
また、各定量容器の上部開口部に容器外部に開く閉止弁が設けられていても良い。
【0017】
また、各定量容器の上部開口部に容器内部の餌の排出量を制御する蓋状のアタッチメントが取り付けられていても良い。
【0018】
また、各定量容器の内面は撥水処理されていることが好ましい。
【0019】
本発明にかかる上記構成の定時定量自動給餌装置の操作は、第1の定量容器に隣接して第2の定量容器を設け、この第2の定量容器を必要に応じて順次に隣接する複数個から構成し、全ての定量容器に定量の餌を充填しておき、所定時間経過毎に回転軸を一回転させる。装置の動作の開始時点で、各定量容器の係止アームは、隣接の定量容器に容器の回転方向の動作では係止しない配列にしておく。それにより、最初の一回転で回転軸に固定されている第1の定量容器のみが回転され、内部の餌が容器から排出されて定量給餌がなされる。この時点で、空になった第1の定量容器の係止アームが隣接の第2の定量容器に回転方向に関して係止する。したがって、次の一回転では、第1の定量容器と第2の定量容器とが一緒に回転し、第2の定量容器内の餌が排出されて定量給餌がなされる。この時点で、空になった最初の第2の定量容器の係止アームが次に隣接する他の第2の定量容器に係止する。したがって、さらに次の一回転では、空になった第1及び第2の定量容器と、2番目の第2の定量容器との3つの定量容器が、一緒に回転し、2番目の第2の定量容器の内部の餌が排出されて定量給餌がなされる。このように回転軸に固定されている第1の定量容器から始まって、順次に設置数だけの第2の定量容器が一つずつ一定時間毎に回転されるので、飼育動物に対して、定量の餌を定時毎に連続して自動的に給することができる。全数の定量容器が空になった時点で、初めて人手により全数の定量容器に餌を供給し、回転軸を前回と逆に一定の時間毎に一回転させる設定に切り替えることにより、前回と同様に一つずつの定量容器から一定の時間毎に、餌を排出して、定量給餌を実現することができる。
【0020】
また、定量容器の形状は、自由に設定でき、その開口部の形状も大きさも自由に設定できるので、従来の粉体状、粒体状などの供給しやすい形状の餌ばかりでなく、ビーフジャーキーや煮干しなどの回転、回動させにくい長辺:短辺比の大きな形状の餌も容易に容器から排出できるので、それらの餌を用いた自動給餌も容易となる。
【0021】
さらに、容器の開口部(排出口)の大きさを液体の定量流出が可能となる大きさに設定し、好ましくは、逆さにした時に容器の底部に開口が出現するように孔とそれを塞ぐ閉止弁とを設けておけば、液状の餌を定時に定量供給することも可能である。さらに液状の餌が高粘度なものである場合も、容器の内面を撥水性の高い材料にてコーティングしておくことにより容易に給餌することができる。
【0022】
さらにまた、容器の材質は特に限定されず、一部もしくは全部を透明としてもよい。一部もしくは全部を透明とすることにより餌の充填の有無および容器内の餌の種類などを容易に確認可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の定時定量自動給餌装置によれば、餌の形状に制限されることなく、確実に任意の餌を任意の一定量で、任意の一定時間に、かつ、それらを任意に組合せた任意の給餌内容にて餌を供給できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明にかかる定時定量自動給餌装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0025】
(実施例1)
図1は、本発明に係る定時定量自動給餌装置の一例を示す概略構成図である。本発明の定時定量自動給餌装置の一例は、図1に示すように、回転軸1と、この回転軸1を回転させるモータ(回転駆動装置)2と、このモータ2による前記回転軸1の回転を制御するコンピュータ装置(制御装置)3と、前記回転軸1に固定されている第1の定量容器4と、この第1の定量容器4に隣接して前記回転軸1に対して回転自在に取り付けられている一番目の第2の定量容器5と、この一番目の第2の定量容器5に隣接して前記回転軸1に対して回転自在に取り付けられている二番目の第2の定量容器6とを有しており、好ましくは、前記回転軸1の他端は軸受7によって軸支される。
【0026】
各定量容器4,5,6の構成材料としては、特に限定されないが、回転軸1への取付が容易で、かつ軽量なものが好ましく、ステンレス鋼、ガラス、陶器、プラスチックなどの材料が挙げられ、軽量化の観点から薄肉軽量化の可能なステンレス鋼、プラスチック材料が好ましい。
【0027】
上記構成の定時定量自動給餌装置に対して、図に示すように、飼育動物を収納する飼育ケース8を前記一連の定量容器4,5,6の下部に設置しても良いし、定時定量自動給餌装置全体を飼育ケース(不図示)内に設置するようにしても良い。
【0028】
前記第1の定量容器4は、図2に示すように、上部に開口部4aを有する有底の円筒状容器である。そして、その上部一側部において前記回転軸1に溶接などにより固定されており、その固定位置は、容器4の開口部4aの中心と底部の中心を結ぶ中心線が回転軸1と直交するように設定されている。また、この第1の定量容器4の他の側部には前記回転軸1の長手方向に沿って隣接する前記一番目の第2の定量容器5の一側端から他側端に到る長さの係止アーム4bが固定されている。この係止アーム4bは、この例では、T字形の棒部材である。この係止アーム4bが固定される定量容器4の他の側部の位置とは、この定量容器4の、前記回転軸1の固定位置から90度ずれた側部の下部である。その結果、係止アーム4bは、回転軸1とほぼ並行に回転軸1の長手方向に伸び、隣接の第2の定量容器5の側部に当接する。
【0029】
前記一番目の第2の定量容器5は、図3に示すように、前記第1の定量容器4と同形同寸法の有底の円筒状容器である。そして、その上部一側面において前記回転軸1に軸受または軸受様部材5cにより回転自在に取り付けられており、その固定位置は、容器5の開口部5aの中心と底部の中心を結ぶ中心線が回転軸1と直交するように設定されている。また、前記第1の定量容器4と同様に、この一番目の第2の定量容器5の他の側部には前記回転軸1の長手方向に沿って隣接する二番目の第2の定量容器6の一側端から他側端に到る長さの係止アーム5bが固定されている。
【0030】
前記2番目の第2の定量容器6は、前記一番目の第2の定量容器5と同形同寸法であり、回転軸1への回転自在な取り付け構造も同様である。この実施例1の場合では、第2の定量容器を2つ設ける場合を示しているが、さらに三番目、四番目の第2の定量容器を設けても良く、その場合は、二番目の定量容器6にも、三番目の定量容器にも、前記一番目の定量容器5の場合と同様に、係止アームが同様の形状および取り付け位置にて固定される。
【0031】
次に、前記構成の定時定量自動給餌装置の動作を、図4〜図7の一連の装置模式図を参照して、説明する。
まず、図4に示すように、第1の定量容器4に隣接して一番目の第2の定量容器5を設け、さらにこの一番目の第2の定量容器5に隣接して2番目の第2の定量容器6を設ける。そして、全ての定量容器4,5,6に定量の餌を充填しておき、所定時間経過毎に回転軸を一回転させる。装置の動作の開始時点で、各定量容器4および5の係止アーム4aおよび5bは、それぞれの隣接の定量容器5および6に容器の回転方向の動作では係止しない配列にしておく。
【0032】
図5に示すように、最初の一回転で回転軸1に固定されている第1の定量容器4のみが回転され、内部の餌10が容器4から排出されて定量給餌がなされる。
【0033】
図6に示すように、前記最初の一回転が完了した時点では、空になった第1の定量容器4の係止アーム4bが隣接の一番目の第2の定量容器5の側部に回転方向に関して係止する。
【0034】
次に、図7に示すように、所定の時間を置いた二回目の回転では、第1の定量容器4と一番目の第2の定量容器5とが一緒に回転し、一番目の第2の定量容器5内の餌10が排出されて定量給餌がなされる。
【0035】
次に、前述のように、前記最初の一回転が完了した時点では、前記工程と同様に、空になった一番目の第2の定量容器5の係止アーム5bが次に隣接する2番目の第2の定量容器6の側部に係止する(不図示)。したがって、さらに次の一定時間後の3回目の一回転では、空になった第1及び第2の定量容器4,5と、2番目の第2の定量容器6とが、一緒に回転し、第2の定量容器6の内部の餌が排出されて定量給餌がなされる。
【0036】
このように回転軸1に固定されている第1の定量容器4から始まって、順次に設置数だけの第2の定量容器5,6が一つずつ一定時間毎に回転されるので、飼育動物に対して、定量の餌を定時毎に連続して自動的に給することができる。
【0037】
上述のようにして全数の定量容器4,5,6が空になった時点で、初めて人手により全数の定量容器4,5,6に餌を供給し、コンピュータ(制御装置)3の内蔵プログラムに基づいて、モータ(回転駆動装置)2に指令を送り、回転軸1を前回と逆に一定の時間毎に一回転させる設定に切り替えることにより、前回と同様に一つずつの定量容器4,5,6から一定の時間毎に、餌を排出して、定量給餌を実現することができる。
【0038】
以上の運転サイクルを繰り返すことにより、任意の所望な期間に亘って、飼育動物に所望の時間置きに所定量の餌を自動的かつ継続的に給することができる。
【0039】
前記コンピュータ3及びモータ2による回転軸1の一回転は、容器内に収納する餌の形状及び形態に応じて、全工程等速、等速−停止−等速、高速−低速−高速など種々の速度及び停止状態の組み合わせ、及びこれらの逆回転にて構成される。
【0040】
(実施例2)
図8に、本発明に係る定時定量自動給餌装置の第2の実施例の概略構成図を示す。この実施例の特徴は、各定量容器4,5,6に設けられる係止アームが、図に示すように、互いに当接し、係止状態になる板状の係止アーム40b、50b−1、50b−2、60bとなっている点にあり、その他の構成、形状は、前記第1の実施例と同様である。第1の定量容器4には、一つの板状の係止アーム40bが取り付けられ、一番目の第2の定量容器5には、前記第1の定量容器4の係止アーム40bと重ね合うように当接する板状の係止アーム50b−1が設けられるとともに、その反対側の側面に板状の係止アーム50b−2が設けられている。そして、二番目の第2の定量容器6には、前記一番目の第2の定量容器5の係止アーム50b−2と重ね合うように当接する板状の係止アーム50bが設けられている。なお、この実施例では、各係止アームを、各定量容器の回転に伴って互いに重なり合って当接するのに好適な板状に形成したが、互いに重なり合って当接できるのであれば、板状に限らず、棒状、その他の形状であっても良い。
【0041】
前記形状、取り付け構造の係止アームに変更することによっても、前記第1の実施例の場合と同様に、同様の運転サイクルを繰り返すことにより、任意の所望な期間に亘って、飼育動物に所望の時間置きに所定量の餌を自動的かつ継続的に給することができる。
【0042】
以下に示す実施例3〜8は、定量容器の形状に関する変形例であり、定量容器についてのみ図示及び説明を行い、他の構造は前記実施例1又は実施例2と同様であって良いので、その他の構造部分の説明を省略する。
【0043】
(実施例3)
図9に示すように、この実施例3では、各定量容器20は、上部がテーパー状に縮径して開口部20aが小さくなっている。このように開口部20aの口径を、例えば、5mm〜15mm程度の小さい寸法に設定することにより、粉状、粒状の餌11を飛散させることなく、排出でき、装置下部に設置する餌受け容器に的確に収めることが可能になる。
【0044】
(実施例4)
図10に示すように、この実施例4では、各定量容器30は、底部から上部に向かってテーパー状に拡径して開口部30aが広口になっている。このように開口部30aの口径を、例えば、50mm以上の大きな寸法に設定することにより、煮干し、ビーフジャーキーなどの長辺:短辺比の高い長さのある形状の餌12を定量容器30から容易に排出できる。
【0045】
(実施例5)
図11に示すように、この実施例5の特徴は、長さのある形状の餌12に好適な定量容器30を回転軸から取り外すことなく、粉末状または粒状の餌11の供給も容易とするための蓋状のアタッチメント40を取り付ける構成にある。このアタッチメント40は、定量容器30の上部開口部30aに着脱自在に嵌着又は螺合可能であり、その開口部40aに向かって徐々に縮径し、開口部40aは、例えば、口径が5mm〜15mm程度の小さい寸法に設定されている。かかる形状のアタッチメント40を用いることにより回転軸1に取り付けられた広口の容器30を前記実施例3の定量容器20に交換することなく、粉状、粒状の餌11を的確に排出することが可能になる。
【0046】
(実施例6)
図12に示すように、この実施例6の特徴は、定量容器50の底面に孔60が設けられ、この孔60に容器50内部に開く閉止弁61が設けられている点にある。かかる構成の定量容器50の上部開口部50aを液体の定量排出が実現される程度の小さな口径に形成することにより、図13に示すように、回転軸を回転して、定量容器50を転倒位置に置くと、閉止弁61が開き、容器50の内部に空気が入り、下方に位置する開口部50aから液状の餌13を飛散させることなく、排出でき、装置下部に設置する餌受け容器に的確に収めることが可能になる。
【0047】
(実施例7)
図14に示すように、この実施例7の特徴は、定量容器70の上部開口部70aに容器外部に開く閉止弁71が設けられている点にある。定量容器70の上部開口部70aに容器外部に開く閉止弁71が設けることにより、容器70の内部に収納する餌が乾燥を嫌うものであったり、埃などの浸入を避ける必要があるものである場合において、所望の目的を達することができる。
【0048】
(実施例8)
図15に示すように、この実施例8の特徴は、定量容器80が透明材料から構成されている点にある。透明材料としては透明プラスチック、透明ガラスなどが上げられるが、回転軸により回転させる構造であるため、より軽量なプラスチック材料を用いることが好ましい。なお、この実施例8では、定量容器80を全て透明材料から構成したが、一部を透明材料から構成するようにしても良い。また、透明部分に内部の容積を表示する目盛りを刻設してもよい。
【0049】
(実施例9)
図16に示すように、この実施例9の特徴は、定量容器90の内面が撥水性の被膜91によりコーティングされている点にある。液状の餌が高粘度なものである場合も、容器90の内面が撥水性の被膜に覆われていれば、容器90からの粘性の高い餌の離れが向上され、粘性の高い餌を与える場合にも、容易に給餌することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明にかかる定時定量自動給餌装置は、餌の形状に制限されることなく、確実に任意の餌を任意の一定量で、任意の一定時間に、かつ、それらを任意に組合せた任意の給餌内容にて餌を供給できる。したがって、本発明の定時定量自動給餌装置を用いることにより、実験動物やペット動物などの飼育動物への給餌を健康の維持に好適な定時定量という条件を満たしつつ、人手を煩わせなく、長期に亘って、継続的に実現することができる。本発明の定時定量自動給餌装置は、特に、実験動物への給餌に用いる給餌装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る定時定量自動給餌装置の第1の実施例を示す装置の概略全体構成図である。
【図2】図1に示した定時定量自動給餌装置に用いられている第1の定量容器の斜視図である。
【図3】図1に示した定時定量自動給餌装置に用いられている第2の定量容器の斜視図である。
【図4】図1に示した定時定量自動給餌装置の動作を説明するための図であって、装置の各構成要素の初期配置を示す装置の模式的斜視図である。
【図5】図1に示した定時定量自動給餌装置の動作を説明するための図であって、装置の最初の回転動作中の装置の模式的斜視図である。
【図6】図1に示した定時定量自動給餌装置の動作を説明するための図であって、装置の最初の回転動作が完了した時点の装置の模式的斜視図である。
【図7】図1に示した定時定量自動給餌装置の動作を説明するための図であって、装置の駆動後二回目の回転動作中の装置の模式的斜視図である。
【図8】本発明に係る定時定量自動給餌装置の第2の実施例を示す装置の模式的斜視図である。
【図9】本発明の定時定量自動給餌装置に用いられる定量容器の変形例を示す本発明の第3の実施例を説明するための、定量容器の断面構成図である。
【図10】本発明の定時定量自動給餌装置に用いられる定量容器の他の変形例を示す本発明の第4の実施例を説明するための、定量容器の断面構成図である。
【図11】本発明の定時定量自動給餌装置に用いられる定量容器の他の変形例を示す本発明の第5の実施例を説明するための、定量容器の断面構成図である。
【図12】本発明の定時定量自動給餌装置に用いられる定量容器の他の変形例を示す本発明の第6の実施例を説明するための、定量容器の断面構成図である。
【図13】図12に示す定量容器が転倒された状態を示す断面構成図である。
【図14】本発明の定時定量自動給餌装置に用いられる定量容器の他の変形例を示す本発明の第7の実施例を説明するための、定量容器の断面構成図である。
【図15】本発明の定時定量自動給餌装置に用いられる定量容器の他の変形例を示す本発明の第8の実施例を説明するための、定量容器の断面構成図である。
【図16】本発明の定時定量自動給餌装置に用いられる定量容器の他の変形例を示す本発明の第9の実施例を説明するための、定量容器の断面構成図である。
【符号の説明】
【0052】
1 回転軸
2 モータ(回転駆動装置)
3 コンピュータ装置(制御装置)
4 第1の定量容器
4a 開口部
4b 係止アーム
5 一番目の第2の定量容器
5a 開口部
5b 係止アーム
5c 軸受または軸受様部材
6 二番目の第2の定量容器
7 軸受
8 飼育ケース
10 餌
11 粉状、粒状の餌
12 長辺:短辺比の高い長さのある形状の餌
13 液状の餌
40b、50b−1、50b−2、60b 板状の係止アーム
20、30、50、70、80、90 定量容器
20a、30a 開口部
40 蓋状のアタッチメント
40a、50a,70a 開口部
60 孔
61 閉止弁
71 閉止弁
91 撥水性の被膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、この回転軸を回転させる回転駆動装置と、この回転駆動装置による前記回転軸の回転を制御する制御装置と、前記回転軸に固定されている第1の定量容器と、この第1の定量容器に隣接して前記回転軸に対して回転自在に取り付けられている少なくとも一つの第2の定量容器とを有し、前記第1の定量容器および前記第2の定量容器のそれぞれの側部に隣接の定量容器に直接または間接的に係止する係止アームが固定されていることを特徴とする定時定量自動給餌装置。
【請求項2】
前記各定量容器の係止アームが前記回転軸の長手方向に沿って隣接の定量容器の一側端から他側端に到る長さを有することを特徴とする請求項1に記載の定時定量自動給餌装置。
【請求項3】
前記各定量容器の係止アームが、前記回転軸の長手方向に沿って隣接の定量容器の係止アームに重ね合うように当接する長さを有することを特徴とする請求項1に記載の定時定量自動給餌装置。
【請求項4】
前記第1の定量容器及び第2の定量容器の上部に開口部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の定時定量自動給餌装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の定量容器の底面に孔が設けられ、この孔に容器内部に開く閉止弁が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の定時定量自動給餌装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の定量容器の上部開口部に容器外部に開く閉止弁が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の定時定量自動給餌装置。
【請求項7】
前記第1及び第2の定量容器の上部開口部に容器内部の餌の排出量を制御する蓋状のアタッチメントが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の定時定量自動給餌装置。
【請求項8】
前記第1及び第2の定量容器の内面に撥水性被膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の定時定量自動給餌装置。
【請求項1】
回転軸と、この回転軸を回転させる回転駆動装置と、この回転駆動装置による前記回転軸の回転を制御する制御装置と、前記回転軸に固定されている第1の定量容器と、この第1の定量容器に隣接して前記回転軸に対して回転自在に取り付けられている少なくとも一つの第2の定量容器とを有し、前記第1の定量容器および前記第2の定量容器のそれぞれの側部に隣接の定量容器に直接または間接的に係止する係止アームが固定されていることを特徴とする定時定量自動給餌装置。
【請求項2】
前記各定量容器の係止アームが前記回転軸の長手方向に沿って隣接の定量容器の一側端から他側端に到る長さを有することを特徴とする請求項1に記載の定時定量自動給餌装置。
【請求項3】
前記各定量容器の係止アームが、前記回転軸の長手方向に沿って隣接の定量容器の係止アームに重ね合うように当接する長さを有することを特徴とする請求項1に記載の定時定量自動給餌装置。
【請求項4】
前記第1の定量容器及び第2の定量容器の上部に開口部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の定時定量自動給餌装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の定量容器の底面に孔が設けられ、この孔に容器内部に開く閉止弁が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の定時定量自動給餌装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の定量容器の上部開口部に容器外部に開く閉止弁が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の定時定量自動給餌装置。
【請求項7】
前記第1及び第2の定量容器の上部開口部に容器内部の餌の排出量を制御する蓋状のアタッチメントが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の定時定量自動給餌装置。
【請求項8】
前記第1及び第2の定量容器の内面に撥水性被膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の定時定量自動給餌装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−148227(P2009−148227A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330680(P2007−330680)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]