説明

工作機械における工具異常検知装置

【課題】 多刃工具を含めた工具折損、工具に対する切り屑の巻付き、が検出できる工具異常検出装置を提供するものである。
【解決手段】 工具マガジン8の割出ベース13に工具重量を測定する重量センサ17の一端を固着し、重量センサ17の他端に工具Tを保持する工具ポット19を取付ける。主軸3aと工具マガジン8との間での工具交換動作に伴って工具ポット19に装着された加工後の工具Tの重量を工具ポット19ごと測定する。その測定値から求めた加工後の工具Tのみの重量の測定値と、予め計測されている当該工具Tの基準重量値とを比較する。その比較結果から工具状態を判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、工作機械における加工工具の折損、欠け、切粉の巻付きを検出する工具異常検出装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載のように、工具交換動作の工具通過経路上でタッチセンサで工具長さをチェックして工具折損の有無を検出するもの、特許文献2に記載のように工具マガジンと主軸との間で工具交換を行う工具交換アームによる工具移動軌跡の途中に、発光素子と受光素子とが対向した光電センサを設けて、その光電センサの間を工具先端が横切ることで工具の折損を検知するもの、主軸に装着された工具を工具マガジンに戻した時に検出子が工具先端と接触して工具折損を検知するものなど各種の刃具折損検知装置が公知である。
【0003】
特許文献4のように、新たに使用する工具や不要工具について工具マガジンラックに対する搬出入の段取りをする工具段取り部の移動台に重量センサを設けておき、ラックに工具を搬入するに先立って工具の重量を測定して予め記憶し、この重量に基づいて、工具交換アームの回転速度を最適なものとしたり、工具搬送速度を最適なものにしたりするものも公知である。
【0004】
特許文献5には、ドリルなどの工具でワーク加工を行ない、加工後のワーク重量を重量検出器で測定して、測定値が加工後の基準となるワーク重量より重い場合には、刃具の折損で削り残しがあるなどを検知する加工異常検出装置が開示されている。特許文献6には、多刃工具をカメラで撮像して画像データから解析してチップの欠損を検知する装置が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−90786号公報
【特許文献2】特開2000−176776号公報
【特許文献3】実用新案登録第2603656号号公報
【特許文献4】特開2001−105266号公報
【特許文献5】特開昭58−56753号公報
【特許文献6】特開昭10−96616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1〜3のものでは、主にドリルのような形状の刃具の先端折れを検出するには適しているが、フライスなど、複数のチップを先端に有する多刃工具に対しては、適用し難い問題がある。また、ドリルのような刃具においても、刃具に切り屑が巻付いているなどの異常については、特許文献1〜3のものでは対応できない。
特許文献4の技術では工具重量を測定してはいるが、その工具重量の検出値を工具状態の判定に用いているものではない。特許文献5は、加工後ワーク重量を測定して間接的に工具状態を判定しようとするものであり、工具重量から工具状態を判別するものではない。
特許文献6の技術では、多刃工具のチップ欠損を検出できるが、画像解析を伴なう非常に高価な設備となり、費用面から採用し難い一面がある。
この発明は、多刃工具を含めた工具折損、工具に対する切り屑の巻付き、が検出できる工具異常検出装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の工作機械における工具異常検出装置は、主軸と工具マガジンとの間で工具を交換するようにしてある工作機械において、加工後の工具重量を測定する重量センサと、その重量センサによる測定値と予め計測されている当該工具の基準重量値とを比較し、その比較結果に基づき、工具状態を判別する判別手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
工具交換時に工具を保持する工具ポットを重量センサを介して基準側部材に取り付け、工具交換動作に伴なってその工具ポットに工具が装着された時に、工具重量を工具ポットごと測定するようにした。
【0009】
基準側部材を工具マガジンの割出ベースとし、その割出ベースに設けられる複数の工具ポットを、夫々重量センサを介して前記割出ベースに装着し、主軸から各工具ポットへ加工後の工具を返却した時、前記重量センサで工具ポットごと工具重量を測定するようにした。
【0010】
また本願工作機械における工具異常検知装置は、主軸と工具移送装置との間で工具をやり取りし、工具移送装置と工具マガジンとの間で工具をやり取りするようにしてある工作機械において、前記工具移送装置の移送ベースに重量センサを設け、その重量センサによる測定値と予め計測されている当該工具の基準重量値とを比較し、その比較結果に基づき、工具状態を判別する判別手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
判別手段は、基準重量値より小さな重量値が重量センサで検出されたときには工具折損と判断する第1判別手段と、基準重量より大きな重量値が重量センサで検出されたときには切粉巻付き異常と判断する第2判別手段とを含んでいる。
【発明の効果】
【0012】
本願装置では、工具折損で工具重量が軽くなった場合、切り屑の巻付きで工具重量が増加した場合のいずれも、そうした事態の起きていない基準重量との比較で検出できる。また、フライスなどの多刃工具であっても、チップの欠損などでは工具重量が変化するから、こうした多刃工具の工具異常も検知できる。
また、工具交換時に工具を保持する工具ポットを重量センサを介して基準側部材に取り付け、その工具ポットに加工後工具が装着された時に工具重量を検知するようにしたので、重量測定のために格別に検知工程を設けることなく、工具交換動作の中で重量測定ができ工具交換動作が長くなることがない。
【実施例】
【0013】
図1〜2に示すように、工作機械1のベース2上には、前面に上下に移動可能な主軸3aを備え、前後左右に移動できる移動コラム3と、ワークWを載置するワークベース4とが設置されている。ベース2の後部には前記移動コラム3の左右の移動範囲の外側となる位置に左右一対の支柱5,6が設けてあり、その支柱5,6の上端に支持ベース7が片持ち状態で固定され、前記移動コラム3上方に位置している。支持ベース7の上側には、複数の工具Tを保持している工具マガジン8が設けられ、支持ベース7の下面には、前記工具マガジン8と移動コラム3の主軸3aとの間で工具Tを交換させる交換アーム9aを備えた工具交換装置9とが取付けてある。この工作機械1は通常の加工においては、工具マガジン8から工具交換装置9により移動コラム3の主軸3aに工具Tを装着し、移動コラム3の前後左右移動及び主軸3aの上下移動によって、治具ベース4に保持したワークWの加工を行なう。10、11は工作機械1のベース2に設置した側面カバーである。また、工作機械1の後方部分には、制御手段12が設けてあり、通常の加工プログラムに従った機械動作制御や後述の工具異常検出プログラムによる工具状態検知を実行する。
【0014】
工具マガジン8の割出ベース13は基準側部材であり、図4に示すように、支持ベース7上に設けられた割出ベース支持部材14に割出ベース13の旋回軸13aによって旋回割出可能に支持されている。旋回軸13aは、ギヤ装置15を介して割出モータ16に連結されている。割出ベース13の前面13bには複数の重量センサ17が円周方向に等間隔に設けられている。重量センサ17は周知のロードセルであり、簡単に説明すると、起歪体18の上、下面の4ヶ所に図示しないストレンゲージを貼着し、そのストレンゲージを電気的にブリッジ接続し、起歪体18の一端を固定し、他端の自由端に荷重が作用することで起歪体18がたわみ、起歪体18に貼着したストレンゲージが歪、この歪に対応して出力電気信号(抵抗値)が変化し、その出力電気信号を重量に変換して重量を計測するものである。起歪体18の一端は割出ベース13の前面13bに固定されており、自由端である他端には工具Tを保持する工具ポット19が固着されている。この重量センサ17からの出力電気信号は制御手段12に入力され制御手段12で工具ポット19と工具Tの合計重量が測定されるようになっている。この重量センサ17と後述の判別手段とで工具異常検知装置が構成される。
【0015】
割出ベース13の中心には支持ベース7に固定された固定軸20が貫通しており(図4)、固定軸20の前端部分にはポット押え装置21のポット押え22が設けられている。また、支持ベース7にもポット押え23が設けられている。ポット押え22,23は、図3、図4に示す割出位置P1に割り出された工具ポット19をはさんで上下方向に対向して配置されており、工具ポット19の外周面を上下から挟持できるようになっている。これらのポット押え22,23は、適当な構成のものでよいが、例えばシリンダ24のロッド25の先端に保持部材26を設けてロッド25の出没により工具ポット19を挟持する。このポット押え装置21は制御手段12により制御される。このポット押え装置21は、制御装置12からの指令により、後述の図6に示す交換アーム9aのタイミングチャートにおいて、交換アーム9aが図5の待機位置から旋回を開始して270度旋回し交換アーム9aが後退して工具ポット19と主軸3aの両工具T,Tを入れ替えて夫々に装着するまでの間、工具ポット19を挟持している。このポット押え装置21の工具ポット19の挟持によって工具交換時の衝撃が重量センサ17に直接伝わらないようになっている。
【0016】
工具交換装置9の交換アーム9aは、図5に示すように旋回機構27及び進退機構28を介して駆動モータ29に連結されている。交換アーム9aは駆動モータ29が駆動すると旋回機構27により正方向(図5において右回転)への90度旋回と180度旋回と逆方向(図5において左回転)への90度旋回を行い、進退機構28により軸線方向に進退する。交換アーム9aは、図6に示すタイミングチャートに従って、水平な待機位置から工具マガジン8の割出位置P1に割り出された工具ポット19に保持された工具Tと主軸3a先端の工具Tとを把持する把持位置に正方向に90度旋回して割出位置P1の工具Tと主軸3a先端の工具Tとを把持した後、主軸軸線方向前方に移動して両工具T,Tを夫々割出位置P1の工具ポット19、主軸3a先端から抜き取り、正方向に180度旋回して両工具T,Tの位置を入れ替え、その後、主軸軸線方向に後退して工具T,Tを割出位置P1の工具ポット19、主軸3a先端に夫々装着し、把持位置から工具Tを開放する逆方向に90度旋回して待機位置に戻る。前記駆動モータ29は、駆動モータ29の回転を検出するエンコーダ30を備えており、エンコーダ30は制御装置12に連結されている。工具交換装置9の駆動モータ29は制御装置12からの指令に基づいて回転が制御され、また、エンコーダ30からは駆動モータ12の回転量を検知するための入力パルスが制御装置12に入力され、この入力パルスに基づき工具ホルダ交換動作の各工程を検知している。
【0017】
制御装置12は、図7のフローチャートに示す工具異常検出プログラムに従って、工具異常の検出処理を行う。工具異常検出プログラムは、先ず、工具交換が開始されるとステップS1で工具マガジン8において図3〜5に示す割出位置P1に旋回割出されている工具ポット19をポット押え装置21により挟持し、交換アーム9aの正方向への270度旋回及び後退完了タイミングとなったかをエンコーダ30からの入力パルスにより判断する。交換アーム9aの270度旋回及び後退完了タイミングを検知すると、ステップS2で工具ポット19をポット押え装置21から開放し、重量センサ17に工具Tと工具ポット19の合計重量がかかり、割出位置P1の重量センサ17からの出力電気信号が制御装置12に読み込まれ、工具Tと工具ポット19の合計重量を測定する。
【0018】
次にステップS3でステップS2で測定した工具ポット19に保持された工具Tの合計重量の測定値から工具Tのみの工具重量の測定値を算出し、その工具Tの工具重量の測定値とその測定された当該工具Tのツールナンバーに対応した基準重量値とを比較し、その比較結果に基づき工具状態を判断する。ここで各工具Tの基準重量値は各工具Tを識別する番号であるツールナンバー毎に制御装置12に予め登録されている。勿論、予め工具Tと工具ポット19の合計重量を基準重量値として登録しておき、重量センサ17で測定された工具Tと工具ポット19の合計重量の測定値と比較しても良い。ステップS3で測定された工具重量の測定値が基準重量値より小さい場合にはステップS4に進む。このとき、測定された工具Tの重量は折損、欠けにより減少しているので、ステップS4で工具折損と判断され、ステップS5で報知手段(例えばアラーム)により工具異常が報知される。また、ステップS3で測定された工具重量の測定値が基準重量値より大きい場合にはステップS6に進む。このとき、測定された工具Tの重量は切粉の巻付きにより増加しているので、ステップS6で切粉巻付き異常と判断され、ステップS7で報知手段により工具異常が報知される。また、ステップS3で測定された工具Tの重量が基準重量値であればステップS8で正常と判断される。
【0019】
ステップS5,S7の報知手段により工具異常が報知された場合には、その後、工具マガジン8に収容された工具Tを作業員が取り出して工具Tを交換するなどの適宜な措置がとられる。前記ステップS3は工具ポット19と工具Tの合計重量の測定値を示す重量センサ17からの出力電気信号から工具重量の測定値を算出しこれと対応する工具Tの基準重量値と比較する工具重量値算出比較手段であり、ステップS3の比較結果に基づいて、ステップS4は工具折損と判断する第1判別手段であり、ステップS6は切粉巻付き異常と判断する第2判別手段であり、ステップS8は正常と判断する第3判別手段であり、ステップS3とステップS4とステップS5とステップS8とで判別手段を構成している。尚、ステップS3では、制御装置12に予め登録された各工具Tの基準重量値を用いて判別を行うとしたが、以前の加工終了時に測定された工具重量を基準重量値としてツールナンバーと対応して制御装置12内に記憶し、工具重量の比較に用いることもできる。
【0020】
次に第2の実施例について説明する。これは工具マガジン8と工具交換装置9との間に工具移送装置31を配置し、主軸3aと工具移送装置31との間で工具Tをやり取りし、工具移送装置31と工具マガジン8との間で工具Tをやり取りするようにし、工具移送装置31の工具Tを移送する移送ベース32に重量センサ17を設け、第1の実施例と略同様に加工後の工具Tの工具状態を重量センサ17により測定した工具重量の測定値から判別するものである。1例として図8、図9に示す工作機械1により説明する。工具マガジン8と主軸3aの間に工具移送装置31を設け、工具Tを保持する工具ポット19を割出ベース13の一対のグリッパ(挟持部材)33で着脱可能に把握するものであり、前記第1の実施例と同一の部分には同一の符号を付けて説明を省略する。
【0021】
グリッパ33は、割出ベース13に旋回中心に対して放射状に複数設けられている。また、工具マガジン8には、挟持された工具ポット19の外周側にガイドレール34が設けられている。このガイドレール34は図8に示すように円弧形状をしており、工具ポット19が割出ベース8の半径方向外側へ逃げるのを防止しており、また、割出位置P1で切欠部35が形成されている。また、割出位置P1から直下の工具交換位置P2へ向かう工具搬送方向に沿う側方ガイド36が支持ベース7上のベース37に設けられており、工具ポット19が工具移動装置31の移送体42により割出位置P1から工具交換位置P2に移送される際に、工具ポット19外周面と摺接し、工具ポット19が移送体42から図8において左右方向に抜出るのを防止する。ベース37の図8、図9に示す工具交換位置P2に対応する部分には、ポット押え装置38が設けられており、工具ポット19を保持部材39とシリンダ40のロッド先端の保持部材41とで側方から挟持固定する。工具移送装置31は、工具マガジン8の割出位置P1の工具Tを工具ポット19と一体に、工具交換アーム9aに受け渡す工具交換位置P2へ移送する。工具移送装置31に備えられた移送体42は、割出位置P1に旋回割出された工具ポット19を保持するものであり、工具ポット19が割出位置P1において通過できるように図9に示すように工具マガジン8の旋回割出方向が開放された断面コ字形状に形成されている。また、移送体42は、重量センサ17の起歪体18の他端に取り付けられ、起歪体18の一端が移送シリンダ43のロッド44先端の移動ベース32に固着され、移送体42はロッド44の伸縮により割出位置P1と工具交換位置P2との間で工具ポット19を側方ガイド36に沿って直線移送する。45は、移動ベース32を案内するガイドレールである。
【0022】
工具異常検知も前記第1実施例と略同様であり、先ず割出位置P1に割り出された工具ポット19が工具交換位置P2に移送された後、ポット押え装置38により工具ポット19を挟持し、工具交換位置P2の工具Tと主軸3aの加工後の工具Tの工具交換が行われ、図7のフローチャートの各ステップに従い、ステップS1,S2でポット押え装置38から工具ポット19が開放され、重量センサ17からの出力電気信号から制御手段12で加工後の工具Tと工具ポット19と移送体42の合計重量の測定値が計測される。このとき側方ガイド36は側方から工具ポット19外周面に当接するのみなので重量の測定に影響しない。次にステップS3で合計重量の測定値から加工後の工具Tのみの工具重量の測定値を算出し、その工具重量の測定値とその工具Tに対応する基準重量値とが比較され、工具重量の測定値が基準重量値より小さい場合にはステップS4,S5が実行されて工具折損と判断され、工具重量の測定値が基準重量値より大きい場合にはステップS6,S7が実行されて切粉巻付き異常と判断されて、工具重量の測定値が基準重量値であればステップS8で正常と判断される。勿論、工具Tと工具ポット19と移送体42の合計重量を基準重量値としても良い。
【0023】
尚、前記実施例1、2において、工具Tが装着された工具ポット19の合計重量または、工具Tと工具ポット19と移送体42の合計重量を測定しているが、工具Tの工具重量のみを測定するようにしても良い。また、重量センサとしてロードセルを用いたがこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本願発明の工具異常検知装置を備えた工作機械の正面図である。
【図2】工作機械の側面図である。
【図3】要部を拡大した正面図である。
【図4】重量センサ及びポット押え装置の概要を示す側面図である。
【図5】工具交換装置の概要を示す図である。
【図6】工具交換のタイミングチャートである。
【図7】工具異常検出プログラムを示すフローチャートである。
【図8】第2実施例の要部正面図である。
【図9】第2実施例の要部側面図である。
【符号の説明】
【0025】
1 工作機械
3a 主軸
8 工具マガジン
13 基準側部材(割出ベース)
17 重量センサ
19 工具ポット
31 工具移送装置
32 移動ベース
T 工具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸と工具マガジンとの間で工具を交換するようにしてある工作機械において、加工後の工具重量を測定する重量センサと、その重量センサによる測定値と予め計測されている当該工具の基準重量値とを比較し、その比較結果に基づき、工具状態を判別する判別手段とを備えたことを特徴とする工作機械における工具異常検知装置。
【請求項2】
工具交換時に工具を保持する工具ポットを重量センサを介して基準側部材に取り付け、工具交換動作に伴なってその工具ポットに工具が装着された時に、工具重量を工具ポットごと測定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の工作機械における工具異常検知装置。
【請求項3】
基準側部材を工具マガジンの割出ベースとし、その割出ベースに設けられる複数の工具ポットを、夫々重量センサを介して前記割出ベースに装着し、主軸から各工具ポットへ加工後の工具を返却した時、前記重量センサで工具ポットごと工具重量を測定するようにしたことを特徴とする請求項2記載の工作機械における工具異常検知装置。
【請求項4】
主軸と工具移送装置との間で工具をやり取りし、工具移送装置と工具マガジンとの間で工具をやり取りするようにしてある工作機械において、前記工具移送装置の移送ベースに重量センサを設け、その重量センサによる測定値と予め計測されている当該工具の基準重量値とを比較し、その比較結果に基づき、工具状態を判別する判別手段を備えたことを特徴とする工作機械における工具異常検知装置。
【請求項5】
判別手段は、基準重量値より小さな重量値が重量センサで検出されたときには工具折損と判断する第1判別手段と、基準重量より大きな重量値が重量センサで検出されたときには切粉巻付き異常と判断する第2判別手段とを含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の工作機械における工具異常検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−51561(P2006−51561A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−234002(P2004−234002)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【出願人】(000241588)豊和工業株式会社 (230)
【Fターム(参考)】