説明

容器入り液体の中身検査方法及び中身検査装置、容器入り液体食品の製造方法

【課題】生産の時間経過に伴うフロックの発生を的確に把握できる容器入り液体の中身検査方法を提供すること。
【解決手段】容器内の液体は、撮像工程、画像認識工程、基準画素数設定工程及びフロック発生判定工程を経て検査される。撮像工程では、流動している液体の画像を時間差で撮像し、得た画像データを出力する。画像認識工程では、画像データの時間的変化を解析して気泡及びフロックを含む微小浮遊物を認識し、微小浮遊物の量を画素数として認識する。基準画素数設定工程では、液体中にフロックが全くまたは殆ど含まれない状態で撮像して得た画像データに基づいて、基準画素数を設定する。フロック発生判定工程では、画像認識工程にて認識した画素数と、基準画素数設定工程にて設定した基準画素数とを比較して、許容量を超えるフロックが発生しているか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器入り液体の中身検査方法及び中身検査装置、容器入り液体食品の製造方法に係り、特に、フロックの発生の判定に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、容器入り液体食品の品質検査を行うために様々な方法が提案されている。特に、液体食品への異物混入は大きな問題であるため、液体中の異物を検査する異物検査方法が種々提案されている。異物検査方法としては、目視による方法、X線による方法、カメラで撮像した画像を解析する方法などが挙げられるが、これらの中でも、特に画像解析がよく用いられている(例えば、特許文献1参照)。また、画像解析を行う異物検査においては、容器の傷や模様を異物と区別する方法が提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
【特許文献1】特開2002−122550号公報
【特許文献2】特公平4−6900号公報
【特許文献3】特開平8−159989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、酒類、酢類等の液体食品では、容器内に液体を充填する充填工程においてフロック(液体の一部が凝固したもの)が発生することがある。このフロックは、異物ではないものの、許容量を超えて人の目で認識できるようになると、見た目が悪くなって品質上問題となるため、お客様に対するイメージ低下につながるおそれがある。しかしながら、フロックの発生を検査する装置は従来提案されていない。また、従来提案されている異物検査方法を用いたとしても、生産の時間経過に伴うフロックの発生を把握することはできない。
【0004】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、生産の時間経過に伴うフロックの発生を的確に把握できる容器入り液体の中身検査方法及び中身検査装置を提供することにある。また、第2の目的は、フロックの混入による品質低下がない容器入り液体食品を製造できる容器入り液体食品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
洗浄した液体充填装置を用いて容器内に液体を充填し、容器入り液体食品を製造する場合、生産開始時にフロックが発生することは殆どない。しかしながら、生産が進むに従って徐々にフロックが発生してくることがある。そして、発生当初のフロックは極めて小さなものであるが、フロックは次第に大きなものとなる傾向がある。一方、気泡は、生産開始時から発生するものであるが、特に生産条件を変えなければ、生産が進んだとしても、気泡の量は基本的に変化しない。気泡は、容器の搬送や、充填時に液体が落下する際の衝撃などにより発生し、製造ロットによっても変化する。なお、気泡の量は、液体の充填速度、液体の充填温度、容器の搬送速度などによって変化する場合がある。
【0006】
ところが、極めて小さなフロックは、人の目で認識することが難しい大きさであり(100μm以下)、通常異物として認識されるレベル(200μm以上)よりも小さい。この極めて小さなフロックは異物という訳ではないため、品質上問題とならない場合もあるが、小さなフロックの段階でフロックの発生を把握しておくことが大きなフロックの発生を食い止めるためには必要となる。また、極めて小さなフロックを画像処理によって認識する場合、液体を撮像するカメラなどの精度を高くする必要があるが、小さなフロックと容器の傷や気泡などとの判別が困難である。
【0007】
上記課題に鑑みて本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、液体の充填を開始する当初においてはフロックが発生しない(または極めて少ない)ことに着目した。そして、充填開始当初に気泡を含む液体以外の微小浮遊物を撮像・記憶した状態で、その後の微小浮遊物の発生傾向を監視し、充填開始当初の微小浮遊物とその後の微小浮遊物とを比較した値が許容量を逸脱すれば、フロックの発生を検知できることを新規に知見した。そして、この新規な知見に基づいて、本発明者らは下記の優れた発明を完成させるに至ったのである。
【0008】
即ち、請求項1に記載の発明は、容器内の液体が流動している状態で前記液体の画像を時間差で撮像し、得た画像データを出力する撮像工程と、前記画像データの時間的変化を解析して前記液体中における液体以外の微小浮遊物を認識するとともに、気泡及びフロックを含む前記微小浮遊物の量を画素数として認識する画像認識工程と、前記液体中にフロックが全くまたは殆ど含まれない状態で撮像して得た前記画像データに基づいて、基準画素数を設定する基準画素数設定工程と、前記画像認識工程において認識した前記画素数と、前記基準画素数設定工程において設定した前記基準画素数とを比較して、許容量を超えるフロックが発生しているか否かを判定するフロック発生判定工程とを備えることを特徴とする容器入り液体の中身検査方法をその要旨とする。
【0009】
従って、請求項1に記載の発明によると、画像認識工程において認識した画素数と基準画素数設定工程において設定した基準画素数とを比較し、フロック発生判定工程による判定を行うことにより、生産の時間経過に伴うフロックの発生を的確に把握できる。
【0010】
なお、フロックには、詰口フロック及び二次沈殿の2種類が存在する。「詰口フロック」とは、例えば液体充填装置内のタンクに溜められた液体の液面とタンクの壁面との接触部分において、温度等の条件により液体の一部(たんぱく質等)が凝集して生じるものであり、液体充填装置を用いて液体を充填する際に容器内に混入すると想定されるものである。一方、「二次沈殿」とは、容器内に液体を充填してから一定日数を経過した後において、液体の一部が凝集して沈殿物・澱として発生するものである。なお、本発明のフロックは詰口フロックである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記基準画素数設定工程では、前記容器内への前記液体の充填速度、前記液体の充填温度、及び、充填後の前記容器の搬送速度の少なくとも1つの要素を加味して、前記基準画素数を設定することをその要旨とする。
【0012】
即ち、請求項2に記載の発明では、液体の充填速度、液体の充填温度、及び、充填後の容器の搬送速度が変化すると、気泡の状態・数が変化することに着目し、各要素の少なくとも1つを加味してフロックを検知する基準となる基準画素数を設定している。このため、気泡の状態・数が変化する原因となる要素が変化したとしても、生産の時間経過に伴うフロックの発生を的確に把握できる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記撮像工程では、前記容器の胴部における30cm以下の領域を視野として画像を得ることをその要旨とする。
【0014】
即ち、請求項3に記載の発明では、フロック及び気泡が異物のように1つまたは少数のみ発生するのではなく、液体全体に均一に発生することに着目し、液体が入った容器全体ではなく、胴部における30cm以下の領域を視野として画像を得ている。これにより、容器全体を撮像する場合に比べて、画像の同一面積当りの画素数を多くすることができるため、画像の解像度が高くなり、フロックの発生を把握できる精度が向上する。また、容器の底部ではなく胴部を視野として画像を得ているため、例えば液体が容器の軸線方向に対して時計回り方向に流動する場合、液体(フロック)が移動する様子がより明確に現われた画像を得ることができる。ゆえに、容器の底部を視野として画像を得る場合に比べて、フロックの発生をより高精度に把握できる。さらに、液体の画像を撮像する撮像手段の小型化などが可能となるため、フロックを検査する検査装置の簡略化が可能となる。
【0015】
なお、請求項3では、胴部における30cm以下の領域を視野として画像を得ているが、好ましくは、胴部における1cm以上20cm以下、さらに好ましくは、胴部における10cm以上20cm以下の領域を視野として画像を得ることがよい。
【0016】
請求項4に記載の発明は、容器内に液体を充填する充填工程を行った後、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の容器入り液体の中身検査方法による検査を行って、容器入り液体食品を製造することを特徴とする容器入り液体食品の製造方法をその要旨とする。
【0017】
従って、請求項4に記載の発明によると、画像認識工程において認識した画素数と基準画素数設定工程において設定した基準画素数とを比較し、フロック発生判定工程による判定を行うことにより、生産の時間経過に伴うフロックの発生を的確に把握できる。ゆえに、フロックの混入による品質低下がない容器入り液体食品を製造できる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、容器内の液体が流動している状態で前記液体の画像を時間差で撮像して得た画像データを出力する撮像手段と、前記画像データの時間的変化を解析して前記液体中における液体以外の微小浮遊物を認識するとともに、気泡及びフロックを含む前記微小浮遊物の量を画素数として認識する画像認識手段と、前記液体中にフロックが全くまたは殆ど含まれない状態で撮像して得た前記画像データに基づいて、基準画素数を設定する基準画素数設定手段と、前記基準画素数設定手段によって設定された前記基準画素数を記憶する基準画素数記憶手段と、前記画像認識手段により認識された前記画素数と、前記基準画素数記憶手段に記憶されている前記基準画素数とを比較して、許容量を超えるフロックが発生しているか否かを判定するフロック発生判定手段とを備えることを特徴とする容器入り液体の中身検査装置をその要旨とする。
【0019】
従って、請求項5に記載の発明によると、フロック発生判定手段が、画像認識手段において認識した画素数と基準画素数設定手段において設定した基準画素数とを比較して、判定を行うことにより、生産の時間経過に伴うフロックの発生を的確に把握できる。また、画像認識手段は、画像データの時間的変化を解析して液体中における微小浮遊物を認識するとともに、微小浮遊物の量を画素数として認識している。このため、画像認識手段が、時間の経過に伴って移動しない容器の傷などを認識したり、容器の傷などの量を画素数として認識することを防止できる。ゆえに、フロックの発生をより的確に把握できる。
【発明の効果】
【0020】
以上詳述したように、請求項1〜3に記載の発明によると、生産の時間経過に伴うフロックの発生を的確に把握できる。また、請求項4に記載の発明によると、フロックの混入による品質低下がない容器入り液体食品を製造できる。さらに、請求項5に記載の発明によると、生産の時間経過に伴うフロックの発生を的確に把握できる中身検査装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を、容器入り液体の中身検査方法を実施するための中身検査システムに具体化した一実施形態を図1〜図4に基づき説明する。
【0022】
図1,図2に示されるように、中身検査システム1は、搬入コンベア3、搬送コンベア2及び搬出コンベア4が順番に配置された搬送ラインを備えている。搬入コンベア3は、液体(液体食品)が充填された容器31を搬送コンベア2側に搬送するようになっている。搬送コンベア2は、搬入コンベア3から搬送されてきた容器31を搬出コンベア4側に搬送し、搬出コンベア4は、搬送コンベア2から搬送されてきた容器31を中身検査システム1から搬出するようになっている。なお、本実施形態の各コンベア2,3,4はベルトコンベアである。即ち、各コンベア2,3,4は、始端及び終端にそれぞれ設けられた回転軸7と、両回転軸7間に巻回され、容器31を底面側から支持する無端状のベルト8と、ベルト8を駆動するモータ9とを有している。
【0023】
図2に示されるように、搬送ライン(本実施形態では搬送コンベア2)には、容器検出センサ10が設けられている。本実施形態の容器検出センサ10は、互いに対向する発光部10aと受光部10bとを搬送コンベア2の両側にそれぞれ備えている。容器検出センサ10は、搬送コンベア2を通過する容器31を非接触状態で検知するようになっている。具体的に言うと、容器検出センサ10は、発光部10aからの光を容器31が遮って受光部10bが受光不能となる場合に容器31を検知し、容器検知信号を制御装置41のCPU44に出力する。また、容器検出センサ10は、発光部10aからの光を受光部10bが受光可能となる場合には容器31を検知せず、容器検知信号を出力しない。なお、容器検出センサ10は、搬送コンベア2を通過する容器31を接触状態で検知するものでもよい。例えば、容器31が接触したときに容器31を検知するタッチセンサでもよいし、検知部が容器31に押圧されたときに容器31を検知する機械式スイッチ(メカスイッチ)でもよい。
【0024】
また、中身検査システム1は、液体充填装置61、容器回転装置11及び中身検査装置21などを備えている。図1に示されるように、液体充填装置61は、搬入コンベア3の上流側に設けられており、空の容器31内に液体を充填するようになっている。なお、液体充填装置61の内部には充填温度計62が設けられている。充填温度計62は、液体充填装置61内のタンクに溜められた液体の温度を測定して、制御装置41のCPU44に温度測定信号を出力するようになっている。また、液体が充填された容器31には、図示しない打栓機によってキャップが取り付けられるようになっている。
【0025】
図1,図2に示されるように、容器回転装置11は、搬入コンベア3の下流部分から搬送コンベア2の上流部分までの範囲、及び、搬送コンベア2の下流部分から搬出コンベア4の上流部分までの範囲に亘ってそれぞれ設けられている。容器回転装置11は一対のベルトコンベア12からなっており、前記搬送ライン上を通過する容器31を両ベルトコンベア12によって側方から挟持するようになっている。なお、図2に示されるように、両ベルトコンベア12のベルトは、対向する面において容器31の通過方向と同一方向に動くようになっている。そして、一方のベルトコンベア12のベルトの速度は、他方のベルトコンベア12のベルトの速度よりも高くなっている。これにより、容器回転装置11を通過する容器31は、例えば容器31の軸線方向に対して時計回り方向に回転するようになる。これに伴い、容器31内に充填された液体は、容器31の回転方向と同一方向(本実施形態では、容器31の軸線方向に対して時計回り方向)に流動する。なお、容器回転装置11を通過した後に容器31の回転が停止したとしても、容器31内の液体は、惰性により容器31の軸線方向に対して時計回り方向に回転し続ける。
【0026】
なお、容器31としては、光(白色光や赤外線など)が乱反射することなく透過するものであれば特に限定されることはなく、例えばガラスビンやプラスチックボトルなどを挙げることができる。また、容器31内に充填される液体も、光が乱反射することなく透過するものであれば特に限定されることはなく、例えば、液体調味料(醤油、つゆ、ポン酢、みりんなど)やジュースなどを挙げることができる。
【0027】
図1,図2に示される前記中身検査装置21は、容器31の中身(液体)を検査するための装置である。中身検査装置21は、中身検査システム1全体を統括的に制御するための制御装置41を備えている。制御装置41は、CPU44、ROM45、RAM46、A/D変換部42、2値化変換回路43及び入出力回路等により構成されている。CPU44は、前記各コンベア2,3,4のモータ9、前記液体充填装置61、前記容器回転装置11、不良品排出装置5及び警報装置6などに電気的に接続されており、各種の駆動信号によってそれらを制御する。また、CPU44には、入力手段であるキーボード47や、表示手段であるディスプレイ48が接続されている。キーボード47は、生産開始時であることの条件となる容器31の数(本実施形態では、生産を開始してから1000本目まで)などの情報をCPU44に入力するためのものである。ディスプレイ48は、搬送ライン上に存在する容器31の数、容器31の生産量、どの容器31に許容量を超えるフロックが発生したかなどを表示するようになっている。なお、ディスプレイ48は、中身検査システム1の動作状態を簡略化した正面図(図1参照)や平面図(図2参照)を表示してもよい。また、キーボード47及びディスプレイ48はなくてもよい。
【0028】
図1,図2に示される中身検査装置21は、容器側面用照明装置52及び容器底面用照明装置53を備えている。容器側面用照明装置52は、搬送コンベア2の中央部の側方に設けられ、容器31の側方から光を照射するようになっている。一方、容器底面用照明装置53は、搬送コンベア2と搬出コンベア4との間において2個設けられ、容器31の下方から光を照射するようになっている。本実施形態の容器側面用照明装置52及び容器底面用照明装置53は、常時点灯している。ここで、照射する光としては白色光や赤外線などが挙げられるが、液体が透明の液体である場合には白色光を用いることが好ましく、液体が色の濃い液体(例えば、醤油、つゆ、ポン酢など)である場合には赤外線を用いることが好ましい。
【0029】
なお、容器側面用照明装置52及び容器底面用照明装置53の設置箇所は本実施形態に限定されるものではない。例えば、容器側面用照明装置52を、容器31の側方から光を照射する位置に設置するのではなく、容器31の斜め下方もしくは斜め上方から光を照射する位置に設置してもよい。この場合、フロックに反射した光をフロック検知用モノクロカメラ51aが取り込むことにより、フロックが検出される。この方法を採用すると、フロックが白色や薄い色の場合には、フロックを精度良く検出できる。
【0030】
なお、穀物酢、米酢等の比較的透明な製品で発生するフロックは白色または薄い色である場合が多いため、この方法が有効である。一方、黒酢などの製品で発生するフロックは色が濃いため、本実施形態のような透過照明方式が有効である。このように、照明装置やカメラの設置箇所は、容器31内の液体に発生するフロックの性質や色に応じて、最適なものを選択することが好ましい。
【0031】
図1,図2に示されるように、中身検査装置21は、2個のフロック検知用モノクロカメラ51a(撮像手段)、2個の側面側異物検知用モノクロカメラ51b(撮像手段)、及び、2個の底面側異物検知用モノクロカメラ51c(撮像手段)を備えている。各フロック検知用モノクロカメラ51a及び各側面側異物検知用モノクロカメラ51bは、搬送コンベア2を挟んで容器側面用照明装置52と対向配置されている。各フロック検知用モノクロカメラ51aは、搬送コンベア2の搬送方向に沿って2箇所に配置されている。各側面側異物検知用モノクロカメラ51bは、各フロック検知用モノクロカメラ51aの下流側において、搬送コンベア2の搬送方向に沿って2箇所に配置されている。また、図2に示されるように、各モノクロカメラ51a,51bが見ている方向(カメラ光軸方向)と、搬送コンベア2の搬送方向(図2の水平方向)とがなす角度は、60°程度である。上流側の2箇所に配置されたフロック検知用モノクロカメラ51aは斜め後方を向いており、下流側の2箇所に配置された側面側異物検知用モノクロカメラ51bは斜め前方を向いている。そして、各モノクロカメラ51a,51bは、容器31の側方から容器31内の液体を撮像するようになっている。詳述すると、各モノクロカメラ51a,51bは、容器31を透過した光によって生じる陰影を撮像するようになっている。本実施形態では、上流側に位置するフロック検知用モノクロカメラ51aと、上流側に位置する側面側異物検知用モノクロカメラ51bとを用いて、1つの容器31を撮像する。さらに、下流側に位置するフロック検知用モノクロカメラ51aと、下流側に位置する側面側異物検知用モノクロカメラ51bとを用いて、1つの容器31を撮像する。また、モノクロカメラ51a,51bは、容器31内の液体が流動している状態で液体の画像を時間差で撮像するようになっている。具体的に言うと、まず、上流側に位置するフロック検知用モノクロカメラ51aを用いて、容器31内の液体を撮像する。次に、所定時間経過後、下流側に位置するフロック検知用モノクロカメラ51aを用いて、下流側に移動してきた同じ容器31内の液体を再度撮像する。同様に、上流側に位置する側面側異物検知用モノクロカメラ51bを用いて、容器31内の液体を撮像する。次に、所定時間経過後、下流側に位置する側面側異物検知用モノクロカメラ51bを用いて、下流側に移動してきた同じ容器31内の液体を再度撮像する。これにより、容器31内の液体の画像が時間差で撮像される。なお、各コンベア2,3,4を停止した状態で、上流側または下流側に位置するモノクロカメラ51a,51bのみを用いて容器31内の液体の画像を撮像するようにしてもよい。
【0032】
図1,図2に示されるように、各底面側異物検知用モノクロカメラ51cは、各容器底面用照明装置53の下側にそれぞれ配置されており、容器31の下方から容器31内の液体を撮像するようになっている。また、底面側異物検知用モノクロカメラ51cは、容器31内の液体が流動している状態で液体の画像を時間差で撮像するようになっている。具体的に言うと、まず、上流側に位置する底面側異物検知用モノクロカメラ51cを用いて、容器31内の液体を撮像する。次に、所定時間経過後、下流側に位置する底面側異物検知用モノクロカメラ51cを用いて、同じ容器31内の液体を再度撮像する。これにより、容器31内の液体の画像が時間差で撮像される。なお、各コンベア2,3,4を停止した状態で、上流側または下流側に位置する底面側異物検知用モノクロカメラ51cのみを用いて容器31内の液体の画像を撮像するようにしてもよい。
【0033】
ところで、側面側異物検知用モノクロカメラ51b及び底面側異物検知用モノクロカメラ51cを用いて画像処理による異物検査を行う場合、容器31全体を撮像する必要がある。仮に、容器31の一部(例えば容器31の胴部32の半分程度)のみを撮像したとしても、撮像していない箇所の異物を発見できないためである。この問題は、容器31内の液体が流動している状態で複数枚撮像すればある程度は解消されるが、完全に解消できるとは言い切れない。
【0034】
一方、フロック検知用モノクロカメラ51aを用いて画像処理によるフロック71(図3(a),(b)参照)の発生を把握する検査を行う場合、容器31の一部のみを撮像したとしても、フロック71の発生傾向を十分に把握できる。従って、本実施形態のフロック検知用モノクロカメラ51aは、容器31の胴部32における30cm以下(本実施形態では15cm程度)の領域を視野として画像を得るようになっている。このようにすれば、容器31全体を撮像する場合に比べて、画像の同一面積当りの画素数を多くすることができるため、フロック71の発生を把握できる精度が向上する。ゆえに、フロック検知用モノクロカメラ51aとして高感度のものを用いなくても済む。
【0035】
そして、図1,図2に示される各モノクロカメラ51a〜51cは、液体の画像を時間差で撮像して得た画像データを、撮像信号として前記A/D変換部42に出力するようになっている。具体的に言うと、モノクロカメラ51a〜51cは、1つの容器31内の液体を撮像して得た画像データを、第1撮像信号として出力する。さらに、モノクロカメラ51a〜51cは、所定時間経過後に同じ容器31内の液体を撮像して得た画像データを、第2撮像信号として出力する。なお、各撮像信号は、A/D変換部42によってデジタル変換され、前記2値化変換回路43に出力される。
【0036】
2値化変換回路43は、デジタル変換された第1撮像信号及び第2撮像信号に基づいて、画像データを「0」(光検出の白画素)または「1」(光非検出の黒画素)に2値化する2値化処理を行うようになっている。具体的に言うと、フロック71、気泡72、異物73、容器31の傷74などの存在により光を検出せずに黒くなっている画素(図3(a),(b)の斜線部分参照)を「1」とし、液体しか存在しないために光を検出して白くなっている画素(図3(a),(b)の非斜線部分参照)を「0」とするようになっている。そして、2値化変換回路43は、2値化処理された画像データを2値化処理信号として前記CPU44に出力するようになっている。
【0037】
なお本実施形態では、第1撮像信号から生成された2値化処理信号が示す第1画像(図3(a)参照)と、第2撮像信号から生成された2値化処理信号が示す第2画像(図3(b)参照)との間において、フロック71、気泡72及び異物73が左から右へ2画素分移動している。それに対して、傷74は全く移動していない。また、異物73は、フロック71や気泡72よりも大きい塊である。本実施形態では、3画素以上34画素以下のものを1つの微小浮遊物(フロック71または気泡72)とカウントし、35画素以上のものを1つの異物73とカウントしている。
【0038】
図1に示されるCPU44は、2値化変換回路43から入力された2値化処理信号が示す画像データの時間的変化を解析して、液体中における液体以外の微小浮遊物(フロック71及び気泡72を含む)を認識するようになっている。例えば、CPU44は、第1画像(図3(a)参照)と第2画像(図3(b)参照)とを重ねあわせ、両者の差を検出する。具体的に言うと、特定の画素が両方の画像で「1」となる場合、画素を「0」とする。これにより、容器31の傷74は画素数として認識されなくなる。また、特定の画素が一方の画像で「1」となり他方の画像で「0」となる場合、画素を「1」とする。さらに、特定の画素が両方の画像で「0」となる場合、画素を「0」とする。そして、CPU44は、微小浮遊物存在領域の面積を画素数(「1」となる画素の数)として認識するようになっている。即ち、CPU44は、『画像認識手段』としての機能を有している。
【0039】
また、図1に示されるCPU44は、液体中にフロック71が全くまたは殆ど含まれない状態、即ち、液体中に気泡72以外のものが全くまたは殆ど生じない状態で前記フロック検知用モノクロカメラ51aにて撮像して得た画像データに基づいて、基準画素数を設定するようになっている。即ち、CPU44は、『基準画素数設定手段』としての機能を有している。なお、基準画素数を設定するための画像データは、生産を開始して生産が安定した頃に取得することが好ましい。例えば、液体が充填された容器31を10万本生産する場合、生産を開始してから100本目までは画像データを取得せず、それ以降の1000本の容器31において画像データを取得する。なお、取得するデータは、少なくとも5本以上の容器31から取得することがよいが、好ましくは10本以上、さらには50本以上の容器31から取得することがよい。ここで、「取得するデータ」とは、第1画像(図3(a)参照)と第2画像(図3(b)参照)との差から認識される画素数のデータである。そして、基準画素数は、取得した画像データに基づいて算出されるが、要求される精度などに応じて算出することができる。例えば、前記微小浮遊物存在領域の面積(画素数)の平均値を基準画素数としてもよいし、画素数の最大値を基準画素数としてもよい。そして、CPU44は、設定された基準画素数をRAM46に記憶するようになっている。即ち、RAM46は、『基準画素数記憶手段』としての機能を有している。
【0040】
ところで、前記容器31内への液体の充填が滞りなく行われている場合、同一の製造ロットであれば気泡72の量は安定する。しかし、容器31内への液体の充填速度、液体の充填温度、充填後の容器31の搬送速度などが変化すると、気泡72の量が変化する可能性が高く、フロック71の検出精度も低下してしまう。特に、充填速度が変化すると気泡72の量は大きく変化するため、フロック71の検出精度低下は顕著になる。
【0041】
そこで、本実施形態では、充填速度、充填温度及び搬送速度の少なくとも1つの要素が変化した場合に、図1に示されるCPU44が基準画素数を補正するようになっている。例えば、充填速度が変化した場合、CPU44は以下のような処理を行う。まず、安定時(充填速度が変化しない状態)の充填速度での気泡72の量(画素数)を把握しておく。そして、充填速度が遅くなると気泡72が減少するため、CPU44は、気泡72と認識する画素数(基準画素数)を減少させる。一方、充填速度が速くなると気泡72が増加するため、CPU44は基準画素数を増加させる。例えば、安定時の充填速度が300本/分であり、その場合に気泡72として認識した画素数(基準画素数)が400画素であった場合、充填速度が200本/分と遅くなった際に基準画素数を300画素に補正する。この場合、基準画素数の減少量は、液体の性質などに基づき、経験則やデータ解析などによって求められる。また、充填から撮像までの時間差を考慮して気泡72の量(基準画素数)を設定することがより好ましい。なお本実施形態において、充填速度は、CPU44が液体充填装置61を駆動制御する際の出力に基づいて算出される。
【0042】
充填温度が変化した場合、図1に示されるCPU44は以下のような処理を行う。充填温度が高くなると気泡72が増加するため、CPU44は、気泡72と認識する画素数(基準画素数)を増加させる。一方、充填温度が低くなると気泡72が減少するため、CPU44は、基準画素数を減少させる。なお本実施形態において、充填温度は、前記充填温度計62から入力された前記温度測定信号に基づいて、CPU44により検出される。
【0043】
また、前記搬送速度が変化した場合、CPU44は以下のような処理を行う。搬送速度が速くなると、液体が充填されてから前記フロック検知用モノクロカメラ51aに撮像されるまでの時間が短くなるので殆ど消泡されず、搬送時の振動も大きくなるため、気泡72が増加する。この場合、CPU44は、気泡72と認識する画素数(基準画素数)を増加させる。一方、搬送速度が遅くなると、液体が充填されてからフロック検知用モノクロカメラ51aに撮像されるまでの時間が長くなるのでかなり消泡され、搬送時の振動も小さくなるため、気泡72が減少する。この場合、CPU44は、基準画素数を減少させる。なお本実施形態において、搬送速度は、CPU44が前記各コンベア2,3,4のモータ9を駆動制御する際の出力に基づいて算出される。
【0044】
図1に示されるCPU44は、現在搬送ライン上にある前記容器31内の液体をフロック検知用モノクロカメラ51aにて撮像することにより認識された画素数と、前記RAM46に記憶されている基準画素数とを比較するようになっている。そして、CPU44は、画素数の差が許容量を超えているか否か、即ち、許容量を超えるフロック71が発生しているか否かを判定するようになっている。即ち、CPU44は、『フロック発生判定手段』としての機能を有している。なお本実施形態では、気泡72の量としては異常であるという画素数をあらかじめ決めておき、許容量に達した場合にフロック71の発生と認識する。本実施形態では、気泡72の量が400画素である場合、画素数が500画素以上1000画素未満である場合にフロック71の発生を認識する。なお、画素数が450画素を超えたものが30%以上になった場合にフロック71の発生を認識してもよいし、画素数が連続して430画素を超えた場合や、画素数が1回でも500画素を超えた場合に、フロック71の発生を認識してもよい。即ち、許容量は、使用者の求める精度や、許容される誤動作の範囲などにより自由に設定できる。
【0045】
画素数の差が許容量を超えていると判定された場合、図1に示されるCPU44は、不良品検出信号を前記不良品排出装置5に出力するとともに、警報信号を前記警報装置6に出力する。そして、CPU44は、不良品検出信号に基づいて不良品排出装置5を作動させ、フロック71の発生が検出された容器31を不良品として排出させる制御を行う。このとき、CPU44は、不良品となった容器31が搬送されてくるタイミングに併せて、不良品排出装置5を作動させる。また、CPU44は、前記警報装置6に警報音や光を出力させる制御を行う。
【0046】
次に、容器入り液体食品の製造方法を説明する。容器入り液体食品は、容器31内に液体を充填する充填工程を行った後、容器入り液体の中身検査を行うことにより製造される。以下、容器入り液体の中身検査方法を説明する。
【0047】
液体の充填された容器31が搬送され、容器回転装置11に到達すると、容器31は、容器回転装置11によって時計回り方向に回転させられ、容器31内の液体は時計回り方向に流動する(流動工程)。そして、容器31が容器回転装置11を通過した後、フロック検知用モノクロカメラ51a、側面側異物検知用モノクロカメラ51b及び底面側異物検知用モノクロカメラ51cは、容器31内の液体が流動している状態で液体の画像を時間差で撮像し、得た画像データを撮像信号としてCPU44に出力する(撮像工程)。具体的には、容器31が容器側面用照明装置52の側方に到達した際に、その容器31をフロック検知用モノクロカメラ51a及び側面側異物検知用モノクロカメラ51bにより撮像する。モノクロカメラ51a,51bは、容器31の側方の容器側面用照明装置52から照射された光が容器31を透過した光を捉えることにより、画像を撮像する。一方、容器31が容器底面用照明装置53の上方に到達した際に、その容器31を底面側異物検知用モノクロカメラ51cにより撮像する。底面側異物検知用モノクロカメラ51cは、容器31の下方に位置する容器底面用照明装置53から照射された光が液体中に含まれるフロック71などに反射した反射光を捉えることにより、画像を撮像する。
【0048】
モノクロカメラ51a〜51cにより撮像された画像は、撮像信号としてA/D変換部42に出力され、デジタル変換されて2値化変換回路43に出力される。2値化変換回路43は、撮像信号を「0」(光検出の白画素、図3(a),(b)の非斜線部分参照)、または、「1」(光非検出の黒画素、図3(a),(b)の斜線部分参照)に2値化して2値化処理信号を生成し、2値化処理信号をCPU44に出力する。なお、本実施形態のA/D変換部42や2値化変換回路43は、CPU44とは別々に設けられているが、両者の機能をCPU44に持たせるようにしてもよい。
【0049】
次に、フロック検知用モノクロカメラ51aを用いて画像処理によるフロック71の発生を把握する検査を行う場合に、制御装置41のCPU44によって行われる処理について説明する。
【0050】
図4に示されるステップS10の処理において、CPU44は、液体充填装置61による液体の充填速度が変化したか否かを判定する。充填速度が変化していなければ(ステップS10:N)、CPU44は、ステップS20の処理へ移行する。ステップS20において、CPU44は、充填温度計62から出力された温度測定信号に基づいて、液体の充填温度が変化したか否かを判定する。充填温度が変化していなければ(ステップS20:N)、CPU44は、ステップS30の処理へ移行する。ステップS30において、CPU44は、充填後の容器31の搬送速度が変化したか否かを判定する。充填速度が変化していなければ(ステップS30:N)、CPU44は、ステップS50の処理へ移行する。
【0051】
なお、充填速度、充填温度及び搬送速度の少なくとも1つが変化した場合(ステップS10,S20,S30:Y)、CPU44は、ステップS40の処理へ移行する。ステップS40において、CPU44は、RAM46に記憶されている基準画素数を補正し、ステップS50の処理へ移行する。
【0052】
ステップS50において、CPU44は、フロック検知用モノクロカメラ51aからの撮像信号に基づいて生成された2値化処理信号が入力されたか否かを判定する。CPU44に2値化処理信号が入力されていない場合(ステップS50:N)、CPU44は、ステップS60〜S110の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。一方、CPU44に2値化処理信号が入力された場合(ステップS50:Y)、CPU44は、ステップS60の処理へ移行する。
【0053】
ステップS60において、CPU44は、2値化変換回路43から入力された2値化処理信号が示す画像データの時間的変化を解析して、液体中における液体以外の微小浮遊物を認識する。そして、CPU44は、フロック71及び気泡72を含む微小浮遊物の量(微小浮遊物存在領域の面積)を画素数として認識する(画像認識工程)。
【0054】
続くステップS70において、CPU44は、生産開始時か否かを判定する。具体的に言うと、CPU44は、容器検出センサ10からの容器検知信号の入力回数が、所定回数(本実施形態では「1000」)に到達していないか否かを判定する。なお、生産開始時か否かを判定する方法は、上記の容器検出センサ10を用いた方法に限定されない。例えば、1本目の容器31に液体を充填する際にカウントを開始するタイマを設け、生産開始から1000本の容器31が通過するまでの時間が経過していないか否かをCPU44によって判定するようにしてもよい。生産開始時である場合(ステップS70:Y)、CPU44は、ステップS80の処理へ移行する。ステップS80において、CPU44は、ステップS60にて認識された画素数を基準画素数としてRAM46に記憶し(基準画素数設定工程)、ここでの処理を終了する。
【0055】
一方、生産開始時ではない場合(ステップS70:N)、CPU44は、ステップS90の処理へ移行する。ステップS90において、CPU44は、ステップS60にて認識した画素数と、ステップS80にてRAM46に記憶した基準画素数とを比較する。そして、ステップS100において、CPU44は、画素数の差が許容量を越えているか否か、即ち、許容量を超えるフロック71が発生しているか否かを判定する(フロック発生判定工程)。画素数の差が許容量を超えていない場合(ステップS100:N)、CPU44は、ステップS110の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。一方、画素数の差が許容量を超えている場合(ステップS100:Y)、CPU44は、ステップS110の処理へ移行する。なお本実施形態では、後に異物検知用モノクロカメラ51b,51cによる異物73の検知を行うが、許容量を超えるフロック71の発生を判定する際の基準として画素数の下限値だけを設定すると、上記のフロック発生判定工程においてフロック71の発生と異物73の発生とをまとめて検知してしまう。そこで本実施形態では、許容量を超えるフロック71の発生を判定する際の基準として、画素数の下限値だけでなく上限値も設定した。具体的には、基準画素数が400画素である場合、画素数が500画素以上1000画素未満である場合にフロック71が発生していると判定する。
【0056】
ステップS110において、CPU44は、不良品であることを示す不良品検出信号を不良品排出装置5に出力するとともに、警報信号を警報装置6に出力する。その結果、不良品排出装置5により、フロック71の発生が検出された容器31が不良品として排出され、警報装置6により、警報音や光が出力される。
【0057】
次に、側面側異物検知用モノクロカメラ51b及び底面側異物検知用モノクロカメラ51cを用いて画像処理による異物検査を行う場合に、制御装置41のCPU44によって行われる処理について説明する。
【0058】
図5に示されるステップS210の処理において、CPU44は、側面側異物検知用モノクロカメラ51b及び底面側異物検知用モノクロカメラ51cからの撮像信号に基づいて生成された2値化処理信号が入力されたか否かを判定する。CPU44に2値化処理信号が入力されていない場合(ステップS210:N)、CPU44は、ステップS220〜S240の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。一方、CPU44に2値化処理信号が入力された場合(ステップS210:Y)、CPU44は、ステップS220の処理へ移行する。
【0059】
ステップS220において、CPU44は、2値化変換回路43から入力された2値化処理信号が示す画像データの時間的変化を解析して、液体中における異物73を認識する。そして、CPU44は、異物73の量(異物存在領域の面積)を画素数として認識する。
【0060】
続くステップS230において、CPU44は、ステップS220にて認識された画素数が1000画素以上か否かを判定する。画素数が1000画素未満である場合(ステップS230:N)、CPU44は、液体中に異物73が存在しないものと判定して、ステップS240の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。一方、画素数が1000画素以上である場合(ステップS230:Y)、CPU44は、液体中に異物73が存在していると判定して、ステップS240の処理へ移行する。ステップS240において、CPU44は、不良品であることを示す不良品検出信号を不良品排出装置5に出力するとともに、警報信号を警報装置6に出力する。その結果、不良品排出装置5により、フロック71の発生が検出された容器31が不良品として排出され、警報装置6により、警報音や光が出力される。
(実施例1)
【0061】
本発明の効果を確認するために実施したより具体的な実施例1を以下に説明する。
【0062】
まず、直径72mm、高さ201mmの容器31(ガラスビン)に米酢(酸度4.5%)が500ml入ったものを10万本生産し、それらを400本/分の充填速度及び搬送速度で搬送する。このとき、複数のフロック検知用モノクロカメラ51a(図1,図2参照)を用いて容器31内の液体を撮像する。
【0063】
なお、撮像して記録される内容は、画像データを2値化処理した上で、液体以外の物質と特定してからカウントされる、微小浮遊物の数である。本実施例では、生産開始時の1000本の容器31内の液体において、微小浮遊物の発生具合の平均を記録しておく。具体的には、CPU44が、1000本の容器31における微小浮遊物の量を示す画素数の平均値を算出し、RAM46に記憶しておく。ここで、撮像手段として、140万画素のフロック検知用モノクロカメラ51aを用い、容器31の側方から光を透過させる容器側面用照明装置52として、高輝度白色照明を用いた。また、撮像範囲は、容器31の胴部32の15cm(5cm×3cm)の範囲(即ち、約132万画素分)とし、3画素(面積0.0034mm)以上のものを1つの微小浮遊物とカウントした。
【0064】
その結果、生産開始時1000本にて記憶された微小浮遊物の数(生産開始時は気泡72のみ)は、62〜137個、平均93個であった。このため、生産開始から1000本以降の生産品においては、140個以上の微小浮遊物がカウントされた場合に、フロック71が発生したものとして不良品検出信号及び警報信号を出力するように設定した。本実施例1では、フロック71の発生を容易にするために、液体充填装置61内のタンクの液面の高さを一定時間保つなどしてあらかじめ調整しておいた結果、およそ生産開始2時間後(本実施形態ではおよそ48000本目)の容器31に微小浮遊物が150個以上カウントされたものが検出された。ここで、搬送コンベア2上の容器31内の液体を確認したところ、液体中にフロック71が発生していることが確認された。なお、これ以降は、液体中にフロック71が発生する頻度が徐々に高くなった。
【0065】
なお、上記実施例1では、搬送速度を400本/分に設定しているが、搬送速度はこれより速くてもよいし遅くてもよい。また、上記実施例1では、生産開始時の1000本の容器31内の液体の状態を記録していたが、容器31の数は1000本に限定されるものではなく、液体の種類によって増減されてもよい。さらに、上記実施例1では、140万画素のモノクロカメラ51a〜51cにて撮像を行い、容器31の側方または下方から光を透過させ、撮像範囲は15cmとしたが、これらに限定されるものではなく、容器31や液体の種類に応じてそれぞれ条件を変更してもよい。
(実施例2)
【0066】
次に、本発明の効果を確認するために実施したより具体的な実施例2を以下に説明する。
【0067】
まず、上記実施例1と同じ容器31に米酢(酸度4.5%)が500ml入ったものを10万本生産し、それらを300本/分の充填速度及び搬送速度で搬送する。このとき、複数のフロック検知用モノクロカメラ51a(図1,図2参照)を用いて容器31内の液体を撮像する。なお、撮像して記録される内容、撮像手段、容器側面用照明装置52、撮像範囲などは、上記実施例1と同じである。
【0068】
その結果、生産開始時1000本にて記憶された微小浮遊物の数(生産開始時は気泡72のみ)は、53〜104個、平均72個であった。そして、搬送コンベア2の速度が途中で変化した場合を考慮し、あらかじめ算出しておいた値X,Yの関係に基づいて、Y=X−(t−5)×14の式を設定(ROM45に記憶)した。ここで、Xは、生産開始時の微小浮遊物(気泡72)の数(実施例2では「110」)を示し、上記微小浮遊物の数(53〜104個)から設定したものである。また、Yは、フロック71が発生したものとして不良品検出信号及び警報信号を出力する閾値を示している。さらに、tは、液体を充填してから中身検査を開始するまでの時間(秒)を示している。但し、上記閾値Yが10以下の数値になった場合は、閾値Y=10に設定する。
【0069】
本実施例2では、フロック71の発生を容易にするために、液体充填装置61内のタンクの液面の高さを一定時間保つなどしてあらかじめ調整しておいた結果、およそ生産開始2時間後(本実施形態ではおよそ36000本目)の容器31に微小浮遊物が閾値以上カウントされたものが検出された。ここで、搬送コンベア2上の容器31内の液体を確認したところ、液体中にフロック71が発生していることが確認された。なお、これ以降は、液体中にフロック71が発生する頻度が徐々に高くなった。
【0070】
なお、上記実施例2では、搬送速度を最高300本/分に設定しているが、搬送速度はこれより速くてもよいし遅くてもよい。また、上記実施例2では、生産開始時の1000本の容器31内の液体の状態を記録していたが、容器31の数は1000本に限定されるものではなく、液体の種類によって増減されてもよい。さらに、上記実施例2では、140万画素のフロック検知用モノクロカメラ51aにて撮像を行い、容器31の側方または下方から光を透過させ、撮像範囲は15cmとしたが、これらに限定されるものではなく、容器31や液体の種類に応じてそれぞれ条件を変更してもよい。また、本実施例2では計算式を用いたが、これは本実施例2の場合にのみ最適な計算式であり、条件に応じて適宜計算式を変更し、最適な閾値を設定してもよい。
【0071】
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0072】
(1)本実施形態の容器入り液体の中身検査方法では、ステップS60において認識した画素数と、ステップS80においてRAM46に記憶した基準画素数とを比較し、ステップS100の判定を行うことにより、生産の時間経過に伴うフロック71の発生を的確に把握できる。ゆえに、フロック71の混入による品質低下がない容器入り液体食品を製造できる。
【0073】
(2)ところで、液体中に異物73が発生した場合は、液体が充填された容器31を1本も製品として採用できないため、精度を厳しく設定することが求められる。しかし、本実施形態では、異物73と比べると画素数がかなり少なくなるフロック71(図3(a),(b)参照)が液体中に発生した時点で、フロック71の増加状況を確認したうえで、不良品排出装置5による不良品の排出及び警報装置6による警報音や光の出力を行っている。従って、液体中のフロック71をチェックできるだけでなく、液体中の異物73も確実にチェックできる。
【0074】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
【0075】
・上記実施形態のCPU44は、フロック検知用モノクロカメラ51aからの撮像信号に基づいて認識された画素数と、RAM46に記憶されている基準画素数との差が許容量に達した場合にフロック71の発生を認識していた。しかし、CPU44は、上記の画素数の差がさらに特定量まで広がった場合に、フロック71及び気泡72よりも大きい異物73の発生を認識するようにしてもよい。例えば、気泡72の量が400画素である場合、画素数が500画素以上(画素数の差が100画素以上)である場合にフロック71または異物73の発生を認識し、画素数が1000画素以上(画素数の差が600画素以上)である場合に異物73の発生を認識するようにしてもよい。具体的には、図4に示すステップS50の処理の後に、画素数が1000画素以上であるか否かを判定する処理を追加する。そして、画素数が1000画素未満であれば、ステップS60〜S110の処理を実行させ、画素数が1000画素以上であれば、図5に示すステップS220,S240の処理を順番に実行させるようにする。
【0076】
このようにすれば、フロック検知用モノクロカメラ51aにより、フロック71に加えて異物73の発生も検知できる。よって、異物検査装置にフロック71の発生を検知する機能を持たせて上記実施形態の中身検査装置21を構成する場合、プログラムを変更するだけで済み、カメラを増やすなどせずに既存の構成をそのまま流用できる。
【0077】
・上記実施形態では、フロック71が検出された場合に、CPU44は、不良品排出装置5によって不良品を排出させる制御を行うとともに、警報装置6から警報音や光を出力させる制御を行っていた(図4のステップS70参照)。しかし、フロック71が検出された場合、CPU44は、液体充填装置61による液体の充填速度を遅くする制御を行ってもよいし、搬送ラインを完全に停止させる(各コンベア2,3,4のモータ9を停止させる)制御を行ってもよい。
【0078】
・上記実施形態では、液体が充填された容器31を容器回転装置11で回転させることにより、液体を容器31内で流動させていたが、容器31を容器回転装置11で回転させなくてもよい。容器31を容器回転装置11で回転させなくても、液体を充填した直後や容器31の搬送中に、液体が自然に流動している可能性が高いためである。
【0079】
・上記実施形態におけるモノクロカメラ51a〜51cの数や組み合わせ等を適宜変更してもよい。例えば、フロック検知用モノクロカメラ51aや側面側異物検知用モノクロカメラ51bを、搬送コンベア2の搬送方向に沿って上下2個ずつ配置してもよい。この場合、モノクロカメラ51a,51bは、容器31の胴部32の上部及び下部をそれぞれ撮像し、それぞれについてフロック71の発生を判定するため、生産の時間経過に伴うフロック71の発生をより的確に把握できる。また、各モノクロカメラ51a,51bのカメラ光軸方向と搬送コンベア2の搬送方向とを直交させ、フロック検知用モノクロカメラ51a群と側面側異物検知用モノクロカメラ51b群とを上下にそれぞれ配置してもよい。
【0080】
・上記実施形態では、撮像手段としてモノクロカメラ51a〜51cが用いられていたが、カラーカメラなどを撮像手段として用いてもよい。なお、撮像手段は、管球式撮像管を用いたカメラであってもよいし、画像を第1撮像信号及び第2撮像信号に変換する固体イメージセンサを用いたカメラであってもよい。固体イメージセンサとしては、MOS型固体イメージセンサや、CCD(Charge Coupled Device )などが挙げられる。
【0081】
・上記実施形態では、微小浮遊物の画像認識精度を向上させるために、前処理において画像データに対する2値化処理を行っていた。しかし、画像データに対してフィルタリング、平滑化、鮮鋭化などの処理を行うことにより、微小浮遊物の画像認識精度を向上させてもよい。
【0082】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0083】
(1)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記撮像工程の前に、容器内の液体を流動させる流動工程を実施することを特徴とする容器入り液体の中身検査方法。
【0084】
(2)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記フロック発生判定工程において許容量を超えるフロックを発生していると判定された場合に、警報手段に警報を行わせる警報実施工程を備えることを特徴とする容器入り液体の中身検査方法。
【0085】
(3)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記フロック発生判定工程において許容量を超えるフロックを発生していると判定された場合に、不良品排出手段に不良品を排出させる不良品排出工程を備えることを特徴とする容器入り液体の中身検査方法。
【0086】
(4)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記フロック発生判定工程において許容量を超えるフロックを発生していると判定された場合に、前記容器を搬送する搬送ラインを停止させる搬送ライン停止工程を備えることを特徴とする容器入り液体の中身検査方法。
【0087】
(5)請求項5において、前記容器は、前記液体が前記容器の軸線方向に対して回転している状態で搬送され、前記撮像手段は、前記容器の側方または下方から前記液体を撮像することを特徴とする容器入り液体の中身検査装置。
【0088】
(6)請求項5において、前記撮像手段は複数設けられていることを特徴とする容器入り液体の中身検査装置。
【0089】
(7)容器内の液体が流動している状態で前記液体の画像を時間差で撮像して得た画像データを出力する撮像手段と、前記画像データの時間的変化を解析して前記液体中における液体以外の微小浮遊物を認識するとともに、気泡及びフロックを含む前記微小浮遊物の量を画素数として認識する画像認識手段と、前記液体中にフロックが全くまたは殆ど含まれない状態で撮像して得た前記画像データに基づいて、基準画素数を設定する基準画素数設定手段と、前記基準画素数設定手段によって設定された前記基準画素数を記憶する基準画素数記憶手段と、前記画像認識手段により認識された前記画素数と、前記基準画素数記憶手段に記憶されている前記基準画素数とを比較して、許容量を超えるフロックが発生しているか否かを判定するフロック発生判定手段とを備え、前記基準画素数設定手段は、前記容器内への前記液体の充填速度、前記液体の充填温度、及び、充填後の前記容器の搬送速度の少なくとも1つの要素を加味して、前記基準画素数を設定することを特徴とする容器入り液体の中身検査装置。
【0090】
(8)容器内の液体が流動している状態で前記液体の画像を時間差で撮像して得た画像データを出力する撮像手段と、前記画像データの時間的変化を解析して前記液体中における液体以外の微小浮遊物を認識するとともに、気泡及びフロックを含む前記微小浮遊物の量を画素数として認識する画像認識手段と、前記液体中にフロックが全くまたは殆ど含まれない状態で撮像して得た前記画像データに基づいて、基準画素数を設定する基準画素数設定手段と、前記基準画素数設定手段によって設定された前記基準画素数を記憶する基準画素数記憶手段と、前記画像認識手段により認識された前記画素数と、前記基準画素数記憶手段に記憶されている前記基準画素数とを比較して、許容量を超えるフロックが発生しているか否かを判定するフロック発生判定手段とを備え、前記撮像手段は、前記容器の胴部における30cm以下の領域を視野として画像を得ることを特徴とする容器入り液体の中身検査装置。
【0091】
(9)容器内の液体を流動させる容器流動手段と、前記液体が流動している状態で前記液体の画像を時間差で撮像して得た画像データを出力する撮像手段と、前記画像データの時間的変化を解析して前記液体中における液体以外の微小浮遊物を認識するとともに、気泡及びフロックを含む前記微小浮遊物の量を画素数として認識する画像認識手段と、前記液体中にフロックが全くまたは殆ど含まれない状態で撮像して得た前記画像データに基づいて、基準画素数を設定する基準画素数設定手段と、前記基準画素数設定手段によって設定された前記基準画素数を記憶する基準画素数記憶手段と、前記画像認識手段により認識された前記画素数と、前記基準画素数記憶手段に記憶されている前記基準画素数とを比較して、許容量を超えるフロックが発生しているか否かを判定するフロック発生判定手段とを備えることを特徴とする容器入り液体の中身検査システム。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本実施形態の中身検査システムを示す正面図。
【図2】中身検査システムを示す平面図。
【図3】(a)は第1撮像信号から生成された2値化処理信号が示す第1画像を示す図、(b)は第2撮像信号から生成された2値化処理信号が示す第2画像を示す図。
【図4】制御装置のCPUにて行われる処理を示すフローチャート。
【図5】制御装置のCPUにて行われる処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0093】
21…中身検査装置
31…容器
32…胴部
44…画像認識手段、基準画素数設定手段及びフロック発生判定手段としてのCPU
46…基準画素数記憶手段としてのRAM
51a…撮像手段としてのフロック検知用モノクロカメラ
51b…撮像手段としての側面側異物検知用モノクロカメラ
51c…撮像手段としての底面側異物検知用モノクロカメラ
71…フロック
72…気泡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内の液体が流動している状態で前記液体の画像を時間差で撮像し、得た画像データを出力する撮像工程と、
前記画像データの時間的変化を解析して前記液体中における液体以外の微小浮遊物を認識するとともに、気泡及びフロックを含む前記微小浮遊物の量を画素数として認識する画像認識工程と、
前記液体中にフロックが全くまたは殆ど含まれない状態で撮像して得た前記画像データに基づいて、基準画素数を設定する基準画素数設定工程と、
前記画像認識工程において認識した前記画素数と、前記基準画素数設定工程において設定した前記基準画素数とを比較して、許容量を超えるフロックが発生しているか否かを判定するフロック発生判定工程と
を備えることを特徴とする容器入り液体の中身検査方法。
【請求項2】
前記基準画素数設定工程では、前記容器内への前記液体の充填速度、前記液体の充填温度、及び、充填後の前記容器の搬送速度の少なくとも1つの要素を加味して、前記基準画素数を設定することを特徴とする請求項1に記載の容器入り液体の中身検査方法。
【請求項3】
前記撮像工程では、前記容器の胴部における30cm以下の領域を視野として画像を得ることを特徴とする請求項1または2に記載の容器入り液体の中身検査方法。
【請求項4】
容器内に液体を充填する充填工程を行った後、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の容器入り液体の中身検査方法による検査を行って、容器入り液体食品を製造することを特徴とする容器入り液体食品の製造方法。
【請求項5】
容器内の液体が流動している状態で前記液体の画像を時間差で撮像して得た画像データを出力する撮像手段と、
前記画像データの時間的変化を解析して前記液体中における液体以外の微小浮遊物を認識するとともに、気泡及びフロックを含む前記微小浮遊物の量を画素数として認識する画像認識手段と、
前記液体中にフロックが全くまたは殆ど含まれない状態で撮像して得た前記画像データに基づいて、基準画素数を設定する基準画素数設定手段と、
前記基準画素数設定手段によって設定された前記基準画素数を記憶する基準画素数記憶手段と、
前記画像認識手段により認識された前記画素数と、前記基準画素数記憶手段に記憶されている前記基準画素数とを比較して、許容量を超えるフロックが発生しているか否かを判定するフロック発生判定手段と
を備えることを特徴とする容器入り液体の中身検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−2917(P2008−2917A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−171954(P2006−171954)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【出願人】(398065531)株式会社ミツカングループ本社 (157)
【出願人】(301058333)株式会社ミツカンサンミ (13)
【Fターム(参考)】