少量の粒子を供給するための装置および方法
【課題】繰返し高精度で、過度な無駄を出すことなく、非常に少量の(典型的には5mgより少ない)粒子を供給することができる装置および方法が記載される。さらに、高度な粒子調製の必要が低減される。
【解決手段】この装置は、電気機械的な作動器を用いて、最初はホッパ内のふるいに留められる粒子の供給源に衝撃エネルギーを送達する閉ループ制御システムを含む。この衝撃エネルギーは、少数の粒子がふるいを抜け、重量測定天秤上に落ちるようにする。取得された重量は、さらなる作動が必要とされるかどうかを確認するために、プロセッサによって詳細に調べられる。好適な実施形態において、作動のエネルギーは、プロセッサによって計算される供給率によって変化する。さらに、天秤がその最終値を確定するのにかなり長い時間を要し得るという事実を考慮して補正量が取得され得る。
【解決手段】この装置は、電気機械的な作動器を用いて、最初はホッパ内のふるいに留められる粒子の供給源に衝撃エネルギーを送達する閉ループ制御システムを含む。この衝撃エネルギーは、少数の粒子がふるいを抜け、重量測定天秤上に落ちるようにする。取得された重量は、さらなる作動が必要とされるかどうかを確認するために、プロセッサによって詳細に調べられる。好適な実施形態において、作動のエネルギーは、プロセッサによって計算される供給率によって変化する。さらに、天秤がその最終値を確定するのにかなり長い時間を要し得るという事実を考慮して補正量が取得され得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、質量に応じて粒子を供給するデバイスおよび方法に関する。詳細には、極めて少量の粒子(典型的には、5mgより少ない粒子)を正確かつ再現可能に供給することが可能なデバイスに関する。このデバイスはまた、より大きな重量(例えば、100mg)の粒子を正確に供給するために使用され得る。
【背景技術】
【0002】
本発明は、多くの種類の粒子供給に適用可能である。特に、本発明は、薬剤粒子の供給用途に適用可能であり、その例として、ガス推進式の注入システムに使用される粒子、乾燥粉末吸入器、カプセル、および薬物カセットの所定の用量を有する充填が挙げられる。
【0003】
米国特許第5,630,796号において、皮膚、粘膜面、および他の層を通る薬物粒子を促進する方法およびデバイスが記載される。このデバイスにより、小さな粒子が非常に高速のガスによって一緒に運ばれ、皮膚を貫通するのに十分な力によってこれらを促進する。粒子は、粉末薬物の化合物および組成物、またはキャリア粒子(例えば、金)に取りつけられ得る遺伝物質を構成し得る。デバイスを作動させる前の粒子は、2つの破裂可能なダイヤフラムの間に保持される。デバイスが作動され、ガス層の中のガスが解放されると、ダイヤフラムが破裂し、粒子がガスフローによって一緒に運ばれる。好適には、この2つの破裂可能なダイヤフラムは、取り外し可能かつ内蔵式の薬物カセットの形態に構成される。これによって、デバイスが使用される度にカセットを単純に置換することにより、同じデバイスを1回以上使用することが可能になる。製造後に、どの粒子を促進するかを選択することにより、デバイスが粒子に個別に提供されることも可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いくつかの用途において、最初にカセット内に含まれる粒子の量は、厳密に制御される必要がある。リドカインなどのいくつかの薬物の用量は、あまり具体的でなく、インシュリンなどの他の薬物は、正確に制御された用量を投与することが必要とされている。さらに、いくつかの薬物は、その純粋な形態において非常に効き目があり、これは、非常に少量が使用されるべきであるということを意味する。効力は、薬物の処方を変えることにより減少され得るが、これは結果として全体の費用を増加させる。なぜならば、純粋な薬物が賦形剤と混ぜ合わせられる余分な処方工程が必要であるからである。さらに、処方が難しいため、薬物製品を市場に出すことに関する望ましくない遅延が導かれ得る。
【0005】
さらに、いくつかの薬物およびワクチンが非常に高価であるということは、経済的な理由のために、必須の効果を提供するための最低限の量が使用されるべきであることを意味する。例えば、DNAコーティングされた金の粒子(DNAcoated gold particles)は高価であり、いくつかの治療化合物の値段は、1グラム当たり何万ドルであり得る。
【0006】
推測可能なように、多くの場合、安全のために、既知量の粒子が正確かつ再現可能にカセットに詰め込まれるとが重要である。いくつかの薬物の過剰な投与量は、悲惨な影響を有し得るが、不十分な投与量は、治療剤が所望の効果を有さず、同様の望ましくない影響が与えるという結果になり得る。
【0007】
さらに、カセットが高速投与されると有利であり、その結果、大量の処理量の詰め込まれたカセットが、所定の期間内で生成され得る。使用される任意の装置が、薬剤生成に関連する清浄度の要件を満たすとさらに好適である。
【0008】
これらを全て顧慮して、本発明は、正確かつ再現可能な方法で、ならびに、必要以上の無駄を有さず、非常に少量の粒子を投与することが従来より非常に困難であるという問題を提起する。さらに、従来の投与方法は、使用される粒子の処方、形、およびサイズに関して異質性にあまり耐性がない。薬剤は、従来より、容積法を用いて投与されてきた。この容積法は、特定の質量の粒子を投与する必要がある場合に、プロセスパラメータの正確な制御を必要とする。
【0009】
少量の粒子を投与するために使用され得る方法が、いくつか公知である。
第1に、減圧方法が公知であり、この減圧方法について、図1を参照して説明する。ここで、既知の行程容積(sweptvolume)のプランジャー12を有する小さな導管11が、プランジャーが完全に伸びている(すなわち、導管の端と同一高にある)状態で粒子の蓄え(asupply of particles)13内に配置される(図1aを参照)。次いで、プランジャーは、特定の距離だけ引き込まれ(図1bを参照)、粒子は、プランジャーによって、導管内に残された空間内に吸い込まれる(図1cを参照)。後で、プランジャーが伸ばされて、導管からカセットまたは充填されるべき他の容器内へと粒子を押す(図1bを参照)。この方法は、入手された粒子の体積が相当十分に制御され得るにも関わらず、粒子の実質量がその時点での密度に依存し、空気ポケットおよび他の異常(anomaly)によって、送達された粒子の全体の質量が減少され得るという不利益の損害を受ける。さらに、プランジャーのプッシング動作は粒子に力を与え、脆性の薬物粒子である場合は特に、粒子に損害を与え得る。この方法は、正確な投与のために、薬物粒子が自由に流れることが必要であるというさらなる問題の損害を受ける。従って、薬物粒子の処方を発展させて、自由に流れる粉末を得る必要がある。粉末が自由に流れない場合、不正確な投与が起こり得る。
【0010】
第2の方法(図示せず)は、粒子の供給に静電印刷技術を適用させることを含む。すなわち、電界によって操作され、静電気的に荷電されている粒子を使用することを含む。この方法は、粒子が静電気的に荷電されている必要があるという(これは、望ましくない場合がある)不利益と、正確な数の粒子を表面上または容器内へと操作するために必要な電子回路は複雑かつ高価であるという不利益との損害を受ける。さらに、静電場を制御して、外部干渉によって逆に影響を受けないようにすることは非常に困難である。さらなる問題は、粒子を一貫して荷電し、粒子の形およびサイズを変化させない必要があるということである。粒子のサイズの差異は、達成可能な相対的な粒子電荷に激烈な効果を有する。これにより、余分な処方義務が生まれる。
【0011】
図2に示す第3の方法は、「ドクタリング(doctoring)」として公知であり、既知の体積(図2aを参照)の容器内へと粒子を圧縮し、次いで、ナイフまたは他の鋭利なブレードを用いて、容器の上端の上に横たわる任意の超過粒子を取り除く工程を含む(図2bおよび図2cを参照)。図示のように、容器21は、粒子22によって溢れるまで充填されている。ブレード23を使用して、容器21の上端の上にある超過粒子を取り除き、粒子24の標準体積を残す。この方法は、圧縮プロセスの間だけでなく、粒子の上層をせん断するためにブレードが使用される際も、粒子に過酷な力を与えるため望ましくない。この方法もまた、流れが自由であり、かつ、同質であるように薬物粒子を処方するためにたくさん努力する必要があるという問題の損害を受ける。さらに、この方法は、小規模な用途にあまり適切でなく、この小規模な用途において、5mgより少ない量の粒子が正確に供給される必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記の技術の代替例である。粒子をほとんど無駄にせずに、再現可能な方法で少量の粒子を正確に供給する方法が発見された。さらに、この方法は、薬物粒子の処方に関して必要以上の努力を必要としない。事実上、組成物ならびに任意の形およびサイズに関わらず、任意の粒子が本発明によって投与され得る。従って、薬物粒子の同質かつ自由に流れる処方を得るための従来の努力は不要になる。すなわち、本発明は、純粋なまたは不十分に処方された薬物粒子を正確に投与することを可能にする。
【0013】
本発明の第1の局面によって、粒子を供給する装置が提供され、この装置は、供給されるべき粒子の供給を保持するための粒子保持装置であって、この粒子保持装置は、そこを通って上記の粒子を供給するための複数の開口部を有する、粒子保持装置と、作動信号に応じて、上記の粒子保持装置から上記の粒子の蓄えのいくつかを上記の開口部を通って供給させる粒子放出アクチュエータと、上記の粒子保持装置から供給された粒子の見掛けの重量を測定し、測定された見掛けの重量を表す信号を出力するための重量測定デバイスと、を含む。
【0014】
複数の開口部は、開口部の平均サイズが粒子の平均サイズより大きいにも関わらず、粒子を保持する機能を果たす。粒子放出アクチュエータによって粒子保持装置が機械的に攪拌されると、粒子は取り除かれて開口部を通過する。開口部は、定常状態にある粒子によって「閉塞」されるほどに十分小さく、許容可能な数の粒子が各作動の後に供給されることを保証するのに十分な量の粒子がある。従って、この装置は、正確かつ再現可能で、非常に少量の粒子を供給することが可能な供給メカニズムを提供する。
【0015】
動作の速度は、測定された見掛けの重量に補正値を足して、重量測定デバイスの非瞬間的な動作の効果を考慮することにより改善され得る。
従って、本発明の第2の局面によって、粒子を供給する装置を提供し、この装置は、供給されるべき粒子の蓄えを保持するための粒子保持装置と、 作動信号に応じて、上記の粒子保持装置から上記の粒子の蓄えのいくつかを供給させる粒子放出アクチュエータと、 上記の粒子保持装置から供給された粒子の見掛けの重量を測定し、測定された見掛けの重量を表す信号を出力するための重量測定デバイスと、上記の粒子放出アクチュエータに作動的に連結されて上記の作動信号を出力するように構成され、かつ、上記の重量測定デバイスに作動的に連結されて上記の測定された見掛けの重量信号を受け取るように構成されたプロセッサであって、このプロセッサは、上記の測定された見掛けの重量に補正値を足すことにより、供給される粒子の実重量を見積るように構成される、プロセッサと、を含む。
【0016】
本発明の第1の局面は、第2の局面のようにプロセッサを利用し得、このプロセッサは、粒子放出アクチュエータに出力作動信号を提供し、重量測定デバイスから測定された見掛けの重量信号を受け取る。多くの好適な機能は、本発明の第1および第2の局面の両方に関連する。従って、第1および第2の局面の両方のプロセッサは、粒子保持装置から供給されることが望ましい粒子の量に対応する特徴を有する作動信号を提供するように構成され得る。従って、粒子放出アクチュエータの各動作の後で供給される粒子の量は、粒子放出アクチュエータに送り込まれる信号を変調することにより制御され得る。この変調は、例えば、信号の振幅、周波数、またはパルス幅を変化させる様態であり得る。
【0017】
第1または第2の実施形態の装置はまた、重量測定デバイスへと粒子が供給されている見掛けの速度を計算するように構成され得る。この見掛けの速度は、任意の特定の時間に重量測定デバイス上にある粒子の実際の重量を見積るための補正を計算するために用いられ得るか、その上(または、あるいは)目的物の供給速度が達成されるように動作のエネルギーを制御するために用いられ得る。
【0018】
第1および第2の局面の両方のプロセッサは、所定の期間内に粒子放出アクチュエータが作動するたびに保存される標準重量値によって補正値を増加させることにより、補正値を計算し得る。従って、実重量の値が見積られ得、この値は、重量測定デバイスによって完全に記録されなかった最近の動作を考慮に入れる。例えば、重量測定デバイスが、1秒の遅延を有するように作られている場合、補正値は、最後の秒までに発生した全ての動作に関して、保存されている標準重量値によって増加させられる。好適には、保存されている標準重量値は乗算係数によって乗算され、補正値は、乗算された標準重量によって増加させられ、増加される量は通常、動作が行われた期間が過去であるほど減少する。
【0019】
保存されている標準重量増加分として使用される値は、最後の供給サイクルの間の各動作ごとに送達された実質量の平均を計算することにより、それぞれの完全な供給サイクルの後に更新され得る。
【0020】
供給サイクルの間、プロセッサは、測定された見掛けの重量または実際に供給された重量の見積りのいずれかを、粒子の所定の重量と比較して、粒子をさらに供給する必要があるかどうか、またはサイクルを終了してもよいかどうか(正確な質量の粒子が供給されたかどうか)を判定するように構成され得る。粒子の所定の重量は、好適には、供給されるべき粒子の所望の重量から耐性重量を引いた値として表される。これによって、過剰な充填の可能性が減少する。
【0021】
第1または第2の局面の装置は、測定された供給速度が所定かつ所望の速度の値よりそれぞれ低いまたは高い場合に、動作のエネルギーを増加または減少させることにより、目的物の供給速度を追跡するように構成され得る。あるいは、供給の速度は、動作の後に所定の期間だけ一時停止して、重量測定を行う間の時間を増加させ、結果として観測される供給速度を減少させることにより減少され得る。
【0022】
最初に比較的高い目的物の供給速度を用いて、次いで、粒子の所望の重量が近づくにつれて、比較的低い目的物の供給速度に変えることが望ましい。これによって、粒子の所望の重量を超過する可能性が減少する。
【0023】
本発明の第1および第2の局面の両方による装置の好適な構成は、ホッパーの断面積を横切る漉し器によって提供される開口部を有するホッパーを利用する。薬剤の用途に関して、ホッパーおよび漉し器の両方は、好適には、316ステンレス鋼からなるが、一体型のプラスチック構成も有用である。
【0024】
開口部は、好適には50μm〜800μm、より好適には80μm〜400μm、さらに好適には100μm〜250μm、または、よりさらに好適には180μm〜250μmの直径(または、他の関連する寸法)を有する穴である。
【0025】
粒子放出アクチュエータは、好適には、ソレノイドなどの電気機械的アクチュエータであり、このアクチュエータは、実質的に水平の衝撃エネルギーを粒子保持装置の側面に送達するように構成される。これは、保持装置の上部に衝撃エネルギーを送達するより好適である。なぜならば、保持装置へのアクセスは妨害されておらず、コンテナの側面をタッピングすることは、上部をタッピングするより一貫した結果を提供すると分かっているからである。
【0026】
空気の流れまたは圧力の差異を防ぐために、封入物が好適に提供されて、少なくとも重量測定デバイスおよび粒子保持装置を覆い、可能であれば粒子放出アクチュエータも覆う。
【0027】
従来の振動技術は、振動の周波数または振幅に粒子供給速度が線形的に関係しないために制御することが困難であるという問題の損害を受ける。粒子が一旦流れると、流れの限界が確立され、それより高い供給速度を正確に達成することは困難である。本発明は、この流れの限界に達成するように粒子を流れさせないことによりこれを克服する。粒子放出アクチュエータを使用することは、力の実質的に個別のインパルスを粒子保持装置に与えて、粒子を瞬間的に取り除き得ることを意味する。この供給の方法を用いて、非常に低重量の粒子に至るまでを非常に正確に供給を提供することが可能であり、この方法はまた、連続振動技術より制御可能である。なぜならば、各動作の後の供給された粒子の質量が、動作の力により線形的に関係するからである。
【0028】
本発明はまた、粒子と接触する部分と関連して相対的に移動する部分はないという利点を有する。従来の技術は、粒子の流れを調整するために移動するピンまたはネジを使用した。これらのピンまたはネジが粒子を捕らえることにより、損害となり得る。本発明はまた、機械的損害の問題を回避し、この機械的損害は、互いに相対的に移動する部分が使用され、清浄および維持が比較的簡単な場合に生じ得る。
【0029】
本発明の第3の局面によって、正確に粒子を供給する方法が提供され、この方法は、供給されるべき粒子の蓄えを保持する工程と、 上記の粒子の蓄えのいくつかを、複数の開口部を通ってその保持されている位置からその重量が測定され得る位置へと供給させる工程と、 上記の供給された粒子の見掛けの重量を測定する工程と、 上記の測定された見掛けの重量を利用して粒子供給を制御する工程と、を含む。
【0030】
本発明の第3の局面は、少量の粒子の正確かつ再現可能な供給を可能にする。さらなる正確さは、測定された見掛けの重量に補正値を足すことによって、供給された粒子の実重量を見積ることにより入手され得る。これによって、正確な重量測定を行う際の遅延の影響が緩和され、この遅延は、主として、重量測定デバイスから生じる遅延が原因であるが、電子回路から生じる遅延も原因であり、粒子保持装置からカセットへと粒子が落ちる際にかかる時間も原因である。
【0031】
本発明の第4の局面によって、正確に粒子を供給する方法が提供され、この方法は、供給されるべき粒子の蓄えを保持する工程と、 上記の粒子の蓄えのいくつかを、その保持されている位置からその重量が測定され得る位置へと供給させる工程と、 上記の供給された粒子の見掛けの重量を測定する工程と、 上記の測定された見掛けの重量を補正値に足して、正確な重量測定を行う際の遅延の影響を減少させることにより、上記の供給された粒子の実重量を見積る工程と、上記の測定された見掛けの重量を利用して粒子供給を制御する工程と、を含む。
【0032】
第4の局面の方法は、第1または第2の実施形態のいずれかの装置を用いて実行され得る。従って、それぞれの粒子は、粒子保持装置内に形成される複数の開口部のうち1つを通って供給され得る。
【0033】
多数の好適な方法ステップが、本発明の第3または第4の局面のいずれかの方法と共に実行され得る。
所定の許容範囲内で、所定かつ所望の粒子重量が供給されるまで、この方法ステップを循環的に繰り返すことにより、閉ループ制御が行われ得る。これによって、粒子放出アクチュエータの各動作に続いて、異なる質量の粒子が供給され得るという事実が緩和される。
【0034】
粒子が供給される見掛けの速度は、好適に計算される。この値を用いて、測定された見掛けの重量の補正が行われ得るか、または、供給されている粒子の速度を制御する制御ループにフィードバックが提供され得る(または、その両方)。
【0035】
測定された見掛けの重量を補正するために用いられる補正値は、計算された見掛けの速度であり得、この値は、好適には、時定数によって乗算される。あるいは、補正値は、いくつかの規定の長さの公正な経過期間にアクチュエータが作動される度に、保存されている標準重量を足すことにより入手され得る。使用される各保存されている標準重量値は、好適には、0〜1の範囲の乗数係数によって乗算されることにより正規化される。これは、アクチュエータが作動された期間が、比較的ずっと以前よりも、むしろ非常に最近である場合、より多くの補正が実行される必要があるという意見の説明となる。比較的ずっと以前に行われた動作に関して、補正を行う必要はない。なぜならば、重量測定デバイスおよび他の装置は、これらのこのような動作に完全に対応しているからである。
【0036】
それぞれの供給サイクルの後、標準重量値は、好適には、以前の供給サイクル中の各動作において供給された粒子の平均重量により厳密に対応するために更新される。
測定された見掛けの重量または供給された粒子の実重量の見積りを、所定の保存されている重量と比較し、重量が所定の保存されている重量より軽い場合、さらなる動作−計量サイクルを行うことにより、閉ループ制御が行われ得る。所定の保存されている重量は、好適には、供給されるべき粒子の所望の重量から耐性重量を引いた値である。
【0037】
供給速度制御は、計算された見掛けの供給速度がそれぞれ、所定かつ所望の速度より遅いまたは速い場合、以前の動作−計量サイクルにおいて供給された量より多いまたは少ない量の粒子を供給することにより実行され得る。あるいは(または、その上)、実際の供給速度は、所定の期間または可変期間の間に、サイクルを中断させることにより減少され得る。目的物の供給速度は、所望の粒子重量に対する測定された見掛けの重量または実重量の見積りの類似を考慮して制御され得る。
【0038】
本発明の第5の局面によって、第1もしくは第2の局面の装置に使用することを意図する粒子保持装置、または、第3もしくは第4の局面の方法に使用するための粒子の蓄えを保持するための粒子保持装置が提供され、この粒子保持装置は、ホッパーと、 このホッパーの断面積を横切る漉し器と、を含む。
【0039】
好適には、漉し器はホッパーの端に配置され、両方とも316ステンレス鋼から形成されている。あるいは、漉し器およびホッパーは、プラスチック材料によって形成され得るか、それぞれ、電鋳メッシュおよびガラス管によって形成され得る。
【0040】
漉し器の開口部のサイズは、定常状態において、供給されるべき粒子によって閉塞されるが、ホッパー(好適には、細長い導管)に外部エネルギーを与えることによって、短期間、簡単に閉塞を解くことができるようなサイズである。
【0041】
本発明の第6の局面によって、第1もしくは第2の局面の装置におけるプロセッサとして使用することを意図するプロセッサ、または、第3もしくは第4の局面の方法ステップのいくつかを実行するこを意図するプロセッサが提供され、このプロセッサは、粒子放出アクチュエータに所定の特性の出力信号を出力するための信号出力手段と、 比較手段と、 重量測定デバイスから上記の比較手段へと、信号出力から導き出された入力信号の値を提供するための信号入力手段と、その中に格納されている所定の重量値を、上記の比較手段に送り込むためのメモリ手段と、を含み、上記の比較手段は、上記の入力信号の値を上記の所定の重量値と比較し、この入力信号がこの所定の重量値より大きいかどうかを判定するように構成される。
【0042】
プロセッサは、好適には、重量測定デバイスおよび粒子放出アクチュエータに接続可能なパーソナルコンピュータである。このパーソナルコンピュータは、ソフトウェアによって適切な計算を実行するようにプログラミングされている。詳細には、プロセッサは、重量測定デバイスから受け取られた信号に補正値を足して、放出された粒子の実重量の見積りを計算するようにプログラミングされ得る。実際、プロセッサは通常、上記で説明した本発明の第3および第4の局面の方法に関連して説明される種々の計算を実行するようにプログラミングされ得る。
【0043】
本発明の第7の局面によって、粒子カセットを製造するための製造ステーションが提供され、この製造ステーションは、開いた状態の空のカセットを収集するコレクタと、 その重量が測定され得る位置に、上記の開いた状態の空のカセットを移動させるためのトランスポータと、 上記の開いた状態のカセット内へと粒子を供給するための、本発明の第1および第2の局面による装置と、を含む。
【0044】
製造ステーションは、好適には、放出された粒子を封じ込めるために搭載されたカセットを密封するカセット密封ステーションと、搭載されたカセットをカセット密封ステーションへと移動するための第2のトランスポータとをさらに含む。この動作を実行するためのトランスポータは、好適には、開いた状態の空のカセットを移動させるために使用されるトランスポータと同じである。このようなトランスポータは、カセットの位置付けをするためのロケータを一端に有する中心軸に取り付けられたアームの形態であり得るか、または、このようなロケータが周囲に配置されている回転可能な(rotable)環状の構成要素の形態であり得る。このロケータは、有利なことに、カセットを掴み取り、かつ、放出するように動作可能である。これによって、最低限の人間の関わりを必要とする自動化されたカセットの充填および密封が提供される。
【0045】
カセットは、送り込みトラック上で送り込まれ、送り出しトラック上で送り出され得る。これによって、カセットの「キュー」が送り込みトラック上で提供され、カセット本体を製造するための機械が製造ステーションと直列に提供されて、次の充填のために、カセットが適切な送り込みトラック上に単純に配置され得る。
【0046】
本発明の第8の局面によって、製造ラインがさらに提供され、この製造ラインは、本発明の第7の局面による複数の製造ステーションと、 開いた状態の空のカセットを送り込むための送り込みトラックと、 閉ざされた状態の詰め込まれたカセットを送り出すための送り出しトラックと、を含み、ここで、上記のカセットを移動させるための上記の複数のそれぞれの手段は、上記の送り込みトラックから開いた状態の空のカセットを取り、閉ざされた状態の詰め込まれたカセットを上記の送り出しトラックに配置するように動作可能である。
【0047】
本発明の第9の局面によって、粒子放出ステーションが提供され、この粒子放出ステーションは、本発明の第1または第2の局面による複数の装置と、 上記の粒子保持装置のそれぞれに粒子を詰め替えるために、各装置の各粒子保持装置の間を移動可能なバッチホッパーと、を含む。
【0048】
本発明の第10の局面によって、非瞬間的動作時間を有する重量測定デバイス上に供給される粒子の実重量を見積る方法が提供され、この方法は、測定された見掛けの重量を入手する工程と、 上記の測定された見掛けの重量に補正値を足す工程であって、この補正値は、上記の測定された見掛けの重量の変化率を表す値、または、1つの動作において供給される平均重量を表す測定された量の値を合計することにより得られる値のいずれかから導き出される、工程と、を含む。
【0049】
第10の局面の方法は、好適には、コンピュータ上のソフトウェアによって実行され、粒子の重量を測定する秤から正確な重量が入手可能でない場合にも、供給される粒子の実重量の正確な計算を可能にするように設計される。これによって、多数の個別の動作を実行することにより粒子が供給される粒子供給サイクルを著しく促進する。
【0050】
本発明の第11の局面によって、第1もしくは第2の局面の装置、第3もしくは第4の局面の方法、または第6の局面のプロセッサと共に使用するための見積り関数(estimationfunction)が提供され、この見積り関数は以下の形式を有する。
【0051】
WR=W(t)+C
ここで、WRは見積られた実重量であり、W(t)は現在の見掛け重量であり、Cは補正値であり、ここで、Cは以下の2つの形式のいずれかを有する。
【0052】
【数1】
【0053】
ここで、dW/dt(t)は時間に対する重量変化の現在の見掛け速度であり、Tは時定数であり、nowは現在の時間を表し、now−tpはtp前の時間を表し、M(t)は乗数因子であり、WSTは標準である。
【0054】
本発明は、添付の図面を参照して、非限定的な例としてさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、従来の減圧方法によって粒子を計量する方法を示す一連の模式的な断面側面図を示す。
【図2】図2は、「ドクタリング」として公知の従来の粒子計量方法を示す一連の模式的な断面側面図を示す。
【図3】図3は、本発明の一般概念を示す装置の模式的な部分破断側面図である。
【図4】図4は、本発明による装置を部分破断側面図および簡単な形式で模式的に示す。
【図5】図5は、本発明による方法の第1の実施形態を例示するフローダイアグラムである。
【図6】図6は、秤に重量WRの粒子が瞬間的に詰め込まれることに応じて、秤によって出力された信号が、典型的には、どのように経時的に変動するかを示すグラフを示す。
【図7】図7は、t=0において、秤に重量WRの粒子が瞬間的に詰め込まれることに応じて、高速動作の秤によって出力された信号が、典型的には、どのように経時的に変動するかを示すグラフを示す。
【図8】図8は、本発明による方法の第2の実施形態を例示する別のフローダイアグラムである。
【図9】図9は、秤に大量の粒子が瞬間的に詰め込まれることに応じて、秤によって出力された信号が、典型的には、どのように経時的に変動するかを示す理想化グラフである。
【図10】図10は、秤に個別かつ大量の粒子が連続的に詰め込まれることに応じて、秤によって出力された信号が、典型的には、どのように理想的かつ経時的に変動するかを示すさらなるグラフである。
【図11】図11は、本発明の第3の実施形態による方法を例示するフローダイアグラムを示す。
【図12】図12は、遅延t1に理想化された平均応答(balance response)を示す。
【図13】図13は、本発明の方法の第3の実施形態によって、補正乗数がどのように変動するかを示すグラフを示す。
【図14】図14は、時間に対する重量のさらなるグラフであり、目的物の供給速度がどのように経時的に変動し得るかを示す。
【図15】図15は、第2または第3の実施形態に類似する方法であるが、供給速度制御を利用し、固定した測定値を出力する方法を例示するさらなるフローダイアグラムである。
【図16】図16は、第1の実施形態に類似する方法であるが、供給速度制御を利用する方法を例示するさらに別のフローダイアグラムである。
【図17】図17は、本発明の方法を実行するために使用される好適な装置の模式的な側面図を示す。
【図18】図18は、粒子供給ステーションとして構成される本発明による3つのデバイスを、上からの透視図として示す。
【図19】図19は、図18の装置のサンプリングチューブおよびバッチホッパーを、部分破断側面図として示す。
【図20】図20は、本発明によって提供されるような製造デバイスを、平面図として模式的に示す。
【図21】図21は、図20の線A−Aに沿う部分破断側面図である。
【図22】図22は、大規模なプロダクションランに使用するための本発明の例示的な実施形態を、上からの透視図として模式的に示す。
【図23】図23は、取り外し可能なクランプおよび空気上昇/低下デバイスを有する本発明による粒子供給デバイスの透視図である。
【図24】図24は、図23の一部分の分解図である。
【図25】図25は、図23に示す装置の断面側面図である。
【図26】図26は、装置の重量と見積られた実重量とが、典型的な供給サイクルにおいてどのように変動するかを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0056】
(装置の概要)
本発明による装置の概要が図3に示される。この図面で理解され得るように、この装置は3つの主要な構成要素を有する。第1の構成要素は、粒子保持装置31であり、その領域内に粒子32を保持する機能を果たす。この粒子保持装置は、制御手段33に作動的に連結され、この制御手段33は、粒子保持装置に粒子のいくつかを放出させる信号35を送り得る。この制御手段はまた、重量測定デバイス34に作動的に連結される。この重量測定デバイスは、粒子保持装置31から放出される粒子を受け取り、それらの累積重量を測定するように構成される。この重量測定は、制御手段33に信号36として送られる。
【0057】
好適な装置が図4により詳細に示される。粒子保持装置31は、図示のように、底部の直径が小さな(好適には、1mm〜3mmであるが、10mmまで可能である)実質的に円錐台形のホッパーによって構成される。ホッパーの下端に漉し器46があり、この漉し器46は、ほぼ130μmの穴を有する電鋳されたメッシュであり得る。穴のサイズは、供給される粒子の性質を顧慮して選択される。例えば、DNAコーティングされた金の粒子を供給する際に適切な値は130μmであり、リドカイン粒子(直径が約30μm)に適切なのは250μmであり、アルプロスタジルは200μm〜300μmの値を必要とする。最適な穴のサイズは、典型的には、粒子のサイズおよび他の要因(例えば、粉末処方物の流動性)を顧慮して求められる。実証的試行および誤差を用いて、特定の処方物の穴のサイズは完全に最適化され得る。薬剤の用途に関して、ホッパーおよび漉し器は、好適には、それぞれ316ステンレス鋼からなり、その上、中間的な交換バッチの洗浄および殺菌(必要な場合)を補助するために互いから取り外し可能である。さらなる選択肢として、一体型ステンレス鋼、または、成形されたプラスチックホッパーおよび漉し器が使用され得る。プラスチックが使用される場合、ホッパーおよび漉し器は、中間バッチを簡単に処分し得る。ホッパー自体の直径は、任意の適切な形状であり得、供給されるべき粒子の質量を顧慮して選択され得る。リドカインに関して適切な値は、例えば、10mmである。粒子32はホッパー内に配置され、ホッパーが任意の外部振動から免れると、平均粒子サイズ(名目上の直径)がメッシュの開口部の直径または他の関連する寸法より小さいにも関わらず、メッシュを通って落ちることなくホッパー内に安定して位置することが可能である。これは、漉し器の開口部が粒子によって塞がれて、装置が定常状態にある間、ホッパー内に粒子を物理的に保持するために達成される。閉塞は、漉し器の近傍の周りに局部集中して、ホッパーに外部振動または他の運動を適用することにより一時的に緩和され得る。この漉し器は、外部エネルギーを適用しても粒子が漉し器を通って流れないほど閉塞しない。これを保証するために、ホッパーは、粒子が実質的に流動的であり続けることを保証する別の装置を提供されるか、またはその装置に取り付けられる。粒子を流動化するこのような装置は、当該分野において標準的であり、本明細書中での説明を省略する。別の可能性として、粒子を化学的に処置して、その流動性を保証する。任意の標準的な流動化技術が実際に使用され得る。
【0058】
制御手段33は、好適には、電子プロセッサからなり、より好適には、VisualBASICまたはC++などの言語によってプログラミングされたパーソナルコンピュータである。このプロセッサは、粒子放出を行う手段41に信号35を送信し得、この粒子放出を行う手段41は、好適には、ソレノイドなどの電気機械的アクチュエータによって構成される。図4に示されるソレノイドは、実質的に垂直な外表面を有するホッパの側面に衝突しており、これが好適な構成である。別の構成は、アクチュエータをホッパーの上部に衝突させる試みに成功しているが、結果の統一性(すなわち、同一エネルギーの衝突に応じて供給される粒子の質量の再現性)という点と、詰め替えのためにホッパーにアクセスするという点とで2つの不利益を有することが分かっている。
【0059】
プロセッサ33は、アクチュエータ41に信号35を送り、この信号35は、信号を受信するとアクチュエータが及ぼす衝突エネルギーに対応する特徴を有する。例えば、この信号は、よりエネルギー性のある衝突を達成するために、より高いマグニチュードを有し得る。好適には、この信号は、振幅によって変調された電圧方形波である。
【0060】
重量測定デバイス34は、少量を測定するために使用される標準的な秤であり得、典型的には、60gの動的範囲および10μgの正確さを有し得る。例えば、MettlerToledo SAG285(R)の秤が適切である。システム全体の正確さを改善することが所望の場合、より正確な秤(例えば、SartoriusMC5(R))が代わりに使用され得る。システム全体の速度を改良することが所望の場合、より低い動的範囲を有する秤(おそらく、特別に製造された秤)が使用され得る。重量測定デバイス34は、秤に与えられる重量の関数(例えば、比例関数)である信号36をプロセッサ33に提供する。測定された重量は、典型的には、粒子保持装置からすでに供給された粒子43の重量と、粒子保持装置31を離れる粒子45の全てを実質的に捕えることが可能な秤34上の位置に配置されるカセット42の重量との合計である。図4は略図の形式でのみ示され、実際の実施形態において、粒子45が漉し器46を離れてカセット42内に落ちないことがあり得ないことを保証するような手段が講じられることに留意するべきである。これは通常、カセットキャビティの領域内に漉し器を配置して、カセットから逃れるためには、粒子が垂直に上向きの動作成分を有することを必要とすることにより達成される。
【0061】
用語「カセット」は米国特許第5,630,796号に記載される種類のカセットを含むが、この用語は任意の形式の収納装置も含むことを意図することに留意するべきである。例えば、用語カセットはまた、ポケット、カートリッジ、乾燥粉末吸入器のためのブリスター、薬物送達デバイスのためのカートリッジ、薬物の経口送達のためのカプセルなどを含む。実際、用語カセットは、粒子を供給することが望ましい任意のものを含むことを意図する。これは賦形剤からなる基板を含み得、この基板に粒子は供給され得、その結果、さらなる基板がその上に配置され得、2つの賦形剤基板の間に供給された粒子を「間に挟む」。完全なパッケージは、経口的に摂取されるタブレットとして使用され得、このタブレットは、賦形剤が患者の胃の中で破壊された場合にのみ、供給された粒子を放出する。用語カセットはまた、中間的な保持デバイスを覆うことを意図し、所望の位置に転送する前に、計量しながら中間的な保持デバイス内に粒子の用量を入れる。例えば、ブリスター、基板、または任意の他の容器内へと転送する(傾かせるか、または任意の適切な方法によって)前に、計量しながらカセット内に粒子を入れ得る。これは、最終的なユニットへの粒子転送を可能にするという利点を有し、この最終的なユニットは、粒子の用量より著しく重たいか、または適切に計量するには大きすぎる(例えば、ブリスターを含むテープ)。この構成のさらなる利点は、急速計量の形態に適合することであり、この形態において、いくつかの(例えば、10)カセットが同時に詰め込まれ、より小さな数(例えば、3)のカセットが最終的な容器内へと空にされ、その組み合わせにより所望の最終重量が与えられる。
【0062】
有利なことに封入物44が提供されて、重量測定デバイスおよび粒子保持装置を覆い、システムは、ドラフトまたは他の環境要因によって影響を受けない。この封入物は、好適には、重量測定デバイスを少なくとも覆うが、作動手段41および粒子保持装置31も覆い得る(図4に示すように)。
【0063】
最初に、粒子保持装置31は、少なくとも1つのカセット42を満たすのに十分な粒子32の蓄えを詰め込まれる。好適には、粒子32の蓄えは、複数のカセット(例えば、70)を満たすのに十分である。粒子32の蓄えが最初に漉し器45を塞いで、漉し器に隣接する粒子は、不安定な平衡状態になる。ホッパーの任意の小さな摂動は、この不安定な平衡状態を引っくり返す機能を果たし、漉し器を通っていくつかの粒子を落とし得る。特定の数の粒子が落ち、さらなる摂動が起きない場合、別の不安定な平衡状態の位置が達成され、漉し器が再び塞がれ、粒子の正確な用量が供給されるまでこの手順が繰り返されることが可能である。
【0064】
実際、粒子保持装置31への摂動は、図4の装置において粒子保持装置31を「軽くたたく」機能を果たすアクチュエータ41によって提供される。このタッピング(tapping)は、典型的には、アクチュエータを駆動するための固定された幅の電圧方形波を用いて達成される。
【0065】
この実施形態において、アクチュエータはソレノイドであるが、通常、モータ、ばねなどを含む任意の適切なデバイスまたはシステムによって表され得る。このタッピング(tap)によって、少量の粒子が放出され、重量測定デバイス34上に配置された薬物カセット42内へと落とされる。この量は、タッピングのエネルギーに比例する傾向があるが、平均値のいずれかの側にいくらか変動する。これは、特定のエネルギーの動作が異常に大量の粒子を取り除く場合に問題であり得るが、この問題は、供給サイクルの最終ステージの間に非常に低いエネルギーのタッピングを提供して、消費されたエネルギーに関する異常に大量の取り除かれた粒子に、供給された粒子の全体の重量を重量耐性の2倍より多くさせないことにより改善され得る(耐性は、所望の量のいずれかの側の重量として定義され、例えば、10μgの耐性は、所望の量のいずれかの側に±10μgを意味する)。
【0066】
通常、重量測定デバイスからの、放出された粒子の重量と薬物カセットの重量とを表す(重量測定デバイスは、薬物カセットの重量を示さず、放出された粒子の重量だけを示さすように(自重機能を用いて)較正され得る)信号36は、プロセッサ33に提供され、このプロセッサ33は、入手した重量測定の結果を用いてさらなる計算を実行し得る。次いで、供給された粒子の重量が、プロセッサ33のメモリ内に格納されている所定の値より大きいか、またはそれに等しいかを調べるために比較が行われる。この所定の値は、好適には、供給されるべき所望の粒子重量から、耐性重量を引いた値である。供給された粒子の重量が所定の値より大きくない、またはそれに等しくない場合、不十分な粒子が供給されており、プロセッサ33は、アクチュエータ41に信号を送って粒子保持装置31に別のタッピングを行い、別の少量の粒子を放出する。次いで、別の重量チェックおよび比較が行われる。このサイクルは、所望の粒子重量が達成されるか、またはそれを超えるまで繰り返され、この時点でこのプロセスは終了する。
【0067】
記載された装置を用いて、供給された粒子重量の閉ループ制御を実行することが可能である。プロセッサ31は、重量測定デバイス34から出る信号36に基づいてアクチュエータ41を作動させるか否かを決定する。プロセッサは、アクチュエータ41が粒子保持器31に伝達する衝撃エネルギー量も制御し得る。このようにして、正確に分量分けされた粒子量をカセットに供給し得る。
【0068】
本発明の装置は、特に、質量によって少量の粒子を供給する際に有利である。供給されるべき量は、典型的には5mgより少なく、好適には、以下の範囲(減少していく順序で列挙する):0〜4mg;0〜3mg;0〜2.5mg;0〜2mg;0〜1mg;0〜0.5mg内であり得る。上述の範囲は、量0を含まない。
【0069】
ここで、本発明の局面による方法の例示的な実施形態を、図5〜図22を参照しながら説明する。概して、これらの方法は、図4または図17に示す装置によって実行され得るが、これらに限定されない。任意の適切な装置を実際には用いることが可能である。
【0070】
(方法の第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態による粒子を分量分けする方法を、図5のフロー図によって模式的に示す。
【0071】
この実施形態は、本発明のより簡単な形態のうちの一つを示す。まず、プロセッサ33によって、アクチュエータ41が、粒子保持器31上の制御タッピングに影響を及ぼす。タッピングの大きさは、信号35の特性(例えば、周波数、電圧の大きさまたは信号のパルス幅)を変化させることによって制御され得、用いられる初期値はメモリ内に格納され得る。しかし、アクチュエータが毎回粒子保持器に対して標準のタッピングを実行すれば、タッピングの大きさを変化させる必要はない。本明細書において記載される「タッピング」は、所定の大きさおよび持続期間の一連のタッピングからもなり、または実際、連続振動または断続的振動の形態を取り得る。タッピングによって、粒子保持器内の粒子のいくつかが、閉塞した位置から取り除かれ、メッシュ46内のアパーチャを通過し、秤上に置かれたカセット上に到着する。次いで、プロセッサは、信号36の値をチェックして、タッピング動作の結果、供給された粒子量を確かめる。次いで、この重量Wは、所定の所望する重量Wsと比較されて、タッピングがさらに必要であるか否かが判定される。タッピングがさらに必要な場合、サイクルは、重量測定デバイスによって測定される重量が許容量に達するまで繰り返す。
【0072】
通常、メモリ内に格納された所定の重量値Wsは、システムの許容度に等しい値だけ、所望の最終重量より幾分小さい。例えば、所望する供給重量が500μgであり、許容度が−10μgである場合、所定値Wsは490μgである。これは、測定重量が、所定の重量以上であるか否かをシステムのみがチェックするからである。所定の重量が最低値に出来るだけ近い場合、カセットからあふれ出る危険が少なくなる。このシステムでは、所定値になったりまたは所定値を越えた場合のみサイクルが止まるため、カセットが手前まで満たされる(すなわち、所定重量まで満たされない)ことが防止される。
【0073】
実際、秤をプログラムして、サンプリングされた重量値を規則的な間隔(例えば、MettlerSAG285の秤を用いた場合約0.25秒ごと、またはSartorius MC5の秤を用いた場合一秒当たり10回)でプロセッサに出力することが可能になる。特に改変された秤を用いた場合、一秒当たり30回までが可能である。プロセッサによって、アクチュエータが粒子保持器をタッピングした後、プロセッサは、秤から得たバッファの最近の値からプロセッサに利用可能な値を取る。実際に、重量がサンプリング期間に比べて極めてゆっくりと変化し得るため(バッファ(例えば、4つの値を保持し得る)内の全ての値が概ね類似していることを意味する)、測定された値が必ずしも最も最近の重量値である必要がない。測定される値が最も最近の測定値であることが好適である。すなわち、本発明を効果的に動作させるために、粒子保持器31のタッピングおよび重量信号の秤からの出力を、同時に実行する必要はない。
【0074】
このプロセスおよび装置によって、粒子を極度に正確に分量分けすることが可能になる。なぜならば、(低い作動衝撃エネルギーおよび少数のアパーチャを用いることによって)各タッピングの後、ごく少数の粒子のみがホッパーを離れるように構成され得るからである。例えば、10μgの粒子のみが各タッピングの後ホッパーを離れる場合、所望の量の5μg内まで、正確に分量分けすることが達成され得る。しかし、各タッピングの後、離れる実際の粒子量は、1μgまたはさらに1μgより低い場合がある。これは、相対的な粒子/ふるいのサイズおよび作動エネルギーに依存する。
【0075】
(方法の第二の実施形態)
実際には、標準の秤を用いた場合、正確な読み取り値が瞬時には得られないことが観測されている。粒子45は、粒子保持器31から非常に速く落ちて、非常に短期間(例えば、0.25秒より短い期間)の後、薬物カセット42内に定着する。しかし、秤が正確な重量測定値を得るには、沈下するために比較的長い時間量がかかる場合がある。図6は、MettlerSAG285の秤の静電インパルス応答を示し、時間t=0において付与された突然の負荷の増加にいかに秤が応答するかの典型的な曲線である。(t=0において)秤に付与された粒子重量はWRである。これに応答して、秤の出力測定信号は、何も起こらなかった場合には遅延し、S型の曲線を生じる値WRへの近似指数アプローチ(approximately exponential approach)が続く。このS型の曲線は、秤が出力する測定値を示し、これにより、任意の時間における秤上の見かけ粒子重量も示す。これは「測定見かけ重量」である。したがって、測定見かけ重量が正しい値に達するまで多くの秒がかかり得ることが理解され得る。この曲線の正確な形状は、秤の設計に依存する。
【0076】
例えば、(図6に示すように)Mettlerの秤の安定時間は、約4秒である(これは4秒で正確な安定重量に達することを意味する)。多くのタッピングが必要であり、各タッピング間に4秒間待つ必要がある場合、粒子カセットを満たすためにかかる時間は法外に長くなる。これは、より短い時間で安定重量に落ち着く秤を用いることによってある程度対処し得る。例えば、SartoriusMC5の秤の安定曲線を図7に示す。図7から、安定重量が約2.2秒で達成されることが理解され得る。しかし、瞬時に応答が得られない問題が依然存在し、図8に示す改良した方法が、これを改良するために開発された。
【0077】
この実施形態は、図6および図7の曲線の後の方の部分が図9に示す種類の単純な指数曲線Cと近似するという観察に基づく。図8の方法は、図9に示す指数曲線Cが図6に示す実際の曲線の最終部分にかなり近似するという概算に基づく。図9の曲線は、以下の式によって示され得る。
【0078】
【数2】
【0079】
Wは、瞬間重量測定値であり、WRは、秤上に落ちた粒子の実際の重量であり、Tは、秤と関連した時定数であり、tは時間である。これを時間に対して微分すると、
【0080】
【数3】
【0081】
が得られる。(2)のe-1の項を(1)に代入すると、
【0082】
【数4】
【0083】
が得られる。再構成することにより、時間tの任意の点における絶対重量値Wおよび勾配dW/dtにのみ基づいてWRに関する値が得られる。
【0084】
【数5】
【0085】
したがって、指数特性を仮定することによって、秤の電流値、電流勾配および時定数Tのみの知識から、秤が達する最終値を予測することが可能になる。測定重量の見かけの変動率を用いて、測定重量を補正し、実際の重量に近い値を得ることが可能である。
【0086】
第二の実施形態の方法は、図8に示すような、最初の重量工程の後さらに二つの工程が提供される点を除けば、第一の実施形態の方法に類似する。一回の作動後、粒子は、秤上にほぼ瞬時に堆積され、図6(または図7)の曲線に沿って実際の重量値まで移動することによって秤が反応する。測定見かけ重量信号は、プロセッサによって継続的にモニタリングされ(適切な速度で(例えば、Sartoriusの秤を用いて、一秒当たり30回)サンプリングすることによってモニタリングされ)、重量が増加するように見える速度(dW/dt)が計算される。したがって、秤上に粒子が堆積された後、秤上の実際の粒子重量が一定のままである場合でも、dW/dtは、粒子が供給される見かけ速度である。見かけ重量は、粒子が供給された実際の速度に対応しない。なぜならば、実際には、粒子がほぼ瞬時に供給されるからである。次いで、見かけ重量測定値Wおよび速度測定値dW/dtを用いて、上述の式(4)を用いて秤の最終安定重量WRを推定する。例えば、一秒後に、重量が特定の値になり、重量対時間のグラフの勾配が特定の値になることが知られる場合、4秒後(秤が最終値に落ち着く場合)の重量を決定することが可能である。
【0087】
次いで、この推定の最終値がメモリ内に格納された所定の値と比べられて、粒子の正しい総質量が供給されたか否かがチェックされる。正しい量が供給されていない場合、粒子保持器31が再度タッピングされて、プロセスが繰り返される。このように供給された重量を推定すると、デバイスの動作を一段と速くすることが可能になる。なぜならば、秤が落ち着くのを待つ必要がなくなるからである。
【0088】
実際、二つの点1および2における重量値、ならびにこれらの重量測定値を測定する間の時間を用いて、見かけ供給速度が計算される。したがって、プロセッサ33がメモリ内に過去の重量測定値を示す値およびこれらの測定が行われた時間を示す値を格納することが有用である。次いで、重量dW/dtの増加速度が(W2−W1)/(t2−t1)を計算することによって計算され得る。あるいは、周知のアナログ電子方法を用いて、見かけ重量対時間の曲線を微分することが可能である。
【0089】
秤のインパルス応答は、すべての場合において、真の指数曲線であるわけではない。これを説明するために、時定数Tに対して選択された値が変化し得、最適値となる。
係数Tの選択は、好適には、実験的に得られるが、通常、ほぼ1秒、0.5〜2秒の範囲、より好適には0.8〜1.2秒の範囲であることが見受けられる。
【0090】
この方法を実行している間、粒子保持器31が何度もタッピングされて、任意の時間における瞬時の重量測定は、概して、経時的に散布される多くの小さな個々のインパルス応答から形成される。概して、各タッピングの後、秤にあたる粒子量が正確に予測可能でも一定でもないため、これらの応答は異なる大きさからなることが理解されるべきである。典型的な秤出力信号を図10に示す。点線は、各タッピングの後、秤にあたる粒子団に対する秤の応答を示す。線形性の近似をすれば、得られる信号(実線)は多くのより小さなインパルス応答からなる複合曲線である。
【0091】
例えば、図10における通常点tを測定すると、この点における重量測定値は、三つのタッピングに起因するインパルス応答からなる。したがって、点tにおける測定重量は、
【0092】
【数6】
【0093】
であり、t2およびt3は第二および第三のインパルス応答が開始する時間軸上の点であり、W1、W2およびW3は各個々のインパルス応答の最終値である。点tにおける勾配は、
【0094】
【数7】
【0095】
によって与えられる。適切な代入を行うと、
【0096】
【数8】
【0097】
が得られる。これにより、その時点で測定された値およびその時点の勾配の項からのみ、最終出力(W1+W2+W3)が得られる。すなわち、式(4)は、一つより多いタッピングが現在、測定された値に影響を与える場合でも依然よい近似値である。
【0098】
(方法の第三の実施形態)
方法の第三の実施形態は、測定見かけ重量に追加され得る補正値を計算する別の方法を提供する。これにより、任意のある時間において秤34上の実際の粒子量に関するより正確な値を得ることが可能になる。第三の実施形態の方法は、第二の実施形態に関する上述の方法に比べて多くの利点を有する。まず、この方法は、より実験的であり、これにより、実際に観測される現象を考慮する。したがって、方法は、秤の実際の安定する曲線が真の指数ではなく、よりS型である点を考慮する。第二に、第二の実施形態における変動率を計算する場合、誤った結果を得る場合がある。なぜならば、実際の安定曲線はS型であり、これは、同じ勾配を有する二つの位置があることを意味する。したがって、同じ補正量が二つの位置において得られ、この量は両方の位置にとって正しくない。第三の実施形態の方法にはこの問題がない。さらに、第三の実施形態の方法によって、供給サイクルが、いかなる逆効果もなく、中断および再度開始することができるようになる。第二の実施形態の方法が用いられる場合に、供給サイクルが中断されると、供給速度の異常値が生じ、不正確な供給が得られる場合がある。
【0099】
第三の実施形態に関するフローチャートを図11に示す。理解され得るように、この方法は、補正値を計算するために見かけ供給速度が必要ない点を除けば、図8の方法に非常に類似する。
【0100】
この方法の第三の実施形態が提供するのは、測定見かけ重量に追加された補正が実行されたタッピングの最近の履歴によって判定されることである。したがって、用いられる装置は、粒子解放アクチュエータが時間通りに作動されるときを記録できる必要がある。簡単に言うと、秤の応答は、単なる時間t1の遅延としてモデリングされ得る。この応答を図12に示す。図12から理解され得るように、質量WRが秤に付与される場合で、正しい重量測定値が出力されると、時間t1まで出力重量測定値は全く変化しない。秤がこのような特性を有する場合、第三の実施形態の方法が提供するのは、時間t1にちょうど等しい経過時間に生じる作動数を乗算した重量WRに、補正値が等しいことである。したがって、t1が一秒に等しく、三つの作動が最後の一秒に生じる場合、補正値は3WRに等しい。このようにして、任意のある時間において秤上の実際の粒子重量を計算する場合に、生じたが登録されていない作動が考慮される。補正計算において用いられる量WRは、格納された重量であり、これは一回の作動によって供給された重量と同じ重量であると仮定される。もちろん、任意の一回の作動の結果、供給される実際の重量は、測定されるまで未知である。したがって、少量の誤差が、毎回の作動が「標準」粒子重量であると仮定して導入される。
【0101】
上述の計算を以下の式に要約することが可能である。
【0102】
【数9】
【0103】
Cは、測定見かけ重量に追加された補正重量であり、「now」はその時点の時間を示し、「now−tp」は時間tp前を示し、WSTは標準重量値である。
したがって、補正値は、時間期間(now−tp)から(now)までに生じた各タッピングの合計であると見られ得る。
【0104】
実際、秤の安定曲線は、純粋な遅延ではなく、例えば、図6または図7に示す形態を実際に有する。これを説明するために、上述の「標準」タッピング重量は、補正値計算に含まれる前に、何らかの尺度調整を受ける可能性がある。
【0105】
図7から明白であるように、アクチュエータがちょうど作動を実行したばかりの場合、実質的にすべての標準重量WSTが補正として追加される必要がある。なぜならば、秤が作動にまだ達しないからである。しかし、さらなる過去においての作動に関して、標準の重量より軽い重量が補正として追加される必要がある。なぜならば、秤が作動に対してある程度反応するからである。次いでイメージ化され得るように、水平軸周辺で図7のグラフを単にフリッピング(flip)することによって、標準重量の正規化関数を得て、過去における異なる回数分行われた作動に対して、いかに大きな補正値であるべきかを示すグラフを得ることが可能である。このようなグラフの線形近似値を図13に示す。したがって、S型の秤の安定曲線を説明するために、0〜1の範囲内にある補正乗算数が規定される。補正値を確立するために用いられるそれぞれの標準タッピング重量は、まず適切な補正乗算数Mによって乗算される。補正乗算数の値は、図13のグラフから見い出される。例えば、アクチュエータが0〜0.35秒前に作動された場合、補正乗算数Mは1である。これは、標準タッピング重量WSTが1によって乗算された結果、総標準タッピング重量WSTが0〜0.35秒前の作動に対して、補正値に追加されることを意味する。0.35〜1.35秒前までに行われる作動に関して、補正乗算数は、1〜0の間で線形的に変化する。したがって、0.85秒前に生じた作動は、この作動と関連し、0.5の補正乗算数は、標準タッピング重量の半分が、この作動に対して補正値に追加されることを意味する。このようにして、より遠い過去において生じた作動には、実行されたばかりの作動よりも少ない待ち時間が与えられる。これは、以下の式に要約され得る。
【0106】
【数10】
【0107】
M(t)は、例えば、図13の乗算要素グラフである。
この方法は、供給サイクルが突然停止して、次いで再度開始した場合の、第二の実施形態における変動率を計算する場合に遭遇する問題を被らない。さらに、この方法は、異なる重量において同じ勾配を有する二つの部分が安定曲線にあり得るという問題を被らない。なぜならば、純粋にどのぐらい前に作動があったか、および近年に何回作動があったかによって、補正量が決定されるからである。グラフの勾配は、大きな変化に対してロバースト性を有さず弱く、この結果大きな不正確性を生じさせ、補正量は、このグラフの勾配によっては決定されない。
【0108】
第三の実施形態の方法は、「標準」重量がメモリ内に格納されることを必要とし、任意の所与のタッピング内に供給される実際の粒子重量の近似値として用いられる。環境要素を変更することは、タッピング内で供給された平均の実際の粒子重量が時間と共に変化することを示し得る。これを説明するには、格納された「標準」重量を、完全な供給サイクルの最後で更新して、このような変更を説明することが可能である。この実施形態において、この更新は、最後のサイクルにおいて供給された総重量を最後のサイクルにおいてこの重量を供給するために用いられるタッピングの総数によって除算することによって実行される。したがって、最後のサイクルが50回のタッピング内に500μgを送達する場合、格納された「標準」重量が10μgに設定される。次いで、この値は、次の供給サイクルにおいて実際に供給された重量を計算する場合に用いられる。
【0109】
図13に示す補正乗算数のグラフは、好適には、実験的に最適化されることに留意されたい。なぜならば、補正乗算数のグラフが水平軸周辺でフリッピングされる秤の静電安定曲線に常に対応しているわけではないからである。これは、秤の動的安定曲線が測定静電安定曲線とは異なり得るからである。すなわち、安定時間は、秤が静止した後に粒子の衝撃が付与され安定状態になる場合に観測されるより、秤が継続的に粒子を装填される場合、実際にはもっと短くなり得る。したがって、秤が動的読み取り状態になった後、安定時間が効果的に減少する。この点は、上述の図7および図13に示される。図13は、1.35秒より以前の作動は考慮されていないことを示し、図7の静電曲線は、1.35秒前の作動は約0.4の補正乗算数を必要とすることを示すことが留意され得る。
【0110】
(方法の第四の実施形態)
第四の実施形態は、上述の供給方法のいずれかと共に用いられ得る動作パラメータに対するさらなる計算および調整を含む。
【0111】
粒子保持器31によって解放される粒子数は、衝撃エネルギーに対する関係を有し、この衝撃エネルギーを用いて、粒子保持器31がアクチュエータ41によってタッピングされることが分かる。したがって、より強くタッピングすると、通常、より多くの粒子が解放され、より弱くタッピングすると、通常、より少ない粒子が解放される。高い正確性を得るために粒子の分量分けが必要である場合に、この点は有利に用いられ得るが、必要な許容度に比較してより多く分量分けすることが必要である。例えば、10μgのタッピングを正確に分量分けすることが、500μgを分量分けするために必要な場合、図5の方法では、10μgを約50回、実行する必要がある。これは、第二および第三の実施形態において上述したように、測定された供給速度または最近のタッピングの合計に基づいた補正を用いて、実際の重量が推定される場合でさえも、好ましくない長い時間量がかかり得る。したがって、第四の実施形態は、改良された方法を提供し、これにより、より強いタッピングが分量分けプロセスの開始時あたりで実行され、(正確性が高いことが必要である場合には)力の弱いタッピングが終了時あたりで実行される。
【0112】
これは、任意のある時間において達成される実際の供給速度に対応するように意図された目標の供給速度を事前決定することによって達成される。図14は、いかに目標供給速度が時間と共に変化するかの好適な構成を示す、重量対時間のグラフを示す。理解され得るように、速い供給速度は、早期において必要であるが、遅い供給速度は、実際の重量供給が目標量に達する際に必要であるという事実を目標供給速度は反映している。プロセッサは、測定された見かけ重量値(または適切な場合には推定された実際の重量値)が所定の値WCに達したか否かをチェックする。達した場合、目標供給速度は、図14に示すように異なる低い所定の値まで減少する。所望の量とWCとの比率は、通常、一定に保たれ、この所望の最終重量にこの比率を乗算することによってWCが容易に得られ得る。上述したように、目標供給速度が減少すると、アクチュエータに弱くタッピングさせる効果が生じ、これにより、ユニット時間ごとにより少ない粒子が供給される。
【0113】
図15は、第四の実施形態の上述の特徴が第二の実施形態の方法と組み合わされる図8のフロー図と類似のフロー図を示す。主な差異は、計算された供給速度(dW/dt)が目標速度と比較されて、これにしたがって(粒子リリースアクチュエータに提供される信号の特性を適切に調整することによって)タッピング力が調整されることである。計算された供給速度は、最低および最高の目標供給速度値(最低および最高)と比較される。計算された速度があまりに遅い場合、次のサイクルおよび続きのサイクルにおけるタッピング力が増加する。計算された速度があまりに速い場合、次のサイクルおよび続きのサイクルにおけるタッピング力が減少する。したがって、最初に、(最高および最低の高い値を設定することによって)速い目標速度が設定された場合、タッピング力は、目標速度が達成されるまで増加する。最高および最低の値を同じ値に設定することが可能であるが、概して、最高および最低の値は異なり、任意の時間において許容可能な目標速度の範囲が可能になる。
【0114】
目標速度の値の選択は、概して、推定された実際の重量の絶対値によって決定され、これにより、推定された実際の重量が増加するにしたがって、設定された目標速度が降下し、タッピング力が減少する。これにより、減少した時間量において正確な分量分けを達成することが可能になる。二つの目標速度を図14に示すが、さらに多くの速度を用いたり、絶えず調整する目標速度(例えば、推定された実際の重量に逆比例した速度)を用いることが可能である。
【0115】
推定された重量に基づいた制御が実際によく機能する一方、調節する目的から、カセットが封入される前にカセット内の粒子の正確な最終重量を知る必要がしばしばある。したがって、安定した読み取りを行うさらなる工程が、この実施形態(図15)において行われる。この工程は、推定された重量に基づいた比較が供給された十分な粒子を示す場合に行われる。安定した読み取りは、秤が安定するに十分な時間(例えば、2または3秒)を与えることによって行われ、これにより、供給された粒子の真の重量が得られる。実際、連続サンプルの数(例えば、SartoriusMC5の秤では30)は、秤から取られ得、これらは、安定した読み取りが得られたか否かを決定するために比較され得る。例えば、30個のサンプルの各値が、いくつかの所定の量(例えば、2μg)より少ない量だけ変化する場合、安定した読み取りが仮定され得る。この真の安定した重量読み取りが、必要な量に満たない場合、正確な量が得られるまでさらなるタッピングが与えられ得る。安定した読み取りを行うと、供給された粒子の正確な質量が確実となる。
【0116】
図5および図8の実施形態において、安定した読み取りが行われる場合があり、通常、安定した読み取りが行われるが(図示せず)、図15の実施形態に限定されないことに留意されたい。同様に、最終的に安定した読み取りを行う工程は、高い精度で供給された実際の最終的な粒子重量を必ずしも知る必要がない場合に、図15の実施形態から省略され得る。
【0117】
測定された見かけ重量値の補正に基づいて実際の重量を推定する必要性は、速い安定秤が用いられる場合に減少する。したがって、図16の方法は、タッピング力を調整することのみを目的とし、見かけ供給速度を用いて実際の重量を推定しない場合に、見かけ供給速度が計算されるように実行され得る。
【0118】
(装置の好適な実施形態)
図17は、上述の方法のいずれかを実行することに適した装置の特定の実施形態を示す。同様の参照符号は、図4における同様の部分を示す。理解され得るように、この実施形態において、アクチュエータ41は、ロッド120によって、粒子保持器31から離れて置かれる。これは、アクチュエータ41が、重量測定デバイス34の高感度のコンポーネントを妨害し得る電界および磁界を生成するという実際的な理由を有する。ロッド120は、アクチュエータ41によって生成される水平衝撃エネルギーを粒子保持器31の側面に伝達するように機能する。
【0119】
さらに、この実施形態において、粒子保持器31およびアクチュエータ41は、ピボット121およびスプリング122によって支持される。これにより、粒子保持器の下端を上げたり下げたりすることが可能になり、粒子保持器の下端がカセットキャビティ内部にはまり得、これにより、粒子がカセットに入り損ねるあらゆる危険性が減少する。粒子保持器を上げることが可能であり、これにより、いっぱいになったカセットを空のカセットと交換することが可能になる。粒子保持器31がエラストマー支持部123上に取り付けられ、これにより、アクチュエータからの衝撃エネルギーが各タッピングの後、急速に弱められ、これにより、ふるい上のさらなる移動がなくなる。支持部123は、秤に伝達された衝撃エネルギーも防止される。
【0120】
(装置のさらなる実施形態)
中が満たされた多くのカセットを生成する場合、最小の人間の入力によって多くのカセットなどを生成し得る製造システムおよび製造ラインを実施することが望ましい。このようなシステムおよび製造ラインが、薬物および遺伝物質を処理するためにしばしば必須である、クリーンルーム環境に匹敵することがさらに望ましい。
【0121】
図18は、本発明によって三つの供給デバイスを含む粒子分量分けステーションを示す。さらに、別々のデバイスの粒子保持器31を再度満たすように、トラック131に沿って移動可能なバッチホッパー130が設けられる。この実施形態において、各粒子保持器は、約30分間粒子の容量を供し、バッチホッパー130が空の場合に各粒子保持器を再度満たすように動作可能である。これは、粒子保持器31内の層別化の機会を最小限に抑える。これにより、粒子が機械のみによって処理されることが可能になり、人間によって汚染される危険性が少なくなる。
【0122】
図18に示すバッチホッパーを図19により詳細に示す。理解され得るように、逆にしてバッチホッパー130に直接取り付けられ得るサンプルチューブ141内に、粒子140が事前にパッケージ化されるようになる。バッチホッパー自体は、分量分けデバイスの粒子保持器に類似した粒子保持器を含み得、これにより一組の粒子の用量が、製造ライン上の各粒子保持器に供給される。もちろん、正確性の高さを必要としないと、かなり高い目標供給速度を用いることが可能である。
【0123】
サンプルチューブをバッチホッパーに素早くかつ容易に取り付けることが可能であり、多くの製造時間に十分な粒子を含むことが示される。さらに、任意の公知の供給技術によって、バッチホッパー130を製造することが可能であり、これは、本発明の供給方法に限定されない。
【0124】
図20は、開いたカセットを取り込んで、閉じて正確に分量分けされたカセットを出力することが可能な製造ステーションを示す。
この装置は、開いたカセット42を重量測定デバイス34上に移動させる手段150、およびカセットがいっぱいになった後、重量測定デバイスからカセットを取り外す手段を含む。この装置は、一度いっぱいになったカセットを閉める手段152も含む。この実施形態において、カセットを移動させる手段は、中心周辺において回転可能であり、外周周辺に設けられるカセット位置手段151(図20の三つ)を有する環状リング150を含む。図21は、図20のラインA〜Aに沿った側面の断面図を示す。理解され得るように、位置手段151は、カセット上のフランジ181の下のカセット42を支持する。カセット入力位置において、カセットは、コンベヤの動作によって、位置手段のうちの一つに移動される。ホイールが回転する場合、カセットは分量分け位置に移転され、この分量分け点において、秤134のパン上の隆起した表面182によって位置手段151を用いずとも上げられる。次いで、ホイールは、少し上げることによって逆にされ、これにより、位置手段と接触しない秤上にカセットが残される。カセットがいっぱいになった後、ホイールは再度回転して、カセットはカセット出力位置に移転される。ここで、初めて封入されて、次いで、第二のコンベヤの動作によってホイールから取り外される。
【0125】
あるいは、位置決め手段151は、中央制御器によって信号がカセット42に与えられた場合に、カセット42を捕らえ、かつ、解放するように動作し得る。
この実施形態によって、三つのタスクが同時に行われることが可能になる。一つの位置手段が新たなカセットを取り込む一方、もう一つの位置手段は、分量分けされるカセットの近くにあり、最後の位置手段は封入されるカセットを保持する。
【0126】
記載する製造ステーションは、粒子のこぼれおよび汚染の危険性を最小限にするように、カセットがいっぱいになった後すぐに閉じられるという利点を有する。さらに、いっぱいのカセットを取り外して、秤に空のカセットを提供するまでの移動を迅速に達成することが可能である。これにより、秤に対する外乱(disturbance)が最小限に抑えられる。
【0127】
図20の製造ステーションが図18のバッチホッパーシステムと組み合わされ得、これにより、図22に示す製造ラインが得られる。ここで、操作者は、複数の開いているカセット47をカセットインフィードトラック160に供給するためだけに必要であり、カセットは、自動的に分量分けされ、閉じられる。完成品は、アウトフィードトラック161に供給される。したがって、操作者の入力が最小限しか必要でない。
【0128】
カセットインフィードトラック160およびアウトフィードトラック161を、図18の装置と組み合わせて、カセットに粒子を装填する(但し、必ずしもカセットを封入する必要はない)機能を有する製造ステーションを提供することが可能である。インフィードトラック160およびアウトフィードトラック161は、移動ベルトを用いてカセットを運搬する基本的なコンベヤシステムから形成され得る。あるいは、図21のカセット構成を用いる場合、コンベヤは、各カセットのフランジ182がその上に置かれる二つの金属トラックから形成され得る。次いで、カセットは、トラックに沿って相互に押し合うように働き、これにより特定の運搬手段が必要にならない。カセットが分量分けされる際に、同じ製造ステーションにおいて閉められる必要がない場合、インフィードトラックおよびアウトフィードトラックは、単に秤を横断するだけの過程を取り得る。次いで、(すでに記載したような)秤上の隆起部分は、トラックからカセットを持ち上げて、正確な重量測定を可能にする役に立つ。コンベヤがいかなる形態を取ろうとも、供給装置を制御するために用いられるように、同じプロセッサによって有利に制御される。
【0129】
本発明の装置において、送達速度は、タッピングの頻度、タッピングの衝撃エネルギーおよびアパーチャサイズを変化させることによって、広範囲にわたって制御可能である。これらのパラメータのいずれかを変化させると、供給される粒子の特定の種類に適切なデバイスが提供される。
【0130】
記載される閉ループシステムは、材料の可変性およびプロセス状態の可変性を許容するという利点を有する。タッピングごとの送達は必ずしも正確ではない点を克服する。
さらに、本発明は、粒子を損傷する危険性が非常に低いという利点も有する。これは、DNAでコーティングされた金の粒子を供給する場合に特に有利である。さらに、ハードウェアに比較的移動部分がないため、粒子がトラップされ損傷される機会がより少ない。さらに、デバイスの単純さにより、製薬化合物を分量分けする場合にしばしば必要なクリーンルーム環境に匹敵する。
【0131】
本発明の粒子保持器31は、着脱可能であり、使い捨てであり得る。これにより別々の粒子保持器が異なる薬物に用いられ得る。これにより、異なる粒子の種類に同じ保持器が用いられる場合、生じ得るバッチクロスオーバの問題が回避される。
【0132】
時には、粒子は、粒子保持器31内に詰め込まれ、これにより全体的な供給速度が遅くなり、供給時間が長くなる。これを緩和するためには、粒子保持器が二つの端部を有し、各端部におけるふるいによって反転可能である。プロセッサ33によって指図される種々の時間的な点において、粒子保持器は180°反転され得、これにより供給が他のふるいを通り続ける。これにより、保持器内に過度な粒子が詰め込まれることが防止され、粒子が粒子保持器内に残される全時間にわたって、円滑で迅速な供給が保証される。あるいは、掻き回す手段または他の供給手段を用いて、詰め込みを妨害することが可能である。この問題を解決する別の方法は、上部が閉まった標準粒子保持器を用いて、連続的にこれを二回反転させる(すなわち、360°回転させる)ことである。これは、詰め込みを妨害し、より速い供給を可能にする。この種類の妨害は、規則的に(例えば、10分ごとに)実行され得る。あるいは(またはさらに)、標準の流動技術を用いて、粒子の詰め込みを制限することが可能である。
【0133】
ドラフト効果から重量測定デバイスを分離するための封入物があるため、本発明は、薄層状のフローチャンバ内に見られるような、高い空気の移動においてさえも申し分なく動作することが見受けられる。したがって、本発明は、特にクリーンな環境が必要な場合、薄層状のフローエリア内で効果的に使用され得る。
【0134】
図23〜図25は、図17に示す粒子供給デバイスに類似した粒子供給デバイスのさらなる実施形態の斜視図を示す。ホッパー31は、クランプ230によってロッド120に取り付けられる。図24から理解され得るように、クランプ230は、ボルトによってロッドにしっかり締められ、ホッパーの外部表面の溝と係合して、これにより、垂直方向での移動が防止される。ホッパー31は、ロッド120の一端において円錐ホール242内にあり、これにより、ロッド120に対して横方向に移動することが防止される。図17の実施形態と同様、ソレノイドアクチュエータ41は、ロッド120のもう一方の端部に配置されて、実質的に水平の衝撃力をロッド120に伝えて、この結果ホッパー31に伝わる。ロッド120は、二つのサスペンションアーム240によって部材244に接続される。これらのサスペンションアーム240は、水平方向において比較的フレキシブルであるように設計され、これにより、ロッド120が部材244に対して水平に移動することが可能である。この移動は、サスペンションアーム240の一つまたは両方および部材244に接続されたダンパシリンダー232によってダンピングする。部材244は、固定されたベースプレート246に対して、ピン121の周辺で回転する。この構成により、部材244、シリンダー232、腕240、ロッド120、アクチュエータ41、クランプ230およびホッパー31を含む供給装置のほとんどがピン121によって規定される軸の周辺で回転することが可能になる。これにより、ホッパーが実質的に垂直に移動し、カセット42内にふるい46を入れたり、カセット42からふるい46を出すことが可能になる。上げたり下げたりすることは、ベースプレート246の下に配置された空気圧アクチュエータ234によって自動的に達成される。アクチュエータ234により、上げ部材/下げ部材236を上げたり下げたりして、垂直力が接続ピン238を介して、部材244に伝達されるようにする。このようにして、部材244は、ピン121の周辺で回転して、ホッパー31を上げたり下げたりし得る。
【0135】
上述したように、ホッパー31はクランプ230によってロッド120に接続される。このクランプは、通常、ホッパーがロッド120に対して移動し得ないことを保証する。しかし、クランプ230を用いない場合、ホッパーが単にホール242内にあるだけで垂直に摂動できるため、有益な効果が得られ得ることが見受けられる。このクランプが無い構成は、相互に付着したり、あるいは、ホッパーまたはふるいに付着しやすい粒子を供給することが望ましい場合、特に効果的であることが発見された。例えば、アガロースビーズは、粘着性を表示する傾向にあり、この粘着性により、アガロースビーズが供給されることが完全に防止される。クランプを用いず、ホッパー31がアパーチャ242内で自由に垂直に移動できる(および/または回転できる)場合、アガロースビーズが供給され得る。この理由は、アクチュエータ41が、ホッパーの側面壁において部分的に垂直力に変換される水平力を提供するからである。これは恐らくこれらの側面壁のテーパー特性に起因する。この垂直力によって、ホッパーが垂直に振動し、これにより、アガロースビーズを流動させることに役立ち、アガロースビーズが供給しやすくなる。この構成は、ホッパー31がアパーチャ242内で自由に回転し、概して、ロッド120がアクチュエータ41によって機械的に作動される場合にホッパー31が回転するというさらなる利点を有する。例えば、アパーチャ242の平面が正確には水平でない場合に、これらの回転が、コンポーネント内で非対称であることに起因すると考えられる。ホッパー31のこの回転は、作動力が各作動においてやや異なる方向から付与され、これにより、各タッピングがホッパー外周上の異なる点において生じることの役に立つ。これは、粒子が圧縮されたり、そうでない場合には粒子同士がくっつくことを防止することの役に立つ。
【0136】
(実験結果)
図26は、縦座標にグラムによる重量、横座標に秒による時間を有するグラフを示す。「1」とラベル付けされた曲線は、供給サイクル(すなわち、測定された見かけ重量)の間に得られる秤からの読み取り値を示す。「2」とラベル付けされた曲線は、補正値を測定された見かけ重量に追加することによって得られる決定された実際の重量を示す。補正値を得るために用いられたアルゴリズムは、第三の実施形態のアルゴリズムであり、供給速度制御が実行され、これにより、目標重量の0.00025gに近似するようなさらに低い供給速度が達成される。ひし形および正方形はそれぞれ、サンプル時を示し、サンプルは、アクチュエータのそれぞれのタッピングの後に一度取られることが留意されるべきである。
【0137】
最初に、測定された見かけ重量の曲線「1」から見られ得るように、秤がアクチュエータのタッピングに応答して遅い。この時点において、ほとんどの決定された実際の重量値は、補正値コンポーネントから形成される。例えば、一秒(およびアクチュエータの10回のタッピング)の後、秤の読み取り値は6μgであるが、秤上の実際の粒子重量は50μgであると予測される。このとき、補正値は44μgである。ホッパーがかなり一定の頻度で、(この実験のように)一定の力を用いてタッピングされる場合、この補正値は比較的一定に留まる傾向にある。したがって、補正値は、供給の最初の4秒間、約50μgである傾向にある。250μgの目標重量に近似してくると、実際の供給速度がより低い頻度で(この場合、一秒当たり5回)タッピングすることによって実際の供給速度が減少することを、供給速度制御アルゴリズムは保証する。この結果、必要な補正量が減少し、これは、決定された実際の重量がより正確であることを意味する。6.2秒後、アルゴリズムは、目標重量を越え、ホッパーがもはやタッピングされないことを予測する。次いで、重量測定サンプルが一秒当たり30回の速度で取られる。これらのサンプルは、その時点のサンプルと一秒前に取られた別のサンプルが所定の量(例えば、2μg)より少ない量だけ異なることが見受けられるようになるまで取られ続ける。実際、秤は、約8秒および約9秒後、比較的一定した値に安定し、供給が完了する。測定された見かけ重量「1」はここで秤上の真の粒子重量を示す。この最後の読み取り値は、メモリ内に格納されて、供給された真の粒子重量としてみなされる。
【0138】
三つの異なる粉末化合物を供給する実験は、第三の実施形態の補正アルゴリズムを第四の実施形態の目標供給速度制御と共に用いて行われた。SartoriusMC5の秤(この秤用の静電安定を図7に示す)を用いた。テストされた粉末化合物および目標供給重量はリドカイン(1mg)、BSA(0.5mg)およびアガロース(0.25mg)であった。以下の表は、実際に供給された平均重量(mg)およびこの平均からの標準偏差を示す。以下の表は、50個のサンプルの実験において供給された最小重量および最大重量を示す。理解され得るように、最小値および最大値は、約0.05mg以下の値だけ、平均値よりずれる。標準偏差は、平均の2または3%であり、これは、非常によい供給再現性を示す。この表はまた、供給が達成されるためにかかりそうな時間を秒単位で示す。これは、通常、すべての粉末の種類に関して約8秒である。興味深いことに、アガロースは流動性が悪いために従来の方法を用いる場合供給することが困難であると理解されていたが、ここでは、9μgのみの標準偏差で供給された。しかし、リドカインまたはBSAの標準偏差が平均の8%であるのに比べ、アガロースの標準偏差は平均の15%であることから見られるように、アガロースを供給するためにかかる時間はさらに多様である。
【0139】
【表1】
【技術分野】
【0001】
本発明は、質量に応じて粒子を供給するデバイスおよび方法に関する。詳細には、極めて少量の粒子(典型的には、5mgより少ない粒子)を正確かつ再現可能に供給することが可能なデバイスに関する。このデバイスはまた、より大きな重量(例えば、100mg)の粒子を正確に供給するために使用され得る。
【背景技術】
【0002】
本発明は、多くの種類の粒子供給に適用可能である。特に、本発明は、薬剤粒子の供給用途に適用可能であり、その例として、ガス推進式の注入システムに使用される粒子、乾燥粉末吸入器、カプセル、および薬物カセットの所定の用量を有する充填が挙げられる。
【0003】
米国特許第5,630,796号において、皮膚、粘膜面、および他の層を通る薬物粒子を促進する方法およびデバイスが記載される。このデバイスにより、小さな粒子が非常に高速のガスによって一緒に運ばれ、皮膚を貫通するのに十分な力によってこれらを促進する。粒子は、粉末薬物の化合物および組成物、またはキャリア粒子(例えば、金)に取りつけられ得る遺伝物質を構成し得る。デバイスを作動させる前の粒子は、2つの破裂可能なダイヤフラムの間に保持される。デバイスが作動され、ガス層の中のガスが解放されると、ダイヤフラムが破裂し、粒子がガスフローによって一緒に運ばれる。好適には、この2つの破裂可能なダイヤフラムは、取り外し可能かつ内蔵式の薬物カセットの形態に構成される。これによって、デバイスが使用される度にカセットを単純に置換することにより、同じデバイスを1回以上使用することが可能になる。製造後に、どの粒子を促進するかを選択することにより、デバイスが粒子に個別に提供されることも可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いくつかの用途において、最初にカセット内に含まれる粒子の量は、厳密に制御される必要がある。リドカインなどのいくつかの薬物の用量は、あまり具体的でなく、インシュリンなどの他の薬物は、正確に制御された用量を投与することが必要とされている。さらに、いくつかの薬物は、その純粋な形態において非常に効き目があり、これは、非常に少量が使用されるべきであるということを意味する。効力は、薬物の処方を変えることにより減少され得るが、これは結果として全体の費用を増加させる。なぜならば、純粋な薬物が賦形剤と混ぜ合わせられる余分な処方工程が必要であるからである。さらに、処方が難しいため、薬物製品を市場に出すことに関する望ましくない遅延が導かれ得る。
【0005】
さらに、いくつかの薬物およびワクチンが非常に高価であるということは、経済的な理由のために、必須の効果を提供するための最低限の量が使用されるべきであることを意味する。例えば、DNAコーティングされた金の粒子(DNAcoated gold particles)は高価であり、いくつかの治療化合物の値段は、1グラム当たり何万ドルであり得る。
【0006】
推測可能なように、多くの場合、安全のために、既知量の粒子が正確かつ再現可能にカセットに詰め込まれるとが重要である。いくつかの薬物の過剰な投与量は、悲惨な影響を有し得るが、不十分な投与量は、治療剤が所望の効果を有さず、同様の望ましくない影響が与えるという結果になり得る。
【0007】
さらに、カセットが高速投与されると有利であり、その結果、大量の処理量の詰め込まれたカセットが、所定の期間内で生成され得る。使用される任意の装置が、薬剤生成に関連する清浄度の要件を満たすとさらに好適である。
【0008】
これらを全て顧慮して、本発明は、正確かつ再現可能な方法で、ならびに、必要以上の無駄を有さず、非常に少量の粒子を投与することが従来より非常に困難であるという問題を提起する。さらに、従来の投与方法は、使用される粒子の処方、形、およびサイズに関して異質性にあまり耐性がない。薬剤は、従来より、容積法を用いて投与されてきた。この容積法は、特定の質量の粒子を投与する必要がある場合に、プロセスパラメータの正確な制御を必要とする。
【0009】
少量の粒子を投与するために使用され得る方法が、いくつか公知である。
第1に、減圧方法が公知であり、この減圧方法について、図1を参照して説明する。ここで、既知の行程容積(sweptvolume)のプランジャー12を有する小さな導管11が、プランジャーが完全に伸びている(すなわち、導管の端と同一高にある)状態で粒子の蓄え(asupply of particles)13内に配置される(図1aを参照)。次いで、プランジャーは、特定の距離だけ引き込まれ(図1bを参照)、粒子は、プランジャーによって、導管内に残された空間内に吸い込まれる(図1cを参照)。後で、プランジャーが伸ばされて、導管からカセットまたは充填されるべき他の容器内へと粒子を押す(図1bを参照)。この方法は、入手された粒子の体積が相当十分に制御され得るにも関わらず、粒子の実質量がその時点での密度に依存し、空気ポケットおよび他の異常(anomaly)によって、送達された粒子の全体の質量が減少され得るという不利益の損害を受ける。さらに、プランジャーのプッシング動作は粒子に力を与え、脆性の薬物粒子である場合は特に、粒子に損害を与え得る。この方法は、正確な投与のために、薬物粒子が自由に流れることが必要であるというさらなる問題の損害を受ける。従って、薬物粒子の処方を発展させて、自由に流れる粉末を得る必要がある。粉末が自由に流れない場合、不正確な投与が起こり得る。
【0010】
第2の方法(図示せず)は、粒子の供給に静電印刷技術を適用させることを含む。すなわち、電界によって操作され、静電気的に荷電されている粒子を使用することを含む。この方法は、粒子が静電気的に荷電されている必要があるという(これは、望ましくない場合がある)不利益と、正確な数の粒子を表面上または容器内へと操作するために必要な電子回路は複雑かつ高価であるという不利益との損害を受ける。さらに、静電場を制御して、外部干渉によって逆に影響を受けないようにすることは非常に困難である。さらなる問題は、粒子を一貫して荷電し、粒子の形およびサイズを変化させない必要があるということである。粒子のサイズの差異は、達成可能な相対的な粒子電荷に激烈な効果を有する。これにより、余分な処方義務が生まれる。
【0011】
図2に示す第3の方法は、「ドクタリング(doctoring)」として公知であり、既知の体積(図2aを参照)の容器内へと粒子を圧縮し、次いで、ナイフまたは他の鋭利なブレードを用いて、容器の上端の上に横たわる任意の超過粒子を取り除く工程を含む(図2bおよび図2cを参照)。図示のように、容器21は、粒子22によって溢れるまで充填されている。ブレード23を使用して、容器21の上端の上にある超過粒子を取り除き、粒子24の標準体積を残す。この方法は、圧縮プロセスの間だけでなく、粒子の上層をせん断するためにブレードが使用される際も、粒子に過酷な力を与えるため望ましくない。この方法もまた、流れが自由であり、かつ、同質であるように薬物粒子を処方するためにたくさん努力する必要があるという問題の損害を受ける。さらに、この方法は、小規模な用途にあまり適切でなく、この小規模な用途において、5mgより少ない量の粒子が正確に供給される必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記の技術の代替例である。粒子をほとんど無駄にせずに、再現可能な方法で少量の粒子を正確に供給する方法が発見された。さらに、この方法は、薬物粒子の処方に関して必要以上の努力を必要としない。事実上、組成物ならびに任意の形およびサイズに関わらず、任意の粒子が本発明によって投与され得る。従って、薬物粒子の同質かつ自由に流れる処方を得るための従来の努力は不要になる。すなわち、本発明は、純粋なまたは不十分に処方された薬物粒子を正確に投与することを可能にする。
【0013】
本発明の第1の局面によって、粒子を供給する装置が提供され、この装置は、供給されるべき粒子の供給を保持するための粒子保持装置であって、この粒子保持装置は、そこを通って上記の粒子を供給するための複数の開口部を有する、粒子保持装置と、作動信号に応じて、上記の粒子保持装置から上記の粒子の蓄えのいくつかを上記の開口部を通って供給させる粒子放出アクチュエータと、上記の粒子保持装置から供給された粒子の見掛けの重量を測定し、測定された見掛けの重量を表す信号を出力するための重量測定デバイスと、を含む。
【0014】
複数の開口部は、開口部の平均サイズが粒子の平均サイズより大きいにも関わらず、粒子を保持する機能を果たす。粒子放出アクチュエータによって粒子保持装置が機械的に攪拌されると、粒子は取り除かれて開口部を通過する。開口部は、定常状態にある粒子によって「閉塞」されるほどに十分小さく、許容可能な数の粒子が各作動の後に供給されることを保証するのに十分な量の粒子がある。従って、この装置は、正確かつ再現可能で、非常に少量の粒子を供給することが可能な供給メカニズムを提供する。
【0015】
動作の速度は、測定された見掛けの重量に補正値を足して、重量測定デバイスの非瞬間的な動作の効果を考慮することにより改善され得る。
従って、本発明の第2の局面によって、粒子を供給する装置を提供し、この装置は、供給されるべき粒子の蓄えを保持するための粒子保持装置と、 作動信号に応じて、上記の粒子保持装置から上記の粒子の蓄えのいくつかを供給させる粒子放出アクチュエータと、 上記の粒子保持装置から供給された粒子の見掛けの重量を測定し、測定された見掛けの重量を表す信号を出力するための重量測定デバイスと、上記の粒子放出アクチュエータに作動的に連結されて上記の作動信号を出力するように構成され、かつ、上記の重量測定デバイスに作動的に連結されて上記の測定された見掛けの重量信号を受け取るように構成されたプロセッサであって、このプロセッサは、上記の測定された見掛けの重量に補正値を足すことにより、供給される粒子の実重量を見積るように構成される、プロセッサと、を含む。
【0016】
本発明の第1の局面は、第2の局面のようにプロセッサを利用し得、このプロセッサは、粒子放出アクチュエータに出力作動信号を提供し、重量測定デバイスから測定された見掛けの重量信号を受け取る。多くの好適な機能は、本発明の第1および第2の局面の両方に関連する。従って、第1および第2の局面の両方のプロセッサは、粒子保持装置から供給されることが望ましい粒子の量に対応する特徴を有する作動信号を提供するように構成され得る。従って、粒子放出アクチュエータの各動作の後で供給される粒子の量は、粒子放出アクチュエータに送り込まれる信号を変調することにより制御され得る。この変調は、例えば、信号の振幅、周波数、またはパルス幅を変化させる様態であり得る。
【0017】
第1または第2の実施形態の装置はまた、重量測定デバイスへと粒子が供給されている見掛けの速度を計算するように構成され得る。この見掛けの速度は、任意の特定の時間に重量測定デバイス上にある粒子の実際の重量を見積るための補正を計算するために用いられ得るか、その上(または、あるいは)目的物の供給速度が達成されるように動作のエネルギーを制御するために用いられ得る。
【0018】
第1および第2の局面の両方のプロセッサは、所定の期間内に粒子放出アクチュエータが作動するたびに保存される標準重量値によって補正値を増加させることにより、補正値を計算し得る。従って、実重量の値が見積られ得、この値は、重量測定デバイスによって完全に記録されなかった最近の動作を考慮に入れる。例えば、重量測定デバイスが、1秒の遅延を有するように作られている場合、補正値は、最後の秒までに発生した全ての動作に関して、保存されている標準重量値によって増加させられる。好適には、保存されている標準重量値は乗算係数によって乗算され、補正値は、乗算された標準重量によって増加させられ、増加される量は通常、動作が行われた期間が過去であるほど減少する。
【0019】
保存されている標準重量増加分として使用される値は、最後の供給サイクルの間の各動作ごとに送達された実質量の平均を計算することにより、それぞれの完全な供給サイクルの後に更新され得る。
【0020】
供給サイクルの間、プロセッサは、測定された見掛けの重量または実際に供給された重量の見積りのいずれかを、粒子の所定の重量と比較して、粒子をさらに供給する必要があるかどうか、またはサイクルを終了してもよいかどうか(正確な質量の粒子が供給されたかどうか)を判定するように構成され得る。粒子の所定の重量は、好適には、供給されるべき粒子の所望の重量から耐性重量を引いた値として表される。これによって、過剰な充填の可能性が減少する。
【0021】
第1または第2の局面の装置は、測定された供給速度が所定かつ所望の速度の値よりそれぞれ低いまたは高い場合に、動作のエネルギーを増加または減少させることにより、目的物の供給速度を追跡するように構成され得る。あるいは、供給の速度は、動作の後に所定の期間だけ一時停止して、重量測定を行う間の時間を増加させ、結果として観測される供給速度を減少させることにより減少され得る。
【0022】
最初に比較的高い目的物の供給速度を用いて、次いで、粒子の所望の重量が近づくにつれて、比較的低い目的物の供給速度に変えることが望ましい。これによって、粒子の所望の重量を超過する可能性が減少する。
【0023】
本発明の第1および第2の局面の両方による装置の好適な構成は、ホッパーの断面積を横切る漉し器によって提供される開口部を有するホッパーを利用する。薬剤の用途に関して、ホッパーおよび漉し器の両方は、好適には、316ステンレス鋼からなるが、一体型のプラスチック構成も有用である。
【0024】
開口部は、好適には50μm〜800μm、より好適には80μm〜400μm、さらに好適には100μm〜250μm、または、よりさらに好適には180μm〜250μmの直径(または、他の関連する寸法)を有する穴である。
【0025】
粒子放出アクチュエータは、好適には、ソレノイドなどの電気機械的アクチュエータであり、このアクチュエータは、実質的に水平の衝撃エネルギーを粒子保持装置の側面に送達するように構成される。これは、保持装置の上部に衝撃エネルギーを送達するより好適である。なぜならば、保持装置へのアクセスは妨害されておらず、コンテナの側面をタッピングすることは、上部をタッピングするより一貫した結果を提供すると分かっているからである。
【0026】
空気の流れまたは圧力の差異を防ぐために、封入物が好適に提供されて、少なくとも重量測定デバイスおよび粒子保持装置を覆い、可能であれば粒子放出アクチュエータも覆う。
【0027】
従来の振動技術は、振動の周波数または振幅に粒子供給速度が線形的に関係しないために制御することが困難であるという問題の損害を受ける。粒子が一旦流れると、流れの限界が確立され、それより高い供給速度を正確に達成することは困難である。本発明は、この流れの限界に達成するように粒子を流れさせないことによりこれを克服する。粒子放出アクチュエータを使用することは、力の実質的に個別のインパルスを粒子保持装置に与えて、粒子を瞬間的に取り除き得ることを意味する。この供給の方法を用いて、非常に低重量の粒子に至るまでを非常に正確に供給を提供することが可能であり、この方法はまた、連続振動技術より制御可能である。なぜならば、各動作の後の供給された粒子の質量が、動作の力により線形的に関係するからである。
【0028】
本発明はまた、粒子と接触する部分と関連して相対的に移動する部分はないという利点を有する。従来の技術は、粒子の流れを調整するために移動するピンまたはネジを使用した。これらのピンまたはネジが粒子を捕らえることにより、損害となり得る。本発明はまた、機械的損害の問題を回避し、この機械的損害は、互いに相対的に移動する部分が使用され、清浄および維持が比較的簡単な場合に生じ得る。
【0029】
本発明の第3の局面によって、正確に粒子を供給する方法が提供され、この方法は、供給されるべき粒子の蓄えを保持する工程と、 上記の粒子の蓄えのいくつかを、複数の開口部を通ってその保持されている位置からその重量が測定され得る位置へと供給させる工程と、 上記の供給された粒子の見掛けの重量を測定する工程と、 上記の測定された見掛けの重量を利用して粒子供給を制御する工程と、を含む。
【0030】
本発明の第3の局面は、少量の粒子の正確かつ再現可能な供給を可能にする。さらなる正確さは、測定された見掛けの重量に補正値を足すことによって、供給された粒子の実重量を見積ることにより入手され得る。これによって、正確な重量測定を行う際の遅延の影響が緩和され、この遅延は、主として、重量測定デバイスから生じる遅延が原因であるが、電子回路から生じる遅延も原因であり、粒子保持装置からカセットへと粒子が落ちる際にかかる時間も原因である。
【0031】
本発明の第4の局面によって、正確に粒子を供給する方法が提供され、この方法は、供給されるべき粒子の蓄えを保持する工程と、 上記の粒子の蓄えのいくつかを、その保持されている位置からその重量が測定され得る位置へと供給させる工程と、 上記の供給された粒子の見掛けの重量を測定する工程と、 上記の測定された見掛けの重量を補正値に足して、正確な重量測定を行う際の遅延の影響を減少させることにより、上記の供給された粒子の実重量を見積る工程と、上記の測定された見掛けの重量を利用して粒子供給を制御する工程と、を含む。
【0032】
第4の局面の方法は、第1または第2の実施形態のいずれかの装置を用いて実行され得る。従って、それぞれの粒子は、粒子保持装置内に形成される複数の開口部のうち1つを通って供給され得る。
【0033】
多数の好適な方法ステップが、本発明の第3または第4の局面のいずれかの方法と共に実行され得る。
所定の許容範囲内で、所定かつ所望の粒子重量が供給されるまで、この方法ステップを循環的に繰り返すことにより、閉ループ制御が行われ得る。これによって、粒子放出アクチュエータの各動作に続いて、異なる質量の粒子が供給され得るという事実が緩和される。
【0034】
粒子が供給される見掛けの速度は、好適に計算される。この値を用いて、測定された見掛けの重量の補正が行われ得るか、または、供給されている粒子の速度を制御する制御ループにフィードバックが提供され得る(または、その両方)。
【0035】
測定された見掛けの重量を補正するために用いられる補正値は、計算された見掛けの速度であり得、この値は、好適には、時定数によって乗算される。あるいは、補正値は、いくつかの規定の長さの公正な経過期間にアクチュエータが作動される度に、保存されている標準重量を足すことにより入手され得る。使用される各保存されている標準重量値は、好適には、0〜1の範囲の乗数係数によって乗算されることにより正規化される。これは、アクチュエータが作動された期間が、比較的ずっと以前よりも、むしろ非常に最近である場合、より多くの補正が実行される必要があるという意見の説明となる。比較的ずっと以前に行われた動作に関して、補正を行う必要はない。なぜならば、重量測定デバイスおよび他の装置は、これらのこのような動作に完全に対応しているからである。
【0036】
それぞれの供給サイクルの後、標準重量値は、好適には、以前の供給サイクル中の各動作において供給された粒子の平均重量により厳密に対応するために更新される。
測定された見掛けの重量または供給された粒子の実重量の見積りを、所定の保存されている重量と比較し、重量が所定の保存されている重量より軽い場合、さらなる動作−計量サイクルを行うことにより、閉ループ制御が行われ得る。所定の保存されている重量は、好適には、供給されるべき粒子の所望の重量から耐性重量を引いた値である。
【0037】
供給速度制御は、計算された見掛けの供給速度がそれぞれ、所定かつ所望の速度より遅いまたは速い場合、以前の動作−計量サイクルにおいて供給された量より多いまたは少ない量の粒子を供給することにより実行され得る。あるいは(または、その上)、実際の供給速度は、所定の期間または可変期間の間に、サイクルを中断させることにより減少され得る。目的物の供給速度は、所望の粒子重量に対する測定された見掛けの重量または実重量の見積りの類似を考慮して制御され得る。
【0038】
本発明の第5の局面によって、第1もしくは第2の局面の装置に使用することを意図する粒子保持装置、または、第3もしくは第4の局面の方法に使用するための粒子の蓄えを保持するための粒子保持装置が提供され、この粒子保持装置は、ホッパーと、 このホッパーの断面積を横切る漉し器と、を含む。
【0039】
好適には、漉し器はホッパーの端に配置され、両方とも316ステンレス鋼から形成されている。あるいは、漉し器およびホッパーは、プラスチック材料によって形成され得るか、それぞれ、電鋳メッシュおよびガラス管によって形成され得る。
【0040】
漉し器の開口部のサイズは、定常状態において、供給されるべき粒子によって閉塞されるが、ホッパー(好適には、細長い導管)に外部エネルギーを与えることによって、短期間、簡単に閉塞を解くことができるようなサイズである。
【0041】
本発明の第6の局面によって、第1もしくは第2の局面の装置におけるプロセッサとして使用することを意図するプロセッサ、または、第3もしくは第4の局面の方法ステップのいくつかを実行するこを意図するプロセッサが提供され、このプロセッサは、粒子放出アクチュエータに所定の特性の出力信号を出力するための信号出力手段と、 比較手段と、 重量測定デバイスから上記の比較手段へと、信号出力から導き出された入力信号の値を提供するための信号入力手段と、その中に格納されている所定の重量値を、上記の比較手段に送り込むためのメモリ手段と、を含み、上記の比較手段は、上記の入力信号の値を上記の所定の重量値と比較し、この入力信号がこの所定の重量値より大きいかどうかを判定するように構成される。
【0042】
プロセッサは、好適には、重量測定デバイスおよび粒子放出アクチュエータに接続可能なパーソナルコンピュータである。このパーソナルコンピュータは、ソフトウェアによって適切な計算を実行するようにプログラミングされている。詳細には、プロセッサは、重量測定デバイスから受け取られた信号に補正値を足して、放出された粒子の実重量の見積りを計算するようにプログラミングされ得る。実際、プロセッサは通常、上記で説明した本発明の第3および第4の局面の方法に関連して説明される種々の計算を実行するようにプログラミングされ得る。
【0043】
本発明の第7の局面によって、粒子カセットを製造するための製造ステーションが提供され、この製造ステーションは、開いた状態の空のカセットを収集するコレクタと、 その重量が測定され得る位置に、上記の開いた状態の空のカセットを移動させるためのトランスポータと、 上記の開いた状態のカセット内へと粒子を供給するための、本発明の第1および第2の局面による装置と、を含む。
【0044】
製造ステーションは、好適には、放出された粒子を封じ込めるために搭載されたカセットを密封するカセット密封ステーションと、搭載されたカセットをカセット密封ステーションへと移動するための第2のトランスポータとをさらに含む。この動作を実行するためのトランスポータは、好適には、開いた状態の空のカセットを移動させるために使用されるトランスポータと同じである。このようなトランスポータは、カセットの位置付けをするためのロケータを一端に有する中心軸に取り付けられたアームの形態であり得るか、または、このようなロケータが周囲に配置されている回転可能な(rotable)環状の構成要素の形態であり得る。このロケータは、有利なことに、カセットを掴み取り、かつ、放出するように動作可能である。これによって、最低限の人間の関わりを必要とする自動化されたカセットの充填および密封が提供される。
【0045】
カセットは、送り込みトラック上で送り込まれ、送り出しトラック上で送り出され得る。これによって、カセットの「キュー」が送り込みトラック上で提供され、カセット本体を製造するための機械が製造ステーションと直列に提供されて、次の充填のために、カセットが適切な送り込みトラック上に単純に配置され得る。
【0046】
本発明の第8の局面によって、製造ラインがさらに提供され、この製造ラインは、本発明の第7の局面による複数の製造ステーションと、 開いた状態の空のカセットを送り込むための送り込みトラックと、 閉ざされた状態の詰め込まれたカセットを送り出すための送り出しトラックと、を含み、ここで、上記のカセットを移動させるための上記の複数のそれぞれの手段は、上記の送り込みトラックから開いた状態の空のカセットを取り、閉ざされた状態の詰め込まれたカセットを上記の送り出しトラックに配置するように動作可能である。
【0047】
本発明の第9の局面によって、粒子放出ステーションが提供され、この粒子放出ステーションは、本発明の第1または第2の局面による複数の装置と、 上記の粒子保持装置のそれぞれに粒子を詰め替えるために、各装置の各粒子保持装置の間を移動可能なバッチホッパーと、を含む。
【0048】
本発明の第10の局面によって、非瞬間的動作時間を有する重量測定デバイス上に供給される粒子の実重量を見積る方法が提供され、この方法は、測定された見掛けの重量を入手する工程と、 上記の測定された見掛けの重量に補正値を足す工程であって、この補正値は、上記の測定された見掛けの重量の変化率を表す値、または、1つの動作において供給される平均重量を表す測定された量の値を合計することにより得られる値のいずれかから導き出される、工程と、を含む。
【0049】
第10の局面の方法は、好適には、コンピュータ上のソフトウェアによって実行され、粒子の重量を測定する秤から正確な重量が入手可能でない場合にも、供給される粒子の実重量の正確な計算を可能にするように設計される。これによって、多数の個別の動作を実行することにより粒子が供給される粒子供給サイクルを著しく促進する。
【0050】
本発明の第11の局面によって、第1もしくは第2の局面の装置、第3もしくは第4の局面の方法、または第6の局面のプロセッサと共に使用するための見積り関数(estimationfunction)が提供され、この見積り関数は以下の形式を有する。
【0051】
WR=W(t)+C
ここで、WRは見積られた実重量であり、W(t)は現在の見掛け重量であり、Cは補正値であり、ここで、Cは以下の2つの形式のいずれかを有する。
【0052】
【数1】
【0053】
ここで、dW/dt(t)は時間に対する重量変化の現在の見掛け速度であり、Tは時定数であり、nowは現在の時間を表し、now−tpはtp前の時間を表し、M(t)は乗数因子であり、WSTは標準である。
【0054】
本発明は、添付の図面を参照して、非限定的な例としてさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、従来の減圧方法によって粒子を計量する方法を示す一連の模式的な断面側面図を示す。
【図2】図2は、「ドクタリング」として公知の従来の粒子計量方法を示す一連の模式的な断面側面図を示す。
【図3】図3は、本発明の一般概念を示す装置の模式的な部分破断側面図である。
【図4】図4は、本発明による装置を部分破断側面図および簡単な形式で模式的に示す。
【図5】図5は、本発明による方法の第1の実施形態を例示するフローダイアグラムである。
【図6】図6は、秤に重量WRの粒子が瞬間的に詰め込まれることに応じて、秤によって出力された信号が、典型的には、どのように経時的に変動するかを示すグラフを示す。
【図7】図7は、t=0において、秤に重量WRの粒子が瞬間的に詰め込まれることに応じて、高速動作の秤によって出力された信号が、典型的には、どのように経時的に変動するかを示すグラフを示す。
【図8】図8は、本発明による方法の第2の実施形態を例示する別のフローダイアグラムである。
【図9】図9は、秤に大量の粒子が瞬間的に詰め込まれることに応じて、秤によって出力された信号が、典型的には、どのように経時的に変動するかを示す理想化グラフである。
【図10】図10は、秤に個別かつ大量の粒子が連続的に詰め込まれることに応じて、秤によって出力された信号が、典型的には、どのように理想的かつ経時的に変動するかを示すさらなるグラフである。
【図11】図11は、本発明の第3の実施形態による方法を例示するフローダイアグラムを示す。
【図12】図12は、遅延t1に理想化された平均応答(balance response)を示す。
【図13】図13は、本発明の方法の第3の実施形態によって、補正乗数がどのように変動するかを示すグラフを示す。
【図14】図14は、時間に対する重量のさらなるグラフであり、目的物の供給速度がどのように経時的に変動し得るかを示す。
【図15】図15は、第2または第3の実施形態に類似する方法であるが、供給速度制御を利用し、固定した測定値を出力する方法を例示するさらなるフローダイアグラムである。
【図16】図16は、第1の実施形態に類似する方法であるが、供給速度制御を利用する方法を例示するさらに別のフローダイアグラムである。
【図17】図17は、本発明の方法を実行するために使用される好適な装置の模式的な側面図を示す。
【図18】図18は、粒子供給ステーションとして構成される本発明による3つのデバイスを、上からの透視図として示す。
【図19】図19は、図18の装置のサンプリングチューブおよびバッチホッパーを、部分破断側面図として示す。
【図20】図20は、本発明によって提供されるような製造デバイスを、平面図として模式的に示す。
【図21】図21は、図20の線A−Aに沿う部分破断側面図である。
【図22】図22は、大規模なプロダクションランに使用するための本発明の例示的な実施形態を、上からの透視図として模式的に示す。
【図23】図23は、取り外し可能なクランプおよび空気上昇/低下デバイスを有する本発明による粒子供給デバイスの透視図である。
【図24】図24は、図23の一部分の分解図である。
【図25】図25は、図23に示す装置の断面側面図である。
【図26】図26は、装置の重量と見積られた実重量とが、典型的な供給サイクルにおいてどのように変動するかを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0056】
(装置の概要)
本発明による装置の概要が図3に示される。この図面で理解され得るように、この装置は3つの主要な構成要素を有する。第1の構成要素は、粒子保持装置31であり、その領域内に粒子32を保持する機能を果たす。この粒子保持装置は、制御手段33に作動的に連結され、この制御手段33は、粒子保持装置に粒子のいくつかを放出させる信号35を送り得る。この制御手段はまた、重量測定デバイス34に作動的に連結される。この重量測定デバイスは、粒子保持装置31から放出される粒子を受け取り、それらの累積重量を測定するように構成される。この重量測定は、制御手段33に信号36として送られる。
【0057】
好適な装置が図4により詳細に示される。粒子保持装置31は、図示のように、底部の直径が小さな(好適には、1mm〜3mmであるが、10mmまで可能である)実質的に円錐台形のホッパーによって構成される。ホッパーの下端に漉し器46があり、この漉し器46は、ほぼ130μmの穴を有する電鋳されたメッシュであり得る。穴のサイズは、供給される粒子の性質を顧慮して選択される。例えば、DNAコーティングされた金の粒子を供給する際に適切な値は130μmであり、リドカイン粒子(直径が約30μm)に適切なのは250μmであり、アルプロスタジルは200μm〜300μmの値を必要とする。最適な穴のサイズは、典型的には、粒子のサイズおよび他の要因(例えば、粉末処方物の流動性)を顧慮して求められる。実証的試行および誤差を用いて、特定の処方物の穴のサイズは完全に最適化され得る。薬剤の用途に関して、ホッパーおよび漉し器は、好適には、それぞれ316ステンレス鋼からなり、その上、中間的な交換バッチの洗浄および殺菌(必要な場合)を補助するために互いから取り外し可能である。さらなる選択肢として、一体型ステンレス鋼、または、成形されたプラスチックホッパーおよび漉し器が使用され得る。プラスチックが使用される場合、ホッパーおよび漉し器は、中間バッチを簡単に処分し得る。ホッパー自体の直径は、任意の適切な形状であり得、供給されるべき粒子の質量を顧慮して選択され得る。リドカインに関して適切な値は、例えば、10mmである。粒子32はホッパー内に配置され、ホッパーが任意の外部振動から免れると、平均粒子サイズ(名目上の直径)がメッシュの開口部の直径または他の関連する寸法より小さいにも関わらず、メッシュを通って落ちることなくホッパー内に安定して位置することが可能である。これは、漉し器の開口部が粒子によって塞がれて、装置が定常状態にある間、ホッパー内に粒子を物理的に保持するために達成される。閉塞は、漉し器の近傍の周りに局部集中して、ホッパーに外部振動または他の運動を適用することにより一時的に緩和され得る。この漉し器は、外部エネルギーを適用しても粒子が漉し器を通って流れないほど閉塞しない。これを保証するために、ホッパーは、粒子が実質的に流動的であり続けることを保証する別の装置を提供されるか、またはその装置に取り付けられる。粒子を流動化するこのような装置は、当該分野において標準的であり、本明細書中での説明を省略する。別の可能性として、粒子を化学的に処置して、その流動性を保証する。任意の標準的な流動化技術が実際に使用され得る。
【0058】
制御手段33は、好適には、電子プロセッサからなり、より好適には、VisualBASICまたはC++などの言語によってプログラミングされたパーソナルコンピュータである。このプロセッサは、粒子放出を行う手段41に信号35を送信し得、この粒子放出を行う手段41は、好適には、ソレノイドなどの電気機械的アクチュエータによって構成される。図4に示されるソレノイドは、実質的に垂直な外表面を有するホッパの側面に衝突しており、これが好適な構成である。別の構成は、アクチュエータをホッパーの上部に衝突させる試みに成功しているが、結果の統一性(すなわち、同一エネルギーの衝突に応じて供給される粒子の質量の再現性)という点と、詰め替えのためにホッパーにアクセスするという点とで2つの不利益を有することが分かっている。
【0059】
プロセッサ33は、アクチュエータ41に信号35を送り、この信号35は、信号を受信するとアクチュエータが及ぼす衝突エネルギーに対応する特徴を有する。例えば、この信号は、よりエネルギー性のある衝突を達成するために、より高いマグニチュードを有し得る。好適には、この信号は、振幅によって変調された電圧方形波である。
【0060】
重量測定デバイス34は、少量を測定するために使用される標準的な秤であり得、典型的には、60gの動的範囲および10μgの正確さを有し得る。例えば、MettlerToledo SAG285(R)の秤が適切である。システム全体の正確さを改善することが所望の場合、より正確な秤(例えば、SartoriusMC5(R))が代わりに使用され得る。システム全体の速度を改良することが所望の場合、より低い動的範囲を有する秤(おそらく、特別に製造された秤)が使用され得る。重量測定デバイス34は、秤に与えられる重量の関数(例えば、比例関数)である信号36をプロセッサ33に提供する。測定された重量は、典型的には、粒子保持装置からすでに供給された粒子43の重量と、粒子保持装置31を離れる粒子45の全てを実質的に捕えることが可能な秤34上の位置に配置されるカセット42の重量との合計である。図4は略図の形式でのみ示され、実際の実施形態において、粒子45が漉し器46を離れてカセット42内に落ちないことがあり得ないことを保証するような手段が講じられることに留意するべきである。これは通常、カセットキャビティの領域内に漉し器を配置して、カセットから逃れるためには、粒子が垂直に上向きの動作成分を有することを必要とすることにより達成される。
【0061】
用語「カセット」は米国特許第5,630,796号に記載される種類のカセットを含むが、この用語は任意の形式の収納装置も含むことを意図することに留意するべきである。例えば、用語カセットはまた、ポケット、カートリッジ、乾燥粉末吸入器のためのブリスター、薬物送達デバイスのためのカートリッジ、薬物の経口送達のためのカプセルなどを含む。実際、用語カセットは、粒子を供給することが望ましい任意のものを含むことを意図する。これは賦形剤からなる基板を含み得、この基板に粒子は供給され得、その結果、さらなる基板がその上に配置され得、2つの賦形剤基板の間に供給された粒子を「間に挟む」。完全なパッケージは、経口的に摂取されるタブレットとして使用され得、このタブレットは、賦形剤が患者の胃の中で破壊された場合にのみ、供給された粒子を放出する。用語カセットはまた、中間的な保持デバイスを覆うことを意図し、所望の位置に転送する前に、計量しながら中間的な保持デバイス内に粒子の用量を入れる。例えば、ブリスター、基板、または任意の他の容器内へと転送する(傾かせるか、または任意の適切な方法によって)前に、計量しながらカセット内に粒子を入れ得る。これは、最終的なユニットへの粒子転送を可能にするという利点を有し、この最終的なユニットは、粒子の用量より著しく重たいか、または適切に計量するには大きすぎる(例えば、ブリスターを含むテープ)。この構成のさらなる利点は、急速計量の形態に適合することであり、この形態において、いくつかの(例えば、10)カセットが同時に詰め込まれ、より小さな数(例えば、3)のカセットが最終的な容器内へと空にされ、その組み合わせにより所望の最終重量が与えられる。
【0062】
有利なことに封入物44が提供されて、重量測定デバイスおよび粒子保持装置を覆い、システムは、ドラフトまたは他の環境要因によって影響を受けない。この封入物は、好適には、重量測定デバイスを少なくとも覆うが、作動手段41および粒子保持装置31も覆い得る(図4に示すように)。
【0063】
最初に、粒子保持装置31は、少なくとも1つのカセット42を満たすのに十分な粒子32の蓄えを詰め込まれる。好適には、粒子32の蓄えは、複数のカセット(例えば、70)を満たすのに十分である。粒子32の蓄えが最初に漉し器45を塞いで、漉し器に隣接する粒子は、不安定な平衡状態になる。ホッパーの任意の小さな摂動は、この不安定な平衡状態を引っくり返す機能を果たし、漉し器を通っていくつかの粒子を落とし得る。特定の数の粒子が落ち、さらなる摂動が起きない場合、別の不安定な平衡状態の位置が達成され、漉し器が再び塞がれ、粒子の正確な用量が供給されるまでこの手順が繰り返されることが可能である。
【0064】
実際、粒子保持装置31への摂動は、図4の装置において粒子保持装置31を「軽くたたく」機能を果たすアクチュエータ41によって提供される。このタッピング(tapping)は、典型的には、アクチュエータを駆動するための固定された幅の電圧方形波を用いて達成される。
【0065】
この実施形態において、アクチュエータはソレノイドであるが、通常、モータ、ばねなどを含む任意の適切なデバイスまたはシステムによって表され得る。このタッピング(tap)によって、少量の粒子が放出され、重量測定デバイス34上に配置された薬物カセット42内へと落とされる。この量は、タッピングのエネルギーに比例する傾向があるが、平均値のいずれかの側にいくらか変動する。これは、特定のエネルギーの動作が異常に大量の粒子を取り除く場合に問題であり得るが、この問題は、供給サイクルの最終ステージの間に非常に低いエネルギーのタッピングを提供して、消費されたエネルギーに関する異常に大量の取り除かれた粒子に、供給された粒子の全体の重量を重量耐性の2倍より多くさせないことにより改善され得る(耐性は、所望の量のいずれかの側の重量として定義され、例えば、10μgの耐性は、所望の量のいずれかの側に±10μgを意味する)。
【0066】
通常、重量測定デバイスからの、放出された粒子の重量と薬物カセットの重量とを表す(重量測定デバイスは、薬物カセットの重量を示さず、放出された粒子の重量だけを示さすように(自重機能を用いて)較正され得る)信号36は、プロセッサ33に提供され、このプロセッサ33は、入手した重量測定の結果を用いてさらなる計算を実行し得る。次いで、供給された粒子の重量が、プロセッサ33のメモリ内に格納されている所定の値より大きいか、またはそれに等しいかを調べるために比較が行われる。この所定の値は、好適には、供給されるべき所望の粒子重量から、耐性重量を引いた値である。供給された粒子の重量が所定の値より大きくない、またはそれに等しくない場合、不十分な粒子が供給されており、プロセッサ33は、アクチュエータ41に信号を送って粒子保持装置31に別のタッピングを行い、別の少量の粒子を放出する。次いで、別の重量チェックおよび比較が行われる。このサイクルは、所望の粒子重量が達成されるか、またはそれを超えるまで繰り返され、この時点でこのプロセスは終了する。
【0067】
記載された装置を用いて、供給された粒子重量の閉ループ制御を実行することが可能である。プロセッサ31は、重量測定デバイス34から出る信号36に基づいてアクチュエータ41を作動させるか否かを決定する。プロセッサは、アクチュエータ41が粒子保持器31に伝達する衝撃エネルギー量も制御し得る。このようにして、正確に分量分けされた粒子量をカセットに供給し得る。
【0068】
本発明の装置は、特に、質量によって少量の粒子を供給する際に有利である。供給されるべき量は、典型的には5mgより少なく、好適には、以下の範囲(減少していく順序で列挙する):0〜4mg;0〜3mg;0〜2.5mg;0〜2mg;0〜1mg;0〜0.5mg内であり得る。上述の範囲は、量0を含まない。
【0069】
ここで、本発明の局面による方法の例示的な実施形態を、図5〜図22を参照しながら説明する。概して、これらの方法は、図4または図17に示す装置によって実行され得るが、これらに限定されない。任意の適切な装置を実際には用いることが可能である。
【0070】
(方法の第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態による粒子を分量分けする方法を、図5のフロー図によって模式的に示す。
【0071】
この実施形態は、本発明のより簡単な形態のうちの一つを示す。まず、プロセッサ33によって、アクチュエータ41が、粒子保持器31上の制御タッピングに影響を及ぼす。タッピングの大きさは、信号35の特性(例えば、周波数、電圧の大きさまたは信号のパルス幅)を変化させることによって制御され得、用いられる初期値はメモリ内に格納され得る。しかし、アクチュエータが毎回粒子保持器に対して標準のタッピングを実行すれば、タッピングの大きさを変化させる必要はない。本明細書において記載される「タッピング」は、所定の大きさおよび持続期間の一連のタッピングからもなり、または実際、連続振動または断続的振動の形態を取り得る。タッピングによって、粒子保持器内の粒子のいくつかが、閉塞した位置から取り除かれ、メッシュ46内のアパーチャを通過し、秤上に置かれたカセット上に到着する。次いで、プロセッサは、信号36の値をチェックして、タッピング動作の結果、供給された粒子量を確かめる。次いで、この重量Wは、所定の所望する重量Wsと比較されて、タッピングがさらに必要であるか否かが判定される。タッピングがさらに必要な場合、サイクルは、重量測定デバイスによって測定される重量が許容量に達するまで繰り返す。
【0072】
通常、メモリ内に格納された所定の重量値Wsは、システムの許容度に等しい値だけ、所望の最終重量より幾分小さい。例えば、所望する供給重量が500μgであり、許容度が−10μgである場合、所定値Wsは490μgである。これは、測定重量が、所定の重量以上であるか否かをシステムのみがチェックするからである。所定の重量が最低値に出来るだけ近い場合、カセットからあふれ出る危険が少なくなる。このシステムでは、所定値になったりまたは所定値を越えた場合のみサイクルが止まるため、カセットが手前まで満たされる(すなわち、所定重量まで満たされない)ことが防止される。
【0073】
実際、秤をプログラムして、サンプリングされた重量値を規則的な間隔(例えば、MettlerSAG285の秤を用いた場合約0.25秒ごと、またはSartorius MC5の秤を用いた場合一秒当たり10回)でプロセッサに出力することが可能になる。特に改変された秤を用いた場合、一秒当たり30回までが可能である。プロセッサによって、アクチュエータが粒子保持器をタッピングした後、プロセッサは、秤から得たバッファの最近の値からプロセッサに利用可能な値を取る。実際に、重量がサンプリング期間に比べて極めてゆっくりと変化し得るため(バッファ(例えば、4つの値を保持し得る)内の全ての値が概ね類似していることを意味する)、測定された値が必ずしも最も最近の重量値である必要がない。測定される値が最も最近の測定値であることが好適である。すなわち、本発明を効果的に動作させるために、粒子保持器31のタッピングおよび重量信号の秤からの出力を、同時に実行する必要はない。
【0074】
このプロセスおよび装置によって、粒子を極度に正確に分量分けすることが可能になる。なぜならば、(低い作動衝撃エネルギーおよび少数のアパーチャを用いることによって)各タッピングの後、ごく少数の粒子のみがホッパーを離れるように構成され得るからである。例えば、10μgの粒子のみが各タッピングの後ホッパーを離れる場合、所望の量の5μg内まで、正確に分量分けすることが達成され得る。しかし、各タッピングの後、離れる実際の粒子量は、1μgまたはさらに1μgより低い場合がある。これは、相対的な粒子/ふるいのサイズおよび作動エネルギーに依存する。
【0075】
(方法の第二の実施形態)
実際には、標準の秤を用いた場合、正確な読み取り値が瞬時には得られないことが観測されている。粒子45は、粒子保持器31から非常に速く落ちて、非常に短期間(例えば、0.25秒より短い期間)の後、薬物カセット42内に定着する。しかし、秤が正確な重量測定値を得るには、沈下するために比較的長い時間量がかかる場合がある。図6は、MettlerSAG285の秤の静電インパルス応答を示し、時間t=0において付与された突然の負荷の増加にいかに秤が応答するかの典型的な曲線である。(t=0において)秤に付与された粒子重量はWRである。これに応答して、秤の出力測定信号は、何も起こらなかった場合には遅延し、S型の曲線を生じる値WRへの近似指数アプローチ(approximately exponential approach)が続く。このS型の曲線は、秤が出力する測定値を示し、これにより、任意の時間における秤上の見かけ粒子重量も示す。これは「測定見かけ重量」である。したがって、測定見かけ重量が正しい値に達するまで多くの秒がかかり得ることが理解され得る。この曲線の正確な形状は、秤の設計に依存する。
【0076】
例えば、(図6に示すように)Mettlerの秤の安定時間は、約4秒である(これは4秒で正確な安定重量に達することを意味する)。多くのタッピングが必要であり、各タッピング間に4秒間待つ必要がある場合、粒子カセットを満たすためにかかる時間は法外に長くなる。これは、より短い時間で安定重量に落ち着く秤を用いることによってある程度対処し得る。例えば、SartoriusMC5の秤の安定曲線を図7に示す。図7から、安定重量が約2.2秒で達成されることが理解され得る。しかし、瞬時に応答が得られない問題が依然存在し、図8に示す改良した方法が、これを改良するために開発された。
【0077】
この実施形態は、図6および図7の曲線の後の方の部分が図9に示す種類の単純な指数曲線Cと近似するという観察に基づく。図8の方法は、図9に示す指数曲線Cが図6に示す実際の曲線の最終部分にかなり近似するという概算に基づく。図9の曲線は、以下の式によって示され得る。
【0078】
【数2】
【0079】
Wは、瞬間重量測定値であり、WRは、秤上に落ちた粒子の実際の重量であり、Tは、秤と関連した時定数であり、tは時間である。これを時間に対して微分すると、
【0080】
【数3】
【0081】
が得られる。(2)のe-1の項を(1)に代入すると、
【0082】
【数4】
【0083】
が得られる。再構成することにより、時間tの任意の点における絶対重量値Wおよび勾配dW/dtにのみ基づいてWRに関する値が得られる。
【0084】
【数5】
【0085】
したがって、指数特性を仮定することによって、秤の電流値、電流勾配および時定数Tのみの知識から、秤が達する最終値を予測することが可能になる。測定重量の見かけの変動率を用いて、測定重量を補正し、実際の重量に近い値を得ることが可能である。
【0086】
第二の実施形態の方法は、図8に示すような、最初の重量工程の後さらに二つの工程が提供される点を除けば、第一の実施形態の方法に類似する。一回の作動後、粒子は、秤上にほぼ瞬時に堆積され、図6(または図7)の曲線に沿って実際の重量値まで移動することによって秤が反応する。測定見かけ重量信号は、プロセッサによって継続的にモニタリングされ(適切な速度で(例えば、Sartoriusの秤を用いて、一秒当たり30回)サンプリングすることによってモニタリングされ)、重量が増加するように見える速度(dW/dt)が計算される。したがって、秤上に粒子が堆積された後、秤上の実際の粒子重量が一定のままである場合でも、dW/dtは、粒子が供給される見かけ速度である。見かけ重量は、粒子が供給された実際の速度に対応しない。なぜならば、実際には、粒子がほぼ瞬時に供給されるからである。次いで、見かけ重量測定値Wおよび速度測定値dW/dtを用いて、上述の式(4)を用いて秤の最終安定重量WRを推定する。例えば、一秒後に、重量が特定の値になり、重量対時間のグラフの勾配が特定の値になることが知られる場合、4秒後(秤が最終値に落ち着く場合)の重量を決定することが可能である。
【0087】
次いで、この推定の最終値がメモリ内に格納された所定の値と比べられて、粒子の正しい総質量が供給されたか否かがチェックされる。正しい量が供給されていない場合、粒子保持器31が再度タッピングされて、プロセスが繰り返される。このように供給された重量を推定すると、デバイスの動作を一段と速くすることが可能になる。なぜならば、秤が落ち着くのを待つ必要がなくなるからである。
【0088】
実際、二つの点1および2における重量値、ならびにこれらの重量測定値を測定する間の時間を用いて、見かけ供給速度が計算される。したがって、プロセッサ33がメモリ内に過去の重量測定値を示す値およびこれらの測定が行われた時間を示す値を格納することが有用である。次いで、重量dW/dtの増加速度が(W2−W1)/(t2−t1)を計算することによって計算され得る。あるいは、周知のアナログ電子方法を用いて、見かけ重量対時間の曲線を微分することが可能である。
【0089】
秤のインパルス応答は、すべての場合において、真の指数曲線であるわけではない。これを説明するために、時定数Tに対して選択された値が変化し得、最適値となる。
係数Tの選択は、好適には、実験的に得られるが、通常、ほぼ1秒、0.5〜2秒の範囲、より好適には0.8〜1.2秒の範囲であることが見受けられる。
【0090】
この方法を実行している間、粒子保持器31が何度もタッピングされて、任意の時間における瞬時の重量測定は、概して、経時的に散布される多くの小さな個々のインパルス応答から形成される。概して、各タッピングの後、秤にあたる粒子量が正確に予測可能でも一定でもないため、これらの応答は異なる大きさからなることが理解されるべきである。典型的な秤出力信号を図10に示す。点線は、各タッピングの後、秤にあたる粒子団に対する秤の応答を示す。線形性の近似をすれば、得られる信号(実線)は多くのより小さなインパルス応答からなる複合曲線である。
【0091】
例えば、図10における通常点tを測定すると、この点における重量測定値は、三つのタッピングに起因するインパルス応答からなる。したがって、点tにおける測定重量は、
【0092】
【数6】
【0093】
であり、t2およびt3は第二および第三のインパルス応答が開始する時間軸上の点であり、W1、W2およびW3は各個々のインパルス応答の最終値である。点tにおける勾配は、
【0094】
【数7】
【0095】
によって与えられる。適切な代入を行うと、
【0096】
【数8】
【0097】
が得られる。これにより、その時点で測定された値およびその時点の勾配の項からのみ、最終出力(W1+W2+W3)が得られる。すなわち、式(4)は、一つより多いタッピングが現在、測定された値に影響を与える場合でも依然よい近似値である。
【0098】
(方法の第三の実施形態)
方法の第三の実施形態は、測定見かけ重量に追加され得る補正値を計算する別の方法を提供する。これにより、任意のある時間において秤34上の実際の粒子量に関するより正確な値を得ることが可能になる。第三の実施形態の方法は、第二の実施形態に関する上述の方法に比べて多くの利点を有する。まず、この方法は、より実験的であり、これにより、実際に観測される現象を考慮する。したがって、方法は、秤の実際の安定する曲線が真の指数ではなく、よりS型である点を考慮する。第二に、第二の実施形態における変動率を計算する場合、誤った結果を得る場合がある。なぜならば、実際の安定曲線はS型であり、これは、同じ勾配を有する二つの位置があることを意味する。したがって、同じ補正量が二つの位置において得られ、この量は両方の位置にとって正しくない。第三の実施形態の方法にはこの問題がない。さらに、第三の実施形態の方法によって、供給サイクルが、いかなる逆効果もなく、中断および再度開始することができるようになる。第二の実施形態の方法が用いられる場合に、供給サイクルが中断されると、供給速度の異常値が生じ、不正確な供給が得られる場合がある。
【0099】
第三の実施形態に関するフローチャートを図11に示す。理解され得るように、この方法は、補正値を計算するために見かけ供給速度が必要ない点を除けば、図8の方法に非常に類似する。
【0100】
この方法の第三の実施形態が提供するのは、測定見かけ重量に追加された補正が実行されたタッピングの最近の履歴によって判定されることである。したがって、用いられる装置は、粒子解放アクチュエータが時間通りに作動されるときを記録できる必要がある。簡単に言うと、秤の応答は、単なる時間t1の遅延としてモデリングされ得る。この応答を図12に示す。図12から理解され得るように、質量WRが秤に付与される場合で、正しい重量測定値が出力されると、時間t1まで出力重量測定値は全く変化しない。秤がこのような特性を有する場合、第三の実施形態の方法が提供するのは、時間t1にちょうど等しい経過時間に生じる作動数を乗算した重量WRに、補正値が等しいことである。したがって、t1が一秒に等しく、三つの作動が最後の一秒に生じる場合、補正値は3WRに等しい。このようにして、任意のある時間において秤上の実際の粒子重量を計算する場合に、生じたが登録されていない作動が考慮される。補正計算において用いられる量WRは、格納された重量であり、これは一回の作動によって供給された重量と同じ重量であると仮定される。もちろん、任意の一回の作動の結果、供給される実際の重量は、測定されるまで未知である。したがって、少量の誤差が、毎回の作動が「標準」粒子重量であると仮定して導入される。
【0101】
上述の計算を以下の式に要約することが可能である。
【0102】
【数9】
【0103】
Cは、測定見かけ重量に追加された補正重量であり、「now」はその時点の時間を示し、「now−tp」は時間tp前を示し、WSTは標準重量値である。
したがって、補正値は、時間期間(now−tp)から(now)までに生じた各タッピングの合計であると見られ得る。
【0104】
実際、秤の安定曲線は、純粋な遅延ではなく、例えば、図6または図7に示す形態を実際に有する。これを説明するために、上述の「標準」タッピング重量は、補正値計算に含まれる前に、何らかの尺度調整を受ける可能性がある。
【0105】
図7から明白であるように、アクチュエータがちょうど作動を実行したばかりの場合、実質的にすべての標準重量WSTが補正として追加される必要がある。なぜならば、秤が作動にまだ達しないからである。しかし、さらなる過去においての作動に関して、標準の重量より軽い重量が補正として追加される必要がある。なぜならば、秤が作動に対してある程度反応するからである。次いでイメージ化され得るように、水平軸周辺で図7のグラフを単にフリッピング(flip)することによって、標準重量の正規化関数を得て、過去における異なる回数分行われた作動に対して、いかに大きな補正値であるべきかを示すグラフを得ることが可能である。このようなグラフの線形近似値を図13に示す。したがって、S型の秤の安定曲線を説明するために、0〜1の範囲内にある補正乗算数が規定される。補正値を確立するために用いられるそれぞれの標準タッピング重量は、まず適切な補正乗算数Mによって乗算される。補正乗算数の値は、図13のグラフから見い出される。例えば、アクチュエータが0〜0.35秒前に作動された場合、補正乗算数Mは1である。これは、標準タッピング重量WSTが1によって乗算された結果、総標準タッピング重量WSTが0〜0.35秒前の作動に対して、補正値に追加されることを意味する。0.35〜1.35秒前までに行われる作動に関して、補正乗算数は、1〜0の間で線形的に変化する。したがって、0.85秒前に生じた作動は、この作動と関連し、0.5の補正乗算数は、標準タッピング重量の半分が、この作動に対して補正値に追加されることを意味する。このようにして、より遠い過去において生じた作動には、実行されたばかりの作動よりも少ない待ち時間が与えられる。これは、以下の式に要約され得る。
【0106】
【数10】
【0107】
M(t)は、例えば、図13の乗算要素グラフである。
この方法は、供給サイクルが突然停止して、次いで再度開始した場合の、第二の実施形態における変動率を計算する場合に遭遇する問題を被らない。さらに、この方法は、異なる重量において同じ勾配を有する二つの部分が安定曲線にあり得るという問題を被らない。なぜならば、純粋にどのぐらい前に作動があったか、および近年に何回作動があったかによって、補正量が決定されるからである。グラフの勾配は、大きな変化に対してロバースト性を有さず弱く、この結果大きな不正確性を生じさせ、補正量は、このグラフの勾配によっては決定されない。
【0108】
第三の実施形態の方法は、「標準」重量がメモリ内に格納されることを必要とし、任意の所与のタッピング内に供給される実際の粒子重量の近似値として用いられる。環境要素を変更することは、タッピング内で供給された平均の実際の粒子重量が時間と共に変化することを示し得る。これを説明するには、格納された「標準」重量を、完全な供給サイクルの最後で更新して、このような変更を説明することが可能である。この実施形態において、この更新は、最後のサイクルにおいて供給された総重量を最後のサイクルにおいてこの重量を供給するために用いられるタッピングの総数によって除算することによって実行される。したがって、最後のサイクルが50回のタッピング内に500μgを送達する場合、格納された「標準」重量が10μgに設定される。次いで、この値は、次の供給サイクルにおいて実際に供給された重量を計算する場合に用いられる。
【0109】
図13に示す補正乗算数のグラフは、好適には、実験的に最適化されることに留意されたい。なぜならば、補正乗算数のグラフが水平軸周辺でフリッピングされる秤の静電安定曲線に常に対応しているわけではないからである。これは、秤の動的安定曲線が測定静電安定曲線とは異なり得るからである。すなわち、安定時間は、秤が静止した後に粒子の衝撃が付与され安定状態になる場合に観測されるより、秤が継続的に粒子を装填される場合、実際にはもっと短くなり得る。したがって、秤が動的読み取り状態になった後、安定時間が効果的に減少する。この点は、上述の図7および図13に示される。図13は、1.35秒より以前の作動は考慮されていないことを示し、図7の静電曲線は、1.35秒前の作動は約0.4の補正乗算数を必要とすることを示すことが留意され得る。
【0110】
(方法の第四の実施形態)
第四の実施形態は、上述の供給方法のいずれかと共に用いられ得る動作パラメータに対するさらなる計算および調整を含む。
【0111】
粒子保持器31によって解放される粒子数は、衝撃エネルギーに対する関係を有し、この衝撃エネルギーを用いて、粒子保持器31がアクチュエータ41によってタッピングされることが分かる。したがって、より強くタッピングすると、通常、より多くの粒子が解放され、より弱くタッピングすると、通常、より少ない粒子が解放される。高い正確性を得るために粒子の分量分けが必要である場合に、この点は有利に用いられ得るが、必要な許容度に比較してより多く分量分けすることが必要である。例えば、10μgのタッピングを正確に分量分けすることが、500μgを分量分けするために必要な場合、図5の方法では、10μgを約50回、実行する必要がある。これは、第二および第三の実施形態において上述したように、測定された供給速度または最近のタッピングの合計に基づいた補正を用いて、実際の重量が推定される場合でさえも、好ましくない長い時間量がかかり得る。したがって、第四の実施形態は、改良された方法を提供し、これにより、より強いタッピングが分量分けプロセスの開始時あたりで実行され、(正確性が高いことが必要である場合には)力の弱いタッピングが終了時あたりで実行される。
【0112】
これは、任意のある時間において達成される実際の供給速度に対応するように意図された目標の供給速度を事前決定することによって達成される。図14は、いかに目標供給速度が時間と共に変化するかの好適な構成を示す、重量対時間のグラフを示す。理解され得るように、速い供給速度は、早期において必要であるが、遅い供給速度は、実際の重量供給が目標量に達する際に必要であるという事実を目標供給速度は反映している。プロセッサは、測定された見かけ重量値(または適切な場合には推定された実際の重量値)が所定の値WCに達したか否かをチェックする。達した場合、目標供給速度は、図14に示すように異なる低い所定の値まで減少する。所望の量とWCとの比率は、通常、一定に保たれ、この所望の最終重量にこの比率を乗算することによってWCが容易に得られ得る。上述したように、目標供給速度が減少すると、アクチュエータに弱くタッピングさせる効果が生じ、これにより、ユニット時間ごとにより少ない粒子が供給される。
【0113】
図15は、第四の実施形態の上述の特徴が第二の実施形態の方法と組み合わされる図8のフロー図と類似のフロー図を示す。主な差異は、計算された供給速度(dW/dt)が目標速度と比較されて、これにしたがって(粒子リリースアクチュエータに提供される信号の特性を適切に調整することによって)タッピング力が調整されることである。計算された供給速度は、最低および最高の目標供給速度値(最低および最高)と比較される。計算された速度があまりに遅い場合、次のサイクルおよび続きのサイクルにおけるタッピング力が増加する。計算された速度があまりに速い場合、次のサイクルおよび続きのサイクルにおけるタッピング力が減少する。したがって、最初に、(最高および最低の高い値を設定することによって)速い目標速度が設定された場合、タッピング力は、目標速度が達成されるまで増加する。最高および最低の値を同じ値に設定することが可能であるが、概して、最高および最低の値は異なり、任意の時間において許容可能な目標速度の範囲が可能になる。
【0114】
目標速度の値の選択は、概して、推定された実際の重量の絶対値によって決定され、これにより、推定された実際の重量が増加するにしたがって、設定された目標速度が降下し、タッピング力が減少する。これにより、減少した時間量において正確な分量分けを達成することが可能になる。二つの目標速度を図14に示すが、さらに多くの速度を用いたり、絶えず調整する目標速度(例えば、推定された実際の重量に逆比例した速度)を用いることが可能である。
【0115】
推定された重量に基づいた制御が実際によく機能する一方、調節する目的から、カセットが封入される前にカセット内の粒子の正確な最終重量を知る必要がしばしばある。したがって、安定した読み取りを行うさらなる工程が、この実施形態(図15)において行われる。この工程は、推定された重量に基づいた比較が供給された十分な粒子を示す場合に行われる。安定した読み取りは、秤が安定するに十分な時間(例えば、2または3秒)を与えることによって行われ、これにより、供給された粒子の真の重量が得られる。実際、連続サンプルの数(例えば、SartoriusMC5の秤では30)は、秤から取られ得、これらは、安定した読み取りが得られたか否かを決定するために比較され得る。例えば、30個のサンプルの各値が、いくつかの所定の量(例えば、2μg)より少ない量だけ変化する場合、安定した読み取りが仮定され得る。この真の安定した重量読み取りが、必要な量に満たない場合、正確な量が得られるまでさらなるタッピングが与えられ得る。安定した読み取りを行うと、供給された粒子の正確な質量が確実となる。
【0116】
図5および図8の実施形態において、安定した読み取りが行われる場合があり、通常、安定した読み取りが行われるが(図示せず)、図15の実施形態に限定されないことに留意されたい。同様に、最終的に安定した読み取りを行う工程は、高い精度で供給された実際の最終的な粒子重量を必ずしも知る必要がない場合に、図15の実施形態から省略され得る。
【0117】
測定された見かけ重量値の補正に基づいて実際の重量を推定する必要性は、速い安定秤が用いられる場合に減少する。したがって、図16の方法は、タッピング力を調整することのみを目的とし、見かけ供給速度を用いて実際の重量を推定しない場合に、見かけ供給速度が計算されるように実行され得る。
【0118】
(装置の好適な実施形態)
図17は、上述の方法のいずれかを実行することに適した装置の特定の実施形態を示す。同様の参照符号は、図4における同様の部分を示す。理解され得るように、この実施形態において、アクチュエータ41は、ロッド120によって、粒子保持器31から離れて置かれる。これは、アクチュエータ41が、重量測定デバイス34の高感度のコンポーネントを妨害し得る電界および磁界を生成するという実際的な理由を有する。ロッド120は、アクチュエータ41によって生成される水平衝撃エネルギーを粒子保持器31の側面に伝達するように機能する。
【0119】
さらに、この実施形態において、粒子保持器31およびアクチュエータ41は、ピボット121およびスプリング122によって支持される。これにより、粒子保持器の下端を上げたり下げたりすることが可能になり、粒子保持器の下端がカセットキャビティ内部にはまり得、これにより、粒子がカセットに入り損ねるあらゆる危険性が減少する。粒子保持器を上げることが可能であり、これにより、いっぱいになったカセットを空のカセットと交換することが可能になる。粒子保持器31がエラストマー支持部123上に取り付けられ、これにより、アクチュエータからの衝撃エネルギーが各タッピングの後、急速に弱められ、これにより、ふるい上のさらなる移動がなくなる。支持部123は、秤に伝達された衝撃エネルギーも防止される。
【0120】
(装置のさらなる実施形態)
中が満たされた多くのカセットを生成する場合、最小の人間の入力によって多くのカセットなどを生成し得る製造システムおよび製造ラインを実施することが望ましい。このようなシステムおよび製造ラインが、薬物および遺伝物質を処理するためにしばしば必須である、クリーンルーム環境に匹敵することがさらに望ましい。
【0121】
図18は、本発明によって三つの供給デバイスを含む粒子分量分けステーションを示す。さらに、別々のデバイスの粒子保持器31を再度満たすように、トラック131に沿って移動可能なバッチホッパー130が設けられる。この実施形態において、各粒子保持器は、約30分間粒子の容量を供し、バッチホッパー130が空の場合に各粒子保持器を再度満たすように動作可能である。これは、粒子保持器31内の層別化の機会を最小限に抑える。これにより、粒子が機械のみによって処理されることが可能になり、人間によって汚染される危険性が少なくなる。
【0122】
図18に示すバッチホッパーを図19により詳細に示す。理解され得るように、逆にしてバッチホッパー130に直接取り付けられ得るサンプルチューブ141内に、粒子140が事前にパッケージ化されるようになる。バッチホッパー自体は、分量分けデバイスの粒子保持器に類似した粒子保持器を含み得、これにより一組の粒子の用量が、製造ライン上の各粒子保持器に供給される。もちろん、正確性の高さを必要としないと、かなり高い目標供給速度を用いることが可能である。
【0123】
サンプルチューブをバッチホッパーに素早くかつ容易に取り付けることが可能であり、多くの製造時間に十分な粒子を含むことが示される。さらに、任意の公知の供給技術によって、バッチホッパー130を製造することが可能であり、これは、本発明の供給方法に限定されない。
【0124】
図20は、開いたカセットを取り込んで、閉じて正確に分量分けされたカセットを出力することが可能な製造ステーションを示す。
この装置は、開いたカセット42を重量測定デバイス34上に移動させる手段150、およびカセットがいっぱいになった後、重量測定デバイスからカセットを取り外す手段を含む。この装置は、一度いっぱいになったカセットを閉める手段152も含む。この実施形態において、カセットを移動させる手段は、中心周辺において回転可能であり、外周周辺に設けられるカセット位置手段151(図20の三つ)を有する環状リング150を含む。図21は、図20のラインA〜Aに沿った側面の断面図を示す。理解され得るように、位置手段151は、カセット上のフランジ181の下のカセット42を支持する。カセット入力位置において、カセットは、コンベヤの動作によって、位置手段のうちの一つに移動される。ホイールが回転する場合、カセットは分量分け位置に移転され、この分量分け点において、秤134のパン上の隆起した表面182によって位置手段151を用いずとも上げられる。次いで、ホイールは、少し上げることによって逆にされ、これにより、位置手段と接触しない秤上にカセットが残される。カセットがいっぱいになった後、ホイールは再度回転して、カセットはカセット出力位置に移転される。ここで、初めて封入されて、次いで、第二のコンベヤの動作によってホイールから取り外される。
【0125】
あるいは、位置決め手段151は、中央制御器によって信号がカセット42に与えられた場合に、カセット42を捕らえ、かつ、解放するように動作し得る。
この実施形態によって、三つのタスクが同時に行われることが可能になる。一つの位置手段が新たなカセットを取り込む一方、もう一つの位置手段は、分量分けされるカセットの近くにあり、最後の位置手段は封入されるカセットを保持する。
【0126】
記載する製造ステーションは、粒子のこぼれおよび汚染の危険性を最小限にするように、カセットがいっぱいになった後すぐに閉じられるという利点を有する。さらに、いっぱいのカセットを取り外して、秤に空のカセットを提供するまでの移動を迅速に達成することが可能である。これにより、秤に対する外乱(disturbance)が最小限に抑えられる。
【0127】
図20の製造ステーションが図18のバッチホッパーシステムと組み合わされ得、これにより、図22に示す製造ラインが得られる。ここで、操作者は、複数の開いているカセット47をカセットインフィードトラック160に供給するためだけに必要であり、カセットは、自動的に分量分けされ、閉じられる。完成品は、アウトフィードトラック161に供給される。したがって、操作者の入力が最小限しか必要でない。
【0128】
カセットインフィードトラック160およびアウトフィードトラック161を、図18の装置と組み合わせて、カセットに粒子を装填する(但し、必ずしもカセットを封入する必要はない)機能を有する製造ステーションを提供することが可能である。インフィードトラック160およびアウトフィードトラック161は、移動ベルトを用いてカセットを運搬する基本的なコンベヤシステムから形成され得る。あるいは、図21のカセット構成を用いる場合、コンベヤは、各カセットのフランジ182がその上に置かれる二つの金属トラックから形成され得る。次いで、カセットは、トラックに沿って相互に押し合うように働き、これにより特定の運搬手段が必要にならない。カセットが分量分けされる際に、同じ製造ステーションにおいて閉められる必要がない場合、インフィードトラックおよびアウトフィードトラックは、単に秤を横断するだけの過程を取り得る。次いで、(すでに記載したような)秤上の隆起部分は、トラックからカセットを持ち上げて、正確な重量測定を可能にする役に立つ。コンベヤがいかなる形態を取ろうとも、供給装置を制御するために用いられるように、同じプロセッサによって有利に制御される。
【0129】
本発明の装置において、送達速度は、タッピングの頻度、タッピングの衝撃エネルギーおよびアパーチャサイズを変化させることによって、広範囲にわたって制御可能である。これらのパラメータのいずれかを変化させると、供給される粒子の特定の種類に適切なデバイスが提供される。
【0130】
記載される閉ループシステムは、材料の可変性およびプロセス状態の可変性を許容するという利点を有する。タッピングごとの送達は必ずしも正確ではない点を克服する。
さらに、本発明は、粒子を損傷する危険性が非常に低いという利点も有する。これは、DNAでコーティングされた金の粒子を供給する場合に特に有利である。さらに、ハードウェアに比較的移動部分がないため、粒子がトラップされ損傷される機会がより少ない。さらに、デバイスの単純さにより、製薬化合物を分量分けする場合にしばしば必要なクリーンルーム環境に匹敵する。
【0131】
本発明の粒子保持器31は、着脱可能であり、使い捨てであり得る。これにより別々の粒子保持器が異なる薬物に用いられ得る。これにより、異なる粒子の種類に同じ保持器が用いられる場合、生じ得るバッチクロスオーバの問題が回避される。
【0132】
時には、粒子は、粒子保持器31内に詰め込まれ、これにより全体的な供給速度が遅くなり、供給時間が長くなる。これを緩和するためには、粒子保持器が二つの端部を有し、各端部におけるふるいによって反転可能である。プロセッサ33によって指図される種々の時間的な点において、粒子保持器は180°反転され得、これにより供給が他のふるいを通り続ける。これにより、保持器内に過度な粒子が詰め込まれることが防止され、粒子が粒子保持器内に残される全時間にわたって、円滑で迅速な供給が保証される。あるいは、掻き回す手段または他の供給手段を用いて、詰め込みを妨害することが可能である。この問題を解決する別の方法は、上部が閉まった標準粒子保持器を用いて、連続的にこれを二回反転させる(すなわち、360°回転させる)ことである。これは、詰め込みを妨害し、より速い供給を可能にする。この種類の妨害は、規則的に(例えば、10分ごとに)実行され得る。あるいは(またはさらに)、標準の流動技術を用いて、粒子の詰め込みを制限することが可能である。
【0133】
ドラフト効果から重量測定デバイスを分離するための封入物があるため、本発明は、薄層状のフローチャンバ内に見られるような、高い空気の移動においてさえも申し分なく動作することが見受けられる。したがって、本発明は、特にクリーンな環境が必要な場合、薄層状のフローエリア内で効果的に使用され得る。
【0134】
図23〜図25は、図17に示す粒子供給デバイスに類似した粒子供給デバイスのさらなる実施形態の斜視図を示す。ホッパー31は、クランプ230によってロッド120に取り付けられる。図24から理解され得るように、クランプ230は、ボルトによってロッドにしっかり締められ、ホッパーの外部表面の溝と係合して、これにより、垂直方向での移動が防止される。ホッパー31は、ロッド120の一端において円錐ホール242内にあり、これにより、ロッド120に対して横方向に移動することが防止される。図17の実施形態と同様、ソレノイドアクチュエータ41は、ロッド120のもう一方の端部に配置されて、実質的に水平の衝撃力をロッド120に伝えて、この結果ホッパー31に伝わる。ロッド120は、二つのサスペンションアーム240によって部材244に接続される。これらのサスペンションアーム240は、水平方向において比較的フレキシブルであるように設計され、これにより、ロッド120が部材244に対して水平に移動することが可能である。この移動は、サスペンションアーム240の一つまたは両方および部材244に接続されたダンパシリンダー232によってダンピングする。部材244は、固定されたベースプレート246に対して、ピン121の周辺で回転する。この構成により、部材244、シリンダー232、腕240、ロッド120、アクチュエータ41、クランプ230およびホッパー31を含む供給装置のほとんどがピン121によって規定される軸の周辺で回転することが可能になる。これにより、ホッパーが実質的に垂直に移動し、カセット42内にふるい46を入れたり、カセット42からふるい46を出すことが可能になる。上げたり下げたりすることは、ベースプレート246の下に配置された空気圧アクチュエータ234によって自動的に達成される。アクチュエータ234により、上げ部材/下げ部材236を上げたり下げたりして、垂直力が接続ピン238を介して、部材244に伝達されるようにする。このようにして、部材244は、ピン121の周辺で回転して、ホッパー31を上げたり下げたりし得る。
【0135】
上述したように、ホッパー31はクランプ230によってロッド120に接続される。このクランプは、通常、ホッパーがロッド120に対して移動し得ないことを保証する。しかし、クランプ230を用いない場合、ホッパーが単にホール242内にあるだけで垂直に摂動できるため、有益な効果が得られ得ることが見受けられる。このクランプが無い構成は、相互に付着したり、あるいは、ホッパーまたはふるいに付着しやすい粒子を供給することが望ましい場合、特に効果的であることが発見された。例えば、アガロースビーズは、粘着性を表示する傾向にあり、この粘着性により、アガロースビーズが供給されることが完全に防止される。クランプを用いず、ホッパー31がアパーチャ242内で自由に垂直に移動できる(および/または回転できる)場合、アガロースビーズが供給され得る。この理由は、アクチュエータ41が、ホッパーの側面壁において部分的に垂直力に変換される水平力を提供するからである。これは恐らくこれらの側面壁のテーパー特性に起因する。この垂直力によって、ホッパーが垂直に振動し、これにより、アガロースビーズを流動させることに役立ち、アガロースビーズが供給しやすくなる。この構成は、ホッパー31がアパーチャ242内で自由に回転し、概して、ロッド120がアクチュエータ41によって機械的に作動される場合にホッパー31が回転するというさらなる利点を有する。例えば、アパーチャ242の平面が正確には水平でない場合に、これらの回転が、コンポーネント内で非対称であることに起因すると考えられる。ホッパー31のこの回転は、作動力が各作動においてやや異なる方向から付与され、これにより、各タッピングがホッパー外周上の異なる点において生じることの役に立つ。これは、粒子が圧縮されたり、そうでない場合には粒子同士がくっつくことを防止することの役に立つ。
【0136】
(実験結果)
図26は、縦座標にグラムによる重量、横座標に秒による時間を有するグラフを示す。「1」とラベル付けされた曲線は、供給サイクル(すなわち、測定された見かけ重量)の間に得られる秤からの読み取り値を示す。「2」とラベル付けされた曲線は、補正値を測定された見かけ重量に追加することによって得られる決定された実際の重量を示す。補正値を得るために用いられたアルゴリズムは、第三の実施形態のアルゴリズムであり、供給速度制御が実行され、これにより、目標重量の0.00025gに近似するようなさらに低い供給速度が達成される。ひし形および正方形はそれぞれ、サンプル時を示し、サンプルは、アクチュエータのそれぞれのタッピングの後に一度取られることが留意されるべきである。
【0137】
最初に、測定された見かけ重量の曲線「1」から見られ得るように、秤がアクチュエータのタッピングに応答して遅い。この時点において、ほとんどの決定された実際の重量値は、補正値コンポーネントから形成される。例えば、一秒(およびアクチュエータの10回のタッピング)の後、秤の読み取り値は6μgであるが、秤上の実際の粒子重量は50μgであると予測される。このとき、補正値は44μgである。ホッパーがかなり一定の頻度で、(この実験のように)一定の力を用いてタッピングされる場合、この補正値は比較的一定に留まる傾向にある。したがって、補正値は、供給の最初の4秒間、約50μgである傾向にある。250μgの目標重量に近似してくると、実際の供給速度がより低い頻度で(この場合、一秒当たり5回)タッピングすることによって実際の供給速度が減少することを、供給速度制御アルゴリズムは保証する。この結果、必要な補正量が減少し、これは、決定された実際の重量がより正確であることを意味する。6.2秒後、アルゴリズムは、目標重量を越え、ホッパーがもはやタッピングされないことを予測する。次いで、重量測定サンプルが一秒当たり30回の速度で取られる。これらのサンプルは、その時点のサンプルと一秒前に取られた別のサンプルが所定の量(例えば、2μg)より少ない量だけ異なることが見受けられるようになるまで取られ続ける。実際、秤は、約8秒および約9秒後、比較的一定した値に安定し、供給が完了する。測定された見かけ重量「1」はここで秤上の真の粒子重量を示す。この最後の読み取り値は、メモリ内に格納されて、供給された真の粒子重量としてみなされる。
【0138】
三つの異なる粉末化合物を供給する実験は、第三の実施形態の補正アルゴリズムを第四の実施形態の目標供給速度制御と共に用いて行われた。SartoriusMC5の秤(この秤用の静電安定を図7に示す)を用いた。テストされた粉末化合物および目標供給重量はリドカイン(1mg)、BSA(0.5mg)およびアガロース(0.25mg)であった。以下の表は、実際に供給された平均重量(mg)およびこの平均からの標準偏差を示す。以下の表は、50個のサンプルの実験において供給された最小重量および最大重量を示す。理解され得るように、最小値および最大値は、約0.05mg以下の値だけ、平均値よりずれる。標準偏差は、平均の2または3%であり、これは、非常によい供給再現性を示す。この表はまた、供給が達成されるためにかかりそうな時間を秒単位で示す。これは、通常、すべての粉末の種類に関して約8秒である。興味深いことに、アガロースは流動性が悪いために従来の方法を用いる場合供給することが困難であると理解されていたが、ここでは、9μgのみの標準偏差で供給された。しかし、リドカインまたはBSAの標準偏差が平均の8%であるのに比べ、アガロースの標準偏差は平均の15%であることから見られるように、アガロースを供給するためにかかる時間はさらに多様である。
【0139】
【表1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子を供給するための装置であって、
該供給されるべき粒子の供給を保持するための粒子保持器であって、該粒子保持器は、該粒子保持器を通して該粒子を供給する複数の開口部を有する粒子保時器と、
作動信号に応答して、粒子の該供給の一部が詰まりが除かれた該開口部を通って該粒子保時器から供給されることを可能にする粒子解放作動器と、
該粒子保持器から供給された粒子の見掛け重量を測定し、測定された該見掛け重量を表わす信号を出力する重量測定デバイスと
を含む、装置。
【請求項2】
前記粒子解放作動器に効果的に接続され、該粒子解放作動器に前記作動信号を出力するように構成され、前記重量測定デバイスに効果的に接続され、および該重量測定デバイスから測定された見掛け重量信号を受信するように構成されたプロセッサを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、供給された粒子の実重量を評価することによって、前記重量測定デバイスの非瞬間動作の効果を低減するように構成され、該評価は、補正値に加えられる測定された前記見掛け重量を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
粒子を供給するための装置であって、
供給されるべき粒子の供給を保持するための粒子保持器と、
作動信号に応答して、該粒子の供給の一部が、該粒子保持器から供給されるようにする粒子解放作動器と、
該粒子保持器から供給された粒子の見掛け重量を測定し、測定された見掛け重量を表わす信号を出力するための重量測定デバイスと、
該粒子解放作動器に効果的に接続されるプロセッサであって、該粒子解放作動器に該作動信号を出力するように構成され、該重量測定デバイスに効果的に接続され、該測定された見掛け重量信号を該重量測定デバイスから受信するように構成されるプロセッサであって、該測定された見掛け重量に補正値を加えることによって供給される粒子の実重量を評価するように構成されるプロセッサと
を含む装置。
【請求項5】
前記装置を通って前記粒子が供給される複数の開口部をさらに含む、請求項5に記載の装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記信号が前記粒子解放作動器によって受信されると、前記粒子保持器から供給される所望の粒子量に対応する特性を有する作動信号を供給するように構成される、請求項2〜5のうちの1つに記載の装置。
【請求項7】
前記プロセッサはタイマーを備え、該タイマーからの信号出力から計算するために動作可能であり、前記測定された見掛け重量は、前記粒子が前記重量測定デバイス上に供給される見掛け率である、請求項2〜6のうちの1つに記載の装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、計算された見掛け率を用いて前記測定された見掛け重量に加えられるべき該補正値または補正値を取得して、供給された粒子の実重量を評価するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、時定数によって計算される見掛け率を乗算して、該補正値または補正値を取得するように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記測定された見掛け重量に加えられるべき該補正値または補正値を計算して、供給される粒子の実重量を評価するように構成され、前記計算は、
粒子解放作動器が所定の期間内に作動される回数を数える工程と、
記憶された標準重量をそれぞれの作動の該補正値に加える工程と
を含む、請求項2〜7のうちの1つに記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、1またはそれより小さい増大率によってそれぞれの前記記憶された標準重量を乗算し、該乗算された標準重量は、前記補正値を計算するときに該標準重量の代りに用いられるように、さらに構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記増大率は、該粒子解放作動器が作動される該所定の期間における時間によって決定される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記増大率は、該粒子解放作動器の対応する作動から増加した時間に対して、通常、直線的に減少する関数を用いて決定される、請求項11または12に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、粒子の該所望の質量が供給された後、記憶された前記標準重量を更新するように構成される、請求項10〜13のうちの1つに記載の装置。
【請求項15】
前記更新工程は、該装置が粒子を供給するために用いられることが最後に行われた作動の結果として供給された、粒子の平均重量の値を取得する工程を含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記値は、供給粒子の総重量を作動の回数で割ることによって取得される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記評価された実供給重量を所定の粒子重量と比較し、粒子のさらなる供給が必要かどうかを決定するように構成される、請求項8〜16のうちの1つに記載の装置。
【請求項18】
前記所定の粒子重量は、許容重量を引いて供給されるべき所望の粒子重量を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、粒子解放作動器に信号を供給して、前記計算された見掛け率が所定の所望比率値よりも低いとき、その作動のエネルギーを増加するように構成される、請求項7〜9のうちの1つに記載の装置
【請求項20】
前記プロセッサは、粒子解放作動器に信号を供給し、前記計算された見掛け率が所定の所望される比率値よりも高いときに、該粒子解放作動器の作動エネルギーを低減するように構成される、請求項7〜9のうちの1つに記載の装置。
【請求項21】
前記プロセッサは、前記計算された見掛け率が所定の所望される比率値よりも高いとき、所定の期間停止するように構成される、請求項7〜9のうちの1つに記載の装置。
【請求項22】
前記プロセッサは、測定された見掛け重量のうちの1つ、および評価された実重量値が所定の粒子重量の所定範囲内であるとき、前記所定の所望される比率値を低減するように構成される、請求項3または4に間接的に従属する場合に請求項19〜21のうちの1つに記載の装置。
【請求項23】
前記粒子保持器はホッパを備え、前記開口部はふるいによって該ホッパの断面を横断して供給され、該ふるいは、該ホッパの断面上で粒子を支援することが可能な、請求項1または5のどちらか1つに最終的に従属するときに請求項1または5、2〜3、あるいは6〜22のうちの1つに記載の装置。
【請求項24】
前記開口部は、供給されるべき粒子の平均的大きさよりも大きい大きさを有し、該開口部は、前記粒子保持器が妨害されるまで、粒子が詰められていることが可能な、請求項1または5のどちらか1つに最終的に従属するときに請求項1または5、あるいは2〜3、あるいは6〜23のうちの1つに記載の装置。
【請求項25】
前記開口部は、直径50〜400μmの孔を有する、請求項1または5のどちらか1つに最終的に従属するときに請求項1または5、2〜3、あるいは6〜24のうちの1つに記載の装置。
【請求項26】
前記粒子保持器は、単一片の成形プラスチック材料のホッパおよびふるいを備える、請求項1〜25のうちの1つに記載の装置。
【請求項27】
前記粒子保持器は、ステンレス鋼ホッパおよびステンレス鋼ふるいを備える、請求項1〜26のうちの1つに記載の装置。
【請求項28】
前記ふるいは約3mmの直径を有する、請求項23、26または27に記載の装置。
【請求項29】
前記粒子解放作動器は、衝撃エネルギーを前記粒子保持器に送達するように構成された電気機械的作動器を備える、請求項1〜28のうちの1つに記載の装置。
【請求項30】
前記電気機械的作動器はソレノイドを備える、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
少なくとも前記重量測定デバイスおよび前記粒子保持器を覆う囲いをさらに備える、請求項1〜30のうちの1つに記載の装置。
【請求項32】
粒子を精確に供給する方法であって、
供給されるべき該粒子の供給を保持する工程と、
粒子の該供給の一部がその保持された位置から複数の開口部を通って、それらの重量が測定され得る位置へ供給されるようにする工程と、
供給された粒子の見掛け重量を測定する工程と、
粒子の供給を制御するために該測定された見掛け重量を利用する工程と
を含む、方法。
【請求項33】
前記測定された見掛け重量を補正値に加え、それによって補正重量測定の取得における遅延の効果を低減して粒子の実重量を評価する工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
粒子を正確に供給する方法であって、
供給されるべき粒子の供給を保持する工程と、
粒子の供給の一部が該粒子の保留された位置から該粒子の重量が測定され得る位置へ供給されるようにする工程と、
供給された粒子の見掛け重量を測定する工程と、
測定された見掛け重量を補正値に加え、それによって補正重量測定の取得における遅延の効果を低減して粒子の実重量を評価する工程と、
粒子の供給を制御するために該測定された見掛け重量を利用する工程と
を含む、方法。
【請求項35】
前記粒子のそれぞれは、複数の開口部のうちの1つを通って供給される、請求項35に記載の方法。
【請求項36】
前記測定された見掛け重量を利用する工程は、前記測定された見掛け重量が所定の粒子の重量と等しいか、それよりも大きいかどうかを決定する工程と、該測定された見掛け重量を利用する工程は、前記測定された見掛け重量が所定の粒子の重量と等しくなく、それよりも大きくない場合、該方法工程を周期的に繰返す工程とを含む、請求項32〜35のうちの1つに記載の方法。
【請求項37】
前記測定された見掛け重量を利用する工程は、前記評価された実重量が所定の粒子の重量と等しいか、それよりも大きい場合には決定する工程と、該測定された見掛け重量を利用する工程は、前記測定された見掛け重量が所定の粒子の重量と等しくなく、それよりも大きくない場合、該方法工程を周期的に繰返す工程とを含む、請求項33〜35のうちの1つに記載の方法。
【請求項38】
前記所定の重量は、許容重量を引いて供給されるべき所望の粒子重量を含む、請求項36〜37に記載の方法。
【請求項39】
前記粒子の供給の一部が供給されるようにする工程は、粒子解放作動器を作動する工程を含む、請求項32〜38のうちの1つに記載の方法。
【請求項40】
連続する作動間の期間を計る工程と、 粒子が重量を測る位置に供給される見掛け比率を計算する工程とをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記計算された見掛け比率に基づく該補正値または補正値に測定された見掛け重量を加えることによって、供給されるべき実重量を評価する工程をさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記補正値は、時定数によって前記見掛け比率を乗算することによって取得される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記測定された見掛け重量に加えられて供給された粒子の実重量が評価される該補正値または補正値は、
所定の期間内の作動の数を数える工程と、
記憶された標準重量を、前記作動それぞれに対する該補正値に加える工程と
によって計算される、請求項39または40に記載の方法。
【請求項44】
前記それぞれの記憶された標準重量を1またはそれ以下の増大率によって乗算する工程をさらに包含し、増大された標準重量は、補正値を計算するときに前記標準重量の代りに用いられる、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記乗算工程は、作動が生じる所定の期間の間の時間によって前記増大率を決定する工程をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記増大率は、対応する作動以来増加した時間に対して、通常、直線的に減少する関数を用いて決定される、請求項44または45に記載の方法。
【請求項47】
標準重量値を更新する工程をさらに含む、請求項43〜46のうちの1つに記載の方法。
【請求項48】
前記更新工程は、該装置が粒子を供給するために用いられることが最後に行われたそれぞれの作動の結果として供給された粒子の平均重量の値を取得する工程を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記値は、供給粒子の総重量を作動の回数で割ることによって取得される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
さらなる粒子の供給が必要とされるかどうかを決定するように、評価された前記実重量を所定の粒子重量と比較する工程をさらに含む、請求項41〜49のうちの1つに記載の装置。
【請求項51】
前記所定の粒子重量は、許容重量を引いて供給されるべき所望の粒子重量を含む、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
前の周期の間に計算された見掛け比率が所定の所望される比率よりも少ないかどうかを決定する工程と、
該計算された見掛け比率が該所定の所望される比率よりも少ない場合、該前の周期で供給されるようにされたよりも多い粒子が現在の周期で供給されるようにする工程と
をさらに含む、請求項40〜42のうちの1つに記載の方法。
【請求項53】
前の周期の間に計算された見掛け比率が、所定の所望される比率よりも多いかどうかを決定する工程と、
該計算された見掛け比率が、該所定の所望される比率よりも多い場合、該前の周期に供給されるようにされたよりも少ない粒子が現在の周期で供給されるようにする工程と
をさらに含む、請求項40〜42のうちの1つに記載の方法。
【請求項54】
前の周期の間に計算された見掛け比率が所定の所望される比率よりも多いかどうかを決定する工程と、
該計算された見掛け比率が該所定の所望される比率よりも多い場合、所定の期間停止する工程と
をさらに含む、請求項40〜42のうちの1つに記載の方法。
【請求項55】
前記測定された見掛け重量および前記評価された実重量のうちの1つが、所定の粒子重量の所定範囲内であるかどうかを決定する工程と、
前記測定された見掛け重量および前記評価された実重量のうちの1つが、該所定の粒子重量の該所定範囲内である場合、所望される比率値を低減する工程と
をさらに含む、請求項33または34に従属するときに請求項52〜54のうちの1つに記載の方法。
【請求項56】
前記粒子解放作動器を作動する工程は、前記粒子の供給を振動させる工程を含む、請求項39〜55のうちの1つに記載の方法。
【請求項57】
5mg以下の粒子が供給される、請求項32〜56のうちの1つに記載の方法。
【請求項58】
前記粒子保持器は、
ホッパと、
該ホッパの断面を横断するふるいと
を備える、請求項1〜31のうちの1つに記載の装置に使用するために意図された粒子保持器、または請求項32〜57のうちの1つに記載の方法に使用するための粒子の供給を保持するための粒子保持器。
【請求項59】
前記ふるいは、前記ホッパの一方の端に配置される、請求項58に記載の粒子保持器。
【請求項60】
前記ホッパはガラス管であり、前記ふるいは電着網である、請求項58または59に記載の粒子保持器。
【請求項61】
前記ホッパおよび前記ふるいは、1片のプラスチック材料で形成される、請求項58または59に記載の粒子保持器。
【請求項62】
前記ホッパおよび前記ふるいはステンレス鋼で形成される、請求項58または59に記載の粒子保持器。
【請求項63】
前記ふるいは、50〜400μmの範囲の直径の孔を有する、請求項58〜62のうちの1つに記載の保持器。
【請求項64】
前記プロセッサは、
所定の特性の出力信号を粒子解放作動器に出力する信号出力手段と、
比較手段と、
重量測定デバイスから前記比較手段への信号出力から得られた入力信号の値を供給する信号入力手段と、
格納された所定の重量値を該比較手段に供給する記憶手段と、
を含み、
前記比較手段は、該入力信号の値と所定の重量値を比較し、該入力信号が該所定の重量値よりも大きいかどうかを決定するように構成されている、請求項2〜31のうちの1つの装置内のプロセッサとして用いるために意図されたプロセッサ、または請求項32〜57のうちの1つの方法の工程の一部を実行するために意図されたプロセッサ。
【請求項65】
前記重量測定デバイスからの信号を受信し、補正値を該信号に加え、供給された粒子の実重量評価を計算し、該評価は該信号入力手段に供給されるようにプログラムされ、かつ構成される計算手段をさらに含む、請求項64に記載のプロセッサ。
【請求項66】
前記計算手段は、全時間にわたって前記重量測定デバイスから受信された信号の変化率を計算し、前記補正値を取得するために該変化率を用いる、請求項65に記載のプロセッサ。
【請求項67】
前記計算手段は、
粒子解放作動器が所定の期間内に作動された回数を数える工程と、
該粒子解放作動器が作動される所定の期間の間の時間によって増大率を決定する工程と、
乗算された記憶された標準重量をそれぞれの作動に対して加え、前記補正値を取得する工程と
を実行する、請求項65に記載のプロセッサ。
【請求項68】
前記計算された前記変化率が所定の所望された値よりも少ない場合、出力信号の特性が増加され、計算された該変化率が所定の所望された値よりも大きい場合、低減される、請求項66に記載のプロセッサ。
【請求項69】
前記重量測定デバイスから受信された前記信号の連続するサンプルを取得するためのサンプリング手段と、
前記記憶された値が前記入力信号よりも大きくないとき、該入力信号の実質上安定したレベルが達成されたかどうかを決定する複数の該サンプルを比較するための第2の比較手段と
をさらに含む、請求項64〜68のうちの1つに記載のプロセッサ。
【請求項70】
請求項32〜57のうちの1つに記載の方法を実行するためのコンピュータプログラム、または、請求項64〜69のうちの1つに記載のプロセッサを作動させるためのコンピュータプログラム。
【請求項71】
オープンカセットおよび空カセットを収集するためのコレクタと、
該オープンカセットおよび空カセットを重量が測定され得る位置に移動するための運搬機器と、
粒子を該オープンカセットに供給し、負荷カセットを取得するための、請求項1〜31のうちの1つに記載の装置と
を含む、粒子カセットを製造するための製造ステーション。
【請求項72】
前記負荷カセット内に供給された粒子を含む負荷カセットを密閉するためのカセット密閉ステーションと、負荷カセットを該カセット密閉ステーションに移動するための第2の運搬機器とをさらに含む、請求項71に記載の製造ステーション。
【請求項73】
オープンカセットおよび空カセットを移動するための前記運搬機器は、前記負荷カセットを移動するための前記第2の運搬機器と同じ運搬機器である、請求項72に記載の製造ステーション。
【請求項74】
カセットを移動するための前記運搬機器は、ピボット式で取付けられたアームを備え、該アームの一方の端は該カセットを配置するための配置器を有する、請求項73に記載の製造ステーション。
【請求項75】
前記カセットを移動するための前記運搬機器は、該カセットを配置するための円周に配置される配置器を有する、回転可能な円形コンポーネントを備える、請求項73に記載の製造ステーション。
【請求項76】
前記配置器は、前記カセットを掴み、解放する動作が可能である、請求項74または75に記載の製造ステーション。
【請求項77】
オープンカセットおよび空カセットを供給するための供給トラックと、負荷カセットを送出すための供給トラックとを含む、請求項71〜76に記載の製造ステーション。
【請求項78】
製造ラインであって、
請求項71〜77のうちの1つに記載の構造を有する複数の製造ステーションを包含し、該複数の製造ステーションは、
オープンカセットおよび空カセットを供給するための供給トラックと、
負荷カセットを供給するための供給トラックと
を備え、該カセットを移動するための複数のそれぞれの前記運搬機器は、オープンカセットおよび空カセットを該送出しトラックから取出し、密閉され、負荷されたカセットを該送出しトラック上に配置する動作が可能な、製造ライン。
【請求項79】
それぞれの粒子保持器を粒子で詰替えるためのそれぞれの製造ステーションのそれぞれの粒子保持器間で移動可能なバッチホッパを備える、請求項78に記載の製造ライン。
【請求項80】
粒子供給ステーションであって、
請求項1〜31のうちの1つに記載の複数の装置と、
それぞれの粒子保持器を粒子で詰替えるためのそれぞれの製造ステーションのそれぞれの粒子保持器間を移動するバッチホッパと
を備える、粒子供給ステーション。
【請求項81】
非瞬間動作応答時間を有する重量測定デバイス上に供給される粒子の実重量を評価する方法であって、該方法は、
測定された見掛け重量を取得する工程と、
補正値を該測定された見掛け重量に加える工程と
を包含し、該補正値は、該測定された見掛け重量の変化比率を表わす値から得られるか、1回の作動において供給される平均重量を表わす値の測定された重量を合計することによって取得された値から得られる、方法。
【請求項82】
請求項1〜31のうちの1つに記載の装置とともに用いるための評価関数、請求項32〜57のうちの1つに記載の方法、または、式WR=W(t)+Cを有する請求項64〜69のうちの1つに記載のプロセッサであって、WRは評価される実重量、W(t)は現在の見掛け重量、およびCは補正値であり、Cは、2つの式
【数1】
のうちのどちらかを有し、dW/dt(t)は時間をともなう、重量の現在の見掛け変化比率、Tは、時定数、nowは現在時間を表わし、now−tpは前の時間tp、M(t)は増大率、およびWSTは標準重量値である。
【請求項83】
添付の図面の図3〜図22を参照して、前述のように実質上組立てられ、構成された装置。
【請求項84】
添付の図面の図3〜図22を参照して、前述のように実質上粒子を供給する方法。
【請求項1】
粒子を供給するための装置であって、
該供給されるべき粒子の供給を保持するための粒子保持器であって、該粒子保持器は、該粒子保持器を通して該粒子を供給する複数の開口部を有する粒子保時器と、
作動信号に応答して、粒子の該供給の一部が詰まりが除かれた該開口部を通って該粒子保時器から供給されることを可能にする粒子解放作動器と、
該粒子保持器から供給された粒子の見掛け重量を測定し、測定された該見掛け重量を表わす信号を出力する重量測定デバイスと
を含む、装置。
【請求項2】
前記粒子解放作動器に効果的に接続され、該粒子解放作動器に前記作動信号を出力するように構成され、前記重量測定デバイスに効果的に接続され、および該重量測定デバイスから測定された見掛け重量信号を受信するように構成されたプロセッサを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、供給された粒子の実重量を評価することによって、前記重量測定デバイスの非瞬間動作の効果を低減するように構成され、該評価は、補正値に加えられる測定された前記見掛け重量を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
粒子を供給するための装置であって、
供給されるべき粒子の供給を保持するための粒子保持器と、
作動信号に応答して、該粒子の供給の一部が、該粒子保持器から供給されるようにする粒子解放作動器と、
該粒子保持器から供給された粒子の見掛け重量を測定し、測定された見掛け重量を表わす信号を出力するための重量測定デバイスと、
該粒子解放作動器に効果的に接続されるプロセッサであって、該粒子解放作動器に該作動信号を出力するように構成され、該重量測定デバイスに効果的に接続され、該測定された見掛け重量信号を該重量測定デバイスから受信するように構成されるプロセッサであって、該測定された見掛け重量に補正値を加えることによって供給される粒子の実重量を評価するように構成されるプロセッサと
を含む装置。
【請求項5】
前記装置を通って前記粒子が供給される複数の開口部をさらに含む、請求項5に記載の装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記信号が前記粒子解放作動器によって受信されると、前記粒子保持器から供給される所望の粒子量に対応する特性を有する作動信号を供給するように構成される、請求項2〜5のうちの1つに記載の装置。
【請求項7】
前記プロセッサはタイマーを備え、該タイマーからの信号出力から計算するために動作可能であり、前記測定された見掛け重量は、前記粒子が前記重量測定デバイス上に供給される見掛け率である、請求項2〜6のうちの1つに記載の装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、計算された見掛け率を用いて前記測定された見掛け重量に加えられるべき該補正値または補正値を取得して、供給された粒子の実重量を評価するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、時定数によって計算される見掛け率を乗算して、該補正値または補正値を取得するように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記測定された見掛け重量に加えられるべき該補正値または補正値を計算して、供給される粒子の実重量を評価するように構成され、前記計算は、
粒子解放作動器が所定の期間内に作動される回数を数える工程と、
記憶された標準重量をそれぞれの作動の該補正値に加える工程と
を含む、請求項2〜7のうちの1つに記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、1またはそれより小さい増大率によってそれぞれの前記記憶された標準重量を乗算し、該乗算された標準重量は、前記補正値を計算するときに該標準重量の代りに用いられるように、さらに構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記増大率は、該粒子解放作動器が作動される該所定の期間における時間によって決定される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記増大率は、該粒子解放作動器の対応する作動から増加した時間に対して、通常、直線的に減少する関数を用いて決定される、請求項11または12に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、粒子の該所望の質量が供給された後、記憶された前記標準重量を更新するように構成される、請求項10〜13のうちの1つに記載の装置。
【請求項15】
前記更新工程は、該装置が粒子を供給するために用いられることが最後に行われた作動の結果として供給された、粒子の平均重量の値を取得する工程を含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記値は、供給粒子の総重量を作動の回数で割ることによって取得される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記評価された実供給重量を所定の粒子重量と比較し、粒子のさらなる供給が必要かどうかを決定するように構成される、請求項8〜16のうちの1つに記載の装置。
【請求項18】
前記所定の粒子重量は、許容重量を引いて供給されるべき所望の粒子重量を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、粒子解放作動器に信号を供給して、前記計算された見掛け率が所定の所望比率値よりも低いとき、その作動のエネルギーを増加するように構成される、請求項7〜9のうちの1つに記載の装置
【請求項20】
前記プロセッサは、粒子解放作動器に信号を供給し、前記計算された見掛け率が所定の所望される比率値よりも高いときに、該粒子解放作動器の作動エネルギーを低減するように構成される、請求項7〜9のうちの1つに記載の装置。
【請求項21】
前記プロセッサは、前記計算された見掛け率が所定の所望される比率値よりも高いとき、所定の期間停止するように構成される、請求項7〜9のうちの1つに記載の装置。
【請求項22】
前記プロセッサは、測定された見掛け重量のうちの1つ、および評価された実重量値が所定の粒子重量の所定範囲内であるとき、前記所定の所望される比率値を低減するように構成される、請求項3または4に間接的に従属する場合に請求項19〜21のうちの1つに記載の装置。
【請求項23】
前記粒子保持器はホッパを備え、前記開口部はふるいによって該ホッパの断面を横断して供給され、該ふるいは、該ホッパの断面上で粒子を支援することが可能な、請求項1または5のどちらか1つに最終的に従属するときに請求項1または5、2〜3、あるいは6〜22のうちの1つに記載の装置。
【請求項24】
前記開口部は、供給されるべき粒子の平均的大きさよりも大きい大きさを有し、該開口部は、前記粒子保持器が妨害されるまで、粒子が詰められていることが可能な、請求項1または5のどちらか1つに最終的に従属するときに請求項1または5、あるいは2〜3、あるいは6〜23のうちの1つに記載の装置。
【請求項25】
前記開口部は、直径50〜400μmの孔を有する、請求項1または5のどちらか1つに最終的に従属するときに請求項1または5、2〜3、あるいは6〜24のうちの1つに記載の装置。
【請求項26】
前記粒子保持器は、単一片の成形プラスチック材料のホッパおよびふるいを備える、請求項1〜25のうちの1つに記載の装置。
【請求項27】
前記粒子保持器は、ステンレス鋼ホッパおよびステンレス鋼ふるいを備える、請求項1〜26のうちの1つに記載の装置。
【請求項28】
前記ふるいは約3mmの直径を有する、請求項23、26または27に記載の装置。
【請求項29】
前記粒子解放作動器は、衝撃エネルギーを前記粒子保持器に送達するように構成された電気機械的作動器を備える、請求項1〜28のうちの1つに記載の装置。
【請求項30】
前記電気機械的作動器はソレノイドを備える、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
少なくとも前記重量測定デバイスおよび前記粒子保持器を覆う囲いをさらに備える、請求項1〜30のうちの1つに記載の装置。
【請求項32】
粒子を精確に供給する方法であって、
供給されるべき該粒子の供給を保持する工程と、
粒子の該供給の一部がその保持された位置から複数の開口部を通って、それらの重量が測定され得る位置へ供給されるようにする工程と、
供給された粒子の見掛け重量を測定する工程と、
粒子の供給を制御するために該測定された見掛け重量を利用する工程と
を含む、方法。
【請求項33】
前記測定された見掛け重量を補正値に加え、それによって補正重量測定の取得における遅延の効果を低減して粒子の実重量を評価する工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
粒子を正確に供給する方法であって、
供給されるべき粒子の供給を保持する工程と、
粒子の供給の一部が該粒子の保留された位置から該粒子の重量が測定され得る位置へ供給されるようにする工程と、
供給された粒子の見掛け重量を測定する工程と、
測定された見掛け重量を補正値に加え、それによって補正重量測定の取得における遅延の効果を低減して粒子の実重量を評価する工程と、
粒子の供給を制御するために該測定された見掛け重量を利用する工程と
を含む、方法。
【請求項35】
前記粒子のそれぞれは、複数の開口部のうちの1つを通って供給される、請求項35に記載の方法。
【請求項36】
前記測定された見掛け重量を利用する工程は、前記測定された見掛け重量が所定の粒子の重量と等しいか、それよりも大きいかどうかを決定する工程と、該測定された見掛け重量を利用する工程は、前記測定された見掛け重量が所定の粒子の重量と等しくなく、それよりも大きくない場合、該方法工程を周期的に繰返す工程とを含む、請求項32〜35のうちの1つに記載の方法。
【請求項37】
前記測定された見掛け重量を利用する工程は、前記評価された実重量が所定の粒子の重量と等しいか、それよりも大きい場合には決定する工程と、該測定された見掛け重量を利用する工程は、前記測定された見掛け重量が所定の粒子の重量と等しくなく、それよりも大きくない場合、該方法工程を周期的に繰返す工程とを含む、請求項33〜35のうちの1つに記載の方法。
【請求項38】
前記所定の重量は、許容重量を引いて供給されるべき所望の粒子重量を含む、請求項36〜37に記載の方法。
【請求項39】
前記粒子の供給の一部が供給されるようにする工程は、粒子解放作動器を作動する工程を含む、請求項32〜38のうちの1つに記載の方法。
【請求項40】
連続する作動間の期間を計る工程と、 粒子が重量を測る位置に供給される見掛け比率を計算する工程とをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記計算された見掛け比率に基づく該補正値または補正値に測定された見掛け重量を加えることによって、供給されるべき実重量を評価する工程をさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記補正値は、時定数によって前記見掛け比率を乗算することによって取得される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記測定された見掛け重量に加えられて供給された粒子の実重量が評価される該補正値または補正値は、
所定の期間内の作動の数を数える工程と、
記憶された標準重量を、前記作動それぞれに対する該補正値に加える工程と
によって計算される、請求項39または40に記載の方法。
【請求項44】
前記それぞれの記憶された標準重量を1またはそれ以下の増大率によって乗算する工程をさらに包含し、増大された標準重量は、補正値を計算するときに前記標準重量の代りに用いられる、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記乗算工程は、作動が生じる所定の期間の間の時間によって前記増大率を決定する工程をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記増大率は、対応する作動以来増加した時間に対して、通常、直線的に減少する関数を用いて決定される、請求項44または45に記載の方法。
【請求項47】
標準重量値を更新する工程をさらに含む、請求項43〜46のうちの1つに記載の方法。
【請求項48】
前記更新工程は、該装置が粒子を供給するために用いられることが最後に行われたそれぞれの作動の結果として供給された粒子の平均重量の値を取得する工程を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記値は、供給粒子の総重量を作動の回数で割ることによって取得される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
さらなる粒子の供給が必要とされるかどうかを決定するように、評価された前記実重量を所定の粒子重量と比較する工程をさらに含む、請求項41〜49のうちの1つに記載の装置。
【請求項51】
前記所定の粒子重量は、許容重量を引いて供給されるべき所望の粒子重量を含む、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
前の周期の間に計算された見掛け比率が所定の所望される比率よりも少ないかどうかを決定する工程と、
該計算された見掛け比率が該所定の所望される比率よりも少ない場合、該前の周期で供給されるようにされたよりも多い粒子が現在の周期で供給されるようにする工程と
をさらに含む、請求項40〜42のうちの1つに記載の方法。
【請求項53】
前の周期の間に計算された見掛け比率が、所定の所望される比率よりも多いかどうかを決定する工程と、
該計算された見掛け比率が、該所定の所望される比率よりも多い場合、該前の周期に供給されるようにされたよりも少ない粒子が現在の周期で供給されるようにする工程と
をさらに含む、請求項40〜42のうちの1つに記載の方法。
【請求項54】
前の周期の間に計算された見掛け比率が所定の所望される比率よりも多いかどうかを決定する工程と、
該計算された見掛け比率が該所定の所望される比率よりも多い場合、所定の期間停止する工程と
をさらに含む、請求項40〜42のうちの1つに記載の方法。
【請求項55】
前記測定された見掛け重量および前記評価された実重量のうちの1つが、所定の粒子重量の所定範囲内であるかどうかを決定する工程と、
前記測定された見掛け重量および前記評価された実重量のうちの1つが、該所定の粒子重量の該所定範囲内である場合、所望される比率値を低減する工程と
をさらに含む、請求項33または34に従属するときに請求項52〜54のうちの1つに記載の方法。
【請求項56】
前記粒子解放作動器を作動する工程は、前記粒子の供給を振動させる工程を含む、請求項39〜55のうちの1つに記載の方法。
【請求項57】
5mg以下の粒子が供給される、請求項32〜56のうちの1つに記載の方法。
【請求項58】
前記粒子保持器は、
ホッパと、
該ホッパの断面を横断するふるいと
を備える、請求項1〜31のうちの1つに記載の装置に使用するために意図された粒子保持器、または請求項32〜57のうちの1つに記載の方法に使用するための粒子の供給を保持するための粒子保持器。
【請求項59】
前記ふるいは、前記ホッパの一方の端に配置される、請求項58に記載の粒子保持器。
【請求項60】
前記ホッパはガラス管であり、前記ふるいは電着網である、請求項58または59に記載の粒子保持器。
【請求項61】
前記ホッパおよび前記ふるいは、1片のプラスチック材料で形成される、請求項58または59に記載の粒子保持器。
【請求項62】
前記ホッパおよび前記ふるいはステンレス鋼で形成される、請求項58または59に記載の粒子保持器。
【請求項63】
前記ふるいは、50〜400μmの範囲の直径の孔を有する、請求項58〜62のうちの1つに記載の保持器。
【請求項64】
前記プロセッサは、
所定の特性の出力信号を粒子解放作動器に出力する信号出力手段と、
比較手段と、
重量測定デバイスから前記比較手段への信号出力から得られた入力信号の値を供給する信号入力手段と、
格納された所定の重量値を該比較手段に供給する記憶手段と、
を含み、
前記比較手段は、該入力信号の値と所定の重量値を比較し、該入力信号が該所定の重量値よりも大きいかどうかを決定するように構成されている、請求項2〜31のうちの1つの装置内のプロセッサとして用いるために意図されたプロセッサ、または請求項32〜57のうちの1つの方法の工程の一部を実行するために意図されたプロセッサ。
【請求項65】
前記重量測定デバイスからの信号を受信し、補正値を該信号に加え、供給された粒子の実重量評価を計算し、該評価は該信号入力手段に供給されるようにプログラムされ、かつ構成される計算手段をさらに含む、請求項64に記載のプロセッサ。
【請求項66】
前記計算手段は、全時間にわたって前記重量測定デバイスから受信された信号の変化率を計算し、前記補正値を取得するために該変化率を用いる、請求項65に記載のプロセッサ。
【請求項67】
前記計算手段は、
粒子解放作動器が所定の期間内に作動された回数を数える工程と、
該粒子解放作動器が作動される所定の期間の間の時間によって増大率を決定する工程と、
乗算された記憶された標準重量をそれぞれの作動に対して加え、前記補正値を取得する工程と
を実行する、請求項65に記載のプロセッサ。
【請求項68】
前記計算された前記変化率が所定の所望された値よりも少ない場合、出力信号の特性が増加され、計算された該変化率が所定の所望された値よりも大きい場合、低減される、請求項66に記載のプロセッサ。
【請求項69】
前記重量測定デバイスから受信された前記信号の連続するサンプルを取得するためのサンプリング手段と、
前記記憶された値が前記入力信号よりも大きくないとき、該入力信号の実質上安定したレベルが達成されたかどうかを決定する複数の該サンプルを比較するための第2の比較手段と
をさらに含む、請求項64〜68のうちの1つに記載のプロセッサ。
【請求項70】
請求項32〜57のうちの1つに記載の方法を実行するためのコンピュータプログラム、または、請求項64〜69のうちの1つに記載のプロセッサを作動させるためのコンピュータプログラム。
【請求項71】
オープンカセットおよび空カセットを収集するためのコレクタと、
該オープンカセットおよび空カセットを重量が測定され得る位置に移動するための運搬機器と、
粒子を該オープンカセットに供給し、負荷カセットを取得するための、請求項1〜31のうちの1つに記載の装置と
を含む、粒子カセットを製造するための製造ステーション。
【請求項72】
前記負荷カセット内に供給された粒子を含む負荷カセットを密閉するためのカセット密閉ステーションと、負荷カセットを該カセット密閉ステーションに移動するための第2の運搬機器とをさらに含む、請求項71に記載の製造ステーション。
【請求項73】
オープンカセットおよび空カセットを移動するための前記運搬機器は、前記負荷カセットを移動するための前記第2の運搬機器と同じ運搬機器である、請求項72に記載の製造ステーション。
【請求項74】
カセットを移動するための前記運搬機器は、ピボット式で取付けられたアームを備え、該アームの一方の端は該カセットを配置するための配置器を有する、請求項73に記載の製造ステーション。
【請求項75】
前記カセットを移動するための前記運搬機器は、該カセットを配置するための円周に配置される配置器を有する、回転可能な円形コンポーネントを備える、請求項73に記載の製造ステーション。
【請求項76】
前記配置器は、前記カセットを掴み、解放する動作が可能である、請求項74または75に記載の製造ステーション。
【請求項77】
オープンカセットおよび空カセットを供給するための供給トラックと、負荷カセットを送出すための供給トラックとを含む、請求項71〜76に記載の製造ステーション。
【請求項78】
製造ラインであって、
請求項71〜77のうちの1つに記載の構造を有する複数の製造ステーションを包含し、該複数の製造ステーションは、
オープンカセットおよび空カセットを供給するための供給トラックと、
負荷カセットを供給するための供給トラックと
を備え、該カセットを移動するための複数のそれぞれの前記運搬機器は、オープンカセットおよび空カセットを該送出しトラックから取出し、密閉され、負荷されたカセットを該送出しトラック上に配置する動作が可能な、製造ライン。
【請求項79】
それぞれの粒子保持器を粒子で詰替えるためのそれぞれの製造ステーションのそれぞれの粒子保持器間で移動可能なバッチホッパを備える、請求項78に記載の製造ライン。
【請求項80】
粒子供給ステーションであって、
請求項1〜31のうちの1つに記載の複数の装置と、
それぞれの粒子保持器を粒子で詰替えるためのそれぞれの製造ステーションのそれぞれの粒子保持器間を移動するバッチホッパと
を備える、粒子供給ステーション。
【請求項81】
非瞬間動作応答時間を有する重量測定デバイス上に供給される粒子の実重量を評価する方法であって、該方法は、
測定された見掛け重量を取得する工程と、
補正値を該測定された見掛け重量に加える工程と
を包含し、該補正値は、該測定された見掛け重量の変化比率を表わす値から得られるか、1回の作動において供給される平均重量を表わす値の測定された重量を合計することによって取得された値から得られる、方法。
【請求項82】
請求項1〜31のうちの1つに記載の装置とともに用いるための評価関数、請求項32〜57のうちの1つに記載の方法、または、式WR=W(t)+Cを有する請求項64〜69のうちの1つに記載のプロセッサであって、WRは評価される実重量、W(t)は現在の見掛け重量、およびCは補正値であり、Cは、2つの式
【数1】
のうちのどちらかを有し、dW/dt(t)は時間をともなう、重量の現在の見掛け変化比率、Tは、時定数、nowは現在時間を表わし、now−tpは前の時間tp、M(t)は増大率、およびWSTは標準重量値である。
【請求項83】
添付の図面の図3〜図22を参照して、前述のように実質上組立てられ、構成された装置。
【請求項84】
添付の図面の図3〜図22を参照して、前述のように実質上粒子を供給する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2012−236053(P2012−236053A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−171833(P2012−171833)
【出願日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【分割の表示】特願2001−535013(P2001−535013)の分割
【原出願日】平成12年11月3日(2000.11.3)
【出願人】(399042269)パウダージェクト リサーチ リミテッド (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−171833(P2012−171833)
【出願日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【分割の表示】特願2001−535013(P2001−535013)の分割
【原出願日】平成12年11月3日(2000.11.3)
【出願人】(399042269)パウダージェクト リサーチ リミテッド (8)
【Fターム(参考)】
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