説明

家具

【課題】限られた高さの収容空間に多数積み上げて収容することができ、スタッキング効率を向上させることができる家具を提供する。
【解決手段】脚体2と、この脚体2に支持される家具本体と、天板31を有しその天板31が略水平方向に沿って位置する使用状態及び前記天板31が垂下する収納状態をとり得るメモ台3とを具備してなり、前記メモ台3を収納状態にして複数を略鉛直方向に沿って順次スタッキングさせ得る家具であって、前記メモ台3の天板31が前記収納状態において前記脚体2の外方に垂下して位置するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納時に良好にスタッキングし得る家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、ホール等に多数配列させて使用される椅子等の家具において、収納効率を向上させるために、複数を順次スタッキング可能としたものが広く知られている。この種の椅子としては、例えば、座と、背もたれと、左右一対の前後脚とを具備してなり、左右の前脚間の幅を左右の後脚間の幅よりも小さくなるように設定して、座の上面及び背もたれの前面に、同一構造をなす他の椅子の座及び背もたれが重合するように斜め前上方より順次スタッキングし得るように構成したものが知られている。
【0003】
ところで、従来の椅子の前後脚は、通常、横断面形状が略真円状のパイプや無垢の棒材等により構成されている。そして、スタッキング時、下方側に配置される椅子は、その前後脚の上面を、上方にスタッキングされる他方の椅子の前後脚の下面に衝き当てた状態で重合される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のものは、前述したように前後脚を衝き当てた状態でスタッキングさせるので、スタッキング時、一方の椅子と他方の椅子の前後脚同士が当たって不快な音を立てたり、傷が付き易い等の不具合があった。特に、この種の椅子では、脚に付いた傷は目につきやすく、椅子全体の見栄えを損なう恐れがある。
【0005】
また、この種のスタッキング可能な椅子では、限られた高さの収納空間内に積載できる椅子の台数を増加してスタッキング効率を向上させることが要望されている。特に、前述した椅子は、積み上げた時に漸次前方にずれていくように積載される構造であるので、椅子自体を傾けて専用の台車に乗せ積み上げてスタッキングさせる必要があり、収納面積が大きくなるという不具合がある。
本発明は、以上説明した不具合のうち、限られた高さの収納空間内に積載できる家具の台数を増加させるのが難しいという課題を解消し、スタッキング効率を高めることができる家具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の問題点を解決するために、本発明は、脚体と、この脚体に支持される家具本体と、天板を有しその天板が略水平方向に沿って位置する使用状態及び前記天板が垂下する収納状態をとり得るメモ台とを具備してなり、前記メモ台を収納状態にして複数を略鉛直方向に沿って順次スタッキングさせ得る家具であって、前記メモ台の天板が前記収納状態において前記脚体の外方に垂下して位置するように構成したものである。
【0007】
このような構成のものであると、メモ台の天板が脚体の外側に垂下する収納状態で複数の家具を鉛直方向にスタッキングさせることができるので、限られた高さの収納空間内に積載できる家具の台数を増加させることができ、スタッキング効率を高めることが可能となる。特に、メモ台の天板を垂下させた状態でスタッキングし得るようにしているので、メモ台がかさばって積み上げ台数が減少するという不具合の発生を抑制することができる。
【0008】
具体的な態様としては、前記メモ台が、その天板を使用状態から略鉛直方向に沿った位置まで左右方向に回転させ、その位置から前後方向に回転させることにより収納状態に格納し得るように構成されているものを挙げることができる。
【0009】
さらに具体的には、前記メモ台が、前記天板と、この天板を回転可能に支持する支持体とを具備してなり、前記支持体が、天板を略鉛直方向に沿った位置から前記収納状態に対応する位置まで前後方向に回転させるための第1の回転支持部と、天板を前記使用状態に対応する位置から略鉛直方向に沿った位置まで左右方向に回転させるための第2の回転支持部とを備えているものが考えられる。
【0010】
また、前記支持体としては、前記天板を前記収納状態で脚体の外方に傾斜して垂下し得るように支持するものが好ましい。
【0011】
さらに、前記メモ台としては、前記脚体に取り付けられたものが考えられる。
【0012】
また、前記脚体としては、下方に向かって漸次離間して位置する一対の脚要素と、これら脚要素の上端部側同士を略水平方向に沿って連結する水平部とを具備してなるものが挙げられる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以上のような構成であるから、限られた高さの収容空間に多数積み上げて収容することができ、スタッキング効率を向上させることができる家具を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態における椅子を示す斜視図。
【図2】同複数の椅子を積み重ねた状態を示す左側面図。
【図3】同要部を示す斜視図。
【図4】同メモ台を使用状態としている場合の正面図。
【図5】同メモ台を収納状態としている場合の正面図。
【図6】同複数の椅子を積み重ねた状態を示す正面図。
【図7】同図6に対応するI−I線端面図。
【図8】同複数の椅子を積み重ねた状態の要部を示す右側面図。
【図9】同図8に対応するII−II線端面図。
【図10】同図8に対応するIII−III線端面図。
【図11】同脚体を示す斜視図。
【図12】同脚体をスタッキングさせた状態を示す右側面図。
【図13】同図12に対応するIV−IV線端面図。
【図14】同図12に対応するV−V線端面図。
【図15】同図12に対応するVI−VI線端面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
この椅子Aは、図1に示すように、座部11と背もたれ部12とを有する椅子本体1と、この椅子本体1の左右に対をなして位置する脚体2と、左右の脚体2の何れか一方側に取り付けてあるメモ台3と、左右の脚体2の他方側に取り付けてある肘掛け4とを具備してなるもので、図2に示すように、前記椅子本体1に、同一構造をなす他方の椅子B…の椅子本体1が重合するように略鉛直方向に沿って順次スタッキング可能となるように構成してある。
【0017】
以下、この椅子A、B…の具体的な構成について詳述する。
【0018】
椅子本体1は、図1に示すように、座部11と背もたれ部12とを一体に形成した合成樹脂製のものである。座部11の上面には、布製のカバーで被覆したクッション材13が適宜の手段で取り付けてある。また、背もたれ部12は、その上端部側を布製のカバー14で被覆されているとともに、下端部側に正面視略矩形状の開口15を有している。
【0019】
脚体2は、図1に示すように、前記椅子本体1の座部11の左右両端部にビス等の取付具を利用して取り付けてある。この脚体2は、前後方向中央に位置する中心線に対して前後方向に対称な形状を有しており、同一の形状を有するものを左右反転させて椅子本体1の左右に取り付け得るものである。また、この脚体2は、前後の脚要素21と、これら前後の脚要素21の上端部21aを連結する連結部22と、前後の脚要素21の下端部21b側にそれぞれ設けたキャップ23とを具備してなり、本実施の形態では、これら前後の脚要素21と、連結部22と、キャップ23とをそれぞれ別体としている。
【0020】
メモ台3は、図3に示すように、平面視略矩形状の天板31と、この天板31を回転可能に支持する支持体32とを具備してなり、天板31が略水平方向に沿って位置する使用状態P(図4参照)と、天板31が垂下する収納状態Q(図5参照)とを取り得るものである。支持体32は、前記天板31を使用状態Pと収納状態Qの間で位置変更し得るように支持しているものであり、前記脚体2の連結部22の外面にビス等の取付具を介して取り付けてなる取付部321と、この取付部321から前方に傾斜しながら起立させたアーム部322と、このアーム部322の上端部322a側に前後方向に回転可能に取り付けた第1の回転支持部323と、この第1の回転支持部323に対して左右方向に回転可能に取り付けた第2の回転支持部324と、この第2の回転支持部324に一体に設けてなり前記天板31の裏面にビス等を介して取り付けた取付板325とを具備してなる。このメモ台3を前記使用状態Pから収納状態Qまで折り畳む場合には、先ず、前記天板31を略水平方向に沿った位置から略鉛直方向に沿った位置まで第2の回転支持部324を利用して左右方向に回転させ、しかる後、第1の回転支持部323を利用して前後方向に回転させることにより、脚体2の外方に垂下して位置する収納状態Qに格納するようにしている。なお、スタッキング時には、前記メモ台3は、図2及び図6に示すように、収納状態Qで重合されるものである。また、スタッキング効率の向上を図るべく、前記支持体32のアーム部322は、平板状で、その後端部322a側が前端部322b側よりも外方に位置するように傾斜させてあり、スタッキング時には、図7に示すように、下側の椅子Aのアーム部322の内方に上側の椅子Bのアーム部322が位置した状態で重合し得るようにしている。
【0021】
肘掛け4は、図1及び図8に示すように、側面視略台形の環状をなすものである。なお、図8は、略鉛直方向に沿って2つの椅子A、Bをスタッキングさせた状態を示す図である。この肘掛け4は、前後方向中央に位置する中心線に対して前後方向に対称な形状を有しており、同一の形状を有するものを左右反転させて椅子本体1の左右に取り付け得るものである。また、この肘掛け4は、具体的には、略水平方向に沿って位置する水平部41と、この水平部41の前後両端部41a、41bから下方に向って漸次近接する一対の垂下部42と、前記垂下部42の下端部42a同士を連結する位置にある取付部43とを具備してなる。水平部41は、図9に示すように、その上面41cを着座者の肘を載せ得るような水平面としているもので、スタッキング時に下側の椅子Aの垂下部42の内方に上側の椅子Bの垂下部42が進入し得るよう前記垂下部42及び取付部43よりも外方に変位した位置にある。また、垂下部42は、図10に示すように、平板状で、前後の垂下部42の横断面形状が、内方に向かって漸次離間距離が大きくなる平面視略ハ字形状をなすように位置している。そして、スタッキング時には、図8〜図10に示すように、下側の椅子Aの水平部41の上方に上側の椅子Bの水平部41が、下側の椅子Aの垂下部42の内方に上側の椅子Bの垂下部42が位置した状態で、複数の椅子A、Bを略鉛直方向に沿って重合し得るようにしている。
【0022】
このような構成のものにおいて、本実施の形態では、スタッキング時に、上下に重合する椅子A、Bの前後の脚要素21の対向する面たる上向き面21cと下向き面21dとを離間させた状態で、下側の椅子Aの連結部22及び脚要素21の上向き面221b、21cを上側の椅子Bの対向する面たる下向き面221a、231aに衝き当てて重合させるようにし、安定支持を図るとともにスタッキング作業時に生じる騒音や脚要素21の損傷等を防止するようにしている。さらに、前記前後の脚要素21、連結部22及びキャップ23は、それぞれ下向き面21d、221a、231a側に凹状の接触回避部211、223、232を有しており、スタッキング時に、上側の椅子Bの接触回避部211、223、232に下側の椅子Aの上向き面21c、221b、21c側を挿入してスタッキング効率を向上するようにしている。なお、ここでいうところの下向き面21d、221a、231aとは、使用位置で床面に対向する内方側の面を指すものである。
【0023】
以下、脚体2を構成する前後の脚要素21、連結部22及びキャップ23について具体的に詳述する。
【0024】
前後の脚要素21は、図11、図12及び図14に示すように、アルミ押出により成形されており、それぞれ同様の構成を有するものである。なお、図11及び図12は、脚体2のみを示し、肘掛け4や椅子本体1等を省略した図となっている。これら前後の脚要素21は、下方に向って漸次その離間距離が互いに大きくなるように、すなわち側面視において略ハ字形状をなすように配置されている。そして、前記前後の脚要素21は、その下向き面21d側に延出方向に沿って延びる接触回避部211を有している。この接触回避部211は、前記脚要素21の横断面形状が凹状となるように設けてある。しかして、スタッキング時には、図14に示すように、上下に重合する脚要素21の対向する下向き面21dと上向き面21cとが離間した状態で、上側の椅子Bの脚要素21の前記接触回避部211に、下側の椅子Aの脚要素21の対向する上向き面21c側が挿入される。
【0025】
連結部22は、図11〜図13に示すように、前述した前後の脚要素21と同様に、アルミ押出により成形されているものである。なお、図11〜図13は、脚体2のみを示し、肘掛け4や椅子本体1等を省略した図となっている。具体的には、この連結部22は、略水平状態で位置する側面視略台形状の水平部221と、前記水平部221の前後端221c、221dから前記前後の脚要素21と略沿った方向に垂下した前後垂下部222とを具備してなるものであり、前記前後垂下部222に適宜の手段で前記前後の脚要素21を取り付けることにより前記脚体2を構成している。水平部221は、その下向き面221a側に延出方向に沿って延びる凹状の接触回避部223を有しており、スタッキング時には、上下に重合する水平部221の対向する下向き面221aと上向き面221bの少なくとも一部を衝き当てた状態で、上側の椅子Bの水平部221の前記接触回避部223に、下側の椅子Aの水平部221の対向する上向き面221b側を挿入する。なお、水平部221に設けた前記接触回避部223は、水平部221の上下寸法が内方に向って漸次小さくなるように傾斜させたテーパ状をなすものである。
【0026】
キャップ23は、合成樹脂製のもので、前記前後の脚要素21の下端部21bに取り付けてある。キャップ23は、下向き面23a側に前記脚要素21の下向き面21dよりも肉厚方向に突出した突出部231と、この突出部231の下向き面231a側に設けた延出方向に沿って延びる接触回避部232とを具備している。この接触回避部232は、前記突出部231の横断面形状が凹状となるように設けてあり、スタッキング時には、上側の椅子Bのキャップ23の突出部231の下向き面231aの少なくとも一部を下側の椅子Aの脚要素21の上向き面21cに衝き当てた状態で、上側の椅子Bのキャップ23の前記接触回避部232に、下側の椅子Aの脚要素21の対向する上向き面21c側を挿入するようにしている。なお、このキャップ23は、その上向き面23bが前記脚要素21の上向き面21cと略沿った状態となるように取り付けられている。
【0027】
次に、このような構成の椅子A、Bを略鉛直方向にスタッキングさせる場合の手順について説明する。床面上に一方の椅子Aを載置しておき、その上方から他方の椅子Bを積み重ねていく。具体的には、一方の椅子Aの座部11の上面及び背もたれ部12の前面に、同一構造をなす他方の椅子Aの座部11及び背もたれ部12が重合するように上方から順次積み重ねていく。この時、図13に示すように、積み重ねられた上下の椅子A、Bの連結部22の水平部221同士が衝き当たるとともに、図15に示すように、上側の椅子Bのキャップ23の下向き面231aが下側の椅子Aの脚要素21の上向き面21cに衝き当たって、上側の椅子Bが下側の椅子Aに支持される。一方、この時、図14に示すように、脚要素21の対向する上向き面21cと下向き面21dは離間している。また、スタッキング時には、図13に示すように、上側の椅子Bの水平部221のテーパー状となっている下向き面221aが、下側の椅子Aの水平部221の上向き面221bの外方に位置して上下の椅子A、B同士の左右方向への移動を禁止している。
【0028】
このような構成のものであると、スタッキング時に脚要素21同士が当たり合うことがないので、衝撃音や傷等が生じることを有効に防止することが可能である。特に、この種の椅子A、Bでは、使用時に、前記脚要素21全体が外部から露見することになるため、前述したように脚要素21に傷がつくことを防止することは椅子全体の外観を良好に保つ上で非常に有効である。一方、前記脚要素21同士は離間した状態であるものの、上側の椅子B側の水平部221及びキャップ23の突出部231が下側の椅子Aの対向する上向き面221b、21cにそれぞれ衝き当たった状態で重合されることとなる。したがって、スタッキング時の安定支持も図られ、積み重ね状態が崩壊することを有効に防止することが可能となる。また、このように対をなして位置する脚要素21が下方に向かって漸次離間するように配置されている場合には、略鉛直方向に沿ってスタッキングさせることができるため、スタッキング時に水平面内において前記椅子A、Bが占める収納面積を小さくすることができる。
【0029】
脚要素21が、スタッキング時に他方の椅子の脚要素21と対向する下向き面21d側に延出方向に沿って延びる接触回避部211を有しており、スタッキング時に、上下の椅子A、Bの脚要素21の対向する下向き面21dと上向き面21cとを離間させた状態で、上側の椅子Aの前記接触回避部211に、下側の椅子Bの対向する上向き面21c側を挿入しているので、脚要素21の横断面形状を工夫して接触回避部211を設けることにより、スタッキング効率を向上させて限られた収納スペースの中でより多くの台数を積み重ねることが可能となる。すなわち、スタッキング時に上下の椅子A、Bの脚要素21同士が挿入し合って重合状態となるので、椅子A、B同士の離間ピッチが小さくなり、スタッキング効率を向上させることが可能となる。
【0030】
接触回避部211が、脚要素21の下向き面21d側に設けてあるので、当該接触回避部211が外部から隠蔽されることとなり、椅子全体の外観を損なわずに前述した作用を営むことが可能となる。
【0031】
連結部22の水平部221が、スタッキング時に他方の椅子の水平部221と対向する下向き面221a側に延出方向に沿って延びる接触回避部223を有しており、スタッキング時に、上下の椅子A、Bの水平部221の対向する下向き面221aと上向き面221bの少なくとも一部を衝き当てた状態で、上側の椅子Bの前記接触回避部223に、下側の椅子Aの対向する上向き面221b側を挿入しているので、水平部221の横断面形状を工夫して接触回避部223を設けることにより、スタッキング効率を向上させて限られた収納スペースの中でより多くの台数を積み重ねることが可能となる。
【0032】
水平部221に設けた前記接触回避部223が、水平部221の下向き面221a側に設けてあるので、当該接触回避部223が外部から隠蔽されることとなり、椅子A、Bの外観を損なわずに前述した作用を営むことが可能となる。
【0033】
キャップ23の突出部231が、スタッキング時に他方の椅子の脚要素21と対向する下向き面231a側に延出方向に沿って延びる接触回避部232を有しており、スタッキング時に、上側の椅子Bの突出部231の下向き面231aを下側の椅子Aの対向する脚要素21の上向き面21cに衝き当てた状態で、上側の椅子Bの前記接触回避部232に、下側の椅子Aの対向する脚要素21の上向き面21c側を挿入するようにしているので、スタッキング効率を向上させて限られた収納スペースの中でより多くの台数を積み重ねることが可能となる。
【0034】
キャップ23の突出部231に設けた前記接触回避部232が、突出部231の下向き面231a側に設けてあるので、当該接触回避部232が外部から隠蔽されることとなり、椅子の外観を損なわずに前述した作用を営むことが可能となる。
【0035】
突出部231が、前記脚要素21の下端部21bに取り付けた別体のキャップ23に設けてあるので、脚要素21自体に突出部231を設ける場合に比べて、加工の容易性が図られる上、スタッキング時に衝き当てることにより突出部231が摩耗した場合の交換等も行い易いものである。
【0036】
なお、本発明における構成は、以上説明したものに限定されないのは勿論である。例えば、前後の脚要素の横断面形状は、上述した形状に限定されず、略V字形等であってもよい。また、上述したものでは、前後の脚要素と連結部が別体であったが、それに限定されず、これらが一体に形成されているものであってもよい。また、その他の構成も本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0037】
総括すれば、以上説明した家具においては、以下に記載されるような効果を奏する。
【0038】
すなわち、この家具は、複数を略鉛直方向に沿って順次スタッキングさせ得る家具の脚体が、下方に向かって漸次離間して位置する一対の脚要素と、これら脚要素の上端部側同士を略水平方向に沿って連結する水平部と、前記脚要素の下端部側から肉厚方向に突出してなる突出部とを具備してなり、スタッキング時に、一方の家具と他方の家具の脚要素の対向する面同士を離間させた状態で、一方の家具の水平部及び突出部を他方の家具の対向する面に衝き当てて重合させるものであるので、スタッキング時の安定支持を図るとともに、スタッキング作業時に脚要素同士が当たり合うことにより生じる衝撃音や傷等を有効に防止することが可能である。
【0039】
脚要素が、スタッキング時に他方の家具の脚要素と対向する面側に延出方向に沿って延びる凹状の接触回避部を有しており、前記スタッキング時に、一方の家具と他方の家具の脚要素の対向する面同士を離間させた状態で、一方の家具の前記接触回避部に、他方の家具の対向する面側を挿入するならば、脚要素の横断面形状を工夫して接触回避部を設けることにより、スタッキング効率を向上させて限られた収納スペースの中でより多くの台数を積み重ねることが可能となる。すなわち、スタッキング時に隣接する家具の脚要素同士が嵌合し合って重合状態となるので、家具同士の離間ピッチが小さくなり、スタッキング効率を向上させることが可能となる。
【0040】
接触回避部が、脚要素の下向き面側に設けてあるならば、当該接触回避部が外部から隠蔽されることとなり、家具の外観を損なわずに前述した作用を営むことが可能となる。
【0041】
水平部が、スタッキング時に他方の家具の水平部と対向する面側に延出方向に沿って延びる凹状の接触回避部を有しており、前記スタッキング時に、一方の家具と他方の家具の水平部の対向する面同士の少なくとも一部を衝き当てた状態で、一方の家具の前記接触回避部に、他方の家具の対向する面側を挿入するならば、水平部の横断面形状を工夫して接触回避部を設けることにより、スタッキング効率を向上させて限られた収納スペースの中でより多くの台数を積み重ねることが可能となる。
【0042】
水平部に設けた前記接触回避部が、水平部の下向き面側に設けてあるならば、当該接触回避部が外部から隠蔽されることとなり、家具の外観を損なわずに前述した作用を営むことが可能となる。
【0043】
突出部が、スタッキング時に他方の家具の脚要素と対向する面側に延出方向に沿って延びる凹状の接触回避部を有しており、前記スタッキング時に、一方の家具の突出部の少なくとも一部を他方の家具の対向する面に衝き当てた状態で、一方の家具の前記接触回避部に、他方の家具の対向する面側を挿入するならば、スタッキング効率を向上させて限られた収納スペースの中でより多くの台数を積み重ねることが可能となる。
【0044】
突出部に設けた前記接触回避部が、突出部の下向き面側に設けてあるならば、当該接触回避部が外部から隠蔽されることとなり、家具の外観を損なわずに前述した作用を営むことが可能となる。
【0045】
突出部が、前記脚要素の下端部に取り付けた別体のキャップに設けてあるならば、脚要素自体に突出部を設ける場合に比べて、加工の容易性が図られる上、スタッキング時に衝き当てることにより突出部が摩耗した場合の交換等も行い易いものである。
【符号の説明】
【0046】
A、B…家具(椅子)
1…家具本体(椅子本体)
2…脚体
21…脚要素
221…水平部
3…メモ台
P…使用状態
Q…収納状態
31…天板
32…支持体
323…第1の回転支持部
324…第2の回転支持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚体と、この脚体に支持される家具本体と、天板を有しその天板が略水平方向に沿って位置する使用状態及び前記天板が垂下する収納状態をとり得るメモ台とを具備してなり、前記メモ台を収納状態にして複数を略鉛直方向に沿って順次スタッキングさせ得る家具であって、
前記メモ台の天板が前記収納状態において前記脚体の外方に垂下して位置するように構成されていることを特徴とする家具。
【請求項2】
前記メモ台が、その天板を使用状態から略鉛直方向に沿った位置まで左右方向に回転させ、その位置から前後方向に回転させることにより収納状態に格納し得るように構成されている請求項1記載の家具。
【請求項3】
前記メモ台が、前記天板と、この天板を回転可能に支持する支持体とを具備してなり、前記支持体が、天板を略鉛直方向に沿った位置から前記収納状態に対応する位置まで前後方向に回転させるための第1の回転支持部と、天板を前記使用状態に対応する位置から略鉛直方向に沿った位置まで左右方向に回転させるための第2の回転支持部とを備えている請求項1又は2記載の家具。
【請求項4】
前記支持体が、前記天板を前記収納状態で脚体の外方に傾斜して垂下し得るように支持するものである請求項3記載の家具。
【請求項5】
前記メモ台が、前記脚体に取り付けられたものである請求項1、2、3又は4記載の家具。
【請求項6】
前記脚体が、下方に向かって漸次離間して位置する一対の脚要素と、これら脚要素の上端部側同士を略水平方向に沿って連結する水平部とを具備してなる請求項1、2、3、4又は5記載の家具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−46496(P2010−46496A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211924(P2009−211924)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【分割の表示】特願2001−109344(P2001−109344)の分割
【原出願日】平成13年4月6日(2001.4.6)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【出願人】(000108627)タカノ株式会社 (250)
【Fターム(参考)】