説明

尿受器

【課題】使用者が側臥位状態で排泄しても、尿がスムーズに容器内から排出される尿受器を提供する。
【解決手段】本発明の尿受器1は、カップ状の容器2と、容器2に形成され、使用者の左右方向に対する中心線の一方側または両側に設けられた排尿口4を有する。容器2の内側面には、前記中心線の一方側または両側に窪みが形成されていることが好ましい。より好ましくは、排尿口4が容器2の前記中心線の両側に設けられ、窪みが容器2の前記中心線の両側に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の股間に当てて尿を受けるための尿受器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者の股間に当てて尿を受ける尿受器が知られている。例えば特許文献1には、カップ状の容器と、容器に形成された排尿口を有する尿受器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−225139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるように従来の尿受器は、容器の左右方向(使用者の左右方向に相当)の真ん中に排尿口が設けられている。しかし、そのような尿受器は、使用者が側臥位状態で排尿すると、容器で受けた尿の全てがスムーズに排尿口から排出されるのは難しく、一部が容器内に残ってしまう場合があった。本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用者が側臥位状態で排泄しても、尿がスムーズに容器内から排出される尿受器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決することができた本発明の尿受器とは、カップ状の容器と、容器に形成され、使用者の左右方向に対する中心線の一方側または両側に設けられた排尿口を有するところに特徴を有する。本発明の尿受器は、排尿口が使用者の左右方向に対する中心線の一方側または両側に設けられているため、排尿口が容器の前記中心線からずれた位置に配され、側臥位状態において排尿口を通じて容器内から尿をスムーズに排出することができる。
【0006】
容器の内側面には、前記中心線の一方側または両側に窪みが形成されていることが好ましい。このように容器に窪みが形成されることにより、容器に一時的に滞留または停留した尿を排尿口を通じて容器の外側に好適に排出できるようになる。
【0007】
排尿口は容器の前記中心線の両側に設けられるとともに、窪みが容器の前記中心線の両側に形成されていることが好ましい。このように排尿口と窪みが形成されることにより、身体の左側が下となる側臥位状態と身体の右側が下となる側臥位状態のいずれの状態においても、尿受器を好適に用いることができるようになる。すなわち、いずれの側臥位状態においても排尿口から尿をスムーズに排出することができるようになる。
【0008】
排尿口が前記中心線の両側に設けられた尿受器では、排尿口にドレイン管がそれぞれ接続されるとともに、複数のドレイン管が切替弁に接続して1つにまとめられ、切替弁にはさらに共通ドレイン管が接続され、共通ドレイン管が吸引手段を備えた尿貯留器に接続していることが好ましい。また、排尿口が前記中心線の両側に設けられた尿受器では、排尿口にそれぞれ開閉弁が設けられ、開閉弁に吸引手段を備えた尿貯留器に接続したドレイン管が接続可能であることも好ましい。いずれの場合も、吸引手段により容器内から尿を好適に排出できるようになる。
【0009】
窪みにはそれぞれ尿を検知するセンサーが設けられ、センサーが切替弁または開閉弁に接続し、センサーの検知状況に応じて前記切替弁または前記開閉弁が制御されることが好ましい。このようにセンサーと切替弁または開閉弁が連動することにより、自動で尿を容器内から排出できるようになる。
【0010】
排尿口が前記中心線の両側に設けられた尿受器では、一方の排尿口に吸引手段を備えた尿貯留器に接続したドレイン管が着脱可能に設けられ、他方の排尿口に排尿口を着脱可能に塞ぐ栓が設けられていてもよい。このようにしても、吸引手段により容器内から尿を好適に排出できるようになる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の尿受器は、排尿口が使用者の左右方向に対する中心線の一方側または両側に設けられているため、排尿口が容器の前記中心線からずれて配され、側臥位状態において排尿口を通じて容器内から尿をスムーズに排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】排尿口が1つ設けられた尿受器の斜視図を表す。
【図2】図1に示した尿受器の平面図を表す。
【図3】図2に示した尿受器のIII−III断面図を表す。
【図4】排尿口が2つ設けられた尿受器の斜視図を表す。
【図5】図4に示した尿受器の平面図を表す。
【図6】図5に示した尿受器のVI−VI断面図を表す。
【図7】吸引手段を備えた尿貯留器が設けられた尿受器の一例を表す。
【図8】吸引手段を備えた尿貯留器が設けられた尿受器の他の一例を表す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の尿受器は、カップ状の容器と、容器に形成された排尿口を有する。尿受器は使用者の股間に当てて用いられ、使用者から排泄された尿を容器で受けて、排尿口を通じて尿が容器の外側に排出される。
【0014】
本発明の尿受器は、容器に形成される排尿口が、使用者の左右方向に対する中心線(以下、単に「左右中心線」と称する場合がある)の一方側または両側に設けられている。すなわち、排尿口は容器の左右中心線と重ならないように設けられている。尿受器の使用者は、1人で起き上がったり歩くことが困難な場合が多く、ベッド等に寝たきりの人もいる。そのような場合、仰臥位や腹臥位よりも側臥位の方が排泄しやすい。しかし、工業製品において、特に人間の股間に当てて用いるような製品においては、使用者の左右方向に対し左右対称に製品設計をすることが一般的であり、従来の尿受器においては、使用者の排尿部の位置に合わせ容器の左右方向(使用者の左右方向に相当)の中心線上に排尿口を設けるのが一般的であった。しかしそのように排尿口が設ける場合は、使用者が側臥位で排泄すると、容器で受けた尿の全てがスムーズに排尿口から排出されることは難しく、一部が容器内に残ってしまう場合があった。本発明の尿受器は、排尿口が容器の左右中心線の一方側または両側に設けられているため、排尿口が容器の左右中心線からずれた位置に配され、側臥位状態において排尿口を通じて容器内から尿がスムーズに排出されるようになる。
【0015】
容器はカップ状に形成され、使用者の排尿部を囲むように使用者の肌に当てられる開口を有する。尿受器を使用する際、容器は使用者の股間に当てられ、好ましくは、開口全体を使用者の肌に密着させて用いられる。なお本発明において、容器の「開口」とは容器の縁を意味し、容器の縁により開口が規定される。
【0016】
開口は、使用者の排尿部を囲むように使用者の股間に当てることができるものであれば、その形状や大きさは特に限定されない。開口の形状としては、例えば、楕円形や角の丸まった三角形等が挙げられる。開口の形状の好ましい一例としては、上側(使用者に対する上方向)が下側(使用者に対する下方向)よりも幅広に形成された角の丸まった三角形が示される。また、開口を規定する縁は、下側が使用者側に出っ張って形成されていることが好ましい。このように開口が形成されていれば、開口を使用者の肌に密着させて当てやすくなる。
【0017】
容器の内側面には、容器で受けた尿が特定の地点に集められるように、窪みが形成されていることが好ましい。この窪みには排尿口が形成されていることが好ましく、このように容器が形成されることにより、容器に一時的に滞留または停留した尿を排尿口を通じて容器の外側に好適に排出できるようになる。従って、窪みは、容器の左右中心線の一方側または両側に設けられていることが好ましい。
【0018】
容器を構成する材料は、ある程度の剛性を有していることが好ましい。すなわち、尿受器を使用者の股間に押し当てたり、あるいは尿受器をパンツ等の衣類で押し当てながら固定しても、容器は自身の形状がある程度保持されることが好ましい。また、容器は尿を吸収せず、軽量であることが好ましい。このような点から、容器は樹脂製であることが好ましい。さらに、使用者の肌との密着性を高め、外部から受ける力をいくらか低減できるようにするために、容器はある程度の柔軟性や弾力性を有していることが好ましい。このような点から、容器はエラストマー樹脂から構成されていることが好ましい。なおエラストマー樹脂とは、ゴム弾性を有する樹脂を意味する。エラストマー樹脂としては、シリコーン樹脂またはポリウレタン樹脂が特に好ましい。
【0019】
排尿口は、容器の左右中心線の一方側または両側に形成される限り、その位置は特に限定されない。なお、容器から尿が好適に排出されやすくするために、排尿口は容器の上下方向の中心より下側に設けられることが好ましい。なお本発明において、容器の上下方向とは、使用者の上下方向に相当する。
【0020】
排尿口の形状は特に限定されないが、一般的には円形である。排尿口の径(最大径)は、排尿口を通じて尿が容器内からスムーズに排出されるようにし、また尿受器の取り扱い容易性の点から、3mm〜20mm程度であることが好ましい。
【0021】
排尿口にはドレイン管が接続していることが好ましく、ドレイン管はさらに尿貯留器に接続していることが好ましい。すなわち、ドレイン管の一方端が容器の排尿口に接続し、他方端が尿貯留器に接続していることが好ましい。このようにドレイン管と尿貯留器が設けられることにより、容器に一時的に滞留または停留した尿がドレイン管を通じて尿貯留器に移送され、尿が尿貯留器で貯められるようになる。
【0022】
尿貯留器には吸引手段が備わっていることが好ましい。尿貯留器に吸引手段が備わっていれば、尿貯留器内が減圧に保たれることにより容器内の尿が容器の外側に吸引され、尿が尿貯留器内に好適に収容されるようになる。吸引手段としては、減圧ポンプ(真空ポンプ)等が挙げられる。
【0023】
容器には通気孔が形成されていることが好ましい。容器に通気孔が形成されていれば、容器の開口を使用者の肌に密着させるように尿受器を用いても、容器の内部(容器と使用者の肌で囲まれる空間)が極端な負圧とならず、通気孔を通じて容器の外側から内側に空気が取り込まれることにより、尿が排尿口を通じて容器の内側から好適に排出されるようになる。
【0024】
容器に通気孔が設けられる位置は特に限定されないが、排尿口から離れて設けられることが好ましい。具体的には、通気孔は容器の上下方向の中心より上側に設けられることが好ましい。通気孔が設けられる数は特に限定されず、1つでもよく、2つ以上でもよい。
【0025】
通気孔の径(最大径)は、通気孔を通じた空気の取り込みをスムーズに行え、通気孔を通じて尿が漏れ出しにくくする点から、1mm〜5mm程度であることが好ましい。
【0026】
次に、本発明の尿受器について、図面を参照しながらさらに詳細に説明する。なお、本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
【0027】
図1〜図3には、容器の左右中心線の一方側に排尿口が形成された尿受器の一例を示した。図1は、尿受器の斜視図を表す。図2は、図1に示した尿受器の平面図を表す。図2は、尿受器の使用者の肌に面する側を表している。図3は、図2に示した尿受器のIII−III断面図を表す。図1および図2では、図の上側が使用者に対する上方向を表し、尿受器の上側を表している。
【0028】
尿受器1は、カップ状の容器2と、容器2に形成された排尿口4を有する。容器2は、開口3が、上側が下側よりも幅広の角の丸まった三角形状に形成され、開口3の下側は使用者側に出っ張って形成されている。容器2の内側面には、使用者の左右方向に対する中心線Cの一方側に窪みが形成されている(図3を参照)。窪みは、左右中心線Cの一方側に最底部が位置するように形成されればよい。
【0029】
排尿口4は、容器2の窪みに形成されている。すなわち、排尿口4は、左右中心線Cの一方側に設けられている。また、排尿口4は、容器2の上下方向の中心より下側に設けられている。
【0030】
容器2には、さらに通気孔5が形成されている。通気孔5は、容器2の上下方向の中心より上側に2つ設けられている。通気孔5が容器2の上下方向の上側に設けられることにより、通気孔5から尿が漏れ出しにくくなる。また、通気孔5が複数設けられることで(図では2つ)、通気孔5を通じて容器2の外側から内側に空気が取り込まれやすくなる。
【0031】
図1〜図3に示した尿受器1では、使用者側から見て、排尿口4が左右中心線Cの左側に設けられている。従って、図1〜図3に示した尿受器1は、身体の左側が下となる側臥位状態で好適に用いられ、そのような状態で、排尿口4から尿がスムーズに排出されるようになる。なお説明するまでもないが、左右中心線Cの一方側に排尿口4が形成される場合、排尿口4は左右中心線Cの右側に設けられるものであってもよい。
【0032】
図4〜図6には、容器の左右中心線の両側に排尿口が形成された尿受器の一例を示した。図4は、尿受器の斜視図を表す。図5は、図4に示した尿受器の平面図を表す。図5は、尿受器の使用者の肌に面する側を表している。図6は、図5に示した尿受器のVI−VI断面図を表す。図4および図5では、図の上側が使用者に対する上方向を表し、尿受器の上側を表している。なお、下記の説明において、図1〜図3に示した実施態様と重複する部分の説明は省略する。
【0033】
図4〜図6に示した尿受器1では、容器2の左右中心線Cの両側に窪みが形成されている。つまり、容器2の左右中心線Cの部分が盛り上がって形成され、その両側が窪んで形成されている。そして、容器2に形成されたそれぞれの窪みに排尿口4が形成されている。従って、排尿口4は容器2の左右中心線Cの両側に形成されている。
【0034】
図4〜図6に示した尿受器1は、身体の左側が下となる側臥位状態と身体の右側が下となる側臥位状態のいずれの状態においても好ましく用いられる。すなわち、いずれの側臥位状態においても排尿口4から尿がスムーズに排出されるようになる。この点で、尿受器1は、窪みが左右中心線Cの両側に形成され、排尿口4が左右中心線Cの両側に設けられることが好ましい。
【0035】
図4〜図6に示した尿受器のように排尿口が複数設けられた尿受器では、尿受器で受けた尿を吸引手段により尿受器の外側に排出する場合、複数の排尿口から同時に吸引すると、容器内から尿がうまく排出されなくなるおそれがある。例えば、左右中心線の一方側の窪み(排尿口)に尿が溜められ、他方側の窪み(排尿口)に尿が溜められていないような場合、両方の排尿口から同時に吸引すると、前記他方側の排尿口から容器内の空気が吸引されるだけで、前記一方側の排尿口から尿が好適に吸引されないおそれがある。
【0036】
排尿口が複数設けられた尿受器において、吸引手段により容器内から尿が好適に排出されるようにするためには、一方の排尿口に吸引手段を備えた尿貯留器に接続したドレイン管が着脱可能に設けられ、他方の排尿口を着脱可能に塞ぐ栓が設けられていることが好ましい。つまり、使用者の側臥位状態に応じて、一方の排尿口(具体的には側臥位状態で下方に位置する排尿口)には吸引手段を備えた尿貯留器に接続したドレイン管を接続し、他方の排尿口(具体的には側臥位状態で上方に位置する排尿口)は栓で塞ぐようにすることが好ましい。このようにすることで、容器内から尿が好適に排出されるようになる。
【0037】
また、排尿口が複数設けられた尿受器において吸引手段により容器内から尿が好適に排出されるようにするために、以下に説明するように吸引手段を備えた尿貯留器と容器とを接続することも好ましい。これについて、図7および図8を参照しながら説明する。
【0038】
図7には、排尿口4から尿貯留器10までの間で、排尿口4に接続したそれぞれのドレイン管6が1つにまとめられる態様を示した。図7では、容器2は外側から見た状態で示されている。つまり、容器2は、図の左側が使用者の右側に相当し、図の右側が使用者の左側に相当する。
【0039】
容器2の外側には、それぞれの排尿口4a,4bに接続したドレイン管6a,6bが設けられている。ドレイン管6a,6bは排尿口4a,4bにそれぞれ接続されるとともに、複数のドレイン管6a,6bが切替弁7に接続して1つにまとめられる。切替弁7にはさらに共通ドレイン管8が接続され、共通ドレイン管8が吸引手段11(図7では減圧ポンプ)を備えた尿貯留器10に接続している。なお、図7では、切替弁7として三方弁が用いられている。
【0040】
使用者が身体の右側が下となる側臥位状態で排泄する場合は、ドレイン管6aと共通ドレイン管8とが繋がるように切替弁7を切り替える(このとき、ドレイン管6bと共通ドレイン管8の間は遮断される)。切替弁7の切り替えは、手動であっても自動であってもよい。使用者が身体の右側が下となる側臥位状態で排泄すると、尿は排尿口4a付近に主に溜まる。従って、この状態で吸引手段11により尿貯留器10内を減圧すると、尿が、排尿口4aからドレイン管6aと共通ドレイン管8を通じて尿貯留器10に好適に移送される。一方、使用者が身体の左側が下となる側臥位状態で排泄する場合は、ドレイン管6bと共通ドレイン管8とが繋がるように切替弁7を切り替えればよい(このとき、ドレイン管6aと共通ドレイン管8の間は遮断される)。
【0041】
図7に示した実施態様において、排尿口4a,4bが設けられる窪みにはそれぞれ尿を検知するセンサーが設けられ、このセンサーが切替弁7に接続され、センサーの検知状態に応じて切替弁7が制御されることが好ましい。例えば、排尿口4aの窪みに設けられたセンサーが当該窪みに溜まった尿を検知すると、切替弁7は、ドレイン管6aと共通ドレイン管8とを繋ぐように切り替わることが好ましい。さらにセンサーは、吸引手段11に接続され、センサーの検知状態に応じて吸引手段11の稼働が制御されることが好ましい。尿を検知するセンサーとしては、例えば、それぞれの窪みに一対の電極を設ければよく、電極間の通電状態を見ることでぞれぞれの窪みにおける尿の溜まり具合を検知すればよい。
【0042】
図8には、排尿口4に接続したドレイン管6がそれぞれ尿貯留器10に接続する態様を示した。図8では、尿受器1は外側から見た状態で示されている。
【0043】
容器2の外側には、排尿口4a,4bにそれぞれ開閉弁9a,9bが設けられ、それぞれの開閉弁9a,9bに、吸引手段11(図8では減圧ポンプ)を備えた尿貯留器10に接続したドレイン管6a,6bが接続している。ドレイン管6(6a,6b)は常時開閉弁9(9a,9b)に接続していてもよく、あるいは普段はドレイン管6を開閉弁9には接続せず、尿を容器2内から排出するときにドレイン管6を開閉弁9に接続するものであってもよい。すなわち、ドレイン管6は開閉弁9に接続可能であればよい。開閉弁9としては、容器2から尿を排出するための流路の開閉を制御できるものであれば特に限定されず、公知の弁を用いればよい。
【0044】
開閉弁9a,9bは、通常(すなわち使用者が排泄しない状態)は流路が閉じられている。使用者が身体の右側が下となる側臥位状態で排泄する場合は、開閉弁9aにドレイン管6aを接続した状態で開閉弁9aを開く。そして、吸引手段11により尿貯留器10内を減圧することにより、尿が、排尿口4aから開閉弁9aとドレイン管6aを通じて尿貯留器10に好適に移送される。開閉弁9の開閉は手動であっても自動であってもよい。一方、使用者が身体の左側が下となる側臥位状態で排泄する場合は、開閉弁9bにドレイン管6bを接続した状態で開閉弁9bを開けばよい。
【0045】
図8に示した実施態様において、排尿口4a,4bが設けられる窪みにはそれぞれ尿を検知するセンサーが設けられ、このセンサーが開閉弁9a,9bに接続され、センサーの検知状態に応じて開閉弁9a,9bが制御されることが好ましい。例えば、通常は開閉弁9a,9bが閉じられ、排尿口4aの窪みに設けられたセンサーが当該窪みに溜まった尿を検知すると、開閉弁9aが開くことが好ましい。さらにセンサーは、吸引手段11に接続され、センサーの検知状態に応じて吸引手段11の稼働が制御されることが好ましい。尿を検知するセンサーとしては、前記説明したような一対の電極等を用いればよい。
【符号の説明】
【0046】
1: 尿受器
2: 容器
4: 排尿口
5: 通気孔
6: ドレイン管
7: 切替弁
8: 共通ドレイン管
9: 開閉弁
10: 尿貯留器
11: 吸引手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カップ状の容器と
前記容器に形成され、使用者の左右方向に対する中心線の一方側または両側に設けられた排尿口を有することを特徴とする尿受器。
【請求項2】
前記容器の内側面には、前記中心線の一方側または両側に窪みが形成されている請求項1に記載の尿受器。
【請求項3】
前記排尿口は、前記容器の前記中心線の両側に設けられるとともに、
前記窪みは、前記容器の前記中心線の両側に形成されている請求項2に記載の尿受器。
【請求項4】
前記排尿口にはドレイン管がそれぞれ接続されるとともに、前記複数のドレイン管が切替弁に接続して1つにまとめられ、
前記切替弁にはさらに共通ドレイン管が接続され、前記共通ドレイン管が吸引手段を備えた尿貯留器に接続している請求項3に記載の尿受器。
【請求項5】
前記排尿口にはそれぞれ開閉弁が設けられ、前記開閉弁には吸引手段を備えた尿貯留器に接続したドレイン管が接続可能である請求項3に記載の尿受器。
【請求項6】
前記排尿口には、一方に吸引手段を備えた尿貯留器に接続したドレイン管が着脱可能に設けられ、他方に前記排尿口を着脱可能に塞ぐ栓が設けられている請求項3に記載の尿受器。
【請求項7】
前記窪みにはそれぞれ尿を検知するセンサーが設けられ、前記センサーが前記切替弁または前記開閉弁に接続され、前記センサーの検知状況に応じて前記切替弁または前記開閉弁が制御される請求項4または5に記載の尿受器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−217806(P2012−217806A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90305(P2011−90305)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(000110044)株式会社リブドゥコーポレーション (390)
【Fターム(参考)】