説明

導電性壁紙

壁(3)に取付け可能であり、好ましくは建物の任意種類の部屋壁又は天井若しくは床に取付け可能な電気デバイス(2)に接触する壁紙(1)であって、前記壁紙(1)が、複数本の導電性ストライプ(4)を有し、前記電気デバイス(2)が、前記導電性ストライプ(4)に接触するために接触ピン(5)を備える、壁紙において、前記導電性ストライプ(4)は、或る特定のストライプピッチ(6)を備え、前記接触ピン(5)は、或る特定のピンピッチ(7)を備え、互いに異なる前記導電性ストライプ(4)は、前記電気デバイス(2)を互いに異なる位置に配置することにより上述の或る特定のピッチ(6,7)に基づく導電性ストライプ(4)の接触に起因して生じる接触ピン(5)の接触電圧に整合するために互いに異なる電圧を有する、壁紙(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁に取付け可能であり、好ましくは建物の任意種類の部屋壁又は天井若しくは床に取付け可能な電気デバイスに接触する壁紙であって、壁紙が、複数本の導電性ストライプを有し、電気デバイスが、導電性ストライプに接触するために接触ピンを備えている壁紙に関する。
【背景技術】
【0002】
部屋を明るくしたり部屋を照明したりするために壁に取り付けられる電気デバイスへの接触を行うために又はランプ、マーカ又は信号装置として使用される電気デバイスへの接触を行うために、通常、従来型配線によって接触が行われている。配線は、壁紙の下又は壁材料の内側に形成された凹部の内側に配置される。残念なことに、壁上での電気デバイスの位置を変えることはできない。というのは、配線の位置の変更には、多大な労力が必要だからである。特に、現代の部屋では、フレキシブル方式の照明が望ましく、このことは、従来型ランプ又はLED若しくはOLEDのような半導体デバイスとして具体化できる電気デバイスを単一の壁の内部で又は天井と壁との間で変位させることができるということを意味している。電気デバイスがマーカ又は信号装置として具体化される場合、フレキシブル照明と同様、マーカをOLEDを利用した照明パネルとして具体化することが望ましい。
【0003】
壁紙の下に配置された複数本の導電性ストライプを利用し、目に見えず、接触ピンを有する電気デバイスを壁にくっつけることにより接触可能な種々の電気接触システムが既に存在し、かかる電気接触システムでは、導電性ストライプへの接触のために壁紙を貫通して導電性ストライプ中への穿通が行われる。ストライプは、電気デバイスの容易な接触を行うために壁の表面上に平行な配列状態で設けられる。
【0004】
仏国特許第2496350号明細書は、電気又は電子デバイスの長さ全体にわたり目に見える仕方で又は目に見えない仕方で瞬間的な接続を可能にする導体のシースを開示しており、このシースは、プラグが導入される通路を構成する導電性要素をサンドイッチしたPVC又は他の適当な材料の2枚のシートで構成されている。シースは、結合、接着剤の塗布又は他の固定器具によって間仕切りに固定できる。かくして、電気デバイスを任意の構造体中の任意の支持体上に実装することが可能である。シースにより、ユーザへの電気ショックを回避するための保護手段が得られる。導電性ストライプは、互いに或る特定の距離を置いて配置され、電気デバイスのプラグに接触するブレードは、導電性ストライプと同じ離隔距離を有している。かくして、壁内の任意の場所に取り付けることができるプラグのブレードに接触することが可能である。
【0005】
国際公開第99/28917号パンフレットは、表面取付け型の多目的フレキシブルワイヤを開示しており、このワイヤは、全体として互いに平行な関係をなして間隔を置いて設けられた複数本の平べったくて細長い導電性ストライプから成り、これら複数本の平べったい導体の各々は、複数のアルミニウム層から成り、かかる導体は、高電圧及び低電圧並びに電流を運ぶ能力を有し、絶縁層が、これら複数本の平べったい導体を包囲すると共にこれらを分離しており、平べったい導体及び絶縁層の断面高さは、0.04インチ(1.016mm)未満である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
別の電気接触システムが、米国特許第6,132,859号明細書に開示されている。このシステムは、導電性コアがフォーム絶縁材料の層、特にポリウレタンの層相互間に介在して設けられていて、コアへの集電のために少なくとも1本のピンを備えていて、電流源に接続されたこれらコアによって電気エネルギーが供給される要素、特にランプを支持するサンドイッチパネルに関連しており、絶縁フォーム材料は、少なくともフォーム中に挿入された要素のピンのうちの1本により加えられる最大圧力に等しい弾性しきい値を有している。この電気接触システムでは、電圧を運ぶ層は、互いに上下に配置され、互いに異なる層に接触するピンの構成は、かかるピンがオーディオシステムのステレオジャグに類似しているので、非常に複雑である。別の欠点は、層が平坦且つ層状に配置され、それにより、同一の電圧が表面全体に加わることにある。
【0007】
ピンによる穿通を利用した別の電気デバイスが、米国特許第4,888,232号明細書に記載されている。この特許文献では、好ましくはディスプレイ目的で穿通コネクタを備えた低電圧電気機器に用いられる導電性層ボードが開示されており、この導電性層ボードは、電気的絶縁層に被着された少なくとも1枚の第1の薄い金属、好ましくはアルミニウムの箔を有し、電気的絶縁層は、金属箔を通ってコネクタを電気的絶縁層中に押し込んでこれにより保持されると、金属箔を変形させて折り曲げ、これを電気的絶縁層中に入り込むことができるほど柔軟性のあるプラスチック材料を含み、かくして、コネクタと金属箔との間に広い接触面が保証される。導電性層を接続する原理は、発光ダイオードと関連している場合のあるピンの特定の設計を利用している。ピンは、互いに対して軸方向に配置されると共に絶縁層又はその一部によって互いに分離された第1の電気的接触ループと第2の電気的接触ループを有している。かくして、この原理には、層の表面全体にわたって電圧高さが同じになるという同一の欠点がある。互いに異なる電圧高さは、ピンを突き刺すことができる互いに異なる深さによってのみ達成できる。したがって、電気デバイスが層を被着させた壁を横切って互いに異なる位置に配置されている状態で、互いに異なる電圧を電気デバイスに与えることは、可能ではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の欠点を解決することを目的としている。具体的に言えば、本発明の目的は、電気デバイスが1つの壁の中に互いに異なる位置で取り付けられている状態で、互いに異なる電圧高さを与えることができる電気デバイスに接触する壁紙を提供することにある。この目的は、請求項1記載の本発明の壁紙によって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属形式の請求項に記載されている。また、この目的は、請求項7記載の電気デバイスによって達成される。本発明の電気デバイスの有利な実施形態は、従属形式の請求項に記載されている。
【0009】
本発明は、壁紙が、或る特定のストライプピッチを備えた導電性ストライプ及び或る特定のピンピッチを備えた接触ピンを有し、互いに異なる導電性ストライプが、電気デバイスを互いに異なる位置に配置することにより上述の或る特定のピッチに基づく導電性ストライプの接触に起因して生じる接触ピンの接触電圧に整合するために互いに異なる電圧を有することを開示する。
【0010】
ストライプ及びピンを或る特定のピッチで配置することにより、2本のピンが常時2つの互いに異なるストライプに接触し、短絡が回避される仕方で整合を行うことができる。電気デバイスが第1の位置に配置されている場合、2本のピンは、或る特定のストライプに接触することができ、各ストライプは、或る特定の電圧高さを有する。電気デバイスをストライプのピッチに対応した距離に関する次の位置に動かすと、別の電圧高さを電気デバイスに提供することができる。かくして、電気デバイスを再位置決めしさえすれば、印加される電圧高さを変化させることが可能であり、かかる再位置決めは、段階的に起こるのが良い。電気デバイスの種類に応じて、放出される色、輝度又は発光強度のような作用効果又は他の作用効果を達成することができる。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、導電性ストライプは、導電性ストライプの電気的絶縁をもたらすために壁と壁紙との間にサンドイッチされている。壁紙は、導電性ストライプを覆うことができる通常の壁紙又は任意種類のタペストリであって良く、例えば建物のリビングルーム内の壁である場合がある壁の外観は、一般に知られているように見えるが、接触システムは、目に見えない。かくして、ストライプは壁紙の後ろに目に見えないように配置され、ストライプも見えないようになっていて、ユーザはこれに触ることができない。それにより、壁紙は、電気ショックに対する絶縁機能を有する。電気デバイスを壁にくっつけた場合、ピンは、それぞれ壁紙及び導電性ストライプまで延び、このことは、ピンが壁紙を貫通する長さを備えているということを意味する。
【0012】
本発明の別の実施形態では、互いに隣接して配置された導電性ストライプは、或る特定のステップから選択された電圧レベルを有する。導電性ストライプの電圧レベルは、ストライプごとに3Vの段階を有するのが良く、ストライプは、0V、3V、6V、9V又は10Vをこの連続した順序で有するのが良い。電圧高さに関し、小さな又は大きな増分を有し、12Vよりも高い電圧高さを有する種々の電圧が実現可能である。これら電圧ステップによれば、壁紙内の5つの互いに異なる回路が利用され、互いに異なる電圧を有するストライプは、隣り合って配置され、電圧高さは、5段階で繰り返される。OLEDデバイスのような電気デバイスが壁にくっつけられる場合、電気接触のためのピンは、不変のピッチを有する。電気デバイスがくっつけられた場合、ピッチは、3本のストライプの距離にわたってオーバーラップする距離から成るのが良い。所要の供給電圧は6Vであり、2本の隣り合うストライプ相互間の電圧差が3Vの場合、ピンピッチの距離は、2つ分のストライプピッチから成るのが良い。各隣接のストライプが3ボルトの電圧差を有する場合、ストライプの2つ分のピッチにより、6ボルトが得られ、これは、OLEDデバイスの所要の供給電圧に整合することができる。例えば、電気デバイスが2本のピンを有し、第1のピンが9Vの導電性ストライプの接触し、第2のピンが3Vの導電性ストライプに接触する場合、結果として得られるOLEDデバイスへの供給電圧は、9V−3V=6Vである。或いは、第1のピンが6Vに接触し、第2のピンが0Vに接触する場合、これ又結果として生じるクロス電圧により、6Vが得られる。或る特定の電圧距離のこのブリッジ原理は、0V、3V、6V、9V、12V又は互いに異なる電圧を有する各導電性ストライプ相互間に利用できる。
【0013】
通常、複数枚の壁紙が壁にくっつけられ、かかる壁紙は、或る特定の幅を備えたレーンから成り、互いに隣接して配置される。電気デバイスと或る特定のストライプピッチの互いに異なる壁紙レーンの或る特定の接触を実現するためには、互いに異なる壁紙レーンのストライプの貫通接触又は隣り合う導電性ストライプの電圧レベルの規定された制御を行うことが必要な場合がある。これは、少なくとも1つの壁全体の電圧供給が得られるよう利用される中央電圧制御ユニットによって実施できる。
【0014】
導電性ストライプの材料に関し、材料は、銅材料、アルミニウム、銀、金又は鋼材料を含む金属導電性材料の群から選択される。これら材料特性は、電力の損失を最小限に抑えるために高い導電率を示す。広い壁の中では、導電性ストライプは、長い長さを示し、外部電気供給源の電気供給は、一点でのみ、好ましくは、ストライプへの電気供給手段が目に見えない壁の床側縁部又は任意他の縁部のところでのみ起こる。
【0015】
本発明の別の実施形態によれば、壁への導電性ストライプの接合及び(又は)導電性ストライプへの壁紙の接合は、接着によって行われる。第1の考えられる手段は、ストライプを壁上に接着し、次に、壁紙をストライプ上に接着することである。別の考えられる手段は、導電性ストライプが既に組み込まれた壁紙を作製することであり、このことは、壁紙がストライプを既に有し、壁に接着されればそれで足りるということを意味している。
【0016】
さらに、本発明は、壁に取付け可能な電気デバイスであって、壁紙が、壁上に配置され、壁紙が、互いに平行な配置状態で設けられていて、或る特定のストライプピッチを備えた複数本の導電性ストライプを有し、電気デバイスが、導電性ストライプに接触する少なくとも2本の接触ピンを有する、電気デバイスにおいて、電気デバイスのピンは、或る特定のピンピッチを備え、互いに異なる導電性ストライプは、電気デバイスを互いに異なる位置に配置することにより上述の或る特定のピッチに基づく導電性ストライプの接触に起因して生じる接触ピンの接触電圧に整合するために互いに異なる電圧を有することを特徴とする電気デバイスに関する。
【0017】
好ましくは、電気デバイスは、有機発光ダイオード(OLED)から成り、OLEDは、OLEDが利用されている建物の対応の部屋のマーカ及び(又は)イルミネータとして使用できる。有機発光ダイオード(OLED)は、発光層が有機化合物である種類の発光ダイオードとして実現される薄膜を有する。OLED技術は、実用的なディスプレイ装置として実施可能である。かくして、部屋の壁上にOLEDディスプレイを用いることが可能であり、ディスプレイの位置を変えることができる。OLEDエミッタの厚さは、極めて小さく(1mm未満)、OLEDそれ自体は、フレーム状本体内に受け入れられ、電気的接触のためのピンは、フレーム状本体内に配置される。OLEDデバイスは、薄い箔として実現され、これら薄い箔は、可撓性が極めて高く、5×5cm又は12×12cm以上のサイズを有するのが良い。互いに異なるサイズのOLEDは、互いに異なる電圧供給を必要とし、このことは、OLEDにOLEDデバイスのサイズとは独立して正確な電圧を供給するようにするために、必要とされる供給電圧を或る特定のピンピッチにより整合させることができるということを意味している。
【0018】
互いに異なる電気デバイスに本発明の電気接触システムによって電力供給することができ、電気デバイスとしては、LED、OLED、エレクトロルミネッセンスパネル、ランプ、壁時計、温度計、マルチメディアシステム、ビデオプロジェクタ、テレビジョンシステム、例えば建物用暖房施設のための制御ユニット、データネットワークのシステム等が挙げられる。第1の場合、最大電圧レベルは、制限されず、ユーザに関する電気ショックの恐れという技術背景に対しては、最大電圧レベルは、有利には約50…60Vによって制限される。電流は、直流(DC)であっても良く、交流(AC)であっても良く、或いは、電気システムには、パルス化され、切り替えられ、或いは任意の異なる仕方で変調される電気信号が供給される。
【0019】
本発明の別の実施形態によれば、接触ピンは、電気デバイスの一方の面上に配置され、接触ピンを備えた面は、壁及び(又は)壁紙にそれぞれ衝合する。有利には、ピンは、通常の電気的接続のための少なくとも2本のピンから成り、ピンは、水平に配置されても良く、垂直に配置されても良く、ピンは又、互いに対して任意の種々の角度をなして配置されても良い。好ましくは、電気デバイスは、水平又は垂直方向にくっつけられるが、ピンが対角線をなして配置されている場合、傾斜位置でも可能である。ピンは、電気デバイスの機能性を守るために本来的に安定したシャーシを提供するフレーム状本体に受け入れられ又はこれに取り付けられるのが良い。
【0020】
有利には、電気デバイスは、壁及び(又は)壁紙にそれぞれくっつき可能であるようにするために両面接着フォームを有する。両面接着フォームをフォームそれ自体として、或いは、接着テープ、粘着テープ又はグルーのような化合物として提供できる。粘着原理は、電気デバイスを壁に取付け状態に保つと共にピンと導電性ストライプの確実な接触を保証するのに足るほど厳格でなければならない。変形例として、釘又はねじによる締結に係る機械的連結原理を利用しても良い。接着剤が用いられない場合、電気デバイスの機械的締結を行うのに、ピンを押しピンのように壁紙及び導電性ストライプにそれぞれ突き刺すことが可能である。
【0021】
本発明の別の実施形態によれば、接触ピンは、電気デバイスを壁に取り付けることによって導電性ストライプを穿通するために尖った針状のピンとして構成されている。ピンの先端を尖らせることにより、ピン及びかくして電気デバイスを壁に容易にくっつけることができ、ピンは、釘の機能を果たす。穿通効果は、ピンの尖った先端によって得られ、このことは、ピンを壁紙及び特に金属製導電性ストライプに打ち込むのに必要な押圧力が小さいことを意味する。好ましくは、金属製導電性ストライプは、滑らか且つ穏やかな変形挙動を示すと共に小さな厚さを備え、それにより、ストライプの可撓性が高くなり、ピンは、ストライプ中にめり込み又は押し込み可能である。確実な電気的接触を保証するためには、ピンは、ストライプを貫通すべきであり、ストライプの表面への突き刺しは、十分であるが、必ずしも有効ではない。ピンが溝付きの場合、かかるピンは、締結効果を達成することができ、このことは、別の締結手段が不要であり、電気デバイスがピンをストライプ中に押し込むだけで壁に締結されることを意味する。
【0022】
尖った針状のピンの変形例として、接触ピンは、導電性ストライプの表面に押し付けられるようにするためにばね押しされている。ピンを導電性ストライプに押し付けるためにピンに加えられる押圧力は、ばねの中に蓄えられる。というのは、ばねは、電気デバイスを壁にくっつけ、かくして、ピンをばねに押し付けることにより圧縮可能だからである。これにより、導電性ストライプの確実な接触が保証される一方で、壁紙又はタペストリがピンにより既に切り裂かれてピンとストライプとの間における壁紙の絶縁効果が回避されることが保証されなければならない。この接触原理によれば、電気デバイスは、ピンを押し込むだけでは壁に固定されない場合があり、このことは、追加の締結手段が必要であることを意味する。この原理の利点は、導電性ストライプが腐食効果を示す場合に、確実な接触が得られるということにあり、ばね力は、ピンを連続的にストライプの表面に押し付ける。
【0023】
また、本発明は、壁紙が、導電性ストライプを有し、電気デバイスが、少なくとも2本の接触ピンを有し、接触ピンが、導電性ストライプ中の電流によって電気デバイスに電力を供給するために導電性ストライプに接触するよう配置されている請求項13記載の電気接触システムに関する。
【0024】
本発明の目的物の追加の細部、特徴及び利点は、従属形式の請求項に記載されており、例示的に記載されているそれぞれの図についての後で行う説明は、添付の図面を参照して説明する本発明の好ましい実施形態を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1に示す電気接触システム8は、電気デバイス2を有し、この電気デバイスは、単純化されて長方形のボックスとして示されている。電気デバイス2は、頂部層上に位置決めされ、壁3は、底部層のところに配置されている。電気デバイス2と壁3との間には、導電性ストライプ4が配置されている。導電性ストライプ4は、長さ方向に互いに平行に配置され、これら導電性ストライプ相互間には或る特定の距離が空けられている。導電性ストライプ4は、壁3全体を横切って延びていて、図1に示すように長さ方向に切断されている。例示として、5本の導電性ストライプ4が示されており、これら導電性ストライプは、互いに異なる電圧レベルを有している。同様に、例示として、電圧レベル0V、3V、6V、9V及び12Vが、導電性ストライプ4上に書き込まれており、5本の導電性ストライプ4から成る一まとまりのパッケージに隣接して、電圧レベルが繰り返されるのが良い。かくして、導電性ストライプ4は、壁3全体にわたって、これら5通りの電圧レベルの定期的な繰り返しを有している。導電性ストライプ4は、或る特定のストライプピッチ6で配列されており、かかるストライプピッチは、或る1本のストライプ4とその隣りのストライプ4との間の横方向距離を意味している。ストライプピッチ6は、各導電性ストライプ4相互間で繰り返され、互いに異なるストライプ4によって表された互いに異なる電圧レベル相互間のピッチ6も又、互いに異なっていても良く、壁3全体にわたり、横方向ストライプピッチ6は、或る特定の電圧レベル相互間に等しい場合があるに過ぎない。
【0026】
電気デバイス2は、2本のピン5を有し、これらピンは、或る特定のピンピッチ7を有している。ピンピッチ7は、或る特定の導電性ストライプに接触し、或る特定のストライプ4相互間の或る特定の電位を把握するために或る特定のストライプピッチ6に一致している。図1の実施形態によれば、3Vの電圧がかかった導電性ストライプ4と9Vの電圧がかかった導電性ストライプ4は、ピン5によって互いに接触状態にある。これにより、6Vのクロス電圧が生じ、ピン5が別のピンピッチ7を備えている場合、例えば、3V、9V又は12Vのような互いに異なる電圧レベルが現れる。このことは図1には示されていないが、ストライプピッチ6は、電気デバイス2が壁3上の別の位置にくっつけられている間、ピン5によって互いに異なる電圧電位に接触するために互いに異なる電圧相互間の可変値を有するのが良い。導電性ストライプ4を露出させておくために壁紙は図1には示されていない。ピン5は、導電性ストライプ4中に押し込まれ、電気デバイス2は、例えば、接着効果のある両面フォームによって壁紙(図示せず)にくっつけられている。
【0027】
図2は、図1の本発明の実施形態を示しており、電気接触システム8は、断面で示されている。壁3は、底部側が断面図で示され、ストライプ4は、壁3上に配置されている。5本のストライプ4が示されており、これらストライプも又、断面で示されている。電気デバイス2と導電性ストライプ4との間には、壁紙1が配置され、壁紙1は、導電性ストライプ4を有し、このことは、導電性ストライプ4を有する壁紙1を単一のコンポーネントとして提供するために導電性ストライプ4が壁紙1によって包囲されていることを意味している。ストライプ4は、ストライプピッチ6を有し、このストライプピッチは、ストライプ4相互間の横方向距離を意味している。ピン5は、導電性ストライプ4に接触し、ピン5は、電気デバイス2の底部側に設けられていて、壁紙1を貫通して2本の導電性ストライプ4内に延びている。導電性ストライプ4中へのピン5のこの穿通原理を利用することにより、電気接触が実現される。その目的は、電気デバイス2を導電性ストライプ4により供給される電圧に接触させることにある。電気デバイス2は、OLEDデバイスとして具体化可能であり、このOLEDデバイスは、光をOLEDデバイスの頂部側に壁3とは逆の方向に放出する。OLEDデバイスは、図2には示されていないフレーム状のコンポーネント内に受け入れられるのが良い。
【0028】
本発明は、上述の実施形態には限定されず、この実施形態は、例示として示されているに過ぎず、特許請求の範囲に記載された本発明の保護範囲内で種々の仕方で改造できる。かくして、本発明は又、特にOLEDデバイスの設計及び(又は)壁紙1の構造について異なる実施形態に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】電気接触システムの構成の平面図であり、壁紙が取り外されている状態を示す図である。
【図2】図1の電気接触システムの構成の側面図であり、壁及び壁紙が断面で示されている状態を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1 壁紙
2 電気デバイス
3 壁
4 導電性ストライプ
5 接触ピン
6 ストライプピッチ
7 ピンピッチ
8 接触システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁(3)に取付け可能であり、好ましくは建物の任意種類の部屋壁又は天井若しくは床に取付け可能な電気デバイス(2)に接触する壁紙(1)であって、前記壁紙(1)が、複数本の導電性ストライプ(4)を有し、前記電気デバイス(2)が、前記導電性ストライプ(4)に接触するために接触ピン(5)を備える、壁紙において、前記導電性ストライプ(4)は、或る特定のストライプピッチ(6)を備え、前記接触ピン(5)は、或る特定のピンピッチ(7)を備え、互いに異なる前記導電性ストライプ(4)は、前記電気デバイス(2)を互いに異なる位置に配置することにより上述の或る特定のピッチ(6,7)に基づく導電性ストライプ(4)の接触に起因して生じる接触ピン(5)の接触電圧に整合するために互いに異なる電圧を有する、壁紙(1)。
【請求項2】
前記導電性ストライプ(4)は、前記導電性ストライプ(4)の電気的絶縁をもたらすために前記壁(3)と前記壁紙(1)との間にサンドイッチされている、請求項1記載の壁紙(1)。
【請求項3】
前記導電性ストライプ(4)は、或る特定のステップから選択された電圧レベルを有する、請求項1又は2記載の壁紙(1)。
【請求項4】
前記導電性ストライプ(4)の前記電圧レベルは、1V〜12V、好ましくは2V〜6V、最も好ましくは3Vの電圧ステップを有する、請求項3記載の壁紙(1)。
【請求項5】
前記壁紙(1)の前記導電性ストライプ(4)の材料は、銅材料、アルミニウム、銀、金、又は鋼材料を含む金属導電性材料の群から選択されている、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の壁紙(1)。
【請求項6】
前記導電性ストライプ(4)は、前記壁(3)と前記壁紙(1)との間にサンドイッチされ、前記壁(3)への前記導電性ストライプ(4)の接合及び(又は)前記導電性ストライプ(4)への前記壁紙(1)の接合は、接着によって行われる、請求項1〜5のうちいずれか一の記載の壁紙(1)。
【請求項7】
壁(3)に取付け可能な電気デバイス(2)であって、壁紙(1)が、前記壁(3)上に配置され、前記壁紙(1)が、互いに平行な配置状態で設けられていて、或る特定のストライプピッチ(6)を備えた複数本の導電性ストライプ(4)を有し、前記電気デバイス(2)が、前記導電性ストライプ(4)に接触する少なくとも2本の接触ピン(5)を有する、電気デバイスにおいて、前記電気デバイス(2)の前記ピン(5)は、或る特定のピンピッチ(7)を備え、互いに異なる前記導電性ストライプ(4)は、前記電気デバイス(2)を互いに異なる位置に配置することにより上述の或る特定のピッチ(6,7)に基づく導電性ストライプ(4)の接触に起因して生じる接触ピン(5)の接触電圧に整合するために互いに異なる電圧を有する、電気デバイス(2)。
【請求項8】
前記電気デバイス(2)は、有機発光ダイオード(OLED)から成り、前記OLEDは、前記OLEDが利用されている建物の対応の部屋のマーカ及び(又は)イルミネータとして使用できる、請求項7記載の電気デバイス(2)。
【請求項9】
前記接触ピン(5)は、前記電気デバイス(2)の一方の面上に配置され、前記接触ピン(5)を備えた前記面は、前記壁(3)及び(又は)前記壁紙(1)に衝合する、請求項7又は8記載の電気デバイス(2)。
【請求項10】
前記電気デバイス(2)は、前記壁(3)及び(又は)前記壁紙(1)にくっつき可能であるようにするために両面接着フォームを有する、請求項7〜9のうちいずれか一の記載の電気デバイス(2)。
【請求項11】
前記接触ピン(5)は、前記電気デバイス(2)を前記壁(3)に取り付けることによって前記導電性ストライプ(4)を穿通するために尖った針状のピンとして構成されている、請求項7〜10のうちいずれか一の記載の電気デバイス(2)。
【請求項12】
前記接触ピンは、前記導電性ストライプ(4)の表面に押し付けられるようにするためにばね押しされている、請求項7〜11のうちいずれか一の記載の電気デバイス(2)。
【請求項13】
請求項1〜12のうちいずれか一の記載の壁紙(1)及び電気デバイス(2)を有する電気接触システム(8)であって、前記壁紙(1)は、導電性ストライプ(4)を有し、前記電気デバイス(2)は、少なくとも2本の接触ピン(5)を有し、前記接触ピン(5)は、前記導電性ストライプ(4)中の電流によって前記電気デバイス(2)に電力を供給するために前記導電性ストライプ(4)に接触するよう配置されている、電気接触システム(8)。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−536273(P2009−536273A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508586(P2009−508586)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際出願番号】PCT/IB2007/051558
【国際公開番号】WO2007/132371
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】