説明

容器洗浄装置及び容器洗浄方法

【課題】例えば固形製剤である医薬品の製造工場にて使用されるコンテナ(容器)を洗浄するにあたって省エネルギー化を図ることができ、またコストを削減すること。
【解決手段】容器内の上端側の開口部からノズルを進入させ、容器内の壁部にノズルからドライアイスの粉体を吹き付けてドライアイスの衝突及び昇華のエネルギーにより壁部から付着物を剥離すると共に、容器の下端側の開口部に接続した吸引排気路から吸引して容器内に気流を形成し、飛散している付着物をこの気流に乗せて開口部から吸引排出して再付着しないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば粉体を収納する容器を洗浄する装置及び洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば医薬品などの固形製剤を製造する工場では、被処理物である粉体原料やこの粉体原料から得られた中間製品などに対して、例えば秤量、造粒、篩過、錠剤への成形(打錠)、検査及び包装などの処理を行う複数の工程室が設けられている。そして被処理物は、例えば搬送容器であるコンテナ内に収納されて、処理の順序に応じてこれらの工程室に対して順次搬送される。このような被処理物は、例えば一の工程室において搬送容器の上方側に形成された投入口から当該搬送容器内に投入(収納)され、例えば他の工程室において搬送容器の下方側の取出し口から取り出される。そして、内部の被処理物が取り出されて空になった搬送容器は、例えば精製水を用いて内部の洗浄を行った後、続いて例えばドライエアを用いた乾燥を行い、清浄化した後別の被処理物の搬送に用いられることになる。
【0003】
精製水は、例えばフィルタを用いて固形物を除去した後、雑菌が繁殖しないように例えば60℃まで加熱した蒸留水であり、例えば各工場に精製水製造装置を設置しておき、この製造装置を用いて製造される。そのため、工場において、搬送容器を洗浄するためには大きなランニングコストが必要となってしまう。即ち、精製水の精製や搬送容器の乾燥には大きなエネルギーが必要になるし、また洗浄に用いた後の廃水処理についてもコストが必要になる。更にまた搬送容器の中でも、中間製品を搬送、保管する搬送容器においては、固形前の被処理物が収納されることから、搬送容器内の付着量が多く、このため特に精製水の使用量が多くなってしまう。従って、エネルギーの消費量を抑えて搬送容器を洗浄する方法が要求されている。
【0004】
特許文献1及び2には、液化ガスを噴射することによって被処理物表面の付着物を瞬時に凍結させ、当該付着物を強制的に剥離除去する技術や、ドライアイスチップを用いて煙突内部のブラストを行う技術について記載されているが、搬送容器の内部の洗浄については検討されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−47734(段落0026、図1)
【特許文献2】特開2008−275277(段落0020)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、容器を洗浄するにあたって省エネルギー化を図ることができ、またコストを削減することのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一端側及び他端側に夫々開口部が形成された容器の内部を洗浄する装置において、
前記容器内の壁部にドライアイスを吹き付けるためのノズルと、
このノズルを容器内に前記一端側の開口部から相対的に進入させるための移動機構と、
前記ノズルにドライアイスを供給するための供給部と、
前記容器内にドライアイスが吹き付けられているときに前記一端側の開口部から他端側の開口部に向かう気流を形成するために設けられ、前記容器の他端側の開口部に接続される吸引路部材と、を備えたことを特徴とする。
本発明の具体例として例えば次の例を挙げることができる。
(1)前記移動機構は、洗浄時に容器内におけるノズルの位置を変更できるように構成されている。
(2)前記ノズルにおけるドライアイスの吐出方向を変更するための方向変更機構を備えている。
(3)前記容器内にドライアイスが吹き付けられているときに前記一端側の開口部に強制的に送気するための送気部を備えている。
(4)前記容器を、両側の開口部が上下に位置する姿勢で支持するための容器支持部を備えている。
(5)前記容器が洗浄位置に置かれた後に、前記移動機構によりノズルを容器内に位置させると共に前記吸引路部材を容器の開口部に装着するように制御信号を出力する制御部を備えている。
(7)容器は例えば医薬品を製造する工程で用いられ、粉粒体を収容するためのものである。粉粒体とは粉体のみの場合、粒体のみの場合、両方の混合物の場合のいずれも意味する。
【0008】
また他の発明は、一端側及び他端側に夫々開口部が形成された筒状の容器の内部を洗浄する方法において、
前記容器内に前記一端側の開口部からノズルを相対的に進入させる工程と、
次いでこのノズルから前記容器内の壁部にドライアイスを吹き付けて壁部に付着している付着物を剥離する工程と、
前記容器内にドライアイスが吹き付けられているときに、前記容器の他端側の開口部から吸引して前記一端側の開口部から他端側の開口部に向かう気流を形成し、飛散している付着物を前記他端側の開口部から吸引排出する工程と、を含むことを特徴とする容器洗浄方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、容器の内部を洗浄するにあたって、容器内の壁部にノズルからドライアイスを吹き付けてドライアイスの衝突及び昇華のエネルギーにより壁部から付着物を剥離すると共に、容器の開口部から吸引して気流を形成し、飛散している付着物をこの気流に乗せて開口部から吸引排出している。このため、精製水を用いずに洗浄でき、しかも乾燥も不要になることから、省エネルギー化を図ることができ、またコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の容器洗浄装置の実施の形態示す全体構成図である。
【図2】前記容器洗浄装置の要部を示す斜視図である。
【図3】ドライアイスの供給部を示す模式図である。
【図4】前記容器洗浄装置の一部を示す斜視図である。
【図5】前記容器洗浄装置の一部を示す横断平面図である。
【図6】コンテナを洗浄する様子の一例を示す模式図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の一部を示す斜視図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の一部を示す横断平面図である
【図9】本発明の他の実施の形態の一部を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明に係る容器洗浄装置の実施の形態の全体構成を示す構成図である。1は容器であるコンテナであり、このコンテナは固形製剤である医薬品を製造するときに原料、中間製品あるいは最終製品である、粉体あるいは粒体を収納して搬送するためのものである。なお本願の明細書等において粉粒体という用語を使用する場合、粉体のみ、粒体のみ、両方の混合物のいずれも意味することとする。コンテナ1は円筒状の縦型の容器であり、上端側(一端側)及び下端側(他端側)に夫々開口部11、12が形成されている。上端側の開口部11は原料や中間製品である粉粒体例えば粉体が投入されるための投入口であり、下端側の開口部12は、処理された処理物を取り出すための取り出し口である。より詳しくは、コンテナ1の上面の中央部はわずかに突出した突出面10として形成され、上端側の開口部11はこの突出面10の中央部に形成されている。
【0012】
コンテナ1は支持体2に支持されており、この支持体2は、基台21の上に支持部材22を設けて構成されている。支持部材22は、例えばコンテナ1の周方向に沿って植設された複数の垂直ロッド22aと、コンテナ1の下部の傾斜部分を支持するようにリング状に形成された支持枠22bとから構成されている。コンテナ1はこの支持体22に支持されて搬送機構である例えばベルトコンベア23により洗浄位置まで搬送される。図1では、コンテナ1が洗浄位置まで搬送されて停止している状態を示している。
【0013】
コンテナ1の上方にて符号3で示す部材は、コンテナ1内の壁部にドライアイスを吹き付けるためのノズル3であり、このノズル3は、当該ノズル3を上端側の開口部11からコンテナ1内に進入させるための移動機構4に取り付けられている。移動機構4は図2にも示すように、垂直に伸びる昇降、回転自在な軸部41と、この軸部41の先端側(下端側)に設けられた、水平軸の周りに回転自在なハンド42とを備えている。軸部41の基端側(上端側)には、軸部41を回転させるための回転機構を含む操作機構43が設けられ、この操作機構43は、例えば図示しないボールネジ機構などを介してガイド部44に沿って昇降できるようになっている。45はボールネジを駆動する駆動部であり、工場内の取り付け部材に固定されている。操作機構43は回転機構とハンド42を水平軸の周りに回転させるための操作部分とを備えている。具体的には軸部41を中空体により構成すると共にこの中にベルト、プーリを配置し、操作部分であるモータなどによりベルトを駆動することでハンド42を操作することができる。
この実施の形態では、ノズル3をコンテナ1内に対して進退させる移動機構4は、コンテナ1内においてノズル3の高さ位置を変えるための機構を兼用しており、またノズル3の向き(ドライアイスが吹き出す方向)を変更する方向変更機構が組み合わさっている。方向変更機構は、ハンド42と、軸部41と、操作機構43と、を含んでおり、これら機構によりハンド42は上下方向の向きとコンテナ1の周方向の向きとが変更できることとなる。
【0014】
ノズル3は、ドライアイスを搬送するためのフレキシブルな供給管31の先端部に設けられ、例えば図示しないテーピングによりハンド42に固定されている。供給管31は、後述のように軸部41が最も下方側に位置したときに蓋体5よりも上方側となる位置にて軸部41に例えばテーピングにより固定されている。
【0015】
供給管31の基端側にはドライアイス供給部32が設けられている。図3はドライアイス供給部32の一例を示す。33はホッパであり、このホッパ33には粒状あるいはフレーク状のドライアイスDが投入される。このホッパ33の排出口にはスクリューフィーダ34の一端側が接続され、このスクリューフィーダ34の他端側の吐出口は、送り出し管36を介してエジェクター37の引き込み口に接続されている。エジェクター37の吸気口には送気管38を介して圧縮空気を送り出す強制送気機構35が接続されると共に、エジェクター37の吐出口には前記供給管31が接続されている。従ってスクリューフィーダ34から送り出し管36を介して送り出されたドライアイスは、強制送気機構35からの送気流により、エジェクター37にて引き込まれて送気流と共に前記供給管31を介してノズル3から吹き出される。なお図3中39はバルブである。またハンド42を昇降、回転させたときに供給管31のねじれを抑えるために、供給管31を分割してその分割部分に介在させた連結具により互いに軸周りに回動できるようにしてもよい。
【0016】
図1及び図2に戻って、5は蓋体であり、この蓋体5はコンテナ1の開口部11を塞ぐ役割を持っている。この蓋体5の下面側には、前記開口部11よりも径の小さい分散気流形成部6が取り付けられており、蓋体5により開口部11を塞いだときに分散気流形成部6がコンテナ1内に配置されるようになっている。蓋体5は中央部に孔部51が形成され、分散気流形成部6は図4、図5に示すようにこの孔部51に対応する口径の円筒部61とこの円筒部61の上下両端にフランジ状に夫々設けられたリング板62,63と、これらリング板62,63の間のリング状の空間を径方向に分割する分割板64と、からなり、円筒部61には、各分割板64に連通する通気口65が形成されている。従って蓋体5の中央部の孔部51から吸い込まれた、周囲の空気による空気流はそのまま下方側に抜ける気流と円筒部61の各通気口65に流れる気流とに分かれる。各通気口65に流入した気流は分散板64による分散作用によりコンテナ1の径方向に放射状に分散して流出することになる。
【0017】
蓋体5は昇降機構50により、コンテナ1の上端側の開口部11を塞ぐ位置と、開口部11の上方で待機する位置との間で昇降できるようになっている。蓋体5の中央の孔部51には、既述の軸部41と供給管31とが貫通している。
【0018】
一方コンテナ1の下方側には、吸引路部材をなす吸引管7が配置されており、この例では吸引管7は例えば樹脂などの硬い材質からなる第1のパイプ71とこの第1のパイプ71の基端側に接続されたフレキシブルな第2のパイプ72からなる。第1のパイプ71は例えば先端が屈曲し、その吸引口は、洗浄位置に停止したコンテナ1の下端側の開口部12と対向する位置に設定されている。第2のパイプ72はバルブ73を介して図示しない吸引機構に接続されている。また第1のパイプ71は、昇降機構74に固定され、吸引口がコンテナ1の開口部12に勘合して接続された状態となる上位置と、開口部12から外れてその下方で待機する下位置との間で昇降するように構成されている。この吸引管7は、その吸引作用により、コンテナ1の上部側からの空気の流入と相まってコンテナ1内に気流を形成するためのものである。
【0019】
図1において100は制御部であり、この制御部100はメモリ内に格納されているプログラムに従って、容器洗浄装置における各機構(移動機構、昇降機構50、ドライアイス供給部32(バルブ37を含む)、バルブ73、昇降機構74など)を駆動制御するための制御信号を出力する機能を備えている。またコンテナ1の洗浄位置の近傍には、図1に示すように例えば光センサからなる位置検出センサ101が設けられており、この位置検出センサ101は、コンテナ1が洗浄位置に達したときに検出信号を出力する。制御部100はこの検出信号が入力されたときに、ベルトコンベア23を停止させ、その後に前記プログラムに従ってコンテナ1内の洗浄が実施されるように制御信号を出力する。
【0020】
次に上述実施の形態の作用について説明する。今、これから洗浄すべきコンテナ1が支持体2に支持されてベルトコンベア23により洗浄位置まで搬入されると、位置検出センサ101により検出信号が出力され、これにより制御部100はベルトコンベア23を停止する。そして昇降機構74により吸引管7を上昇させてコンテナ1の下端側の開口部12に接続させる。続いて蓋体5及び軸部41を待機位置から下降させて蓋体5によりコンテナ11の上端側の開口部を塞ぎ、吸引管7のバルブ73を開放してコンテナ11内を吸引する。これによりコンテナ1内が負圧になることから、蓋体5の孔部51から雰囲気の空気が引き込まれ、孔部51内をそのまま通過する気流と円筒部61の通気口65から分散気流形成部6内に引き込まれる気流とが形成される。後者の気流は分散板64により放射状に分散され、コンテナ1の内壁に沿って下方側に流れ、孔部51内をそのまま通過した気流と共に開口部12から吸引排出される。
【0021】
一方ドライアイス供給部32のバルブ37を開放し、既述のように送気流に乗せて例えば粒状体のドライアイスDをノズル3からコンテナ1の壁部に向けて吐出させる。ノズル3が固定されているハンド42は昇降自在、鉛直軸周りに回転自在、水平軸周りに回転自在であるため、図6(a)に示すように例えばノズル3をコンテナ1内の上端側から所定間隔で間欠的に下降させ、各高さ位置においてコンテナ1の周方向に回転させながらドライアイスDを吐出させる。ドライアイスDがコンテナ1の壁部に衝突すると昇華し、この衝突のエネルギーと昇華のエネルギーとにより当該壁部に付着している汚れである付着物200が剥離する。剥離した付着物は、コンテナ1内に気流が形成されていないと再付着するが、既述のようにコンテナ1内のほぼ全域に亘って下降気流が形成されているため、付着物は再付着することなく気流に乗って下端側の開口部12から排出される。
【0022】
ここで本発明者は、評価試験として板面に粉体を付着させ、粒状のドライアイスを吹き付けて洗浄効果を調べたところ、板面に対して垂直に当てるよりも斜めから当てた方が洗浄効果が大きかった。言い換えれ、斜めから当てた方が吐出圧が小さくても、あるいは吐出時間が短くても、粉体を良好に除去することができるということである。従ってノズル3からを各高さ位置にてドライアイスDを吐出させる場合、吐出方向を上向きあるいは下向きにして、ノズル3の軸線が壁面に対して傾斜していることが好ましい。
そしてコンテナ1の上面(上部裏面)に対しては例えば図6(b)に示すようにハンド42によりノズル3を上に向け、前記上面に対してドライアイスDを吐出する。またコンテナ1の下部の傾斜面に対しては図6(c)に示すようにハンド42によりノズル3を下に向け、前記傾斜面に対してドライアイスDを吐出する。このようにしてコンテナ1の壁部全体の汚れが除去されて洗浄が終了する。その後は、洗浄の準備動作と逆の動作によりコンテナ1が各機構から分離され、洗浄位置から退避することになる。
【0023】
上述の実施の形態によれば、容器であるコンテナ1の上端側の開口部(一端側の開口部)11を介してコンテナ1内に進入させたノズルから、コンテナ1内の壁部にドライアイスを吹き付けているため、ドライアイスの衝突及び昇華のエネルギーにより壁部から粉体である付着物(汚れ)が剥離する。そしてコンテナ1の下端側の開口部12から吸引して気流を形成し、コンテナ1内に飛散している付着物をこの気流に乗せて吸引排出しているため、付着物がコンテナ1内に再付着することが防止でき、良好な洗浄を行うことができる。従って従来のように精製水を用いずに洗浄でき、しかも乾燥も不要になることから、ランニングコストを削減でき、また省エネルギー化を図ることができる。
【0024】
コンテナ1内に気流を形成するためには、上述の実施の形態のように雰囲気の空気を吸い込む代わりに、あるいは吸い込むことに加えて、強制的にコンテナ1内に気体例えば空気を送気するようにしてもよい。図7、図8はこのような例を示している。図中6は蓋体5の下面側に設けた分散気流形成部であるが、先の実施の形態に相当する円筒部61に通気口を開けずに、当該円筒部61を囲むようにリング状のバッファ室66を設け、このバッファ室66の外側に放射状に分散板64を配置してリング空間を分割すると共に、バッファ室66の周壁における、分割空間に対応する位置に通気口67を設けている。またバッファ室66の上面の例えば2箇所に送気管68を接続し、これら送気管68の基端側に合流管68aを介して送気手段69を接続する。送気手段から強制送気されることにより、加圧空気がバッファ室66から通気口67を介して放射状に流れていく。
【0025】
また本発明は、蓋体5によりコンテナ1の上端側の開口部11を塞ぐことに限られない。この場合には開口部11から雰囲気の空気がコンテナ1内に流入することになる。更にまたノズル3の吐出方向上下に変更できる機構を用いなくとも、例えば水平に対して0度のノズルと、上向きに80度、40度、下向きに80度、40度、に夫々向いた4本のノズルとを備えたノズルユニットを用意し、このノズルユニットを上下させるようにしてもよい。そしてノズル3として、例えばコンテナ1の上端側から下端側に垂直に伸びるパイプの管壁に高さ方向に例えば数センチ刻みの間隔をおいて吐出孔を開けたものを用い、このパイプを鉛直軸周りに回転させるようにしてもよい。この場合パイプ8の上端側の吐出孔は上向きに形成してコンテナ1の上面にドライアイスを吹き付けるように構成することが好ましい。
【0026】
本発明では、ノズル3をコンテナ1に対して相対的に昇降、回転させる構成を採用する場合、コンテナ1側を動かすようにしてもよい。図9はコンテナ1側を回転させる場合の構成例を示している。図中9は基台であり、この基台9の上に支柱91を介してステージ92が設けられている。このステージ92にはリング状のガイド部93が設けられており、このガイド部93に沿って複数の支持部材94が移動できるようになっている。複数の支持部材94の上にはリング枠95が設けられ、このリング枠95にコンテナ1が支持される。96は複数の支持部材94を連結する連結部材である。そして複数の支持部材94に亘ってリング体97が設けられ、このリング体97に回転機構であるベルト機構のベルト98が掛けられていてこのベルト98の回転により支持部材94がガイド部93上を移動し、これによりコンテナ1が回転する。なお吸引管7とコンテナ1との接続部分には例えば吸引管7が軸周りに回転できるような連結体を介在させることで吸引管7のねじれは起こらない。なお本発明の洗浄対象である容器は、医薬品に限られず食品の製造工場で用いられる容器であってもよく、また筒状(円筒状や角筒状)に限られるものではない。
【符号の説明】
【0027】
1 コンテナ
11、12 開口部
3 ノズル
32 ドライアイス供給部
4 x 移動機構
41 軸部
42 ハンド
5 蓋体
6 分散気流形成部
7 吸引管
100 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側及び他端側に夫々開口部が形成された容器の内部を洗浄する装置において、
前記容器内の壁部にドライアイスを吹き付けるためのノズルと、
このノズルを容器内に前記一端側の開口部から相対的に進入させるための移動機構と、
前記ノズルにドライアイスを供給するための供給部と、
前記容器内にドライアイスが吹き付けられているときに前記一端側の開口部から他端側の開口部に向かう気流を形成するために設けられ、前記容器の他端側の開口部に接続される吸引路部材と、を備えたことを特徴とする容器洗浄装置。
【請求項2】
前記移動機構は、洗浄時に容器内におけるノズルの位置を変更できるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の容器洗浄装置。
【請求項3】
前記ノズルにおけるドライアイスの吐出方向を変更するための方向変更機構を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の容器洗浄装置。
【請求項4】
前記容器内にドライアイスが吹き付けられているときに前記一端側の開口部に強制的に送気するための送気部を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の容器洗浄装置。
【請求項5】
前記容器を、両側の開口部が上下に位置する姿勢で支持するための容器支持部を備えていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の容器洗浄装置。
【請求項6】
前記容器が洗浄位置に置かれた後に、前記移動機構によりノズルを容器内に位置させると共に前記吸引路部材を容器の開口部に装着するように制御信号を出力する制御部を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の容器洗浄装置。
【請求項7】
前記容器は粉粒体を収容するためのものであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の容器洗浄装置。
【請求項8】
一端側及び他端側に夫々開口部が形成された容器の内部を洗浄する方法において、
前記容器内に前記一端側の開口部からノズルを相対的に進入させる工程と、
次いでこのノズルから前記容器内の壁部にドライアイスを吹き付けて壁部に付着している付着物を剥離する工程と、
前記容器内にドライアイスが吹き付けられているときに、前記容器の他端側の開口部から吸引して前記一端側の開口部から他端側の開口部に向かう気流を形成し、飛散している付着物を前記他端側の開口部から吸引排出する工程と、を含むことを特徴とする容器洗浄方法。
【請求項9】
容器内の洗浄時にノズルの位置を変更する工程を含むことを特徴とする請求項8記載の容器洗浄方法。
【請求項10】
容器内の洗浄時にノズルにおけるドライアイスの吐出方向を変更する工程を含むことを特徴とする請求項8または9記載の容器洗浄方法。
【請求項11】
前記容器内にドライアイスが吹き付けられているときに前記一端側の開口部に強制的に送気する工程を含むことを特徴とする請求項8ないし10のいずれか一項に記載の容器洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−161310(P2011−161310A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23497(P2010−23497)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(000004411)日揮株式会社 (94)
【Fターム(参考)】