説明

害獣、害鳥、害虫等の忌避剤

【課題】 高価な防護柵でなく、安価に害獣、害鳥、害虫を忌避し得る忌避剤を開発することが、発明が解決しようとする課題である。
【解決手段】 忌避剤として竹酢、竹瀝を利用すること、この忌避剤の開発が課題を解決するための手段である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竹酢、竹瀝等を利用した害獣、害鳥、害虫等の防護剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、イノシシに田畑を荒らされる害が全国的に拡大している。山里においては昔から猪垣を用いてイノシシ防護柵を圃場の周囲に張り巡らし、それである程度の効果は得られていたが、イノシシは、猿のように頭がよく、人の動きを観察する賢い動物であり、更には運動能力が高く、垂直に120cm飛ぶことができるし、20cmの隙間があれば潜り抜けることができる。また70kgの石も簡単に鼻で押し上げることができる。近年では特に高い繁殖力と狩猟者の高齢化、農作物残渣の餌場化等により平野部を中心に被害が増えている。イノシシはもともと平地の生き物である(人の生地と重なる獣)人が山へ追いやっていたが、人が山へ入らなくなり従来の平地へ戻ってきていると言われているが、近年では人里に出没して栽培している野菜を食い荒らされるだけでなく、人間を襲うという被害も出ている。
【0003】
このようなイノシシ対策として、圃場の周囲にトタン柵、電気柵、ワイヤメッシュの柵等が開発されているが、これらの柵は取り付け工事代金も含めて高価であり、野菜による収益確保のために接知するには農家の負担も大きかった。
【0004】
またこのような農家の作付野菜の被害は、イノシシ、猿等の害獣だけでなく、果実に被害を及ぼすヒョドリ等の害鳥、毛虫等の害虫があげられる。
【0005】
一般的に竹炭を焼くときに発生する、煙突の煙を冷却したものを竹酢、竹に含まれる水分を窯底から採取したものを竹瀝と呼んでいるが、酢酸等を主成分としてるいために匂いがきつく、またドクダミエキス、ニンニクエキスも同じように匂いがきついことが知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
高価な防護柵でなく、安価に害獣、害鳥、害虫を忌避し得る忌避剤を開発することが、発明が解決しようとする課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
忌避剤として竹酢、竹瀝を利用すること、この忌避剤の開発が課題を解決するための手段である。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、主成分として、酢酸・ギ酸プロピオン酸・ポリフェノール・プロパノール・メタノールなど約200種類以上の有機化合物から竹酢または竹瀝がらなる害獣、害鳥、害虫等の忌避剤であり、更には、主成分として、酢酸・ギ酸プロピオン酸・ポリフェノール・プロパノール・メタノールなど約200種類以上の有機化合物から竹酢または竹瀝にドクダミエキスを加えてなる害獣、害鳥、害虫等の忌避剤であり、更には、主成分として、酢酸・ギ酸プロピオン酸・ポリフェノール・プロパノール・メタノールなど約200種類以上の有機化合物から竹酢または竹瀝にニンニクエキスを加えてなる請求項1の害獣、害鳥、害虫等の忌避剤であるから、従来はイノシシ等の防護は柵に頼っていたが、当該イノシシは運動能力が高く、垂直に120cm飛ぶことができるし、20cmの隙間があれば潜り抜けることができる。また70kgの石も簡単に鼻で押し上げることができるので防護柵を飛び越えたり、下部の隙間から潜り抜けたり、更には防護柵を押し倒す等の問題があったが、本発明の竹酢、竹瀝等からなる忌避剤を圃場の畦畔に散布するだけでイノシシはその匂いを嫌って圃場には入ることなく、また果樹園等の場合は、ペットボトル等に忌避剤を入れて樹木にぶら下げておけば、ヒヨドリも寄り付かず、また害虫も寄り付かない。しかもタールを抜いた竹酢、竹瀝は、畦畔に散布するのでなく、作物、果樹木等の近くに散布しておけば、害獣、害鳥、害虫の忌避効果だけでなく、ワラや根を有機質肥料にし、除草・ミネラル補給・滅菌処理・有機酸効果等の効果が得られる等、誠に顕著なる効果を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、主成分として、酢酸・ギ酸プロピオン酸・ポリフェノール・プロパノール・メタノールなど約200種類以上の有機化合物から竹酢または竹瀝からなる害獣、害鳥、害虫等の忌避剤であり、更には、主成分として、酢酸・ギ酸プロピオン酸・ポリフェノール・プロパノール・メタノールなど約200種類以上の有機化合物から竹酢または竹瀝にドクダミエキスを加えてなる害獣、害鳥、害虫等の忌避剤であり、更には、主成分として、酢酸・ギ酸プロピオン酸・ポリフェノール・プロパノール・メタノールなど約200種類以上の有機化合物から竹酢または竹瀝にニンニクエキスを加えてなる請求項1の害獣、害鳥、害虫等の忌避剤を呈せんとするものである。
【実施例1】
【0010】
竹を炭に焼成する際に発生する煙を採取して冷却して粗竹酢液を取り出し、これを静置法(3カ月以上静置)、濾過法等でタール分を除去して竹酢を得る。主成分として、酢酸・ギ酸プロピオン酸・ポリフェノール・プロパノール・メタノールなど約200種類以上の有機化合物からなり、これを忌避剤としている。本発明においては忌避剤の主原料を竹酢としているが、竹酢に限定を受けるものではなく木酢とすることも可能である。
【0011】
竹瀝は、焼成時に竹に含まれる水分を窯底から採取したもので、成分は竹酢と同じである。
【実施例2】
【0012】
竹を炭に焼成する際に発生する煙を採取して冷却して粗竹酢液を取り出し、これを静置法(3カ月以上静置)、濾過法等でタール分を除去して、主成分として、酢酸・ギ酸プロピオン酸・ポリフェノール・プロパノール・メタノールなど約200種類以上の有機化合物からなる竹酢を得る。当該竹酢にドクダミエキスを加えて撹拌し忌避剤としている。
【実施例3】
【0013】
竹を炭に焼成する際に発生する煙を採取して冷却して粗竹酢液を取り出し、これを静置法(3カ月以上静置)、濾過法等でタール分を除去して、主成分として、酢酸・ギ酸プロピオン酸・ポリフェノール・プロパノール・メタノールなど約200種類以上の有機化合物からなる竹酢を得る。当該竹酢にニンニクエキスを加えて撹拌し忌避剤としている。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は、主成分として、酢酸・ギ酸プロピオン酸・ポリフェノール・プロパノール・メタノールなど約200種類以上の有機化合物から竹酢または竹瀝からなる害獣、害鳥、害虫等の忌避剤であり、更には、主成分として、酢酸・ギ酸プロピオン酸・ポリフェノール・プロパノール・メタノールなど約200種類以上の有機化合物から竹酢または竹瀝にドクダミエキスを加えてなる害獣、害鳥、害虫等の忌避剤であり、更には、主成分として、酢酸・ギ酸プロピオン酸・ポリフェノール・プロパノール・メタノールなど約200種類以上の有機化合物から竹酢または竹瀝にニンニクエキスを加えてなる請求項1の害獣、害鳥、害虫等の忌避剤であるから、従来はイノシシ等の防護は柵に頼っていたが、当該イノシシは運動能力が高く、垂直に120cm飛ぶことができるし、20cmの隙間があれば潜り抜けることができる。また70kgの石も簡単に鼻で押し上げることができるので防護柵を飛び越えたり、下部の隙間から潜り抜けたり、更には防護柵を押し倒す等の問題があったが、本発明の竹酢、竹瀝等からなる忌避剤を圃場の畦畔に散布するだけでイノシシはその匂いを嫌って圃場には入ることなく、また果樹園等の場合は、ペットボトル等に忌避剤を入れて樹木にぶら下げておけば、ヒヨドリも寄り付かず、また害虫も寄り付かない。しかもタールを抜いた竹酢、竹瀝は、畦畔に散布するのでなく、作物、果樹木等の近くに散布しておけば、害獣、害鳥、害虫の忌避効果だけでなく、ワラや根を有機質肥料にし、除草・ミネラル補給・滅菌処理・有機酸効果等の効果が得られる等、また竹の大半を占める孟宗竹は、九州を中心に西日本で広く栽培されてきた。北限は宮城県から岩手県南部。それより北でも育つが、生育はよくない。笛、竿、箸等、竹かんむりの字の多さからも分かるように、かつては日用品など生活資材のほか、傾斜地が崩壊するのを防ぐことや堤防の補強などに使われてきた。だが近年、生活用品は化学製品に、堤防はコンクリートに替わり、筍も輸入品が大半を占め、日本の竹はほとんど顧みられなくなった。竹の利用価値がなくなったことに加え、高齢化と人口減で、竹林は管理されなくなる一方だ。林野庁によると、全国の竹林は約15万6000ヘクタールだが、これは山林にあって一応管理されている竹林であり、自然に増えたものや家屋、田畑の周辺にあるものを加えると、この倍以上はあると推測される。竹に侵入された杉やヒノキの幼木林は、見るも無残な状態になる。成木林でも林内が竹で覆われているところが散見され、放置すると生態系への悪影響も予想される。もともと竹は、何かに利用するため人の手で広がったものであり、里山を中心に栽培されてきた。従って、竹林の荒廃は里山の管理ができなくなったということでもあり、里山荒廃のバロメーターともいえる。里山の荒廃は、農地の荒廃などと重なると集落の崩壊につながる。竹炭、竹酢を採取するために竹林を管理し、素材として利用することは、竹林だけでなく里山・集落の再生にもなる等、産業上の利用可能性についても誠に顕著なる効果を有するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主成分として、酢酸・ギ酸プロピオン酸・ポリフェノール・プロパノール・メタノールなど約200種類以上の有機化合物から竹酢または竹瀝からなる害獣、害鳥、害虫等の忌避剤。
【請求項2】
主成分として、酢酸・ギ酸プロピオン酸・ポリフェノール・プロパノール・メタノールなど約200種類以上の有機化合物から竹酢または竹瀝にドクダミエキスを加えてなる請求項1の害獣、害鳥、害虫等の忌避剤。
【請求項3】
主成分として、酢酸・ギ酸プロピオン酸・ポリフェノール・プロパノール・メタノールなど約200種類以上の有機化合物から竹酢または竹瀝にニンニクエキスを加えてなる請求項1の害獣、害鳥、害虫等の忌避剤。

【公開番号】特開2011−157338(P2011−157338A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36615(P2010−36615)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(508248520)
【Fターム(参考)】