説明

実時間リストモード再構成

陽電子放出型断層撮影においては、陽電子消滅事象に起因するγ線事象を検出するために核医学スキャナ(10)が使用される。放射線検出器(18)によって同時に検出されるγ線対に崩壊する放射性同位体により、既知の挙動を有する分子が捕らえられる。時間記録器(22)及び被検体支持台モニター(26)が、同時のγ線が検出された時間及び被検体位置を指し示す。記憶バッファ(28)がγ線検出の時間及び位置を支持台位置とともに収集する。支持台(12)がスキャナを通って連続的に移動するとき、1/100秒から1/10秒毎に、バッファ(28)内に収集されたデータのバッチが画像メモリの重なり合う部分に再構成される(48)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療用画像分野に関する。本発明は、特に、飛行時間(time of flight;TOF)−陽電子放出型断層撮影(PET)スキャンに適用されるものであり、特にそれを参照して説明される。本発明はまた、単一光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)及びPET、並びにその他の画像診断にも適用可能である。
【背景技術】
【0002】
典型的に、放射性撮影において被検体は、結合されて関心領域の3次元表示を形成する体軸断層にて画像化される。この領域は、例えば脳又は心臓などに局所化され得るが、全身PETスキャンも一般的に行われている。一部のPETスキャナは、典型的に約10cm幅のデータ収集ウィンドウを用いて、ステップ・アンド・ショット法のデータ収集を使用している。データは、典型的に、所与の寝台位置においてフレームモードで収集・転送され、所与の寝台位置での全事象が収集された後にのみ再構成に利用可能にされる。一部のPETスキャナはベッドを連続的に移動させてリストモードで事象を収集し、事象は先ずバッファ内に格納され、その後、1つ又は幾つかのバッファがいっぱいになるとディスクに格納される。そして、全てのデータ収集が完了すると再構成が開始される。具体的には、データは、共通処理で足し合わされ再構成される実質的に冗長な光線を見出すように格納される。
【0003】
これら現行方法の何れも、再構成が開始可能となるまでの遅延を生じさせる。その結果、再構成がデータ収集の直後に開始されたのを受けてから画像は完成される。再構成は、少なくとも最初の領域がステップ・アンド・ショットモードのデータ収集ウィンドウを立ち去るまでは開始されない。データが別々の画像としてセクションに分けて再構成されるとき、一般に、境界部の不連続性又はアーチファクトが発生する。現在行われているように、再構成が開始可能になるまでに全てのデータが連続的な寝台動作スキャンにて収集されなければならない。現状では、データ収集の開始と再構成の開始との間には常に幾分の遅延が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述及びその他の問題を解決する、新規且つ改善された放射性撮像装置及びそれに付随する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に従って、核放出(nuclear emission)装置が開示される。被検体支持台表面が、γ線を放射する放射性医薬品を注入された被検体を支持する。被検体の選択された生体構造が検出領域を貫くように移動させられる。被検体支持台モニターが、データ収集処理中に、被検体支持台表面の位置を監視する。γ線検出器の組立体が、放射されたγ線を検出し、それらを少なくとも検出位置を示す電気信号に変換する。記憶バッファが、電気信号及び対応する被検体支持台位置のバッチを一時的に格納する。記憶バッファが電気信号及び対応する被検体支持台位置の次のバッチを格納するとき、再構成プロセッサが記憶バッファからの1つの信号バッチを画像表示に再構成する。
【0006】
本発明の他の一態様に従って、核放出方法が開示される。被検体は支持され、γ線を放射する放射性医薬品を注入される。被検体の選択された生体構造が検出領域を貫くように移動させられる。データ収集処理中に、被検体の位置が監視される。放射されたγ線が検出され、γ線検出位置を示す電気信号が生成される。第1のγ線を受け取った時間が記録され、同時に放射されたγ線を受け取る間の遅延時間も記録される。対応する被検体支持台位置を伴う電気信号がバッチにして一時的に格納される。受け取られたγ線対は、それらが有効な消滅事象を起源とするものであるか決定するために分析される。一時的に格納された電気信号の1つのバッチが取り出されて再構成され、そのとき、対応する被検体支持台位置を伴う電気信号の次のバッチが格納される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の1つの利点は、より高速な画像再構成にある。
【0008】
他の1つの利点は、被検体のスループットが向上されることにある。
【0009】
他の1つの利点は、被検体が装置内にいながらにして、画像がレビューに利用可能なことにある。
【0010】
以下の好適な実施形態についての詳細な説明を読み、理解することにより、さらなる効果が当業者には明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は様々な構成要素とその配置、及び様々な段階及びその編成の形態を取り得る。図面は、好ましい実施形態を例示するためだけのものであり、本発明を限定するものと解釈されるものではない。
【0012】
図1を参照するに、核医学スキャナ10の好適な実施形態が示されている。スキャンに先立って、被検体が被検体支持台表面12に配置される。被検体支持台表面はその長手方向軸Aに沿って、スキャナ10のガントリー16のボア14の内部へと移動し、また外部へと移動する。PETスキャナのボアの内側には円筒状の放射線検出器18が設けられている。必要に応じて、検出器は複数の検出器ヘッドを含んでいる。何れにしても、検出器18はほぼ同時に入射γ線を受け取るように被検体受入ボア14に沿ってその周囲に配置されている。典型的に、入射γ線は、好ましくはシンチレーション結晶及び光検出器のアレイを含む検出器18に突き当たる。なお、半導体型、アンガー型、及びその他の検出器も意図される。シンチレーション結晶はγ線に衝突されると可視光の小さいバーストを放出し、この可視光は光検出器によって検出され、電気信号に変換される。半導体検出器は、入射γ線を直接的に電子信号に変換し、等価な光信号への変換段階を排除する。
【0013】
被検体には放射性医薬品が注入される。放射性医薬品は、陽電子放出を目的として作り出された特別に処理された放射性同位体である。PET撮像のために作り出される典型的な同位体はフッ素であるが、その他の同位体も当然に意図される。放射性フッ素を作り出すため、単一の陽子(水素)が標的の酸素原子に向けて加速される。陽子が十分なエネルギーで酸素の原子核に衝突すると、陽子は単一の中性子を置き換え、この原子核と結合する。化学反応は次式のように進展する:
【0014】
【化1】

結果として得られるフッ素は不安定であり、110分の半減期を有し、輸送遅延又はその他の遅延に対して比較的狭いウィンドウをもたらす。多くのPET設備は粒子加速器を有する現場ラボを有しているが、より少ないスキャン操作が近くの専用設備から放射性医薬品を運び入れる。
【0015】
典型的に、使用される酸素原子はより大きい分子の一部であり、既知の1つは例えばグルコースであり、人体と相互作用する。グルコースは、細胞のエネルギー源として、高い代謝速度を有する人体領域に行き着く傾向がある。これは心臓及び脳を撮像するのに特に有用である。心臓はその他の人体領域より単位体積当たり多くのエネルギーを消費し、脳細胞はエネルギーを貯蔵することができないので、それらは要望に応じて代謝するために未加工のグルコースを必要とする。また、癌細胞は異常に高い代謝速度を有するので、グルコースは悪性腫瘍に行き着く傾向にある。従って、放射性フッ素でこれらのグルコース分子を捕らえることにより、グルコースが関心領域に落ち着いたときフッ素が後に崩壊し、PETスキャナはグルコース濃度に従って画像を構築することができる。有利には、グルコース分子内での1つのフッ素原子の置換は、人体との相互作用に実質的に影響を及ぼさない。最終的に、捕らえられたグルコースは最も高い代謝を有する領域に落ち着く。そうなると、被検体が撮像領域内にある間にフッ素タグ(tag)は崩壊する。
【0016】
フッ素19は自然のフッ素の最も安定な形態である。フッ素16は原子核内の中性子が少なすぎて不安定になる。原則として、元素は可能な限り最も安定な状態に戻ろうとする傾向がある。フッ素16が安定する最もエネルギー効率の良い方法は酸素16に戻ることであり、これは陽子の1つを中性子に変化させることにより為される。物理学の電荷保存則により、系の電荷は均衡を保たなければならないため、原子核の正電荷が(陽子の喪失により)少なくなると周囲の領域の正電荷が等しく多くなる。原子核は、陽電子を放出することによってこれを行う。陽電子は電子に等価な反物質であり、同一の質量を有し、等量だが反対の電荷を有する。
【0017】
陽電子は不安定なフッ素電子核から放出された後、電子と接触して消滅反応を起こさせるまで伝播する。消滅反応は、一般的に、物質とその対を為す反物質と(この場合には、電子と陽電子と)が出会うときに起こる。その結果、反応における全質量が系の運動量を保存するようにエネルギー、具体的には、反対方向に伝播する2つの511eVのγ線に完全に変換される。すなわち、2つのγ線は共通の光線に沿って反対方向に進行する。
【0018】
スキャナのボア14内で消滅事象が発生するとき、双方のγ線が実質的に同時に検出器に突き当たる場合には、それは有効な消滅事象として検出されることになる。図2を参照するに、消滅事象20は等しいエネルギーで反対方向に伝播するγ線を放射する。双方のγ線はボアの反対側で検出される。事象の正当性を確認するため、第1のγ線が検出された時点が、独立なシステムクロック24からタイミング情報を受け取る時間記録器22によって記録される。被検体支持台モニター26もまた、その事象の時点での寝台位置を記録する。第2のγ線が第1のγ線の許容時間ウィンドウ内に受け取られる場合、一致検出器27は更なる分析のためにその対を記憶バッファ28に渡す。第2のγ線が第1のγ線に時間的に十分に近接して受け取られない場合、第1のγ線は対を為さないとして廃棄され、これらのγ線は異なる消滅事象、すなわち、無効な消滅事象からのものであると推定される。γ線の対は再構成前に3次元的に場所を突き止められる。被検体支持台モニター26からの寝台位置を用いて、システム10は事象の正当性が確認されるとすぐに、該システム10によって更なる事象が収集されるのを待つ必要なく、再構成を開始することができる。
【0019】
ある場合には、図3に示されるように、互いに数ピコ秒以内のほぼ同時の消滅事象が、結果の光線が例えば被検体と交差しない経路などのあり得ない軌道を表すという理由で廃棄され得る。事象38及び40はγ線対を発生するが、その内の半分のみが検出器に突き当たる。他の2つのγ線は、例えば、それらの軌道がボア14の端部から出て行く、それらが骨やその他の高密度組織によって吸収される、それらが散乱される等の様々な理由の何れかにより検出されない。残った2つの光線は結合して光線42を形成するように見えるが、被検体と交差しない軌道にある。事象分析器44は検出されたγ線対の軌道情報を分析し、あり得ない軌道を有する光線を無効とする。
【0020】
さらに、事象分析器44は消滅事象が有効か無効かを分析するために、被検体支持台モニター26から寝台位置情報を受け取る。散乱放射線の状況においては、γ線は同一の消滅事象を起源としながらもエネルギー又は軌道が歪められ、消滅事象はガントリー16の外側を起源とするように見えることがある。従って、これらのγ線は検討に適用できないものにされる。
【0021】
事象分析器44が明らかに無効な消滅事象を排除するために行うその他の計算は、飛行時間(TOF)計算に基づく。事象分析器44は第1のγ線の入射時点を取り出し、それを第2のγ線の入射時点と比較して、それらの一方又は双方が許容可能な範囲内で光速より速く、あるいは遅く進行し、当然に失敗事象にされるかどうかを調べる。
【0022】
事象分析器44が無効な消滅事象を排除するためにその方法を使い尽くした後、再構成プロセッサ46は有効な事象を被検体の画像表示に再構成する。先行処理にて、γ線は既に、消滅が起こった点を起源とし同一の光線に沿って反対方向に伝播する空間内の単一の光線に位置付けられている。再構成プロセッサはTOFルーチン48を含んでおり、TOFルーチン48はTOF情報を用いてγ線の起源を軌道光線に沿って更に局所化する。例えば、10GHzのクロック速度を用いて、TOF情報は光線に沿って3cmの範囲内で消滅事象の位置を突き止めることができる。システムクロック速度が高められるにつれて、光線に沿った局所化は一層と正確になり、ミリメートルの小ささまで事象を局所化する助けとなるとともに、恐らくは、別個の逆投影アルゴリズムを適用する必要性を排除することになる。再構成プロセッサ46は光線のセグメント群を、上述のように例えば最も高い代謝及び最も高いグルコース摂取を有する領域といった、関心ある解剖学的構造の画像に再構成する再構成アルゴリズムを適用する。
【0023】
飛行時間プロセッサは、対を為すγ線の各々の受取時点間の差を決定するルーチン50を含んでいる。ルーチン52は対応する光線の中心点を決定する。受取時点の差及び既知のγ線速度から、ルーチン54は、消滅事象が起こった位置が中心からどれだけ離れ、光線に沿って何れの方向であるかを決定する。理想的には、この位置は1つの点になる。実際には、γ線の進行速度は、進行された距離、及び時間測定の精度に対して大きいので、事象は光線の1つのセグメントまで局所化され得るのみであることが多い。
【0024】
事象の位置が1つのボクセル内部にまで決定される場合、画像メモリの対応するボクセルは1カウントというインデックスを付けられる。光線のセグメントが2つ以上のボクセルと交差する場合、別の再構成法が使用される。一例として、セグメントは、例えば単位面積のガウス分布及びセグメントの長さを用いてフィルタリングされる。各ボクセルを横切るフィルタリングされたセグメント部分(典型的に1より小さい数字)の積分が該ボクセルに付加される。別の選択肢として、セグメントはフィルタリングされてその長手方向に逆投影される。
【0025】
第1のデータセットが記憶バッファ28に転がり込んだとき、システム10は事象分析及び再構成の処理を開始するのに必要な全ての情報を有している。事象は毎秒およそ100,000個程度記録されるので、バッファ28は個々の分析及び再構成に事象を渡す前に1,000個から10,000個の事象を(1秒の1/100から1/10毎に)格納することが意図される。必要に応じて、バッファ28はトグル切替される2つの区画を有する。すなわち、1つの区画が新たなデータを格納し、他方の区画から再構成のためにデータが読み出される。1つの区画の再構成が完了すると2つの区画は逆にされる。時間記録器22から各事象を参照する患者フレームにおける検出時間及び検出器位置と、被検体支持台モニター26からの被検体支持台の位置とを用いて、事象分析器44は有効な事象と無効な事象との選別を開始することができる。TOFプロセッサ48は光線セグメントを特定する。再構成プロセッサ46は、スキャンが完了したり、更にはスキャンの一部が完了したりするのを待つことなく画像表示を再構成し始める。患者支持台12は動く必要はない。このような(比較的)少ない情報量を待つことはまた、連続的な寝台動作を一層と実用的なものにする。
【0026】
表示モニター56は被検体の生体構造の内の再構成された部分を表示する。このモニター56は、好ましくは、再構成処理が進行しているときに生体構造の上記部分を表示する。スキャン中に再構成を開始させることにより、撮像一式を終える前に、少なくとも予備的な画像が被検体に対して利用可能になる。
【0027】
他の例では、記憶バッファが有効な光線セグメントのみを格納するように、事象分析器44及び/又はTOFプロセッサ48は、時間記録器22と記憶バッファ28との間に配置されることができる。本発明に係るシステムは、TOFプロセッサなしでも、SPECT、従来のPET及び類似のスキャナに適している。
【0028】
再構成プロセッサ48はデータを画像メモリ60内に再構成する。特に全身スキャンの場合、画像メモリは被検体の長い部分又は全てに対応する。しかし、被検体の一部のみが検出領域内にある。患者が検出領域を貫いて連続的に移動するとき、データが再構成される画像メモリの部分もそれに従って進められる。再構成されるデータの各バッチは1秒の1/100から1/10にわたって収集され、また患者を全スキャン長にわたって移動させるのに、例えば5分から30分など、数分掛かるので、データの各バッチは先行バッチとほとんど同じ領域に再構成される。
【0029】
検出領域を貫通させられ且つ励起された被検体領域の表示画像は、完全に標本化されており最良の解像度を有する。検出領域の導入端付近の被検体領域の画像は粗く標本化されており低い解像度を有する。しかしながら、表示画像の解像度は、更なるバッチが再構成されるにつれて徐々に改善され、表示領域が検出領域を退出するときにその最大解像度に到達する。
【0030】
好ましい実施形態を参照して本発明について述べてきた。この詳細な説明を読んで理解した者によって変更及び改変が想到されることは明らかである。本発明は、添付の請求項又はそれに均等なものの範囲に入る限りにおいて、そのような全ての変更及び改変を含むものとして解釈されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に従った核医学スキャナを例示する図である。
【図2】有効な消滅事象を示す、図1のスキャナのボアの軸方向図である。
【図3】無効な事象を示す、図1のスキャナのボアの軸方向図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
γ線を放射する放射性医薬品を注入された被検体を支持し、検出領域を貫くように前記被検体の選択された生体構造を移動させる被検体支持台表面;
データ収集処理中に、前記被検体支持台表面の位置を監視する被検体支持台モニター;
放射されたγ線を検出し、それらを少なくとも検出位置を示す電気信号に変換するγ線検出器の組立体;
前記電気信号及び対応する被検体支持台位置のバッチを一時的に格納する記憶バッファ;及び
前記記憶バッファが前記電気信号及び対応する被検体支持台位置の次のバッチを格納するとき、前記記憶バッファからの1つの信号バッチを画像表示に再構成する再構成プロセッサ;
を有する核放出装置。
【請求項2】
前記検出器は、消滅事象から同時に放射されたγ線対を受け取るように配置されている、請求項1に記載の装置であって:
γ線の受取の相対時間を記録する時間記録器;及び
対応するγ線対を特定する一致検出器であり、前記記憶バッファは検出された各対のγ線の前記検出位置を格納する、一致検出器;
を更に有する装置。
【請求項3】
前記検出位置及び前記相対検出時間から、前記消滅事象が起こった前記検出位置間の光線のセグメントを決定する飛行時間プロセッサであり、前記再構成プロセッサは前記光線のセグメントを前記画像表示に再構成する、飛行時間プロセッサ;
を更に有する請求項2に記載の装置。
【請求項4】
受け取ったγ線対について、それらが有効な消滅事象を起源とするものかどうか決定するために、それらの受取位置及び時間を前処理する事象分析器;
を更に有する請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記事象分析器は、有効な消滅事象を決定するために、被検体支持台位置情報及び飛行時間情報を使用する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
受け取ったγ線の再構成を調整するための絶対的なシステム時間の基準を、前記時間記録器、前記被検体支持台モニター、前記記憶バッファ、及び事象分析器に供給するシステムクロック;
を更に有する請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記再構成プロセッサは、データの収集と実質的に同時に再構成を開始する、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記記憶バッファは、1つの区画が新たに収集されたデータを受け取る間に他の区画内の格納データが再構成されるように、交互にトグル切替される2つの区画を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記記憶バッファの各バッチは1秒の1/100から1/10の期間にわたって収集される、請求項3に記載の装置。
【請求項10】
γ線を放射する放射性医薬品を注入された被検体を支持しながら、検出領域を貫くように前記被検体の選択された生体構造を移動させる段階;
データ収集処理中に、前記被検体の位置を監視する段階;
放射されたγ線を検出し、γ線対が同時に検出されたγ線検出位置を示す電気信号を生成する段階;
同時のγ線対の各々を受け取った相対検出時間を記録する段階;
電気信号を示す検出位置を対応する被検体支持台位置及び相対検出時間とともにバッチにして一時的に格納する段階;
同時のγ線対を、それらが有効な消滅事象を起源とするものであるか決定するために分析する段階;及び
対応する被検体支持台位置を伴う前記電気信号の次のバッチが格納されるとき、一時的に格納された前記電気信号の1つのバッチを取り出して再構成する段階;
を有する核放出撮像方法。
【請求項11】
各バッチは1秒の1/100から1/10の期間にわたって蓄積される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
消滅事象から同時に放射されたγ線対を受け取るように検出器を位置付ける段階;
γ線を受け取った相対検出時間を記録する段階;及び
対応する同時のγ線対を特定し、検出された同時のγ線対の各々の検出位置を格納する段階;
を更に有する請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記検出位置間の光線を決定する段階;
前記相対検出時間から、前記同時のγ線対について、消滅事象が起こった光線セグメントを決定する段階;及び
前記光線セグメントを画像表示に再構成する段階;
を更に有する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記同時のγ線対が有効な消滅事象を起源とするものかどうか決定するために、前記同時のγ線対を前処理する段階;
を更に有する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
データの収集と実質的に同時に再構成を開始する段階;
を更に有する請求項12に記載の方法。
【請求項16】
格納されたデータが再構成されるときに、新たに収集されたデータを受け取る段階;
を更に有する請求項12に記載の方法。
【請求項17】
γ線は少なくとも毎秒100,000個の速度で検出され、各バッチはおよそ1,000から10,000個のγ線対を格納する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
被検体支持台は数分の期間をかけてγ線検出領域を貫くように移動する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
請求項10に記載の方法を実行する装置。
【請求項20】
請求項13に記載の方法を実行する飛行時間PETスキャナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−525786(P2008−525786A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547725(P2007−547725)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【国際出願番号】PCT/IB2005/054166
【国際公開番号】WO2006/067663
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】