説明

工作機械

【課題】 主軸ヘッドの移動機構を保護する保護カバー体に切り屑が直接当たるのを防止できる工作機械を提供する。
【解決手段】 機構収納部6を保護する保護カバー体30の前面を保護するため、主軸ヘッド8の主軸支持台8aの下部にZ軸カバー43を備える。Z軸カバー43は、規制部材45によって傾斜され、Z軸カバー43の下端部を保護カバー体30の前面に近接させている。これにより、保護カバー体30側に切り屑が侵入するのを防止できる。さらに、Z軸カバー43は、規制部材45に、ヒンジ部62を介して揺動可能に連結される。そして、主軸ヘッド8の移動に伴って、Z軸カバー43が下方に移動すると、ガイドユニット50のガイドローラ55に、Z軸カバー43の下端部の前面側が摺動する。すると、Z軸カバー43の傾斜角度が変位され、Z軸カバー43全体が収納領域27に収納される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は工作機械に関し、詳細には、工作機械の機構部等に切り屑が侵入するのを防止できる工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工作機械であるマシニングセンタは、基台となるベッドと、該ベッド後方から略垂直上方に立設されたコラムとを備えている。そして、このコラムのベッドに対向する前面側の上部には、主軸ヘッドがZ軸方向(上下方向)に移動可能に設けられ、該主軸ヘッドの主軸には加工用の工具が装着される。さらに、ベッド上には、XY軸方向に移動可能なテーブルが設けられ、該テーブル上には被加工物であるワークが着脱可能に固定される。そして、このテーブルと主軸ヘッドの主軸とが互いに対向し、主軸ヘッドが下方に移動するとともに、主軸が回転駆動して工具が回転する。これにより、テーブル上のワークに対して、例えば、「中ぐり」、「フライス削り」、「穴空け」、「切削」等の切削加工を施すことができる。
【0003】
このようなマシニングセンタにおいて、コラム内には、主軸ヘッドをZ軸方向に移動させるための移動機構がコラムの長手方向に沿って設けられている。そして、その移動機構は主軸ヘッド側に露出された状態となっている。そのため、テーブル上から飛散する切り屑が移動機構内に侵入して堆積することがあり、主軸ヘッドがスムーズに移動できなくなることがあった。そこで、例えば、加工ヘッド(主軸ヘッド)の下部とコラム下部との間にシート状の保護カバー体を張設することにより、加工ヘッドのレール部や伝動機構内(移動機構内)に切り屑が侵入して付着するのを防止できる工作機械における保護カバー装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この保護カバー装置の保護カバー体は可撓性を有し、その下端側に設けられ、上方に折り返された折り返し部にはローラ状の錘が配置されている。よって、保護カバー体はコラム前面側に沿って弛みなく張設され、加工ヘッドの移動とともに上下に移動可能となっている。さらに、コラムの前面側には、保護カバー体の下側の前方に配置された金属製の保護板が設けられているので、保護カバー体に切り屑が直接当たって損傷するのを防止することもできる。
【特許文献1】特開2004−106083号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の工作機械における保護カバー装置では、保護カバー体の前面に複数配置された保護板と保護板との間には隙間が形成されているため、その隙間に切り屑が侵入して、保護カバー体を破損させることがあり、シート破れを完全に防げないという問題点があった。さらに、保護カバー体の保護板が金属製であるので、保護カバー体自身の重量が重くなってしまい、保護カバー体の上端部が固定された加工ヘッドの移動機構に負担がかかるという問題点があった。また、保護カバー体の前面に複数の保護板を1つ1つ取り付けなければならず、作業上の手間がかかるなどの問題点もあった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、主軸ヘッドの移動機構を保護する保護カバー体に切り屑が直接当たるのを防止できる工作機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る工作機械は、基台となるベッドと、当該ベッド後方から略垂直上方に立設されたコラムと、当該コラム上部の前記ベッドに対向する前面側に設けられ、上下方向に往復移動する主軸ヘッドと、当該主軸ヘッドと前記ベッドとの間に張設され、前記コラムの前面側を保護するとともに、可撓性を有する略帯状の保護カバー体とを備えた工作機械であって、前記主軸ヘッドの下部に設けられ、前記保護カバー体の前面を覆うとともに、前記主軸ヘッドの往復移動にともない上下方向に移動する保護板を備えている。
【0007】
また、請求項2に係る工作機械は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記保護板は、前記主軸ヘッドの下部に設けられるとともに、上下方向に揺動可能に軸支され、前記主軸ヘッドの下部には、前記保護板の軸支側端部の近傍を下側から支持して、前記保護板の下端部が前記コラム側に近接するように、前記保護板の揺動範囲を規制する規制部材が設けられている。
【0008】
また、請求項3に係る工作機械は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記コラムの下部には、前記保護板を収納可能な収納領域と、前記保護板が下方に移動した際に、前記保護板の下端部を前記収納領域にガイドして、前記保護板全体を前記収納領域に収納させるガイド部とが設けられている。
【0009】
また、請求項4に係る工作機械は、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記ガイド部は、前記コラム前面側の、前記収納領域の前方に設けられ、下方に移動する前記保護板の前面側下端部に当接して、前記保護板の傾斜角度を徐々に変位させ、前記保護板全体を前記収納領域にガイドして収納させるガイドローラを備えている。
【0010】
また、請求項5に係る工作機械は、請求項1乃至4の何れかに記載の発明の構成に加え、前記保護板は略長方形状に形成され、前記保護板の左右両端部に各々設けられ、前記コラムの前面との隙間を閉塞し、前記保護板の往復移動に伴って収縮するジャバラ状のサイドカバー部と、前記コラム前面の左右両端部に沿って各々設けられ、前記サイドカバー部の端部が当接して摺動するための当接摺動部とを備えている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る工作機械では、主軸ヘッドの下部には保護板が設けられており、保護板は、主軸ヘッドの移動に伴って上下方向に移動する。そして、この保護板は、保護カバー体の前面を覆いながら移動するため、主軸ヘッド近傍から飛散する切り屑は、保護カバーに当たる。これにより、可撓性を有する保護カバー体に切り屑が直接当たらないので、保護カバー体が損傷するのを防止できる。
【0012】
また、請求項2に係る工作機械では、請求項1に記載の発明の効果に加え、保護カバー体は、主軸ヘッドの下部に上下方向に揺動可能に軸支されているので、その下端部の方向を自由に調節することができる。さらに、規制部材により、保護板の下端部をコラム側に近接するよう傾斜させることができるので、保護カバー体と保護板との隙間を少なくでき、保護カバー体表面に切り屑が付着するのを防止できる。
【0013】
また、請求項3に係る工作機械では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、主軸ヘッドの移動にともない、下方に移動した時の保護板は、その下端部からガイド部によって収納領域に収納される。これにより、保護板が下方に移動した際に、保護板の下端部がベッドの上部に衝突するのを防止できる。
【0014】
また、請求項4に係る工作機械は、請求項3に記載の発明の効果に加え、保護板が下方に移動する際に、その前面側の下端部がガイド部のガイドローラに当接する。そして、そのまま保護板が下方に移動することにより、保護板の傾斜角度が徐々に変位され、保護板全体を収納領域内に滑らかに移動させて収納することができる。
【0015】
また、請求項5に係る工作機械は、請求項1乃至4の何れかに記載の発明の効果に加え、保護板の左右両端部とコラム前面との隙間はサイドカバー部で閉塞することができるので、保護カバー体の表面に切り屑が付着するのを防止できる。また、サイドカバー部はジャバラ状に形成されているので、保護板が収納領域に収納される際は折り畳むことができる。さらに、サイドカバー部の端部は、コラム前面の左右両端部に設けられた当接摺動部を摺動するため、サイドカバー部の端部が折れ曲がったり、コラム前面の左右両端部に引っ掛かって損傷したりするのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の第1の実施形態であるマシニングセンタ1について、図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態であるマシニングセンタ1の全体斜視図(主軸ヘッド8:上方位置)であり、図2は、第1の実施形態であるマシニングセンタ1の全体斜視図(主軸ヘッド8:下方位置)であり、図3は、Z軸カバー装置40の近傍を示す斜視図であり、図4は、Z軸カバー装置40の軸支構造を示す右側面図であり、図5は、Z軸カバー装置40の動作説明図(主軸ヘッド8:上方位置)であり、図6は、Z軸カバー装置40の動作説明図(主軸ヘッド8:中間位置)であり、図7は、Z軸カバー装置40の動作説明図(主軸ヘッド8:下方位置)である。さらに、図中に示すZ軸カバー43において、主軸9側の面を前面(表面)とし、コラム5側を背面(裏面)とする。なお、図1乃至図7において、図面左側をコラム5前面側とし、図面右側をコラム5の背面側とする。さらに、マシニングセンタ1のX軸方向とは、マシニングセンタ1の左右方向をいい、Y軸方向とは、マシニングセンタ1の奥行き方向(前後方向)をいい、Z軸方向とは、マシニングセンタ1の上下方向をいうものとする。
【0017】
はじめに、マシニングセンタ1の概略構成について説明する。図1に示すマシニングセンタ1は、図示外のワーク(図示外)と工具4とを相対移動させ、ワークに所望の機械加工(例えば、「中ぐり」、「フライス削り」、「穴空け」、「切削」等)を施すことができる工作機械である。マシニングセンタ1は、基台となる鉄製のベッド2と、該ベッド2の上部に設けられ、ワークを加工する機械本体3とから構成されている。さらに、マシニングセンタ1には、マシニングセンタ1の加工プログラムや、加工プログラム等のパラメータの設定入力をおこなうための操作部(図示外)が設けられている。なお、図示しないが、ベッド2の上部に、機械本体3を囲繞して保護するためのスプラッシュカバーを設けてもよい。
【0018】
次に、ベッド2について説明する。図1に示すように、ベッド2は、マシニングセンタ1のY軸方向に対して平行に延設され、その下部の四隅には、高さ調節が可能な脚部2aが各々設けられている。そして、これら4本の脚部2aが、工場などの床面に設置されることにより、マシニングセンタ1が所定場所に設置される。また、ベッド2の後部には、ベッド2の上部に切削液を供給する切削液供給口(図示外)が設けられている。さらに、ベッド2上部の後方側の両隅部近傍には、後述するコラム5が載置して固定されるための略直方体状のコラム座部22が各々設けられている。また、ベッド2の芯部は、軽量化、高強度化および低コスト化のため、所謂、肉抜き成形(リブによる骨組構造)されている。そして、このベッド2の上部に、機械本体3が設けられる。
【0019】
次に、機械本体3について説明する。図1,図2に示すように、機械本体3は、ベッド2の上部後方側に設けられた一対のコラム座部22の上面に載置して固定され、略垂直上方に延設された略直方体状のコラム5と、該コラム5前面の上部に設けられ、後述するヘッド移動機構(図示外)を収納する略直方体状の機構収納部6と、該機構収納部6の前面側をZ軸方向に移動可能に設けられた主軸ヘッド8と、該主軸ヘッド8の下部に設けられ、該主軸ヘッド8に支持され、工具4が着脱可に装着される主軸9と、主軸ヘッド8の前方に支持され、複数の工具4を把持するとともに、主軸9に装着された工具4を自動的に交換する工具交換装置10(ATC)と、ベッド2の上部に設けられ、ワークが着脱可能に固定されるとともに、X軸およびY軸方向に移動可能なテーブル15と、マシニングセンタ1の動作の制御をおこなう制御装置(図示外)と、コラム5の背面側に設けられ、制御装置を収納する制御箱11とを主体に構成されている。
【0020】
そして、主軸ヘッド8下部とベッド2上部との間には、機構収納部6の前面を覆うための保護カバー体30が張設されている。この保護カバー体30は、主軸ヘッド8の移動とともにZ軸方向に移動可能となっている。さらに、主軸ヘッド8の前部には、主軸9を略鉛直方向に支持する略直方体状の主軸支持台8aが下方に突出して設けられている。そして、その主軸支持台8aの下部には、保護カバー体30の前面側を保護するためのZ軸カバー装置40が設けられている。このZ軸カバー装置40は、保護カバー体30の前面側を覆う平面視略長方形状のZ軸カバー43を本体に備えている。そして、Z軸カバー43の上端部は、主軸支持台8a下部における機構収納部6側の角部に、後述する規制部材45とヒンジ部62とを介して軸支されている。これにより、Z軸カバー43は、自身の下端部が保護カバー体30の前面側に近接するように傾斜して支持され、Z軸カバー43の下端部は上下方向に揺動可能となっている。なお、主軸支持台8aは、主軸ヘッド8の一部であり、この主軸支持台8aを併せた主軸ヘッド8が、「主軸ヘッド」に相当する。
【0021】
また、機構収納部6の下部近傍には、Z軸カバー43を略水平な状態で収納する収納領域27が設けられている。さらに、図1,図2に示すように、機構収納部6の下部前方側には、主軸ヘッド8とともに下方に移動するZ軸カバー43の傾斜角度を変位させながら、Z軸カバー43全体を収納領域27に向かって引き込むためのガイドユニット50が設けられている。なお、これらZ軸カバー装置40とガイドユニット50とが本発明の特徴である。なお、これらZ軸カバー装置40とガイドユニット50の詳細な構造については後述する。
【0022】
次に、機構収納部6について説明する。図1に示すように、機構収納部6は、前面および底面が開口された略直方体状に形成されている。そして、その前面側の左右両端部近傍には、Z軸方向に平行に延設され、主軸ヘッド8をZ軸方向にガイドする一対のガイドレール(図示外)が設けられている。さらに、機構収納部6の内側には、主軸ヘッド8をZ軸方向に移動させるためのヘッド移動機構(図示外)が収納されている。このヘッド移動機構は、Z軸方向に対して平行に延設され、主軸ヘッド8を摺動自在に支持するボールネジ軸(図示外)や、主軸ヘッド8をボールネジ軸に沿って移動させるための昇降モータ等を備えている。そして、このようなヘッド移動機構によって、機構収納部6の前面側に主軸ヘッド8が上下移動可能に配置される。また、上述したように、機構収納部6の前面側には、主軸ヘッド8の下部に固定された保護カバー体30が張設されている。よって、ヘッド移動機構の前側は、保護カバー体30によって保護されるので、切り屑等がヘッド移動機構内には侵入しないようになっている。なお、図1に示すコラム5と、機構収納部6とが、「コラム」に相当する。
【0023】
次に、工具交換装置10について説明する。図1に示すように、工具交換装置10は、主軸ヘッド8の前方に設けられている。この工具交換装置10は、正面視略円形状の工具マガジン12と、該工具マガジン12の周縁に沿って列設され、工具4を把持するグリップアーム13と、工具マガジン12を回転駆動させ、所望の工具4を工具交換位置に移動させるマガジンモータ(図示外)とを備えている。さらに、工具マガジン12の後部と、機構収納部6前面の左右両端部との間には、Z軸方向に移動する主軸ヘッド8を介して、一対のマガジン支持片25,25(図1,図2では、右側のマガジン支持片25のみ図示)が渡設されている。こうして、工具交換装置10は、主軸ヘッド8の前面側に支持されている。
【0024】
そして、上記構成からなる工具交換装置10の工具交換動作は、制御箱11に収納された制御装置によって制御されている。例えば、機械本体3の操作部が操作されて、制御装置から工具交換装置10に対して工具交換が指示される。すると、主軸9に装着されていた工具4は、工具マガジン12のグリップアーム13によって把持され、工具マガジン12の元の保持位置に移動される。次いで、操作部で選択された工具4を把持し、工具マガジン12の保持位置に保持されたグリップアーム13が、主軸9近傍の工具交換位置に移動するまで、工具マガジン12が回転される。その後、選択された工具4を把持するグリップアーム13が主軸9側に移動して、主軸9に対して選択された工具4を装着する。こうして、工具交換装置10による工具交換動作がおこなわれる。
【0025】
次に、テーブル15について説明する。図1に示すように、テーブル15は、ベッド2の上部であって、主軸9の下方に位置する部分に配設されている。このテーブル15は、サーボモータからなるXモータ(図示外)およびYモータ(図示外)により、マシニングセンタ1のX軸方向およびY軸方向へ移動制御されている。詳細にいうと、テーブル15の下方には、略直方体状の移動体16(図1,図2参照)が設けられている。そして、この移動体16の上部に、X軸方向(左右方向)に沿って延設された一対のX軸送りガイド(図示外)が設けられ、該X軸送りガイド上にテーブル15が移動可能に設けられている。さらに、移動体16は、ベッド2の長手方向に沿って延設された一対のY軸送りガイド上に移動可能に設けられている。したがって、テーブル15は、ベッド2上に設けられたXモータにより、X軸送りガイドに沿ってX軸方向に案内され、同じくベッド2上に設けられたYモータにより、Y軸送りガイドに沿ってY軸方向に案内される。こうして、テーブル15は、X軸方向およびY軸方向に向かって移動可能となっている。
【0026】
さらに、X軸送りガイドには、テーブル15を中央に挟み込むようにして、テレスコピックカバー18,19が左右に各々覆設されている。さらに、図1,図2に示すように、Y軸送りガイドにも、移動体16を中央に挟み込むようにして、テレスコピックカバー20と、略山型のY軸後ろカバー21とが前後に各々覆設されている。そして、これらカバーのうち、テレスコピックカバー18,19および20は、テーブル15のX軸方向又はY軸方向への移動に伴ってテレスコピックに各方向に伸縮するものである。一方、Y軸後ろカバー21は、一枚の板金からなり、コラム5側へ移動する際にコラム5の下部に設けられたカバー収納部(図示外)に収容される。したがって、テーブル15がX軸方向およびY軸方向のいずれに移動しても、X軸送りガイドおよびY軸送りガイドは、常にテレスコピックカバー18,19,20およびY軸後ろカバー21によって覆われるので、テーブル15や工具4等から飛散する切り屑が各レール上に落下して堆積するのを防止できる。また、図示しないが、カバー収納部の前方側端部には、略山型の屋根部がテーブル15側に向かって突設されている。これにより、Y軸後ろカバー21とカバー収納部との隙間が覆われるため、その隙間に切り屑が入り込むのを防止できる。
【0027】
次に、制御装置について説明する。この制御装置は、図1,図2に示す制御箱11に収納されている。この制御装置は、マイクロコンピュータからなるものであり、CPU,ROM,RAM,入力インタフェース,出力インタフェース等を基本に構成されている。そして、制御装置には、図示外のコードが接続され、該コードは、操作部に接続されている。これにより、操作部でなされた入力操作は、制御装置によって処理され、機械本体の各装置に設けられたサーボモータや各種センサ等に指令が出されるようになっている。
【0028】
次に、保護カバー体30について説明する。図1,図3に示すように、保護カバー体30は、可撓性を有する合成樹脂製の帯状シートである。そして、その保護カバー体30の上端部は、主軸ヘッド8のコラム5側の角部にブラケット、ボルト等(図示外)を介して固定されている。一方、保護カバー体30の他端部は、機構収納部6の前面側および下面側を通過して、コラム5下部の前面側に設けられたカバー部7の内側に引き込まれている。さらに、カバー部7の内側では、保護カバー体30の他端部が上方に折り返され、(カバー部7の内側の)コラム5下部の前面に固定されている。そして、その折り返し部分には、ローラ状の錘(図示外)が回転自在に配置されているので、保護カバー体30は主軸ヘッド8の下部からカバー部7内に向かって弛みなく張設されている。そして、主軸ヘッド8が上方に移動すると、保護カバー体30が引き上げられることによって、カバー部7の内側で錘が上方に移動する。また、主軸ヘッド8が下方に移動すると、錘が保護カバー体30を引き下げる。これにより、保護カバー体30は、主軸ヘッド8の下部と、カバー部7との間で常に弛みなく張設された状態とすることができる。
【0029】
次に、本発明の特徴であるZ軸カバー装置40について説明する。図3に示すように、Z軸カバー装置40は、保護カバー体30の前面側を覆って保護する縦長の略長方形状のZ軸カバー43と、主軸支持台8aの下部に固定され、Z軸カバー43の傾斜角度を規制しつつZ軸カバー43を支持する規制部材45と、該規制部材45とZ軸カバー43の上端部とを揺動可能に連結するヒンジ部62とから構成されている。
【0030】
次に、Z軸カバー装置40を構成する各部品について順に説明する。図3に示すように、Z軸カバー43は平面視略長方形状に形成された鉄板である。さらに、Z軸カバー43の大きさは、主軸ヘッド8が上方位置に移動した時に、保護カバー体30の前面をほぼ全部覆うことができる程度に調整されている。なお、図3に示すZ軸カバー43が、「保護板」に相当する。
【0031】
一方、図4に示すように、規制部材45は、主軸支持台8a下面の機構収納部6側(図3参照)に沿って固定された平面視略長方形状の固定片45aと、該固定片45aの機構収納部6側の一端部から保護カバー体30(図3参照)の前面に向かって斜め上方に延設された平面視略長方形状の支持片45bと、該支持片45bの機構収納部6側の一端部から保護カバー体30の前面に向かって斜め下方に延設された規制片45cとから構成されている。そして、支持片45bと規制片45cとのなす形状が略「へ」の字型となり、規制片45cの上面にZ軸カバー43の上端部が当接して、Z軸カバー43が傾斜して支持されるようになっている。なお、この支持片45bと規制片45cとのなす角度は、Z軸カバー43の下端部が、保護カバー体30の前面側に近接するように設定されている。さらに、規制片45cのZ軸カバー43の上端部が当接する部分には、クッションとなる弾性体46が巻かれている。
【0032】
また、ヒンジ部62は、例えば、一方と他方とを揺動可能に連結する周知のヒンジである。このヒンジ部62は、一方に固定される第1固定片62aと、他方に固定される第2固定片62bと、第1固定片62aおよび第2固定片62bを揺動可能に連結する軸支部62cとから構成されている。
【0033】
次に、Z軸カバー装置40におけるこれら各部品の連結構造について説明する。図4に示すように、主軸支持台8aの下部における機構収納部6(図3参照)側の角部に、規制部材45の固定片45aが当接され、固定具14で固定されている。さらに、規制部材45の支持片45b上面に、ヒンジ部62の第1固定片62aの下面が当接され、固定具17で固定されている。一方、ヒンジ部62の第2固定片62bの下面に、Z軸カバー43の上端部が溶接等により固定されている。このような構造によって、Z軸カバー43は、ヒンジ部62の軸支部62cを軸心として、その下端部が上下方向に揺動可能となる。さらに、Z軸カバー43の上端部の前面側には、規制部材45の規制片45cが当接するため、Z軸カバー43の傾斜角度はこれより直角側には変位されない(起立状にはならない)。これにより、図1に示すように、Z軸カバー43の下端部を、保護カバー体30の前面側に常に近接させることができるので、保護カバー体30側に切り屑が侵入しにくくなり、保護カバー体30に切り屑が付着するのを防止できる。
【0034】
次に、ガイドユニット50について説明する。図3に示すように、ガイドユニット50は、主軸ヘッド8の移動とともに、Z軸カバー43が下方に移動する際に、図1に示すコラム5下部前方に配置されたテーブル15や、ベッド2上等に衝突しないよう、Z軸カバー43を略水平状態にして収納領域27にガイドして収納するためのユニットである。そして、このガイドユニット50は、機構収納部6の前面側の左右両端部に沿って各々設けられ、機構収納部6下部から下方にやや突出する一対のユニット支持片52,52と、該一対のユニット支持片52,52の両下端部の間に渡設され、収納領域27の前方に配置された平面視略コの字型のガイド支持部54と、該ガイド支持部54における略コの字型の相対する両端部の内側面に各々軸支され、略水平な軸心を有する一対のガイドローラ55,55とで構成されている。そして、このようなガイドユニット50のガイド支持部54の内側に、Z軸カバー43の下端部が引き込まれるようになっている。さらに、ガイド支持部54の内側に引き込まれたZ軸カバー43の下端部の前面側は、一対のガイドローラ55,55上に接触して摺動する。これにより、Z軸カバー43の傾斜角度が徐々に変位され、略水平状態までに変位されたZ軸カバー43全体が収納領域27内に収納されるようになっている。
【0035】
次に、上記構成からなるZ軸カバー装置40およびガイドユニット50の動作について説明する。まず、図5に示すように、主軸ヘッド8が上方に位置する場合、Z軸カバー43の傾斜角度は、規制部材45によって規制され、Z軸カバー43の揺動範囲が制限されている。よって、Z軸カバー43の下端部は、保護カバー体30の前面側に近接するので、保護カバー体30側に切り屑が侵入しにくくなり、保護カバー体30の前面に切り屑が付着するのを防止できる。さらに、機構収納部6の前面側は、Z軸カバー43で覆われているので、テーブル15(図1参照)周囲の加工領域から飛散する切り屑等は、Z軸カバー43の前面に当たる。これにより、機構収納部6の前面側に張設された保護カバー体30の前面には切り屑が直接当たることがないため、保護カバー体30の破れ等を防止できる。
【0036】
次いで、主軸ヘッド8が中間位置に移動した場合、図6に示すように、Z軸カバー43の下端部が、ガイドユニット50にまで到達し、ガイド支持部54の内側に差し込まれる。このとき、Z軸カバー43の下端部近傍の前面側が、一対のガイドローラ55,55上に当接する。さらに、主軸ヘッド8が下方に移動すると、Z軸カバー43の下端側の前面がガイドローラ55,55上を摺動する。そうすると、Z軸カバー43は、それまでの傾斜角度を維持できないので、ヒンジ部62の軸支部62c(図4参照)を軸心として、その傾斜角度を徐々に変位させながら、収納領域27内にガイドされて徐々に取り込まれる。なお、このときでも、保護カバー体30の前面側にはZ軸カバー43が位置するため、加工領域から飛散する切り屑はZ軸カバー43の前面に当たり、保護カバー体30に切り屑が直接当たることはない。
【0037】
そして、主軸ヘッド8が最下方位置まで移動した場合、図2,図7に示すように、Z軸カバー43は、自身の傾斜角度が略水平状態まで変位されて収納領域27内に取り込まれる。これにより、主軸ヘッド8が最下方位置まで移動した場合でも、Z軸カバー43の下端部が、ベッド2の上部や、テーブル15等に衝突するのを防止できる。また、主軸ヘッド8が最下方位置まで移動した場合、保護カバー体30の前面側には、主軸ヘッド8が位置するため、加工領域から飛散する切り屑は、保護カバー体30の前面には当たらない。
【0038】
以上説明したように、第1の実施形態であるマシニングセンタ1では、主軸ヘッド8とベッド2との間に張設された保護カバー体30の前面を保護するため、その保護カバー体30の前面を覆うことのできるZ軸カバー43を、主軸ヘッド8の主軸支持台8aの下部に設けた点に特徴を有する。これにより、加工領域から飛散する切り屑は、保護カバー体30に直接当たらず、Z軸カバー43の前面に当たるので、保護カバー体30が破れたりする等の損傷を防止できる。さらに、Z軸カバー43は、規制部材45によって、所定の傾斜角度に支持されているので、Z軸カバー43の下端部を保護カバー体30の前面に常に近接させることができる。これにより、保護カバー体30側に切り屑が侵入しにくくなるので、保護カバー体30の前面に切り屑が付着するのを防止できる。また、Z軸カバー43は、主軸支持台8aの下部に固定された規制部材45に、ヒンジ部62を介して揺動可能に連結されている。そして、下方に移動するZ軸カバー43の下端部の前面側が、ガイドユニット50のガイドローラ55,55に当接して摺動する。よって、Z軸カバー43の傾斜角度を変位させながら、Z軸カバー43全体を収納領域27に収納することができる。そして、収納領域27内では、Z軸カバー43を略水平状態で収納できるので、主軸ヘッド8が最下方位置まで移動した場合でも、Z軸カバー43の下端部が、ベッド2の上部や、テーブル15等に衝突することがない。
【0039】
次に、第2の実施形態のマシニングセンタのZ軸カバー装置400について説明する。図8は、第2の実施形態であるマシニングセンタのZ軸カバー装置400の近傍を示す斜視図であり、図9は、Z軸カバー装置400の動作説明図(主軸ヘッド8:上方位置)であり、図10は、Z軸カバー装置400の動作説明図(主軸ヘッド8:中間位置)であり、図11は、Z軸カバー装置400の動作説明図(主軸ヘッド8:下方位置)である。また、図8乃至図11において、図中左側をコラム5の前方側とし、図中右側をコラム5の後方側とする。
【0040】
なお、第2の実施形態であるマシニングセンタでは、第1の実施形態のZ軸カバー装置40を変形した一例であるZ軸カバー装置400を備えるものである。そして、Z軸カバー装置400では、Z軸カバー装置40におけるZ軸カバー43と、機構収納部6の前面との隙間をさらに塞ぐことにより、保護カバー体30の前面に切り屑が付着するのをさらに防止できる。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態のZ軸カバー装置40とは形態が異なるZ軸カバー装置400を備えるのみであり、それ以外の構成部分は、第1の実施形態であるマシニングセンタ1と同じである。よって、本実施形態での説明では、Z軸カバー装置400の構造およびその動作を中心に説明し、それ以外の部分は上記説明を援用するものとする。また、第1の実施形態であるマシニングセンタ1と同じ構成部品および装置等に関しては、上記説明中で使用した符号と同じ符号を付して説明する。
【0041】
まず、Z軸カバー装置400について説明する。図8に示すように、このZ軸カバー装置400は、第1の実施形態であるZ軸カバー装置40の構成を全て備え、保護カバー体30の前面側を覆って保護する縦長の略長方形状のZ軸カバー43と、主軸支持台8aの下部に固定され、Z軸カバー43の傾斜角度を規制しつつZ軸カバー43を支持する規制部材45と、該規制部材45と、Z軸カバー43の上端部とを揺動可能に連結するヒンジ部62とを備えている。そして、これらに加え、Z軸カバー装置400は、Z軸カバー43の左右両端部に各々固定され、Z軸カバー43の左右両端部と機構収納部6の前面との隙間との隙間を塞ぐための一対の略扇型のジャバラカバー70と、機構収納部6の前面の左右両端部に沿って各々設けられ、ジャバラカバー70が当接して摺動するための断面略L字型の一対のジャバラ当てカバー80とを備えている。なお、図8に示すジャバラカバー70が、「サイドカバー部」に相当し、ジャバラ当てカバー80が、「当接摺動部」に相当する。
【0042】
そして、Z軸カバー43は、保護カバー体30の前面側に傾斜して保持されているため、Z軸カバー43の左右両端部と機構収納部6の前面との隙間は略扇型(図3参照)になっている。よって、図8に示すように、その隙間を略扇型のジャバラカバー70で塞ぐことができる。これにより、保護カバー体30側に切り屑がさらに侵入しにくくなるので、保護カバー体30の前面に切り屑が付着するのをより防止できる。また、ジャバラカバー70はジャバラ状になっているので、Z軸カバー43の下方移動に伴って小さくなるその隙間に応じて収縮することができる。
【0043】
一方、図8に示すように、ジャバラ当てカバー80は略L字型に形成され、機構収納部6の左側面(右側面)の前面側の縁近傍沿って固定される縦長の略長方形状の固定片81と、当該固定片81の長手方向に直交する方向の一端部から、機構収納部60の前面側に略直角に折り返され、ジャバラカバー70の端部が摺動するための摺動片82とから構成されている。そして、各固定片81の下端部には、機構収納部6の下部に固定するために下方に突出された突出片81aが各々設けられている。さらに、摺動片82の、機構収納部6の中央側に対向する一端部には、該一端部に沿って機構収納部6の前方に凸設され、摺動片82上を摺動するジャバラカバー70の端部をガイドするための凸片82aが設けられている。これにより、Z軸カバー43の移動に伴って移動するジャバラカバー70の端部が、保護カバー体30側に滑って摺動片82上から外れるのを防止できるので、ジャバラカバー70の端部をジャバラ当てカバー80の摺動片82上を摺動させることができる。
【0044】
また、機構収納部6の下部近傍には、第1の実施形態と同じガイドユニット50が設けられている。そして、機構収納部6の左右両側面の下部前側の角部近傍の内側面には、ジャバラ当てカバー80の突出片81aを介して略水平な軸心を有する一対のガイドローラ90、90が各々軸支されている。そして、このガイドローラ90,90には、Z軸カバー43とともに下方に移動して、収納領域27にガイドされるジャバラカバー70の端部が摺動するようになっている。これにより、ジャバラカバー70の端部が、ジャバラ当てカバー80の摺動片82上から外れた際に、機構収納部6の下部前側の角部に接触して損傷するのを防止できる。そして、Z軸カバー43とともにジャバラカバー70を収納領域27内にスムーズにガイドすることができる。
【0045】
次に、上記構成からなるZ軸カバー装置400のジャバラカバー70の収縮動作について説明する。まず、図9に示すように、主軸ヘッド8が上方に位置する場合、Z軸カバー43は、規制部材45によって傾斜して支持されている。そして、Z軸カバー43の下端部は、保護カバー体30の前面に近接する。さらに、Z軸カバー43の左右両端部と機構収納部6の前面との略扇型の隙間は、ジャバラカバー70によって塞がれている。したがって、保護カバー体30側に切り屑が侵入しにくくなり、保護カバー体30に切り屑が付着するのを防止できる。
【0046】
次いで、主軸ヘッド8が中間位置に移動した場合、図10に示すように、Z軸カバー43の移動に伴って、ジャバラカバー70の端部は、ジャバラ当てカバー80の摺動片82上を摺動する。さらに、Z軸カバー43が下方に移動するにしたがって、Z軸カバー43の左右両端部と機構収納部6の前面との略扇型の隙間は収縮する。そして、ジャバラカバー70は、その隙間の大きさに合わせて折り畳まれて収縮する。さらに、Z軸カバー43の下端部がガイドユニット50にまで到達し、ガイドユニット50のガイド支持部54の内側に差し込まれる。このとき、Z軸カバー43の下端部近傍の前面側が一対のガイドローラ55,55上に当接する。
【0047】
そして、さらに、主軸ヘッド8が下方に移動すると、図11に示すように、Z軸カバー43は、一対のガイドローラ55,55上に当接して摺動することにより、自身の傾斜角度が略水平状態まで変位されて収納領域27内に取り込まれていく。このとき、ジャバラカバー70の端部は、ジャバラ当てカバー80の摺動片82上から外れて、一対のガイドローラ90,90上を摺動する。よって、ジャバラカバー70の端部を傷めることなく、収納領域27内にスムーズに取り込むことができる。
【0048】
以上説明したように、第2の実施形態のマシニングセンタは、第1の実施形態のZ軸カバー装置40の変形例であるZ軸カバー装置400を備えるものである。そして、Z軸カバー43の左右両端部に、機構収納部6の前面との隙間を塞ぐための一対の略扇型のジャバラカバー70を設けている。よってこ、Z軸カバー43の左右両端部と機構収納部6の前面との略扇型の隙間から保護カバー体30側に切り屑が侵入しにくくなるため、保護カバー体30の前面に切り屑が付着するのを防止できる。また、機構収納部6の前面の左右両端部に、ジャバラカバー70が当接して摺動するためのジャバラ当てカバー80を設けた。これにより、Z軸カバー43の移動に伴って、ジャバラカバー70をスムーズに移動させることができる。また、ジャバラカバー70の端部は、ジャバラ当てカバー80の摺動片82上を摺動するため、ジャバラカバー70の端部が折れ曲がったり、機構収納部6の前面の左右両端部に引っ掛かって損傷したりするのを防止できる。
【0049】
なお、本発明の工作機械は、上記実施形態に限らず、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、第1、第2の実施形態において、Z軸カバー43の上端部を、主軸ヘッド8下面に揺動可能に連結してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の工作機械は、主軸ヘッドが上下に移動可能な工作機械に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】第1の実施形態であるマシニングセンタ1の全体斜視図(主軸ヘッド8:上方位置)である。
【図2】第1の実施形態であるマシニングセンタ1の全体斜視図(主軸ヘッド8:下方位置)である。
【図3】Z軸カバー装置40の近傍を示す斜視図である。
【図4】Z軸カバー装置40の軸支構造を示す右側面図である。
【図5】Z軸カバー装置40の動作説明図(主軸ヘッド8:上方位置)である。
【図6】Z軸カバー装置40の動作説明図(主軸ヘッド8:中間位置)である。
【図7】Z軸カバー装置40の動作説明図(主軸ヘッド8:下方位置)である。
【図8】第2の実施形態であるマシニングセンタのZ軸カバー装置400の近傍を示す斜視図である。
【図9】Z軸カバー装置400の動作説明図(主軸ヘッド8:上方位置)である。
【図10】Z軸カバー装置400の動作説明図(主軸ヘッド8:中間位置)である。
【図11】Z軸カバー装置400の動作説明図(主軸ヘッド8:下方位置)である。
【符号の説明】
【0052】
1 マシニングセンタ
2 ベッド
5 コラム
8 主軸ヘッド
27 収納領域
30 保護カバー体
40 Z軸カバー装置
43 Z軸カバー
45 規制部材
50 ガイドユニット
55 ガイドローラ
70 ジャバラカバー
80 ジャバラ当てカバー
400 Z軸カバー装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台となるベッドと、当該ベッド後方から略垂直上方に立設されたコラムと、当該コラム上部の前記ベッドに対向する前面側に設けられ、上下方向に往復移動する主軸ヘッドと、当該主軸ヘッドと前記ベッドとの間に張設され、前記コラムの前面側を保護するとともに、可撓性を有する略帯状の保護カバー体とを備えた工作機械であって、
前記主軸ヘッドの下部に設けられ、前記保護カバー体の前面を覆うとともに、前記主軸ヘッドの往復移動にともない上下方向に移動する保護板を備えたことを特徴とする工作機械。
【請求項2】
前記保護板は、前記主軸ヘッドの下部に設けられるとともに、上下方向に揺動可能に軸支され、
前記主軸ヘッドの下部には、前記保護板の軸支側端部の近傍を下側から支持して、前記保護板の下端部が前記コラム側に近接するように、前記保護板の揺動範囲を規制する規制部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記コラムの下部には、
前記保護板を収納可能な収納領域と、
前記保護板が下方に移動した際に、前記保護板の下端部を前記収納領域にガイドして、前記保護板全体を前記収納領域に収納させるガイド部と
が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械。
【請求項4】
前記ガイド部は、
前記コラム前面側の、前記収納領域の前方に設けられ、下方に移動する前記保護板の前面側下端部に当接して、前記保護板の傾斜角度を徐々に変位させ、前記保護板全体を前記収納領域にガイドして収納させるガイドローラを備えていることを特徴とする請求項3に記載の工作機械。
【請求項5】
前記保護板は略長方形状に形成され、
前記保護板の左右両端部に各々設けられ、前記コラムの前面との隙間を閉塞し、前記保護板の往復移動に伴って収縮するジャバラ状のサイドカバー部と、
前記コラム前面の左右両端部に沿って各々設けられ、前記サイドカバー部の端部が当接して摺動するための当接摺動部と
を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の工作機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−181693(P2006−181693A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−379796(P2004−379796)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】