履物の中敷き
【課題】転がり歩行がより安定的になされるようにする一方、歩行または停止時に地面と足裏との間に緩衝作用をするようになって着地感を向上させて、使用者の体重を均一に分散して足の疲れ度を最小化するだけでなく、補強部材の一部を履物外側に露出するようにして、美観を向上させるようにする履物中敷きを提供する。
【解決手段】上部中敷き4と下部中敷き5でなされた履物中敷きが具備されて、上部中敷き4と下部中敷き5との間には全体的に補強部材6が埋入設置されて、補強部材6は足裏形状の補強板7両側に羽部8が一定な間隔で突出形成されて、羽部8の端部は上下方向に相互に連続反復折曲形成されてなされて、上下部中敷き4、5の両側面には補強部材6の羽部8が配置される安着溝11及び下敷片12がそれぞれ形成されて、羽部8は履物中敷き3の側面に露出することを特徴とする。
【解決手段】上部中敷き4と下部中敷き5でなされた履物中敷きが具備されて、上部中敷き4と下部中敷き5との間には全体的に補強部材6が埋入設置されて、補強部材6は足裏形状の補強板7両側に羽部8が一定な間隔で突出形成されて、羽部8の端部は上下方向に相互に連続反復折曲形成されてなされて、上下部中敷き4、5の両側面には補強部材6の羽部8が配置される安着溝11及び下敷片12がそれぞれ形成されて、羽部8は履物中敷き3の側面に露出することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物中敷きに関するものであり、より詳細には、推進式転がり歩行を可能にした履物中敷きに補強部材を埋入設置して、中敷きの強度を上昇させることによって転がり歩行がより安定的になされるようにする一方、歩行または停止時に地面と足裏との間に緩衝作用をするようになって着地感を向上させて、使用者の体重を均一に分散して足の疲れ度を最小化するだけでなく、前記補強部材の一部を履物外側に露出するようにして美観を向上させるようにする履物中敷きに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、履物は人体の足部位を保護するために着するものであり、多様な形態の履物が提供されており、特に、底部分は靴敷きとして歩行時の衝撃を緩和させて身体を保護するようになっている。
【0003】
履物は、大きく足元全体を囲む甲皮部分と、この甲皮に結合されて足裏の底面を保護する底材、すなわち、靴敷きに区分されて、前記靴敷きは一般的に底敷き、中敷き及び下敷きの構造でなされている。
【0004】
底敷きは実際地面に直接触れる部分としてある程度剛性を有して、摩擦によく耐える素材で製作され、中敷きは底敷きの上面に積層され、一般的にクッションを提供する構成でなされ、下敷きは足裏に直接触れる要素として、中敷きの上面に積層される。
【0005】
このような履物敷きの場合、歩行時に地面から足裏に伝わる衝撃を吸収できるように履物の内側底面に下敷きを敷くか、または履物底敷きやかかと部分を緩衝力が優秀なゴムまたは発泡スポンジなどの材質でなされるなどの構成当が知られており、近来には靴敷きにエアバッグやスプリングなどの弾性体を形成して弾性効果を高めたものも広く知られている。
【0006】
前記のようにゴムや発泡スポンジ材質で履物底敷きを製造するか、またはエアバッグやスプリングなどの弾性復元体を履物底敷きに内蔵させた場合には、単純な衝撃吸収の機能のみを遂行できるだけであり、歩行者のかかとから足指に至るまでおおよそ円弧形状をなしながら地面と接触するようになる歩行経路を基準にする場合、従来の一般な履物底敷きは、自然的で能率的な歩行を遂行するようにする側面にほとんど寄与することができないという問題点があった。
【0007】
特に、最近になって生活水準の向上と週5日制勤務の拡散で野外活動を楽しむ人口が大きく増加しており、これによって野外活動を楽しむ人々がよりさらに優れた着心地を感じるようにすると共に、着用者の膝と足部位の関節及び足裏部分に無理が加えられないようにして、履物を履いて歩くことだけでも、健康増進に寄与できるようにする機能性履物の開発事業に履物製造業社らが多大な時間と努力を投資している。
【0008】
前記のように履物に適用させることができる各種機能として、すべり防止機能と衝撃吸収機能及び通風による水虫防止と悪臭除去機能は既に活発に適用されており、歩行時の衝撃吸収と併せて、球が平面の上を踏みならすように自然で能率的な推進式歩行(以下、’転がり歩行’という)を行うようにする機能性履物も提供されている。
【0009】
前記のように衝撃分散機能と転がり歩行を可能にさせる履物中敷きとして、本出願人の先特許登録第10−0884659号の転がり歩行機能を有する履物中敷きが知られている。
【0010】
本出願人によって先登録された前記履物中敷きは、中敷きの上部面に緩衝空間を形成させる一方、前記中敷きの底部には長さ方向に沿って一定な間隔を置いて凹溝部を形成させて、前記緩衝空間には凹溝部と対応される部分に沿ってリブが突出形成されるようにすることで、足裏全体面にわたって歩行経路に沿って円弧状で圧縮変形されることでさらに自然で能率的な推進式転がり歩行がなされるようにした。
【0011】
しかし、このような本出願人の先登録特許は、履物中敷きの内部に緩衝空間と凹溝部が形成されている構成として、このような構成は歩行時に凹溝部によって歩行経路に沿って円弧状で圧縮変形がなされて推進式転がり歩行がなされるようになるが、凹溝部によって過度な圧縮変形がなされて柔軟性が非常に高くなるようになって、これによりむしろ歩行性及び安全性が改善されない問題点が発生された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前記のような従来の技術的限界を改善するために案出したものであり、本発明の履物中敷きは上部中敷きと下部中敷きで構成して、前記上下部中敷きの間には外部に露出する羽部が形成される補強部材を埋入設置するが、前記下部中敷きは、補強部材の羽部が安着される下敷片が形成されて、前記上部中敷きの底面には羽部が安着される安着溝を形成したものである。
【0013】
前記のような本発明の履物中敷きは、歩行時に歩行経路に沿って圧縮変形がなされて推進式転がり歩行がなされる時、前記補強部材によって過度な圧縮変形がなされないように適切な剛性を付与して柔軟性を抑制することで転がり歩行がより安定的になされるようにすることを技術的課題とする。
【0014】
また、本発明の履物中敷きは、使用者が履物を着した状態で歩行がなされるか、または停止状態の場合緩衝作用をするようになって着地感を向上させて、使用者の体重を均一に分散して足の疲れ度を最小化することができるようにすることを技術的課題とする。
【0015】
また、本発明は、補強部材の外側に形成された羽部を履物の外部に露出するようにして、前記羽部の長さを変化させるか、または文字、図形などで形成することで履物全体の美観を向上させるようにすることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上部中敷きと下部中敷きでなされた履物中敷きが具備されて、前記上部中敷きと下部中敷きとの間には全体的に補強部材が埋入設置され、前記補強部材は足裏形状の補強板両側に羽部が一定な間隔で突出形成され、前記羽部の端部は上下方向に相互に連続反復折曲形成され、前記上下部中敷きの両側面には前記補強部材の羽部が配置される安着溝及び下敷片がそれぞれ形成され、前記羽部は前記履物中敷きの側面に露出することを特徴とする。
【0017】
本発明の他の実施例として前記羽部は、甲皮側に長く形成して歩行時に均衡維持を向上させたことを特徴として、また他の実施例として前記羽部は射出成形時に隣合う羽部と連携して文字または図形で形成されることを特徴とし、また他の実施例として前記補強部材の補強板には幅方向に空間部が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の履物中敷きは、歩行時に歩行経路に沿って圧縮変形がなされて、推進式転がり歩行がなされる時、前記補強部材によって過度な圧縮変形がなされないように適切な剛性を付与して柔軟性を抑制することで転がり歩行がより安定的になされることができるし、使用者が履物を着した状態で歩行がなされるか、または停止状態である場合、緩衝作用をするようになって着地感を向上させて、使用者の体重を均一に分散して足の疲れ度を最小化することができるだけでなく、補強部材の外側に形成された羽部を履物の外部に露出するようにして、この羽部の長さを変化させるか、または文字、図形などで形成することで履物全体の美観を向上させる効果があるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による履物中敷きが適用された履物の一例を示した側面図である。
【図2】本発明による履物中敷きが適用された履物の一例を示した底面図である。
【図3】本発明の一実施例による履物中敷きと底敷きの分離斜視図である。
【図4】前記図3の側面図である。
【図5】本発明による結合された状態の履物中敷きの側断面図である。
【図6】前記図5のA−A線断面図である。
【図7】前記図5のB−B線断面図である。
【図8a】a乃至cは、本発明による履物中敷きが適用された他の実施例を示した側面図である。
【図8b】a乃至cは、本発明による履物中敷きが適用された他の実施例を示した側面図である。
【図8c】a乃至cは、本発明による履物中敷きが適用された他の実施例を示した側面図である。
【図9】(A)及び(B)は、本発明に適用される補強部材の他の実施例が適用された履物中敷きの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の内容を添付された一実施例としての図面を参照してさらに詳しく説明すると次のようである。
【0021】
図1は、本発明による履物中敷きが適用された履物の一例を示した側面図であり、図2は本発明による履物中敷きが適用された履物の一例を示した底面図であり、図3は本発明の一実施例による履物中敷きと底敷きの分離斜視図であり、図4は前記図3の側面図であり、図5は本発明による結合された状態の履物中敷きの側断面図であり、図6は前記図5のA−A線断面図であり、図7は前記図5のB−B線断面図である。
【0022】
前記図1乃至図7を参照すると、本発明による履物中敷き3は、履物1の靴敷きを形成する要素のうちで1つとして、底敷き2の上側に付着されており、上部中敷き4と下部中敷き5との結合でなされていて、前記上部中敷き4と下部中敷き5との間に補強部材6が埋入設置されている。
【0023】
前記補強部材6は、合成樹脂でなされて、上部中敷き4と下部中敷き5との間に配置されて、補強部材6は中間が補強板7で形成されていて、この補強板7の両側で羽部8が連続反復的に形成されている。
【0024】
前記羽部8は、それぞれ別個に突出された形態をなしており、補強板7から外側に引き出された形態でなされて、その端部は弾性を有するようになる。
【0025】
補強部材6は、履物中敷き3に埋入設置された状態で羽部8の端部は、中敷き3の側面で露出した形態に設置されるが、羽部8の端部は上側または下側に折曲された形態で構成されて、より強い弾性を取り揃えるようになる。
【0026】
図面では羽部8が上側と下側に相互に反復形成された形態でなされているが、各羽部8が不規則的に上側または下側に折曲形成されることもでき、各羽部8及び補強板7には剛性を高めるために余肉としてのリブが形成されることができるし、このリブは各個体の中央や周縁部に形成されることができる。
【0027】
このような補強部材6は、全体的に履物中敷き3の外郭形状に対応される形状でなされるようになって、足きびす部分ではより外郭が広い羽部でなされている。
【0028】
前記補強部材6が中敷き3に埋入設置された状態をよく見れば、補強板7は中敷き3の内部に完全に埋入された状態になって、各羽部8の外側端部は中敷き3の側面に露出している形態になる。
【0029】
前記羽部8の外側端部は、上側または下側に折曲形成されているが、上側に折曲された羽部8aは、上部中敷き4の側面下端を囲むように密着された形態でなされて、下側に折曲された羽部8bは、下部中敷き5の側面上端を囲むように密着された形態で構成される。
【0030】
すなわち、各羽部8の外側端部は、上部中敷き4と下部中敷き5の側面を囲んでカバーする形態でなされていて側面から見れば上下反復して行き異なるように突出された模様をなすようになる。
【0031】
このように上側と下側に折曲突出される羽部8を安定的に固定させるために上部中敷き4の両側底面には上側に折曲された羽部8aの端部を収容する安着溝11が形成されて、上側に折曲される羽部がこの安着溝11に安着された状態で接着固定されるようになっている。
【0032】
これによって、履物の着用時に不規則的な方向に履物が流動されても、羽部8aは中敷きと併せて弾性的な動きがあるだけで自分の位置を離脱しないで安定的な固定状態を維持できる。
【0033】
前記下部中敷き5も上部中敷き4と同じく安着溝を形成することもできるが、図面では他の形態の実施例を示している。すなわち、下部中敷き5の両側面には下側に折曲形成される羽部8bに対応される位置に外側から割れた形態の下敷片12がそれぞれ形成されている。
【0034】
前記下敷片12は、補強部材6の羽部8と同じく自由端を有する形態でなされて、それぞれ独立的に下側に折曲された羽部8bに対応接着されて、これによって下側に折曲された羽部8bは、そのそれぞれがよりさらに自由な弾性反応を有するようになる。
【0035】
このように下側に折曲された羽部8bが上側に折曲された羽部8aに比べて自由な弾性反応を有するようになることで、上側羽部8aは履物を着する着用者の足をより安定的にかばい、履物下側の下部中敷き5は下敷片12によって歩行時に歩行経路に沿って圧縮変形がなされて推進式転がり歩行が可能になり、下側に折曲された羽部8bによって歩行時安全性を有するようになるものである。
【0036】
一方、本願発明による履物中敷き3の下側に接着される履物底敷き2は、通常の物が適用されることができるが、図面でのように連続反復的に凹凸を形成する形態でなされることができる。
【0037】
すなわち、連続反復される凹凸で凹部13に該当するものは、前記下側に折曲された羽部8bに対応されるものであり、前記羽部8bと結合された下部中敷き5の下敷片12が前記凹部13に対応されて接着固定され、これによって下側に折曲された各羽部8bが地面とより直接的に接触反応できるようにするものである。
【0038】
このような履物底敷きの構成は、履物の用途や特性、そしてそれによる中敷きの形態によって多様な形態で適用されることができるであろう。
【0039】
このように構成される本発明の作用を以下で説明する。
【0040】
本発明による履物中敷き3、すなわち、上部中敷き4と下部中敷き5との間に補強部材6を接着剤として埋入設置して履物中敷き3を形成した後、前記下部中敷き5の底面には履物底敷き2を、そして上部中敷き4の上面には図1に示されたところのように甲皮を設置して履物を製造するようになる。
【0041】
このような履物を使用者が着するようになれば、上部中敷き4の安着溝11に安着固定されて、上側に折曲された羽部8aによって履物の甲皮部分を囲むようになることによって、着用者の足を支持してくれる役割をするようになって、着心地と安全性を高めるようになるものである。
【0042】
前記のように使用者が履物を着した状態で歩行がなされるようになれば、歩行経路によって下敷片12によって下部中敷き5と上部中敷き4が圧縮変形がなされて推進式転がり歩行がなされるようになって、この時、前記補強部材6によって上下部中敷き4、5が過度な圧縮変形がなされないように適切な剛性を付与するようになって、柔軟性を抑制することによって転がり歩行がより安定的になされるようになるものである。
【0043】
一方、使用者が履物を着した状態で歩行がなされるか、または停止状態である場合、下側に折曲された羽部8bと下部中敷き5に形成された下敷片12が緩衝作用をするようになって着地感を向上させるだけでなく、使用者の体重を均一に分散させることで足の疲れ度を最小化するようになるものである。
【0044】
図8a乃至図8cは、本発明による履物中敷きが適用された他の実施例を示した側面図である。
【0045】
すなわち、図8aは、補強部材6に上側に折曲形成された羽部8を甲皮側に長く形成して、歩行時に使用者足の均衡維持をさらに維持向上させたものであり、図8bは羽部8の射出成形時に隣合う羽部8と連携して文字または図形を形成させることで視覚的に美感を得るようにしたものであり、図8cは羽部8を甲皮側に長く形成する図8aと文字または図形を形成させた図8bをすべて適用して均衡維持と視覚的な美感を同時に得るようにしたものである。
【0046】
図9のA及びBは、本発明に適用される補強部材の他の実施例が適用された履物中敷きの断面図であり、補強部材6の補強板7には幅方向に空間部14を形成して歩行時に前記空間部14によって体重を分散させるようにしたものである。
【0047】
以上で説明して図示したところのような本発明は、前記の実施例に限定する主旨ではなくて、本発明の要旨を脱しない範囲内で多様な形態に変更実施されることができるであろう。
【0048】
例えば、前記補強部材の羽部は、その形状が必要によって多様な形態で実施されることができるはずであるし、折曲される形態とこれに対応される中敷きの構成も必要によっていくらでも変形された形態で実施されることができるであろう。
【符号の説明】
【0049】
1 履物
2 履物底敷き
3 履物中敷き
4 上部中敷き
5 下部中敷き
6 補強部材
7 補強板
8 羽部
11 安着溝
12 下敷片
13 凹部
14 空間部
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物中敷きに関するものであり、より詳細には、推進式転がり歩行を可能にした履物中敷きに補強部材を埋入設置して、中敷きの強度を上昇させることによって転がり歩行がより安定的になされるようにする一方、歩行または停止時に地面と足裏との間に緩衝作用をするようになって着地感を向上させて、使用者の体重を均一に分散して足の疲れ度を最小化するだけでなく、前記補強部材の一部を履物外側に露出するようにして美観を向上させるようにする履物中敷きに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、履物は人体の足部位を保護するために着するものであり、多様な形態の履物が提供されており、特に、底部分は靴敷きとして歩行時の衝撃を緩和させて身体を保護するようになっている。
【0003】
履物は、大きく足元全体を囲む甲皮部分と、この甲皮に結合されて足裏の底面を保護する底材、すなわち、靴敷きに区分されて、前記靴敷きは一般的に底敷き、中敷き及び下敷きの構造でなされている。
【0004】
底敷きは実際地面に直接触れる部分としてある程度剛性を有して、摩擦によく耐える素材で製作され、中敷きは底敷きの上面に積層され、一般的にクッションを提供する構成でなされ、下敷きは足裏に直接触れる要素として、中敷きの上面に積層される。
【0005】
このような履物敷きの場合、歩行時に地面から足裏に伝わる衝撃を吸収できるように履物の内側底面に下敷きを敷くか、または履物底敷きやかかと部分を緩衝力が優秀なゴムまたは発泡スポンジなどの材質でなされるなどの構成当が知られており、近来には靴敷きにエアバッグやスプリングなどの弾性体を形成して弾性効果を高めたものも広く知られている。
【0006】
前記のようにゴムや発泡スポンジ材質で履物底敷きを製造するか、またはエアバッグやスプリングなどの弾性復元体を履物底敷きに内蔵させた場合には、単純な衝撃吸収の機能のみを遂行できるだけであり、歩行者のかかとから足指に至るまでおおよそ円弧形状をなしながら地面と接触するようになる歩行経路を基準にする場合、従来の一般な履物底敷きは、自然的で能率的な歩行を遂行するようにする側面にほとんど寄与することができないという問題点があった。
【0007】
特に、最近になって生活水準の向上と週5日制勤務の拡散で野外活動を楽しむ人口が大きく増加しており、これによって野外活動を楽しむ人々がよりさらに優れた着心地を感じるようにすると共に、着用者の膝と足部位の関節及び足裏部分に無理が加えられないようにして、履物を履いて歩くことだけでも、健康増進に寄与できるようにする機能性履物の開発事業に履物製造業社らが多大な時間と努力を投資している。
【0008】
前記のように履物に適用させることができる各種機能として、すべり防止機能と衝撃吸収機能及び通風による水虫防止と悪臭除去機能は既に活発に適用されており、歩行時の衝撃吸収と併せて、球が平面の上を踏みならすように自然で能率的な推進式歩行(以下、’転がり歩行’という)を行うようにする機能性履物も提供されている。
【0009】
前記のように衝撃分散機能と転がり歩行を可能にさせる履物中敷きとして、本出願人の先特許登録第10−0884659号の転がり歩行機能を有する履物中敷きが知られている。
【0010】
本出願人によって先登録された前記履物中敷きは、中敷きの上部面に緩衝空間を形成させる一方、前記中敷きの底部には長さ方向に沿って一定な間隔を置いて凹溝部を形成させて、前記緩衝空間には凹溝部と対応される部分に沿ってリブが突出形成されるようにすることで、足裏全体面にわたって歩行経路に沿って円弧状で圧縮変形されることでさらに自然で能率的な推進式転がり歩行がなされるようにした。
【0011】
しかし、このような本出願人の先登録特許は、履物中敷きの内部に緩衝空間と凹溝部が形成されている構成として、このような構成は歩行時に凹溝部によって歩行経路に沿って円弧状で圧縮変形がなされて推進式転がり歩行がなされるようになるが、凹溝部によって過度な圧縮変形がなされて柔軟性が非常に高くなるようになって、これによりむしろ歩行性及び安全性が改善されない問題点が発生された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前記のような従来の技術的限界を改善するために案出したものであり、本発明の履物中敷きは上部中敷きと下部中敷きで構成して、前記上下部中敷きの間には外部に露出する羽部が形成される補強部材を埋入設置するが、前記下部中敷きは、補強部材の羽部が安着される下敷片が形成されて、前記上部中敷きの底面には羽部が安着される安着溝を形成したものである。
【0013】
前記のような本発明の履物中敷きは、歩行時に歩行経路に沿って圧縮変形がなされて推進式転がり歩行がなされる時、前記補強部材によって過度な圧縮変形がなされないように適切な剛性を付与して柔軟性を抑制することで転がり歩行がより安定的になされるようにすることを技術的課題とする。
【0014】
また、本発明の履物中敷きは、使用者が履物を着した状態で歩行がなされるか、または停止状態の場合緩衝作用をするようになって着地感を向上させて、使用者の体重を均一に分散して足の疲れ度を最小化することができるようにすることを技術的課題とする。
【0015】
また、本発明は、補強部材の外側に形成された羽部を履物の外部に露出するようにして、前記羽部の長さを変化させるか、または文字、図形などで形成することで履物全体の美観を向上させるようにすることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上部中敷きと下部中敷きでなされた履物中敷きが具備されて、前記上部中敷きと下部中敷きとの間には全体的に補強部材が埋入設置され、前記補強部材は足裏形状の補強板両側に羽部が一定な間隔で突出形成され、前記羽部の端部は上下方向に相互に連続反復折曲形成され、前記上下部中敷きの両側面には前記補強部材の羽部が配置される安着溝及び下敷片がそれぞれ形成され、前記羽部は前記履物中敷きの側面に露出することを特徴とする。
【0017】
本発明の他の実施例として前記羽部は、甲皮側に長く形成して歩行時に均衡維持を向上させたことを特徴として、また他の実施例として前記羽部は射出成形時に隣合う羽部と連携して文字または図形で形成されることを特徴とし、また他の実施例として前記補強部材の補強板には幅方向に空間部が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の履物中敷きは、歩行時に歩行経路に沿って圧縮変形がなされて、推進式転がり歩行がなされる時、前記補強部材によって過度な圧縮変形がなされないように適切な剛性を付与して柔軟性を抑制することで転がり歩行がより安定的になされることができるし、使用者が履物を着した状態で歩行がなされるか、または停止状態である場合、緩衝作用をするようになって着地感を向上させて、使用者の体重を均一に分散して足の疲れ度を最小化することができるだけでなく、補強部材の外側に形成された羽部を履物の外部に露出するようにして、この羽部の長さを変化させるか、または文字、図形などで形成することで履物全体の美観を向上させる効果があるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による履物中敷きが適用された履物の一例を示した側面図である。
【図2】本発明による履物中敷きが適用された履物の一例を示した底面図である。
【図3】本発明の一実施例による履物中敷きと底敷きの分離斜視図である。
【図4】前記図3の側面図である。
【図5】本発明による結合された状態の履物中敷きの側断面図である。
【図6】前記図5のA−A線断面図である。
【図7】前記図5のB−B線断面図である。
【図8a】a乃至cは、本発明による履物中敷きが適用された他の実施例を示した側面図である。
【図8b】a乃至cは、本発明による履物中敷きが適用された他の実施例を示した側面図である。
【図8c】a乃至cは、本発明による履物中敷きが適用された他の実施例を示した側面図である。
【図9】(A)及び(B)は、本発明に適用される補強部材の他の実施例が適用された履物中敷きの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の内容を添付された一実施例としての図面を参照してさらに詳しく説明すると次のようである。
【0021】
図1は、本発明による履物中敷きが適用された履物の一例を示した側面図であり、図2は本発明による履物中敷きが適用された履物の一例を示した底面図であり、図3は本発明の一実施例による履物中敷きと底敷きの分離斜視図であり、図4は前記図3の側面図であり、図5は本発明による結合された状態の履物中敷きの側断面図であり、図6は前記図5のA−A線断面図であり、図7は前記図5のB−B線断面図である。
【0022】
前記図1乃至図7を参照すると、本発明による履物中敷き3は、履物1の靴敷きを形成する要素のうちで1つとして、底敷き2の上側に付着されており、上部中敷き4と下部中敷き5との結合でなされていて、前記上部中敷き4と下部中敷き5との間に補強部材6が埋入設置されている。
【0023】
前記補強部材6は、合成樹脂でなされて、上部中敷き4と下部中敷き5との間に配置されて、補強部材6は中間が補強板7で形成されていて、この補強板7の両側で羽部8が連続反復的に形成されている。
【0024】
前記羽部8は、それぞれ別個に突出された形態をなしており、補強板7から外側に引き出された形態でなされて、その端部は弾性を有するようになる。
【0025】
補強部材6は、履物中敷き3に埋入設置された状態で羽部8の端部は、中敷き3の側面で露出した形態に設置されるが、羽部8の端部は上側または下側に折曲された形態で構成されて、より強い弾性を取り揃えるようになる。
【0026】
図面では羽部8が上側と下側に相互に反復形成された形態でなされているが、各羽部8が不規則的に上側または下側に折曲形成されることもでき、各羽部8及び補強板7には剛性を高めるために余肉としてのリブが形成されることができるし、このリブは各個体の中央や周縁部に形成されることができる。
【0027】
このような補強部材6は、全体的に履物中敷き3の外郭形状に対応される形状でなされるようになって、足きびす部分ではより外郭が広い羽部でなされている。
【0028】
前記補強部材6が中敷き3に埋入設置された状態をよく見れば、補強板7は中敷き3の内部に完全に埋入された状態になって、各羽部8の外側端部は中敷き3の側面に露出している形態になる。
【0029】
前記羽部8の外側端部は、上側または下側に折曲形成されているが、上側に折曲された羽部8aは、上部中敷き4の側面下端を囲むように密着された形態でなされて、下側に折曲された羽部8bは、下部中敷き5の側面上端を囲むように密着された形態で構成される。
【0030】
すなわち、各羽部8の外側端部は、上部中敷き4と下部中敷き5の側面を囲んでカバーする形態でなされていて側面から見れば上下反復して行き異なるように突出された模様をなすようになる。
【0031】
このように上側と下側に折曲突出される羽部8を安定的に固定させるために上部中敷き4の両側底面には上側に折曲された羽部8aの端部を収容する安着溝11が形成されて、上側に折曲される羽部がこの安着溝11に安着された状態で接着固定されるようになっている。
【0032】
これによって、履物の着用時に不規則的な方向に履物が流動されても、羽部8aは中敷きと併せて弾性的な動きがあるだけで自分の位置を離脱しないで安定的な固定状態を維持できる。
【0033】
前記下部中敷き5も上部中敷き4と同じく安着溝を形成することもできるが、図面では他の形態の実施例を示している。すなわち、下部中敷き5の両側面には下側に折曲形成される羽部8bに対応される位置に外側から割れた形態の下敷片12がそれぞれ形成されている。
【0034】
前記下敷片12は、補強部材6の羽部8と同じく自由端を有する形態でなされて、それぞれ独立的に下側に折曲された羽部8bに対応接着されて、これによって下側に折曲された羽部8bは、そのそれぞれがよりさらに自由な弾性反応を有するようになる。
【0035】
このように下側に折曲された羽部8bが上側に折曲された羽部8aに比べて自由な弾性反応を有するようになることで、上側羽部8aは履物を着する着用者の足をより安定的にかばい、履物下側の下部中敷き5は下敷片12によって歩行時に歩行経路に沿って圧縮変形がなされて推進式転がり歩行が可能になり、下側に折曲された羽部8bによって歩行時安全性を有するようになるものである。
【0036】
一方、本願発明による履物中敷き3の下側に接着される履物底敷き2は、通常の物が適用されることができるが、図面でのように連続反復的に凹凸を形成する形態でなされることができる。
【0037】
すなわち、連続反復される凹凸で凹部13に該当するものは、前記下側に折曲された羽部8bに対応されるものであり、前記羽部8bと結合された下部中敷き5の下敷片12が前記凹部13に対応されて接着固定され、これによって下側に折曲された各羽部8bが地面とより直接的に接触反応できるようにするものである。
【0038】
このような履物底敷きの構成は、履物の用途や特性、そしてそれによる中敷きの形態によって多様な形態で適用されることができるであろう。
【0039】
このように構成される本発明の作用を以下で説明する。
【0040】
本発明による履物中敷き3、すなわち、上部中敷き4と下部中敷き5との間に補強部材6を接着剤として埋入設置して履物中敷き3を形成した後、前記下部中敷き5の底面には履物底敷き2を、そして上部中敷き4の上面には図1に示されたところのように甲皮を設置して履物を製造するようになる。
【0041】
このような履物を使用者が着するようになれば、上部中敷き4の安着溝11に安着固定されて、上側に折曲された羽部8aによって履物の甲皮部分を囲むようになることによって、着用者の足を支持してくれる役割をするようになって、着心地と安全性を高めるようになるものである。
【0042】
前記のように使用者が履物を着した状態で歩行がなされるようになれば、歩行経路によって下敷片12によって下部中敷き5と上部中敷き4が圧縮変形がなされて推進式転がり歩行がなされるようになって、この時、前記補強部材6によって上下部中敷き4、5が過度な圧縮変形がなされないように適切な剛性を付与するようになって、柔軟性を抑制することによって転がり歩行がより安定的になされるようになるものである。
【0043】
一方、使用者が履物を着した状態で歩行がなされるか、または停止状態である場合、下側に折曲された羽部8bと下部中敷き5に形成された下敷片12が緩衝作用をするようになって着地感を向上させるだけでなく、使用者の体重を均一に分散させることで足の疲れ度を最小化するようになるものである。
【0044】
図8a乃至図8cは、本発明による履物中敷きが適用された他の実施例を示した側面図である。
【0045】
すなわち、図8aは、補強部材6に上側に折曲形成された羽部8を甲皮側に長く形成して、歩行時に使用者足の均衡維持をさらに維持向上させたものであり、図8bは羽部8の射出成形時に隣合う羽部8と連携して文字または図形を形成させることで視覚的に美感を得るようにしたものであり、図8cは羽部8を甲皮側に長く形成する図8aと文字または図形を形成させた図8bをすべて適用して均衡維持と視覚的な美感を同時に得るようにしたものである。
【0046】
図9のA及びBは、本発明に適用される補強部材の他の実施例が適用された履物中敷きの断面図であり、補強部材6の補強板7には幅方向に空間部14を形成して歩行時に前記空間部14によって体重を分散させるようにしたものである。
【0047】
以上で説明して図示したところのような本発明は、前記の実施例に限定する主旨ではなくて、本発明の要旨を脱しない範囲内で多様な形態に変更実施されることができるであろう。
【0048】
例えば、前記補強部材の羽部は、その形状が必要によって多様な形態で実施されることができるはずであるし、折曲される形態とこれに対応される中敷きの構成も必要によっていくらでも変形された形態で実施されることができるであろう。
【符号の説明】
【0049】
1 履物
2 履物底敷き
3 履物中敷き
4 上部中敷き
5 下部中敷き
6 補強部材
7 補強板
8 羽部
11 安着溝
12 下敷片
13 凹部
14 空間部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部中敷き4と下部中敷き5でなされた履物中敷き3が具備されて、
前記上部中敷き4と下部中敷き5との間には全体的に補強部材6が埋入設置されて、
前記補強部材6は、足裏形状の補強板7両側に羽部8が一定な間隔で突出形成されて、前記羽部8の端部は上下方向に相互に連続反復折曲形成されてなされて、
前記上下部中敷き4、5の両側面には前記補強部材6の羽部8が配置される安着溝11及び下敷片12がそれぞれ形成されて、前記羽部8は前記履物中敷き3の側面に露出されることを特徴とする履物中敷き。
【請求項2】
前記羽部8は、甲皮側に長く形成して歩行時に均衡維持を向上させたことを特徴とする請求項1に記載の履物中敷き。
【請求項3】
前記羽部8は、隣合う羽部8と連携して文字または図形で形成されることを特徴とする請求項1に記載の履物中敷き。
【請求項4】
前記補強部材6の補強板7には幅方向に空間部14が形成されることを特徴とする請求項1に記載の履物中敷き。
【請求項1】
上部中敷き4と下部中敷き5でなされた履物中敷き3が具備されて、
前記上部中敷き4と下部中敷き5との間には全体的に補強部材6が埋入設置されて、
前記補強部材6は、足裏形状の補強板7両側に羽部8が一定な間隔で突出形成されて、前記羽部8の端部は上下方向に相互に連続反復折曲形成されてなされて、
前記上下部中敷き4、5の両側面には前記補強部材6の羽部8が配置される安着溝11及び下敷片12がそれぞれ形成されて、前記羽部8は前記履物中敷き3の側面に露出されることを特徴とする履物中敷き。
【請求項2】
前記羽部8は、甲皮側に長く形成して歩行時に均衡維持を向上させたことを特徴とする請求項1に記載の履物中敷き。
【請求項3】
前記羽部8は、隣合う羽部8と連携して文字または図形で形成されることを特徴とする請求項1に記載の履物中敷き。
【請求項4】
前記補強部材6の補強板7には幅方向に空間部14が形成されることを特徴とする請求項1に記載の履物中敷き。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【公開番号】特開2012−75864(P2012−75864A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187843(P2011−187843)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(511211184)ジオン エフアールエス コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(511211184)ジオン エフアールエス コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
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