説明

屋上緑化のための植物生育材料

【課題】屋上緑化のための植物生育材料を軽量化しつつ該植物生育材料により植物の生育を促すことができるようにすること。
【解決手段】屋上緑化のための植物生育材料は、軽石と、粘土粒子を含む土と、団粒剤と、水との混合物からなる。前記植物生育材料は、前記混合物に保水剤が含まれているものとすることができる。前記軽石の量と前記土の量との合計1.0mにつき、前記軽石の量は0.3mないし0.9mであり、前記団粒剤の量は1kgないし6kgであり、前記水の量は0.1mないし0.5mである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋上緑化のための植物生育材料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ヒートアイランド現象の抑制、都市景観の向上等のため、建物の屋上の緑化が行われており、該屋上の緑化に植物生育材料が用いられている。従来、前記植物生育材料には、軽量気泡コンクリート(ALC)からなる粒状物と、粘土粒子を含む土と、団粒剤と、水との混合物からなるものがある。前記屋上の緑化を行うとき、前記屋上に前記植物生育材料を配置し、該植物生育材料で植物を生育させる(特許文献1参照)。前記粒状物は、多孔質であるため、比較的軽量である。このため、前記植物生育材料を軽量化することができ、該植物生育材料が前記建物に加える荷重を軽減することができる。
【0003】
前記粒状物は、一般に、比較的脆く、前記粒状物の取扱い中に擦れたり、他の物に当たったりして砕ける。これにより微細な粒子が生じる。このため、前記粒状物に前記微細な粒子が含まれており、前記屋上に配置された前記植物生育材料が強風や大雨に曝されたとき、前記微細な粒子が前記植物生育材料から前記屋上へ飛散又は流出し、前記微細な粒子により前記屋上が汚れる恐れがある。
【0004】
前記植物生育材料が前記粒状物と、前記粘土粒子を含む土と、前記団粒剤と、前記水との混合物からなるため、前記微細な粒子は前記混合物の生成時に前記団粒剤の凝集作用により前記粘土粒子とともに団粒を形成する。これにより、前記微細な粒子が飛散又は流出することを防ぐことができる。また、前記植物生育材料は、前記団粒の内部に存在する空隙と前記粒状物の孔とに水や肥料を貯えることができ、保水性及び保肥性に優れる。このため、前記植物生育材料への水や肥料の供給の頻度を減らすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−148446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記軽量気泡コンクリートは強アルカリ性であり、該軽量気泡コンクリートからなる前記粒状物を含む前記植物生育材料はアルカリ性である。このため、前記植物生育材料は前記植物の生育に適さず、前記植物生育材料により前記植物の生育を促すことができない。
【0007】
本発明の目的は、屋上緑化のための植物生育材料を軽量化しつつ該植物生育材料により植物の生育を促すことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、屋上緑化のための植物生育材料が軽石と、粘土粒子を含む土と、団粒剤と、水との混合物からなることにより、従来用いられていた強アルカリ性の軽量気泡コンクリートを用いることなく前記軽石により前記植物生育材料を軽量化する。これにより、前記軽石は中性であるから、前記植物生育材料が中性になるようにし、前記軽量気泡コンクリートを用いた場合のように前記植物生育材料がアルカリ性になることがないようにし、前記植物生育材料を軽量化しつつ該植物生育材料により植物の生育を促すことができるようにする。
【0009】
本発明に係る、屋上緑化のための植物生育材料は、軽石と、粘土粒子を含む土と、団粒剤と、水との混合物からなる。前記植物生育材料が前記軽石と、前記土と、前記団粒剤と、前記水との混合物からなるため、従来用いられていた強アルカリ性の軽量気泡コンクリートを用いることなく前記軽石により前記植物生育材料を軽量化することができる。前記軽石はほぼ中性であるから、前記植物生育材料はほぼ中性であり、前記軽量気泡コンクリートを用いた場合のように前記植物生育材料がアルカリ性になることはない。このため、前記植物生育材料は、植物の生育に適しており、前記植物の生育を促すことができる。
【0010】
前記植物生育材料は、前記混合物に保水剤が含まれているものとすることができる。前記保水剤は、前記植物生育材料に供給された水を吸収する。前記保水剤により吸収された水は、前記植物生育材料が乾燥し始めると、前記保水剤から放出され、前記植物は、前記保水剤から放出された水を吸収する。このようにして前記植物生育材料の乾燥を遅らせることができ、前記植物生育材料の保水性を向上させることができる。これにより前記植物生育材料への給水の頻度を減らすことができる。
【0011】
前記植物生育材料は、前記混合物に肥料及び植物の破砕片の少なくとも一方が含まれているものとすることができる。前記混合物に前記破砕片が含まれていることにより、前記植物生育材料を製造する際に前記軽石と前記土と前記破砕片と前記団粒剤と前記水とを混合し、撹拌している間に前記団粒剤の凝集作用により前記粘土粒子が凝集して複数の団粒が形成され、前記破砕片は前記団粒と絡み合って前記植物生育材料を補強する。このため、前記植物生育材料は耐侵食性及び安定性に優れ、前記植物生育材料が雨により流されることを防ぐことができる。
【0012】
前記軽石は、洗浄されたものとすることができる。ところで、前記軽石が洗浄されていない場合、前記軽石に比較的多量のシルトが含まれている。前記シルトは、前記粘土粒子より粒径が大きいため、前記軽石と前記土と前記団粒剤と前記水とを混合し、撹拌している間、前記団粒剤の凝集作用により前記団粒を形成することが難しく、前記軽石の孔に詰まることがある。これに対して、前記軽石が洗浄されている場合、前記洗浄により前記軽石から前記シルトを除去することができ、前記軽石に含まれている前記シルトの量は比較的少ない。このため、前記軽石と前記土と前記団粒剤と前記水とを混合し、撹拌している間に前記シルトが前記軽石の前記孔に詰まることはない。このため、前記シルトが前記軽石の前記孔に詰まることにより、前記植物生育材料の保水性及び保肥性が低下したり、前記軽石が重くなり、前記植物生育材料の重量が増したりすることがないようにすることができる。また、前記植物生育材料を屋上に配置した後に前記シルトが前記植物生育材料から前記屋上へ流出し、前記シルトにより前記屋上が汚れることがないようにすることができる。
【0013】
前記軽石の量と前記土の量との合計1.0mにつき、前記軽石の量は0.3mないし0.9mであり、前記団粒剤の量は1kgないし6kgであり、前記水の量は0.1mないし0.5mである。前記粘土粒子の重量は前記土の重量の15%ないし50%である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、屋上緑化のための植物生育材料が軽石と、土と、団粒剤と、水との混合物からなるため、従来用いられていた強アルカリ性の軽量気泡コンクリートを用いることなく前記軽石により前記植物生育材料を軽量化することができる。これにより、前記軽石はほぼ中性であるから、前記植物生育材料をほぼ中性にすることができ、前記軽量気泡コンクリートを用いた場合のように前記植物生育材料がアルカリ性になることはなく、植物の生育に適した前記植物生育材料を提供することができる。このため、前記植物生育材料を軽量化しつつ該植物生育材料により前記植物の生育を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施例に係る、屋上に配置された植物生育材料の縦断面図。
【図2】本発明の第1実施例に係る植物生育材料の配合例を示す図。
【図3】本発明の第2実施例に係る植物生育材料の配合例を示す図。
【図4】本発明の第3実施例に係る植物生育材料の配合例を示す図。
【図5】本発明の第4実施例に係る植物生育材料の配合例を示す図。
【図6】本発明の第5実施例に係る植物生育材料の配合例を示す図。
【図7】本発明の第6実施例に係る植物生育材料の配合例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示すように、建物の屋上10を緑化するために植物生育材料12が用いられている。植物生育材料12は屋上10に配置されており、植物生育材料12で植物14を生育させる。
【0017】
屋上10に容器16が配置されており、植物生育材料12は容器16に収容されている。植物生育材料12は、容器16に収容されている図1に示した例に代え、容器16に収容されることなく屋上10に配置されていてもよい。
【0018】
植物生育材料12は、軽石と、粘土粒子を含む土と、団粒剤と、水との混合物からなる。前記軽石は、多孔質であり、比較的軽量である。このため、植物生育材料12を軽量化することができ、植物生育材料12が屋上10に加える荷重を小さくすることができる。
【0019】
前記軽石は榛名石、抗火石、大谷石、鹿沼土等である。前記軽石の粒径は8mmないし15mm程度であり、前記軽石のPHは5.0ないし7.5である。前記粘土粒子の重量は前記土の重量の15%ないし50%である。前記土は、例えば黒土であり、前記土のPHは5.0ないし7.5である。前記団粒剤は高分子凝集剤である。植物生育材料12のPHは5.0ないし7.5である。
【0020】
前記軽石の量と前記土の量との合計1.0mにつき、前記軽石の量は0.3mないし0.9mであり、前記団粒剤の量は1kgないし6kgであり、前記水の量は0.1mないし0.5mである。例えば、前記軽石の量が0.3mであるとき、前記土の量は0.7mである。また、前記軽石の量が0.9mであるとき、前記土の量は0.1mである。図2に示す例では、前記軽石の量は0.75mであり、前記土の量は0.25mであり、前記団粒剤の量は2.0kgであり、前記水の量は0.19mである。
【0021】
植物生育材料12を製造するとき、前記軽石と、前記土と、前記団粒剤と、前記水とを混合し、撹拌する。これにより前記混合物が生成される。このとき、まず、前記軽石と、前記土と、前記水とを混合し、撹拌し、その後、これらと、前記団粒剤とを混合し、撹拌する。又は、まず、前記軽石と、前記土とを混合し、撹拌し、次に、混合及び撹拌された前記軽石及び前記土と、前記水とを混合し、撹拌し、その後、混合及び撹拌された前記軽石、前記土及び前記水と、前記団粒剤とを混合し、撹拌する。屋上10を緑化するとき、該屋上に植物生育材料12を配置する。このとき、屋上10に容器16を配置し、該容器に植物生育材料12を入れる。その後、植物生育材料12に植物14又は該植物の種を植える。
【0022】
前記軽石と前記土と前記団粒剤と前記水とを混合し、撹拌している間に前記団粒剤の凝集作用により前記粘土粒子が凝集して複数の団粒が形成される。これにより、1つの団粒と他の団粒との間に、空気や水を通す比較的大きい空隙が形成される。このため、植物生育材料12は通気性及び排水性に優れる。
【0023】
各団粒は、該団粒の内部における1つの粘土粒子と他の粘土粒子との間に、水や肥料を貯える比較的小さい空隙を有する。また、多孔質の前記軽石は、水や肥料を貯える孔を有する。このため、植物生育材料12は保水性及び保肥性に優れており、植物生育材料12への水や肥料の供給の頻度を減らすことができる。
【0024】
ところで、前記軽石は、多孔質であるため、比較的脆く、前記軽石の取扱い中に擦れて又は他の物に当たって砕ける。これにより微細な粒子が生じるため、前記軽石には前記微細な粒子が含まれている。前記軽石と前記土と前記団粒剤と前記水とを混合し、撹拌している間に前記微細な粒子は前記団粒剤の凝集作用により前記粘土粒子とともに凝集して前記団粒を形成する。このため、屋上10に配置された植物生育材料12が強風又は大雨に曝されたときに前記微細な粒子が植物生育材料12から屋上10へ飛散又は流出することを防ぐことができ、前記微細な粒子により屋上10が汚れることを防止することができる。
【0025】
植物生育材料12が前記軽石と、前記土と、前記団粒剤と、前記水との混合物からなるため、従来用いられていた強アルカリ性の軽量気泡コンクリートを用いることなく前記軽石により植物生育材料12を軽量化することができる。前記軽石はほぼ中性であるため、植物生育材料12はほぼ中性であり、前記軽量気泡コンクリートを用いた場合のように植物生育材料12がアルカリ性になることはない。このため、植物生育材料12は植物14の生育に適しており、植物生育材料12を軽量化しつつ該植物生育材料により植物14の生育を促すことができる。
【0026】
前記軽石は、洗浄されたものとすることができる。この場合、植物生育材料12を製造するとき、前記軽石と、前記土と、前記団粒剤と、前記水とを混合し、撹拌する前に前記軽石を洗浄する又は予め洗浄された前記軽石を用意する。前記軽石を洗浄するとき、前記軽石を水で洗い流す又は前記軽石を水に浸けて洗う。
【0027】
ところで、前記軽石が、洗浄されていないものである場合、前記軽石に比較的多量のシルトが含まれている。前記シルトは、前記粘土粒子より粒径が大きいため、前記団粒剤の凝集作用により前記団粒を形成することが難しい。このため、前記軽石と前記土と前記団粒剤と前記水とを混合し、撹拌している間に前記シルトが前記軽石の前記孔に詰まることがある。これにより、前記軽石の前記孔が水や肥料を貯えられなくなり、植物生育材料12の保水性及び保肥性が低下する恐れがある。また、前記軽石が重くなり、植物生育材料12の重量が増す恐れがある。また、植物生育材料12を屋上10に配置した後に前記シルトが植物生育材料12から屋上10へ流出し、前記シルトにより屋上10が汚れる恐れがある。
【0028】
他方、前記軽石が、洗浄されたものである場合、前記洗浄により前記軽石から前記シルトを除去することができ、前記軽石に含まれている前記シルトの量は比較的少ない。このため、前記軽石と前記土と前記団粒剤と前記水とを混合し、撹拌している間に前記シルトが前記軽石の前記孔に詰まることはなく、植物生育材料12の保水性及び保肥性が低下することはない。また、前記軽石が重くなり、植物生育材料12の重量が増すことはない。また、植物生育材料12を屋上10に配置した後に前記シルトが植物生育材料12から屋上10へ流出し、前記シルトにより屋上10が汚れることはない。
【0029】
図3に示す例では、前記混合物に、吸水性樹脂からなる保水剤が含まれている。この場合、植物生育材料12は、前記軽石と、前記土と、前記団粒剤と、前記保水剤と、前記水との混合物からなる。前記保水剤は、粉末状であり、例えば、前記保水剤の自重の150倍ないし300倍の水を吸収することができる。前記吸水性樹脂は、デンプン系樹脂、ポリアクリル酸ソーダ等である。
【0030】
前記保水剤は、植物生育材料12に供給された水を吸収する。前記保水剤により吸収された水は、植物生育材料12が乾燥し始めると、前記保水剤から放出され、植物14は、前記保水剤から放出された水を吸収する。このようにして植物生育材料12の乾燥を遅らせることができ、植物生育材料12の保水性を向上させることができる。これにより植物生育材料12への給水の頻度を減らすことができる。
【0031】
前記混合物を生成するとき、まず、前記軽石と、前記土と、前記団粒剤と、前記水とを混合し、撹拌する。このとき、前記軽石と、前記土と、前記水とを混合し、撹拌し、その後、これらと、前記団粒剤とを混合し、撹拌する。又は、前記軽石と、前記土とを混合し、撹拌し、次に、混合及び撹拌された前記軽石及び前記土と、前記水とを混合し、撹拌し、その後、混合及び撹拌された前記軽石、前記土及び前記水と、前記団粒剤とを混合し、撹拌する。その後、混合及び撹拌された前記軽石、前記土、前記団粒剤及び前記水に前記保水剤を加えて撹拌する。前記軽石と前記土と前記団粒剤と前記水とを混合し、撹拌した後に、これらに前記保水剤を加えることにより、前記団粒の形成に必要な水が前記保水剤により吸収されて不足し、前記団粒の形成が十分に行われないということが起きないようにする。
【0032】
前記保水剤は、乾燥したものとすることができ、また、予め吸水させたものであって吸水能力を有するものとすることができる。前記保水剤を、予め吸水させたものとすることにより、屋上10に植物生育材料12を配置した直後の該植物生育材料の保水性を高めることができ、植物生育材料12に植物14を植えたときの該植物の根付きを良くすることができる。
【0033】
前記軽石の量と前記土の量との合計1.0mにつき、前記軽石の量は0.3mないし0.9mであり、前記団粒剤の量は1kgないし6kgであり、前記保水剤の量は0.3kgないし1.0kgであり、前記水の量は0.1mないし0.5mである。図3に示した例では、前記軽石の量は0.75mであり、前記土の量は0.25mであり、前記団粒剤の量は2.0kgであり、前記保水剤の量は0.5kgであり、前記水の量は0.19mである。
【0034】
図4に示す例では、前記混合物に有機肥料が含まれている。植物生育材料12は、前記軽石と、前記土と、前記有機肥料と、前記団粒剤と、前記保水剤と、前記水との混合物からなる。前記有機肥料は、バーク堆肥のような堆肥である。前記有機肥料は、前記堆肥である図4に示した例に代え、厩肥のような他の肥料でもよい。
【0035】
前記軽石の量と前記土の量と前記有機肥料の量との合計1.0mにつき、前記軽石の量は0.3m以上0.9m未満であり、前記団粒剤の量は1kgないし6kgであり、前記水の量は0.1mないし0.5mである。前記土の量は0.1m以上であり、前記有機肥料の量は0.2m以下である。例えば、前記軽石の量が0.3mであるとき、前記土の量と前記有機肥料の量との合計は0.7mである。前記土の量と前記有機肥料の量との合計0.7mにつき、前記土の量が0.6mであるとき、前記有機肥料の量は0.1mであり、前記土の量が0.5mであるとき、前記有機肥料の量は0.2mである。また、前記軽石の量が0.7mであるとき、前記土の量と前記有機肥料の量との合計は0.3mである。前記土の量と前記有機肥料の量との合計0.3mにつき、前記土の量が0.1mであるとき、前記有機肥料の量は0.2mである。また、前記軽石の量が0.85mであるとき、前記土の量と前記有機肥料の量との合計は0.15mである。前記土の量と前記有機肥料の量との合計0.15mにつき、前記土の量が0.1mであるとき、前記有機肥料の量は0.05mである。
【0036】
図4に示した例では、前記軽石の量は0.6mであり、前記土の量は0.3mであり、前記有機肥料の量は0.1mであり、前記団粒剤の量は2.5kgであり、前記保水剤の量は0.5kgであり、前記水の量は0.22mである。図5に示した例では、前記軽石の量は0.61mであり、前記土の量は0.35mであり、前記有機肥料の量は0.04mであり、前記団粒剤の量は3.0kgであり、前記保水剤の量は0.5kgであり、前記水の量は0.16mである。
【0037】
図6に示す例では、前記混合物に前記有機肥料が含まれている図4に示した例に代え、前記混合物に植物の破砕片が含まれている。植物生育材料12は、前記軽石と、前記土と、前記破砕片と、前記団粒剤と、前記保水剤と、前記水との混合物からなる。前記破砕片は、樹木の幹、枝葉若しくは根の破砕片、草の破砕片又はこれらの混合物からなり、未腐熟である。前記破砕片は細長く、前記破砕片の長さは0.5cmないし10cmである。
【0038】
前記混合物を生成するとき、前記軽石と、前記土と、前記破砕片と、前記団粒剤と、前記水とを混合し、撹拌する。このとき、前記軽石と、前記土と、前記破砕片と、前記水とを混合し、撹拌し、その後、これらと、前記団粒剤とを混合し、撹拌する。又は、前記軽石と、前記土と、前記破砕片とを混合し、撹拌し、次に、混合及び撹拌された前記軽石、前記土及び前記破砕片と、前記水とを混合し、撹拌し、その後、混合及び撹拌された前記軽石、前記土、前記破砕片及び前記水と、前記団粒剤とを混合し、撹拌する。その後、混合及び撹拌された前記軽石、前記土、前記破砕片、前記団粒剤及び前記水に前記保水剤を加えて撹拌する。
【0039】
前記軽石と、前記土と、前記破砕片と、前記団粒剤と、前記水とを混合し、撹拌している間に前記団粒が形成され、前記破砕片は前記団粒と絡み合って植物生育材料12を補強する。このため、植物生育材料12は耐侵食性及び安定性に優れ、植物生育材料12が雨により流されることを防ぐことができる。また、前記破砕片は、時間の経過とともに腐熟して植物14の肥料となり、該植物の生育を促す。
【0040】
前記軽石の量と前記土の量と前記破砕片の量との合計1.0mにつき、前記軽石の量は0.3m以上0.9m未満であり、前記団粒剤の量は1kgないし6kgであり、前記水の量は0.1mないし0.5mである。前記土の量は0.1m以上であり、前記破砕片の量は0.2m以下である。例えば、前記軽石の量が0.3mであるとき、前記土の量と前記破砕片の量との合計は0.7mである。前記土の量と前記破砕片の量との合計0.7mにつき、前記土の量が0.6mであるとき、前記破砕片の量は0.1mであり、前記土の量が0.5mであるとき、前記破砕片の量は0.2mである。また、前記軽石の量が0.7mであるとき、前記土の量と前記破砕片の量との合計は0.3mである。前記土の量と前記破砕片の量との合計0.3mにつき、前記土の量が0.1mであるとき、前記破砕片の量は0.2mである。また、前記軽石の量が0.85mであるとき、前記土の量と前記破砕片の量との合計は0.15mである。前記土の量と前記破砕片の量との合計0.15mにつき、前記土の量が0.1mであるとき、前記破砕片の量は0.05mである。図6に示した例では、前記軽石の量は0.6mであり、前記土の量は0.3mであり、前記破砕片の量は0.1mであり、前記団粒剤の量は2.5kgであり、前記保水剤の量は0.5kgであり、前記水の量は0.22mである。
【0041】
図7に示す例では、前記混合物に前記有機肥料及び前記破砕片の双方が含まれている。植物生育材料12は、前記軽石と、前記土と、前記有機肥料と、前記破砕片と、前記団粒剤と、前記保水剤と、前記水との混合物からなる。前記軽石の量と前記土の量と前記有機肥料の量と前記破砕片の量との合計1.0mにつき、前記軽石の量は0.3m以上0.9m未満であり、前記団粒剤の量は1kgないし6kgであり、前記水の量は0.1mないし0.5mである。前記土の量は0.1m以上であり、前記有機肥料の量と前記破砕片の量との合計は0.2m以下である。図7に示した例では、前記軽石の量は0.6mであり、前記土の量は0.3mであり、前記有機肥料の量は0.05mであり、前記破砕片の量は0.05mであり、前記団粒剤の量は2.5kgであり、前記保水剤の量は0.5kgであり、前記水の量は0.22mである。
【符号の説明】
【0042】
10 屋上
12 植物生育材料
14 植物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋上緑化のための植物生育材料であって、
軽石と、粘土粒子を含む土と、団粒剤と、水との混合物からなる、植物生育材料。
【請求項2】
前記混合物に保水剤が含まれている、請求項1に記載の植物生育材料。
【請求項3】
前記混合物に肥料及び植物の破砕片の少なくとも一方が含まれている、請求項1又は2に記載の植物生育材料。
【請求項4】
前記軽石は洗浄されている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の植物生育材料。
【請求項5】
前記軽石の量と前記土の量との合計1.0mにつき、前記軽石の量は0.3mないし0.9mであり、前記団粒剤の量は1kgないし6kgであり、前記水の量は0.1mないし0.5mである、請求項1又は2に記載の植物生育材料。
【請求項6】
前記粘土粒子の重量は前記土の重量の15%ないし50%である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の植物生育材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−244934(P2012−244934A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118857(P2011−118857)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000001317)株式会社熊谷組 (551)
【Fターム(参考)】